JP2947535B2 - 薄膜半導体装置及び受光素子及び光センサ - Google Patents

薄膜半導体装置及び受光素子及び光センサ

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JP2947535B2 JP13367291A JP13367291A JP2947535B2 JP 2947535 B2 JP2947535 B2 JP 2947535B2 JP 13367291 A JP13367291 A JP 13367291A JP 13367291 A JP13367291 A JP 13367291A JP 2947535 B2 JP2947535 B2 JP 2947535B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディスプレー、イメー
ジスキャナなどに用いられる薄膜半導体装置及び受光素
子及び光センサに関し、特に薄膜トランジスタ及び薄膜
トランジスタ型光センサなどの薄膜半導体装置の電気特
性の信頼性、安定性に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスオートメイションにとも
ない、ディスプレー、イメージスキャナー等の入出力デ
バイスは、ワードプロセッサー、パーソナルコンピュー
ター、ファクシミリ等のOA機器のマンマシーンインタ
ーフェイスとして、重要視され、計量、薄型、低価格が
要望されている。
【0003】このような観点より、薄膜半導体、例え
ば、水素化アモルファスシリコン、ポリシリコン等を、
大面積の絶縁基板上に形成し、薄膜トランジスタを構成
したアクティブマトリクス方式の液晶ディスプレイや、
光センサーを構成した光電変換装置等の開発が進められ
ている。
【0004】図3は、従来の薄膜トランジスター(以下
TFT)の構造の1例を示す。絶縁性の基板31に、ゲ
ート電極32が形成され、その上にゲート絶縁膜33を
堆積し、更にチャネル形成のできる薄膜半導体34とし
て、例えば、水素化アモルファスシリコンなどを形成す
る。更にソース・ドレイン電極36,37の金属電極の
間に、n+ 層35が、設けられており、電子に対してオ
ーミック性、正孔に対してブロッキング性となる接合を
形成することで、nチャンネルトランジスターとして動
作する。
【0005】なお、図3のTFTはソース、ドレイン電
極36,37の間に光を照射して半導体層で発生するフ
ォトキャリアの分布をゲート電極により制御して安定な
光電流を得るような、薄膜トランジスタ型の光センサー
としても応用できる。また、これらの薄膜トランジス
タ、および薄膜トランジスタ型センサなどの薄膜半導体
装置をソース、ドレイン電極やゲート電極を介して複数
個接続して構成された新たな機能を有する薄膜半導体装
置としても応用できる。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】図3に示されたよ
うな薄膜トランジスタなどの薄膜半導体装置を実際に液
晶ディスプレイや、ファクシミリの画像読み取り装置と
して用いる場合、この薄膜半導体装置の表面が、外部の
雰囲気の影響を非常に受けやすいため、酸素ガスや水蒸
気が直接これらの表面に、吸着、あるいは、拡散すれ
ば、半導体薄膜が、非常に薄いため、電気的特性が大き
く変動する。このため従来素子の表面を窒化シリコン膜
等の保護膜で被覆されているが、保護膜の窒化シリコン
膜のN/Si組成比に応じても、電気的特性は変化す
る。一般に窒化シリコン膜のN/Si組成比が小さくな
ると、薄膜半導体層のアモルファスシリコンとの界面に
トラップ準位が多くなり、ON/OFF比の低下、応答
性の悪化等望ましくない特性が表われるため、、N/S
i組成比はある程度大きい必要性がある。さらに、この
アモルファスシリコンを用いた薄膜半導体装置は200
℃程度の低温で形成されているため、保護膜の形成温度
もそれ以下の低温にしなければならない。しかし、通常
プラズマCVD法などで200℃以下の低温で、N/S
i組成比の大きい窒化シリコン膜を形成した場合膜の構
造の緻密性が失われ、保護膜としての耐湿性が悪くな
る。
【0007】しかしながら、この低温製膜の窒化シリコ
ン膜の構造の緻密性や保護膜としての耐湿性についての
メカニズムが不明であり、N/Si組成比の大きい膜で
緻密性が失われる原因はわかっていなかった。このため
窒化シリコン膜を保護膜として用いる場合、製膜条件の
設定が非常に困難となっていた。
【0008】また窒化シリコン膜ではなく熱処理により
重合させたポリイミド樹脂膜等を保護膜として用いる場
合もあるが、窒化シリコン膜に比べて、アモルファスシ
リコン半導体層に与える影響は少ないが、これらの有機
材料の場合耐湿性が期待できない。このため、これらの
有機材料を保護膜として用いる場合は、さらに窒化シリ
コン膜等の無機材料による最終保護膜が必要とされ、工
程を複雑になる。
【0009】このように、従来の薄膜トランジスター、
薄膜トランジスター型光センサー等の薄膜半導体装置を
実際に製品として応用する場合に、これらの薄膜半導体
装置の保護膜の耐湿性が重大な問題となっていた。この
保護膜の耐湿性が不十分だと、高温高湿の放置試験にお
いて、アクテブマトリックス型のディスプレーでは、T
FTのON/OFF比が低下して見えが大きく変わり、
またセンサーにおいては、その基本特性である光電流、
暗電流が、経時的に変化して読み取り画像の大きな劣化
を引き起こす。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、前述
した課題を解決するための手段として、絶縁基板上に、
単結晶シリコンからなる半導体層と金属電極とを有す
る薄膜半導体装置において、前記半導体層と金属電極上
に窒化シリコン膜を有し、該窒化シリコン膜の構成元素
である窒素原子と珪素原子と水素原子の総数に対する前
記水素原子の数の百分率が、35%以下であることを特
徴とする薄膜半導体装置を提供するものである。
【0011】また、絶縁基板上に、非単結晶シリコンか
らなる半導体層と金属電極とを有する受光素子におい
て、前記半導体層と金属電極上に窒化シリコン膜を有
し、該窒化シリコン膜の構成元素である窒素原子と珪素
原子と水素原子の総数に対する前記水素原子の数の百分
率が、35%以下であることを特徴とする受光素子を、
上記手段とするものである。
【0012】また、同一絶縁基板上に配置された、非
結晶シリコンからなる半導体層と金属電極を有する薄膜
半導体装置と、非単結晶シリコンからなる半導体層と金
属電極を有する受光素子と、を具備した光センサにおい
て、窒素原子と珪素原子と水素原子の総数に対する前記
水素原子の数の百分率が、35%以下である窒化シリコ
ン膜により、前記薄膜半導体装置と前記受光素子の両方
の表面が連続して覆われていることを特徴とする光セン
サを、上記手段とするものである。
【0013】また、絶縁基板上に、非単結晶シリコンか
らなる半導体層と金属電極を有する薄膜半導体装置の製
造方法において、前記半導体層と金属電極上の絶縁層膜
として用いる窒化シリコン膜の形成工程において、該窒
化シリコン膜の構成元素である窒素原子と珪素原子と水
素原子の総数に対する前記水素原子の数の百分率が、3
5%以下になるように形成することを特徴とする薄膜半
導体装置の製造方法を、上記手段とするものである。
【0014】本発明は、前記薄膜トランジスタ,薄膜ト
ランジスタ型光センサーなどの薄膜半導体装置の保護膜
に用いる窒化シリコン膜において、窒化シリコン膜中の
窒素原子とシリコン原子にそれぞれに結合した水素密度
の和が、膜の構造の緻密性、耐湿性を支配していること
を解明して、保護膜として適当な結合水素密度を与え、
窒化シリコン膜の製膜条件の設定を容易にすることがで
きるものである。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづき説明する。 (実施例1) 図1は、本発明の薄膜トランジスタ型光センサの断面図
である。
【0016】図2は、本発明の薄膜トランジスタ及び薄
膜トランジスタ型光センサの作成方法を示す。図2
(a)において、1は、ガラス基板、2はゲート電極と
なるCrである。ゲート電極2のCrはスパッタ法等で
前面に堆積し、感光性レジストを用いたフォトリソグラ
フィ工程により、パターニング形成される。その後、ゲ
ート絶縁膜となる水素化アモルファスシリコン窒化膜3
(a−SiNx:H以下窒化シリコン膜)を3000
Å、半導体層4となるアモルファスシリコン(以下a−
Si:H)を5000Å、オーミックコンタクト層のn
+ 層5を1000Åを順次連続にプラズマCVD法で全
面に堆積する。
【0017】図2(b)は、上部電極となるアルミニウ
ムをスパッタ法等で全面に10000Å堆積して、感光
性レジスト8を用いたフォトリソグラフィ工程により、
パターニングしてソース、ドレイン電極6,7を形成し
たところを示す。このとき、電極の上には感光性レジス
ト8がある。
【0018】図2(c)は、この感光性樹脂8をマスク
にして、n+ 層5を所定の深さにRIE等のエッチング
によりエッチングした後、感光性レジスト8を剥離す
る。図2(d)は、フォトリソグラフィ工程により、R
IEなどのエッチングにより、TFTを素子間分離し、
窒化シリコン膜の保護層10を全面に5000Å堆積し
て、図1のTFTが作成される。
【0019】窒化シリコン膜は、SiH4 とN2 とH2
の混合ガスを基板温度150℃でプラズマCVD法によ
り堆積させた。製膜時の放電電力のRFパワーを50W
〜300Wまで変化させることで、N/Si組成比を
0.4〜1.3に設定することができる。
【0020】窒化シリコン膜中の結合水素密度は、製膜
の原料ガスの種類や製膜法により変化させることができ
る。図4に製膜の原料ガスとして、SiH4 とN2 とH
2 の混合ガスを用いた場合において、N/Si組成比に
対する結合水素の百分率を示した。ここで結合水素の百
分率は、窒化シリコン膜の構成元素である窒素原子と珪
素原子と水素原子の総数に対する水素原子の数の百分率
を表わす。
【0021】窒化シリコン膜中に含まれる結合水素の百
分率は、製膜時の水素希釈率を大きくすることで、減少
させることができる。これはアモルファスシリコンの製
膜において水素希釈により、堆積表面をH原子で被覆す
ることで、製膜に寄与するSiH3 ラジカルの安定なサ
イトへの拡散を促し、緻密な膜構造が得られるといわれ
ているが、窒化シリコン膜においても同様な水素希釈効
果が生じていると考えられる。またプラズマによって生
じた水素ラジカルにより堆積膜表面の結合水素を引き抜
く効果も考えられる(この効果をさらに推進させる方法
として製膜と水素プラズマ処理を交互に行なう方法があ
る。この時、水素プラズマ処理される膜は、水素ラジカ
ルが効果的に結合水素を引き抜くことができる程度の膜
厚(10〜50Å)にすれば、結合水素の引き抜かれた
膜のみが積層されることになる。)。図4にはこのよう
な方法により得られた、異なる結合水素の百分率を有す
窒化シリコン膜を示した。
【0022】また、これらの方法により得られた、異な
る結合水素の百分率をもつ窒化シリコン膜において、緩
衝フッ酸溶液(以下BHF溶液)に対するエッチング速
度を示したものである。同図によれば、BHFエッチン
グ速度は、N/Si組成比に関係なく結合水素の百分率
に依存して変化していることがわかる。すなわち、等し
い窒素原子とシリコン原子が存在する窒化シリコン膜に
おいても結合水素により構造の緻密性が変わることを示
している。従来、N/Si組成比が大きくなると膜の緻
密性が失われたのはN/Si組成比に伴って窒素原子が
増加して、窒素に結合した水素(N−H結合)が増加し
たためである。この様にBHFエッチング速度の総結合
密度による変化から、構造の緻密性は結合水素の百分率
により決定されることが分かる。
【0023】また、この窒化シリコン膜を薄膜トランジ
スタなどの薄膜半導体装置の保護膜に用いた場合の耐湿
性について、この薄膜半導体装置を高温高湿(60℃、
90%)に放置した時間に対する1728ビットの配線
腐食発生率を図6に示す。同図において、(a)、
(b)、(c)は結合水素の百分率がそれぞれ37原子
%、30原子%、24原子%の同じN/Si組成比を持
つ窒化シリコン膜を保護膜として用いた場合を表わす。
同図によれば、結合水素の百分率が大きくなると、配線
腐食発生率は急激に大きくなる。さらに、いろいろな膜
について、高温高湿(60℃、90%)に500時間放
置した時の配線腐食発生率を図7に示した。これによれ
ば、これらの窒化シリコン膜の保護膜としての耐湿性は
N/Si組成比に関係なく、結合水素の百分率に依存し
ていることがわかる。また、窒化シリコン膜の結合水素
の百分率が35原子%以上になると急激に配線腐食発生
率が大きくなり、耐湿性が悪化することがわかる。な
お、実際の密着型画像読み取り装置にこの薄膜半導体装
置を用いた場合、この高温高湿試験により腐食発生率が
20%以下であれば製品のスペックとして問題ないこと
は確認されている。これより、結合水素の百分率が35
原子%以下の窒化シリコン膜を保護膜として用いれば、
良好な耐湿性が得られることがわかる。
【0024】さらに図8は窒化シリコン膜の構造につい
て、次式で表されるような、平均の最隣接の配位数mを
いろいろなN/Si組成比について示したものである。
【0025】
【数1】 m=4x+3y+1z (ただしx+y+z=1)・・・(1) ここで、x,y,zはそれぞれSi,N,H原子の組成
比を表し、最隣接配位数が短距離において保存されてい
ることが仮定されている。アモルファス状態とガラス状
態においてこれらのランダムネットワークを考える時、
原子ごとの拘束数NCO(m)は、
【0026】
【数2】 NCO(m)=m/2+m(m−1)/2=m2 /2 ・・・(2) で与えられる。ここで、第1項はボンドの伸び縮みの自
由度の数、第2項はボンドの曲がりに対する自由度の数
である。この拘束数を空間の3次元的な自由度として、
CO=3ととると、mC =60.5 =2.45の時、最も
都合の良いつながり方となり、2<m<3の時、ガラス
形成能が高くなる。ここで最隣接配位数mがmC に比べ
て大きい時は各原子の拘束力が大きなアモルファス状態
となり、mがmC に比べて小さい時は各原子の拘束力が
小さなアモルファス状態になり、これらはガラス状態に
比べると自由エネルギーの高い準安定状態を取っている
といわれている。窒化シリコン膜ではガラスを形成する
ことはないため、最隣接配位数mが小さくなると、各原
子の拘束数が減少して、mC =2.45までは膜構造の
3次元的な自由度が大きくなると思われる。しかし、m
C =2.45以下になると、さらに自由度が大きくなり
すぎて、自由エネルギーの比較的高い状態でも準安定状
態をとることが可能となり、構造的に不安定な膜、すな
わち緻密性に乏しい膜となる。図8によれば、いろいろ
なN/Si組成比の時についても、mC=2.45に対
応する膜中の結合水素の百分率は約40〜45原子%と
なっている。すなわち、最隣接配位数mがmC =2.4
5付近では、N/Si組成比よりも、膜中の結合水素の
百分率に依存していることがわかる。この理論では膜中
の結合水素の百分率が40〜45原子%以下の時に膜構
造が疎になり、緻密性が失われることになったが、実際
の窒化シリコン膜では膜中の結合水素の百分率が35原
子%以下で緻密性が失われる。この差は、N原子とSi
原子は水素原子と共有結合半径や、電気陰性度の差があ
るためにそれぞれの結合エネルギーが異なり、水素原子
との結合のしやすさが変化したために生じたと思われ
る。しかし膜構造の緻密性がN/Si組成比よりも、膜
の結合水素の百分率に依存していることはこの理論に
より定性的に理解される。
【0027】本実施例では窒化シリコン膜は、SiH4
とN2 とH2 の混合ガスを用いた場合について述べた
が、SiH4 やSi2 6 とNH3 やN2 Oなどのシリ
コン原子と窒素原子を含むガスであれば、同様にして、
2 の希釈率を変えたり、製膜とH2 プラズマを交互に
行なう方法などで、結合水素の百分率を変えることがで
きる。
【0028】本発明の実施例の薄膜半導体装置をファク
シミリ等の画像読み取り装置に応用した場合の断面図を
図9に示す。光源71からの入射光は原稿69で反射し
て、図2の工程で作成された薄膜トランジスタ型光セン
サにより光電変換され、同一工程から成る電荷蓄積コン
デンサにより発生した電荷蓄積される。さらに同一工程
から成る薄膜トランジスタによりこれらの電荷の転送リ
セットが行なわれる。
【0029】図10に本発明の薄膜トランジスタ型光セ
ンサ及び薄膜トランジスタなどの薄膜半導体装置で構成
した完全密着型センサの回路の平面図の一例を示す。同
図において、20はマトリクスに形成された配線部、2
1は本発明による薄膜トランジスタ型光センサを用いた
光センサ部、22は電荷蓄積部、23aは本発明による
薄膜トランジスタを用いた転送用スイッチ、23bは電
荷蓄積部22の電荷をリセットする本発明による薄膜ト
ランジスタを用いた放電用スイッチ、25は転送用スイ
ッチの信号出力を信号処理ICに接続する引き出し線で
ある。本実施例では光センサ部21、転送用スイッチ2
3a及び放電用スイッチ23bを構成する光導電性半導
体層としてa−Si:H膜が用いられ、絶縁層としてプ
ラズマCVDによる窒化シリコン膜が用いられている。
【0030】尚、図10においては、煩雑さを避けるた
めに、上下2層の電極配線のみ示し、上記光導電性半導
体層及び絶縁層は図示していない。さらに上層電極配線
と半導体層との界面にはn+ 層が形成され、オーミック
接合が取られている。図11に本発明の薄膜トランジス
タ型光センサ及び薄膜トランジスタなどの薄膜半導体装
置で構成した完全コンタクト型センサの回路の等価回路
を示す。同図において、Si,1 ,Si,2 ,Si,3 ,・・
・・Si,n ,は、図10の光センサ部21を構成してい
る光センサであり、iはブロックの番号、1〜nはブロ
ック内のビット数である。(以下Si,n と記す。)また
同図において、Ci,n は電荷蓄積部22のコンデンサ
で、光センサSi,n に対応してそれぞれの光電流を蓄積
する。また、蓄積コンデンサCi,n の電荷を負荷コンデ
ンサCXn に転送するための転送用スイッチ23aのト
ランジスタSTi,n ,電荷をリセットする放電用スイッ
チ23bのトランジスタSRi,n も同様に対応してい
る。
【0031】これらの、光センサSi,n ,蓄積コンデン
サCi,n ,転送用スイッチトランジスタSTi,n ,およ
び放電用スイッチトランジスタSRi,n は、それぞれ一
列にアレイ状に配置され、n個で1ブロックを構成し、
全体としてm個のブロックに分けられている。たとえ
ば、センサが1728個で構成されているとすれば、n
=32,m=54とすることができる。アレイ状に設け
られた転送用スイッチSTi,n ,放電用スイッチSR
i,n のゲート電極は、ゲート配線部に接続される。転送
用スイッチSTi,n のゲート電極は1番目のブロック内
で共通に接続され、放電用スイッチSRi,n のゲート電
極は次の順位のブロックの転送用スイッチのゲート電極
に接続される。
【0032】マトリクス配線部210の共通線(ゲート
駆動線G1 ,G2 ,G3 ,・・・Gm )はゲート駆動部
246によりドライブされる。一方信号出力は、マトリ
クス構成になっている引き出し線230(信号出力線D
1 ,D2 ,D3 ・・・Dn )を介して信号処理部247
(ブロック単位で)接続される。また、光センサSi,n
のゲート電極は駆動部250に接続されて、負のバイア
スが加えられる。
【0033】かかる構成において、ゲート駆動線G1
2 ,G3 ,・・・Gm にはゲート駆動部246から順
次選択パルス(VG1 ,VG2 ,VG3 ・・・VGm
が供給される。まず、ゲート駆動線にG1 選択される
と、転送用スイッチST1,1 〜ST1,n がON状態とな
り、蓄積コンデンサC1,1 〜C1,n に蓄積された電荷が
負荷コンデンサCX1 〜CXn に転送される。次に、ゲ
ート駆動線G2 が選択されると、転送用スイッチST
2,1 〜ST2,n がON状態となり、蓄積コンデンサC
2,1 〜C2,n に蓄積された電荷が負荷コンデンサCX1
〜CXn に転送され、同時に放電用スイッチSR1,1
SR1,n より蓄積コンデンサC1,1 〜C1,n の電荷がリ
セットされる。以下同様にして、ゲート駆動線G3 ,G
4 ,G5 ,・・・Gm についても選択されて、読み取り
動作が行なわれる。これらの動作は各ブロックごとに行
われ、各ブロックの信号出力VX1 ,VX2 ,VX3
・・VXn は信号処理部247の入力D1 ,D2 ,D3
・・・Dn に送られ、シリアル信号に変換されて出力さ
れる。
【0034】本発明の薄膜半導体装置の応用例として、
ここでは図9に示すように、光センサの上部に耐摩耗層
70を形成してセンサの裏面から光源71により照明
し、原稿69を読み取るレンズレスの完全密着型画像読
み取り装置についてのみ述べたが、さらに、等倍結像レ
ンズ(たとえば、日本板硝子のセルフォックレンズな
ど)を用いた完全密着型画像読み取り装置にも応用でき
る。あるいは密着型画像読み取り装置だけではなく、ア
クティブマトリクス型液晶ディスプレイにも応用できる
ことはいうまでもない。
【0035】
【発明の効果】本発明により、薄膜トランジスタや薄膜
トランジスタ型光センサなどの薄膜半導体装置の保護膜
として用いる窒化シリコン膜において、膜の構成元素で
ある窒素原子と珪素原子のそれぞれに結合する水素原子
が、膜の構造の緻密性、耐湿性を支配していることが解
明され、窒化シリコン膜中の結合水素の百分率が、35
原子%以下の範囲においてのみ、薄膜半導体装置の保護
膜としての十分な耐湿性が得られることがわかった。
【0036】以上によりこれらの薄膜半導体装置の保護
膜の条件を選ぶ場合に、結合水素の百分率が前記最適化
範囲の中にあれば、製膜の原料ガスや製膜法によらず、
自由度を持って選ぶことができ、十分な耐久性、安定性
を有する薄膜半導体装置が容易に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薄膜半導体装置の断面図
【図2】本発明による薄膜半導体装置の作成方法を示す
工程図
【図3】従来の薄膜半導体装置の断面図
【図4】製膜のガス種を変えた窒化シリコン膜の結合水
素の百分率N/Si組成比依存性を示す図
【図5】窒化シリコン膜のBHFエッチング速度と、
合水素の百分率の関係を示す図
【図6】高温高湿放置時間に対する配線腐食を示す図
【図7】高温高湿放置500時間の配線腐食発生率を示
す図
【図8】窒化シリコン膜の構造について、2次元のネッ
トワークモデルを示した図
【図9】本発明による薄膜半導体装置を用いた画像読み
取り装置の断面図
【図10】本発明による薄膜半導体装置を用いた画像読
み取り装置の平面図
【図11】本発明による薄膜半導体装置を用いた画像読
み取り装置の等価回路
【符号の説明】
1,31,61 ガラス基板 2,32,62 ゲート電極 3,33,63 ゲート絶縁膜 4,34,64 光導電性半導体膜 5,35,65 n+ 層(オーミックコンタクト層) 6,36,66 ソース電極層(上部電極層) 7,37,67 ドレイン電極層(上部電極層) 8 感光性レジスト 10 保護層 69 原稿 70 耐摩耗層 71 光源 20,210 マトリクス形成されたゲート配線部 21 光センサ部 22 電荷蓄積部 23a 転送用スイッチ 23b 放電用スイッチ 25,230 信号出力の引き出し線 26 光入射窓 246 ゲート駆動部 247 信号処理部 250 センサゲート駆動部 Si,n 光センサ Ci,n 蓄積コンデンサ CXn 負荷コンデンサ STi,n 転送用スイッチングトランジスタ SRi,n リセット用スイッチングトランジス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 31/10 E

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に、非単結晶シリコンからな
    る半導体層と金属電極とを有する薄膜半導体装置におい
    て、 前記半導体層と金属電極上に窒化シリコン膜を有し、該
    窒化シリコン膜の構成元素である窒素原子と珪素原子と
    水素原子の総数に対する前記水素原子の数の百分率が、
    35%以下であることを特徴とする薄膜半導体装置。
  2. 【請求項2】 前記薄膜半導体装置は、同一基板上に、
    コンデンサとマトリクス配線とともに配置され、前記薄
    膜半導体装置と前記コンデンサと前記マトリクス配線と
    が、連続する前記窒化シリコン膜によって覆われている
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜半導体装置。
  3. 【請求項3】 アクティブマトリクス型表示装置に用い
    られることを特徴とする請求項1記載の薄膜半導体装
    置。
  4. 【請求項4】 絶縁基板上に、非単結晶シリコンからな
    る半導体層と金属電極とを有する受光素子において、 前記半導体層と金属電極上に窒化シリコン膜を有し、該
    窒化シリコン膜の構成元素である窒素原子と珪素原子と
    水素原子の総数に対する前記水素原子の数の百分率が、
    35%以下であることを特徴とする受光素子。
  5. 【請求項5】 前記受光素子は、コンデンサとマトリク
    ス配線とともに同一基板上に配置され、前記受光素子
    と、前記コンデンサと、前記マトリクス配線と、光入射
    窓とが、連続する前記窒化シリコン膜によって覆われて
    いることを特徴とする請求項4記載の受光素子。
  6. 【請求項6】 同一絶縁基板上に配置された、非単結晶
    シリコンからなる半導体層と金属電極を有する薄膜半導
    体装置と、非単結晶シリコンからなる半導体層と金属電
    極を有する受光素子と、を具備した光センサにおいて、 窒素原子と珪素原子と水素原子の総数に対する前記水素
    原子の数の百分率が、35%以下である窒化シリコン膜
    により、前記薄膜半導体装置と前記受光素子の両方の表
    面が連続して覆われていることを特徴とする光センサ。
  7. 【請求項7】 同一の前記絶縁基板上に、前記薄膜半導
    体装置と、前記受光素子と、コンデンサと、マトリクス
    配線と、基板裏面に設置された光源の光を表面に通過さ
    せるための入射窓と、が配置され、 前記薄膜半導体装置と、前記受光素子と、前記コンデン
    サと、前記マトリクス配線と、前記入射窓とが、連続す
    る前記窒化シリコン膜によって覆われていることを特徴
    とする請求項6記載の光センサ。
  8. 【請求項8】 絶縁基板上に、非単結晶シリコンからな
    る半導体層と金属電極を有する薄膜半導体装置の製造方
    法において、 前記半導体層と金属電極上の絶縁層膜として用いる窒化
    シリコン膜の形成工程において、該窒化シリコン膜の構
    成元素である窒素原子と珪素原子と水素原子の総数に対
    する前記水素原子の数の百分率が、35%以下になるよ
    うに形成することを特徴とする薄膜半導体装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 前記窒化シリコン膜の形成工程におい
    て、前記珪素原子に対する窒素原子の比が0.4以上と
    なるように形成することを特徴とする請求項8に記載の
    薄膜半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記絶縁膜の窒化シリコン膜の形成方
    法は、珪素原子を含むガスと窒素原子を含むガスと水素
    ガスを用いた堆積工程と、水素ガスを含むプラズマ処理
    工程とが、交互に複数回繰り返されることを特徴とする
    請求項8に記載の薄膜半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記プラズマ処理工程は、1工程で1
    0〜50オングストロームの前記窒化シリコン膜を処理
    することを特徴とする請求項10記載の薄膜半導体装置
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記薄膜半導体装置は、受光素子であ
    ることを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項記載
    の薄膜半導体装置の製造方法。
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