JP2946916B2 - 窒化ケイ素粉末およびその製造方法 - Google Patents
窒化ケイ素粉末およびその製造方法Info
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Description
結体が安定して得られる焼結性に優れた窒化ケイ素粉末
とその製造方法に関するものである。
に優れ、高強度,高硬度でかつ軽量であるといった優れ
た特徴を有する素材であるため、幅広い用途が期待され
ているものである。
素粉末にY2O3,Al2O3 等の焼結助剤粉末を添加混合し、
成形後不活性ガス雰囲気下で焼結することによって製造
されている。これら窒化ケイ素焼結体を製造する場合、
原料である窒化ケイ素粉末の違いにより焼結性が異なる
ことから、従来、窒化ケイ素原料粉末の特性のうち、主
に酸素含有量について焼結性及び得られる焼結体物性へ
の影響について検討が行なわれてきた。
ある窒化ケイ素粉末の酸素含有量を制御しても、焼結性
がロット毎あるいはロット内でも異なり、延いては得ら
れる焼結体の特性が大きくばらつくために再現性に乏し
く、品質の安定した焼結体を得るのが困難であるという
問題があった。
し、高強度の焼結体が安定して得られる易焼結性の窒化
ケイ素粉末を提供することを課題とするものである。
め、この発明は、X線光電子分光(XPS)より求めら
れる表面ケイ素[Si]のうち、SiO2に帰属されるケイ素
[ Si*]の割合が原子比[ Si*/Si]で0.07〜0.50の範
囲にあり、かつ、同じくXPSより求められる表面炭素
[C ]がケイ素に対して原子比[ C/Si]で0.20以下で
あることを特徴とする窒化ケイ素粉末である。
素表面に存在するSiO2の量を意味し、0.07〜0.50の範
囲、好ましくは0.10〜0.35である。この[ Si*/Si]比
が0.07未満であると焼結性が著しく低下し焼結体を緻密
化することが困難となり、0.50を越えると表面のSiO2皮
膜が厚くなり過ぎて、逆に焼結性が低下する。
好ましくは、0.15以下である。この[ C/Si]比が0.20
を越えると、焼結時に窒化ケイ素表面のSiO2の還元が著
しくなり(SiO2+C → SiO↑+CO↑)SiO2量が減少し結
果的に焼結性が低下する。
50の範囲に制御する方法としては、例えば、窒化ケイ素
の表面をケイ素のアルコキシドやシランカップリング剤
で処理した後、加熱して有機分を除去してSiO2を形成さ
せる方法、窒化ケイ素粉末を酸素存在雰囲気下あるいは
水蒸気を含む雰囲気下で加熱処理する方法、窒化ケイ素
粉末を酸素プラズマ中で処理する方法や酸あるいはアル
カリ水溶液中で処理する方法、SiO2を飽和したケイフッ
化水素酸水溶液中からホウ酸等を添加することにより窒
化ケイ素粉末表面にSiO2を析出させる方法等が挙げられ
るが、大気中で加熱処理する方法が簡便であり、かつ表
面炭素量も低減することができるので好都合である。
ましくは 600〜 800℃が適切である。加熱温度が 500℃
以下の場合は、窒化ケイ素表面の酸化速度が小さいため
所望のSiO2を形成させるのに多大な時間を要するため不
経済であり、 850℃を越えると窒化ケイ素表面の酸化状
態が不均一になるため好ましくない。
り低減することができるが、原料及び製造時に混入する
炭素を排除し、表面処理前の段階でXPSより求めた該
[ C/Si]比を0.25以下に制御することが好ましい。
不純物を排除する目的で、フッ酸により洗浄が行なわれ
ることがあるが、フッ酸に由来するFが残留した場合、
炭素と同様に表面のSiO2を分解してしまうので、Fを完
全に除去しておくことが必要である。
は、平均粒径1μm以下でイミド分解法により作られた
窒化ケイ素粉末を用いることが好ましい。イミド分解法
により作製された窒化ケイ素粉末は、元々の表面状態が
均質でかつ形状が球状であるため、上記表面処理により
表面に形成されるSiO2が均一な被膜になり易く、炭素含
有量も少ない。また、平均粒径を1μm以下にすること
で、さらに焼結性を向上させることができる。加えて、
イミド分解法による窒化ケイ素粉末製造プロセスにおい
て結晶化のための加熱処理の冷却過程で酸素を含む雰囲
気を導入することで連続して表面SiO2量を制御すること
ができるので工業上有利である。
として焼結助剤から成る液相が生じ、これに窒化ケイ素
粉末が溶解,析出し、焼結が進行する。従って、窒化ケ
イ素粉末と焼結助剤から成る液相との界面において、窒
化ケイ素粉末表面の液相に対する親和性が重要となる。
この際、窒化ケイ素表面がSiO2で覆われることによって
焼結助剤より成る液相との濡れ性が向上し、窒化ケイ素
粉末の液相への溶解が促進され焼結性が向上すると考え
られる。
て異なるが、通常1〜2重量%程度の酸素を含有し、そ
の多くは表面に存在している。しかし、該窒化ケイ素表
面の酸素は全てがSiO2として存在する訳ではなく、SiO2
以外に種々の結合形態、例えばSi2N2O,SiO あるいは−
OH等の官能基で存在しているため、単に酸素含有量ある
いは表面酸素量が同じであっても表面のSiO2量が異なれ
ば焼結性に違いが生じてしまう。
は、表面のSiO2量を制御することで焼結助剤より成る液
相との濡れ性を改善し、焼結性を大幅に向上させること
ができ、高強度な焼結体を安定して作製することができ
る。
[ C/Si]比は以下の方法で測定を行なった。
した後、XPSの予備チャンバーで、室温10-4〜10-5To
rrの真空中で1〜8時間脱ガス処理を行ない、分析チャ
ンバーに試料を導入後、バック・グラウンドの真空が10
-10Torr オーダーになってから測定を行なった。表面ケ
イ素[Si]及び表面炭素[C ]は、各々Si2p及びC1sピ
ークより求め、Si2pに関しては波形分離を行ない、103.
4eV ±0.5eV のピークをSiO2に帰属されるケイ素[ S
i*]として、[ Si*/Si]比、及び[ C/Si]比を原子
比で求めた。測定にはPerkin Elmer社ESCA5400MCを用
い、X線源は単色化した AlKαを用いた。
て説明する。
0.5μmのイミド分解法により作られた窒化ケイ素粉末
を、大気中 700〜 950℃の温度で10分〜5時間処理して
表2の特性を有する窒化ケイ素粉末を得た。
omic%)は、XPSにより測定を行なった。
剤として平均粒径 0.7μmのY2O3を5重量部と、平均粒
径 0.4μmのAl2O3 を3重量部を添加し、エタノール中
で超音波を照射しながら5時間攪拌混合した後、乾燥し
得られた混合粉末を 130×65×6mm 形状に金型成形し、
次いで3000kg/cm2でCIP成形した。この成形体をN2ガ
ス中1720℃にて5時間焼成し、一次焼結体を得た。この
一次焼結体より試験片を20本切り出しアルキメデス法
により相対密度を求め、次いで、1720℃,1000気圧のN2
中にて3時間HIP処理し二次焼結を行ない、相対密度
及びJIS R1601に準拠した4点曲げ試験を行なった。測
定結果を表3に示す。
窒化ケイ素粉末を使用して得られた窒化ケイ素焼結体
は、比較例のものに比べ高強度かつ強度のバラツキが小
さいのがわかる。
ず、その条件をこの発明の範囲内で適宜変更して実施で
きるものである。
SiO2量及び表面炭素量を制御した窒化ケイ素粉末を用い
ることにより、焼結性が向上し、さらに焼結が均質に進
行するため、高強度でかつ強度バラツキの小さい高品質
な焼結体を安定して得ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 X線光電子分光(XPS)より求められ
る表面ケイ素[Si]のうち、SiO2に帰属されるケ
イ素[Si*]の配合が原子比[Si*/Si]で0.0
7〜0.50の範囲にあり、かつ、同じくXPSより求
められる表面炭素[C]がケイ素に対して原子比[C/
Si]で0.20以下であることを特徴とする窒化ケイ
素粉末。 - 【請求項2】 平均粒径1μm以下でイミド分解法より
作られたことを特徴とする請求項1記載の窒化ケイ素粉
末。 - 【請求項3】 1〜2重量%の酸素を含む窒化ケイ素粉
末原料を大気中500〜850℃で加熱することによっ
て、X線光電子分光(XPS)より求められる表面ケイ
素[Si]のうち、SiO2に帰属されるケイ素[S
i*]の割合が原子比[Si*/Si]で0.07〜0.
50の範囲にあり、かつ同じくXPSより求められる表
面炭素[C]がケイ素に対して原子比[C/Si]で
0.20以下である窒化ケイ素粉末を得ることを特徴と
する窒化ケイ素粉末の製造方法。 - 【請求項4】 前記窒化ケイ素粉末原料が、平均粒径1
μm以下のイミド分解法で作られた窒化ケイ素粉末であ
ることを特徴とする請求項3記載の窒化ケイ素粉末の製
造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4034186A JP2946916B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 窒化ケイ素粉末およびその製造方法 |
DE69309515T DE69309515T2 (de) | 1992-01-24 | 1993-01-22 | Siliziumnitridpulver und Verfahren zu dessen Herstellung |
EP93300485A EP0554020B1 (en) | 1992-01-24 | 1993-01-22 | Silicon nitride powder and method for its manufacture |
US08/403,122 US5538927A (en) | 1992-01-24 | 1995-03-13 | Silicon nitride powder and its manufacturing |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4034186A JP2946916B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 窒化ケイ素粉末およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05193914A JPH05193914A (ja) | 1993-08-03 |
JP2946916B2 true JP2946916B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=12407170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4034186A Expired - Lifetime JP2946916B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 窒化ケイ素粉末およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2946916B2 (ja) |
-
1992
- 1992-01-24 JP JP4034186A patent/JP2946916B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05193914A (ja) | 1993-08-03 |
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