JP2943338B2 - イメージ周波数・ローカル周波数トラップ回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子回路におけるイメ
ージ周波数およびローカル周波数の勢力を減衰させ、希
望信号に悪影響を与えないトラップ回路に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】近年、映像信号、音声信号の品質向上が
望まれてきている。例えば、ＣＡＴＶコンバータ等のダ
ブルスーパーヘテロダイン方式チューナにおいて第１中
間周波数より２倍の第２中間周波数低いイメージ周波数
と、第１中間周波数より第２中間周波数以上、上のロー
カル周波数が希望信号に悪影響を与えていた。従来、こ
の種の対策としてイメージ周波数の信号を減衰させるた
めに、図２（ａ）に示すように集中定数によるインダク
タンス２２（２２ａ〜２２ｄ）及びキャパシタンス２１
（２１ａ〜２１ｉ）を有するイメージ周波数信号を減衰
させる回路を使用し、また、ローカル周波数の信号を減
衰させるために、図２（ｂ）に示すように集中定数によ
るインダクタンス２４及びキャパシタンス２３（２３ａ
〜２３ｃ）を有するローカル周波数信号を減衰させる回
路を別々に構成して、イメージ周波数のトラップとロー
カル周波数のトラップをはかっていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、図２に示す
ような集中定数部品を使用した回路にすると、部品によ
る費用がかかり、更に部品の挿入のための手間がかかる
という問題がある。更には部品のバラツキによる性能の
劣化が生じ、部品の調整の手間がかかり、前記回路を作
製するのに費用がかかるという欠点もあった。

【０００４】本発明は、上記課題を解決するもので、集
中定数部品を削減し部品の挿入や調整の手間が省けるこ
とはもちろん、性能の安定を図ることのできるイメージ
周波数・ローカル周波数トラップ回路を提供することを
目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、プリント配線により分布定数を有する第１
のストリップ線路を構成し、一端がアースに接続され、
他端にキャパシタンスを有し、プリント配線による分布
定数を有する第２のストリップ線路を上記第１のストリ
ップ線路と結合する距離に配置し、第１のストリップ線
路のアースに接続されている側と同じ側に、第２のスト
リップ線路の一端をキャパシタンスを介して接地し、第
２のストリップ線路の他端をアースに接続する構成を有
し、第１のストリップ線路と第２のストリップ線路との
間に、第１のストリップ線路の一部より、リードインダ
クタンスまたは、プリント配線によるインダクタンスを
有する入力端を有し、第２のストリップ線路に誘導性結
合を有する出力端を接続したもので、第１中間周波数よ
り、第２中間周波数の２倍下のイメージ周波数のトラッ
プと第１中間周波数より第２中間周波数以上うえのロー
カル周波数のフィルタを同時に簡易に達成するようにし
たものである。

【０００６】

【作用】上記構成の本発明のイメージ周波数・ローカル
周波数トラップ回路は、プリント配線による分布定数を
利用し、部品点数を削減し、安定した性能でイメージ周
波数とローカル周波数の信号を同時に減衰させる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図１を参照
しながら説明する。

【０００８】図示のように、イメージ周波数・ローカル
周波数トラップ回路は、プリント配線による分布定数を
有するストリップ線路１１ａ、１１ｂを有する。両スト
リップ線路１１ａ、１１ｂは、おのおの一端をアース１
６に接続し、他端は集中定数部品１２ａ、１２ｂを介し
アース１６に接続する構成となっており、入力部におい
て、プリント配線によるストリップ線路１１ａの一点よ
りリードインダクタンス１３を介し入力端１４を有し、
入力リードインダクタンス１３とストリップ線路１１
ａ、１１ｂとの結合によりイメージ周波数信号１８の周
波数および減衰量を調整し、出力部においては、ストリ
ップ線路１１ｂより出力端１５を有し、出力端１５に接
続されるリードインダクタンスまたは、プリント配線に
よる分布定数インダクタンスとストリップ線路１１ｂと
の結合度合によりローカル周波数トラップ信号１９の周
波数・減衰量が調整でき、また、一端をアースに接続し
たリードインダクタンスまたは、プリント配線による分
布定数インダクタンスとストリップ線路１１ｂとの誘導
性結合部を出力端１５とし、この結合度合によりローカ
ル周波数トラップ信号１９の周波数および減衰量を調整
することができる。

【０００９】また、プリント配線によるストリップ線路
の長さ、幅、厚み、ストリップ線路間の距離、基板の誘
電率により、また、ストリップ線路に結合する距離に配
置されたアースからのアース端子によりイメージ周波数
・ローカル周波数トラップの周波数および減衰量を調整
することができる構成となっている。

【００１０】

【発明の効果】前記の説明より明らかなように、本発明
のイメージ周波数・ローカル周波数トラップ回路は、プ
リント配線による分布定数を有するストリップ線路を利
用して回路を構成し、入力端のインダクタンス成分と第
１のストリップ線路や第２のストリップ線路との結合具
合によりイメージ周波数信号の周波数および減衰量を調
整することができる。また、ストリップ線路からの誘導
性結合出力端やストリップ線路付近のアースよりアース
端子を付加し、ストリップ線路と結合させる結合構成要
素によりイメージ周波数信号やローカル周波数信号の周
波数および減衰量を調整することができる。しかも、前
記構成によると費用をかけず性能が安定なイメージ周波
数トラップとローカル周波数トラップを同時に簡易構成
できるイメージ周波数・ローカル周波数トラップ回路を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）は本発明のイメージ周波数・ローカル周
波数トラップ回路の実用状態の構成図 （ｂ）はイメージ周波数トラップとローカル周波数トラ
ップの周波数特性図

【図２】（ａ）は従来の集中定数を利用したイメージ周
波数トラップ回路の構成図 （ｂ）は従来の集中定数を利用したローカル周波数減衰
回路の構成図

【符号の説明】

１１ａ，１１ｂ プリント配線によるストリップ線路 １２ 集中定数部品 １３ 入力リードインダクタンス １４ 入力端 １５ 出力端 １６ アース

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) H03D 7/00 H03D 7/18 H01P 1/20 H01P 1/203

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プリントパターン配線による第１のストリ
   ップ線路を有し、一端がアースに接続され、他端がキャ
   パシタンスを介しアースに接続され、前記ストリップ線
   路と結合する距離に位置する第２のストリップ線路を有
   し、第１のストリップ線路のアースに接続されている側
   と同じ側に第２のストリップ線路をキャパシタンスを介
   しアースに接続し、第２のストリップ線路の他端をアー
   スに接続し、第１のストリップ線路と第２のストリップ
   線路との間に、第１のストリップ線路の一部からタップ
   としてリードインダクタンスを介して設けられた入力端
   を有し、第２のストリップ線路に出力端を有するイメー
   ジ周波数・ローカル周波数トラップ回路。
2. 【請求項２】第１のストリップ線路の一部と入力端を接
   続するリードインダクタンスをプリントパターンによる
   インダクタンスとすることを特徴とする請求項１記載の
   イメージ周波数・ローカル周波数トラップ回路。
3. 【請求項３】出力端を誘導性結合とすることを特徴とす
   る請求項１記載のイメージ周波数・ローカル周波数トラ
   ップ回路。