JP2946676B2 - 希土類―鉄系中空磁石の製造方法 - Google Patents

希土類―鉄系中空磁石の製造方法

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JP2946676B2 JP2207436A JP20743690A JP2946676B2 JP 2946676 B2 JP2946676 B2 JP 2946676B2 JP 2207436 A JP2207436 A JP 2207436A JP 20743690 A JP20743690 A JP 20743690A JP 2946676 B2 JP2946676 B2 JP 2946676B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は希土類−鉄系合金の超急冷粉から直接如何な
る方向にも有効に着磁することができる磁気的に等方性
も高密度中空磁石を所定の中空形状に製造する方法に関
する。
従来の技術 例えば特開昭59−64739号公報に記載されているよう
に、希土類−鉄系合金を超急冷すると磁気的に等方性
で、一般に8〜20kOeの固有保磁力と8kG程度の残留磁束
密度を有する氷久磁石材料が得られる。しかし、超急冷
によって得られる材料形態は薄片、或いは箔などの粉末
状である。故に、モータなどに使用されるバルク状の中
空磁石とするには何等かの方法で超急冷粉を固定化する
技術が必要になる。粉末冶金における基本的な固定化技
術は常圧焼結であるが、希土類−鉄系合金の超急冷粉は
微細なR2TM14B結晶(RはNd/Pr、TMはFe/Co)に基づく
固有保磁力を維持する必要がある。結晶の粗大化は約75
0℃で顕著となるので常圧焼結の適用はできない。一
方、超急冷粉を樹脂で固定化する方法がある。この場合
はR2TM14Bの結晶化温度(約580℃)以下で固定化できる
ので微細なR2TM14B結晶に基づく固有保磁力を維持する
ことができるが、樹脂成分による密度低下が避けられ
ず、せいぜい超急冷粉の80%程度の残留磁束密度しか得
られない。即ち、超急冷粉の80%以上の残留磁束密度を
得るためには超急冷粉を直接固定化し、しかも微細なR2
TM14B結晶の粗大化を抑制する技術が必要となる。即
ち、超急冷粉を結晶化温度以上〜750℃以下に加熱して
迅速に塑性変形を行う固定化技術である。超急冷粉を結
晶化温度以上に迅速に加熱し、結晶が粗大化しないよう
に塑性変形を行う手段として直接通電加圧法があるが、
中空磁石での具体的方法は未だ明らかになっていない。
発明が解決しようとする課題 希土類−鉄系合金の超急冷粉を直接通電加圧により結
晶化温度以上に加熱して塑性変形させ所定の中空形状の
磁石とする場合、粉末冶金法で一般に行われるような予
め特定形状に賦形したグリーン体を自由空間で常圧焼結
する場合と異なり、成形型中で固定化するため寸法精度
が確保できる代わりに残留応力を避けることができな
い。とくに中空磁石の場合には中空形状とするためのコ
アを成形型部材として使用する。コアは中空磁石の形状
との相対的な関係により、該磁石の残留応力へ大きな影
響を及ぼす。中空磁石の残留応力が高まると着磁時の電
磁力による機械的衝撃に耐えられなかったり、或いは中
空磁石を成形型から離型した時点で放射状の亀裂が発生
する。この理由により、とくに中空磁石の場合には成形
型の構成材質や構造面での残留応力に対する具体的な配
慮が必要となる。
課題を解決するための手段 本発明は超急冷粉を直接通電加圧により結晶化温度以
上、約750℃以下に迅速に加熱し、成形型中で塑性変形
を行う固定化で所定形状の希土類−鉄系中空磁石を得る
ための具体的方法を提示することを目的とする。
本発明は:ダイと、窒化ボロン(BN)/有機高分子
膜を設けた一対の中空電極{(固有抵抗/体積比熱)10
-4〜10-5水準}と、熱膨張係数13.5×10-6-1以上の中
空コアとでキャビティを形成し、一対の熱補償体{(固
有抵抗/体積比熱)10-3水準}で成形型を構成する工程
と、:キャビティに希土類−鉄系合金の超急冷粉を充
填する工程と、:一対の熱補償体と電極を介し超急冷
粉に200〜500kgf/cm2の一軸の圧力を加え、10-1〜10-3T
orrの真空雰囲気を維持した状態で、超急冷粉を放電処
理して活性化し、圧着・固化し、更に通電により発生す
る熱補償体のジュール熱を電極を介して超急冷粉へ伝熱
することにより結晶化温度以上〜750℃以下に加熱して
塑性変形させ、所定形状に固定化する工程とを基本とす
る。
ここで、中空コアは実用上の残留応力を低減するうえ
で中空部分の圧力軸垂直方向面積を全断面積の50%以上
とすることが有効である。
なお、必要に応じてキャビティは複数の貫通孔を設け
たダイと、中空電極群と、中空コア群とで形成すること
も、或いはそれらを適宜多段積することもできる。
作用 先ず、本発明の要点となる成形型構成を図面を用いて
説明する。
第1図は本発明に基づく成形型構成例であり、超急冷
粉の磁気特性を維持しつつ、直接硬度な寸法精度を確保
した複数の希土類−鉄系中空磁石を製造し得るものの要
部外観図である。図において1は、少なくとも複数の貫
通孔11〜nを設けたダイ、2a1〜n,2b1〜nはダイ
1の複数の貫通孔11〜nに対応し、BN/有機高分子膜
を設けた一対の中空電極{(固有抵抗/体積比熱)10-4
水準}である。また31〜nは中空電極2a1〜n,2b
1〜b,に対応し、熱膨張係数13.5×10-6-1以上の中
空コアである。ここで一対の電極2a1〜n,2b1〜n
ダイ1の複数の貫通孔11〜nとともに1〜n個のキャ
ビティを形成している。なお、電極2a1〜n,2b1〜n
はアッパ・ロアポンチを兼ねている。4a,4bは一対の電
極2a1〜n,2b1〜nとダイ1の複数の貫通孔11〜n
とともに1〜n個のキャビティを形成した全電極2a
1〜n,2b1〜nの反キャビティ面に配置した一対の熱
補償体である。51〜nは所定の中空磁石とすべき希土
類−鉄系合金の超急冷粉である。
次に本発明の動作を上記構成の成形型にて説明する。
先ず、10-1〜10-3Torrの真空雰囲気中にて、一対の熱
補償体4a,4bの両端面より全電極2a1〜n,2b1〜nを介
して超急冷粉51〜nに圧力軸方向断面積当たり200〜5
00kgf/cm2の圧縮圧力を加える。これにより超急冷粉5
1〜nのポテンシャルエネルギーが低下する。
次に超急冷粉51〜nに対して放電処理を行う。放電
処理は放電による電子,イオン,励起種などの活性化学
種が、ある程度の運動エネルギーをもって超急冷粉表面
に衝突することによって超急冷粉表面に付着している汚
染物質や低分子化合物と反応するエッチング効果があ
り、これにより超急冷粉51〜nのポテンシャルエネル
ギーが更に低下する。
上記のような放電処理ののち、一定の真空雰囲気と超
急冷粉51〜nへの圧縮圧力を維持したまま一対の熱補
償体4a,4bの両端面より全電極2a1〜n,2b1〜nを介し
て超急冷粉51〜nに通電を行う。
1W=0.2389cal/secとすれば、通電時のジュール熱に
よる一対の熱補償体4a,4b,全電極2a1〜n,2b1〜n
び超急冷粉51〜nの昇温速度ΔT/Δt(℃/sec)は ただし、I:通電電流(A),R:電気抵抗(Ω),C:熱容量
(cal/℃),c:比熱(cal/℃g),s:比重,ρ:比抵抗
(Ωcm),:圧力軸方向の距離(cm),r:圧力軸方向
断面の半径(cm)である。即ち、昇温速度ΔT/Δtは
(Δi)ρ/scとなり、距離には無関係であり電流
密度(Δi)(A/cm2)の二乗と比抵抗ρ(Ωcm)に比
例し、体積比熱に反比例する。
超急冷粉51〜nの初期状態のρ/scは10-4程度であ
る。そこでキャビティ群を構成する全電極2a1〜n,2b
1〜nのρ/scを10-4程度、或いはそれよりやや低い10
-5水準とするのである。そして全電極2a1〜n,2b
1〜nの反キャビティ面に接する一対の熱補償体4a,4b
のρ/scを10-3水準とする。これにより接触抵抗などの
影響によって複数のキャビティ群に対して必ずしも均一
に分流しない通電電流に起因する各キャビティ中の超急
冷粉51〜nのジュール熱に基づく昇温速度を一対の熱
補償体4a,4bのジュール熱による伝熱で補正することが
できる。その結果、各キャビティ中の超急冷粉51〜n
の均一な昇温速度を確保することができる。具体的な電
極材質としては超硬合金(JIS H5501で規格化されたG
5)を挙げることができ、一方の熱補償体としてはグラ
ファイトを挙げることができる。グラファイトが好まし
い理由は超急冷粉51〜nを急速加熱し、結晶化温度以
上〜750℃以下の温度範囲に数十秒間保持することが容
易だからである。
上記のような通電によるジュール熱、とくに熱補償体
4a,4bのジュール熱による伝熱で、その昇温速度を律則
された各キャビティ中の超急冷粉51〜nは、その結晶
化温度以上に加熱されることにより、それに応じて10-1
〜10-2mm/sec、或いはそれ以上の歪み速度で塑性変形す
る。歪み速度は粘性の低下とキャビティ中の超急冷粉5
1〜nの相対密度の上昇との相反する要因によってピー
クを示し、次第に小さな値に移行する。超急冷粉5
1〜nの相対密度90%以上での歪み速度は既にピークを
越えているが、なお通電を続ける。そして歪み速度10-3
〜0mm/sec程度になった時点で通電電流を遮断すれば超
急冷粉51〜nは、微細なR2TM14B結晶に基づく固定保
磁力を維持したまま固定化された高密度な1〜n個の中
空磁石となる。なお、結晶の粗大化を抑制して固有保磁
力の低下を抑えるためには約750℃以下で固定化を完了
することが望ましい。
上記、通電電流遮断後の圧縮圧力と真空雰囲気の維持
は、少なくともダイの外表面温度が冷却に転じるまで行
う。ここでダイが非導電性であることは熱伝導率が小さ
いことにもなり、電流や熱の漏れを抑制し熱効率を高め
ることに効果的である。なお、ダイの性質としては非導
電性であることのほか、耐熱衝撃性,超急冷粉51〜n
に対して不活性,耐摩耗性,低熱膨張性,強高温強度,
低熱容量性などの性質が求められる。具体的なダイ材質
の好ましい例として窒化珪素、或いは窒化珪素とアルミ
ナとを複合したサイアロンなどを挙げることができる。
なお、固定化した超急例粉51〜nをキャビティ中で
冷却することによりダイとは熱膨張差に基づき離型す
る。また圧力軸方向に垂直な面は全電極2a1〜n,2b
1〜nのBN(窒化ボロン)を有効成分とする離型膜から
BNが固定化した超急冷粉51〜nに転写するので容易に
離型する。
ところで希土類−鉄系中空磁石は冷却過程で熱応力に
起因した残留応力が発生する場合がある。この残留応力
の許容程度を実用上から判断すると、少なくとも着磁時
の電磁力による機械的衝撃に耐えるだけは抑え込まなけ
ればならない。本発明は、残留応力は中空磁石の結晶化
温度以上、約750℃以下の未だ冷却初期段階でのコアと
の熱応力に主因があることを突き止めたものである。こ
の温度領域での中空磁石の熱膨張係数は28.5×10
-6-1,結晶化温度以下では13.5×10-6-1である。
中空磁石の冷却において、通電電流を遮断するとジュ
ール熱で昇温が最高位になっている熱補償体4a,4bから
の熱流が消失する。そしてコア→磁石→ダイに伝導によ
る熱流Iが発生し、これにより磁石の冷却が律則され
る。伝導による熱流I(kcal/hrs)は−λ・F・dt/dx
で表すことができる。但し、λは熱伝導率(kcal/m・hr
℃)、Fは熱伝導を求めている面積(m2)[ここで磁石
とコアまたはダイとの境界条件は最終的に形成された中
空磁石との接触面積である]、dxは熱流方向の微小距離
(m)である。尚、負の符号は熱流が温度低下方向に起
こることを示している。ここでθa,θb,θcをそれぞれ
コア,磁石,ダイの熱流方向の温度差(℃)とすると、
コア部分での熱流Iはλa・θa・F/xaであり、したが
ってθa=(I/F)xa/λaである。またt1〜t4を、それ
ぞれの境界点での温度とすればθa+θb+θcはt1
t4との差であり、(I/F)である。すなわち、 I=F・θa〜c・{(xa/λa)+(xb/λb) +(xc/λc)} (1) となる。λ(kcal/m・hr℃)の値を、それぞれ9(コ
ア),40〜50(磁石),0.9(ダイ)としコア外径20mm,磁
石外径36mm,磁石高さ2mm,ダイ外径56mm,コア温度600℃
とすれば(I/F)は8130となり、コアの熱流方向の温度
差θaは9.30℃となる。
弾性係数2×106kgf/cm2,熱膨張係数17×10-6-1
コアを使用したとき、塑性変形領域(結晶化温度以上〜
750℃)での中空磁石の熱膨張係数は28.5×10-6-1
度であるから、温度勾配θa=9.03℃のとき磁石の冷却
初期過程で生じる熱応力σkgf/cm2は、 σ=(28.5−17.0)×10-6×θa×2×106≒23×θa (2) 前の例(磁石外径36mm,内径20mm,高さ2mm)でのθa
は9.03℃であるから概ね207kgf/cm2の熱応力が磁石の残
留応力として蓄積されるものと推定される。
上記熱応力を低下させるには磁石中空部分を小さく
する。しかし、この場合は中空磁石の形状変更を意味す
るもので磁石の形状対応力を低下させる欠点がある。
磁石高さとコアの高さの差を小さくする。しかし、この
場合は超急冷粉の嵩比重との関係から制約を受ける。従
って本発明ではコアを中空とすることにより、(2)式
のθaを低下させようとするものである。なお、磁石の
熱膨張係数は超急冷粉の結晶化温度以下では13.5×10-6
-1以下となり、コアによる熱応力を無視することがで
きる。
なお、希土類−鉄系合金の合金組成としてはYを含む
希土類元素R:13〜15原子%,Co:0〜20原子%,B:4〜11原
子%,残部Fe及び不可避不純物からなるものが好まし
い。ここでRはNdまたは/及びPrが高保磁力を得るので
とくに望ましい。またRを13原子%以上とした理由はR
がそれより少ないと高保磁力の超急冷粉が得られず、塑
性変形抵抗が高くなり、高密度の中空磁石が得られない
からである。一方、Rを15原子%以下とした理由はRが
それより多いと飽和磁化の低下や希土類元素の滲みによ
るバリの発生が甚だしくなるので中空磁石の残留時束密
度の低下や、作業性が低下するからである。Coを20原子
%以下とした理由はFeの一部をCo置換することによりキ
ュリー温度が高まるものの、高保磁力を確保しにくくな
るからである。Bを4〜11原子%とした理由は微細なR2
TM14B(TMはFeおよび/またはCo)結晶に基づく固有保
磁力を維持するためであり、塑性変形抵抗を極小にする
ために、とくに6原子%にすることが望ましい。なお、
希土類−鉄系合金の超急冷粉を製造する手段としてはメ
ルトスピニング法によって代表される既知の超急冷法に
よって得たもので結晶の大きさが単磁区臨界寸法300nm
より小さいことが必要である。
実施例 以下、本発明を実施例により更に詳しく説明する。
実施例1 超急冷粉は合金組成Nd13Fe68Co18B6の母合金をArガス
雰囲気中で高周波加熱することにより溶融状態とし、周
速度約50m/secのCu製単ロールに噴射するメルトスピニ
ング法により厚さ20〜30μmの薄片状とし、これを適宜
粉砕し53〜350μmの粒度範囲としたものを用意した。
この超急冷粉は合金が融液状態のまま凍結したものであ
ることをX線回折により確認した。粒度調整した超急冷
粉を50kOeパルス着磁し、VSMで固有保磁力を測定したと
ころ5.8kOeであった。
成形型は第1図のように径29mm×4(PCD45mm)の貫
通孔を設けた外径80mm,高さ12mmのサイアロン製ダイ1,
外径29mm,内径15mm,高さ5mmでBN/有機高分子膜を設けた
一対の超硬合金製中空電極2a1〜4,2b1〜4{(固有
抵抗/体積比熱)10-5水準},熱膨張係数17×10-6-1
のSUS304製で外径15mm,内径の異なるコア31〜4(コ
アは中空部分の圧力軸垂直方向面積が全面積の〜80
%),外径76mm,高さ10mmの円盤部を備えた外径60mm,内
径50mm,高さ20mmのグラファイト製熱補償体4a,4b{(固
有抵抗/体積比熱)10-3水準}を用意した。
次に下記工程(1)〜(3)により外径29mm,内径15m
m,厚さ1mmの中空磁石とした。
工程(1) ダイ1、BN/有機高分子膜を設けた一対の
中空電極2a1〜4,2b1〜4,中空コア31〜4でキャ
ビティを形成し、一対の熱補償体4a,4bで成形型を構成
した。
工程(2) キャビティに超急冷粉51〜4を各3.70g
充填した。
工程(3) 一対の熱補償体と中空電極を介し超急冷粉
に250kgf/cm2の一軸の圧力を加え10-1〜10-3Torrの真空
雰囲気を維持した状態で、超急冷粉を放電処理して活性
化し、圧着・固化し、更に通電により発生する熱補償体
のジュール熱を電極を介して超急冷粉へ伝熱することに
より結晶化温度以上〜750℃以下に加熱して塑性変形さ
せ、所定形状の中空磁石とした。
ただし放電処理はパルス幅20msec,10V直流電圧の30se
c間の印加、続いての通電は2600Aの直流電流である。通
電による加熱と一定の圧縮圧力のもとで超急冷粉5
1〜4は急速に粘性低下し、歪み速度が増加する。しか
し、超急冷粉51〜4の相対密度が90%を越えた時点で
は歪み速度はピークを越え、相対密度の上昇に伴って次
第に小さな値になる。歪み速度10-3〜0mm/secの範囲で
通電電流を遮断し、ダイ1の外表面温度が冷却に転じた
のち真空雰囲気と圧縮圧力を解除した。この操作によっ
て超急冷粉51〜4から直接、直径29mm,内径15mm,厚さ
1mm,密度7.6〜7.7g/cm3の中空磁石を得た。
次に、上記中空磁石を成形型から離型し、厚さ方向へ
4極直磁した。着磁ヨークは2ターン/1ポールで電流波
高値22kAのパルスを通電した。
第1表は中空磁石50個の着磁時の電磁力による破損確
率とコアの中空部分の圧力軸垂直方向面積比(%)との
関係を示す。表から明らかなようにコアを中空とするこ
とによって中空磁石の残留応力に基づく破損を低減する
ことができる。なお、コアの中空部分の圧力軸垂直方向
面積比(%)は中空磁石の寸法(内外径,高さ)によっ
て異なるが50%以上とすることが望ましい。
実施例2 第2表は中空コアを使用した実施例1の中空磁石を50
0℃×1hの熱処理を行ったときの前後での磁気特性を示
す。
残留応力の除去には一般に熱処理が行われるが第2表
から明らかなように熱処理をすると磁気特性が低下し、
とくに角型性Hkが劣化するので好ましくない。
発明の効果 希土類−鉄系合金の超急冷粉を、成形型中で直接通電
加圧により結晶化温度以上に加熱して所定形状の中空磁
石とする場合、寸法精度が確保できる代わりに残留応力
を避けることができない。とくに中空磁石の場合には中
空形状とするためのコアを成形型部材として使用する。
コアは中空磁石の形状との相対的な関係により、該磁石
の残留応力へ大きな影響を及ぼす。中空磁石の残留応力
が高まると着磁時の電磁力による機械的衝撃に耐えられ
なかったり、或いは中空磁石を成形型から離型した時点
で放射状の亀裂が発生する。このような理由により、と
くに中空磁石の場合には成形型の構成材質や構造での残
留応力に対する具体的な配慮が必要となる。
本発明は超急冷粉を直接通電加圧により結晶化温度以
上、約750℃以下に迅速に加熱し、成形型中所定形状の
希土類−鉄系中空磁石を得るための具体的方法に関する
もので、これにより合理的に残留応力の少ない中空磁石
を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は成形型構成図である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】:ダイと、窒化ボロン/有機高分子膜を
    設けた一対の中空電極{(固有抵抗/体積比熱)10-4
    10-5水準}と、熱膨張係数13.5×10-6-1以上の中空コ
    アとでキャビティを形成し、一対の熱補償体{(固有抵
    抗/体積比熱)10-3水準}で成形型を構成する工程と、
    :キャビティに希土類−鉄系合金の超急冷粉を充填す
    る工程と、:一対の熱補償体と電極を介し、超急冷粉
    に200〜500kgf/cm2の一軸の圧力を加え、10-1〜10-3Tor
    rの真空雰囲気を維持した状態で、超急冷粉を放電処理
    して活性化し、圧着・固定し更に直接通電により発生す
    る熱補償体のジュール熱を電極を介して超急冷粉へ伝熱
    することで結晶化温度以上に加熱して塑性変形させ所定
    の中空形状に固定化する工程とからなる希土類−鉄系中
    空磁石の製造方法。
  2. 【請求項2】中空コアの中空部分の圧力軸垂直方向面積
    が全面積の50%以上である請求項1記載の希土類−鉄系
    中空磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】キャビティを複数の貫通孔を設けたダイ
    と、中空電極群と、中空コア群とで形成する請求項1記
    載の希土類−鉄系中空磁石の製造方法。
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