JP2943614B2 - 車両用自動変速機の油圧制御回路 - Google Patents

車両用自動変速機の油圧制御回路

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JP2943614B2
JP2943614B2 JP6183383A JP18338394A JP2943614B2 JP 2943614 B2 JP2943614 B2 JP 2943614B2 JP 6183383 A JP6183383 A JP 6183383A JP 18338394 A JP18338394 A JP 18338394A JP 2943614 B2 JP2943614 B2 JP 2943614B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の油
圧制御回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の油圧式摩擦係合装置を備え、それ
ら複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせによって
変速段を達成する車両用自動変速機において、電磁式制
御信号圧発生弁から出力される信号圧に基づいて油圧式
摩擦係合装置を制御することが行われており、油圧制御
回路を安価とし且つそのボデーを小型とするために、制
御が相互に干渉しない範囲で電磁式制御信号圧発生弁が
可及的に兼用される。たとえば、特願平5−26377
9号の明細書に記載された車両用自動変速機の油圧制御
回路のように、リニヤソレノイド弁から出力される共通
の制御信号圧により、ロックアップクラッチのスリップ
制御や、第4速ギヤ段と第5速ギヤ段との間のブレーキ
0 の係合制御が実行される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、アキュム背
圧を発生させるアキュムレータコントロール弁も、他の
目的のために用いられる電磁式制御信号圧発生弁から出
力される信号圧により制御されるが、図4に示すよう
に、電磁式制御信号圧発生弁が非励磁状態において最大
の制御信号圧が出力される形式である場合には、摩擦係
合装置の耐久性が損なわれたり、或いはアキュム背圧に
よる摩擦係合装置の係合制御の制御性が損なわれること
が避けられなかった。
【0004】すなわち、アキュムレータコントロール弁
の制御にも兼用する電磁式制御信号圧発生弁が上記のよ
うに非励磁状態において最大の信号圧が出力される形式
である場合には、その電磁式制御信号圧発生弁が断線す
るとそれから出力される制御信号圧が図5に示すように
最大となることから、たとえば図6に示すような従来の
アキュムレータコントロール弁100では、スプール弁
子102が信号圧PSL U に従いスプリング104に抗し
て低圧側位置へ位置させられるので、アキュム背圧P
ACC が最小とされる。このため、自動変速機の変速期間
が長くなって摩擦係合装置の係合時間が長くなるので、
摩擦係合装置の耐久性が損なわれる不都合が生じる。こ
れに対し、たとえば図7に示すようなアキュムレータコ
ントロール弁110では、スプリング112の付勢力と
同じ方向の推力をスプール弁子114に付与するように
制御信号圧PSLU をスプール弁子114に作用させるこ
とが考えられる。電磁式制御信号圧発生弁が断線状態と
なって制御信号圧が最大値となった場合には、アキュム
背圧が最大値とされるので、摩擦係合装置の耐久性が損
なわれないが、通常の制御時においては図8に示すよう
に電磁式制御信号圧発生弁の制御信号圧PSLU が零とな
ってもアキュム背圧PACC の最小値がスプール弁子11
2の付勢力に対応した所定値P1 以下とはならないの
で、摩擦係合装置の低トルク領域での滑らかな係合制御
ができなくなり、低負荷走行の変速時において変速ショ
ックが発生する不都合があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、電磁式制御信号
圧発生弁が非励磁状態において最大の制御信号圧が出力
される形式であっても、油圧式摩擦係合装置の耐久性が
損なわれたり、或いはアキュム背圧による油圧式摩擦係
合装置の係合制御の制御性が損なわれることのない車両
用自動変速機の油圧制御回路を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】斯る目的を達成するため
の、本発明の要旨とするところは、複数の油圧式摩擦係
合装置を備えた車両用自動変速機において、所定の油圧
式摩擦係合装置の摩擦状態を制御するためのアキュム背
圧を出力するためにスプリングにより一方向に付勢され
た弁子を有するアキュムレータコントロール弁と、その
アキュムレータコントロール弁を制御するための制御信
号圧を発生する電磁式制御信号圧発生弁とを備え、その
電磁式制御信号圧発生弁が非励磁状態において最大出力
圧を出力する形式の油圧制御回路であって、(a) 前記ア
キュムレータコントロール弁に設けられ、そのアキュム
レータコントロール弁の弁子に前記スプリングの付勢方
向と同じ向きの推力を付与するために前記制御信号圧を
受け入れる制御信号圧油室と、(b) 前記アキュムレータ
コントロール弁に設けられ、そのアキュムレータコント
ロール弁の弁子に前記制御信号圧と対抗する推力を付与
する対抗推力付与手段とを、含むことにある。
【0007】
【作用】このようにすれば、制御信号圧が制御信号圧油
室に受け入れられることにより、アキュムレータコント
ロール弁の弁子にはスプリングの付勢方向と同じ向きの
推力が付与される一方、対抗推力付与手段によって、制
御信号圧に基づく推力と対抗する推力がアキュムレータ
コントロール弁の弁子に付与される。
【0008】
【発明の効果】本発明によれば、上記対抗推力付与手段
によって弁子に付与された推力がスプリングの推力を相
殺するので、低負荷走行において電磁式制御信号圧発生
弁の制御信号圧が零となると、上記弁子の作動によって
アキュム背圧が好適に低くされ、略零付近まで低下させ
られ得る。したがって、アキュム背圧による摩擦係合装
置の係合制御の制御性が損なわれず、低負荷走行の変速
時において変速ショックが発生することが解消される。
【0009】上記対抗推力付与手段は、好適には、予め
設定された一定の油圧を発生する一定圧発生弁と、アキ
ュムレータコントロール弁に設けられ、そのアキュムレ
ータコントロール弁の弁子に前記制御信号圧と対抗する
推力を付与するために前記一定の油圧を常時受け入れる
定圧油室とから構成される。このようにすれば、油圧制
御回路においてリニヤソレノイド弁などの元圧として設
けられた一定圧発生弁が兼用可能なことから、単に定圧
油室をアキュムレータコントロール弁に設けることで対
抗推力付与手段を構成することができるので、対抗推力
を発生させるスプリングをアキュムレータコントロール
弁内に収容する場合に比較して、そのアキュムレータコ
ントロール弁の軸方向寸法をそれ程大きくする必要がな
くなる利点がある。
【0010】また、好適には、前記一定圧発生弁により
発生させられる一定の油圧は、前記スプリングの推力と
同じ大きさであって反対向きの推力を弁子に付与する値
に設定される。このようにすれば、電磁式制御信号圧発
生弁の制御信号圧が零となったときには、アキュム背圧
も正確に零となり、制御精度が高められる利点がある。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0012】図1は、本発明の一実施例が適用された車
両用自動変速機の骨子図である。図において、エンジン
10の動力はロックアップクラッチ付トルクコンバータ
12、3組の遊星歯車ユニットなどから構成された有段
式自動変速機14、および図示しない差動歯車装置など
を経て駆動輪へ伝達されるようになっている。
【0013】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16と連結されているポンプ翼車18
と、上記自動変速機14の入力軸20に固定され、ポン
プ翼車18からのオイルを受けて回転させられるタービ
ン翼車22と、一方向クラッチ24を介して非回転部材
であるハウジング26に固定されたステータ翼車28
と、ダンパ30を介して上記入力軸20に連結されたロ
ックアップクラッチ32とを備えている。トルクコンバ
ータ12内の解放側油室33内の油圧が高められ且つ係
合側油室35の油圧が解放されると、ロックアップクラ
ッチ32が非係合状態とされるので、トルクコンバータ
12の入出力回転速度比に応じた増幅率でトルクが伝達
される。しかし、係合側油室35内の油圧が高められ且
つ解放側油室33が最低圧とされると、ロックアップク
ラッチ32が係合状態とされるので、トルクコンバータ
12の入出力部材、すなわちクランク軸16および入力
軸20が直結状態とされる。
【0014】自動変速機14は、同軸上に配設された3
組のシングルピニオン型の第1遊星歯車装置34,第2
遊星歯車装置36,第3遊星歯車装置38と、前記入力
軸20と、第3遊星歯車装置38のリングギヤとともに
回転する出力歯車39と前記差動歯車装置との間で動力
を伝達するカウンタ軸(出力軸)40とを備えている。
それら遊星歯車装置34,36,38の構成要素の一部
は互いに一体的に連結されるだけでなく、3つのクラッ
チC0 ,C1 ,C2 によって互いに選択的に連結されて
いる。上記第1遊星歯車装置34および第2遊星歯車装
置36が3段のギヤ段を備えた3変速部を自動変速機1
4の前段に構成し、上記第3遊星歯車装置38が高速段
および低速段の2段のギヤ段を備えたオーバードライブ
(OD)部を自動変速機14の後段に構成している。
【0015】また、上記各遊星歯車装置34,36,3
8の構成要素の一部は、4つのブレーキB0 ,B1 ,B
2 ,B3 によってハウジング26に選択的に連結される
とともに、さらに、構成要素の一部は3つの一方向クラ
ッチF0 ,F1 ,F2 によってその回転方向により相互
に若しくはハウジング26と係合させられるようになっ
ている。各クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0
1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや1本ま
たは巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバンドブ
レーキ等にて構成され、それぞれ油圧アクチュエータに
よって作動させられるようになっており、それぞれ油圧
式摩擦係合装置を構成している。
【0016】後述の電子制御装置42によりそれ等の油
圧アクチュエータの作動がそれぞれ制御されることによ
り、図2に示されているように、変速比I(=入力軸2
0の回転速度/カウンタ軸40の回転速度)がそれぞれ
異なる前進5段・後進1段の変速段が得られる。図2に
おいて、「1ST」、「2ND」、「3RD」、「4TH」、
「5TH」は、それぞれ前進側の第1速ギヤ段、第2速ギ
ヤ段、第3速ギヤ段、第4速ギヤ段、第5速ギヤ段を表
しており、上記変速比は第1速ギヤ段から第5速ギヤ段
に向かうに従って順次小さくなる。なお、上記トルクコ
ンバータ12および自動変速機14は、軸線に対して対
称的に構成されているため、図1においては入力軸20
の回転軸線の下側およびカウンタ軸40の回転軸線の上
側を省略して示してある。
【0017】そして、油圧制御回路44では、上記自動
変速機14のギヤ段の制御に際しては、ソレノイドNo.
1、ソレノイドNo.2およびソレノイドNo.3によってそれ
ぞれオンオフ駆動される第1電磁弁46、第2電磁弁4
8、および第3電磁弁50を備えており、それら第1電
磁弁46、第2電磁弁48、および第3電磁弁50の作
動の組み合わせによって図2に示すようにクラッチおよ
びブレーキが選択的に作動させられて前記第1速ギヤ段
乃至第5速ギヤ段のうちのいずれかが成立させられるよ
うになっている。なお、図2のソレノイドの欄の
「○」,「×」印はそれぞれ励磁状態,非励磁状態であ
ることを表している。また、クラッチおよびブレーキの
欄の「○」印は係合状態を表しており、「×」印は非係
合状態を表している。更に、一方向クラッチの欄の
「○」印は正駆動時に係合状態となることを表してい
る。
【0018】また、油圧制御回路44において、ソレノ
イドSLを備えた第4電磁弁52は、ロックアップクラ
ッチ32を係合状態に切り換えるための出力圧PSWを発
生させ、後述のロックアップシグナル弁54に供給する
ことによりそれからロックアップクラッチ係合切換圧P
LSを発生させる。また、たとえば第4速および第5速走
行でのスリップ領域において燃費を向上させるためにロ
ックアップクラッチ32のスリップ回転速度NSLPを
予め設定した目標スリップ回転速度TNSLPと一致さ
せるスリップ制御期間では、図4に示す出力特性に従っ
て、連続的に変化する制御信号圧PSLU がリニヤソレノ
イド弁SLU から発生させられる。また、クラッチC1、
C2、ブレーキB2の係合によっておこなわれる変速期
間、たとえば2−3変速、3−4変速の変速期間におい
ても、上記リニヤソレノイド弁SLU が兼用され、上記制
御信号圧PSLU がアキュム背圧PACC を連続的に制御し
て変速ショックを緩和する。
【0019】さらに、ブレーキB0の直接圧制御では、
連続的に変化する制御信号圧PSLNがリニヤソレノイド
弁SLN から発生させられ、ブレーキB0の係合トルクが
制御される。本実施例では、第3遊星歯車装置38から
成る自動変速機14のOD部は、3変速部の後段に配置
されていることから、3変速部のギヤ段に応じて入力ト
ルクが大幅に異なるので、ブレーキB0の作動に伴う変
速、すなわち1−2変速、2−3変速、4−5変速での
変速過程で発生するトルク変化を緩和することは従来の
アキュムレータを用いてそのアキュム背圧を制御する方
式によっては困難となっている。このため、上記ブレー
キB0の直接圧制御では、リニヤソレノイド弁SLN が用
いられることによりブレーキB0の係合圧PB0が直接的
に制御され、自動変速機14のOD部の入力トルクに応
じて幅広く制御されるようになっている。
【0020】図3は、上記油圧制御回路44の要部を示
している。図において、ロックアップシグナル弁54で
は、第4電磁弁52からの出力圧PSWが供給されない場
合は、スプリング56の付勢力に従ってスプール弁子5
8が図3の左側に示す位置に位置させられるので、第4
速ギヤ段以上で係合させられるブレーキC2の係合圧P
C2がロックアップクラッチ係合切換圧PLSとして出力さ
れるが、出力圧PSWが供給された場合は、スプリング5
6の付勢力に抗してスプール弁子58が図3の右側に示
す位置へ移動させられることにより、ロックアップクラ
ッチ係合切換圧PLSがドレンされる。すなわち、ロック
アップクラッチ係合切換圧PLSは、第4電磁弁52が作
動させられ且つ自動変速機14が第4速ギヤ段以上であ
るときに発生させられる。
【0021】ライン圧PL は、よく知られた図示しない
ライン圧調圧弁によりスロットル弁開度に応じた大きさ
に調圧されている。ロックアップリレー弁60は、ロッ
クアップクラッチ係合切換圧PLSが供給されない場合
は、ライン圧PL を解放側油室33へ供給し且つ係合側
油室35内の作動油を図示しないオイルクーラへ排出さ
せる位置に切り換えられることにより、ロックアップク
ラッチ32を解放させる。しかし、ロックアップリレー
弁60は、ロックアップクラッチ係合切換圧PLSが供給
されると、ライン圧PL を係合側油室35へ供給し且つ
解放側油室33内の作動油をロックアップコントロール
弁62ヘ流出させる位置へ切り換えられることにより、
ロックアップクラッチ32を係合状態とする。ここで、
このロックアップクラッチ32の係合状態とは、完全係
合状態だけでなく、スリップ制御状態も含まれる。
【0022】上記ロックアップクラッチ32の係合状態
では、図4に示すように電子制御装置42から供給され
る駆動電流ISLU に対応した制御信号圧PSLU がリニア
ソレノイド弁SLU から発生させられ、上記ロックアップ
コントロール弁62は、そのスリップ制御圧PSLU に応
じて、解放側油室33をドレンへ解放したり或いはライ
ン圧PL を導くライン油路64へ連通させたりして係合
側油室35および解放側油室33の圧力差ΔPを調節
し、ロックアップクラッチ32のスリップ回転速度NS
LPを制御する。上記制御信号圧PSLU が最大値とされ
ると、解放側油室33がドレンへ解放されて、ロックア
ップクラッチ32が完全係合状態とされる。
【0023】ソレノイドモジュレータ弁70は、ライン
圧PL が供給される入力ポート72と、モジュレータ圧
M を出力する出力ポート74と、それら入力ポート7
2と出力ポート74との間を開閉するスプール弁子76
と、スプール弁子76を開弁方向に付勢するスプリング
78と、スプール弁子76を閉弁方向に付勢するために
モジュレータ圧PM を受け入れるフィードバック油室8
0とを備え、数式1が成立するように作動するスプール
弁子76により一定の値に調圧されたモジュレータ圧P
M をリニヤソレノイド弁SLU 、アキュムレータコントロ
ール弁82の定圧油室94などへ供給する。なお、数式
1において、W0 はスプリング78の推力、A0 はフィ
ードバック油室80におけるスプール弁子76のモジュ
レータ圧PM に対する受圧面積である。
【0024】
【数1】PM =W0 /A0
【0025】アキュムレータコントロール弁82は、ラ
イン圧PL が供給される入力ポート84と、アキュム背
圧PACC を出力する出力ポート86と、それら入力ポー
ト84と出力ポート86との間を開閉するスプール弁子
88と、スプール弁子88を開弁方向に付勢するスプリ
ング90と、スプール弁子88を閉弁方向に付勢するた
めにアキュム背圧PACC を受け入れるフィードバック油
室92と、スプール弁子88を閉弁方向に付勢するため
に前記一定のモジュレータ圧PM を受け入れる定圧油室
94と、スプール弁子88に当接してそれを開弁方向に
付勢するプランジャ96と、スプール弁子88を開弁方
向に付勢するためにスロットル圧Pthを受け入れるスロ
ットル圧油室98と、スプール弁子88を開弁方向に付
勢してアキュム背圧PACC を制御するために前記制御信
号圧PSLU を受け入れる制御信号圧油室100とを備
え、数式2が成立するように作動するスプール弁子88
により制御信号圧PSLU に対応する値に調圧されたアキ
ュム背圧PACC を、クラッチC1、C2、ブレーキB2
のアキュムレータの背圧室にそれぞれ供給する。図3に
おいてはクラッチC1のアキュムレータ102の背圧室
104が例示されている。
【0026】
【数2】PACC =〔PSLU (A3 −A4 )+Pth・A4
+W1−PM (A2 −A1 )〕/A1
【0027】数式2において、A1 およびA2 はスプー
ル弁子88の第1ランド106および第2ランド108
の断面積、A3 およびA4 はプランジャ96の第1ラン
ド110および第2ランド112の断面積、W1 はスプ
リング90の推力である。
【0028】ここで、図3から明らかなように、アキュ
ムレータコントロール弁82のスプール弁子88にスプ
リング90の付勢方向と同じ向きの推力を付与するため
に制御信号圧PSLU を受け入れる制御信号圧油室100
が設けられるとともに、アキュムレータコントロール弁
82のスプール弁子88に制御信号圧PSLU と対抗する
推力を付与するためにモジュレータ圧PM を常時受け入
れる定圧油室94が設けられているので、本実施例で
は、ソレノイドモジュレータ弁70および定圧油室94
が対向推力付与手段に対応している。
【0029】また、本実施例では、スプリング90の推
力W1 とモジュレータ圧PM に基づく推力PM (A2
1 )とは反対向きであるが、W1 <PM (A2
1 )となるようにモジュレータ圧PM 、或いは断面積
差(A2 −A1 )が設定されている。このため、数式3
により表されるようにアキュム背圧PACC が決定される
が、スロットル弁が略閉じられてスロットル圧Pthが略
零となる低負荷走行では、制御信号圧PSLU が零となる
付近では、アキュム背圧PACC も略零とされるようにな
っている。
【0030】
【数3】 PACC =〔PSLU (A3 −A4 )+Pth・A4 〕/A1
【0031】上述のように、本実施例によれば、制御信
号圧PSLU が制御信号圧油室100に受け入れられるこ
とにより、アキュムレータコントロール弁82のスプー
ル弁子88にはスプリング90の付勢方向と同じ向きの
推力が付与される一方、対抗推力付与手段を構成する定
圧油室94に一定のモジュレータ圧PM が受け入れられ
ることにより、アキュムレータコントロール弁82のス
プール弁子88には上記制御信号圧PSLU に基づく推力
或いはスプリング90の推力と対抗する推力が付与され
る。このため、上記モジュレータ圧PM に基づいてスプ
ール弁子88に付与された推力がスプリング90の推力
を相殺するので、スロットル圧Pthが極めて小さくなる
低負荷走行において制御信号圧PSLU が零となると、上
記スプール弁子88の作動によってアキュム背圧PACC
が好適に低くされ、略零付近まで低下させられ得る。し
たがって、アキュム背圧PACC による変速過程における
各ブレーキやクラッチの係合制御の制御性が損なわれ
ず、低負荷走行の変速時において変速ショックが発生す
ることが解消される。
【0032】また、本実施例では、対抗推力付与手段
が、一定のモジュレータ圧PM を発生するソレノイドモ
ジュレータ弁70と、アキュムレータコントロール弁8
2に設けられてそのモジュレータ圧PM を受け入れる定
圧油室94とから構成されることから、油圧制御回路4
4においてリニヤソレノイド弁SLU などの元圧として設
けられたソレノイドモジュレータ弁70を兼用し、単に
定圧油室94をアキュムレータコントロール弁82に設
けることで上記対抗推力付与手段を構成することができ
るので、対抗推力を発生させるスプリングをアキュムレ
ータコントロール弁82の例えばフィードバック油室9
2内に収容する場合に比較して、そのアキュムレータコ
ントロール弁82の軸方向寸法をそれ程大きくする必要
がなくなる利点がある。
【0033】また、本実施例では、ソレノイドモジュレ
ータ弁70により発生させられる一定のモジュレータ圧
M は、スプリング90の推力W1 よりも大きく且つそ
れと反対向きの推力PM (A2 −A1 )をスプール弁子
88に付与する値に設定されているので、スロットル圧
thが零となる惰行走行においてリニヤソレノイド弁SL
U から出力される制御信号圧PSLU が零となったときに
は、アキュム背圧PAC C も正確に零となり、制御精度が
高められる利点がある。
【0034】また、本実施例によれば、従来では1−2
変速、2−3変速、4−5変速におけるブレーキB0の
直接圧制御と第4速以上のロックアップクラッチ32の
スリップ制御に用いられていたリニヤソレノイド弁SLU
が2−3変速および3−4変速時のアキュム背圧制御と
上記スリップ制御とに用いられ、従来では2−3変速お
よび3−4変速時のアキュム背圧制御に用いられていた
リニヤソレノイド弁SLN が1−2変速、2−3変速、4
−5変速におけるブレーキB0の直接圧制御に用いられ
るので、それらリニヤソレノイド弁SLU とリニヤソレノ
イド弁SLN との使用頻度が平均化され、油圧制御回路全
体の耐久性が高められる。
【0035】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0036】たとえば、前述の実施例では、モジュレー
タ圧PM に基づく対抗推力PM (A 2 −A1 )はスプリ
ング90の推力W1 よりも大きく設定されていたが、ス
プリング90の推力W1 を相殺できる値であれば、一応
の効果が得られる。
【0037】また、前述の実施例では、ソレノイドモジ
ュレータ弁70とそれにより発生させられる一定のモジ
ュレータ圧PM を受け入れる定圧油室94とにより対抗
推力付与手段が構成されていたが、例えばアキュムレー
タコントロール弁82のフィードバック油室92内に収
容されることにより対抗推力をスプール弁子88に付与
する第2のスプリングにより対抗推力付与手段が構成さ
れてもよい。このようにすれば、定圧油室94やそれに
モジュレータ圧PM を導く油路が不要となる利点があ
る。
【0038】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の油圧制御回路が適用される
車両用自動変速機の構成を示す図である。
【図2】図1の自動変速機において、複数の油圧式摩擦
係合装置の作動の組み合わせにより得られる変速段を説
明する図表である。
【図3】図1の油圧制御回路の要部を説明する図であ
る。
【図4】図1の油圧制御回路に設けられるリニヤソレノ
イド弁SLU の出力特性を示す図である。
【図5】図6の従来のアキュムレータコントロール弁の
出力特性を示す図である。
【図6】従来のアキュムレータコントロール弁の構成を
説明する図である。
【図7】従来のアキュムレータコントロール弁の構成を
説明する図である。
【図8】図7の従来のアキュムレータコントロール弁の
出力特性を示す図である。
【符号の説明】
14:自動変速機 70:ソレノイドモジュレータ弁(一定圧発生弁、対抗
推力付与手段) 82:アキュムレータコントロール弁 88:スプール弁子(弁子) 90:スプリング 94:定圧油室(対抗推力付与手段) 100:制御信号圧油室 SLU:リニヤソレノイド弁(電磁式制御信号圧発生弁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−103658(JP,A) 特開 昭61−41065(JP,A) 特開 平2−142967(JP,A) 特開 昭62−255645(JP,A) 実開 昭64−27564(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の油圧式摩擦係合装置を備えた車両
    用自動変速機において、所定の油圧式摩擦係合装置の摩
    擦状態を制御するためのアキュム背圧を出力するために
    スプリングにより一方向に付勢された弁子を有するアキ
    ュムレータコントロール弁と、該アキュムレータコント
    ロール弁を制御するための制御信号圧を発生する電磁式
    制御信号圧発生弁とを備え、該電磁式制御信号圧発生弁
    が非励磁状態において最大出力圧を出力する形式の油圧
    制御回路であって、 前記アキュムレータコントロール弁に設けられ、該アキ
    ュムレータコントロール弁の弁子に前記スプリングの付
    勢方向と同じ向きの推力を付与するために前記制御信号
    圧を受け入れる制御信号圧油室と、 前記アキュムレータコントロール弁に設けられ、該アキ
    ュムレータコントロール弁の弁子に前記制御信号圧と対
    抗する推力を付与するための対抗推力付与手段とを、含
    むことを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御回路。
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