JP2942823B1 - セラミックス−金属複合体およびその製造方法と装置 - Google Patents

セラミックス−金属複合体およびその製造方法と装置

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Abstract

【要約】 【課題】外部からの引っかきや摩耗など機械的な力によ
って表面に形成した金属層が破壊されないセラミックス
−金属複合体およびこれを製造する方法とその装置を提
供する。 【解決手段】直管状微細孔を有するセラミックス材料を
用いて、その1方の面に予め電気伝導性物質である表面
層を均一に付着させて陰極とし、反対側に電気めっき用
金属塩溶液と陽極を置いてめっきを行ない、セラミック
ス微細孔内部に析出充填した金属層を得ており、この金
属層には外部の機械的な力に対して直接曝されることが
なく、剥がれなどを回避できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質セラミック
ス材料に形成された微細孔中に特定の金属を均一に充填
して形成したセラミックス−金属複合体、およびこれを
製造する方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス材料の一面に金属薄層を形
成したセラミックス−金属複合体は、例えば、ガスセン
サー、反射防止膜、干渉フイルター等に多く使用されて
いる。このセラミックス材料の表面に金属薄層を形成し
たセラミックス−金属複合体を製造する方法としては、
管状体あるいは板状体からなるセラミックス材料の表面
に無電解めっき法、吸着還元法などの湿式法で金属薄層
を形成する方法、あるいはCVD(Chemical Vapor Dep
osition)やPVD(Physical Vapor Deposition)法など
でセラミックス材料の表面に金属薄層を形成する乾式法
がある。
【0003】これらのセラミックス−金属複合体の製造
方法は、基本的に対象とするセラミックス材料表面に金
属薄層を成長させる際に、その原料である金属塩あるい
は金属粒子を成長面と同じ側から接触させるものであ
る。このような方法によって得られたセラミックス−金
属複合体は、用途によっては問題が生じない場合も多く
あり、金属薄膜形成技術として多方面で採用されてい
る。
【0004】しかしながら、セラミックス−金属複合体
の金属薄層そのものに直接外部から引っかきや摩擦など
機械的な力が加わるような場合、よほど金属薄層とセラ
ミックス間との結合が堅固でないと、金属薄層の剥離や
脱落などの致命的な欠陥が生じることになる。また、基
材となるセラミックス材料の表面が平滑でなかったり、
あるいは多孔質であるような場合には、均質なあるいは
ピンホールの残らない金属薄層を形成することは、極め
て困難である。
【0005】特にセラミックス材料が多孔質体である場
合には、金属薄層の成長はセラミックス材料の微細孔の
深部からではなく極表層から始まるために、金属とセラ
ミックスとの間の付着力が小さく剥離し易いという欠点
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
セラミックス材料の表面に金属薄層を形成した複合体の
問題点を改良するために得られたものであって、厚さ方
向に貫通した直管状の微細孔を有する多孔質のセラミッ
クス材料を基材として使用し、その微細孔内に特定の
属を析出充填して前記表面の金属薄層に連続させ、前記
微細孔内に析出固定された金属層を有するセラミックス
−金属複合体およびこの複合体の製造方法とその装置を
提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明は、次のように構成されている。 1)本発明に係るセラミックス−金属複合体は、一面か
ら他面に貫通した直管状の微細孔を有する多孔質セラミ
ックス材料の前記微細孔の内部へ析出充填した金属を有
している。
【0008】 2)本発明に係るセラミックス−金属複合体の多孔質セ
ラミックス材料は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸
化ジルコニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛あるいは
酸化ケイ素の何れか一種で構成している。 3)本発明に係るセラミックス−金属複合体の多孔質セ
ラミックス材料に形成された微細孔は、前記多孔質セラ
ミックス材料の一面から他面まで貫通した直管で形成し
ている。 4)本発明に係るセラミックス−金属複合体の多孔質セ
ラミックス材料に形成された微細孔内に析出充填する金
属は、電気めっき法が適用できるパラジウム、白金、バ
ナジウム及びタンタルから選ばれた金属又はそれらの合
である。
【0009】 5)本発明に係るセラミックス−金属複合体を構成する
ために、多孔質セラミックス材料の一面に形成する陰極
は、金属、カーボン又は電気伝導性無機・有機化合物
ら選ばれた一種を、各種の薄膜形成法によって形成した
ものであることが好ましい。 6)本発明に係るセラミックス−金属複合体の製造方法
は、一面から他面に貫通した直管状の微細孔を有する多
孔質セラミックス材料の一面に、金属、カーボン又は
気伝導性無機・有機化合物から選ばれた電気伝導物質を
各種の薄膜形成法によって付着させて陰極を形成する工
程と、前記多孔質セラミックス材料の前記陰極側に純水
を流し、他面側にパラジウム、白金、バナジウム及びタ
ンタルから選ばれた金属又はそれらの合金の電気めっき
液を流して前記陰極側から前記金属又はそれらの合金
析出させて前記微細孔内に前記金属又はそれらの合金を
充填させる工程から構成している。
【0010】 7)本発明に係るセラミックス−金属複合体の製造装置
は、一面から他面に貫通した直管状の微細孔を有する多
孔質セラミックス材料を隔壁として第1室と第2室を形
成し、該第1室を該セラミックス材料の一面に陰極を形
成した側とし、該第1室内に純水を循環させ、表面に陰
極を形成しない第2室にはパラジウム、白金、バナジウ
ム及びタンタルから選ばれた金属又はそれらの合金の電
気メッキ用溶液を循環させるように構成し、該第2室内
に白金、チタン又は鉛等の電極からなる陽極を配置し、
前記セラミックス材料の一面に設けた陰極と前記他面に
設けた陽極との間に直流電圧を印加することにより、前
記微細孔内に前記金属又はそれらの合金を析出させて充
填するように構成している。
【0011】即ち、本発明は、直管状の微細孔を有する
セラミックス材料からなる板状体あるいは管状体を用い
て、その一面に電気伝導性物質を均一に付着させてこれ
を陰極とし、この陰極側に純水を流し、反対側の面の近
傍に陽極を配置し、この陽極を配置した側に電気めっき
用金属塩溶液を流しながら電気めっきを行なうことによ
り、セラミックス材料の微細孔内にパラジウム、白金、
バナジウム及びタンタルから選ばれた金属又はそれらの
合金を析出充填して金属層を形成するものである。
【0012】つまり、従来技術はセラミックス材料の表
面のみに金属薄層を成長させているのに対して本発明
は、セラミックス材料の一面に形成した陰極部分を起点
として、この陰極部分の裏側の面から微細孔の内方へ
定の金属を析出成長させることにって金属層を形成する
点に特徴がある。従って、この金属層は微細孔の内部で
成長して保護された状態になっていることから、外部か
ら作用する機械的な力がこの金属層まで直接に及ぶこと
がなく、従って剥離や割れ等の一切の問題を回避するこ
とができるのである。
【0013】本発明のセラミックス材料を形成するため
の出発材料は、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、
マグネシウム、亜鉛あるいはケイ素等であって、これを
電気化学的に酸化して得られる均一な直管状の微細孔を
有する板状体あるいは管状体からなる多孔体である。セ
ラミックス材料の一面に形成する陰極としては、金属、
カーボン、電気伝導性無機・有機化合物のいずれも使用
することができる。そしてその形成方法としては公知の
無電解めっき法、吸着還元法、CVD法、PVD法など
やそれらの組み合わせを使用することができる。
【0014】また、直管状の微細孔への充填用金属とし
ては、電気めっき法の適用が可能な特定の金属を対象と
するものであり、ガス分離用パラジウム、白金、バナ
ジウム及びタンタルから選ばれた金属又はそれらの合金
を使用する
【0015】セラミックス−金属複合体を製造する装置
としては、多孔質セラミックスの板状体あるいは管状体
を隔壁として2つの室に分け、セラミックス材料の表面
に電極(陰極)を取り付けた側には純水を連続的に循環
させる導入管及び導出管を設け、もう1方の室には希望
する金属の電気めっき用溶液を連続的に循環させる導入
管及び導出管を設け、更に前記めっき用養液を流す室内
に白金、チタン又は鉛等の電極(陽極)を配置してお
り、これらの電極の間に直流電圧を印加するように構成
している。そしてセラミックス材料に貫通している直管
状の微細孔内であって、陰極の近傍からその反対側に向
かって金属を析出させてこの微細孔内を塞ぐように充填
するように構成している。なお、直流電圧の印加法とし
て、陰陽反転法(PR法)、交直併用法、断続法などを
用いることで、充填形態により優れた金属層を得ること
も可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明を実施するための
実験室的な装置の概略説明図であって、純水1を収容し
てある恒温槽2内に被加工物である多孔質セラミックス
管3を配置し、このセラミックス管3の上部に耐酸性支
持チューブ4を介して上部ガラス管5を連結し、また、
下部に同様に耐酸性チューブ4を介して下部ガラス管6
を連結し、更にこの下部ガラス管6の下端と上部ガラス
管5の上端をそれぞれ耐酸性ゴム栓7で閉止して前記多
孔質セラミックス管3の下方から上方に電気めっき液8
を流すように構成している。
【0017】また、前記上部ガラス管5の途中に耐酸性
導出管9の一端を接続し、他端を電気めっき液槽10内
に開口し、そして前記電気めっき液槽10内の電気めっ
き液8内に一端を浸漬した耐酸性吸入管11の他端を耐
酸性ポンプ12に吸入口に接続し、その吐出口に耐酸性
供給管13を接続して前記電気めっき液槽10内の電気
めっき液8を前記下部ガラス管6を経由して多孔質セラ
ミックス管3の下部から供給し、このセラミックス管3
の内部をめっき処理した後に上部ガラス管5と耐酸性排
出管9を経由して前記電気めっき液槽10内に還流する
ようにしている。
【0018】一方、前記多孔質セラミックス管3の中心
部には白金線で構成した陽極部14が前記ゴム栓7に保
持されて配置され、更に前記セラミックス管3の外表面
に形成した陰極と前記陽極部14との間をリード線15
を介して直流電源16に接続し、更にセラミックス管3
と陽極部14との間、即ち前記両電極間を流れる電流を
電流計17で測定するようにしている。また、前記恒温
槽2の底部には撹拌羽根1を収容してこれを外部から電
磁的に駆動回転して恒温槽2中の純水1を撹拌しながら
セラミックス管3に形成されている微細孔の内側に、電
気めっきによって金属層が析出充填されるように構成し
ている。
【0019】次に、前記装置を使用して本発明によって
セラミックス材料の微細孔内へ金属層を析出充填する工
程について説明する。出発材料となる多孔質セラミック
ス材料は、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム等の管状体(あるいは板状体)を使用し、これを
電気化学的酸化処理して孔径が数10nmの多孔質セラ
ミックス管とした。なお、本実施例においては外径が6
mm、内径が5.5mm、長さが50mmのアルミニウ
ム管を使用し、これを電気化学的酸化処理して形成して
いる。
【0020】この多孔質のセラミックス管を製造する一
つの方法を例示すると、アルミニウム管等の金属管を出
発原料にしてこの金属管を焼鈍する。次にこの焼鈍処理
した金属管の両端を残して内側中央部のみに電気化学的
酸化法、例えばシュウ酸、硫酸、リン酸、クロム酸等の
水溶液を電解液として使用する陽極酸化法によって多孔
質の金属酸化物部分を形成する。次に前記のように電気
化学的酸化処理、すなわち陽極酸化処理して得られた部
分の外面の金属を溶解すると、陽極酸化して得られたセ
ラミックス面が現れる。このセラミックス面の内部には
数10nmの厚さのバリヤー層が形成されているが、こ
のバリヤー層の部分に酸水溶液を流すことによってこの
バリヤー層を溶解すると全面的に微細孔が貫通した多孔
質セラミックス部を持つセラミックス管を形成すること
ができる。なお、前記セラミックス管を製造する方法の
詳しくは、特開平9−95797号公報に記載されてい
る。
【0021】この多孔質セラミックス管状体(あるいは
板状体)の一方の側、前記図示例においては多孔質セラ
ミックス管3の外表面に高周波スパッタリングにより、
電気伝導物質の薄層を形成してこれを陰極とした。この
陰極の形成方法としては公知である吸着還元法、無電解
めっき法などによって電気伝導物質、即ち金属、カーボ
ン、電気伝導性無機・有機化合物等の薄層を形成するこ
とができる。
【0022】図1に示したように、陰極を表面に形成し
た多孔質セラミックス管3(被加工物)の中心部分に白
金線からなる陽極14を配置し、両極の間に直流電源1
6を接続するが、この陽極14としては白金線の他、チ
タン、鉛などをを使用することができる。そして電気め
っき液槽10内に収容され、定温に保たれている金属め
っき液8をポンプ12により連続的に下部ガラス管6内
に供給しながら前記セラミックス管3の内面に、定電圧
めっきを必要時間行う。
【0023】図2にその断面を拡大して示すように、外
表面に電気伝導性薄層を陰極3cとして形成したセラミ
ックス管3は管体部3aに多数の微細孔3bが内面Mか
ら外面Nに貫通して直管状に形成されている。そしてこ
の電気めっき工程において、めっき液8は外表面に陰極
3cを形成してあるセラミックス管3の内部を流れ、図
3に示す如くセラミックス管3に開口されている微細孔
3bの端部である3cに容易に到達し、前記めっき液8
中の金属をこの微細孔3b内において次第に析出し、堆
積させて目的とする金属層8aを形成する。従ってめっ
き析出物は陰極3cとして形成した電気伝導物質の薄層
である陰極3cを起点に、微細孔3bの内部に、陽極1
4の方向に向かって成長して行くことになる。
【0024】このようにセラミックス管3の表面に形成
した陰極3cに接続する部分から金属層8aが成長して
いくので、この金属層8aは微細孔3b内に確実に固定
され、そして保護されることになる。このようにセラミ
ックス管3の表面層を形成している陰極3cが金属層8
aを介してセラミックス管3の微細孔3bに係合して固
定されていることによって、この陰極3cである表面層
も強固にセラミックス管3の表面に付着していることに
なる。従って金属層8aは微細孔3bの内部で保護され
ているので、引っかき力や摩擦力が作用してもこれに対
抗することができるのである。
【0025】次に、本発明を実施例により詳細に説明す
る。出発材料として外径6mm、内径5.5mm、長さ
50mmのアルミニューム管を電気化学的酸化して得ら
れた孔径数10nmの直管状の微細孔を有するアルミナ
多孔管(セラミックス管3)を用いた。そしてこのセラ
ミックス管3の外表面に高周波スパッタリングによって
約0.05μmの銀の薄層を形成して陰極3cとした。
【0026】前記のようにして銀の薄層からなる陰極3
cを外表面に形成したセラミックス管3を図1に示す装
置に設置し、このセラミックス管3の内側に、陽極14
として直径0.8mmの白金線を配置した。そして電気
めっき槽10内に収容され、約50℃に保たれたパラジ
ウムめっき液8をポンプ12によって加圧して連続的に
所定の経路にしたがって流して定電圧めっきを5分間行
なった。
【0027】その結果、図3に示したようにセラミック
ス管3の内面から微細孔3bの内部にパラジウムを析出
し、この微細孔3b内に充填した。前記工程を経て目的
とする多孔質セラミックス管3(セラミックス材料)の
微細孔3bの中に金属層8aを均一に析出充填させてセ
ラミックス−金属複合体を製造した。
【0028】その充填された金属層8aの厚さは、電子
顕微鏡による観察の結果、約0.5μmであった。次
に、本発明によって得られたパラジウム充填アルミナ複
合管におけるパラジウムの充填の度合いを確認するため
に、セラミックス管3の内部、即ち金属充填層内部にガ
スを供給し、ガス透過試験を行った。
【0029】その結果、窒素ガスの透過係数は、パラジ
ウム充填前に比べて約2千分の1になり、99.95%
程度の充填率であると推算された。また、水素の透過係
数を測定すると、窒素に比べて約250倍あり、析出充
填したパラジウムは水素を選択的に透過させていること
が確認された。この結果を利用して本発明に係るセラミ
ックス−金属複合体はガス分離可能になることが分か
った。
【0030】又、このパラジウムを充填したアルミナ複
合管は、パラジウムが0.5μm程度の薄層にもかかわ
らず、アルミナ管形成された微細孔の中に埋められてい
るために、異物との接触等によって剥がれるなどの問題
は生じなかった。なお、この実施例においては出発材料
であるセラミックス管状体としてアルミナ管を使用した
が、これに限定するものではなく、電気化学酸化処理等
によって直管孔からなる微細孔が生じる材料からなる管
状体あるいは板状体であれば実施することが可能であ
り、アルミナの他にチタニア、ジルコニア、マグネシ
ア、あるいはシリカ等を使用することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、直管状微細孔を有す
るセラミックス材料を用いて、その1方の面に予め電気
伝導性物質を均一に付着させて陰極を形成し、この陰極
が形成されていない反対側の面から電気めっきを行って
微細孔中に金属層を析出充填する点に特徴がある。
【0032】従って、本発明によれば、セラミックス材
料に貫通して多数開口されている微細孔の内部に、析出
充填させる手法で簡単に金属層を形成することができ
る。しかも、この金属層は、微細孔の内部で成長して充
填されたものであることから、この微細孔内に金属層が
埋め込まれた状態であり、この金属層は引っ掻きや摩擦
等の外部の機械的な力を受けることがなくなり、剥離等
の問題を回避することができる、セラミックスー金属複
合体を効率的に得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックス−金属複合体の製造
装置の概略図である。
【図2】セラミックス材料の断面拡大図である。
【図3】微細孔の内部に金属層を形成したセラミックス
材料の断面拡大図である。
【符号の説明】
1 純水 2 恒温槽 3 セラミックス管[アルミナ管(陰極付き)] 3a 管体部 3b 微細孔 3c 陰極 4 耐酸性支持チューブ 5 上部ガラス管 6 下部ガラ
ス管 7 耐酸性ゴム栓 8電気めっき液 8a 金属層 9 耐酸性導出管 10 電気めっき液槽 12 ポンプ 11 耐酸性吸入管 13 耐酸性供給管 14 白金線
(陽極部) 15 リード線 16 直流電源 17 電流計 18攪拌羽根

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一面から他面に貫通した直管状の微細孔
    を有する多孔質セラミックス材料の前記微細孔の内部
    に、電気めっき法によりパラジウム、白金、バナジウム
    及びタンタルから選ばれた金属又はそれらの合金を析出
    充填して金属層を形成したことを特徴とするセラミック
    ス−金属複合体。
  2. 【請求項2】 多孔質セラミックス材料が、酸化アルミ
    ニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシ
    ウム、酸化亜鉛及び酸化ケイ素から選ばれた一種である
    請求項1記載のセラミックス−金属複合体。
  3. 【請求項3】 多孔質セラミックス材料の一面に陰極
    として、金属、カーボン又は電気伝導性有機化合物から
    選ばれた一種を、各種の薄膜形成法によって形成したこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のセラミックス−金
    属複合体。
  4. 【請求項4】 一面から他面に貫通した直管状の微細孔
    を有する多孔質セラミックス材料の一面に、金属、カー
    ボン又は電気伝導性無機・有機化合物から選ばれた電気
    伝導物質を各種の薄膜形成法によって付着させて陰極を
    形成する工程と、前記多孔質セラミックス材料の前記陰
    極側に純水を流し、他面側にパラジウム、白金、バナジ
    ウム及びタンタルから選ばれた金属又はそれらの合金の
    電気めっき液を流して前記陰極側から前記金属又はそれ
    らの合金を析出させて前記微細孔内に前記金属又はそれ
    らの合金を析出充填させる工程とからなることを特徴と
    するセラミックス−金属複合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 一面から他面に貫通した直管状の微細孔
    を有する多孔質セラミックス材料を隔壁として第1室と
    第2室を形成し、該第1室を該セラミックス材料の一面
    に陰極を形成した側とし、該第1室内に純水を循環さ
    せ、表面に陰極を形成しない第2室にはパラジウム、白
    金、バナジウム及びタンタルから選ばれた金属又はそれ
    らの合金の電気めっき用溶液を循環させるように構成
    し、該第2室内に白金、チタン又は鉛の電極からなる陽
    極を配置し、前記セラミックス材料の一面に設けた陰極
    と前記他面に設けた陽極との間に直流電圧を印加するこ
    とにより、前記微細孔内に前記金属又はそれらの合金
    析出させて充填するように構成したセラミックス−金属
    複合体の製造装置。
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