JP2944985B1 - 食品製造用ステンレス鋼の表面改質処理方法及び表面改質ステンレス鋼製品 - Google Patents

食品製造用ステンレス鋼の表面改質処理方法及び表面改質ステンレス鋼製品

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Abstract

【要約】 【課題】 食品製造設備におけるステンレス鋼製装置の
洗浄を容易にし、同時に表面改質する方法及びその製品
を提供する。 【解決手段】 ステンレス鋼に対して、酸素含有気体を
原料として無声放電により発生させたオゾンガスを接触
させて、ステンレス鋼の零電荷点を酸性側に移動させ、
あるいは、食品成分で汚染されたステンレス鋼に対し
て、酸素含有気体を原料として無声放電により発生させ
たオゾンガスを接触させて食品汚染成分を分解し、洗浄
時間を短縮させる表面改質処理洗浄方法である。また、
この方法により、ステンレス鋼の表面に新たな酸化被膜
を形成して表面改質ステンレス鋼製品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼の表
面改質処理方法及び表面改質ステンレス鋼製品に関する
もので、特に食品製造ラインの中に用いられているステ
ンレス鋼製品あるいは食品容器、更にはステンレス鋼製
食品製造装置等で蛋白質汚染、微生物汚染のほか、炭水
化物、油脂、各種調味料、機械油等によって汚染された
ものの洗浄・殺菌を容易にし、食品製造効率や衛生管理
を容易にすることを目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来の食品製造用ステンレス鋼製品の表
面改質によってその表面に付着した各種汚染物の易洗浄
化する方法としては、電解複合研磨加工により表面の凹
凸をなくし平滑化する方法が知られている。食品製造装
置では、各種洗浄剤・殺菌剤との接触により、ステンレ
ス鋼表面の不動態膜の溶解や局部腐食が起こり平滑面に
粗さが生じてくる。これに対し、従来のステンレス鋼の
再生処理法としては、酸洗仕上げ等の湿式法や440℃〜5
50℃で加熱酸化する乾式法が用いられている。しかしな
がら、これらの方法では装置の解体が必要であるうえ、
酸洗仕上げでは酸性廃水の処理の問題、加熱酸化法では
装置組み込み部品の耐熱性、熱ひずみ、過剰酸化による
表面荒れ等、多くの問題がある。
【0003】近年、食品工場では食品素材、製造加工装
置、室内の洗浄・殺菌にオゾンを利用する傾向が高まっ
ている。オゾンはその強力な酸化力ゆえに、微生物や汚
染物質のみならず装置機械表面も酸化することが知られ
ている。
【0004】本発明の技術分野に関連するオゾンを用い
る食品製造装置の洗浄方法については、例えば特開昭60
−172625号にはオゾン水によって食品の製造装置等の洗
浄を行うことにより、製品の品質を損なったり機械を腐
食させることなく洗浄・殺菌効果を向上させることが記
載され、同じく特開昭63−79658号にはオゾン水を食品
等の製造用タンク内壁の全面に吹き付けて洗浄・殺菌す
ることが記載されている。また、オゾンを用いる清浄な
ステンレス鋼の表面処理方法については、例えば特開平
3−274254号には表面研磨したステンレス鋼をオゾン含
有雰囲気中で加熱処理することにより、材料表面から脱
離・放出される吸着ガスの少ない緻密な表面のステンレ
ス鋼が得られると記載され、同じく特開平5−287496号
には特定表面粗度のステンレス鋼部材をオゾン含有酸素
雰囲気中の加熱処理により、不純物の溶出量を少なくで
きることが記載されている。しかし、これらは高オゾン
含有ガスかつ150〜300℃という高温加熱を必要とし、食
品製造プラントの洗浄・殺菌には適用できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ステンレス鋼
表面は塩基性の性質が強く食品のpH領域(pH3.5〜7.0)で
は正の電荷密度を有しているため、蛋白質や酸性多糖類
の吸着親和性ならびに吸着量はきわめて高い。従って、
ステンレス製装置は蛋白質や繊維質で汚染されやすく、
より多くの洗浄エネルギーを要するという問題を有して
いる。本発明は、ステンレス鋼表面に吸着した蛋白質、
酸性多糖類等による汚れを洗浄しやすい状態に低分子化
すると共に、ステンレス鋼表面に新たな酸化皮膜を形成
させることにより蛋白質、酸性多糖類が吸着し難く、か
つ脱離し易い特性に改質する方法を提供するものであ
る。
【0006】従来のオゾン水による洗浄では変性蛋白質
や加熱凝集多糖類の洗浄は困難であり、また酸洗仕上げ
や加熱処理によるステンレス鋼の表面処理法では、多大
な熱エネルギー、廃水処理を必要とするため処理費が高
く、また、食品製造ラインに組み込んだステンレス鋼製
装置を従来法により再改質するためには装置の解体が不
可欠であり、作業上の効率がきわめて悪い。食品製造現
場において、装置を解体することなく、繰り返し実施可
能な表面改質技術の確立が望まれている。
【0007】ステンレス鋼は耐食性、耐熱性に優れてい
るため、熱交換機、配管、タンク等の食品製造装置の材
質として広く用いられている。食品製造装置は常に清浄
に保つ必要があるため、製造工程終了後、洗浄・殺菌操
作が不可決である。装置の洗浄には目的に応じて酸洗剤
(硝酸、リン酸、有機酸等)、中性洗剤(界面活性剤、溶
剤等)、アルカリ洗剤(アルカリ助剤、キレート化剤、界
面活性剤等)、強アルカリ洗剤(苛性ソーダ、助剤、キレ
ート化剤等)が使い分けられているが、食品に由来する
汚れは多成分から構成される複合汚れであるため、一つ
のラインに対して複数の洗浄剤が用いられている。特
に、加熱殺菌ラインの洗浄においては、酸とアルカリの
反復洗浄が長時間かけて行われているほか、汚れが著し
い場合には装置を解体して手洗浄を行っている。この様
に、洗浄には多大のエネルギー、薬剤、水、時間がかけ
られているほか、排水量の増加に伴う廃水処理の負荷の
増加という問題を抱えている。また、最近では洗浄性を
向上させるため強アルカリ洗剤に塩素化添加剤を配合し
た洗浄剤が用いられるようになっており、ステンレス鋼
をはじめ各種装置材質の腐食に関する種々の問題が生じ
ている。
【0008】そこで、装置を解体することなく、既設の
まま装置内部を迅速に清浄化する方法として、オゾンに
よる処理法を試みた。すなわち、上記公開特許公報にみ
られるように、オゾン水を用いて食品成分が付着したス
テンレス鋼の洗浄実験を行った結果、変性蛋白質あるい
は熱凝集多糖類においてはほとんど脱離せず、また、ス
テンレス鋼の表面特性にも変化が見られなかった。ま
た、オゾン雰囲気下で汚染ステンレス鋼を加熱処理した
結果、 加熱による蛋白質や多糖類の固着が起こり、オ
ゾンによる汚れの分解効率は著しく低減され、さらに、
表面改質したステンレス鋼表面に付着した蛋白質、多
糖類のアルカリ洗浄における脱離性はほとんど改善され
なかった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題の解決に対し、鋭意研究を進めた結果によって得ら
れたもので、その要旨とするところは、ステンレス鋼に
対して、酸素含有気体を原料として無声放電により発生
させたオゾンガスが250〜5,000ppm(0.025〜0.5%)含
有する乾燥ガス5〜40℃の温度範囲で接触させて、ス
テンレス鋼の零電荷点を酸性側に移動させることを特徴
とする食品製造用ステンレス鋼製品の表面改質処理方法
である。
【0010】ステンレス鋼の零電荷点を酸性側に移動さ
せることは、すなわち、蛋白質、酸性多糖類等の食品成
分の付着域における表面電荷密度を低下させることにな
り、その結果、蛋白質、多糖類の吸着力は低下し、アル
カリ洗浄における吸着蛋白質ならびに酸性多糖類の脱離
性が向上することになる。
【0011】オゾンガスは純酸素や空気中の酸素を無声
放電によりオゾンに転化するいわゆるオゾン発生機によ
り容易に製造できる。空気を原料にした場合、オゾンと
同時にNOxが生成し、水の存在で硝酸となるが、ステン
レス鋼に対しては硝酸がステンレス鋼の不動態化処理を
促進させるので好ましい方向に働く。
【0012】また、本発明は、食品成分で汚染されたス
テンレス鋼に対して、酸素含有気体を原料として無声放
電により発生させたオゾンガスが250〜5,000ppm含有す
る乾燥ガス5〜40℃の温度範囲で接触させて食品成分
を分解し、洗浄時間を短縮させることを特徴とする食品
製造用ステンレス鋼製品の表面改質処理方法である。
【0013】すなわち、汚染ステンレス鋼を酸素含有気
体を原料として無声放電により発生させたオゾンガスに
接触させて、付着汚れを分解・低分子化し、その後の洗
浄において脱離し易い状態にすると共に、ステンレス鋼
表面に新たな酸化皮膜を形成させ、ステンレス鋼表面の
零電荷点を酸性側に移動させることを特徴とするステン
レス鋼製品の易洗浄化方法である。
【0014】本発明の方法は、食品接触面がステンレス
鋼で構成された装置に特に有効であり、製造ラインから
ステンレス鋼製装置を取り外すことなく、純酸素を原料
として発生させたオゾンガスに接触させてその表面を改
質し、ステンレス鋼製品の洗浄・殺菌を容易にすること
ができる。
【0015】本発明の方法は、新調した個々のステンレ
ス鋼製品に対して使用前に酸素含有気体を原料として無
声放電により発生させたオゾンガスを接触させ、ステン
レス鋼の洗浄・殺菌を容易にした新しい表面改質ステン
レス鋼製品も得られる。
【0016】すなわち、ステンレス鋼に対して、酸素含
有気体を原料として無声放電により発生させたオゾンガ
が250〜5,000ppm含有する乾燥ガス5〜40℃の温度
範囲で接触させて、ステンレス鋼の表面に新たな酸化皮
膜を形成してなる食品製造用表面改質ステンレス鋼製品
が得られるのである。
【0017】ここにいうステンレス鋼製品とは、ステン
レス鋼の成形体、粉末のほか、ステンレス鋼成分を含む
複合材料も含まれる。ステンレス鋼製品のオゾンガスへ
の接触条件は従来のステンレス鋼に対するオゾン酸化条
件より緩やかで、通常オゾン濃度は100から20,000ppm、
好ましくは250〜5,000ppm、接触時間は20分〜2時間、
好ましくは30分〜1時間、接触温度は5〜40℃、好まし
くは室温に近い10〜35℃である。オゾン濃度が100ppm以
下では2時間以上の接触時間が必要であり、20,000ppm
以上にしても改質効果の向上はみられない。接触時間が
20分以下では、改質効果は不十分であり、2時間以上に
しても改質効果の向上はあまりみられない。接触温度は
5℃以下では改質効果は不十分であり、40℃以上にして
も改質効果の向上はみられないので常温処理で十分であ
る。この常温処理により食品製造プラントを解体するこ
となく清浄可能となっている。
【0018】本発明の作用は、次のように説明すること
ができる。すなわち、オゾンガスを汚染したステンレス
鋼に一定時間曝露すると、ステンレス鋼と汚れに作用す
るのは純酸素を原料として発生させたオゾン化酸素で
は、オゾンと酸素のみとなり、また、空気を原料として
発生させたオゾン化空気ではオゾンと空気とNOxとな
る。オゾンガスは、(1)直接オゾン分子として、あるい
は(2)フリーラジカルの形で、NOxは硝酸の形で間接的に
汚れ分子並びにステンレス鋼表面の不動態皮膜と反応す
る。その結果、汚れ分子の分解が起こり、同時にステン
レス鋼表面に新たな酸化皮膜が形成され、表面電荷特性
が改質されると共に、蛋白質、酸性多糖類の吸着親和性
の低下ならびに脱離性の向上をもたらす。この技術によ
り、蛋白質、多糖類により汚染されたステンレス鋼製装
置の洗浄・再生操作の簡易化が期待でき、装置の清浄度
を長期間維持することが可能になるのである。清浄なス
テンレス鋼の表面改質にはオゾン化酸素もオゾン化空気
もほぼ同等に働くが、汚染ステンレス鋼の洗浄にはオゾ
ン化酸素の方が好ましいようである。
【発明の実施の形態】
【0019】以下に、本発明を実施例によってさらに具
体的に説明する。
【0020】実施例1 オゾン処理用カラム内に蛋白質が主体である牛血清アル
ブミン(BSA)が均一に単分子付着したステンレス鋼SUS31
6L(2〜20μm)を10g入れ、純酸素を原料として無声放
電により発生させたオゾンガス(オゾン化酸素、オゾン
含有量 100〜20,000ppmの範囲)を5リットル/分の速度
で20分〜2時間25℃で通気させた。オゾン処理した後、
蛋白質付着ステンレス鋼を水酸化ナトリウム溶液(0.05
N)を用いてアルカリ洗浄した結果、蛋白質の脱離性はオ
ゾン処理により促進された。蛋白質の脱離曲線は図1に
示すとおりである。図中○印は未処理の場合であり、水
洗のみでは全く離脱しないのに対し、本発明のオゾン処
理ではある程度洗浄でき、その後のアルカリ洗浄で両者
に著しい差がみられた。なお、相対残存量は初期付着量
に対する相対値の対数(ln(St/So))で表した値である。
ここで、Stはt時間処理後の付着量、Soは初期付着量で
ある。
【0021】実施例2 実施例1と同様に熱変性蛋白質としてのBSAが付着した
ステンレス鋼をオゾン処理し、続いてアルカリ洗浄した
結果、従来のアルカリ洗浄だけでは全く脱離しなかった
熱変性蛋白質は、オゾン処理により速やかに脱離する結
果を得た。変性蛋白質の脱離曲線は図2に示す。図2の
結果は、オゾン処理が熱交換機の伝熱板上に堆積した変
性蛋白質の洗浄の促進に効果的であることを示してい
る。
【0022】実施例3 実施例1と同様に酸性多糖類として主にペクチンが付着
したステンレス鋼をオゾン処理し、続いてアルカリ洗浄
した結果、オゾン処理により、酸性多糖類の脱離性は著
しく向上した。酸性多糖類の脱離曲線は図3に示す通り
である。
【0023】実施例4 実施例1と同様に熱凝集多糖類が付着したステンレス鋼
をオゾン処理し、続いてアルカリ洗浄した結果、実施例
2と同様に、アルカリ洗浄だけでは全く除去できなかっ
た熱凝集多糖類は、オゾン処理により脱離することが判
明した。熱凝集多糖類の脱離曲線は図4に示す通りであ
る。図4の結果も、熱交換機の伝熱板上に堆積した熱凝
集多糖類の洗浄にオゾン処理が効果的であることを示し
ている。
【0024】実施例5 実施例1と同様に清浄なステンレス鋼をオゾン処理し、
これに蛋白質を一定量吸着させた後、アルカリ洗浄した
結果、オゾン処理したステンレス鋼に付着した蛋白質
は、オゾン未処理ステンレス鋼に比べて速やかに脱離す
る結果を得た。蛋白質の脱離曲線は図5に示すとおりで
ある。図5の結果から、ステンレス鋼をオゾン処理する
ことにより蛋白質等の付着汚れも容易に除去でき、装置
の汚染が抑制できる。
【0025】実施例6 実施例1と同様に清浄なステンレス鋼をオゾン処理し
た。オゾン処理後のステンレス鋼の零電荷点は酸性側に
移動し、正の電荷密度は減少した。ステンレス鋼の表面
電荷密度の変化は、図6に示すとおりである。この傾向
はオゾン化空気を曝露したときに著しいが、これはオゾ
ン化空気中のNOxに由来する硝酸の生成に起因するもの
で、洗浄により硝酸を取り除けば、オゾン化酸素と同様
の傾向となる。
【0026】実施例1と同様にBSA質が付着したステン
レス鋼粒子にオゾン化空気とオゾン化酸素(オゾン濃度
1,000ppm)を曝露した後、アルカリ洗浄(0.01 M NaOH)を
行った。BSAの脱離速度は、オゾン化酸素>オゾン化空
気>未処理となった(図7)。これは、オゾンによりBSA
の分子鎖が切断され低分子化したために洗浄液への可溶
化が促進されて洗浄性が良好となることを示している。
オゾン化空気の場合、生成する硝酸が洗浄に有効なアル
カリ度を低下させるため、オゾン処理の効果が低減する
が、未処理に比べて易洗浄性が高まることが明らかであ
る。
【0027】比較例1(オゾン水) オゾンを5ppm含有するオゾン水0.2リットルに、蛋白質
である牛血清アルブミンが均一に単分子付着した実施例
1に用いたステンレス鋼SUS316L粉末2〜20μm、10gを
入れ、1時間25℃に加熱浸漬したが、変性蛋白質や熱凝
集多糖類はほとんど脱離しなかった。また、ステンレス
鋼の表面特性にも変化はみられない。オゾン水によって
は表面改質ができず、洗浄もできなかった。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、まずオゾンガスで処理
したステンレス鋼製装置は、その表面の汚染の進行を抑
制すると共に、洗浄エネルギーを大幅に削減することが
可能である。また、食品製造ラインに組み込まれた装置
を解体することなく、室温でもステンレス鋼の易洗浄化
と殺菌操作を繰り返し実施することができる。特に、熱
交換機の伝熱板上に堆積した変性蛋白質は洗浄の困難な
ものであるが、本発明の方法により、容易に洗浄できる
こととなった。
【0029】通気した廃オゾンガスは無害な酸素に変換
するため、環境を汚染しない。また、塩素系殺菌剤を使
用しないため、腐食の問題もなく、廃水処理も簡略化で
きるなど自然環境の維持にも貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛋白質汚染ステンレス鋼の洗浄に及ぼすオゾン
化酸素処理の影響を示すグラフである。
【図2】加熱変性蛋白質汚染ステンレス鋼の洗浄に及ぼ
すオゾン化酸素処理の影響を示すグラフである。
【図3】繊維質(多糖類)汚染ステンレス鋼の洗浄に及ぼ
すオゾン化酸素処理の影響を示すグラフである。
【図4】加熱凝集繊維質(多糖類)汚染ステンレス鋼の洗
浄に及ぼすオゾン化酸素処理の影響を示すグラフであ
る。
【図5】オゾン化酸素処理ステンレス鋼からの蛋白質の
洗浄曲線のグラフである。
【図6】オゾン化酸素処理によるステンレス鋼の表面電
荷密度とpHの関係を示すグラフである。
【図7】BSA汚染ステンレス鋼のアルカリ洗浄に及ぼす
オゾン化空気とオゾン化酸素処理の影響を示すグラフで
ある。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 8/14 A61L 2/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼に対して、酸素含有気体を
    原料として無声放電により発生させたオゾンガスが250
    〜5,000ppm含有する乾燥ガス5〜40℃の温度範囲で
    触させて、ステンレス鋼の零電荷点を酸性側に移動させ
    ることを特徴とする食品製造用ステンレス鋼製品の表面
    改質処理方法。
  2. 【請求項2】 食品成分で汚染されたステンレス鋼製装
    置の洗浄して、装置を分解することなく、予め酸素
    含有気体を原料として無声放電により発生させたオゾン
    ガスが250〜5,000ppm含有する乾燥ガス5〜40℃の温
    度範囲で接触させて食品成分を分解し、洗浄時間を短縮
    させることを特徴とする食品製造用ステンレス鋼製品の
    表面改質処理方法。
  3. 【請求項3】 ステンレス鋼に対して、酸素含有気体を
    原料として無声放電により発生させたオゾンガスが250
    〜5,000ppm含有する乾燥ガス5〜40℃の温度範囲で
    触させて、ステンレス鋼の表面に新たな酸化皮膜を形成
    してなる食品製造用表面改質ステンレス鋼製品。
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