JP2940645B2 - 耐熱性プラスチック光ファイバ - Google Patents
耐熱性プラスチック光ファイバInfo
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- Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
- Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は近赤外光の中でも特に光
通信に使用される波長域(0.8〜1.7μm)におけ
る光透過性と耐熱性に優れたプラスチック光ファイバに
関する。
通信に使用される波長域(0.8〜1.7μm)におけ
る光透過性と耐熱性に優れたプラスチック光ファイバに
関する。
【0002】
【従来の技術】情報量の飛躍的な増大と情報の多様化に
対応できる通信技術として、現在光通信方式の研究開発
が活発に行われ、一部が実用化されている。この光通信
の伝送媒体としては極低損失石英光ファイバが、長距離
伝送用として既に実用化されている。一方、透明プラス
チックをコアとするプラスチック光ファイバ(以下、P
OFと略記する)もこれまで並行して検討されてきた。
ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、ポリス
チレンといった可視光領域での透明性に優れたプラスチ
ック材料によるPOFが上市されている。POFは石英
系に比較すると、通信で用いられる近赤外域(波長1.
3μm,1.55μm)での光損失値が大きい、精密な
屈折率制御が難しいためシングルモードファイバの作製
が困難、耐熱性に劣る、吸水率が高いために環境安定性
や信頼性に問題がある、など欠点を有するため、長距離
の光通信には適さないとされてきた。特に耐熱性の欠如
(使用最高温度100℃以下)は信頼性の低下を意味す
るため、通信用途には敬遠されてきた。しかし、持続が
容易である、曲げに強い、低価格、などの長所を有して
いるため、光通信端末装置やコンピュータの光リンクな
ど極低光損失を必要としない短距離の光通信への適用が
進みつつある。またPOFの欠点とされてきた近赤外域
での高い光透過損失や耐熱性、吸水性などは、プラスチ
ックに本質なものではなく、非晶質の耐熱性高分子にで
きるだけ多くのフッ素原子を導入することで改善できる
ことが知られており、光通信に適用可能な光ファイバの
開発が望まれている。本発明者らは特願平2−4139
51号明細書において、耐熱性に優れるポリイミドにフ
ルオロアルキル基を導入したフッ素化ポリイミドを用い
ることによって、熱分解温度500℃以上、波長1.3
μmにおける光損失値0.2dB/cm以下となる耐熱性
POFが作成できることを示した。この耐熱性POF
は、波長1.3μm、1.55μmが共に光透過損失の
低い箇所に位置しているため、従来のPOFを大きく下
回る損失値を示している。しかし1.65μm、1.4
0μmにはフェニル環C−H結合の伸縮振動の第2次高
周波及び第2次高周波と変角振動の結合波に由来する大
きな吸収ピークが存在するため、1.55μm、1.3
μmにはそれらの「すそ」がわずかにかかって、損失の
増大を引起している。また光通信における試験光(プロ
ーブ光)として予定されている波長1.65μmの光は
上述の理由でほとんど透過しない。
対応できる通信技術として、現在光通信方式の研究開発
が活発に行われ、一部が実用化されている。この光通信
の伝送媒体としては極低損失石英光ファイバが、長距離
伝送用として既に実用化されている。一方、透明プラス
チックをコアとするプラスチック光ファイバ(以下、P
OFと略記する)もこれまで並行して検討されてきた。
ポリカーボネートやポリメチルメタクリレート、ポリス
チレンといった可視光領域での透明性に優れたプラスチ
ック材料によるPOFが上市されている。POFは石英
系に比較すると、通信で用いられる近赤外域(波長1.
3μm,1.55μm)での光損失値が大きい、精密な
屈折率制御が難しいためシングルモードファイバの作製
が困難、耐熱性に劣る、吸水率が高いために環境安定性
や信頼性に問題がある、など欠点を有するため、長距離
の光通信には適さないとされてきた。特に耐熱性の欠如
(使用最高温度100℃以下)は信頼性の低下を意味す
るため、通信用途には敬遠されてきた。しかし、持続が
容易である、曲げに強い、低価格、などの長所を有して
いるため、光通信端末装置やコンピュータの光リンクな
ど極低光損失を必要としない短距離の光通信への適用が
進みつつある。またPOFの欠点とされてきた近赤外域
での高い光透過損失や耐熱性、吸水性などは、プラスチ
ックに本質なものではなく、非晶質の耐熱性高分子にで
きるだけ多くのフッ素原子を導入することで改善できる
ことが知られており、光通信に適用可能な光ファイバの
開発が望まれている。本発明者らは特願平2−4139
51号明細書において、耐熱性に優れるポリイミドにフ
ルオロアルキル基を導入したフッ素化ポリイミドを用い
ることによって、熱分解温度500℃以上、波長1.3
μmにおける光損失値0.2dB/cm以下となる耐熱性
POFが作成できることを示した。この耐熱性POF
は、波長1.3μm、1.55μmが共に光透過損失の
低い箇所に位置しているため、従来のPOFを大きく下
回る損失値を示している。しかし1.65μm、1.4
0μmにはフェニル環C−H結合の伸縮振動の第2次高
周波及び第2次高周波と変角振動の結合波に由来する大
きな吸収ピークが存在するため、1.55μm、1.3
μmにはそれらの「すそ」がわずかにかかって、損失の
増大を引起している。また光通信における試験光(プロ
ーブ光)として予定されている波長1.65μmの光は
上述の理由でほとんど透過しない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】すなわち光通信用の近
赤外光を伝送するPOFとして用いるプラスチック材料
には、炭素−水素結合の存在に基づく大きな光損失とい
う問題があった。本発明はこのような現状にかんがみて
なされたものであり、その目的は十分な耐熱性があり、
近赤外光に対して光透過損失の非常に少ないPOFを提
供することにある。
赤外光を伝送するPOFとして用いるプラスチック材料
には、炭素−水素結合の存在に基づく大きな光損失とい
う問題があった。本発明はこのような現状にかんがみて
なされたものであり、その目的は十分な耐熱性があり、
近赤外光に対して光透過損失の非常に少ないPOFを提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は耐熱性プラスチック光ファイバに関する発明であ
って、光ファイバのコア又はクラッドあるいはその両方
が、下記一般式(化1):
発明は耐熱性プラスチック光ファイバに関する発明であ
って、光ファイバのコア又はクラッドあるいはその両方
が、下記一般式(化1):
【化1】 〔式中R1 は下記式(化2):
【化2】 で表される基のうちのいずれかの基、R2 は下記式(化
3):
3):
【化3】 で表される基のうちのいずれかの基であり、ここで式中
Rfはフッ素、又はパーフルオロアルキル基、Xは下記
式(化4):
Rfはフッ素、又はパーフルオロアルキル基、Xは下記
式(化4):
【化4】 (ここで式中Rf′はパーフルオロアルキレン基、nは
1〜10の数を示す)で表される基のうちのいずれかの
基である〕で表される繰返し単位を含有するポリイミ
ド、ポリイミド共重合体又はポリイミド混合物を主構成
要素とするものであることを特徴とする。
1〜10の数を示す)で表される基のうちのいずれかの
基である〕で表される繰返し単位を含有するポリイミ
ド、ポリイミド共重合体又はポリイミド混合物を主構成
要素とするものであることを特徴とする。
【0005】本発明者らは、特願平2−256843号
明細書において、ポリイミド中の炭素に結合するすべて
の1価元素を水素以外の1価元素(重水素あるいはハロ
ゲン)とすることによって、近赤外域での最大の光損失
原因であるC−H結合に基づく振動吸収を無くし、十分
な耐熱性(熱分解開始温度400℃以上)を持たせるこ
とができると共に、置換する1価元素としてフッ素が特
に有効であることを示した。本発明者らは、引続き種々
のフッ素置換ポリイミドや重水素置換ポリイミドの近赤
外域における光吸収特性に検討を加えた結果、水素に代
る1価元素としてすべてフッ素を用いた場合には、重水
素の場合に残る近赤外域の吸収ピークがほとんど観測さ
れず、また吸水性も大きく低下して、環境安定性、経時
安定性が大幅に向上することを見出した。またこの全フ
ッ素化ポリイミドは極性溶媒に可溶となる場合が多いた
め、従来の耐熱性POFと同様の作製条件が適用できる
ことが合せて明らかとなった。
明細書において、ポリイミド中の炭素に結合するすべて
の1価元素を水素以外の1価元素(重水素あるいはハロ
ゲン)とすることによって、近赤外域での最大の光損失
原因であるC−H結合に基づく振動吸収を無くし、十分
な耐熱性(熱分解開始温度400℃以上)を持たせるこ
とができると共に、置換する1価元素としてフッ素が特
に有効であることを示した。本発明者らは、引続き種々
のフッ素置換ポリイミドや重水素置換ポリイミドの近赤
外域における光吸収特性に検討を加えた結果、水素に代
る1価元素としてすべてフッ素を用いた場合には、重水
素の場合に残る近赤外域の吸収ピークがほとんど観測さ
れず、また吸水性も大きく低下して、環境安定性、経時
安定性が大幅に向上することを見出した。またこの全フ
ッ素化ポリイミドは極性溶媒に可溶となる場合が多いた
め、従来の耐熱性POFと同様の作製条件が適用できる
ことが合せて明らかとなった。
【0006】本発明の全フッ素化ポリイミドを製造する
時に使用するテトラカルボン酸又はその誘導体として
は、分子内のアルキル基、フェニル環等の炭素に結合す
るすべての1価元素をフッ素、又はパーフルオロアルキ
ル基としたものであればどのようなものでもよい。テト
ラカルボン酸並びにその誘導体としての酸無水物、酸塩
化物、エステル化物等としては次のようなものが挙げら
れる。ここではテトラカルボン酸としての例を挙げると
1,4−ジフルオロピロメリット酸、1−トリフルオロ
メチル−4−フルオロピロメリット酸、1,4−ジ(ト
リフルオロメチル)ピロメリット酸、1,4−ジ(ペン
タフルオロエチル)ピロメリット酸、ヘキサフルオロ−
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、ヘ
キサフルオロ−3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
トリフルオロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,
3−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロ
ベンゼン、ヘキサフルオロ−3,3′(又は4,4′)
−オキシビスフタル酸等が挙げられる。この中でピロメ
リット酸二無水物のベンゼン環にフルオロアルキル基を
導入した含フッ素酸二無水物である1,4−ジ(トリフ
ルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、1,4−ジ
(ペンタフルオロエチル)ピロメリット酸二無水物等の
製造方法は特願昭63−165056号明細書に記載さ
れている。
時に使用するテトラカルボン酸又はその誘導体として
は、分子内のアルキル基、フェニル環等の炭素に結合す
るすべての1価元素をフッ素、又はパーフルオロアルキ
ル基としたものであればどのようなものでもよい。テト
ラカルボン酸並びにその誘導体としての酸無水物、酸塩
化物、エステル化物等としては次のようなものが挙げら
れる。ここではテトラカルボン酸としての例を挙げると
1,4−ジフルオロピロメリット酸、1−トリフルオロ
メチル−4−フルオロピロメリット酸、1,4−ジ(ト
リフルオロメチル)ピロメリット酸、1,4−ジ(ペン
タフルオロエチル)ピロメリット酸、ヘキサフルオロ−
3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸、ヘ
キサフルオロ−3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシ
トリフルオロフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,
3−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、1,4−ビス(3,4−
ジカルボキシトリフルオロフェノキシ)テトラフルオロ
ベンゼン、ヘキサフルオロ−3,3′(又は4,4′)
−オキシビスフタル酸等が挙げられる。この中でピロメ
リット酸二無水物のベンゼン環にフルオロアルキル基を
導入した含フッ素酸二無水物である1,4−ジ(トリフ
ルオロメチル)ピロメリット酸二無水物、1,4−ジ
(ペンタフルオロエチル)ピロメリット酸二無水物等の
製造方法は特願昭63−165056号明細書に記載さ
れている。
【0007】また本発明に用いることのできるジアミン
の例としては、分子内のアミノ基を除くアルキル基、フ
ェニル環等の炭素に結合するすべての1価元素をフッ
素、又はパーフルオロアルキル基としたものであればど
のようなものでもよく、3,4,5,6−テトラフルオ
ロ−1,2−フェニレンジアミン、2,4,5,6−テ
トラフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,3,
5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル、ビ
ス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェ
ニル)エーテル、ビス(2,3,5,6−テトラフルオ
ロ−4−アミノフェニル)スルホン、ヘキサフルオロ−
2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジ
アミノビフェニル等が挙げられる。
の例としては、分子内のアミノ基を除くアルキル基、フ
ェニル環等の炭素に結合するすべての1価元素をフッ
素、又はパーフルオロアルキル基としたものであればど
のようなものでもよく、3,4,5,6−テトラフルオ
ロ−1,2−フェニレンジアミン、2,4,5,6−テ
トラフルオロ−1,3−フェニレンジアミン、2,3,
5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレンジアミ
ン、4,4′−ジアミノオクタフルオロビフェニル、ビ
ス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−アミノフェ
ニル)エーテル、ビス(2,3,5,6−テトラフルオ
ロ−4−アミノフェニル)スルホン、ヘキサフルオロ−
2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジ
アミノビフェニル等が挙げられる。
【0008】本発明に使用する全フッ素化ポリイミド前
駆体である全フッ素化ポリアミド酸の製造方法は、通常
のポリアミド酸の製造条件と同じでよく、一般的にはN
−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの極性有機溶
媒中で反応させる。本発明においてはジアミンまたテト
ラカルボン酸成分とも単一化合物で用いるばかりではな
く、複数のジアミン、テトラカルボン酸成分を混合して
用いる場合がある。その場合は、複数又は単一のジアミ
ンのモル数の合計と複数又は単一のテトラカルボン酸成
分のモル数の合計が等しいかほぼ等しくなるようにす
る。
駆体である全フッ素化ポリアミド酸の製造方法は、通常
のポリアミド酸の製造条件と同じでよく、一般的にはN
−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトア
ミド、N,N−ジメチルホルムアミドなどの極性有機溶
媒中で反応させる。本発明においてはジアミンまたテト
ラカルボン酸成分とも単一化合物で用いるばかりではな
く、複数のジアミン、テトラカルボン酸成分を混合して
用いる場合がある。その場合は、複数又は単一のジアミ
ンのモル数の合計と複数又は単一のテトラカルボン酸成
分のモル数の合計が等しいかほぼ等しくなるようにす
る。
【0009】本発明の耐熱性プラスチック光ファイバを
作製するためのドープ液としては、ポリアミド酸の溶液
でも、またポリイミドが溶媒に可溶な場合はポリイミド
溶液でもよい。このドープ液の濃度は5〜40重量%の
範囲で可能であるが、10〜25重量%であることが好
ましく、また前記ポリマー溶液の回転粘度(25℃)
は、50〜5000ポアズであることが好適である。ド
ープ液からのファイバの製造は通常の湿式紡糸法などを
用いることができる。すなわちノズルから吐出してファ
イバ状とされたドープ液は、一旦空気層を通過した後凝
固浴に導かれ、その後乾燥硬化させて、光ファイバを得
る。
作製するためのドープ液としては、ポリアミド酸の溶液
でも、またポリイミドが溶媒に可溶な場合はポリイミド
溶液でもよい。このドープ液の濃度は5〜40重量%の
範囲で可能であるが、10〜25重量%であることが好
ましく、また前記ポリマー溶液の回転粘度(25℃)
は、50〜5000ポアズであることが好適である。ド
ープ液からのファイバの製造は通常の湿式紡糸法などを
用いることができる。すなわちノズルから吐出してファ
イバ状とされたドープ液は、一旦空気層を通過した後凝
固浴に導かれ、その後乾燥硬化させて、光ファイバを得
る。
【0010】
【実施例】以下、いくつかの実施例を用いて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。
に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0011】実施例1 セパラブルフラスコに以下の構造式(化5)を持つ1,
4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
シ)テトラフルオロベンゼン二無水物:
4−ビス(3,4−ジカルボキシトリフルオロフェノキ
シ)テトラフルオロベンゼン二無水物:
【化5】 11.644g(0.02mol )と以下の構造式(化
6)で示される2,4,5,6−テトラフルオロ−1,
3−フェニレンジアミン:
6)で示される2,4,5,6−テトラフルオロ−1,
3−フェニレンジアミン:
【化6】 3.602g(0.02mol )、及びm−クレゾール1
00gを加えた。この混合物を窒素雰囲気下、室温でか
くはんし溶解した後180℃で5時間反応させた。次い
で反応液をメタノール中に投入し、生成した固形物をミ
キサーで粉砕した。この固形物をメタノールで十分洗浄
した後、真空下100℃で一昼夜乾燥し、全フッ素化ポ
リイミドの粉末を得た。このポリイミドをN,N−ジメ
チルアセトアミド(DMAc)に溶かし、10wt%のド
ープ液を得た。この溶液の粘度は約80ポアズであっ
た。このドープ液を湿式紡糸装置のノズルホルダーに仕
込み、3kg/cm2 の窒素圧力でノズルよりフィラメント
状に押出した。次に空気層、メタノール凝固層を通過さ
せた後窒素雰囲気下で70℃で2時間、160℃で1時
間、250℃で30分加熱キュアし、コア層のみのファ
イバを得た。このファイバは500℃で2時間保持した
後も重量減少を起さず、直径は約50μm、波長1.3
μmでの光損失は0.1dB/cm以下であった。
00gを加えた。この混合物を窒素雰囲気下、室温でか
くはんし溶解した後180℃で5時間反応させた。次い
で反応液をメタノール中に投入し、生成した固形物をミ
キサーで粉砕した。この固形物をメタノールで十分洗浄
した後、真空下100℃で一昼夜乾燥し、全フッ素化ポ
リイミドの粉末を得た。このポリイミドをN,N−ジメ
チルアセトアミド(DMAc)に溶かし、10wt%のド
ープ液を得た。この溶液の粘度は約80ポアズであっ
た。このドープ液を湿式紡糸装置のノズルホルダーに仕
込み、3kg/cm2 の窒素圧力でノズルよりフィラメント
状に押出した。次に空気層、メタノール凝固層を通過さ
せた後窒素雰囲気下で70℃で2時間、160℃で1時
間、250℃で30分加熱キュアし、コア層のみのファ
イバを得た。このファイバは500℃で2時間保持した
後も重量減少を起さず、直径は約50μm、波長1.3
μmでの光損失は0.1dB/cm以下であった。
【0012】実施例2 三角フラスコに1,4−ビス(3,4−ジカルボキシト
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物11.644g(0.02mol )と、以下の構造式
(化7)で示されるビス(2,3,5,6−テトラフル
オロ−4−アミノフェニル)エーテル:
リフルオロフェノキシ)テトラフルオロベンゼン二無水
物11.644g(0.02mol )と、以下の構造式
(化7)で示されるビス(2,3,5,6−テトラフル
オロ−4−アミノフェニル)エーテル:
【化7】 6.883g(0.02mol )、及びDMAc100g
を加えた。この混合物を窒素雰囲気下、室温で3日間か
くはんし、ポリアミック酸のDMAc溶液を得た。この
溶液の粘度は約90ポアズであった。このドープ液を湿
式紡糸装置のノズルホルダーに仕込み、3kg/cm2 の窒
素圧力でノズルよりフィラメント状に押出した。次に空
気層、メタノール凝固層を通過させた後窒素雰囲気下で
70℃で2時間、160℃で1時間、250℃で30
分、更に350℃で1時間加熱キュアし、コア層のみの
ファイバを得た。このファイバは500℃で2時間保持
した後も重量減少を起さず、直径は約10μm、波長
1.3μmでの光損失は0.1dB/cm以下であった。
を加えた。この混合物を窒素雰囲気下、室温で3日間か
くはんし、ポリアミック酸のDMAc溶液を得た。この
溶液の粘度は約90ポアズであった。このドープ液を湿
式紡糸装置のノズルホルダーに仕込み、3kg/cm2 の窒
素圧力でノズルよりフィラメント状に押出した。次に空
気層、メタノール凝固層を通過させた後窒素雰囲気下で
70℃で2時間、160℃で1時間、250℃で30
分、更に350℃で1時間加熱キュアし、コア層のみの
ファイバを得た。このファイバは500℃で2時間保持
した後も重量減少を起さず、直径は約10μm、波長
1.3μmでの光損失は0.1dB/cm以下であった。
【0013】実施例3 実施例2のビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4
−アミノフェニル)エーテルの代りに2,4,5,6−
テトラフルオロ−1,3−フェニレンジアミン0.01
mol とビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ア
ミノフェニル)エーテル0.01mol を使用し、同様の
方法でコア層のみのファイバを作製した。このファイバ
は500℃で2時間保持した後も重量減少を起さず、直
径は約100μm、波長1.3μmでの光損失は0.1
dB/cm以下であった。
−アミノフェニル)エーテルの代りに2,4,5,6−
テトラフルオロ−1,3−フェニレンジアミン0.01
mol とビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ア
ミノフェニル)エーテル0.01mol を使用し、同様の
方法でコア層のみのファイバを作製した。このファイバ
は500℃で2時間保持した後も重量減少を起さず、直
径は約100μm、波長1.3μmでの光損失は0.1
dB/cm以下であった。
【0014】実施例4 実施例1で作製したファイバをコア層としてその外側に
実施例3で作製したポリアミド酸溶液を用いてクラッド
層を形成し、コア層、クラッド層とも全フッ素化ポリイ
ミドの光ファイバを作製した。コア層の直径は100μ
m、クラッド層を含めたファイバ全体の直径は700μ
mであった。また波長1.3μmでの光損失は0.1d
B/cm以下であった。
実施例3で作製したポリアミド酸溶液を用いてクラッド
層を形成し、コア層、クラッド層とも全フッ素化ポリイ
ミドの光ファイバを作製した。コア層の直径は100μ
m、クラッド層を含めたファイバ全体の直径は700μ
mであった。また波長1.3μmでの光損失は0.1d
B/cm以下であった。
【0015】実施例5 実施例3で作製したファイバをコア層としてその外側に
実施例2で作製したポリアミド酸溶液を用いてクラッド
層を形成し、コア層、クラッド層とも全フッ素化ポリイ
ミドの光ファイバを作製した。コア層の直径は100μ
m、クラッド層を含めたファイバ全体の直径は700μ
mであった。また波長1.3μmでの光損失は0.1d
B/cm以下であった。
実施例2で作製したポリアミド酸溶液を用いてクラッド
層を形成し、コア層、クラッド層とも全フッ素化ポリイ
ミドの光ファイバを作製した。コア層の直径は100μ
m、クラッド層を含めたファイバ全体の直径は700μ
mであった。また波長1.3μmでの光損失は0.1d
B/cm以下であった。
【0016】実施例6 実施例4のコア層とクラッド層を用いて、コア層の直径
は50μm、クラッド層を含めたファイバ全体の直径は
0.5mmの光ファイバを作製した。波長1.3μmでの
光損失は0.1dB/cm以下であった。
は50μm、クラッド層を含めたファイバ全体の直径は
0.5mmの光ファイバを作製した。波長1.3μmでの
光損失は0.1dB/cm以下であった。
【0017】実施例7 実施例5においてコアの直径が0.5mm、クラッド層を
含めたファイバ全体の直径が1.0mmの光ファイバを作
製した。波長1.3μmでの光損失は0.1dB/cm以
下であった。
含めたファイバ全体の直径が1.0mmの光ファイバを作
製した。波長1.3μmでの光損失は0.1dB/cm以
下であった。
【0018】比較例1 セパラブルフラスコに、以下の構造式(化8)を持つ
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキ
サフルオロプロパン二無水物:
2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキ
サフルオロプロパン二無水物:
【化8】 8.885g(20.0mmol)と以下の構造式(化9)
で示される2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−
4,4′−ジアミノビフェニル:
で示される2,2′−ビス(トリフルオロメチル)−
4,4′−ジアミノビフェニル:
【化9】 6.405g(20.0mmol)及びDMAc87gを加
え、以下実施例1と同様の方法でコア層のみのファイバ
を得た。このファイバは500℃で2時間保持した後も
重量減少を起さず、直径は約50μm、波長1.3μm
での光損失は0.1dB/cmであった。
え、以下実施例1と同様の方法でコア層のみのファイバ
を得た。このファイバは500℃で2時間保持した後も
重量減少を起さず、直径は約50μm、波長1.3μm
での光損失は0.1dB/cmであった。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように本発明の耐熱性プラ
スチック光ファイバは近赤外域での光損失が小さくかつ
耐熱性に優れているため、従来のプラスチック光ファイ
バが使用できなかった高温状況下、あるいは高度の信頼
性が要求される条件下でも近赤外光領域での通信用に使
用できるという利点があるばかりでなく、これまで適用
困難とされてきた中距離の光通信用途へ光プラスチック
ファイバの適用範囲を広げる可能性を示すものである。
スチック光ファイバは近赤外域での光損失が小さくかつ
耐熱性に優れているため、従来のプラスチック光ファイ
バが使用できなかった高温状況下、あるいは高度の信頼
性が要求される条件下でも近赤外光領域での通信用に使
用できるという利点があるばかりでなく、これまで適用
困難とされてきた中距離の光通信用途へ光プラスチック
ファイバの適用範囲を広げる可能性を示すものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−328504(JP,A) 特開 平4−328524(JP,A) 特許2737871(JP,B2) 特許2827059(JP,B2) 特許2851019(JP,B2) 欧州特許出願公開480266(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 6/00 391 C08G 73/10
Claims (1)
- 【請求項1】 光ファイバのコア又はクラッドあるいは
その両方が、下記一般式(化1): 【化1】 〔式中R1 は下記式(化2): 【化2】 で表される基のうちのいずれかの基、R2 は下記式(化
3): 【化3】 で表される基のうちのいずれかの基であり、ここで式中
Rfはフッ素、又はパーフルオロアルキル基、Xは下記
式(化4): 【化4】 (ここで式中Rf′はパーフルオロアルキレン基、nは
1〜10の数を示す)で表される基のうちのいずれかの
基である〕で表される繰返し単位を含有するポリイミ
ド、ポリイミド共重合体又はポリイミド混合物を主構成
要素とするものであることを特徴とする耐熱性プラスチ
ック光ファイバ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3122988A JP2940645B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 耐熱性プラスチック光ファイバ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3122988A JP2940645B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 耐熱性プラスチック光ファイバ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04328503A JPH04328503A (ja) | 1992-11-17 |
JP2940645B2 true JP2940645B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=14849515
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3122988A Expired - Lifetime JP2940645B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | 耐熱性プラスチック光ファイバ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2940645B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1049050C (zh) * | 1994-04-18 | 2000-02-02 | 小池康博 | 折射率梯度型光导树脂材料及其制造方法 |
KR19990025815A (ko) * | 1997-09-18 | 1999-04-06 | 윤종용 | 광통신용 폴리이미드 및 그 제조방법 |
KR100319299B1 (ko) * | 1999-04-14 | 2002-01-05 | 윤종용 | 광통신용 폴리이미드 |
-
1991
- 1991-04-26 JP JP3122988A patent/JP2940645B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04328503A (ja) | 1992-11-17 |
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