JP2940068B2 - 中空構造を有する射出成形品の製造方法 - Google Patents

中空構造を有する射出成形品の製造方法

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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/1703Introducing an auxiliary fluid into the mould
    • B29C45/1704Introducing an auxiliary fluid into the mould the fluid being introduced into the interior of the injected material which is still in a molten state, e.g. for producing hollow articles

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ひけや成形歪みによる変形のない外観の美
麗な成形品を射出成形する方法に関する。さらに詳細に
は、金型キヤビテイ内に射出注入された溶融樹脂の内部
に金型内より加圧ガス体を圧入して中空構造を有する射
出成形品を製造する方法の改良に係わる。
〔従来の技術〕
金型キヤビテイ内に射出注入された溶融樹脂の内部に
加圧ガス体を圧入して中空構造を有する成形品を製造す
る方法は知られている。この方法においては、金型キヤ
ビテイ内の溶融樹脂はその内部の加圧ガス体の圧力の作
用を受けて外向きに流動し、金型表面に押し付けられ、
その結果、金型形状を正確に転写した成形品が得られる
ことが知られており、ひけや反りといった変形のない射
出成形品の製造方法として実用化が図られている。
しかしながら、金型キヤビテイ内の溶融樹脂への加圧
ガス体の注入は、その成形品の形状によって難易があ
り、例えば、厚肉構造の成形品では、その中心部の溶融
樹脂は相対的に冷却が遅く、低粘度を保持しており、か
つ体積収縮も大きいので加圧ガス体がこの厚肉部分に流
入しやすく、流入した加圧ガス体の圧力効果が成形品全
体に及で変形のない所望の形状の成形品が得られる。こ
れに対して、厚肉構造部分と薄肉構造部分とが組み合わ
された偏肉構造を有する成形品を製造する場合には、厚
肉構造部分の加圧ガス体が流入している部分から離れて
いる薄肉構造部分には、金型からの冷却効果も高いため
に樹脂の溶融粘度が高まり、厚肉部に比べて圧力損失に
より、加圧ガス体の圧力効果が及ばず、ひけ現象が顕著
に現れ、それに伴なって反り等の変形が見られる。
〔発明が解決しようとする問題点とその手段〕
本発明は、金型キヤビテイ内に射出注入された溶融樹
脂の内部に金型内より加圧ガス体を圧入して中空構造を
有する射出成形品を製造する方法において、加圧ガス体
の圧力効果が及ばずひけや反りのある成形品を与える従
来技術の欠陥を解消することを目的とする。
すなわち、本発明は、金型キヤビテイ内に射出注入さ
れた溶融樹脂の内部に金型内より加圧ガス体を圧入して
中空構造を有する射出成形品を製造するに当り、金型キ
ヤビテイ内の溶融樹脂内部に圧入された加圧ガス体によ
る圧力と射出成形機の射出圧力とを併用して保圧工程を
行ないながら金型キヤビテイ内の溶融樹脂を冷却するこ
とによってひけや反りのない成形品を製造する方法であ
る。射出成形機の射出圧力としては、樹脂計量時や冷却
時に用いるスクリユー背圧を利用することもできる。
本発明の方法を実施するに当り、射出成形機の射出圧
力を保持する時間は、溶融樹脂内部に圧入された加圧ガ
ス体の圧力効果が及ばない部分の樹脂の冷却による体積
収縮を補償し得る時間であれば十分であり、この時間経
過後またはゲートシール時間以後は溶融樹脂の射出圧
力、すなわち射出成形機の保圧を停止し、加圧ガス体に
よる圧力効果のみによって保圧しながら樹脂を冷却す
る。
本発明の方法は、ホットランナーを有する金型におい
ても適用できることから、実用上有用な成形方法であ
る。
〔発明の作用と効果〕
従来、金型キヤビテイ内に射出注入された溶融樹脂の
内部に金型内より加圧ガス体を圧入して中空構造を有す
る成形品を製造する方法においては、金型キヤビテイ内
への樹脂の注入後は射出成形機の通常の保圧を停止し、
加圧ガス体による圧力効果のみによって保圧しながら冷
却して成形品を製造していた。この場合、樹脂のゲート
と加圧ガス体注入口及び加圧ガス体流入部との距離が大
きいと成形品のゲートに近い部分には加圧ガス体の圧力
効果が及ばず、ここにひけが生じた。
これに対して、本発明の方法では、樹脂のゲートと加
圧ガス体注入口及び加圧ガス体流入部とが離れていて
も、成形品のゲートに近い部分には樹脂の射出圧力が作
用してひけを防止でき、溶融樹脂内部に圧入された加圧
ガス体の圧力効果と相俟ってひけや反りのない美麗な成
形品が得られるのである。従って、本発明の方法は加圧
ガス体を金型内より圧力する態様においてその作用効果
が発揮されるのであり、射出成形機のノズル部から加圧
ガス体を注入する態様はもとより、スプルー、ランナー
部から加圧ガス体を注入する態様では、本発明の方法は
その効果を発揮しない。
溶融樹脂内部に圧入された加圧ガス体の圧力と溶融樹
脂の射出圧力とを併用する本発明の方法によれば、溶融
樹脂の射出圧力を使用しない従来の方法に比べて、次の
ような利点もある。すなわち、溶融樹脂内部に圧入され
た加圧ガス体の圧力のみを使用して厚肉構造部分と薄肉
構造部分とが組み合わされた偏肉構造を有する成形品を
製造する場合、溶融樹脂の粘度が低いと加圧ガス体の圧
力効果によって加圧ガス体が薄肉構造部分にも流入し、
さらには、ゲート部やスプルー、ランナー部にも加圧ガ
ス体が流入して構造的に弱い成形品を成形することがあ
る。さらには、加圧ガス体が成形機のシリンダー部にま
で侵入することがあり、その場合には次の成形サイクル
においてガス体が混入した樹脂が金型内に射出、注入さ
れることになり、外観の不良な成形品を形成する原因に
なる。しかし、本発明の方法によれば、溶融樹脂の射出
圧力を調整することによって加圧ガス体が薄肉構造部分
に流入するのを抑制することが可能であり、成形品の形
状、溶融樹脂温度、溶融粘度等の成形条件を考慮した多
様な成形設計を行なうことができるのである。
加えて、本発明の方法を実施するに当っては、加圧ガ
ス体の成形機ノズル部への逆流を防止するためのシヤツ
トオフノズルの装着が不要となる。
本発明の方法によれば、さらに次のような効果も達成
される。すなわち、射出成形方法においてはピンポイン
トゲートやサブマリンゲートを用いて成形品の金型から
の取出し時に成形品とスプルー及びランナー部との切断
を自動的に行ない、成形品の二次加工を省略する方法が
採用されている。このようなゲート部は肉厚が小さく、
成形品部分に比べて冷却固化が早い。従って、金型キヤ
ビテイ内の溶融樹脂の内部に金型内より加圧ガス体を圧
入しても、ゲート部が冷却固化してしまうために加圧ガ
ス体の圧力効果がスプルー及びランナー部に全く及ばな
くなる。前述のごとく、従来は、金型キヤビテイ内への
樹脂の注入後は射出成形機の通常の保圧を停止するた
め、加圧ガス体の圧力効果が全く及ばないスプルー及び
ランナー部にはひけを生ずる。特に、三枚プレート射出
成形金型の場合には、ランナー部のひけによってランナ
ーロツクピンがその機能を果せず、型開き時にランナー
部が切断されずに製品側に残り、全自動成形が実現され
なくなる。
しかるに、溶融樹脂の射出圧力を保持する本発明の方
法では、ゲート部の冷却固化によって加圧ガス体の圧力
効果がスプルー及びランナー部に及ばなくても、樹脂の
射出圧力による保圧によってスプルー及びランナー部の
体積収縮が補償され、ひけが防止されるのである。これ
によってランナーロツクピンが正常に機能し、ランナー
と製品との切り離しが自動的に行なわれる。
〔実施例〕
実施例 熱可塑性樹脂として変性ポリフエニレンエーテル樹脂
(三菱瓦斯化学株式会社製、商品名「ユピエース AV6
0」)を使用し、厚肉構造部と薄肉構造部が組み合わさ
れた形状の成形品を製造した。使用した金型は三枚プレ
ート金型であり、樹脂ゲート近くに薄肉構造部を配し、
樹脂ゲートから離れた位置で肉厚構造部に開口した加圧
ガス体注入口が設けられるよう設計されていた。
射出成形機を用いて変性ポリフエニレンエーテル樹脂
を樹脂温度300℃に溶融、可塑化し、射出圧力900Kg/cm2
にて金型キヤビテイ内に射出注入した。金型内が溶融樹
脂にて充填された時点で成形機の射出圧力400Kg/cm2
低下させ、同時に、金型内の加圧ガス体注入口より予め
500Kg/cm2に圧縮された窒素ガスを圧入した。窒素ガス
圧力及び成形機の射出圧力による保圧下に金型を冷却
し、冷却完了後成形品を取り出した。
得られた成形品は、厚肉構造部に連通した中空構造が
形成されており、厚肉構造部はもとより樹脂ゲートに近
い薄肉構造部にもひけは全く見られず、反りのない外観
の美麗な形状を保っていた。
スプルー及びランナー部にもひけは全く見られず、ラ
ンナーロツクピンが正常に作動して成形品、スプルー、
ランナーのいずれも容易に取り出すことができた。
比較例 実施例において金型内が溶融樹脂にて充填された時点
で成形機による射出動作を停止する以外は、実施例を繰
り返した。
得られた成形品は、厚肉構造部には連通した中空構造
が形成されて表面にはひけは見られなかったが、樹脂ゲ
ートに近い薄肉構造部にはひけが目立ち、凹凸のある表
面を形成し、外観の不良な製品であった。
スプルー及びランナー部にもひけが顕著に見られ、ラ
ンナーロツクピンでランナーを固定型から切り離すこと
ができなかった。
〔発明の効果〕
実施例で明らかなごとく、金型キヤビテイ内に射出注
入された溶融樹脂の内部に金型内より圧入れた加圧ガス
体の圧力効果によって樹脂を金型表面に密着させ、ひけ
の形成が防止されるとともに、溶融樹脂の射出圧力によ
る圧力効果によって樹脂ゲート近くのひけの形成が防止
され、両者の圧力効果による保圧が作用して変形のない
美麗な成形品が得られるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−198127(JP,A) 特開 昭63−268611(JP,A) 特開 昭60−8029(JP,A) 特開 昭64−63122(JP,A) 特開 平4−12818(JP,A) 特開 平3−138115(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 45/00 - 45/24 B29C 45/57

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型キヤビテイ内に射出注入された溶融樹
    脂の内部に金型内より加圧ガス体を圧入して中空構造を
    有する射出成形品を製造する方法において、金型キヤビ
    テイ内の溶融樹脂内部に圧入された加圧ガス体による圧
    力と射出成形機の射出圧力とを併用して保圧工程を行な
    いながら金型キヤビテイ内の溶融樹脂を冷却することを
    特徴とする方法。
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