JP2946952B2 - 複合型薄膜磁気ヘッド - Google Patents

複合型薄膜磁気ヘッド

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JP2946952B2
JP2946952B2 JP22364792A JP22364792A JP2946952B2 JP 2946952 B2 JP2946952 B2 JP 2946952B2 JP 22364792 A JP22364792 A JP 22364792A JP 22364792 A JP22364792 A JP 22364792A JP 2946952 B2 JP2946952 B2 JP 2946952B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク等の磁気
媒体への記録を行うインダクティブヘッドとその磁気媒
体から再生を行う磁気抵抗ヘッド(Magneto R
esistive head、以下MRヘッドと称す
る)とを組み合わせてなる複合型薄膜磁気ヘッドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気ディスク等の磁気媒体用の薄
膜磁気ヘッドとして、磁気抵抗効果を利用したMRヘッ
ドが実用化され始めている。
【0003】MRヘッドは、磁気媒体との相対速度に依
存せず大きい再生出力を得ることができるという利点が
あるが、再生専用であるため記録/再生ヘッドとして用
いるためには記録ヘッドと組み合わせた構成とする必要
がある。
【0004】図8は、MRヘッドと記録用のインダクテ
ィブヘッドとを組み合わせてなる公知の複合型薄膜磁気
ヘッドを、磁気媒体に対向する底面側から概略的に表し
たものである。
【0005】同図において、80は再生用のMRヘッド
部、81はこのMRヘッド部80の後方(上部)に設け
られた記録用のインダクティブヘッド部をそれぞれ示し
ている。
【0006】なお本明細書において、「前」、「後」、
「横」とは、磁気媒体に対する磁気ヘッドの相対的な走
行方向(同図矢印参照)へ向かっての前後、横を表して
いる。
【0007】MRヘッド部80は、スライダ82の後端
面上に、絶縁性の下地膜83、シールド層84、ギャッ
プ絶縁膜85、MR素子86、リード87、ギャップ絶
縁膜88、及びシールド層89を順次積層して形成され
ている。
【0008】インダクティブヘッド部81には、下部
(前側)磁性層90及び上部(後側)磁性層91が形成
されている。下部磁性層90及び上部磁性層91の間
隔、即ちギャップ長G0 は、一般に、G0 ≒0.8μm
程度に設定されている。なお、下部磁性層90の底面の
幅が上部磁性層91の底面の幅より大きく設定されてい
るが、これは、下部磁性層90及び上部磁性層91の底
面が製造上の理由によって互いに幅方向へずれてトラッ
ク幅が変化してしまうのを防止し、上部磁性層91側の
幅によって一義的にトラック幅が定まるようにするため
になされていたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本願の発明者等の解析
によれば、この種の従来の複合型薄膜磁気ヘッドによる
と、孤立再生波形に以下のごとき歪(ベース・ライン・
トランジション・ノイズ=BLTノイズ)の生じること
が分かった。図9はこの再生波形歪を説明するための図
であり、図10は図8に示す構造の従来の複合型薄膜磁
気ヘッドによって得られた実際の再生波形図である。
【0010】図9において、92はインダクティブヘッ
ド部81の記録動作により磁気媒体上に形成されたトラ
ックであり、93はそのトラック92上の磁化反転位
置、94は磁化方向である。このトラック92について
MRヘッド部80で再生を行うと、理想的には、磁化反
転位置93でグランドレベル95から鋭く立ち上がるパ
ルス形状の再生波形96が得られるべきである。しかし
ながら、従来の複合型薄膜磁気ヘッドで記録再生を行う
と、再生波形97にはベース・ライン・シフト97a及
び97bが生じ、さらにその主パルス97dに先行して
段差97cが現れた乱れた波形となってしまう。この再
生波形の乱れは、図10の実測波形図からも見出され
る。
【0011】このような波形の乱れは、次の主パルスに
それぞれ重畳されていくため、最終的にパルスの振幅を
変化させたりパルス位置を変化させたりし、エラーレー
トの悪化をもたらしてしまう。
【0012】従って本発明は、孤立再生波形の歪を低減
させることができる複合型薄膜磁気ヘッドを提供するも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、記録用
のインダクティブヘッド部と再生用のMRヘッド部とを
組み合わせた新規な構成を有する浮上型の複合型薄膜磁
気ヘッドが提供される。この複合型薄膜磁気ヘッドにお
いて、インダクティブヘッド部はMRヘッド部上に積層
して形成されており、このインダクティブヘッド部のコ
アが、記録すべき磁気媒体に先端が対向する下部磁性層
相対的走行方向が前側磁性層)及び上部磁性層(
対的走行方向が後側磁性層)から構成されている。
ち、磁気媒体に対する相対的走行方向が下部磁性層側か
ら上部磁性層側へ進むように構成されている。また、下
部磁性層及び上部磁性層の先端の形状が矩形形状であ
り、下部磁性層の横方向の長さ(トラック幅方向長さ)
が上部磁性層の横方向の長さ(トラック幅方向長さ)
り大きく、下部磁性層及び上部磁性層間のギャップ長が
0.4μm未満に設定されている。
【0014】
【0015】
【0016】
【作用】MRヘッド部を備えた浮上型の複合型磁気ヘッ
ドにおいては、インダクティブヘッド部の矩形形状の先
端形状を有しかつ相対的走行方向が前側の下部磁性層
トラック幅方向の長さが矩形形状の先端形状を有しかつ
相対的走行方向が後側の上部磁性層のトラック幅方向の
長さより大きい場合にそのインダクティブヘッド部側方
にフリンジング磁界が発生する。そこで、これら下部磁
性層及び上部磁性層のギャップ長を0.4μm未満と大
幅に短くすることにより、磁束がギャップ部を通り易く
なり、記録時に生じるフリンジング磁界が低減する。そ
の結果、後述するように、再生波形の波形歪(ベース・
ライン・トランジション・ノイズ=BLTノイズ)が大
幅に低減せしめられるのである。
【0017】
【実施例】以下実施例により本発明を詳細に説明する。
【0018】図2は、本発明の一実施例として、複合型
薄膜磁気ヘッドを備えた浮上型磁気ヘッドユニットを示
す斜視図である。
【0019】同図に示すように、本実施例の浮上型磁気
ヘッドユニットは、スライダ20とその後端面上に設け
られた2つの複合型薄膜磁気ヘッド21とその保護膜2
2とから主として構成されている。スライダ20は、例
えばAl23 −TiC等のセラミック材料によるセラ
ミック構造体23とそのセラミック構造体23の後端面
にAl23 又はSiO2 等の電気絶縁材料をスパッタ
して形成される下地膜24とから構成されている。
【0020】複合型薄膜磁気ヘッド21は下地膜24上
に形成される薄膜素子であり、これらヘッド21には保
護膜22の表面に露出するように形成された4つの電極
25が4つのリード26をそれぞれ介して接続されてい
る。
【0021】保護膜22はAl23 又はSiO2 等を
スパッタして形成されており、複合型薄膜磁気ヘッド2
1、下地膜24、及びリード26の全面を覆うように形
成されている。
【0022】図3は、複合型薄膜磁気ヘッド21の構造
をより詳細に示すために図2のAA線で切断した部分断
面図である。
【0023】上述したセラミック構造体23の後端面上
に形成された下地膜24上には、パーマロイ等のNi−
Fe合金をめっきすること等によりシールド層(下部シ
ールド層)30が形成されている。
【0024】このシールド層30上には、MR素子31
がギャップ絶縁膜32に挟まれる形で形成されている。
即ちMR素子31は、シールド層30上にAl23
をスパッタして形成された下部ギャップ絶縁膜上にパー
マロイ等のNi−Fe合金をスパッタしパターニングす
ることによって形成される。MR素子31には、Cu等
によるリード26(図2)がめっき等によって形成され
る。また、MR素子にバイアスを与えるためのシャント
層、ソフト・フィルム・バイアス層等がスパッタ等によ
って必要に応じて併設される。MR素子31、リード2
6、及び下部ギャップ絶縁膜上にはAl23 等をスパ
ッタすることにより上部ギャップ絶縁膜が形成され、こ
れにより上述のギャップ絶縁膜32が形成されることと
なる。
【0025】ギャップ絶縁膜32の上には、パーマロイ
等のNi−Fe合金をめっき等することによりシールド
層(上部シールド層)33が形成されている。
【0026】これらシールド層30、MR素子31、リ
ード26、ギャップ絶縁膜32、及びシールド層33が
再生用のMRヘッド部を構成している。シールド層33
上には、Al23 等をスパッタすることにより絶縁膜
34が形成されている。
【0027】絶縁膜34上には、パーマロイ等のNi−
Fe合金をめっきすることにより下部磁性層(前側磁性
層)35が形成されており、その上にAl23 又はS
iO2 等の絶縁膜36に挟まれてCu又はAu等による
コイル導体37が設けられており、さらにその上にパー
マロイ等のNi−Fe合金をめっきすることにより上部
磁性層(後側磁性層)38が形成されている。
【0028】下部磁性層35及び上部磁性層38は、磁
気媒体に対向する面39とは反対側の部分38aで互い
に結合されており、これにより記録用のインダクティブ
ヘッド部のコアを構成している。コイル導体37は、下
部磁性層35及び上部磁性層38の結合部38aの回り
をうず巻き状に巻回するように形成されている。
【0029】上部磁性層38の上には、前述した保護膜
22が形成されている。
【0030】なお、下部磁性層35がシールド層33の
機能をも果たすように兼用する構成としてもよいことは
明らかである。この場合、当然のことながら絶縁膜34
は省略される。
【0031】図1は、本実施例における複合型薄膜磁気
ヘッド21を磁気媒体に対向する底面側(図3の面39
側)から概略的に表したものである。
【0032】同図において、10は再生用のMRヘッド
部、11はこのMRヘッド部10の後方に設けられた記
録用のインダクティブヘッド部をそれぞれ示している。
【0033】MRヘッド部10は、前述したようにセラ
ミック構造体23、下地膜24、下部シールド層30、
下部ギャップ絶縁膜32a、MR素子31、リード2
6、上部ギャップ絶縁膜32b、及び上部シールド層3
3が順次積層されて形成されており、インダクティブヘ
ッド部11は、下部磁性層35及び上部磁性層38を有
している。
【0034】本実施例においては、これら下部磁性層3
5及び上部磁性層38の磁気媒体に対向する底面の形状
が共に矩形であり、下部磁性層35の横方向の長さ
(幅)が上部磁性層38の横方向の長さ(幅)より大き
く設定されている。しかも、下部磁性層35及び上部磁
性層38の間隔、即ちギャップ長G1 がG1 <0.7μ
m、好ましくはG1 <0.5μmとかなり小さい値に設
定されている。
【0035】このように、下部磁性層35及び上部磁性
層38間のギャップ長を大幅に短くすることによって、
記録時に生じるフリンジング磁界を大幅に減少させるこ
とができる。
【0036】本発明者等は、フリンジング磁界を減少さ
せることによって波形歪(ベース・ライン・トランジシ
ョン・ノイズ=BLTノイズ)が大幅に低減されること
を見出している。以下この点について詳しく説明する。
【0037】図4は従来のインダクティブヘッドによっ
て発生する磁界とこれによって磁気媒体上に記録される
磁極とを説明する図であり、図5はこのインダクティブ
ヘッドが相対的にさらに走行して記録電流が反転した場
合にこのヘッドによって発生する磁界とこれによって磁
気媒体上に記録される磁極とこのトラックをMRヘッド
によって読み出した場合の再生波形とを説明する図であ
る。
【0038】図4からも明らかのように、従来のインダ
クティブヘッドにおいては、記録時にそのギャップ40
で生じる本来の磁界41に加えて上部磁性層91の両側
の側部からも多量の磁界(フリンジング磁界)42が発
生する。この磁界42により、磁気媒体上のトラック4
3の両方のエッジの外側部分が図示の方向に斜めに磁化
され、トラックの両サイドで同一極性のトラック・サイ
ド磁極44が形成される。
【0039】インダクティブヘッドがさらに相対的に走
行し図5の位置で記録電流が反転したとする。これによ
って磁化方向が反転し、その時の上部磁性層91の前面
91aの位置付近がトラック43上で磁化反転位置(ビ
ット位置)45となりこのトラック43上に本来の磁極
46が形成される。このとき同時に、上部磁性層91の
両方の側部へ向かう強いフリンジング磁界47によりト
ラック43の両方のエッジの外側部分は前と逆の方向に
斜めに磁化され、トラック・サイド磁極44とは逆極性
のトラック・サイド磁極48が形成される。同図におい
て、50はトラック・サイド磁極の反転領域を示してお
り、この反転領域50のトラック方向長さは、上部磁性
層91の前後方向長さ(トラック方向長さ)にほぼ等し
い。
【0040】このようにして記録されたトラック43を
MRヘッドによって読み出した場合、その再生波形49
には、トラック・サイド磁極44及びその反転トラック
・サイド磁極48の影響を受けてベース・ライン・シフ
ト49a及び49bが生じると共に、段差49cが磁化
反転位置45における主パルス49dに反転領域50の
長さに応じた量だけ先行して生じることとなり、波形の
乱れ(ベース・ライン・トランジション・ノイズ=BL
Tノイズ)が生じるのである。
【0041】なお、このような再生波形の乱れは、記録
用インダクティブヘッドと再生用MRヘッドとを組み合
わせて用いる際に現れる特有のものである。即ち、イン
ダクティブヘッドで記録したものを、磁位に感応するM
Rヘッドで読み取った場合に初めて生じるものであり、
磁位の微分に感応するインダクティブヘッドでこれを読
み取っても再生波形のこの種の乱れはほとんど現れな
い。
【0042】これに対して本実施例のごとく構成する
と、フリンジング磁界の発生が大幅に低減されて再生波
形の乱れ(ベース・ライン・トランジション・ノイズ=
BLTノイズ)を防止できることとなり、その結果、再
生波形のピークシフトを低減させることができ、エラー
レートを向上させることができるのである。以下この点
について詳しく説明する。
【0043】図6は本実施例のインダクティブヘッドに
よって発生する磁界とこれによって磁気媒体上に記録さ
れる磁極とを説明する図であり、図7はこのインダクテ
ィブヘッドが相対的にさらに走行して記録電流が反転し
た場合にこのヘッドによって発生する磁界とこれによっ
て磁気媒体上に記録される磁極とこのトラックをMRヘ
ッドによって読み出した場合の再生波形とを説明する図
である。
【0044】本実施例では下部磁性層35と上部磁性層
38との間のギャップ長がG1 がG1 <0.5μmとか
なり小さい値に設定されている。このため、そのギャッ
プ60における磁気抵抗が上部磁性層38の側方を通る
フリンジング部の磁気抵抗より相対的に小さくなり、磁
束がギャップ60を通り易くなる。従って、図6に示す
ように、そのギャップ60で生じる本来の磁界61に対
して、上部磁性層38の側部から下部磁性層35の後端
への磁界(フリンジング磁界)62が相対的に大幅に減
少することとなり、この磁界62によって磁気媒体上の
トラック63のエッジ外側部分に形成されるトラック・
サイド磁極64が非常に弱くなる。
【0045】インダクティブヘッドがさらに相対的に走
行して図7の位置で記録電流が反転したとする。これに
よって磁化方向が反転し、その時の上部磁性層38の前
面38aの位置付近がトラック63上で磁化反転位置
(ビット位置)65となりこのトラック63上に本来の
磁極66が形成され、同時に下部磁性層35の後端から
上部磁性層38の側部へのフリンジング磁界67が発生
するが、このフリンジング磁界67も前述の場合と同じ
理由でトラック63上の本来の磁束より相対的にかなり
減少したものとなる。このため、トラック63のエッジ
の外側部分に形成される逆極性のトラック・サイド磁極
68も非常に弱いものとなる。換言すれば、トラック6
3上の磁極66がトラック・サイド磁極68よりはるか
に強いものとなる。なお同図において、70はトラック
・サイド磁極の反転領域を示しており、この反転領域7
0のトラック方向長さは、下部磁性層38の前後方向長
さ(トラック方向長さ)にほぼ等しい。
【0046】このようにして記録されたトラック63を
MRヘッドによって読み出した場合、その再生波形69
は、トラック両サイドに形成されるトラック・サイド磁
極64及び68が非常に弱いため、69a及び69bの
部分に示すようにベース・ライン・シフトがほとんど生
じない。さらに反転領域における逆極性のトラック・サ
イド磁極68も小さいため、主パルス69dに先行して
生じる段差69cのレベルが小さくなる。その結果、孤
立再生波形の歪(ベース・ライン・トランジション・ノ
イズ=BLTノイズ)を大幅に低減することができるの
である。
【0047】以上述べた実施例では、下部磁性層及び上
部磁性層の磁気媒体に対向する底面の形状のトラック幅
方向長さは、下部磁性層の方が上部磁性層のそれより長
く設定されている。
【0048】また、下部磁性層及び上部磁性層の底面形
状は必ずしも矩形形状である必要はなく、他の任意の形
状であってもよい。
【0049】上述した実施例では、下部磁性層及び/又
は上部磁性層の磁気媒体に対向する底面の形状、パター
ンについて述べているが、本発明においては、下部磁性
層及び/又は上部磁性層の磁気媒体に対向する少なくと
も先端のパターンが上述のごときパターンであればよ
く、従って、磁性層の全長に渡って上述のごときパター
ンの断面としてもよいし、磁気媒体に対向する底面から
所定位置までを上述のごときパターンの断面としてもよ
い。
【0050】本発明は、上述の実施例に限定されるもの
ではなく、下部磁性層のトラック幅方向の長さが上部磁
性層のトラック幅方向の長さより大きく、かつ下部磁性
層及び上部磁性層の磁気媒体に対向する先端のギャップ
長が、0.7μm未満であればいかなる構造のものであ
ってもよい。
【0051】以上磁気ヘッドについて説明したが、磁気
媒体をトラック方向と直交する方向に磁化されにくい
(トラック方向に配向させる)構成とすれば、フリンジ
ング磁界の発生自体を大幅に抑圧することができる。
【0052】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、MRヘッド部を備えた浮上型の複合型磁気ヘッドに
おいて、インダクティブヘッド部はMRヘッド部上に積
層して形成されており、このインダクティブヘッド部の
コアが、記録すべき磁気媒体に先端が対向する下部磁性
層(相対的走行方向が前側の磁性層)及び上部磁性層
(相対的走行方向が後側の磁性層)から構成されてお
り、下部磁性層及び上部磁性層の先端の形状が矩形形状
であり、下部磁性層の横方向の長さが上部磁性層の横方
向の長さより大きく、下部磁性層及び上部磁性層間のギ
ャップ長が0.4μm未満に設定されている。このた
め、相対的走行方向が前側の下部磁性層の横方向長さが
相対的走行方向が後側の上部磁性層の横方向の長さより
大きい場合にも、記録時に発生するフリンジング磁界が
トラック上の本来の磁界に対して相対的に低減せしめら
れる。その結果、再生波形の波形歪(ベース・ライン・
トランジション・ノイズ=BLTノイズ)が大幅に低減
せしめられ、再生波形のピークシフトを低減させること
ができ、エラーレートの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2の実施例における複合型薄膜磁気ヘッドを
磁気媒体に対向する底面側から概略的に示す底面図であ
る。
【図2】本発明の一実施例として、複合型薄膜磁気ヘッ
ドを備えた浮上型磁気ヘッドユニットを示す斜視図であ
る。
【図3】図2のAA線による部分断面図である。
【図4】従来のインダクティブヘッドによって発生する
磁界とこれによって磁気媒体上に記録される磁極とを説
明する図である。
【図5】図4のインダクティブヘッドが相対的にさらに
走行して記録電流が反転した場合にこのヘッドによって
発生する磁界とこれによって磁気媒体上に記録される磁
極とこのトラックをMRヘッドによって読み出した場合
の再生波形とを説明する図である。
【図6】図2の実施例におけるインダクティブヘッドに
よって発生する磁界とこれによって磁気媒体上に記録さ
れる磁極とを説明する図である。
【図7】図6のインダクティブヘッドが相対的にさらに
走行して記録電流が反転した場合にこのヘッドによって
発生する磁界とこれによって磁気媒体上に記録される磁
極とこのトラックをMRヘッドによって読み出した場合
の再生波形とを説明する図である。
【図8】従来の複合型薄膜磁気ヘッドを磁気媒体に対向
する底面側から概略的に示す底面図である。
【図9】従来の複合型薄膜磁気ヘッドによる再生波形歪
を説明するための図である。
【図10】従来の複合型薄膜磁気ヘッドによる実際の再
生波形図である。
【符号の説明】
10 MRヘッド部 11 インダクティブヘッド部 23 セラミック構造体 24 下地膜 26 リード 30 下部シールド層 33 上部シールド層 31 MR素子 32a 下部ギャップ絶縁膜 32b 上部ギャップ絶縁膜 35 下部磁性層 38 上部磁性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 一正 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 山中 昇 東京都中央区日本橋一丁目13番1号ティ ーディーケイ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−108113(JP,A) 特開 平5−258248(JP,A) 特開 平5−143939(JP,A) 特開 平3−295003(JP,A) 特開 平1−91313(JP,A) 特開 平4−188418(JP,A) 特開 平1−96814(JP,A) 特開 平6−28628(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 5/39

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 再生用の磁気抵抗ヘッド部と該磁気抵抗
    ヘッド部上に積層して形成された記録用のインダクティ
    ブヘッド部とを有しており、該インダクティブヘッド部
    のコアが、記録すべき磁気媒体に先端が対向する下部磁
    性層及び上部磁性層から構成されており、前記磁気媒体
    に対する相対的走行方向が前記下部磁性層側から前記上
    部磁性層側へ進むように構成されている浮上型の複合型
    薄膜磁気ヘッドであって、前記下部磁性層及び前記上部
    磁性層の前記先端の形状が矩形形状であり、該下部磁性
    層の横方向の長さが上部磁性層の横方向の長さより大
    きく、該下部磁性層及び該上部磁性層間のギャップ長が
    0.4μm未満に設定されていることを特徴とする複合
    型薄膜磁気ヘッド。
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