JP2940768B2 - 非線形変換回路 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、カメラのガンマ補正な
どに利用される非線形変換回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】図２は、カメラにおける信号の処理を示
すブロック図で、ＣＣＤ（１）からの信号は、Ｓ／Ｈ回
路（サンプルホールド）（２）でサンプルホールドさ
れ、ＡＧＣ回路（３）で白レベルが一定に調整され、ク
ランプ回路（４）でオプティカルブラックレベルがクラ
ンプされる。クランプされた映像信号は、ガンマ補正回
路（５）でガンマ補正された後、増幅器（６）で増幅さ
れる。

【０００３】ガンマ補正回路（５）に用いられる非線形
変換回路は、一般に、入力信号のレベルに応じてゲイン
が変化する増幅回路により構成され、直線的変化を示す
入力信号に対して非直線的に変化する出力特性を示す。
即ち、傾きの異なる複数の直線により所望の特性曲線を
近似するような出力特性となる。このように、ある特性
を示す曲線を複数の直線の組み合わせにより近似する方
法は、例えば、特開昭５７−１７３２３９号公報に開示
されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述の如く
複数の直線により作成する方法では、図３の如く、直線
の切換わり部分においてガンマ特性が急激に変化すると
映像信号の明るさが急激に変わり見苦しい、という問題
があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上述の点に鑑み
成されたもので、エミッタ間に抵抗とダイオードが接続
された２つのトランジスタを有し、ベース間に入力信号
が印加される第１差動増幅回路と、エミッタ間に抵抗と
ダイオードが接続された２つのトランジスタを有し、ベ
ース間に前記入力信号が印加される第２差動増幅回路
と、前記第１及び第２差動増幅回路の出力電流が共通に
供給される負荷抵抗と、を有し、前記第１及び第２差動
増幅回路の前記抵抗の値を異ならせて、入力信号のダイ
ナミックレンジを異ならせ、非線形な出力信号を前記負
荷抵抗の一端から得るようにしたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明に依れば、差動増幅器の２つのトランジ
スタのエミッタ間にダイオードを挿入しているので、差
動増幅器の入力信号レベルがダイナミックレンジまで達
して、差動増幅器が飽和する際にダイオードがオフし始
めて、ダイオードの立ち上がり特性による曲線的なイン
ピーダンス変化を呈するので、差動増幅器の利得変化が
なだらかとなる。

【０００７】

【実施例】図１は、本発明の一実施例を示す回路図で、
（７）は映像信号を発生する信号源、（８）は一定利得
で正負の出力信号を発生する増幅器、（９）は、エミッ
タ間に抵抗（１０）及び（１１）とダイオード（１２）
及び（１３）が接続された２つのトランジスタ（１４）
及び（１５）を有し、ベース間に入力信号が印加される
第１差動増幅回路、（１６）はエミッタ間に抵抗（１
７）及び（１８）とダイオード（１９）及び（２０）が
接続された２つのトランジスタを有し、ベース間に前記
入力信号が印加される第２差動増幅回路、（２１）はエ
ミッタ間に抵抗（２２）及び（２３）とダイオード（２
４）及び（２５）が接続された２つのトランジスタを有
し、ベース間に前記入力信号が印加される第３差動増幅
回路、及び（２６）は第１乃至第３差動増幅回路
（９），（１６）及び（２１）の共通の負荷抵抗であ
る。

【０００８】第１乃至第３差動増幅回路（９），（１
６）及び（２１）の各抵抗の値は、望みのダイナミック
レンジに応じて設定されるものでそれぞれ異なってい
る。コレクタ側の負荷は、共通の負荷抵抗（２６）であ
るので、、エミッタ側の抵抗の値を変えることにより、
各差動増幅器の交流利得が変化し、入力信号のダイナミ
ックレンジが変わる。

【０００９】まず、無信号状態では第１乃至第３差動増
幅回路（９），（１６）及び（２１）は、バイアス電圧
のみが加わり全てバランス状態となっている。その為、
第１乃至第３定電流源（２７）乃至（２９）の和の１／
２の電流が負荷抵抗（２６）に流れる。今、信号源
（７）からの映像信号のレベルが図３の入力信号レベル
Ａよりも小さいとすると、第１乃至第３差動増幅回路
（９），（１６）及び（２１）は全てリニア領域で動作
しており、飽和状態にはいずれもなっていない。する
と、第１乃至第３差動増幅回路（９），（１６）及び
（２１）３つで増幅された映像信号が負荷抵抗（２６）
において加算されて出力端子（３０）に発生する。この
時の利得が最大利得である。

【００１０】次に映像信号のレベルが増加し、図３のレ
ベルＡ付近になったとする。そして、第１差動増幅回路
（９）の抵抗（１０）及び（１１）が最も小さく、次に
第２差動増幅回路（１６）の抵抗（１７）及び（１８）
が中、第３差動増幅回路（２１）の抵抗（２２）及び
（２３）が大であったとする。すると、最も入力信号ダ
イナミックレンジの小さい第１差動増幅回路（９）が飽
和状態となりオフし始める。この時、第１差動増幅回路
（９）のトランジスタ（１４）及び（１５）のエミッタ
間にはダイオード（１２）及び（１３）が配置されてい
るので、ダイオードの立ち上がり特性による曲線的なイ
ンピーダンス特性が発生し、なだらかな利得変化を示し
て完全な飽和状態となる。

【００１１】その為、図３のレベルＡ付近における切換
わりのカーブがなだらかになり、急激な変化を防止でき
る。図３のレベルＡからレベルＢの間では、第２及び第
３差動増幅回路（１６）及び（２１）のみの動作となる
ので、図示の如く利得は低下する。そして、図３のレベ
ルＢ付近となると、前述の場合と同様の動作で第２差動
増幅回路（１６）が飽和するので、この場合にもなだら
かなカーブとなる。

【００１２】従って、図１によればなだらかなカーブの
ガンマ補正特性を供することができる。

【００１３】

【発明の効果】以上述べた如く、本発明に依ればなだら
かな非直線カーブが得られる非線形変換回路を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の非線形変換回路を示す回路図である。

【図２】従来の非線形変換回路を示すブロック図であ
る。

【図３】図１及び図２の説明に供する為の特性図であ
る。

【符号の説明】

（９） 第１差動増幅回路 （１６） 第２差動増幅回路 （２６） 負荷抵抗

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エミッタ間に抵抗とダイオードが接続さ
   れた２つのトランジスタを有し、ベース間に入力信号が
   印加される第１差動増幅回路と、 エミッタ間に抵抗とダイオードが接続された２つのトラ
   ンジスタを有し、ベース間に前記入力信号が印加される
   第２差動増幅回路と、 前記第１及び第２差動増幅回路の出力電流が共通に供給
   される負荷抵抗と、 を有し、前記第１及び第２差動増幅回路の前記抵抗の値
   を異ならせることにより、前記第１及び第２差動増幅回
   路の入力信号に対するダイナミックレンジを異ならせ、
   非線形な出力信号を前記負荷抵抗の一端から得るように
   したことを特徴とする非線形変換回路。
2. 【請求項２】 前記入力信号は、映像信号であることを
   特徴とする請求項１記載の非線形変換回路。