JP2946416B2 - 熱圧着性多層押出しポリイミドフィルムおよびその積層法 - Google Patents

熱圧着性多層押出しポリイミドフィルムおよびその積層法

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JP2946416B2
JP2946416B2 JP20888898A JP20888898A JP2946416B2 JP 2946416 B2 JP2946416 B2 JP 2946416B2 JP 20888898 A JP20888898 A JP 20888898A JP 20888898 A JP20888898 A JP 20888898A JP 2946416 B2 JP2946416 B2 JP 2946416B2
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克男 今谷
一昭 三井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多層押出し成形
法によって形成された層間の接着強度が大きい熱圧着性
多層押出しポリイミドフィルムおよびその積層法に関す
るものであり、特に、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物とパラフェニレンジアミンと
を必須成分とする基体ポリイミド層の片面または両面に
熱圧着性ポリイミド層が共押出−流延製膜成形法によっ
て積層されてなる熱圧着性多層押出しポリイミドフィル
ムおよびその積層法に関するものである。
【0002】この明細書において線膨張係数は、400
℃で熱処理した後の試料フィルムについて、50−30
0℃の範囲の温度において測定した値である。また、引
張強度は、ASTM D−882に準ずる方法で引張試
験を行って測定した値である。
【0003】この発明の熱圧着性多層押出しポリイミド
フィルムを適用して得られる金属箔積層フィルムは、共
押出−流延製膜成形法による高耐熱性ポリイミド層(支
持体)が、極めて高い耐熱性、寸法安定性および機械的
物性を有しており高耐熱性層と熱圧着性層との境界部分
で二層に剥離することがなく、多層フィルムが300℃
近い温度でも二次転移温度を有する熱圧着性ポリイミド
層単独の場合に比較して良好な寸法安定性を有すると共
に、該熱圧着性多層押出ポリイミドフィルムと金属箔と
の接合が、熱硬化性の接着剤などをまったく使用せず
に、該多層押出ポリイミドフィルムにおける熱圧着性芳
香族ポリイミド層と金属箔との熱圧着で接合されている
ので、接着強度が大きく、しかもハンダ浴などの高温に
曝されても支持体フィルムが実質的に熱劣化しないので
ある。
【0004】従来、金属箔と耐熱性フィルム(例えば、
芳香族ポリイミド)支持体とからなる複合材料(例え
ば、銅張基板など)は、芳香族ポリイミドフィルムと金
属箔とを「エポキシ樹脂などの熱硬化性接着剤」を介し
て熱接着することによって積層して製造されたものが、
一般的であった。しかし、前記複合材料における熱硬化
した接着剤層は、適当な接着力が保持されうる常時使用
温度がせいぜい200℃以下であったので、ハンダ処理
などの高温に曝される用途では使用できないという問題
があり、金属箔と耐熱性フィルムとの複合材料としては
より耐熱性のあるものが期待されていた。
【0005】その対策として、耐熱性のある接着剤の検
討が種々行われているが、高い耐熱性を有する接着剤
は、積層工程が高温を必要としたり、複雑な積層工程を
必要としたり、また、得られた積層体が充分な接着性を
示さないことが多いなどの問題があった。一方、熱硬化
性の接着剤などをまったく使用しないで、芳香族ポリイ
ミドフィルム支持体に金属層が形成されている「無接着
剤型の複合材料」を製造する方法も、いくつか検討され
ている。例えば、「無接着剤型の複合材料」の製法とし
ては、芳香族ポリイミド前駆体(芳香族ポリアミック
酸)の溶液を、金属箔上で流延・製膜して、複合材料を
製造する方法、あるいは、芳香族ポリイミドフィルム上
に金属をメッキしたり、および/または、真空蒸着した
りして、複合材料を製造する方法が、提案されている。
【0006】しかし、前述の流延製膜法は、支持体層を
充分に厚くすることが極めて困難であったり、あるい
は、製膜工程における溶媒の蒸発・除去工程が極めて長
時間となって生産性が低く連続的に生産することが困難
であるという問題があった。また、前述の金属メッキ法
及び/又は金属蒸着法は、金属層の厚さを充分に厚くす
ることが困難であり、この点において生産性が低かった
のである。
【0007】さらに、最近、熱可塑性を有するポリイミ
ドフィルムと金属箔との積層によって、積層材料を製造
する方法(特開昭62−53827号公報)、および、
金属箔と、二次転移温度を有する芳香族ポリイミドフィ
ルムと、耐熱性の高い芳香族ポリイミドフィルムとを重
ね合わせて、熱的に圧着することによって、積層材料を
製造する方法(特開昭62−104840号公報、特公
昭61−15825号公報)が提案されている。しか
し、前述の熱可塑性のポリイミド又はTgを有するポリ
イミドを使用して積層する方法で得られた積層材料は、
支持体層が耐熱性、熱寸法安定性において低いレベルで
あるという問題があった。また、耐熱性および寸法安定
性が高い芳香族ポリイミドとしては、ビフェニルテトラ
カルボン酸類とフェニレンジアミン類とから得られた高
耐熱性の芳香族ポリイミドが特公平2−373号公報な
どに提案されているが、前記の芳香族ポリイミドからな
るフィルムは、前述のような公知の種々の方法などで、
接着剤を用いて金属箔と接着しても、得られた積層体
が、接着性、耐熱性(接着剤層)において低いレベルで
あるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、熱
硬化性接着剤などの接着剤を使用しないで接着強度の大
きい積層体を与えることができ、ポリイミド層間の接着
強度が大きく、支持体フィルムがハンダ浴などの高温に
曝されても実質的に熱劣化しない熱圧着性多層ポリイミ
ドフィルムおよびその積層法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
50−300℃の範囲の温度での線膨張係数(TD)が
0.7×10-5−1.6×10-5cm/cm/℃であっ
て、引張強度が35kg/mm2 以上である高耐熱性芳
香族ポリイミド層A(厚さ:dA)の少なくとも片面に
芳香族テトラカルボン酸類と複数個のベンゼン環を有す
る芳香族ジアミンとから得られる熱圧着性芳香族ポリイ
ミド層B(両面の場合、B、B’)(厚さ:dB、両面
の場合dB、dB’)が共押出−流延製膜成形法によっ
て一体に積層して得られる、全体の厚さが10−160
μmであり、各層の割合:dB/dA(両面の場合、d
B/dAおよびdB’/dAのいずれも)が1/25−
2/1の範囲である熱圧着性多層押出しポリイミドフィ
ルム、及び、金属面にポリイミドフィルムを加熱圧着す
るさいに、前記熱圧着性多層押出しポリイミドフィルム
を使用する積層法に関する。
【0010】この発明の熱圧着性多層押出しポリイミド
フィルムは、好適には、「(a) 2,3,3’,4’−ま
たは3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸
又はその酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸又はその酸二無水物、3,3’,
4,4’−ジフェニルエ−テルテトラカルボン酸又はそ
の酸二無水物などの芳香族テトラカルボン酸類と、複数
個(好ましくは2−5個)のベンゼン環を有する芳香族
ジアミンとから重合及びイミド化によって得られた「熱
圧着性の芳香族ポリイミド」からなり、(b) 好適には厚
さ0.3−15μm(特に0.4−12μm、その中で
も0.5−10μm程度)である熱圧着性芳香族ポリイ
ミド層B(両面の場合、B、B’)(厚さ:dB、両面
の場合dB、dB’)」が、
【0011】「50−300℃の範囲の温度での線膨張
係数(TD)が0.7×10-5−1.6×10-5cm/
cm/℃であって、引張強度が35kg/mm2 以上で
ある高い耐熱性、寸法安定性および機械的物性を有して
いる高耐熱性芳香族ポリイミド層を与える芳香族ポリイ
ミドからなる、高耐熱性芳香族ポリイミド層A(厚さ:
dA)」の少なくとも片面に、全体の厚さが10−16
0μmであり、各層の割合:dB/dA(両面の場合、
dB/dAおよびdB’/dAのいずれも)が1/25
−2/1の範囲となるように前記高耐熱性芳香族ポリイ
ミド層用のド−プと熱圧着性芳香族ポリイミド層用のド
−プとの多層の共押出−流延製膜成形法によって、一体
に積層して構成されているものである。
【0012】前記の熱圧着性多層押出しポリイミドフィ
ルムは、例えば、この出願人がすでに特許出願している
「特願平1−317706号の出願明細書」に記載され
ている方法によって連続的に製造することができる。す
なわち、前記の熱圧着性多層押出ポリイミドフィルム
は、芳香族テトラカルボン酸類と複数個のベンゼン環を
有する芳香族ジアミンとから得られた芳香族ポリアミッ
ク酸が均一に溶解している第一の芳香族ポリアミック酸
溶液(熱圧着性芳香族ポリイミド層用のド−プ液)と、
好適にはビフェニルテトラカルボン酸類とフェニレンジ
アミン類とから得られた芳香族ポリアミック酸が均一に
溶解している第二の芳香族ポリアミック酸溶液(高耐熱
性芳香族ポリイミド層用のド−プ)とを、二層以上の押
出し成形用ダイスを有する押出成形機へ同時に供給し
て、前記ダイスの吐出口から両溶液を少なくとも二層の
薄膜状体として平滑な支持体(金属製支持体)上に連続
的に押し出し、そして、前記支持体上の多層の薄膜状体
を乾燥し溶媒をかなり蒸発して除去して自己支持性の多
層フィルム(溶媒を一部含有している)を形成し、次い
で、支持体上から該多層フィルムを剥離し、最後に、該
多層フィルムを高温(250−600℃)で充分に加熱
処理することによって溶媒を実質的に除去すると共にポ
リアミック酸をイミド化して、連続的に製造することが
できる。
【0013】前記の熱圧着性多層押出ポリイミドフィル
ムは、全体の厚さが10−160μmである。前記の熱
圧着性多層押出ポリイミドフィルムは、電子顕微鏡写真
で断面を観察すると、熱圧着性ポリイミド層Bが帯状に
鱗状模様をなしているように観察され、特に、高耐熱性
の基体層Aと熱圧着性ポリイミド層Bとの境界部に沿っ
てはっきりとした太線状に濃い鱗状模様が観察されるこ
とがある。しかし、この熱圧着性多層押出ポリイミドフ
ィルムは、鱗状模様が観察されても前記の境界部分で二
層に剥離することがまったくできないのであり、各ポリ
イミド層が実質的に連続して一体的にそして強固に結合
した「少なくとも二層の多層フィルム」を形成している
のである。
【0014】この発明の熱圧着性多層押出ポリイミドフ
ィルムを使用して金属箔などの金属面に加熱圧着して得
られる金属積層フィルムでは、前記の熱圧着性多層押出
ポリイミドフィルムは、基体層Aと熱圧着性ポリイミド
層Bとからなる二層構造のフィルムであってもよく、ま
た、基体層Aとその両側の熱圧着性ポリイミド層B及び
B’とからなる三層構造のフィルムであってもよい。前
記の三層構造のフィルムは、熱圧着性ポリイミド層Bと
B’とがほぼ同じ厚さ(B/B’が0.8−1.2、特
に0.9−1.1の範囲内)であることが、カ−ル性が
極めて小さくなるので最適である。
【0015】前記の基体層Aを形成している高耐熱性の
芳香族ポリイミドは、ビフェニルテトラカルボン酸また
はその酸二無水物を60モル%以上、特に80モル%以
上含有する芳香族テトラカルボン酸成分と、フェニレン
ジアミン類を50モル%以上、特に60モル%以上含有
する芳香族ジアミン成分とから、重合およびイミド化に
よって得られる高分子量の芳香族ポリイミド(好ましく
は二次転移温度を実質的に有していない芳香族ポリイミ
ド)であることが、耐熱性、機械的強度、寸法安定性な
どの点から好ましい(例えば、特公平2−373号公
報、特公昭60−42817号公報などを参照。)。
【0016】また、前記の熱圧着性ポリイミド層Bを形
成している芳香族ポリイミドは、ビフェニルテトラカル
ボン酸またはその酸二無水物を60モル%以上、特に8
0モル%以上含有する芳香族テトラカルボン酸成分と、
例えば、ジフェニルエ−テル系ジアミン、ジアミノジフ
ェニルアルカン系ジアミン、ジフェニルスルホン系ジア
ミン、ジ(アミノフェノキシ)ベンゼン類、ジ〔(アミ
ノフェノキシ)フェニル〕スルホン類などの「複数個の
ベンゼン環を有する芳香族ジアミン」を主として含有す
る芳香族ジアミン成分とから、重合およびイミド化する
ことによって得られた、二次転移温度が250−400
℃、特に260−360℃である芳香族ポリイミドであ
ることが、金属箔などの金属面との熱圧着性および耐熱
性が優れているので好ましい。
【0017】この発明の積層法が適用される金属面とし
ては、鉄、アルミニウム、銅、金、銀、鉛、マグネシウ
ムからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属または
合金からなる導電性の金属面が好ましく、特に厚さ5−
100μm、さらに好ましくは10−60μmの銅箔
(例えば、電解銅箔や圧延銅箔)を好適に挙げることが
できる。
【0018】この発明の積層法を適用して得られる金属
積層フィルムは、熱圧着性多層押出ポリイミドフィルム
の熱圧着性ポリイミド層Bと金属とが直接に加熱圧着さ
れており、その接着強度(90°−剥離法)が、室温
で、少なくとも0.8kg/cm、特に0.9−5kg
/cm程度であり、その剥離界面は、前記熱圧着性ポリ
イミド層Bの表面と金属箔の表面との界面であり、基体
層Aと熱圧着性ポリイミド層B(またはBおよびB’)
との界面部分での剥離が実質的に全く生じないものであ
る。さらに、dA/(dA+dB)またはdA/(dA
+dB+dB’)が0.55以上の場合、ハンダ浴(約
288℃)に10秒間浮かべて接触させて、熱圧着面に
おいて膨れ、剥がれなどが生じることがない耐熱性の優
れたものである。
【0019】この発明の積層法は、好適には「熱圧着性
多層押出ポリイミドフィルム」と「金属箔」等とを、直
接に(熱硬化性の接着剤などを全く使用せずに)重ね合
わせて、280℃−550℃(特に300−500℃)
の圧着温度、および、20−5000kg/cm2 (特
に30−3000kg/cm2 程度)の圧力で、例え
ば、熱プレス法などの手段で、特に約0.1秒−60分
間、その中でも特に約0.5−30秒間、熱圧着するこ
とによって行われるのである。
【0020】この発明の積層法において、熱圧着操作
は、銅箔などの金属箔の熱劣化を防止するために、窒素
ガス、ネオンガス、アルゴンガスなどの不活性ガスの雰
囲気下、あるいは、銅箔などの金属箔上に熱劣化防止用
の金属箔(例えば、ステンレス箔、アルミニウム箔な
ど)を重ね合わせて、高温での加熱圧着をすることが好
ましい。
【0021】
【実施例】以下、実施例を示して、この発明をさらに詳
しく説明する。各例において、ポリイミドフィルムにつ
いて、次の各測定試験を行った。引張試験は、ASTM
D−882に準ずる方法で行い、伸び率(破断点)、
弾性率を測定した。加熱収縮率は、試料フィルムを、4
00℃で2時間加熱し、次いで、徐々に冷却した際の寸
法変化率を測定した。また、各例において、金属箔積層
フィルムの接着強度は、IPC−TM−650(2.
4.9)の「90°−剥離法」に従って測定し、また、
その耐ハンダ性は、IPC−TM−650(2.4.1
3)に準拠した測定法で、288±5℃の温度に維持し
たハンダ浴に、試料の金属箔積層フィルムを、金属箔側
とハンダ浴とが接触するように10秒間浮かべて、金属
箔積層フィルムの膨れ、剥がれなどの有無を目視で判断
(良否を決定)する方法で行った。
【0022】実施例1 3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無
水物(s−BPDA)と、4,4’−ジアミノジフェニ
ルエ−テル(DADE)とを、N,N−ジメチルアセト
アミド(DMAc)中で重合して、ポリマ−濃度18重
量%、溶液粘度5000ポイズの第一の芳香族ポリアミ
ック酸溶液を調製した。一方、s−BPDAとパラフェ
ニレンジアミン(PPD)とをDMAc中で重合して、
モノマ−濃度18重量%、溶液粘度4500ポイズの第
二の芳香族ポリアミック酸溶液を調製した。前記の第一
及び第二の芳香族ポリアミック酸溶液を使用して、二層
押出しダイスから、平滑な金属製支持体の上面に押出し
て流延し、140℃の熱風で連続的に乾燥し、固化フィ
ルム(自己支持性フィルム、溶媒含有率:35重量%)
を形成し、その固化フィルムを支持体から剥離した後、
加熱炉で、200℃から550℃まで徐々に昇温して、
溶媒を除去すると共にポリマ−のイミド化を行い、二層
押出しポリイミドフィルムを製造した。
【0023】この二層押出ポリイミドフィルムは、高耐
熱性の芳香族ポリイミド(二次転移温度なし)からなる
基体層Aが、厚さ50μmであり、熱圧着性の芳香族ポ
リイミド(二次転移温度285℃)からなる熱圧着性層
B(薄層B)が、厚さ7.5μmであった。次いで、前
記の二層押出ポリイミドフィルムを敷いて、薄層B上
に、35μmの銅箔を重ね合わせ、さらにその銅箔上に
12μmのアルミニウム箔を重ね合わせて、重ね合わせ
たものを熱プレス機内の加熱板間に配置し、400℃の
温度で400kg/cm2 の圧力で、5分間、熱圧着を
行って、金属箔積層ポリイミドフィルムを製造した。前
記の金属箔積層フィルムについて、その接着強度(90
°−剥離、室温)および耐ハンダ性を測定した。その結
果を第1表に示す。
【0024】実施例2−3 積層着条件として、第1表に示す条件を採用した他は、
実施例1と同様にして、金属箔積層ポリイミドフィルム
を製造した。それらの金属箔積層フィルムの接着強度
(90°−剥離、室温)および耐ハンダ性を第1表に示
す。
【0025】実施例4−5 二層押出しダイスの吐出量を変化させて、第1表に示す
厚さの構成(基体層Aと薄層B)の二層押出ポリイミド
フィルムを製造した。それらの二層押出ポリイミドフィ
ルムの物性を第一表に示す。それらの二層押出ポリイミ
ドフィルムを使用した他は、実施例1と同様にして、金
属箔積層ポリイミドフィルムを製造した。それらの金属
箔積層フィルムの接着強度(90°−剥離、室温)およ
び耐ハンダ性を第1表に示す。
【0026】比較例1 実施例1で調製した第一の芳香族ポリアミック酸を使用
して、一層押出しダイスを使用したほかは、実施例1と
同様の成形条件で、二次転移温度285℃を有する厚さ
50μmの芳香族ポリイミドフィルム(単層フィルム、
1 タイプという)を製造した。このフィルムの物性を
第1表に示す。前記の単層フィルムを使用し、接着圧力
を100kg/cm2 にしたほかは、実施例1と同様に
して、金属箔積層ポリイミドフィルムを製造した。この
金属箔積層フィルムの接着強度(90°−剥離、室温)
および耐ハンダ性を第1表に示す。
【0027】比較例2 二層押出しダイスの吐出量を変化させて、第1表に示す
厚さの構成(基体層Aと薄層B)の二層押出ポリイミド
フィルムを製造した。この二層押出ポリイミドフィルム
の物性を第1表に示す。この二層押出ポリイミドフィル
ムを使用した他は、実施例1と同様にして、金属箔積層
ポリイミドフィルムを製造した。この金属箔積層フィル
ムの接着強度(90°−剥離、室温)および耐ハンダ性
を第1表に示す。
【0028】比較例3 接着温度を250℃としたほかは、実施例1と同様にし
て、金属箔積層フィルムを製造した。この金属箔積層フ
ィルムの接着強度(90°−剥離、室温)および耐ハン
ダ性を第1表に示す。
【0029】比較例4−5 実施例1で調製した第一の芳香族ポリアミック酸を使用
して、一層押出しダイスを使用したほかは、実施例1と
同様の成形条件で、二次転移温度285℃を有する厚さ
7.5μmおよび25μmの芳香族ポリイミドフィルム
(単層フィルム、R2 およびR3 タイプという)をそれ
ぞれ製造した。実施例1で調製した第二の芳香族ポリア
ミック酸を使用して、一層押出しダイスを使用したほか
は、実施例1と同様の成形条件で、二次転移温度を有し
ていない厚さ50μmおよび25μmの芳香族ポリイミ
ドフィルム(単層フィルム、それぞれS1 およびS2
イプという)をそれぞれ製造した。前述のS1 又はS2
タイプの単層フィルムの上に、R2 又はR3 タイプの単
層フィルムを重ね合わせ、そして、そのR2 又はR3
イプの単層フィルム上に35μmの銅箔を重ね合わせ、
さらにその銅箔上に12μmのアルミニウム箔を重ね合
わせて、それらの重ね合わせたものを熱プレス機内に配
置した他は、実施例1と同様にして、各金属箔積層ポリ
イミドフィルムを製造した。それらの金属箔積層フィル
ムの接着強度(90°−剥離、室温)および耐ハンダ性
を第1表に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例6−11 三層押出しダイスを使用し、吐出量を変えたほかは実施
例1と同様にして、第2表に示す構成の三層押出ポリイ
ミドフィルム(基体層Aの両側に熱圧着性の薄層Bおよ
びB’を有する)を製造した。それらの三層押出ポリイ
ミドフィルムの物性を第2表に示す。12μmのアルミ
ニウム箔を敷いて、その上に35μmの銅箔を重ね合わ
せ、そして、その上に前述の三層押出ポリイミドフィル
ムを重ね合わせ、次いで、その上に、35μmの銅箔を
重ね合わせ、さらにその銅箔上に12μmのアルミニウ
ム箔を重ね合わせて、それらの重ね合わせたものを熱プ
レス機内に配置し、第2表に示す条件で熱圧着を行っ
て、各金属箔積層フィルムをそれぞれ製造した。それら
の金属箔積層フィルムの接着強度(90°−剥離、室
温)および耐ハンダ性を第2表に示す。
【0032】比較例6(実施例) 三層押出しダイスを使用し、吐出量を変えたほかは実施
例6と同様にして、第2表に示す構成の三層押出ポリイ
ミドフィルム(基体層Aの両側に熱圧着性の薄層Bおよ
びB’を有する)を製造した。その三層押出ポリイミド
フィルムの物性を第2表に示す。この三層押出ポリイミ
ドフィルムを使用した他は、実施例6と同様にして、金
属箔積層フィルムを製造した。この金属箔積層フィルム
の接着強度(90°−剥離、室温)および耐ハンダ性を
第2表に示す。
【0033】比較例7 第2表に示す条件で熱圧着したほかは、実施例10と同
様にして、金属箔積層ポリイミドフィルムを製造した。
この金属箔積層フィルムの接着強度(90°−剥離、室
温)および耐ハンダ性を第2表に示す。
【0034】比較例8 三層押出しダイスを使用し、吐出量を変えたほかは実施
例6と同様にして、第2表に示す構成の三層押出ポリイ
ミドフィルム(基体層Aの両側に熱圧着性の薄層Bおよ
びB’を有する)を製造した。その三層押出ポリイミド
フィルムの物性を第2表に示す。前記の三層押出ポリイ
ミドフィルムを使用したほかは、実施例6と同様にし
て、金属箔積層フィルムを製造した。この金属箔積層フ
ィルムの接着強度(90°−剥離、室温)および耐ハン
ダ性を第2表に示す。
【0035】比較例9 実施例1で調製した第二の芳香族ポリアミック酸を使用
して、一層押出しダイスを使用し、吐出量を変えたほか
は、比較例1と同様の成形条件で、二次転移温度有して
いない厚さ75μmの芳香族ポリイミドフィルム(単層
フィルム、S3タイプという)を製造した。そして比較
例4で製造したR2 タイプの単層フィルムの上に、S3
タイプの単層フィルムおよびR2 タイプの単層フィルム
をこの順序で重ね合わせたものを、三層押出ポリイミド
フィルムの代わりに使用した他は、実施例6と同様にし
て、金属箔積層フィルムを製造した。この金属箔積層フ
ィルムの接着強度(90°−剥離、室温)および耐ハン
ダ性を第2表に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】この発明によれば、熱圧着性を有し、支
持体ポリイミド層と熱圧着性ポリイミド層間の接着強度
が大きい熱圧着性多層押出しポリイミドフィルムを得る
ことができる。
【0038】また、この発明の方法によれば、ポリイミ
ドフィルムと金属箔との接合を、熱硬化性の接着剤など
をまったく使用せずに、金属面に多層押出ポリイミドフ
ィルムにおける熱圧着性芳香族ポリイミド層の熱圧着で
接合することができ、得られた金属積層フィルムはハン
ダ浴などの高温に曝されても支持体フィルムが実質的に
熱劣化しない。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 9:00 (56)参考文献 特開 平1−244841(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 47/06 B32B 15/08 B32B 27/34

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50−300℃の範囲の温度での線膨張
    係数(TD)が0.7×10-5−1.6×10-5cm/
    cm/℃であって、引張強度が35kg/mm2以上で
    ある高耐熱性芳香族ポリイミド層A(厚さ:dA)の少
    なくとも片面に芳香族テトラカルボン酸類と複数個のベ
    ンゼン環を有する芳香族ジアミンとから得られる熱圧着
    性芳香族ポリイミド層B(両面の場合、B、B’)(厚
    さ:dB、両面の場合dB、dB’)が共押出−流延製
    膜成形法によって一体に積層して得られる、全体の厚さ
    が10−160μmであり、各層の割合:dB/dA
    (両面の場合、dB/dAおよびdB’/dAのいずれ
    も)が1/25−2/1の範囲である熱圧着性多層押出
    しポリイミドフィルム。
  2. 【請求項2】 基板の少なくとも一層を形成する金属
    箔、熱圧着性芳香族ポリイミド層および高耐熱性芳香族
    ポリイミド層がこの順に一体として積層されてなる積層
    体用である請求項1に記載の熱圧着性多層押出しポリイ
    ミドフィルム。
  3. 【請求項3】 金属面にポリイミドフィルムを加熱圧着
    するさいに、50−300℃の範囲の温度での線膨張係
    数(TD)が0.7×10-5−1.6×10-5cm/c
    m/℃であって、引張強度が35kg/mm2 以上であ
    る高耐熱性芳香族ポリイミド層A(厚さ:dA)の少な
    くとも片面に芳香族テトラカルボン酸類と複数個のベン
    ゼン環を有する芳香族ジアミンとから得られる熱圧着性
    芳香族ポリイミド層B(両面の場合、B、B’)(厚
    さ:dB、両面の場合dB、dB’)が共押出−流延製
    膜成形法によって一体に積層して得られる、全体の厚さ
    が10−160μmであり、各層の割合:dB/dA
    (両面の場合、dB/dAおよびdB’/dAのいずれ
    も)が1/25−2/1の範囲である熱圧着性多層押出
    しポリイミドフィルムを使用する積層法。
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