JP2827457B2 - 希土類鉄系磁石の製造方法 - Google Patents
希土類鉄系磁石の製造方法Info
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Description
磁石の製造方法に関し、更に詳しくは動的なアップ・セ
ット(Dinamic Die Up Setting)加工法の提唱によ
って少ない圧縮圧力と直接通電により数十秒のオーダー
で塑性変形を完了せしめ、所謂最終形状の高性能磁気異
方性希土類鉄系磁石を製造する方法に関する。
化し、特定方向に優れた磁気特性を発現せしめる技術
は、例えばソフト磁性材料分野での圧延磁気異方化技術
に基づく方向性珪素鋼板の集合組織の形成が有名であ
る。一方ハード材料ではエクスト・ルーディングやアッ
プ・セットなどの塑性変形技術に基づく磁気異方性Mn−
Al−C系,磁気異方性希土類鉄系永久磁石が知られてい
る。これらはいずれも塑性変形時の応力または歪の方向
と結晶の磁化容易軸とが特定の方位関係を形成するとい
う現象を利用するものである。
土類鉄系永久磁石はNd,Fe,B及び必要に応じて添加元素
を混合した原材料を溶湯状態の原料から例えばメルトス
ピニングのような方法によって超急冷することによって
R2TM14B(RはNd/Pr、TMはFe/Co)を主相とする結晶粒
の平均粒径が約20〜500nmのような微細結晶からなる粉
末を作成し、高温における圧密でビレット化し、該ビレ
ットに塑性変形加工を施すものである(特開昭60−1004
02号公報)。
に応じて添加元素を混合した原材料を、例えばアーク溶
解し、Ar雰囲気中で単ロール法により超急冷薄片とす
る。この薄片は一般に20〜30μmの厚さをもった不定形
状態であり、非晶質と結晶質との混合物である。この薄
片を一般に32mesh以下に粗粉砕し、超硬合金の成形型中
で圧縮圧力約3tonf/cm2で圧粉体とする。この圧粉体を
超硬合金の成形型中で600〜800℃に高周波加熱し、0.5
〜2tonf/cm2で圧密しビレット化する。次に塑性加工の
加工性を向上させるため、例えば超硬合金のモールド・
キャビティ面をグラファイトでライニングした成形型な
どでビレットを600〜800℃に高周波加熱し、0.5〜2.5to
nf/cm2で該ビレットに数百秒オーダーで塑性変形加工を
施すものである。
圧密と塑性変形加工を施すことによって磁気異方性希土
類鉄系永久磁石が得られるという現象を開示するに留ま
り、例えば磁気特性の安定性,寸法精度などとの関連で
の技術は開示されていない。
るには、少なくともその結晶化温度以上に加熱する必要
がある。しかし、結晶化温度以上で数百秒オーダー保持
したり、或いはまた750℃を越える加熱を施すと微細結
晶が粗大化し、これにより固有保磁力HCJが低下する。
従って希土類系合金の超急冷粉を対象とした短時間で、
しかも結晶化温度以上750℃以下の温度範囲で磁気異方
化と寸法精度との両者を確保することを可能とする新し
い塑性変形技術の出現が望まれていた。
した原材料を溶湯状態の原料から例えばメルトスピニン
グのような方法に従って超急冷することによって結晶粒
の平均粒径が500nm以下の微細結晶からなる粉末を作成
し、高温における圧密でビレット化し、該ビレットに塑
性変形加工を施す一連のプロセスにおいて、とくにビレ
ットの塑性変形加工を施す技術に関し、塑性変形加工に
おける従来技術の問題を解決するための手段として動的
なアップ・セット(Dinamic Die Up Setting)加工
法の提唱によって少ない圧縮圧力と直接通電により結晶
化温度以上750℃以下、数十秒のオーダーで塑性変形を
完了せしめ最終形状の磁気異方性希土類鉄系永久磁石を
提供しようとするものである。
る。
熱c(cal/℃・g)]との比が10-4〜10-2の一対のセラ
ミックス電極と非導電性セラミックス・ダイとで形成し
たモールド・キャビティ中に希土類鉄系合金のビレット
を配置し、電極を介して該ビレットに一次圧力P1(0.2
〜0.5×P2)と一次電流I1によるモジュール熱とを付加
し、更に二次圧力P2(キャビティの圧力軸方向断面積当
たり200〜400kgf/cm2)で結晶化温度以上750℃以下の温
度範囲で塑性変形しせめ、二次電流I2(>I1)の付加に
より最終形状の磁気異方性磁石を得ることを基本とす
る。
により該複合膜の一部を絶縁破壊せしめたのち一次電流
I1を付加することで電極との離型性を確保する。
ト側にグラファイトを配置した構成とし、その熱容量の
割合と一次電流I1によって結晶化温度以上に急速加熱す
るとともに熱の漏洩や発熱量の変化により結晶化温度以
上〜750℃の温度範囲を数十秒間保持するようにするこ
とができる。ここでビレット側に導電性セラミックス,
反ビレット側にグラファイトを配置する理由は、先ず、
グラファイトの電気比抵抗の温度変化は室温から700℃
まで指数関数的に低下し、一方の体積比熱は室温を基準
として700℃付近で概ね2倍となる。従って一定電流の
もとでのジュール熱の発生を結晶化温度以上で約30〜40
%まで急速に抑えることができる。更に、導電性セラミ
ックスの導電性成分としてのTiNなどの電気比抵抗の温
度変化は室温から700℃まで直線的に増加し約2倍の反
熱量を確保することができる。
および非導電性ダイはサイアロン(Si6-ZAlZOZN6-Z=1
〜4.60)を有効成分とするセラミックスとする。サイア
ロンが好ましい理由はNd/Prなどの希土類元素に対して
不活性であること、摩擦係数が比較的小さいこと、高温
強度や耐熱衝撃性などの性質に基づき希土類鉄系磁石の
寸法精度や成形型としての耐久性を確保するために有利
だからである。
土類鉄系合金および、そのビレットとは、それぞれ下記
〜項に説明することができる。
子%を含有し、且つ少なくとも500nm以下のR2TM14B(R
はNd/Pr、TMはFe/Co)を主相とする超急冷粉末とする。
粒子径を有するものを直接固定化してビレットする。ま
たは、53μm以下の粒子径を有する超急冷粉末の含有量
をできるだけ少なくする。
変形時の圧力に耐える機械的な強度を要するので相対密
度の下限は概ね80%以上とすることが望ましい。
軸方向断面積S0との比S/S0は2〜3とする。
ットによる塑性変形技術を図面を用いて説明する。
塑性変形加工の段階を示す要部断面図である。
ある。ここで電極2,2′はビレット1側に配置したビレ
ット側電極2a,2a′と反ビレット側電極2b,2b′とで構成
したものである。なお、ビレット側電極2a,2a′の先端
面にはBN/有機高分子複合膜が形成してある。また、図
中、Iは30Vパルス電圧電源、IIは6V直流定電流電源で
あり、それらは切り替えスイッチにより反ビレット側電
極2b,2b′と圧力軸ロッドを介して電気的に接続するこ
とができる。なお、このような系を必要に応じて真空雰
囲気とすることができるチャンバーを備えている。
応するピレットの塑性変形加工時の電極の圧力軸方向移
動距離△h、およびその微分曲線△h/△t、各部の温度
変化を示す特性図である。ただし図中、T1はビレットの
温度でダイ3を取り除きビレットに直接熱電対を挿入し
て測定したものである。また図中A,B,C,D,Eは塑性変形
加工時の状態変化を説明するために付した区間を示す記
号である。
図に基づいて動的な塑性変形動作を説明する。
力を加える。この状態で電極2,2′間を30Vパルス電圧電
源Iの作動によりパルス放電しBN/有機高分子複合膜を
部分的に絶縁破壊せしめ、電極2,2′間の導電性を確保
する。
電極2,2′間の導電性を確保したのち、電極2,2′を介し
てビレット1に一次圧力P1と一次電流I1によるジュール
熱とを付加して電極2,2′,ビレット1,ダイ3各部を加
熱している区間である。温度の上昇はダイ3よりもビレ
ット1のほうが遥かに急速であることが解る。なお第2
図中B点はビレット1の温度がその結晶化温度約580℃
以上に達していることにより、粘性低下に伴う塑性変形
の開始点に相当する。
ビレット1の温度の上昇が熱の漏洩によって鈍り始めて
いる様子とビレット1の一部が塑性変形によってダイ3
のモールド・キャビティ壁面に到達することによる温度
上昇の開始が見られるようになる。
二次圧力P2(>一次圧力P1及び>200kgf/cm2)によって
ビレット1の塑性変形が加速されている様子が判る。
二次電流I2(>I1)の付加により最終形状に加工された
ことが判る。
加工は動的なアップ・セットであり、電流によるジュー
ル熱の付加が数十秒という短時間で完了することが判
る。
極、および非導電性ダイについて説明する。
cm)]と体積比熱[比重s×比熱c(cal/℃・g)]と
の比が10-4以上であることが必要である。更に電極はビ
レット側に導電性セラミックス、反ビレット側にグラフ
ァイトを配置した構成とすることが好ましい。
ン(Si6-ZAlZOZN6-Z,z=1〜4.60)とVI a族の元素(T
i,Zr,Hf)の炭化物,窒化物との複合セラミックスを挙
げることができる。しかし、TiCおよびZr,Hfの炭化物,
窒化物を含有するサイアロン焼結体は高温耐酸化性が低
いので、電極材質としてはTiNを含有するサイアロン焼
結体を使用することが好ましい。TiNの添加量はTiN相が
焼結体中で十分接触しだす約30体積%以上とし、高温強
度の低下が著しくなる約70体積%以下とする。このよう
なサイアロン焼結体は放電加工が可能であるため高寸法
精度の異形電極を加工することができ、しかも耐熱衝撃
性がよいことなど本発明に使用する電極材質として適し
ているのである。
電極を介してビレットに直接電流を流し、そのジュール
熱によって初期段階の温度上昇を促進するものである。
電極の温度上昇の初期段階での促進はビレットを結晶化
温度以上に急速昇温するのに効果的である。しかもビレ
ットの結晶化温度以上では発熱量の低下と熱の漏洩によ
る相乗効果で昇温を鈍らせる効果があり、結果といてビ
レットの塑性変形を結晶化温度以上750℃以下で行なう
条件を整えることが容易となるからである。
とは電極と磁石との離型性を確保するのに有効である。
=1〜4.60)を使用することが好ましい。
ビレットについて説明する。
子%を含有し、且つ少なくとも500nm以下のR2TM14B(R
はNd/Pr、TMはFe/Co)を主相とする超急冷粉末とするこ
とが望ましい。NdまたはPrを13原子%以下では発明の要
点となるビレットの動的なアップ・セットによる塑性変
形技術を適用することが困難となるからであり、15原子
%以上ではNdまたはPrの滲みが甚だしくなり作業性に悪
影響を及ぼすことや、4πIsの低下に伴う残留磁束密度
の低下を招くからである。また、少なくとも500nm以下
のR2TM14B(RはNd/Pr、TMはFe/Co)を主相とする理由
は、その主相の単磁区臨界寸法が概ね300nm程度であ
り、これより結晶粒が粗大化すると固有保磁力HCJが低
下するばかりか、その磁化曲線が次第にニュークリエー
ション型に移行し、結晶粒界にNd/Prリッチ相が出現す
るからである。固有保磁力HCJの低下は非可逆減磁に代
表される磁石の熱安定性を低下させ、結晶粒界のNd/Pr
リッチ相は耐蝕性に不利な要因となるからである。
する薄片状の超急冷粉末を直接固定化したものが好まし
い。53μm以下の粒子径を有する薄片状の超急冷粉末を
直接固定化したものでは固有保磁力HCJが低下するから
である。
この理由の固有保磁力HCJの低下を抑制することであ
る。
レットの圧力軸方向断面積S0との比S/S0を2〜3とする
ことが好ましい。S/S0が2以下では十分な磁気異方化が
できないからであり、S/S0が3以上では塑性変形量が増
加する割合に磁気異方化の進展が少ないからである。
プ・セットによる塑性変形技術によって最終形状に加工
した磁石の磁化曲線をピンニング型とするものである。
囲気中にてメルトスピニングしフレーク状の薄片を得
た。この薄片は厚さ約30μmの不定形状態を呈し、X線
回析の結果非晶質と結晶質の混合物であることが認めら
れた。次に、この薄片を53〜350μmに粉砕・分級し、
キャビティ中へ16g充填した。しかるのち、10-1〜10-3T
orrの真空中で通電加熱し、ビレットを作成した。この
ビレットは外径14mmの円柱状であり、理論密度に対する
相対密度は85%である。
ップ・セットによる塑性変形装置にセットした。ただ
し、外径19.960mm×5mmの円柱状ビレット側電極2a,2a′
は室温の電気比抵抗pが4×10-4ΩcmのTiN/サイアロン
である。また外径19.95mm×20mmの円柱状反ビレット側
電極2b,2b′は室温の電気比抵抗pが1.6×10-3Ωcmのグ
ラファイトである。なお、ビレット側電極2a,2a′の先
端面にはBN/有機高分子複合膜が形成してある。一方、
非導電性ダイはサイアロンで、内径20.00mm×40mmの円
柱状である。
2,2′を介してビレット1に一軸の圧縮圧力を加える。
この状態で電極2,2′間を15秒間放電し、BN/有機高分子
複合膜5を部分的に絶縁破壊せしめ、電極2,2′間の導
電性を確保した。電極間の放電電流は数mA以下であり、
この段階でのジュール熱による温度の上昇はほとんどな
い。
レット圧力軸方向断面積当たり300kgf/cm2)と一時電流
I1(ビレット圧力軸方向断面積当たり300A/cm2)による
ジュール熱とを付加して電極2,2′,ビレット1,ダイ3
各部を加熱する。温度の上昇はダイ3よりもビレット1
のほうが遥かに急速である。一次電流I1を流して早くも
約20秒後にはビレット1の塑性変形が開始され、約40秒
後には一次圧力P1のもとでの塑性変形速度のピーク値が
観測された。一次圧力P1のもとで変形速度のピーク値が
過ぎた時点で二次圧力P2に切り替えた。二次圧力P2はモ
ールド・キャビティの圧力軸方向断面積当たり250kgf/c
m2である。最後に二次電流I2、800Aを20秒間流して最終
形状に加工し、120秒間冷却したのちモールド・キャビ
ティ内の希土類鉄系磁石を取り出した。この希土類鉄系
磁石の外径は19.990〜20.000mm高さ6.74±0.015mmとい
う優れた寸法精度を有していた。
から明らかなように固有保磁力程度までは磁化の変化が
緩やかで、その後急速に立ち上がっている。すなわちこ
の磁石は磁壁移動がピン止めされている典型的なピンニ
ング型磁石である。また、残留磁束密度Br11.5kG,固有
保磁力HCJ16kOe,最大エネルギー積BHmax31MGOeと優れた
磁気特性であった。
件と磁気特性との関係を実施例にて説明する。
み変化させた場合の一次電流値と、通電時間,磁気特性
との関係を示す特性図である。一次電流値がビレット圧
力軸方向断面積当たり250A/cm2以下であるとジュール熱
の発生が不足して塑性変形に時間が掛かりすぎ固有保磁
力HCJが低下する。一方、一次電流値がビレット圧力軸
方向断面積当たり400A/cm2以上であると結晶化温度以上
で、熱の漏洩よりもジュール熱の発生が過大となってビ
レットの温度上昇が高くなり、その結果固有保磁力HCJ
が低下する。
極の電気比抵抗と体積比熱との比のみ変化させた場合の
電気比抵抗と体積比熱との比と通電時間,磁気特性との
関係を示す特性図である。電気比抵抗と体積比熱との比
が10-4以下であると通電時間が数百秒となり、角形性が
高くなく、その結果最大エネルギー積BHmaxが低くな
る。また、電気比抵抗と体積比熱との比が10-2を越える
と所定の一次電流が低電圧で得られないために通電時間
が長くなり、結晶化温度以上では熱の漏洩よりもジュー
ル熱の発生が過大となってビレットの温度上昇が高くな
り、その結果固有保磁力HCJが低下する。以上のことか
ら明らかなように電気比抵抗と体積比熱との比を10-4〜
10-2とすることが必要である。
子径、第7図は結晶粒の平均粒子径と固有保磁力HCJと
の関係を示す特性図である。図から明らかなように結晶
化温度以上の加熱時間が数十秒であるにも拘らずピーク
温度が750℃を越えると急速な結晶粒の粗大化がおこ
り、その結果固有保磁力HCJが低下することが判る。
与えるものは電極の電気比抵抗と体積比熱との比、ビレ
ット側電極と反ビレット側電極の熱容量比,電流密度で
ある。本発明では少なくとも数十秒のオーダーでビレッ
トの温度を結晶化温度〜750℃で保持する調整が必要で
ある。
気特性との関係を示す特性図である。ただし、一次圧力
はビレットの圧力軸方向断面積当たりの圧力である。一
次圧力は磁気特性に対してほとんど影響しない。しか
し、ビレット圧力軸方向断面積当たり200kgf/cm2もの低
い圧力で塑性変形が行われることは成形型の耐久性など
実用的な観点からみると好ましい事実である。
気特性との関係を示す特性図である。ただし、二次圧力
はモールド・キャビティの圧力軸方向断面積当たりの圧
力である。なお、一次圧力から二次圧力への切り替えは
一次圧力下でのビレットの塑性変形速度がピークを過ぎ
さえすれば塑性変形速度が10-4mm/sオーダーまで低下す
る期間であれば磁気特性への影響を無視することができ
る。
ルギー積BHmaxに影響する。二次圧力が200kgf/cm2以下
では固有保磁力HCJが低下する。一方、二次圧力400kgf/
cm2以上では残留磁束密度Brや角形性の低下により最大
エネルギー積BHmaxが低下する。従って二次圧力は200〜
400kgf/cm2程度、とくに好ましくは250〜300kgf/cm2で
ある。
続を確保するための最低値が必要であるが加圧系の関係
から実質的には二次圧力P2×0.2〜0.5程度が望ましい。
特性の関係を示す特性図である。
い。なお、大気中であっても固有保磁力HCJをはじめと
する磁気特性への影響は少ないが、成形型の耐久性を確
保するためには真空度1.2〜10-2Torr程度にした方が有
利である。
量)と磁気特性との関係を実施例にて説明する。
気特性の関係を示す特性図である。Nd量12原子%では塑
性変形が可能であるが、塑性変形を結晶化温度〜750℃
で行うことができない。したがって結晶粒の著しい粗大
化を招き、固有保磁力HCJや残留磁束密度Brが低下す
る。また、残留応力によって脆くなり実用可能な磁石と
はならない。一方Nd量15原子%を越えるとモールド・キ
ャビティと電極との間隙にNdの滲みによるバリの発生が
甚だしくなるため離型性が低下したり、或いはまた4π
Isの低下に起因する残留磁束密度Brが低下する。従って
Nd量は12〜15原子%とすることが好ましい。
径、ビレットの相対密度、キャビティの圧力軸方向断面
積Sとビレット圧力軸方向断面積S0との比の関係を実施
例にて説明する。
に対する磁気特性の関係を示す特性図である。53μm以
下の場合は固有保磁力HCJが低下する。従って薄片の粒
子径はできるだけ53μm以下の微粉を含まないものが好
ましい。
対密度に対する磁気特性の関係を示す特性図である。相
対密度95%以上では固有保磁力HCJと最大エネルギー線B
Hmaxが低下し易い。従ってビレットの相対密度は95%以
下とすることが好ましい。なお、相対密度が80%以下で
はビレットの圧縮強度が低下し、塑性変形時に破壊する
場合があるので好ましくない。
圧力軸方向断面積Sとビレットの圧力軸方向断面積S0と
の比S/S0に対する磁気特性の関係を示す特性図である。
3であれば実用上十分な磁気異方性磁石とすることがで
きる。
法に関し、塑性変形時の応力または歪の方向と結晶の磁
化容易軸とが特定の方位関係を形成するという現象を利
用した磁気異方性磁石の製造方法において、動的なアッ
プ・セット加圧法により、少ない圧力で短時間に、所謂
最終形状の高性能磁気異方性磁石を得るものである。こ
の方法は製造プロセスが極めて単純であるばかりか、電
流値の制御,圧力制御がそれぞれ1度限りであり、加え
て成形型への負荷が極めて軽微であるなどの特徴があ
る。
第2図は動的なアップ・セット加工時の塑性変形と温度
変化とを示す特性図、第3図は磁化曲線を示す特性図、
第4図は一次電流値と通電時間・磁気特性との関係を示
す特性図、第5図はビレット側電極の電気比抵抗と体積
比熱との比と通電時間・磁気特性との関係を示す特性
図、第6図はビレットのピーク温度と結晶粒の平均粒子
径との関係を示す特性図、第7図は結晶粒の平均粒子径
と固有保磁力との関係を示す特性図、第8図は一次圧力
と磁気特性との関係を示す特性図、第9図は二次圧力と
磁気特性との関係を示す特性図、第10図は真空度と磁気
特性との関係を示す特性図、第11図はNd量と磁気特性と
の関係を示す特性図、第12図は薄片の粒子径と磁気特性
との関係を示す特性図、第13図はビレットの相対密度と
磁気特性との関係を示す特性図、第14図はキャビティの
圧力軸方向断面積Sとビレットの圧力軸方向断面積S0と
の比S/S0に対する磁気特性の関係を示す特性図である。 1……ビレット、2,2′……電極、3……ダイ。
Claims (9)
- 【請求項1】電気比抵抗[p(Ωcm)]と体積比熱[比
重s×比熱c(cal/℃・g)]との比が10-4〜10-2の一
対のセラミックス電極と非導電性セラミックス・ダイと
で形成したモールド・キャビィティ中に希土類鉄系合金
のビレットを配置し、電極を介して該ビレットに一次圧
力P1[(0.2〜0.5)×P2]と一次電流I1によるジュール
熱とを付加し、更に二次圧力P2(キャビティの圧力軸方
向断面積当たり200〜400kgf/cm2)で結晶化温度以上、7
50℃以下の温度範囲で塑性変形せしめ、二次電流I2(>
I1)の付加により最終形状の磁気異方性磁石とする希土
類鉄系磁石の製造方法。 - 【請求項2】電極線端面にBN/有機高分子複合膜を形成
し、放電により該複合膜の一部を絶縁破壊せしめたのち
一次電流I1を付加する請求項1記載の希土類鉄系磁石の
製造方法。 - 【請求項3】電極がビレット側に導伝性セラミックス
を、反ビレット側にグラファイトを配置した構成である
請求項1に記載の希土類鉄系磁石の製造方法。 - 【請求項4】モールド・キャビティを形成するビレット
側電極、および非伝導性ダイがサイアロン(Si6-ZAlZOZ
N6-Z,z=1〜4.60)を有効成分とするセラミックスであ
る請求項1または2記載の希土類鉄系磁石の製造方法。 - 【請求項5】希土類鉄系合金はNd、Prの少なくとも一方
を13〜15原子%を含有し、且つ少なくとも500nm以下のR
2TM14B(RはNd/Pr、TMはFe/Co)を主相とする超急冷粉
末である請求項1記載の希土類鉄系磁石の製造方法。 - 【請求項6】希土類鉄系合金のビレットが53μm以上の
粒子径を有する薄片状の超急冷粉末を直接固定化したも
のである請求項1記載の希土類鉄系磁石の製造方法。 - 【請求項7】ビレットの相対密度が95%以下である請求
項1記載の希土類鉄系磁石の製造方法。 - 【請求項8】キャビティの圧力軸方向断面積Sとビレッ
トの圧力軸方向断面積S0との比S/S0が2〜3である請求
項1記載の希土類鉄系磁石の製造方法。 - 【請求項9】磁気異方性磁石の磁化曲線がピニング型で
ある請求項1記載の希土類系磁石の製造方法。
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JP2141073A Expired - Lifetime JP2827457B2 (ja) | 1990-05-29 | 1990-05-29 | 希土類鉄系磁石の製造方法 |
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JP (1) | JP2827457B2 (ja) |
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-
1990
- 1990-05-29 JP JP2141073A patent/JP2827457B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH0433307A (ja) | 1992-02-04 |
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