JP2939923B2 - 加速度変換器 - Google Patents

加速度変換器

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JP2939923B2 JP15643994A JP15643994A JP2939923B2 JP 2939923 B2 JP2939923 B2 JP 2939923B2 JP 15643994 A JP15643994 A JP 15643994A JP 15643994 A JP15643994 A JP 15643994A JP 2939923 B2 JP2939923 B2 JP 2939923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速度変換器に関し、
より詳細には、被測定対象に附随して一体的に運動する
従動部に可撓部を介して重錘が支持され、前記従動部が
加速度を受けたとき前記重錘がその従動部に対し相対変
位するときのひずみをひずみゲージにより電気信号に変
換して当該加速度の検出を行う方式の加速度変換器に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】加速度変換器は、構造物の衝撃強度を測
定したり、あるいは構造物に生じた振動における加速度
波形の解析を行うとき等、広範囲に亘って使用されてい
る。このようにして使用されている従来の加速度変換器
としては、例えば、上記従動部が加速度を受けたとき上
記重錘がその従動部に対し相対変位してひずみを生じる
部分、すなわち加速度を感知する起歪体の表面に、ひず
みによって抵抗値が変化する電気抵抗式ひずみゲージ
(箔状または線状をなす)を添着したもの(特公平4−
52899号)や、拡散型半導体ゲージを添着した形式
のもの(特開昭59−158566号)がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような加速度変換
器においては、小さな加速度でも出力信号がノイズに対
して充分に大きいことと、応答性がよいこと、などが要
求される。加速度変換器の感度を向上させる一方策とし
て、重錘を大きくしビームの変位量を増大させる方法が
ある。しかしながら、この方法は、固有振動数が低く応
答周波数範囲が狭くなるという難点がある。
【0004】また、起歪部のばね定数を小さくすれば、
起歪部の撓みが大きくなりひずみ出力は大きくなる反
面、上記と同様に固有振動数が低下し、応答周波数範囲
が狭くなってしまう。この他、超小型の加速度変換器を
開発するためには、ひずみゲージを極小にする必要があ
るが現在の金属箔ひずみゲージ法では、一定の限界があ
り、小型で、高い抵抗値(比抵抗)のひずみゲージの製
作は困難な現状にある。
【0005】一方、電気抵抗式ひずみゲージの他に、上
記した拡散型半導体を用いたものがあるが、これは、起
歪体を結晶シリコン基板で形成し、この基板上に拡散型
半導体を形成することによって受歪素子を構成するもの
である。この拡散型半導体ゲージの場合、ゲージ率が上
述の電気抵抗式ひずみゲージに比べて格段に高いものが
得られるものの、抵抗温度係数が大きく、従って複雑な
温度補償回路を必要とし、またシリコン基板は弾性限界
が低く且つ脆いので、組立時に細心の注意を払う必要が
あり、また、機械的な過負荷に対して脆性破壊しやすい
という難点がある。
【0006】本出願人は、このような従来技術の難点を
克服すべく、先に、次のような加速度変換器(以下「先
願発明」という)を特願平5−341145号として提
案した。
【0007】すなわち、この先願発明は、被測定対象に
附随して一体的に運動する従動部に可撓部を介して重錘
が支持され、前記従動部が加速度を受けたとき前記重錘
がその従動部に対し相対変位するときのひずみをひずみ
ゲージにより電気信号に変換して当該加速度の検出を行
う方式の加速度変換器において、矩形状断面を呈する梁
の中間部に、相対する側周面の両側から一定深さのスリ
ットをそれぞれ形成することで、基端側には剛性の大き
な従動部を、先端側には剛性の大きな重錘部を、中間部
には可撓性を有する可撓部を、それぞれ設けてなる片持
梁と、この片持梁の中間部に形成された一対のスリット
を跨ぐようにして前記従動部と前記重錘部の前記両側周
面にそれぞれ接合された薄肉で可撓性を有する1対の起
歪板と、この1対の起歪板のスリット側表層部にひずみ
を検出し得るようにしてそれぞれ添着された少なくとも
1対のひずみゲージと、を有し、前記重錘部に作用する
加速度で前記片持梁が変形することによって前記起歪板
に作用する引張・圧縮ひずみと、前記起歪板に作用する
加速度で前記起歪板自体が変形することによって生ずる
曲げひずみとを加えて前記1対のひずみゲージで検出し
得るように構成したものである。
【0008】そして、上記のように構成された先願発明
に係る加速度変換器は、片持梁の中間部に形成された可
撓部が梁のヒンジの機能を果たし、被測定対象から従動
部を介して加速度を受けたとき、可撓部に集中的に曲げ
ひずみが発生する。しかし、この可撓部を設けるべく形
成された相対する一対のスリットを跨ぐようにして従動
部と重錘部の両側周面にそれぞれ接合された一対の起歪
板は、上記梁の曲げを阻止するように機能し、一方の起
歪板は引張力を受け、他方の起歪板は圧縮力を受けて、
それぞれ引張ひずみまたは圧縮ひずみを生じる。
【0009】一方、この起歪板には、これらの引張・圧
縮ひずみが発生するだけでなく、起歪板に作用する加速
度で起歪板自体が弯曲状に変形することによって生ずる
曲げひずみも発生する。そこで、1対の起歪板の内側
(または対向面)、換言すれば起歪板のスリット側表層
部に添着されたひずみゲージには、上記の従動部と重錘
間の間隙の増減に起因した引張ひずみまたは圧縮ひずみ
だけでなく、起歪板自体が加速度を受けて弯曲する曲げ
ひずみとが併せて加わったものを検出することとなり、
ひずみ出力を大幅に増大させることができるのである。
【0010】しかしながら、上述のように構成され且つ
作用する先願発明においては、十分な検出感度を得る関
係から起歪板のスリット(内面)側の表面にひずみゲー
ジを接着しており、起歪板の内側でしかもスリットの狭
い領域の所定位置にひずみゲージを正確に配設しなけれ
ばならないため、ひずみゲージのグリッド部を直接確認
することができず、スリットとの位置合せ不良やグリッ
ドの断線などの不具合を発見することが容易でない、と
いう難点があった。
【0011】また、上記先願発明に係る実施例において
は、後述するように、ヒステリシスやクリープ特性に充
分満足のいくものが得られなかった。本発明は、上記事
情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
比較的小型で、固有振動数を高めつつ、ひずみ出力を増
大させることができ、また組立が容易で、長期に亘り安
定的に使用し得ると共に、外部からひずみゲージのグリ
ッドの位置および状態が直接観察可能であり、さらには
ヒステリシス、クリープ特性を改善し得る加速度変換器
を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、被測定対象に附随して一体的に運動す
る従動部に可撓部を介して重錘が支持され、前記従動部
が加速度を受けたとき前記重錘がその従動部に対し相対
変位するときのひずみをひずみゲージにより電気信号に
変換して当該加速度の検出を行う方式の加速度変換器に
おいて、梁の中間部に、相対する側周面の両側から一定
深さのスリットをそれぞれ形成することで、基端側には
剛性の大きな従動部を、先端側には剛性の大きな重錘部
を、中間部には可撓性を有する可撓部を、それぞれ設け
てなる片持梁と、この片持梁の中間部に形成された一対
のスリットを跨ぐようにして前記従動部と前記重錘部の
前記両側周面にそれぞれ接合された可撓性を有する薄膜
からなる1対の補強膜と、この1対の補強膜の反スリッ
ト側表面部にそれぞれ添着された薄肉の1対の絶縁膜
と、この1対の絶縁膜の反スリット側表面に添着形成さ
れたひずみゲージと、を有し、前記重錘部に作用する加
速度で前記片持梁が変形することによって前記補強膜に
作用する引張・圧縮ひずみを、前記1対のひずみゲージ
で検出し得るように構成したことを特徴とするものであ
る。
【0013】また、本発明は、上記の目的を達成するた
めに、被測定対象に附随して一体的に運動する従動部に
可撓部を介して重錘が支持され、前記従動部が加速度を
受けたとき前記重錘がその従動部に対し相対変位すると
きのひずみをひずみゲージにより電気信号に変換して当
該加速度の検出を行う方式の加速度変換器において、梁
の中間部に、相対する側周面の両側から一定深さのスリ
ットをそれぞれ形成することで、基端側には剛性の大き
な従動部を、先端側には剛性の大きな重錘部を、中間部
には可撓性を有する可撓部を、それぞれ設けてなる片持
梁と、この片持梁の中間部に形成された一対のスリット
を跨ぐようにして前記従動部と前記重錘部の前記両側周
面にそれぞれ接合された可撓性および絶縁性を有する薄
膜からなる1対の補強膜と、この1対の補強膜の反スリ
ット側表面に添着形成されたひずみゲージと、を有し、
前記重錘部に作用する加速度で前記片持梁が変形するこ
とによって前記補強膜に作用する引張・圧縮ひずみを、
前記1対のひずみゲージで検出し得るように構成したこ
とを特徴とするものである。
【0014】また、本発明は、より具体的には、上記補
強膜のヤング率が7000kgf /mm2 以上で、その膜厚
が、1〜10μmであることを特徴とするものである。
また、本発明はより具体的には、上記絶縁膜の膜厚が、
1〜10μmであることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】上記のように構成された加速度変換器は、片持
梁の中間部に形成された可撓部が梁のヒンジの機能を果
たし、被測定対象から従動部を介して加速度を受けたと
き、可撓部に集中的に曲げひずみが発生する。しかし、
この可撓部を設けるべく形成された相対する一対のスリ
ットを跨ぐようにして片持梁の両側周面にそれぞれ接合
された一対の補強膜は、上記梁の曲げを阻止するように
機能し、一方の補強膜は引張り力を受け、他方の補強膜
は圧縮力を受けて、それぞれ引張りひずみまたは圧縮ひ
ずみを生じる。
【0016】そこで、1対の補強膜の外側表面、換言す
れば補強膜の反スリット側表層部に添着されたひずみゲ
ージには、上記の従動部と重錘間の間隙の増減に起因し
た引張りひずみまたは圧縮ひずみを検出することとな
り、大きなひずみ出力を得ることができるのである。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、添付図面を参
照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明に係る加速度
変換器の全体構成を模式的に示す側断面図、図2は、図
1のX−X線矢視方向断面図である。また、図3は、図
1および図2に示した実施例の補強膜に添着されたひず
みゲージをもって組まれたホイートストンブリッジ回路
の構成を示す回路図である。
【0018】図1において、加速度変換器のケーシング
1は、四角柱状の筒体に形成され、そのケーシング1の
一面側(図1においては下端面側)に取付フランジ部1
b,1cが形成され、その中間部には、取付ねじ用のU
字溝1d,1eが形成されており、そのU字溝1d,1
eに挿通される取付ねじ(図示せず)によって、ケーシ
ング1は、被測定対象2に取付けられることになる。
【0019】上記ケーシング1の一方の側壁(図1にお
いては、右側壁)には、片持梁3の基端、すなわち従動
部3aの基端が、図示は省略したが、圧入、ねじ止め、
溶接、その他の固定手段により強固に固着されており、
また、他方の側壁(図1において、左側壁)は、開放さ
れて、その開放端は、蓋1aをもって閉塞されている。
【0020】上記片持梁3の形成方法は、矩形状断面を
呈する梁の中間部に、相対する側周面(図1において
は、上面および下面)から一定深さのスリット3b,3
cを形成することで梁の厚み方向の中心部に所定の肉厚
hの可撓部3dを設け、その可撓部3dより先端側(自
由端側)に重錘部3eを設けるようにしている。
【0021】すなわち、可撓部3dのみが薄肉で可撓性
を有し、従動部3aに加速度が加えられたとき、ヒンジ
の機能を有するようになり、一方、従動部3aと重錘部
3eとは、可撓部3dに比べて充分に厚肉であり、剛性
が大きく実質的に加速度を受けても撓まないようになっ
ており、特に重錘部3eは、その質量が加速度変換器の
固有振動数を決める要素であると共に加速度検出感度を
決める要素になる。
【0022】片持梁3の中間部に形成された一対のスリ
ット3b,3cを跨ぐ(橋絡する)ようにして従動部3
aと重錘部3eの上記両側周面にばね材、例えばベリリ
ウム銅、リン青銅等でなる薄膜状の補強膜4および5が
それぞれ接着、溶着、蒸着、その他の手段により、強固
に接合されている。つまり、これら補強膜4,5は、そ
の板面が可撓部3dの板面と、無負荷時(加速度が印加
されない状態のとき)においては平行な状態に設定して
ある。
【0023】これら1対の補強膜4,5は、その膜厚が
6μmで、ヤング率が16,000kgf /mm2 のものを
用いているが、その膜厚は1〜10μmの範囲、ヤング
率は、7,000kgf /mm2 以上であればよい。これら
1対の補強膜4および5のスリット3bおよび3cとは
反対側の表面(以下「反スリット側表面」という)、す
なわち可撓部3dを間に挟んで相対向して配設された補
強膜4および5の各外側(上面側および下面側)の表面
には、1〜10μmの厚さ、より望ましくは5〜10μ
mの厚さの絶縁膜6および7が接着剤により添着されて
いる。
【0024】この絶縁膜6および7の表面には、薄い箔
材を素材とし、例えばフォトエッチング法によりグリッ
ド部、ゲージタブ部がパターン形成されてなるひずみゲ
ージ(箔ゲージ)SG1,SG2および図には現われて
いないひずみゲージ(箔ゲージ)SG3,SG4がそれ
ぞれ接着剤により添着されている。このひずみゲージS
G1,SG2がおよびSG3,SG4は、図2にその概
略形状を示すように、片持梁3の長手方向に沿うように
して受感軸が向けられて各2枚、並列状に且つその受感
部がスリット3b,3cに対応する部位における絶縁層
6,7の外表面に添着されている。
【0025】これらのひずみゲージSG1〜SG4の各
ゲージタブには、リード線8の一端がそれぞれ半田付け
により接続され、そのリード線8の他端側は、片持梁3
の側面部に形成された配線溝3fを介してケーシング1
の外部に導出され、そのリード線8の各他端は、例え
ば、図示は省略したが、端子箱を介して加速度を計測す
る計測機器に導かれるが、加速度変換器の内部またはそ
の近傍において、補強膜4の上表面上に添着されたひず
みゲージSG1とSG2は、図3に示すように相対向す
る対辺に、また補強膜5の下表面上に添着されたひずみ
ゲージSG3とSG4は、これと隣り合う対辺にそれぞ
れ接続されてホイートストンブリッジ回路9が構成され
る。
【0026】また、図示は省略したが、ホイートストン
ブリッジ回路9の初期不平衡調整や温度補償をするため
の外部抵抗等がブリッジ回路に付加されるようになって
いる。
【0027】次に、上述のように構成された加速度変換
器の動作について説明する。加速度変換器は、そのケー
シング1が被測定対象2にねじ止め、その他の手段によ
り強固に固定されているものとする。この状態で被測定
対象2の振動、衝撃等によって、加速度Gがケーシング
1の底部、右側部を介して従動部3aに加わり、例えば
図1に示すように慣性力Fが片持梁3に作用すると、重
錘部3eがケーシング1に対し相対的に変位し、可撓部
3dを撓ませると共に、上、下一対の補強膜4および5
を撓ませる。
【0028】このとき上側の補強膜4は、スリット3b
の開口端(上端)が開くように変形するために引張力を
受けて伸張し、引張ひずみを生じることになる。また、
下側の補強膜5は、スリット3cの開口端が閉じるよう
に変形するために圧縮力を受けて圧縮されて、圧縮ひず
みを生じることになる。
【0029】従って、補強膜4のスリット3bとは反対
側の表層部に添着された2枚のひずみゲージSG1とS
G2は、重錘部3eに作用する加速度で片持梁3がスリ
ット3bの開口端(上端)の広がりによる引張ひずみを
検出して、その抵抗値を大きく増大する。
【0030】一方、補強膜5のスリット3cとは反対側
の表層部に添着された2枚のひずみゲージSG3、SG
4は、重錘部3eに作用する加速度で片持梁3が上述の
ように変形し、スリット3cの開口端(下端)が狭まる
ことによる圧縮ひずみを検出して、その抵抗値を大きく
減少する。
【0031】以上述べてきた動作説明は、ケーシング1
上方向に加速度が印加された場合のものであるが、反対
に下方向に加速度が印加された場合には、重錘部3eが
慣性力により可撓部3dをヒンジとして上方に相対的に
変位するため、補強膜4のスリット3bとは反対側表層
面に添着されたひずみゲージSG1,SG2の抵抗値
は、上述したとは逆に大きく減少し、補強膜5のスリッ
ト3cとは反対側の表層面に添着されたひずみゲージS
G3,SG4の抵抗値は、大きく増大することは容易に
理解されるところである。
【0032】このように上述した実施例によれば、第1
に、可撓部3dの表面にひずみゲージを添着した場合に
比べ、より大きなひずみ出力が得られるばかりでなく、
可撓性を有する肉薄の補強膜4,5をスリット3b,3
cを跨ぐようにして橋絡する構成としたから、片持梁3
を効果的に補強することができ、比較的小形でありなが
ら堅牢で固有振動数が高く高感度の加速度変換器を提供
することができる。
【0033】第2に、ひずみゲージSG1,SG2およ
びSG3,SG4を、補強膜4および5の反スリット側
表面(図1において、上面および下面)側に添着するよ
うに構成したので、各ひずみゲージSG1〜SG4のグ
リッド部と、スリット3bおよび3cとの位置合せが容
易となると共に、グリッドの断線などの不具合が外部か
ら容易に確認でき、延いては、計測の信頼性を向上させ
得る加速度変換器を提供することができる。
【0034】第3に、補強膜4,5の肉厚を1〜10μ
mの範囲におさめ、絶縁膜6,7の肉厚を1〜10μm
の範囲におさめたから、ヒステリシス特性およびクリー
プ特性が図5および図6に示すように改善される。すな
わち、図5には、横軸に加速度を、縦軸に加速度変換器
の出力をそれぞれとり、本発明に係る上記実施例と先願
発明に係る加速度変換器のヒステリシス特性を対比して
示してある。
【0035】この図5からは、先願発明のものに比べ、
本発明の加速度変換器の方がヒステリシスは、かなり小
さく、大幅に改善されたことが分る。また、図6には、
横軸に時間(分)を、縦軸にクリープ出力με(1×1
-6)をそれぞれとり、本発明に係る上記実施例と先願
発明に係る加速度変換器とを対比してあるが、この図6
から分るように、本発明のものは、先願発明のものに比
べ、クリープは半分以下に改善されている。
【0036】因に、補強膜の厚さが、1μm以下になる
と、補強効果が大幅に低減し、また、10μmを超える
と剛性が高くなり出力が低下すると共にヒステリシス特
性やクリープ特性の劣化を招く。また、絶縁膜の厚さ
が、1μmに満たないと絶縁抵抗が小さくなりすぎ実用
性が無くなり、10μmを超えるとクリープ特性および
ヒステリシス特性の劣化を招くことが明らかとなった。
【0037】第4に、補強膜4,5を介してひずみゲー
ジSG1〜SG4を添着する構成としたから、重錘部3
eの重量を調整すれば、同じ感度でも高い共振周波数
(固有振動数)が得られる加速度変換器を提供すること
ができる。
【0038】第5に、ひずみゲージとして半導体ゲージ
を用いなくても上述したように高いひずみ感度が得られ
るから、半導体ゲージに比べ温度補償が容易であり、半
導体ゲージのように脆弱でないから割れたり、剥離しに
くくその分、組立作業が容易化されると共にイニシャル
設定値がずれにくいという利点が得られると共に、箔ま
た線ひずみゲージあるいは蒸着等により成膜されたひず
みゲージを用いることで、上記第1の効果を奏し得る加
速度変換器を提供することができる。
【0039】尚、本発明は、上述した実施例にのみ限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種
々の変形実施をすることができる。例えば、上述した実
施例では、補強膜4,5は、絶縁膜6,7に接着剤によ
り接着されているが、絶縁膜6,7に直接CVD等の化
学蒸着、スパッタリング等の物理蒸着などの蒸着手段に
よって添着する場合も、本発明の要旨に含まれるもので
ある。
【0040】また、ひずみゲージSG1〜SG4も、絶
縁膜6,7に接着剤により接着するに限らず、絶縁膜
6,7上に、上記蒸着手段によって添着する場合も、本
発明の要旨に含まれるものである。また、図4に本発明
の変形実施例として示すように箔材により形成されたひ
ずみゲージSG1〜SG4の裏面に、例えば、CVD法
によりSiO 2 の絶縁薄膜(3μm程度、ヤング率約7
300kgf /mm2 )を形成することで、補強膜と絶縁膜
の両方の機能を兼ねる補強膜4′,5′を添着するよう
にしてもよい。
【0041】また、重錘部3eは、片持梁3に一体化さ
れた例につき図示したが、両者は別体に構成し、半田
付、ろう付、接着、螺着、その他の手段により一体化す
るように構成してもよい。また、ケーシング1内には、
各種補償抵抗を収納したり、また、増幅器等の回路素子
を収納するようにしてもよい。
【0042】また、ケーシング1に設けた取付フランジ
1b,1cも、図1において底部に設ける場合に限ら
ず、側部あるいは上部に設けてもよい。また、被測定対
象への取付構造は、図示の例に限らず、接着、溶着、螺
着その他の手段を用い得ることは勿論である。
【0043】また、ひずみゲージは、補強膜1枚につ
き、2枚添着する場合に限らず、1枚または3枚以上で
あってもよいし、また、ひずみゲージを2枚重ねて添着
するようにしてもよい。また、補強膜4,5は、片持梁
3と別体に形成せずに一体に形成するようにしてもよ
い。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したところより明らかなよう
に、本発明によれば、比較的小型で、固有振動数を低下
させずに高いひずみ感度が得られ、衝撃、振動に対し強
い靭性を有し、組立作業および温度補償が容易で、長期
に亘り安定性を維持し得ると共に、外部からひずみゲー
ジのグリッドの位置合せ状態の良否、グリッドの断線な
どの不具合を直接観察することができ、且つヒステリシ
ス特性およびクリープ特性の良好な加速度変換器を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加速度変換器の一実施例の構成を
示す側断面図である。
【図2】図1のX−X線矢視方向断面図である。
【図3】本発明に係る加速度変換器に適用されている4
枚のひずみゲージで組まれたホイートストンブリッジ回
路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明に係る加速度変換器の変形実施例の構成
を示す側断面図である。
【図5】本発明と先願発明に係る加速度変換器のヒステ
リシス特性をそれぞれ示すヒステリシス特性線図であ
る。
【図6】本発明と先願発明に係る加速度変換器のクリー
プ特性をそれぞれ示すクリープ特性線図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 1a 蓋 1b,1c 取付フランジ 1d,1e 取付ねじ用U溝 2 被測定対象 3 片持梁 3a 従動部 3b,3c スリット 3d 可撓部 3e 重錘部 3f 配線溝 4,5 ,4´,5´ 補強膜 6,7 絶縁膜 8 リード線 9 ホイートストンブリッジ回路 SG1〜SG4 ひずみゲージ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定対象に附随して一体的に運動する
    従動部に可撓部を介して重錘が支持され、前記従動部が
    加速度を受けたとき前記重錘がその従動部に対し相対変
    位するときのひずみをひずみゲージにより電気信号に変
    換して当該加速度の検出を行う方式の加速度変換器にお
    いて、 梁の中間部に、相対する側周面の両側から一定深さのス
    リットをそれぞれ形成することで、基端側には剛性の大
    きな従動部を、先端側には剛性の大きな重錘部を、中間
    部には可撓性を有する可撓部を、それぞれ設けてなる片
    持梁と、 この片持梁の中間部に形成された一対のスリットを跨ぐ
    ようにして前記従動部と前記重錘部の前記両側周面にそ
    れぞれ接合された可撓性を有する薄膜からなる1対の補
    強膜と、 この1対の補強膜の反スリット側表面部にそれぞれ添着
    された薄肉の1対の絶縁膜と、 この1対の絶縁膜の反スリット側表面に添着形成された
    ひずみゲージと、 を有し、前記重錘部に作用する加速度で前記片持梁が変
    形することによって前記補強膜に作用する引張・圧縮ひ
    ずみを、前記1対のひずみゲージで検出し得るように構
    成したことを特徴とする加速度変換器。
  2. 【請求項2】 被測定対象に附随して一体的に運動する
    従動部に可撓部を介して重錘が支持され、前記従動部が
    加速度を受けたとき前記重錘がその従動部に対し相対変
    位するときのひずみをひずみゲージにより電気信号に変
    換して当該加速度の検出を行う方式の加速度変換器にお
    いて、 梁の中間部に、相対する側周面の両側から一定深さのス
    リットをそれぞれ形成することで、基端側には剛性の大
    きな従動部を、先端側には剛性の大きな重錘部を、中間
    部には可撓性を有する可撓部を、それぞれ設けてなる片
    持梁と、 この片持梁の中間部に形成された一対のスリットを跨ぐ
    ようにして前記従動部と前記重錘部の前記両側周面にそ
    れぞれ接合された可撓性および絶縁性を有する薄膜から
    なる1対の補強膜と、 この1対の補強膜の反スリット側表面に添着形成された
    ひずみゲージと、 を有し、前記重錘部に作用する加速度で前記片持梁が変
    形することによって前記補強膜に作用する引張・圧縮ひ
    ずみを、前記1対のひずみゲージで検出し得るように構
    成したことを特徴とする加速度変換器。
  3. 【請求項3】 前記補強膜は、ヤング率が7000kg/
    mm2 以上の薄膜よりなることを特徴とする請求項1に記
    載の加速度変換器。
  4. 【請求項4】 前記補強膜の膜厚は、1〜10μmであ
    ることを特徴とする請求項1、2または3に記載の加速
    度変換器。
  5. 【請求項5】 前記補強膜とひずみゲージとの間に設け
    られる絶縁膜の厚さは、1〜10μmであることを特徴
    とする請求項1に記載の加速度変換器。
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