JP2946916B2 - 窒化ケイ素粉末およびその製造方法 - Google Patents

窒化ケイ素粉末およびその製造方法

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JP2946916B2 JP4034186A JP3418692A JP2946916B2 JP 2946916 B2 JP2946916 B2 JP 2946916B2 JP 4034186 A JP4034186 A JP 4034186A JP 3418692 A JP3418692 A JP 3418692A JP 2946916 B2 JP2946916 B2 JP 2946916B2
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silicon nitride
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保志 筑木
知之 粟津
晃 山川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高強度窒化ケイ素焼
結体が安定して得られる焼結性に優れた窒化ケイ素粉末
とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素焼結体は、耐熱性,耐腐食性
に優れ、高強度,高硬度でかつ軽量であるといった優れ
た特徴を有する素材であるため、幅広い用途が期待され
ているものである。
【0003】この窒化ケイ素焼結体は、通常、窒化ケイ
素粉末にY2O3,Al2O3 等の焼結助剤粉末を添加混合し、
成形後不活性ガス雰囲気下で焼結することによって製造
されている。これら窒化ケイ素焼結体を製造する場合、
原料である窒化ケイ素粉末の違いにより焼結性が異なる
ことから、従来、窒化ケイ素原料粉末の特性のうち、主
に酸素含有量について焼結性及び得られる焼結体物性へ
の影響について検討が行なわれてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原料で
ある窒化ケイ素粉末の酸素含有量を制御しても、焼結性
がロット毎あるいはロット内でも異なり、延いては得ら
れる焼結体の特性が大きくばらつくために再現性に乏し
く、品質の安定した焼結体を得るのが困難であるという
問題があった。
【0005】この発明は、こうした従来の問題点を解決
し、高強度の焼結体が安定して得られる易焼結性の窒化
ケイ素粉末を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、X線光電子分光(XPS)より求めら
れる表面ケイ素[Si]のうち、SiO2に帰属されるケイ素
[ Si*]の割合が原子比[ Si*/Si]で0.07〜0.50の範
囲にあり、かつ、同じくXPSより求められる表面炭素
[C ]がケイ素に対して原子比[ C/Si]で0.20以下で
あることを特徴とする窒化ケイ素粉末である。
【0007】本発明における[ Si*/Si]比は窒化ケイ
素表面に存在するSiO2の量を意味し、0.07〜0.50の範
囲、好ましくは0.10〜0.35である。この[ Si*/Si]比
が0.07未満であると焼結性が著しく低下し焼結体を緻密
化することが困難となり、0.50を越えると表面のSiO2
膜が厚くなり過ぎて、逆に焼結性が低下する。
【0008】本発明における[ C/Si]比は0.20以下、
好ましくは、0.15以下である。この[ C/Si]比が0.20
を越えると、焼結時に窒化ケイ素表面のSiO2の還元が著
しくなり(SiO2+C → SiO↑+CO↑)SiO2量が減少し結
果的に焼結性が低下する。
【0009】本発明において[ Si*/Si]比を0.07〜0.
50の範囲に制御する方法としては、例えば、窒化ケイ素
の表面をケイ素のアルコキシドやシランカップリング剤
で処理した後、加熱して有機分を除去してSiO2を形成さ
せる方法、窒化ケイ素粉末を酸素存在雰囲気下あるいは
水蒸気を含む雰囲気下で加熱処理する方法、窒化ケイ素
粉末を酸素プラズマ中で処理する方法や酸あるいはアル
カリ水溶液中で処理する方法、SiO2を飽和したケイフッ
化水素酸水溶液中からホウ酸等を添加することにより窒
化ケイ素粉末表面にSiO2を析出させる方法等が挙げられ
るが、大気中で加熱処理する方法が簡便であり、かつ表
面炭素量も低減することができるので好都合である。
【0010】この場合、加熱温度は 500℃〜 850℃、好
ましくは 600〜 800℃が適切である。加熱温度が 500℃
以下の場合は、窒化ケイ素表面の酸化速度が小さいため
所望のSiO2を形成させるのに多大な時間を要するため不
経済であり、 850℃を越えると窒化ケイ素表面の酸化状
態が不均一になるため好ましくない。
【0011】表面炭素量に関しては、上記加熱処理によ
り低減することができるが、原料及び製造時に混入する
炭素を排除し、表面処理前の段階でXPSより求めた該
[ C/Si]比を0.25以下に制御することが好ましい。
【0012】尚、直接窒化粉において残留するSiや金属
不純物を排除する目的で、フッ酸により洗浄が行なわれ
ることがあるが、フッ酸に由来するFが残留した場合、
炭素と同様に表面のSiO2を分解してしまうので、Fを完
全に除去しておくことが必要である。
【0013】さらに本発明の効果を顕著にするために
は、平均粒径1μm以下でイミド分解法により作られた
窒化ケイ素粉末を用いることが好ましい。イミド分解法
により作製された窒化ケイ素粉末は、元々の表面状態が
均質でかつ形状が球状であるため、上記表面処理により
表面に形成されるSiO2が均一な被膜になり易く、炭素含
有量も少ない。また、平均粒径を1μm以下にすること
で、さらに焼結性を向上させることができる。加えて、
イミド分解法による窒化ケイ素粉末製造プロセスにおい
て結晶化のための加熱処理の冷却過程で酸素を含む雰囲
気を導入することで連続して表面SiO2量を制御すること
ができるので工業上有利である。
【0014】
【作用】窒化ケイ素粉末の焼結過程において、第1段階
として焼結助剤から成る液相が生じ、これに窒化ケイ素
粉末が溶解,析出し、焼結が進行する。従って、窒化ケ
イ素粉末と焼結助剤から成る液相との界面において、窒
化ケイ素粉末表面の液相に対する親和性が重要となる。
この際、窒化ケイ素表面がSiO2で覆われることによって
焼結助剤より成る液相との濡れ性が向上し、窒化ケイ素
粉末の液相への溶解が促進され焼結性が向上すると考え
られる。
【0015】窒化ケイ素粉末は、その製造方法等によっ
て異なるが、通常1〜2重量%程度の酸素を含有し、そ
の多くは表面に存在している。しかし、該窒化ケイ素表
面の酸素は全てがSiO2として存在する訳ではなく、SiO2
以外に種々の結合形態、例えばSi2N2O,SiO あるいは−
OH等の官能基で存在しているため、単に酸素含有量ある
いは表面酸素量が同じであっても表面のSiO2量が異なれ
ば焼結性に違いが生じてしまう。
【0016】これに対して本発明による窒化ケイ素粉末
は、表面のSiO2量を制御することで焼結助剤より成る液
相との濡れ性を改善し、焼結性を大幅に向上させること
ができ、高強度な焼結体を安定して作製することができ
る。
【0017】尚、本発明における[ Si*/Si]比及び
[ C/Si]比は以下の方法で測定を行なった。
【0018】窒化ケイ素粉末を 110℃で12時間真空乾燥
した後、XPSの予備チャンバーで、室温10-4〜10-5To
rrの真空中で1〜8時間脱ガス処理を行ない、分析チャ
ンバーに試料を導入後、バック・グラウンドの真空が10
-10Torr オーダーになってから測定を行なった。表面ケ
イ素[Si]及び表面炭素[C ]は、各々Si2p及びC1sピ
ークより求め、Si2pに関しては波形分離を行ない、103.
4eV ±0.5eV のピークをSiO2に帰属されるケイ素[ S
i*]として、[ Si*/Si]比、及び[ C/Si]比を原子
比で求めた。測定にはPerkin Elmer社ESCA5400MCを用
い、X線源は単色化した AlKαを用いた。
【0019】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。
【0020】表1に示すα結晶化率96.0%、平均粒径
0.5μmのイミド分解法により作られた窒化ケイ素粉末
を、大気中 700〜 950℃の温度で10分〜5時間処理して
表2の特性を有する窒化ケイ素粉末を得た。
【0021】なお、表1及び表2における表面酸素(at
omic%)は、XPSにより測定を行なった。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】次にこの窒化ケイ素粉末92重量部に焼結助
剤として平均粒径 0.7μmのY2O3を5重量部と、平均粒
径 0.4μmのAl2O3 を3重量部を添加し、エタノール中
で超音波を照射しながら5時間攪拌混合した後、乾燥し
得られた混合粉末を 130×65×6mm 形状に金型成形し、
次いで3000kg/cm2でCIP成形した。この成形体をN2
ス中1720℃にて5時間焼成し、一次焼結体を得た。この
一次焼結体より試験片を20本切り出しアルキメデス法
により相対密度を求め、次いで、1720℃,1000気圧のN2
中にて3時間HIP処理し二次焼結を行ない、相対密度
及びJIS R1601に準拠した4点曲げ試験を行なった。測
定結果を表3に示す。
【0025】
【表3】
【0026】表3に示すように、本発明の実施例に係る
窒化ケイ素粉末を使用して得られた窒化ケイ素焼結体
は、比較例のものに比べ高強度かつ強度のバラツキが小
さいのがわかる。
【0027】尚、この発明は上記の実施例に限定され
ず、その条件をこの発明の範囲内で適宜変更して実施で
きるものである。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように、この発明に係る表面
SiO2量及び表面炭素量を制御した窒化ケイ素粉末を用い
ることにより、焼結性が向上し、さらに焼結が均質に進
行するため、高強度でかつ強度バラツキの小さい高品質
な焼結体を安定して得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−199167(JP,A) 特開 平2−107509(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 21/068 C04B 35/626

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線光電子分光(XPS)より求められ
    る表面ケイ素[Si]のうち、SiO2に帰属されるケ
    イ素[Si*]の配合が原子比[Si*/Si]で0.0
    7〜0.50の範囲にあり、かつ、同じくXPSより求
    められる表面炭素[C]がケイ素に対して原子比[C/
    Si]で0.20以下であることを特徴とする窒化ケイ
    素粉末。
  2. 【請求項2】 平均粒径1μm以下でイミド分解法より
    作られたことを特徴とする請求項1記載の窒化ケイ素粉
    末。
  3. 【請求項3】 1〜2重量%の酸素を含む窒化ケイ素粉
    原料を大気中500〜850℃で加熱することによっ
    て、X線光電子分光(XPS)より求められる表面ケイ
    素[Si]のうち、SiO2に帰属されるケイ素[S
    *]の割合が原子比[Si*/Si]で0.07〜0.
    50の範囲にあり、かつ同じくXPSより求められる表
    面炭素[C]がケイ素に対して原子比[C/Si]で
    0.20以下である窒化ケイ素粉末を得ることを特徴と
    する窒化ケイ素粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記窒化ケイ素粉末原料が、平均粒径1
    μm以下のイミド分解法で作られた窒化ケイ素粉末であ
    ることを特徴とする請求項3記載の窒化ケイ素粉末の製
    造方法。
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