JP2945049B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2945049B2 JP2024434A JP2443490A JP2945049B2 JP 2945049 B2 JP2945049 B2 JP 2945049B2 JP 2024434 A JP2024434 A JP 2024434A JP 2443490 A JP2443490 A JP 2443490A JP 2945049 B2 JP2945049 B2 JP 2945049B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、光磁気記録媒体に関し、特に、オーバー
ライトを可能にした光磁気記録媒体に関するものであ
る。
[従来の技術] 従来、光磁気記録媒体は、消去可能な光ディスクメモ
リとして知られている。光磁気ディスクは従来の磁気ヘ
ッドを用いた磁気記録媒体に比べ、高記録密度で非接触
記録再生ができる特徴を有しているが、記録部分を事前
に一度消去する過程が必要である。
上記の欠点を除去し、従来の光磁気記録再生装置に簡
単な磁界方向一定の磁界発生装置を設け、照射するレー
ザ光の強度を変調することでオーバーライトを可能にす
る方法が「光学メモリに関する国際シンポジウム報告
(1987):日本応用物理学会誌第26巻(1987)増刊26−
4」(Proc.Int.Symp.on Optical Memory,1987:Jpn.J.A
ppl.Phys.Vol.26(1987)Supplement 26−4)に報告さ
れている。この方式について第1図、第2図により以下
に説明する。
第1図において、記録媒体(1)は透明基板(2)、
第1磁性層(3)および第2磁性層(4)で構成され、
磁性層はそれぞれTbFeやTbFeCoなどのフェリ磁性体が用
いられる。第1磁性層(3)と第2磁性層(4)とは交
換結合しており、第1磁性層(3)に情報は記録され
る。第2図において、(7)は第1磁界発生装置、
(8)は第2磁界発生装置(永久磁石)であり、レーザ
ー光(9)はレンズ(5)により集光され磁性層に照射
される。第1磁界発生装置(7)は、読み出し時のレー
ザー出力では記録媒体(1)の磁化状態に変化は与え
ず、レーザー出力が記録・消去のときにのみ関与する。
第2磁界発生装置(8)は、第1磁性層(3)の磁化状
態に関係なく第2磁性層(4)の磁化方向を一様に揃え
る。このとき、第1磁性層(3)の磁化方向は第2磁界
発生装置(8)や第2磁性層(4)との交換結合力の影
響では磁化状態は保持されるように、記録媒体(1)は
構成されている。次にオーバーライトについて説明す
る。第2磁界発生装置(8)により第2磁性層(4)の
磁化方向が上向きに揃えられる。レーザー光(9)の出
力を上げ、照射部(6)の第2磁性層(4)の磁化反転
温度以下で第1磁性層(3)が交換結合力により第2磁
性層(4)の磁化方向に揃うとき、第2磁性層(4)の
磁化方向が第1磁性層(3)に転写され、第1磁性層
(3)の磁化方向は上向きとなる。また、第2磁性層
(4)の磁化反転温度以上では第1磁界発生装置(7)
により第2磁性層(4)の磁化方向は下向きになり、さ
らに第2磁性層(4)の磁化方向が第1磁性層(3)に
転写され第1磁性層(3)の磁化方向は下向きとなる。
このようにレーザー光(9)の出力を変えるだけで第1
磁性層(3)の磁化状態を変えることができ、直接オー
バーライトが可能となる。
光磁気記録媒体が希土類−遷移金属合金薄膜の多層膜
で隣接する2層の希土類金属と遷移金属の組成比が異な
ったものが特開昭62−137753号公報に示されている。ま
た、第1磁性層に用いるTbFeCo3元系非晶質磁性合金層
の組成と同じものが、好ましい組成として述べられてい
る。これは、大面積にわたり均一であり耐久性の改善を
示したものであり、直接オーバーライトの機能はなく、
また各層の膜厚は100Å以下が好ましいとされている。
[発明が解決しようとする課題] 以上のような従来の光磁気記録媒体は、光磁気記録装
置に実用可能な磁界強度の初期化磁石を設けることで光
変調オーバーライトを可能にするものを効率よく得るこ
とは困難であった。
この発明は上記のような課題を解消するためになされ
たもので、小さな初期化磁界強度で光変調オーバーライ
トが可能な光磁気記録媒体を得ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係る光磁気記録媒体は、膜面に垂直方向に
磁化容易軸を有し、一般式 TbX(Fe1-YCoY1-Xで示されるTbFeCo3元系非晶質磁
性合金層、および膜面に垂直方向に磁化容易軸を有し一
般式(GdXDy1-X(Fe1-zCoz1-yで示されるGdDyFeC
o4元系非晶質合金層を基板に積層し、上記各非晶質磁性
合金層は交換結合しており、上記TbFeCo3元系非晶質磁
性合金層において 0.15≦X≦0.25,0<Y≦0.3, GdDyFeCo4元系非晶質磁性合金層においては、 0.05≦X≦0.40,0.20<Y≦0.35, 0<Z<0.50でGdDy副格子磁化優勢になっている。
[作 用] この発明においては、従来の光磁気記録装置に簡単な
外部磁界発生装置(永久磁石)を設けることにより直接
重ね書き(オーバーライト)が可能になる。
[実施例] 以下、この発明の一実施例について説明する。この実
施例の光磁気記録媒体は、膜面に垂直方向に磁化容易軸
を有し、室温にて以下の条件を満たすように構成されて
いる。
HC1−HC2>HW1+HW2 HC2+HW2<HINI HINI:初期化磁界 HC2−HW2>HB HB:記録バイアス磁界 Troom<TC1<TC2 Troom:室温 HWi=σW/(2・MSi・ti) i=1,2(第1、第2磁性層に対応) MS,HC,t,TCは、それぞれ非晶質合金層の飽和磁化、保
磁力、膜厚、キュリー温度であり、σは2つの非晶質
磁性層間の磁壁エネルギーである。また、HWiは第i層
の室温における交換結合力である。
この発明の光磁気記録媒体を形成するためには、例え
ばスパッタリング法や真空蒸着法によって成膜する。
以下、具体例によって詳細に説明するが、これにより
この発明を限定するものではない。
具体例1. 基板 :1.2mm厚ガラス基板 第1磁性層:TbFeCo3元系非晶質磁性合金層 Tb0.21(Fe0.9Co0.10.79膜厚:500Å 保磁力:10ke キュリー温度:180℃ 第2磁性層:GdDyFeCo4元系非晶質磁性合金層 (Gd0.3Dy0.70.25(Fe0.8Co0.20.75
厚:1000Å 保磁力:2.5ke キュリー温度:250℃ 上記構成材料を用い、スパッタリング法によって記録媒
体を得た。
次に、動作について説明する。定常状態では第2磁界
発生装置(8)により第2磁性層(4)の磁化方向が上
向きに揃えられている。低パワーのレーザー光(9)の
照射により照射部(6)温度が上昇し150℃程度では第
1磁性層(3)の交換力が保磁力より大きくなり、交換
力と保磁力の差は約1ke程度となる。このとき第1磁
界発生装置(7)は一定方向に約0.5keの磁界を発生
しているので、第1磁性層(3)は交換力により第2磁
性層(4)の磁化方向が第1磁性層(3)に転写され、
第1磁性層(3)の磁化方向は上向きとなる。高パワー
のレーザー光(9)の照射では照射部(6)の温度は24
0℃程度まで上昇するため、第1磁性層(3)はキュリ
ー温度以上となって磁化は消失し、第2磁性層(4)も
キュリー温度近傍のため保磁力は減少し、第1磁界発生
装置(7)の磁界により磁化が反転する。そして温度の
減少において第1磁性層(3)の磁化方向は第2磁性層
(4)との交換力により下向きとなる。その後、第2磁
性層(4)の磁化方向は第2磁界発生装置(8)により
再び上向きとなるが、第1磁性層(3)の磁化方向は保
磁力が交換結合力より大きいために変化しない。以上の
ような動作により光変調オーバーライトが可能となり、
線速6m/secでピット長1〜5μmの信号を第1磁界発生
装置(7)の発生磁界を0.5ke、第2磁界発生装置
(8)の発生磁界を3ke、レーザパワーを15mWと5mW
で光変調を行い、消去比25dB以上の特性が得られた。こ
のときの再生パワーは1mWであった。
具体例2. 第1表に示すような構成材料を用いる他は具体例1と
同様にして光磁気記録媒体を得た。
[発明の効果] 以上の説明から明らかなように、この発明は、膜面に
垂直方向に磁化容易軸を有し一般式 TbX(Fe1-YCoY1-Xで示されるTbFeCo3元系非晶質磁
性合金層、および膜面に垂直方向に磁化容易軸を有し一
般式(GdXDy1-X(Fe1-zCoz1-yで示されるGdDyFeC
o4元系非晶質合金層を基板に積層し、上記各非晶質磁性
合金層は交換結合しており、上記TbFeCo3元系非晶質磁
性合金層において 0.15≦X≦0.25,0<Y≦0.3, GdDyFeCo4元系非晶質磁性合金層において、0.05≦X≦
0.40,0.20<Y≦0.35,0<Z<0.5でGdDy副格子磁化優勢
としたことにより、従来の光磁気記録装置に初期化磁石
を設けて光変調オーバーライトが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は従来の光磁気記録媒体の断面図、第2図は同じ
く動作説明のための斜視図である。 (1)……記録媒体、(2)……透明基板、(3)……
第1磁性層、(4)……第2磁性層。 なお、各図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 元久 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社材料研究所内 (72)発明者 深見 達也 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社材料研究所内 (72)発明者 堤 和彦 兵庫県尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機株式会社材料研究所内 (56)参考文献 特開 平2−7251(JP,A) 特開 昭63−200343(JP,A) 特開 昭63−311641(JP,A) 特開 平1−133243(JP,A) 特開 平3−19155(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】膜面に垂直方向に磁化容易軸を有し一般式
    TbX(Fe1-YCoY1-Xで示されるTbFeCo3元系非晶質磁性
    合金層と、および膜面に垂直方向に磁化容易軸を有し一
    般式(GdXDy1-X(Fe1-ZCoZ1-Yで示されるGdDyFeC
    o4元系非晶質合金層とを基板に積層し、上記各非晶質磁
    性合金層は交換結合しており、上記TbFeCo3元系非晶磁
    性合金層において、 0.15≦X≦0.25,0<Y≦0.3 GdDyFeCo4元系非晶質磁性合金層においては、 0.05≦X≦0.40,0.20<Y≦0.35,0<Z<0.5でGdDy副格
    子磁化優勢である光磁気記録媒体。
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