JP2947331B2 - 溶融金属容器の蓋の取付構造 - Google Patents

溶融金属容器の蓋の取付構造

Info

Publication number
JP2947331B2
JP2947331B2 JP19088295A JP19088295A JP2947331B2 JP 2947331 B2 JP2947331 B2 JP 2947331B2 JP 19088295 A JP19088295 A JP 19088295A JP 19088295 A JP19088295 A JP 19088295A JP 2947331 B2 JP2947331 B2 JP 2947331B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lid
stopper
pin
container
molten metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19088295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08206817A (ja
Inventor
寿憲 安藤
良輔 壱岐
伸太郎 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP19088295A priority Critical patent/JP2947331B2/ja
Publication of JPH08206817A publication Critical patent/JPH08206817A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2947331B2 publication Critical patent/JP2947331B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は取鍋に好適な蓋の取
付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図22(a)〜(e)は製鋼工程におけ
る取鍋のフロー説明図であり、例えば製鋼工程におい
て、(a)に示す通りに転炉101から溶鋼102を溶
融金属容器の1種である取鍋103へ移す。この取鍋1
03は上部を開放した鋼製ケース104の内部に耐火材
105を貼り、底にシリンダ106及びゲート107の
付いたノズル108を備え、側面に支軸109,109
を突設したものである。これら支軸109,109はク
レーンで吊上げたり、台車の軸受台に支承される突起で
ある。
【0003】溶鋼102を満たした取鍋103は台車や
クレーンで移動され、(b)に示す二次精錬を実施す
る。転炉101でなされる精錬を一次精錬といい、製鋼
工程後半に実施されるものを二次精錬という。二次精錬
にはフラックスをランスで吹込んで溶鋼中の介在物を浮
上させる「インジェクション」や(b)に示す真空脱ガ
ス設備110による「真空精錬」やフラックスや添加合
金をワイヤの形態で溶鋼へ投入する「ワイヤフィーダ成
分調整」など多数のプロセスがある。
【0004】二次精錬後、(c)に示す通りに取鍋10
3を連続鋳造設備112の上方に臨ませ、ゲート107
を開けて溶鋼102を流下させる。(d)は取鍋103
の底に溜まったノロをノロ受け114へ排出する作業を
示し、これを排滓作業と言う。(e)は取鍋103の内
貼り耐火材105の損傷を検査し、損傷があれば修理す
る工程である。この後、取鍋103を(a)に戻す。
【0005】以上の説明は、取鍋103の理解を容易に
するために1例を示したもので、取鍋103の使用方法
はこの例に限るものではない。ところで、上記フローか
ら明らかなように、取鍋103は上部が開放されている
ために熱エネルギーが失われる。そこで、取鍋103に
保温蓋を被せるという技術が例えば実公昭59−42
208号公報「取鍋の保温蓋外止め構造」及び実開昭
62−113855号公報「溶融金属容器の保温蓋連結
構造」で公表されている。これら及びの要部を抜き
書きしたものを次図で示し、この図に基づいて,の
要旨を説明する。ただし、便宜上、符号は振り直してあ
る。
【0006】図23は従来の取鍋の保温蓋外止め構造図
(上記の第2図相当)であり、取鍋120の外面上部
から停止板121を斜め下方へ延出し、この停止板12
1の下面に傾斜凹部122を設け、この傾斜凹部122
に保温蓋124側の掛合体125に引っ掛ける構造と
し、且つ、傾斜凹部122に係合した掛合体125を自
重で出没するストッパー126で抜け止め防止したこと
を特徴とする。即ち、図を反時計方向へ傾けると、実線
で示した掛合体125が想像線で示した位置まで移動
し、更に傾動を135゜程度まで強めるとストッパー1
26が自重で滑り落ちて先端が係止板121に至り、掛
合体125の傾斜凹部122からの抜け止めを図るとい
うものである。
【0007】図24は従来の溶融金属容器の保温蓋連結
構造図(上記の第7図(c)相当)であり、取鍋13
0の側面上部に受座131を突設し、この受座131に
レ字溝132を開け、このレ字溝132の縦向き溝13
3を通じて上から蓋135側のピン136を差込み、傾
動時にはレ字溝132の傾斜溝134にピン136を収
納することでこのピン136の受座131からの脱落を
防止する。更に、万一のために縦向き溝133の上部開
口をストッパ部材137で塞ぐ構成となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記は、取鍋120
が縦向き(非傾動)状態のときに蓋124を外そうとす
ると、停止板121に掛合体125が当ってしまう。即
ち、簡単に蓋124を外すことはできない。
【0009】上記は、蓋135を外そうとするとレ字
溝132中のピン136は、縦向き溝133と傾斜溝1
34の両方へ進入する可能性がある。即ち、取鍋130
が僅かに傾動したり、または蓋135が斜めに持上げら
れた場合に簡単に傾斜溝134へピン136が進入する
ことになる。従って、では蓋135を外すには取鍋1
30を正確に縦向きにするなどの慎重な作業が要求され
る。
【0010】このように上記,はともに取鍋12
0,130に蓋124,135を取付けることには配慮
されているが、取付けた蓋124,135を外すことに
ついては不向きの構造となっている。しかし、近年、取
鍋120,130の蓋124,135を高頻度で着脱す
る要求が発生し、このためには取り外し性に優れた蓋の
取付構造が必要となってきた。そこで、本発明の目的は
高頻度で着脱可能な蓋の取付構造を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、上面を開放した溶融金属容器の側面上部
に設けられたピン受け箱と、前記容器の上面を塞ぐ蓋の
側面に支軸を介して揺動可能に垂下され、前記ピン受け
箱に挿抜される差込みピンとからなる溶融金属容器の蓋
の取付構造を構成する。更に、前記ピン受け箱は縦向き
のピン通孔を有し且つ前記容器が傾動されたときに重力
作用により傾動して前記ピン通孔へ進入する揺動ストッ
パとを有し、また前記差込みピンは前記揺動ストッパの
進入を許容し、揺動ストッパの高さより十分に縦長のス
トッパ収納部を有する。
【0012】蓋を取付けるには、蓋側の差込みピンを、
容器側のピン受け箱に挿入する。容器を傾動したときに
は揺動ストッパが差込みピンの移動を制限するので差込
みピンがピン受け箱から外れることはない。蓋を外すに
は容器を縦向きに保持して、蓋を垂直に上昇すればよ
い。
【0013】請求項2は、前記ピン受け箱に、揺動スト
ッパの位置を表示するストッパ位置表示材を付設する。
前記ストッパ位置表示材は、例えば揺動ストッパと一体
回転するストッパ軸に直接又は間接的に取付けられたフ
ラグとする。
【0014】揺動ストッパがストッパ機能を発揮してい
るか否かは、ストッパ位置表示材で表示する。ストッパ
位置表示材をフラグとすれば、このフラグを目視するこ
とでストッパの位置を確認することができる。
【0015】請求項3は、前記蓋閉の際に発生する蓋と
容器との衝突を緩和する衝撃緩衝機構を蓋又は溶融金属
容器の少なくとも一方に付設することが望ましい。
【0016】ストッパ収納部が十分に縦長であるため、
差込みピンは軸方向へ移動可能であり、蓋閉の際に蓋が
容器に衝突する恐れがある。そこで、衝撃緩衝機構で衝
撃を緩和して蓋及び容器の傷みを防止する。
【0017】請求項4は、上面を開放した溶融金属容器
の側面上部に設けられたピン受け箱と、前記容器の上面
を塞ぐ蓋の側面に支軸を介して揺動可能に垂下され、前
記ピン受け箱に挿抜される差込みピンとからなる溶融金
属容器の蓋の取付構造であって、前記ピン受け箱は縦向
きのピン通孔を有し且つ前記容器が傾動されたときにず
り落ちる蓋に連れて抜けようとする差込みピンを抑える
ストッパを有し、また前記差込みピンは前記ストッパに
係合する十分に縦長のストッパ収納部を有する。
【0018】蓋を取付けるには、蓋側の差込みピンを、
容器側のピン受け箱に挿入する。容器を傾動したときに
はストッパが差込みピンの移動を制限するので差込みピ
ンがピン受け箱から外れることはない。蓋を外すには容
器を縦向きに保持して、蓋を垂直に上昇すればよい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明の第1実施例に係る溶融金属
容器及び蓋の斜視図であり、溶融金属容器1(以下「容
器1」と略記する。)は鋼製有底円筒ケース2に耐火材
3を内張りした上面開放容器であり、例えば溶鋼を貯溜
するための容器であり、側面に一対のトラニオン軸4,
4(一方は不図示)を突起し、側面上部にブラケット
6,6及びピン受け箱10,10を備えたことを特徴と
する。蓋30は格子状の鋼製フレーム31で補強され、
中央にクレーンフックを掛けるための吊り具32を備
え、底面に図示せぬ断熱材を備えた円盤状の蓋であっ
て、側面に差込みピン40,40と衝撃緩衝機構50,
50とを備えたことを特徴とする。
【0020】図2は本発明の第1実施例に係る差込みピ
ンとピン受け箱の拡大斜視図であり、差込みピン40は
蓋30に溶接されたサブブラケット41に支軸42を介
して揺動自在に取付けられ、本実施例では前後を開放し
た縦長箱形を呈し、縦長の開口部分をストッパ収納部4
3としたものである。このストッパ収納部43は後述す
る揺動ストッパの高さ寸法より十分に大きな高さ寸法を
有し、上部内面をブリッジ44、下部内面をストップ面
45とするものである。さらに、差込みピン40は支軸
42で吊られ、外力が作用しなければ図の様に垂下す
る。46は先端テーパである。
【0021】図3は本発明の第1実施例に係るピン受け
箱の断面図であり、本図と図2とでピン受け箱10の構
造を説明する。図3において、ピン受け箱10は左右の
側板11,11と前板12と2枚の中仕切り板13,1
4とで形成した上下面開放の箱体であり、前記中仕切り
板13,14の間隔を当該差込みピン40より僅かに大
きくしてピン通孔15としたものである。ピン通孔15
の上部はガイド面16,16を形成し、差込みピン40
の挿入を容易としている。更に、一方の中仕切り板13
に縦長の開口13aを開け、この開口13aに揺動スト
ッパ20を往復動させるべくストッパ軸21にて揺動ス
トッパ20を保持し、また、他方の中仕切り板14に揺
動ストッパ20の先端を通過させる開口14aを開け、
この開口14aの上部内面にストッパ受け面17を形成
してなる。なお、揺動ストッパ20は図の状態ではピン
通孔15外にある。そして、ピン受け箱10が反時計方
向に90゜以上回転したときに、矢印を通り揺動して
ストッパ受け面17に当って停止する。なお、前板12
に開けられた縦長スリット12aは保守用開口であり、
揺動ストッパ20を人為的に回動する必要のある時に、
適当な棒を差込んで揺動ストッパ20を移動するための
ものである。
【0022】図2に戻って、ピン受け箱10は容器の円
筒ケース2に強固に取付けられ、上からピン通孔15端
の矩形開口が臨める。そして、ストッパ軸21の両端に
おむすび型のウエイト22,22(図奥のウエイトは不
図示)が取付けられ、図手前のウエイト22にストッパ
位置表示材25を取付けたことを示す。このストッパ位
置表示材25は例えば、「○」などのマーク26のつい
たフラグ27とこのフラグ27を適当な部材(ウエイト
22)へ取付けるための取付け金具28とからなる。
【0023】なお、上記ウエイト22の形状は任意であ
る。そして、図2では省略したが、ウエイト22を保護
カバーで囲うことが望ましい。上から降り掛かるスプラ
ッシュからウエイト22を保護するためである。この場
合には、取付金具28をS字形に湾曲形成することで、
保護カバーとフラグ27との干渉を避けるとよい。
【0024】図4は本発明の第1実施例に係る衝撃緩衝
機構の断面図であり、衝撃緩衝機構50は蓋30に取付
けられる円筒51、エンドプレート52、これらを縦に
貫通するロッド53、ロッド53に付設又は一体形成さ
れた鍔54及びばね55(例えば皿ばねを互い背中合わ
せに複数個を積み上げたもの)とからなり、外力の作用
していないときにはばね55の反発作用が勝って、ロッ
ド53は大きく下方へ突出する。このロッド53に上向
き外力が作用したときにはロッド53の上昇にともなっ
て鍔54がばね55を押上げ、エネルギーをばね55に
吸収させる。なお、衝撃緩衝機構50はオイルダンパと
スプリングとを組合わせたものであってもよく、要は、
衝撃力を吸収するショックアブソーバであればよい。
【0025】以上に述べた第1実施例に係る溶融金属容
器の蓋の取付構造の作用を図5〜図11にて説明する。
図5(a),(b)は本発明の第1実施例の作用説明図
(蓋装着を示す図、(a)は全体図、(b)は要部拡大
図)であり、容器1をほぼ縦向きに保持し、上から蓋3
0を容器1に臨ませ、差込みピン40をピン通孔15に
挿通する。このときに、差込みピン40の先端(下端)
のテーパ46をピン通孔15上端のガイド面16,16
に沿わせることで極めて容易に挿入ができ、しかも差込
みピン40とピン通孔15との心がある程度ずれていて
も挿入が可能である。
【0026】図6(a),(b)は本発明の第1実施例
の作用説明図(蓋つき容器が非傾動状態にあることを示
す図、(a)は全体図、(b)は要部拡大図)であり、
(b)に示す通りピン通孔15に差込みピン40が十分
に進入し、ストッパ収納部43が揺動ストッパ20の側
方に位置することを示す。そして、衝撃緩衝機構50の
ロッド53が後退(上昇)状態にあり、しかもばねの反
発力と蓋30の重量とのバランスにより、蓋30の下面
と容器1の上面との間に距離dの隙間が空いていること
に特徴がある。この距離dは数十mm程度が適当であ
り、この隙間を設けることにより、容器1の上面に溶鋼
がある程度付着しても蓋30の開閉に支障はない。
【0027】図7(a),(b)は本発明の第1実施例
の作用説明図(蓋つき容器が45゜傾動した状態を示す
図、(a)は全体図、(b)は要部拡大図)であり、
(b)に示す通りに揺動ストッパ20が時計回りに45
゜回転してストッパ収納部43への進入を開始したこと
を示す。フラグ27は面が「天」に臨んでいる。
【0028】図8(a),(b)は本発明の第1実施例
の作用説明図(蓋つき容器が90゜傾動した状態を示す
図、(a)は全体図、(b)は要部拡大図)であり、こ
のときでもフラグ27は面が「天」に臨んでいる。
【0029】図9(a),(b)は本発明の第1実施例
の作用説明図(蓋つき容器が135゜傾動した状態を示
す図、(a)は全体図、(b)は要部拡大図)であり、
傾動角度が90゜を超えたことにより差込みピン40に
引抜き力が作用し、ついには矢印の如くスライドし抜け
始める。揺動ストッパ20にストップ面45が当った状
態で差込みピン40の移動は終了する。ノロ排出作業の
時にはこの状態となる。
【0030】図10(a),(b)は本発明の第1実施
例の作用説明図(蓋つき容器を135゜から45゜まで
戻した状態を示す図、(a)は全体図、(b)は要部拡
大図)であり、図9とは逆に差込みピン40はピン通孔
15に進入する。このときに、実線で示した蓋30は容
器1に向って落下し、軽度ではあるが容器1上面に当接
した後に想像線の位置まで戻る。衝撃緩衝機構50の衝
撃吸収作用により衝撃力が吸収されるので、蓋30及び
容器1の損傷を防止できる。
【0031】図11(a),(b),(c)は本発明の
第1実施例のストッパ位置表示材の作用説明図であり、
容器1をハンドリングするクレーン運転手の見た図であ
る。(a)は非傾動状態の容器を見たものであるから蓋
30が見え、このときにはマーク26,26はほぼ正円
に見える。(b)は90゜傾動した蓋30付き容器1を
上から見たものであり、図8に相当する。即ち、上から
見るとマーク26,26がほぼ正円に見えるので、揺動
ストッパが順調に揺動していることが分かる。これに反
して、何らかの理由により揺動ストッパ20が図3の位
置でロックしたとすると、マーク26,26は殆ど見え
なくなる。従って、クレーン運転者は異常を検知するこ
とができる。
【0032】本発明は、差込みピン40をピン受け箱
10に垂直方向に挿抜すること、差込まれたピン40
は揺動ストッパ20のストッパ作用にも拘らず一定距離
抜けること、衝撃緩衝機構50を備えたこと、スト
ッパ位置表示材25を備えたことなどを特徴とする。上
記により蓋30の着脱作業が簡単になり、により容
器1の上面に溶鋼がある程度付着しても蓋30の開閉及
び着脱作業は可能となり、従来考慮されていなかった高
頻度着脱蓋付き容器の技術が確立できた。上記,に
より、本発明構造をより安全性の高いものとすることが
できる。
【0033】尚、図3においてストッパ受け面17にゴ
ム板などの弾性体を付設すること、ウエイト22を廃止
すること、図2においてストップ面45に弾性体を付設
すること、フラグ27を直接ストッパ軸21に取付ける
ことは任意である。
【0034】本発明の第2実施例を次に説明する。図1
2は本発明の第2実施例に係る溶融金属容器及び蓋の斜
視図であり、前記第1実施例と同様に、溶融金属の容器
1Aは鋼製有底円筒ケース2に耐火材3を内張りした上
面開放容器であり、例えば溶鋼を貯溜するための容器で
あり、側面に一対のトラニオン軸4,4(一方は不図
示)を突起し、側面上部にピン受け箱60,60を備え
たことを特徴とする。蓋30Aは格子状の鋼製フレーム
31で補強され、中央にクレーンフックを掛けるための
吊り具32を備え、底面に図示せぬ断熱材を備えた円盤
状の蓋であって、側面に差込みピン40,40とを備え
たことを特徴とする。
【0035】図13は本発明の第2実施例に係る差込み
ピンとピン受け箱の拡大斜視図であり、差込みピン40
は、第1実施例と同形であり、蓋30Aに溶接されたサ
ブブラケット41に支軸42を介して揺動自在に取付け
られ、本実施例では前後を開放した縦長箱形を呈し、縦
長の開口部分をストッパ収納部43としたものである。
このストッパ収納部43は後述する(固定)ストッパの
高さ寸法より十分に大きな高さ寸法を有し、上部内面を
ブリッジ44、下部内面をストップ面45とするもので
ある。さらに、差込みピン40は支軸42で吊られ、外
力が作用しなければ図の様に垂下する。46は先端テー
パである。
【0036】図14は本発明の第2実施例に係るピン受
け箱の断面図であり、ピン受け箱60は、側板61,6
1と、これら側板61,61の前部に掛け渡したストッ
パ取付板62,63と、ストッパ取付板62の上に取付
けたガイド板64と、ストッパ取付板63に内側から取
付けたストッパブロック65と、前記側板61,61の
後部に掛け渡した中仕切り板66と、この中仕切り板6
6の上部に付設したライナー面67とからなり、この中
仕切り板66と前記ストッパブロック65との間がピン
通孔68となり、このピン通孔68は差込みピン40の
幅より所定寸法だけ大きい。
【0037】図15は本発明の第2実施例に係るストッ
パブロックの正面図(図14の15矢視図)であり、ス
トッパブロック65は矩形背板65aの上下にフランジ
65b,65cを付設して変形溝形鋼とし、これにスチ
フナの様に厚肉のストッパ65dを取付、このストッパ
65dの高さ方向略中央にかぎ部65eを形成してな
る。65f・・・は雌ねじ部であり、図奥から固定ボルト
(図示せず)を手前に差込み、これらの雌ねじ部65f
・・・に螺合することにより、図14に示す通りにストッ
パブロック65をストッパ取付板63に固着する。
【0038】以上に述べた第2実施例の係る溶融金属容
器の蓋の取付構造の作用を図16〜図21にて説明す
る。図16(a),(b)は本発明の第2実施例の作用
説明図(蓋装着を示す図、(a)は全体図、(b)は要
部拡大図)であり、容器1Aをほぼ縦向きに保持し、上
から蓋30Aを容器1Aに臨ませ、(b)に示す通り、
差込みピン40をピン通孔68に挿通する。このとき
に、差込みピン40の先端(下端)のテーパ46をピン
通孔68上端のガイド板64またはライナー面67に沿
わせることで極めて容易に挿入ができ、しかも差込みピ
ン40とピン通孔68との心がある程度ずれていても挿
入が可能である。
【0039】図17(a),(b)は本発明の第2実施
例の作用説明図(蓋つき容器が非傾動状態にあることを
示す図、(a)は全体図、(b)は要部拡大図)であ
り、(b)に示す通りピン通孔68に差込みピン40が
十分に進入し、ストッパ収納部43がストッパブロック
65の側方に位置することを示す。この際に容器1Aの
上面に溶鋼・滓などの付着物があり、蓋30Aの下面が
容器1Aの上面から距離d1の隙間が空いているものと
する。
【0040】図18(a),(b)は本発明の第2実施
例の作用説明図(蓋つき容器が45゜傾動した状態を示
す図、(a)は全体図、(b)は要部拡大図)であり、
(b)に示す通り蓋30Aが自重で矢印方向にずれ落ち
ようとする。すると、差込みピン40は図反時計方向に
僅かに回転して、ストッパ取付け板62に当って止ま
る。このときには、かぎ部65eとストップ面45との
間に空があり、その距離をLとする。
【0041】図19(a),(b)は本発明の第2実施
例の作用説明図(蓋つき容器が90゜傾動した状態を示
す図、(a)は全体図、(b)は要部拡大図)であり、
このときでもかぎ部65eとストップ面45との間はほ
ぼ距離Lだけ空いているものの、蓋30Aは落下するこ
とはない。
【0042】図20(a),(b)は本発明の第2実施
例の作用説明図(蓋つき容器が135゜傾動した状態を
示す図、(a)は全体図、(b)は要部拡大図)であ
り、傾動角度が90゜を超えたことにより差込みピン4
0に引抜き力が作用し、ついには矢印の如くスライドし
抜け始める。ストッパのかぎ部65eにストップ面45
が当った状態で差込みピン40の移動は終了する。ノロ
排出作業の時にはこの状態となる。
【0043】図21(a),(b)は本発明の第2実施
例の作用説明図(蓋つき容器を135゜から45゜まで
戻した状態を示す図、(a)は全体図、(b)は要部拡
大図)であり、(b)に示す通り図20とは逆に差込み
ピン40はピン通孔68に進入し、ほぼ図18の状態に
戻る。この際に、蓋30Aが容器1Aに軽く衝突するこ
とになるが、図18での距離Lを適正な値、例えば前記
図8(b)における揺動ストッパ20とストッパ面45
との間の距離の半分、に設定すればそのショックは許容
できる程度の大きさまで弱めることができる。
【0044】この後に、図17の状態に戻すが、図17
では蓋30Aを真上に持上げるだけで容器1Aから簡単
に外すことができる。従って、第1実施例と同様に、迅
速に蓋30Aの脱着が可能となる。
【0045】なお、操業環境によっては、滓などが盛ん
にピン受け箱10に侵入することがある。第1実施例で
は、揺動ストッパ20の揺動が不良になると困るので、
清掃を要する。この点、第2実施例は、ストッパ65d
が「固定ストッパ」であるから、滓の侵入をそれ程気に
する必要はなく、長期間の連続使用が可能となる。
【0046】尚、第2実施例に前記衝撃緩衝機構50を
付設してもよく、必要に応じて第1実施例と第2実施例
とを組合わせて本発明の蓋取付構造とすることは差支え
ない。
【0047】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、蓋の取付け構造をピン受け箱と差込
みピンと揺動ストッパとで構成したので、容器を縦向き
にして蓋を上下させるだけで、極めて簡単に蓋の着脱が
なせ、クレーン運転者などの作用者の負担を大幅に軽減
することができる。
【0048】請求項2は、ピン受け箱に揺動ストッパの
位置を表示するストッパ位置表示材を付設したので、揺
動ストッパが正常に作動していることを確認でき蓋の落
下事故の発生を防止できる。
【0049】請求項3は、蓋と容器との衝突を緩和する
衝撃緩衝機構を備えたので、蓋下降にともなって発生す
る衝撃を緩和でき、蓋及び容器の傷みを防止できる。
【0050】請求項4は、蓋の取付け構造をピン受け箱
と差込みピンとストッパとで構成したので、容器を縦向
きにして蓋を上下させるだけで、極めて簡単に蓋の着脱
がなせ、クレーン運転者などの作用者の負担を大幅に軽
減することができる。しかも、ストッパが固定ストッパ
であるから、差込みピンとストッパとの係合はより確実
となり、ピン受け箱内に滓がある程度侵入してピン通孔
に付着したとしても作動に影響はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る溶融金属容器及び蓋
の斜視図
【図2】本発明の第1実施例に係る差込みピンとピン受
け箱の拡大斜視図
【図3】本発明の第1実施例に係るピン受け箱の断面図
【図4】本発明の第1実施例に係る衝撃緩衝機構の断面
【図5】本発明の第1実施例の作用説明図(蓋装着を示
す図、(a)は全体図、(b)は要部拡大図)
【図6】本発明の第1実施例の作用説明図(蓋つき容器
が非傾動状態にあることを示す図、(a)は全体図、
(b)は要部拡大図)
【図7】本発明の第1実施例の作用説明図(蓋つき容器
が45゜傾動した状態を示す図、(a)は全体図、
(b)は要部拡大図)
【図8】本発明の第1実施例の作用説明図(蓋つき容器
が90゜傾動した状態を示す図、(a)は全体図、
(b)は要部拡大図)
【図9】本発明の第1実施例の作用説明図(蓋つき容器
が135゜傾動した状態を示す図、(a)は全体図、
(b)は要部拡大図)
【図10】本発明の第1実施例の作用説明図(蓋つき容
器を135゜から45゜まで戻した状態を示す図
【図11】本発明の第1実施例のストッパ位置表示材の
作用説明図
【図12】本発明の第2実施例に係る溶融金属容器及び
蓋の斜視図
【図13】本発明の第2実施例に係る差込みピンとピン
受け箱の拡大斜視図
【図14】本発明の第2実施例に係るピン受け箱の断面
【図15】本発明の第2実施例に係るストッパブロック
の正面図(図14の15矢視図)
【図16】本発明の第2実施例の作用説明図(蓋装着を
示す図)
【図17】本発明の第2実施例の作用説明図(蓋つき容
器が非傾動状態にあることを示す図)
【図18】本発明の第2実施例の作用説明図(蓋つき容
器が45゜傾動した状態を示す図)
【図19】本発明の第2実施例の作用説明図(蓋つき容
器が90゜傾動した状態を示す図)
【図20】本発明の第2実施例の作用説明図(蓋つき容
器が135゜傾動した状態を示す図)
【図21】本発明の第2実施例の作用説明図(蓋つき容
器を135゜から45゜まで戻した状態を示す図)
【図22】製鋼工程における取鍋のフロー説明図
【図23】従来の取鍋の保温蓋外止め構造図
【図24】従来の溶融金属容器の保温蓋連結構造図
【符号の説明】
1,1A…容器(溶融金属容器)、4…トラニオン軸、
10,60…ピン受け箱、13,14…中仕切り板、1
5,68…ピン通孔、16…ガイド面、17…ストッパ
受け面、20…揺動ストッパ、21…ストッパ軸、22
…ウエイト、25…ストッパ位置表示材、26…マー
ク、27…フラグ、30,30A…蓋、32…吊り具、
40…差込みピン、41…サブフレーム、42…支軸、
43…ストッパ収納部、45…ストップ面、46…テー
パ、50…衝撃緩衝機構、53…ロッド、54…鍔、5
5…ばね、65d…ストッパ、65e…かぎ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−241374(JP,A) 特開 昭57−131869(JP,A) 特開 平8−318364(JP,A) 特開 平8−174195(JP,A) 特開 平8−155630(JP,A) 実開 昭62−113855(JP,U) 実開 昭61−158354(JP,U) 実開 昭56−80961(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 41/00 B22D 11/10 310 F27D 1/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面を開放した溶融金属容器の側面上部
    に設けられたピン受け箱と、前記容器の上面を塞ぐ蓋の
    側面に支軸を介して揺動可能に垂下され、前記ピン受け
    箱に挿抜される差込みピンとからなる溶融金属容器の蓋
    の取付構造であって、前記ピン受け箱は縦向きのピン通
    孔を有し且つ前記容器が傾動されたときに重力作用によ
    り傾動して前記ピン通孔へ進入する揺動ストッパとを有
    し、また前記差込みピンは前記揺動ストッパの進入を許
    容し、揺動ストッパの高さより十分に縦長のストッパ収
    納部を有したことを特徴とする溶融金属容器の蓋の取付
    構造。
  2. 【請求項2】 前記ピン受け箱に、揺動ストッパの位置
    を表示するストッパ位置表示材を付設したことを特徴と
    する請求項1記載の溶融金属容器の蓋の取付構造。
  3. 【請求項3】 前記蓋閉の際に発生する蓋と容器との衝
    突を緩和する衝撃緩衝機構を蓋又は溶融金属容器の少な
    くとも一方に付設したことを特徴とする請求項1記載の
    溶融金属容器の蓋の取付構造。
  4. 【請求項4】 上面を開放した溶融金属容器の側面上部
    に設けられたピン受け箱と、前記容器の上面を塞ぐ蓋の
    側面に支軸を介して揺動可能に垂下され、前記ピン受け
    箱に挿抜される差込みピンとからなる溶融金属容器の蓋
    の取付構造であって、前記ピン受け箱は縦向きのピン通
    孔を有し且つ前記容器が傾動されたときにずり落ちる蓋
    に連れて抜けようとする差込みピンを抑えるストッパを
    有し、また前記差込みピンは前記ストッパに係合する十
    分に縦長のストッパ収納部を有したことを特徴とする溶
    融金属容器の蓋の取付構造。
JP19088295A 1994-12-06 1995-07-26 溶融金属容器の蓋の取付構造 Expired - Fee Related JP2947331B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19088295A JP2947331B2 (ja) 1994-12-06 1995-07-26 溶融金属容器の蓋の取付構造

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-302360 1994-12-06
JP30236094 1994-12-06
JP19088295A JP2947331B2 (ja) 1994-12-06 1995-07-26 溶融金属容器の蓋の取付構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08206817A JPH08206817A (ja) 1996-08-13
JP2947331B2 true JP2947331B2 (ja) 1999-09-13

Family

ID=26506363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19088295A Expired - Fee Related JP2947331B2 (ja) 1994-12-06 1995-07-26 溶融金属容器の蓋の取付構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2947331B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08206817A (ja) 1996-08-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101141320B1 (ko) 용광로, 특히 전기 아크로
EP0331822B1 (en) Ladle lid
JP2947331B2 (ja) 溶融金属容器の蓋の取付構造
EP0160185B1 (de) Kippbares metallurgisches Ofengefäss
JPS5922926Y2 (ja) 鋳造用取鍋あるいは冶金学的な処理容器用ふた装置
JP2906402B2 (ja) 横向き取鍋の鍋蓋脱着台車
JPH08157935A (ja) 溶鋼へのCa系ワイヤ添加方法
JPS6147631B2 (ja)
KR100777234B1 (ko) 전기로의 편심노저 출강구 오프너
US4429641A (en) Ceramic furnace door and frame
JP2020059904A (ja) 絞り部のれんが脱落防止構造
JPH08318364A (ja) 溶鋼鍋の鍋蓋取付け構造
US4940215A (en) Tiltable ladle with lid
JP7462477B2 (ja) 消火栓装置及び消火器箱
JP2771726B2 (ja) 溶湯保持炉の出湯部
CN219792255U (zh) 一种防止钢包翻包吊耳沾冷钢装置
JP3469035B2 (ja) 溶融金属鍋用保温蓋
JPH0616381Y2 (ja) 核燃料集合体の水中移送装置
US6306337B1 (en) Nosepiece for directing a charge into a furnace
US4717125A (en) Metallurgical ladle with improved tilting lug
KR102139630B1 (ko) 용기 장치 및 부착물 제거방법
EP0354036A2 (en) Tiltable ladle assembly
KR102210206B1 (ko) 운반 장치 및 운반 방법
JPS6138767Y2 (ja)
JP2951200B2 (ja) 機械室の扉開閉装置

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees