JP2943797B2 - 光ケーブルおよび光ケーブル用溝付スペーサ - Google Patents

光ケーブルおよび光ケーブル用溝付スペーサ

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JP2943797B2
JP2943797B2 JP10142510A JP14251098A JP2943797B2 JP 2943797 B2 JP2943797 B2 JP 2943797B2 JP 10142510 A JP10142510 A JP 10142510A JP 14251098 A JP14251098 A JP 14251098A JP 2943797 B2 JP2943797 B2 JP 2943797B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ心線を
複数本した光ケーブルの構造および光ケーブル用スペー
サの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溝付きスペーサの溝内に光ファイバ心線
を収納し、適宜押さえ巻きを施したコアに、シースを被
覆した光ケーブルの構造は、一般に用いられている。か
かる光ケーブルにおいて、シースとコアとの密着力を高
め、コアの引き抜き力を向上させる方法としては、押さ
え巻きの外側を不織布とする等の技術が知られている。
【0003】クロージャ内等の接続部では、ケーブル端
末のシースの部分が把持されて、その先端側でシースが
除去され、露出したコアから引き出された光ファイバ心
線が適宜に接続されている。
【0004】このようなケーブル端末において、接続作
業が完了した後に、コアがシースから突き出すという現
象が発生することがある。この突き出しにより、クロー
ジャ内での光ファイバ心線に曲がりが発生し、ロス増が
生じる。また、突き出し量が多い場合には、クロージャ
内でコアを把持している金具を破壊することもある。逆
にシースが把持部で破断されて、浸水の原因となること
もある。
【0005】この原因について検討したところ、ポリエ
チレン、PVC等の熱可塑性のプラスチック材料を用い
て、押し出しによりケーブルにシースを施す場合、押し
出し直後の状態は、プラスチックに伸び歪みが残留して
いる。この残留歪みにより、シースは押し出し後に長時
間かけて収縮しようとする。このため、コアとシースの
間の密着力が不十分である場合、シースがコアから離れ
て収縮して、相対的にコアが端末から突き出してくるこ
とが分かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、コアとシースとの間にズレ
が生じることを防止できる光ケーブルならびに光ケーブ
ル用スペーサを提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、1本または複数本の螺旋状溝を有する略円柱形状の
溝付スペーサの少なくとも1つの溝内に、光ファイバ心
線を収納し、外周にプラスチック材料のシースを施した
光ケーブルにおいて、前記溝付スペーサの断面の形状が
ケーブルの長手方向に規則的または不規則的に変動して
いることを特徴とするものである。
【0008】請求項2に記載の発明は、1本または複数
本の螺旋状溝を有する略円柱形状の溝付スペーサの少な
くとも1つの溝内に、光ファイバ心線を収納し、外周に
プラスチック材料のシースを施した光ケーブルにおい
て、前記溝付スペーサの断面の大きさがケーブルの長手
方向に規則的または不規則的に変動していることを特徴
とするものである。
【0009】請求項3に記載の発明は、1本または複数
本の螺旋状溝を有する略円柱形状の溝付スペーサの少な
くとも1つの溝内に、光ファイバ心線を収納し、外周に
プラスチック材料のシースを施した光ケーブルにおい
て、前記溝付スペーサ断面の形状および大きさがケーブ
ルの長手方向に規則的または不規則的に変動しているこ
とを特徴とするものである。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の光ケーブルにおいて、前記溝
付スペーサの外周面上に設けられた螺旋状溝の螺旋方向
が、周期的に反転していることを特徴とするものであ
る。
【0011】請求項5に記載の発明は、1本または複数
本の螺旋状溝を有する略円柱形状の溝付スペーサの少な
くとも1つの溝内に、光ファイバ心線を収納し、外周に
プラスチック材料のシースを施した光ケーブルにおい
て、前記溝付スペーサの断面の形状がケーブルの長手方
向に、略円形状の部分と、略多角形状の部分とが交互に
現れることを特徴とするものである。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項5に記載
の光ケーブルにおいて、前記略円柱形状の溝付スペーサ
の断面の外接円の直径が、長手方向に周期的に増減して
いることを特徴とするものである。
【0013】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の光ケーブルにおいて、前記略円柱形状の溝付スペーサ
の断面の外接円の直径の長手方向の周期的な増減が、前
記溝付スペーサの溝の形状変化により生じていることを
特徴とするものである。
【0014】請求項8に記載の発明は、請求項6または
7に記載の光ケーブルにおいて、前記略円柱形状の溝付
スペーサの溝が、周期的に螺旋方向が逆転するように形
成されたSZ構造であって、前記溝付スペーサの断面の
外接円の直径が、前記溝付スペーサの溝の方向の反転位
置付近で極小となることを特徴とするものである。
【0015】請求項9に記載の発明は、1本または複数
本の螺旋状溝を有する略円柱形状の光ケーブル用溝付ス
ペーサにおいて、前記略円柱形状の溝付スペーサの断面
の外接円の直径が、長手方向に周期的に増減しているこ
とを特徴とするものである。
【0016】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の光ケーブル用溝付スペーサにおいて、前記略円柱形
状の溝付スペーサの溝が周期的に螺旋方向が逆転するよ
うに設けられたSZ構造であって、前記溝付スペーサの
断面の外接円の直径が、前記溝付スペーサの溝の方向の
反転位置付近で極小となることを特徴とするものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の光ケーブルの第
1の実施の形態を説明するためのもので、図1(A)は
スペーサの斜視図、図1(B)は図1(A)のB−B部
分の断面図、図1(C)は図1(A)のC−C部分の断
面図である。図中、1はスペーサ、2は溝、3は抗張力
線である。スペーサ1は、プラスチック材料、例えばポ
リエチレンで作成され、1本以上の溝2が螺旋状に形成
されている。図では、6本の溝を形成したが、6本に限
られるものではない。スペーサ1の中心には、抗張力体
3、例えば鋼線が設けられている。スペーサ1の断面の
形状は、円形状であるが、その外径は、スペーサの長手
方向に周期的に変化している。すなわち、図1(B)に
断面図を示すB−B部分では、外径が小さく、図1
(C)に断面図を示すC−C部分では、外径が大きい。
【0018】本発明の第1の実施の形態の光ケーブル
は、このように、スペーサの断面の大きさが長手方向に
周期的に変化しているスペーサを用いて、溝に光ファイ
バ心線を収納し、押さえ巻きを施した上にシースを押し
出し被覆したものである。シースが収縮してスペーサ上
を移動しようとしても、外径が小さい部分が、外径の大
きい部分を乗り越えるための力が必要となり、外径が均
一な光ケーブルに対して、コア部分とシースとの間にズ
レが生じにくくなる。このスペーサを用いた一実施例を
実施例1として説明する。
【0019】実施例1の光ケーブルに用いたスペーサに
ついて具体的に説明する。B−B部分の外径は12m
m、C−C部分の外径は14mmとした。外径の変化の
周期は300mmである。したがって、B−B部分とC
−C部分の長さは、半周期であり150mmである。
【0020】このスペーサを用いて作製した光ケーブル
の実施例の断面図を図2に示す。図2において、図1と
同様の部分には同じ符号を付して説明を省略する。4は
光ファイバ心線、5は押さえ巻き、6はシースである。
光ファイバ心線4はテープ状光ファイバ心線を複数枚積
層したものであるが、これに限られるものではなく、適
当な光ファイバ心線を適当な数だけ収納することができ
る。各溝には4心のテープ状光ファイバ心線を5枚実装
した上に押さえ巻き5を施し、シース6で被覆した。シ
ース6には、ポリエチレンを押し出し被覆したが、シー
スの材料は、他の熱可塑性のプラスチック材料を用いる
こともできる。
【0021】図3は、試験結果の説明図である。試験は
コア引抜力を測定することによって行なった。コア引抜
力は、40cmのケーブルサンプルのシースを固定し
て、100mm/分の速度でコアを引き抜くのに必要な
力とした。比較例1は、全長が図1(B)の断面のスペ
ーサを用いたケーブルであり、図2で説明した実施例1
と同様に、溝に光ファイバ心線を収納し、押さえ巻きを
施した上にシースを押し出し被覆したものである。実施
例1は、比較例1に比べて、シースを施した後のロスが
少なく、引抜力は、50%以上も大きくなっていること
が分かる。シースを施した後において、ロス増が少ない
ことは、スペーサとシースとの相対移動が抑えられるこ
とによって、シースの収縮による歪みがスペーサの一部
に集中することがないためと考えられる。
【0022】実施例1では、スペーサの外径を300m
mの周期で2mmの外径差を持たせたが、細い部分と太
い部分との外径差が1mm程度、例えば、B−B部分の
外径を12mm、C−C部分の外径を13mmとしたも
のでも同程度の効果を得ることができ、さらに、外径差
を0.5mm程度としたものでも効果がある。なお、外
径差を大きくすると、シースがしにくくなることから、
外径差は4mm以下が望ましい。
【0023】なお、上述した実施の形態では、スペーサ
の溝は一方向に螺旋状となるように形成されたものであ
るが、周期的に溝の螺旋方向が反転する、いわゆるSZ
型光ケーブルにも同様に本発明が適用されるものであ
る。また、スペーサの外径の変動は、周期的に変動する
ものに限らず、不規則に外径が変動するものであっても
よい。
【0024】図4は、本発明の光ケーブルの第2の実施
の形態を説明するためのもので、図4(A)はスペーサ
の斜視図、図4(B)は図4(A)のB−B部分の断面
図、図4(C)は図4(A)のC−C部分の断面図であ
る。図中、図1と同様な部分には同じ符号を付して説明
を省略する。この実施の形態では、スペーサ1の断面の
形状が、スペーサ1の長手方向に沿って周期的に変化し
ている。すなわち、図4(B)に断面図を示すB−B部
分では、断面の形状が略円形状であり、図4(C)に断
面図を示すC−C部分では、断面の形状が略多角形状で
ある。その間は滑らかに形状を変化しており、この変化
を周期的に繰り返している。溝2は、SZ型であるが、
図1で説明した溝形状と同様に一方向に捻れる螺旋状で
もよい。
【0025】この実施の形態のスペーサ1の製造方法に
ついて説明する。スペーサ1はポリエチレンの押し出し
成形で製造される。押出機により成形される断面形状
は、図4(B)の形状であり、溝がSZ型の従来のスペ
ーサと同様に押し出される。押出機の出口近傍におい
て、完全に硬化していない状態のスペーサの溝と溝との
間のリブの部分にこれを押し曲げるような力を与える。
リブの部分が押し曲げられると、断面形状は、図4
(C)のようになる。この押し曲げ力を加減しながら、
スペーサの長さ方向に周期的にリブを倒すことによっ
て、断面形状が周期的に変化するスペーサを製造でき
る。
【0026】この実施の形態では、略多角形状の部分の
辺の数は、スペーサ1が有する溝2の数5に等しい。し
かしながら、本発明における断面形状を多角形状にする
ための製造方法は、上述した方法に限られるものではな
く、押し出し後のスペーサの周囲から適当な型材を押し
付けるなど、適宜の方法を採用できる。この場合には、
多角形の辺の数は溝の数と関係のない数とすることも可
能である。リブの頂部の形状によっては、溝の数の2倍
の辺を有する多角形状とすることもできる。また、形状
の変動は、規則的な変動に限られるものではなく、不規
則的な変動でもよい。
【0027】実施例2について説明する。実施例2は、
図4で説明したスペーサを用いた。スペーサの外径は1
1mm、反転部から反転部までのピッチ(図2のB−B
部分とC−C部分との距離)は300mmである。図5
(A)に溝の拡大断面図を示すように、B−B部分の各
溝の寸法は、溝底の幅が1.6mm、開口部の幅が3.
0mm、深さが3.0mm、側壁と溝底となす角はとも
に105゜である。C−C部分における溝は、図5
(B)に拡大断面図を示すように、側壁と溝底とのなす
角は、70゜と140゜である。
【0028】このスペーサの各溝には4心のテープ状光
ファイバ心線を5枚実装して、図2で説明したと同様に
押さえ巻きとシースを施した。比較例2は、スペーサの
断面の形状が全長にわたって、図4(B)の略円形状で
ある点を除いて、実施例2と同じである。
【0029】図6は、試験結果の説明図である。試験
は、実施例1と同様にコア引抜力を測定することによっ
て行なった。コアの引抜力は、実施例2が比較例2に対
して、ほぼ70%大きい。比較例2は、押さえ巻きを施
した状態で断面形状がほぼ円に近いから引き抜きやすい
と考えられる。これに対して、実施例2は、B−B部分
の断面形状はほぼ円であるが、C−C部分ではほぼ五角
形に近い断面形状となっているため、コアを引き抜く際
には、シースの断面を五角形から丸、および丸から五角
形に変形させる必要があり、引き抜きにはコアとシース
の摩擦力に加え、シース変形のための力が必要で、引き
抜き力を大きくできるためと考えられる。なお、シース
後のロスの最大値が実施例2が比較例2よりもわずかに
大きいが、これは、溝を変形させたことによる多少の側
圧が加えられたためと推測される。しかし、平均値は同
じであり、最大値の差もわずかであり、溝の大きさや形
状を考慮することによって、ロス増を押さえることは可
能である。
【0030】なお、第1の実施の形態では、断面の大き
さがケーブルの長手方向に規則的または不規則的に変動
しているスペーサを用い、第2の実施の形態では、断面
の形状がケーブルの長手方向に規則的または不規則的に
変動しているスペーサを用いたが、断面の大きさおよび
断面の形状がともに、規則的または不規則的に変動して
いるスペーサを用いてもよい。
【0031】図7は、本発明の光ケーブルの第3の実施
の形態を説明するためのもので、図7(A)はスペーサ
の斜視図、図7(B)は図7(A)のB−B部分の断面
図、図7(C)は図7(A)のC−C部分の断面図であ
る。図中、図1と同様な部分には同じ符号を付して説明
を省略する。この実施の形態では、スペーサ1の断面の
外接円の直径と形状とが、スペーサ1の長手方向に沿っ
て周期的に変化している。また、スペーサの溝は、SZ
形状に形成されている。断面形状の変化は、図7(B)
に断面図を示す溝の反転部分であるB−B部分では、断
面の形状が略多角形状であり、図7(C)に断面図を示
す反転部分の中間の移行部分であるC−C部分では、断
面の形状が略円形状である。その間は滑らかに形状を変
化しており、この変化を周期的に繰り返している。ま
た、断面の外接円の直径は、反転部分の付近で極小であ
り、反転部分の中間の移行部分で極大であり、その間は
滑らかに変化している。
【0032】この実施の形態のスペーサ1の製造方法に
ついては、第2の実施例で説明したと同様であるが、断
面の包絡線の直径が、SZ形状の溝の反転位置付近で極
小、その中間位置の移行部分の位置付近で極大となりそ
の間は滑らかに変化するように考慮する必要がある。
【0033】実施例3について説明する。図7で説明し
たと同様のスペーサを用いた。スペーサの材料はHDP
Eを用い。SZ形状の溝の反転ピッチは300mm、B
−B部分の断面の包絡線の直径、すなわち、反転位置の
断面の包絡線の直径は14mm、C−C線部分の包絡線
の直径、すなわち、移行部分の位置断面の包絡線の直径
は14.5mmである。
【0034】本発明の第3の実施の形態と比較例につい
てコア引き抜き力を比較した。本発明の第3の実施の形
態については、図7に示すように、断面の包絡線の直径
がケーブルの長手方向で変化し、溝の反転位置B−B部
分で断面の包絡線の直径が極小値の14mm、その中間
の移行部のC−C部分で断面の包絡線の直径が極大値の
14.5mmとなるものであり、反転ピッチは300m
mである。比較例3は、図8に示すように、断面の包絡
線の直径がケーブルの長手方向で変化がないものであ
り、直径は14mm、反転ピッチは300mmである。
比較例4は、図9に示すように、断面の包絡線の直径が
ケーブルの長手方向で変化し、溝の反転位置C−C部分
で断面の包絡線の直径が極大値の14.5mm、その中
間の移行部のB−B部分で断面の包絡線の直径が極小値
の14.0mmとなるものであり、反転ピッチは300
mmである。
【0035】それぞれのケーブル構造については、図1
0(A),(B)に断面図で示すように、(A),
(B)の2種類の断面構造のものを用意した。(A)の
構造は、一体型のスペーサ7の周囲に不織布8の押さえ
巻きをして、ポリエチレンシース9を施したものであ
り、(B)の構造は、一体型スペーサ10の周囲に押さ
え巻き8をした後、U溝スペーサ11をSZ撚りの形状
に集合し、その上に押さえ巻き8’をしてポリエチレン
シース12を施したものである。
【0036】これらの試作ケーブルについて、図3,図
6と同様にコア引抜力を測定した結果を図10(C)で
説明する。比較例3のケーブルでは、コア引抜力は小さ
い。これに対して、断面の包絡線の直径が変化している
本発明と比較例4のケーブルは、比較例3よりもコア引
抜力が大きい。さらに、本発明のケーブルが、比較例4
よりもコア引抜力が大きい。
【0037】この理由について考察した。SZ構造のケ
ーブルにおいては、反転部では、溝はケーブルの長手方
向に対してほぼ平行になっているが、移行部では、溝は
ケーブルの長手方向に対して角度をもっている。コアと
シースとの摩擦力は、溝がケーブルの長手方向に平行で
あるよりも角度をもっている方が大きいと考えられる。
したがって、コアとシースとの摩擦力は、反転部よりも
移行部が大きいと考えられる。また、スペーサ断面の包
絡線の直径が変化するスペーサでは、直径の極大部分と
極小部分では、コア引抜力は、極大部分の方が極小部分
よりも大きいといえる。本発明では、スペーサ断面の包
絡線の直径は、摩擦力が大きい移行部で極大となり、摩
擦力が小さい反転部で極大となっていることによって、
効果的にコア引抜力を大きくできる。これに対して、ケ
ーブル断面の包絡線の直径が、摩擦力が大きい移行部で
極小となり、摩擦力が小さい移行部で極大となっている
比較例4は、本発明のケーブルよりも、コア引抜力が小
さい結果を示したものと考えられる。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1〜3および5〜7および9に記載の発明によれば、ス
ペーサの断面の大きさまたは形状、あるいは、その両方
を変動させることによって、シースが長手方向に収縮し
ようとしても、断面の変動部分でシースのズレを抑える
ことができる。
【0039】請求項4に記載の発明によれば、溝付スペ
ーサの外周面上に設けられた螺旋状溝の螺旋方向が、周
期的に反転していることにより、心線の引き出しが容易
となる。
【0040】請求項8および10に記載の発明によれ
ば、溝付スペーサの溝が、周期的に螺旋方向が逆転する
ように形成されたSZ構造であることにより、心線の引
き出しが容易であり、溝付スペーサの断面の外接円の直
径が、溝の方向の反転位置付近で極小となることによ
り、コア引抜力を効果的に増大できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ケーブルの第1の実施の形態を説明
するためのもので、図1(A)はスペーサの斜視図、図
1(B)は図1(A)のB−B部分の断面図、図1
(C)は図1(A)のC−C部分の断面図である。
【図2】本発明の光ケーブルの第1の実施例の断面図で
ある。
【図3】第1の実施例の試験結果の説明図である。
【図4】本発明の光ケーブルの第2の実施の形態を説明
するためのもので、図4(A)はスペーサの斜視図、図
4(B)は図4(A)のB−B部分の断面図、図4
(C)は図4(A)のC−C部分の断面図である。
【図5】本発明の光ケーブルの第2の実施例の溝の拡大
断面図である。
【図6】第2の実施例の試験結果の説明図である。
【図7】本発明の光ケーブルの第3の実施の形態を説明
するためのもので、図7(A)はスペーサの斜視図、図
7(B)は図7(A)のB−B部分の断面図、図7
(C)は図7(A)のC−C部分の断面図である。
【図8】比較例の光ケーブルのスペーサの斜視図であ
る。
【図9】他の比較例の光ケーブルのスペーサの斜視図で
ある。
【図10】本発明の光ケーブルの効果を説明するための
もので、図10(A),(B)は試作した光ケーブルの
構造を示す断面図、図10(C)は試験結果の説明図で
ある。
【符号の説明】
1…スペーサ、2…溝、3…抗張力線、4…光ファイバ
心線、5…押さえ巻き、6…シース。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1本または複数本の螺旋状溝を有する略
    円柱形状の溝付スペーサの少なくとも1つの溝内に、光
    ファイバ心線を収納し、外周にプラスチック材料のシー
    スを施した光ケーブルにおいて、前記溝付スペーサの断
    面の形状がケーブルの長手方向に規則的または不規則的
    に変動していることを特徴とする光ケーブル。
  2. 【請求項2】 1本または複数本の螺旋状溝を有する略
    円柱形状の溝付スペーサの少なくとも1つの溝内に、光
    ファイバ心線を収納し、外周にプラスチック材料のシー
    スを施した光ケーブルにおいて、前記溝付スペーサの断
    面の大きさがケーブルの長手方向に規則的または不規則
    的に変動していることを特徴とする光ケーブル。
  3. 【請求項3】 1本または複数本の螺旋状溝を有する略
    円柱形状の溝付スペーサの少なくとも1つの溝内に、光
    ファイバ心線を収納し、外周にプラスチック材料のシー
    スを施した光ケーブルにおいて、前記溝付スペーサ断面
    の形状および大きさがケーブルの長手方向に規則的また
    は不規則的に変動していることを特徴とする光ケーブ
    ル。
  4. 【請求項4】 前記溝付スペーサの外周面上に設けられ
    た螺旋状溝の螺旋方向が、周期的に反転していることを
    特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光
    ケーブル。
  5. 【請求項5】 1本または複数本の螺旋状溝を有する略
    円柱形状の溝付スペーサの少なくとも1つの溝内に、光
    ファイバ心線を収納し、外周にプラスチック材料のシー
    スを施した光ケーブルにおいて、前記溝付スペーサの断
    面の形状がケーブルの長手方向に、略円形状の部分と、
    略多角形状の部分とが交互に現れることを特徴とする光
    ケーブル。
  6. 【請求項6】 前記略円柱形状の溝付スペーサの断面の
    外接円の直径が、長手方向に周期的に増減していること
    を特徴とする請求項5に記載の光ケーブル。
  7. 【請求項7】 前記略円柱形状の溝付スペーサの断面の
    外接円の直径の長手方向の周期的な増減が、前記溝付ス
    ペーサの溝の形状変化により生じていることを特徴とす
    る請求項6に記載の光ケーブル。
  8. 【請求項8】 前記略円柱形状の溝付スペーサの溝が、
    周期的に螺旋方向が逆転するように形成されたSZ構造
    であって、前記溝付スペーサの断面の外接円の直径が、
    前記溝付スペーサの溝の方向の反転位置付近で極小とな
    ることを特徴とする請求項6または7に記載の光ケーブ
    ル。
  9. 【請求項9】 1本または複数本の螺旋状溝を有する略
    円柱形状の溝付スペーサにおいて、前記略円柱形状の溝
    付スペーサの断面の外接円の直径が、長手方向に周期的
    に増減していることを特徴とする光ケーブル用溝付スペ
    ーサ。
  10. 【請求項10】 前記略円柱形状の溝付スペーサの溝が
    周期的に螺旋方向が逆転するように設けられたSZ構造
    であって、前記溝付スペーサの断面の外接円の直径が、
    前記溝付スペーサの溝の方向の反転位置付近で極小とな
    ることを特徴とする請求項9に記載の光ケーブル用溝付
    スペーサ。
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