JP2939719B2 - 被乾燥体の連続乾燥システム - Google Patents

被乾燥体の連続乾燥システム

Info

Publication number
JP2939719B2
JP2939719B2 JP33446595A JP33446595A JP2939719B2 JP 2939719 B2 JP2939719 B2 JP 2939719B2 JP 33446595 A JP33446595 A JP 33446595A JP 33446595 A JP33446595 A JP 33446595A JP 2939719 B2 JP2939719 B2 JP 2939719B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dried
chamber
drying
air
room
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP33446595A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09178342A (ja
Inventor
川 晋 清
澤 マサル 柳
木 秀 男 並
内 徹 竹
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Misato Co Ltd
Original Assignee
Misato Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Misato Co Ltd filed Critical Misato Co Ltd
Priority to JP33446595A priority Critical patent/JP2939719B2/ja
Publication of JPH09178342A publication Critical patent/JPH09178342A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2939719B2 publication Critical patent/JP2939719B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は被乾燥体の連続乾燥シス
テムに関し、詳しくは海産物、農産物、花、木、あるい
は牧草等を効率的に連続して乾燥させることのできる被
乾燥体の連続乾燥システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来からアジ、サバなどを始めとして各
種の海産物から、長期間保存がきき、しかも独特の風味
を兼ね備えた干物が製造され、市場に提供されている。
【0003】このような従来の干物等の乾燥システムで
は、図5に示したように、被乾燥体1が収納された乾燥
室2の側方にボイラー等の加熱手段3を配置し、この加
熱手段3から発生させた熱風あるいは温風を、乾燥室2
内に送出させる一方、この乾燥室2内の空気を冷却室4
内に導入し、該冷却室4内で乾燥室2から導いた空気を
冷却および除湿し、この除湿処理された空気を、再度加
熱手段3に通して乾燥室2内に送出している。また、前
記冷却室4内で除湿処理された一部の空気はそのまま乾
燥室2内に送出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の被乾燥体の乾燥システムでは、加熱手段3から供
給される温風等で乾燥室2内の温度を上昇させ、この熱
で被乾燥体1の表面から水分を乾燥させるので、乾燥の
始めから製品を得るまでの間に多数の日数がかかってい
た。また、従来の乾燥システムでは、一回に処理できる
被乾燥物の量に限界があり、短時間で多量に処理するこ
とができない。さらに、加熱に際しても多量のエネルギ
ーが必要になり、結果的に被乾燥体がコスト高になる要
因になっていた。
【0005】本発明は上記実情に鑑み、短時間で多量の
被乾燥体を連続して製造することができ、しかも乾燥す
るにあたり熱効率が良く、安価で製造することができる
被乾燥体の連続乾燥システムを提供することを目的とし
ている。
【0006】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
めの本発明に係る被乾燥体の連続乾燥システムは、室内
を減圧又は常圧状態となし得る第一予備室圧力調整手
段、及び外部から被乾燥体を搬入するための開閉自在な
第一搬入口を具備する第一予備室と、 前記第一予備室に
開閉自在な第二搬入口を介して連通する室であって、室
内を減圧状態に保持できる乾燥室圧力調整手段、被乾燥
体を加熱する赤外線ヒータ、室内を殺菌する紫外線照射
装置、及び第二搬入口から搬入された被乾燥体を一方向
に搬送する搬送手段を具備する乾燥室と、 前記乾燥室に
開閉自在な第一搬出口を介して連通する室であって、室
内を減圧又は常圧状態となし得る第二予備室圧力調整手
段、及び第一搬出口から収容された被乾燥体を外部に搬
出するための開閉自在な第二搬出口を具備する第二予備
室と、 被乾燥体を搭載するラックとからなる被乾燥体の
連続乾燥システムにおいて、
【0007】 前記乾燥室内に、被乾燥体搬送方向に沿
う側壁面により画成された送風手段を配設し、前記送風
手段から送出される空気流が前記搬送手段によって所定
の方何に連続的に搬送される被乾燥体を横切るようにす
ることを特徴としている。
【0008】 また、このような空気流を形成する場合
には、送風手段を被乾燥体搬送方向に複数配列すると
ともに、乾燥室内の空気を吸引する室内吸引手段を、送
風手段と搬送手段を挟んで対向するように複数設け、第
一搬出口に最も近い送風手段は、乾燥室外部の空気によ
って乾燥室内に空気流を形成し、他の送風手段は、第一
搬送出口側に隣接する室内吸気手段に吸気された乾燥室
内空気によって空気流を形成し、かつ、第二搬入口に最
も近い前記室内吸気手段に吸引された乾燥室内空気は、
乾燥室外部に排出するようにすることが、乾燥室内に導
入される空気を効率的に利用する上で、特に、望まし
い。
【0009】 本発明では、乾燥室内の、第一搬出口が
形成される端壁面に、略水平方向の空気流を生じさせる
送風手段を配設し、この送風手段から送出される空気よ
り、前記被乾燥体の搬送方向に向かって空気流を形成し
てもよい。
【0010】 また、本発明では、乾燥室内の天井に、
略垂直方向の空気流を生じさせる送風手段を配設し、こ
の送風手段から送出される空気より、前記被乾燥体の搬
送方向に対して直角をなす空気流を形成してもよい。
【0011】
【作用】 上記構成による本発明によれば、減圧状態と
なった第一予備室を介して乾燥室へ被乾燥体を搬入し、
乾燥室からの乾燥体の搬出を減圧状態となった第二予備
室を介して行っているため、乾燥室内の温度条件および
減圧度を余り変化させずに、被乾燥体の搬入および乾燥
体の搬出を連続的に行うことができ、一定条件下、少な
いエネルギーで連続的に多量の乾燥体を製造できる。
【0012】 また、本発明では、乾燥室内の減圧状態
にした状態で赤外線ヒータから赤外線を照射して被乾燥
体を加熱しているので、小ない投入エネルギーにもかか
わらず、被乾燥体の表面のみならず、内部からも水分を
蒸発させることができ、短時間のうちに被乾燥体を乾燥
させることができる。
【0013】 その上、本発明にあっては、乾燥室内を
所定の方向に向かって連続的に搬送されている被乾燥体
に対して、被乾燥体の搬送方向を横切る方向の空気流が
供給されるため、被乾燥体が移動方向に対して横手方向
からの新鮮な空気に絶えず晒されることになる。 その結
果、乾燥中の被乾燥体が水分を含んだ湿潤空気に触れな
くなるのみならず、被乾燥体から水分の蒸発が促進さ
れ、被乾燥体が鮮度を保った状熊で速やかに乾燥され
る。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明に係る被乾
燥体の連続乾燥システムを、その好ましい実施例に基づ
き、具体的に説明する。実施例1 図1は本発明に係る被乾燥体の乾燥システムの第一の実
施例(実施例1)を示す概略断面図であり、図2はその
概略を一部破断して示した斜視図であり、図3は図1の
A−A線断面図であり、図4は、その平断面図である。
【0015】図示されるように、この連続乾燥システム
10は、周囲が断熱材で囲繞された、一方向に長い長方
形状の建造物の中に構成されている。この乾燥システム
10は、外部から搬入した被乾燥体15を一旦収容する
ための第一予備室6と、被乾燥体15を減圧状態で加熱
して乾燥する乾燥室11と、乾燥室11で乾燥された乾
燥体15aを一旦収容する第二予備室7とを備えてお
り、これら室は各々壁で仕切られている。そして、第一
予備室6は、外部から被乾燥体15を搬入するための第
一搬入口8を備えており、乾燥室11とは第二搬入口1
3を介して連通する。また、第二予備室7は、乾燥室1
1と第一搬出口14を介して連通し、かつ乾燥体15a
を外部に搬出するための第二搬出口9を有している。
【0016】第一および第二の搬入口8、13と、第一
および第二の搬出口14、9は、自動扉によって開閉さ
れる。これら自動扉は、これら搬入口8、13および搬
出口14、9を気密に閉鎖することができる。
【0017】第一予備室6には、被乾燥体15を搬入・
搬出するためのベルトコンベア51が設置されるととも
に、排気手段61と弁手段62とが設けられている。こ
れら排気手段61および弁手段62は、第一予備室圧力
調整手段を構成する。すなわち、排気手段61は、ファ
ン61aを有しており、第一予備室6内の空気はファン
61aで吸引され、配管61bを介して屋外に排出され
る。弁手段62は、バタフライ弁62aの開度を調節す
ることにより、屋外から予備室6内に導入する空気量を
調節する。
【0018】このような第一予備室圧力調整手段は、制
御装置30によって、自動扉の開閉とともに、その駆動
および停止を制御される。すなわち、第一の予備室6を
常圧状態とする場合、排気手段61の駆動が停止され、
弁手段62はバタフライ弁62aを開放して外気を予備
室6内に導入する。このような常圧状態では、第二搬入
口13は閉鎖されており、第一搬入口14の自動扉は、
屋外と第一予備室6との圧力差がないため自在に開閉で
きる。
【0019】第一の予備室6を減圧状態とする場合に
は、排気手段61が駆動され、弁手段62はバタフライ
弁62aを閉止するか、あるいは減圧度を適度に、即ち
乾燥室11内と略同一となるよるように調節し得る程度
にしか開かない。このような減圧状態では、第一搬入口
8は閉鎖されており、第二搬入口13の自動扉は、第一
予備室6と、減圧状態の乾燥室11との圧力差がないた
めに自在に開閉することができる。
【0020】乾燥室11内には、第二搬入口13と第一
搬出口14との間に、物品を搬送することができる搬送
手段としてベルトコンベア50が設置されている。さら
に、乾燥室11内には、給気手段18と排気手段19と
が別々に設けられ、給気手段18の給気口18aは上部
に、排気手段19の排気口19aは下部にそれぞれ配置
されている。これら給気手段18および排気手段19
は、乾燥室11内を減圧状態を維持する乾燥室圧力調整
手段を構成する。
【0021】すなわち、給気手段18は、配管20を介
して屋外の新鮮な空気を乾燥室11内に導入させるもの
で、屋外の空気はファン21で吸引される。一方、排気
手段19は、ファン19bを有し、乾燥室11内の加湿
空気を配管22を介して屋外に排出する。
【0022】また、給気手段18および排気手段19の
配管20、22は、それぞれ不図示のバルブに接続さ
れ、自動あるいは手動により管路の開度を調整できるよ
うになっている。このような、給気手段18および排気
手段19は、制御装置30により、排気手段19の排気
能力が、吸気手段18の吸気能力より大きくなるように
し、乾燥室11内の圧力を減圧状態に維持するように調
節される。
【0023】乾燥室11の上方部には、第2の部屋12
が画成されている。この部屋12の底壁は乾燥室11の
天井11aを構成し、この天井11aには、複数の赤外
線ヒータ23、23…23が所定間隔離して略直線状に
並べられており、これらの赤外線ヒータ23も制御装置
30で調節されている。赤外線ヒータ23は、被乾燥体
15に赤外線、望ましくは0.8μmより長い波長、さ
らに望ましくは0.8μmを超え、10μm以下の波長
を有する赤外線を照射する。このような赤外線ヒータ2
3を使用することにより、高い赤外線放射効率により少
ない投入エネルギーで被乾燥体の表面のみならず中心部
からも水分を放出させることができる。
【0024】また、乾燥室11内には温度センサ31が
設置されており、この温度センサ31の検出温度に基づ
いて赤外線ヒータ23の調整が可能になっている。この
温度センサ31は、加熱・乾燥室内の雰囲気の温度では
なく、赤外線ヒータ23から照射される赤外線を吸収し
た被乾燥体の温度を検知、あるいはモニタし得る輻射熱
温度測定センサであることが好ましい。
【0025】さらに、乾燥室11内には、複数箇所に紫
外線照射装置40が設置されており、この紫外線照射装
置40から所定時間、あるいは定期的に紫外線を照射す
ることにより、雑菌等を死滅させることが可能になって
いる。これにより、干物等を製造する場合であっても、
乾燥しながら確実に雑菌を死滅させることができる。
【0026】また、図3および図4に示したように、乾
燥室11には、その相対向する一対の長側壁に沿って、
それぞれ隔壁板32、33が立設され、これらの隔壁板
32、33と各長側壁との間に、それぞれ狭い間隙が画
成されている。また、これら間隙は、複数の仕切り板3
4によりそれぞれ空間a、b、c、d…および空間
a’、b’、c’、d’…に区画されている。すなわ
ち、略1つ分の赤外線ヒータ23の幅で、上記間隙が小
空間に区画されている。また、隔壁板32、33には、
床より若干高い位置から高さ方向に向かって開口35、
36が多数形成されている。
【0027】さらに、図示したように、部屋12に直線
状に並べられた赤外線ヒータ23の側方には、空気を強
制的に導入しその空気を循環させる循環送風手段として
シロッコファン37が互い違いとなる位置に設置されて
いる。これらシロッコファン37は、1つの赤外線ヒー
タ23に対し1つ具備されており、シロッコファン37
の設置する位置としては、図4に示したように、空間
a、cの上部と空間b’、d’の上部である。すなわ
ち、シロッコファン37は、一台目は入口側開口13か
ら見て左に、二台目は右に、三台目は左のように、左右
交互に配置されている。また、このような位置に配置さ
れるシロッコファン37は、空間a、cおよび空間
b’、d’内に風を送るように、各々送風口が下方に向
けられている。
【0028】上述した乾燥室圧力調整手段を構成する吸
気手段18によって、一旦、乾燥室11の上部に形成さ
れた第2の部屋12内に導入された空気は、シロッコフ
ァン37によって、上記空間a、b’、c、d’…に導
入され、次いで隔壁板32、33に形成された開口35
(36)から噴出され、次いで開口36(35)および
空間a’、b、c’、dを介して部屋12に戻り、かく
して乾燥室11内を循環することとなる。
【0029】すなわち、開口35、36を多数形成し、
各位置にシロッコファン37を設置することにより、例
えば、空間a内の空気を開口35から略水平方向に噴出
させることができ、逆に、これに対向する空間a’で
は、噴出してくる空気を開口36を介して吸入できるよ
うになっている。また、空間b’の空気は、開口36か
ら噴出され、噴出された空気は開口35を介して空間b
に吸収される。このように、長方形状の乾燥室11内で
は、幅方向に略水平方向の空気流が交互に生じるように
なっている。
【0030】また、乾燥室11と第一搬出口14を介し
て連通する第二予備室7には、乾燥体15aを搬入・搬
出するためのベルトコンベア52が設置されるととも
に、排気手段63と弁手段64とが設けられている。こ
れら排気手段63と弁手段64は、第二予備室圧力調整
手段を構成する。すなわち、排気手段63は、ファン6
3aを有しており、第二予備室7内の空気はファン63
aで吸引され、配管63bを介して屋外に排出する。弁
手段64は、バタフライ弁64aの開度を調節すること
により、屋外から予備室7内に導入する空気量を調節す
る。
【0031】第二予備室圧力調整手段を構成するこれら
排気手段63と弁手段64とは、制御装置30によっ
て、自動扉の開閉とともに、その駆動および停止を制御
され、第一予備室圧力調整手段と同様にして、第二予備
室7内を減圧状態または常圧状態とする。
【0032】そして、第二予備室7内が減圧状態である
場合、第二搬出口9は閉鎖されており、第一搬出口14
の自動扉は、第二予備室7および乾燥室11との圧力差
がないために自在に開閉することができる。また、第二
予備室7内が常圧状態である場合、第一搬出口14は閉
鎖されており、第二搬出口9の自動扉は、屋外と第二予
備室7との圧力差がないため自在に開閉できる。
【0033】本実施例による被乾燥体の連続乾燥システ
ム10は上記のように構成されているが、以下にその動
作について説明する。先ず、多数の被乾燥体15として
の魚は、棚状のラック16に並べられ、さらにキャスタ
付きの載置台17に搭載される。なお、このラック16
は、アルミニウム等の熱伝導率の高い材料から形成され
ていることが好ましい。例えば、アルミニウムで形成す
ることにより、後述の赤外線ヒータ23からの熱をこの
ラック16で効果的に反射させることができ、この熱で
被乾燥体15の乾燥を促進させることができる。
【0034】本実施例では、このように多数の被乾燥体
15を載せたラック16が、乾燥システム10の前に移
動され、後述の乾燥工程に付されることとなる。被乾燥
体15を搭載したラック16の搬入に際して、乾燥室1
1内の給気手段18、排気手段19および赤外線ヒータ
23等は、それぞれ稼動されており、これにより乾燥室
11全体の空調がなされている。また、第一および第二
の搬入口8、13と、第一および第二の搬出口14、9
は、最初は閉鎖されている。
【0035】このような状態で、先ず、第一予備室圧力
調整手段では、排気手段61の駆動が停止され、弁手段
62はバタフライ弁62aを開放して外気を予備室6内
に導入する。したがって、第一予備室6は常圧状態とな
る。
【0036】第一予備室6が常圧状態となったときに、
載置台17が第一予備室6の前に移動されると、図示し
ないセンサがこの載置台17の存在を検知し、その信号
に基づいて第一搬入口8の自動扉が開となる。第一予備
室6は常圧状態で屋外との圧力差がないため、第一搬入
口8の自動扉は、抵抗なく自在に開放できる。また、第
一搬入口8が開放される場合、第二搬入口13は閉鎖さ
れ、乾燥室11を第一予備室6および屋外から気密に隔
離しているため、乾燥室11内の減圧状態等が攪乱され
ることはない。
【0037】その後、載置台17から上部のラック16
のみを第1の予備室6内のベルトコンベア51上に乗せ
る。そして、ベルトコンベア51の駆動により、ラック
16が第一予備室6に一旦収容される。ラック16の収
容が終了すると、第一搬入口8が閉鎖されて、第一予備
室6は、野外からも気密に隔離されることとなる。
【0038】次いで、第一予備室圧力調整手段では、弁
手段62がバタフライ弁62aが閉止されるとともに、
排気手段61が駆動がされて第一予備室6内の空気を吸
引して屋外に排出し、その結果第一予備室6は減圧状態
となる。
【0039】そして、第一予備室6の減圧度が乾燥室1
1と略同一となるまて下げられた時点で、ラック15は
ベルトコンベア51によって乾燥室11の第二搬入口1
3に向かって搬送される。搬送されたラック16が、図
示しないセンサに検知されると、その検知信号に基づい
て第二搬入口13の自動扉が開となり、この第二搬送口
13を介してラック16が乾燥室11内に搬入される。
この際、第一予備室6は減圧状態で、乾燥室11との圧
力差がないため、第二搬入口13の自動扉は、抵抗なく
自在に開放できる。また、第二搬入口13が開放される
場合、第一搬入口8は閉鎖されたままであり、したがっ
て乾燥室11は屋外から気密に隔離されるため、乾燥室
11内の減圧状態等が攪乱されることはない。
【0040】乾燥室11にラック16が搬入された後、
第二搬入口13は閉鎖され、第一予備室6は、再度乾燥
室11および屋外の両方から気密に隔離される。そし
て、第一予備室6は、第一予備気圧調整手段によって上
述したように常圧状態とされ、次回のラック16搬入が
上述した手順で繰り返し行なわれることとなる。
【0041】また、ラック16が順次搬入される乾燥室
11内は、ラック16がベルトコンベア50により、さ
らに下流に搬送され、乾燥室11での滞留時間中に、所
定の条件下で乾燥されることになる。
【0042】すわなち、乾燥室11内では、給気手段1
8を介して外部の新鮮な空気が乾燥室11内に供給され
る。また、排気手段19を介して乾燥室11内の空気が
外部に排出されている。このように給気および排気手段
を備えた乾燥室11内では、給気能力に比べて排気能力
を大幅に増やすことにより、圧力が例えば、大気圧より
3mb以上、好ましくは10mb以上低い圧力に維持され
る。
【0043】さらに、乾燥室11内では、複数の赤外線
ヒータ23の稼動により、天井11aから被乾燥体15
が吸収しやすい赤外線が放射されている。一方、第2の
部屋12内の空気は、各シロッコファン37により、所
定の空間a、b’、c、d’内に供給される。これによ
り、入口側開口13に近い一台目の赤外線ヒータ23の
下方では、左側の空間a内に空気が導入され、この導入
された空気は、開口91から矢印Aで示すように略水平
方向に噴出している。これにより、この近傍にある被乾
燥体15は、特にこのA方向の空気流の流れを受けて水
分の蒸発が促進されることになる。
【0044】一方、入口側開口13側から見て2台目の
赤外線ヒータ23では、シロッコファン37を右側に設
置したので、この右側の空間b’内に空気が導入され、
その導入された空気は開口36から矢印Bで示すように
略水平方向に噴出されている。これと同様に、3台目で
は矢印A方向に4台目では矢印B方向に導入空気が噴出
されている。すなわち、乾燥室11内では、部分的に空
気が循環されるとともに、各赤外線ヒータ23の下方で
は、水平方向の空気の流れが交互に生じている。
【0045】このように、所定の条件に設定された乾燥
室11内で上記のように並べられた被乾燥体15が順次
乾燥されて、乾燥体15aが製造されることになる。ま
た、乾燥室11内に所定時間滞留し、乾燥が終了した乾
燥体15aを載せたラック16、即ち図1中もっとも右
側にあるラック16は、第一搬出口14を介して乾燥室
11から搬出される。
【0046】乾燥体15aの搬入に先立って、弁手段6
4がバタフライ弁64aを閉止するとともに、排気手段
63が駆動がされて第二予備室7内の空気を吸引して屋
外に排出するため、第一予備室7は減圧状態となる。
【0047】そして、第二予備室7の減圧度が、乾燥室
11と略同一となるまて下げられた時点で、乾燥体15
aを載せたラック16が、図示しないセンサに検知され
ると、その検知信号に基づいて第一搬出口14の自動扉
が開となり、この第一搬出口13を介してラック16が
第一予備室11内に収容される。この際、第二予備室7
は減圧状態で、乾燥室11との圧力差がないため、第一
搬出口14の自動扉は、抵抗なく自在に開放できる。ま
た、第一搬出口14が開放される場合、第二搬出口9は
閉鎖されたままであり、したがって乾燥室11は屋外か
ら気密に隔離されるので、乾燥室11内の減圧状態が攪
乱されることはない。
【0048】ラック16の第二予備室への収容が終了す
ると、第一搬出口13が閉鎖されて、第二予備室7は、
乾燥室からも気密に隔離されることとなる。次いで、第
二予備室圧力調整手段では、排気手段63の駆動が停止
され、弁手段64はバタフライ弁64aを開放して外気
を予備室7内に導入する。
【0049】したがって、第二予備室7は常圧状態とな
り、この状態で、第二搬出口9の自動扉が開となる。第
二予備室7が常圧状態で屋外との圧力差がないため、第
二搬出口9の自動扉は、自在に開閉できる。また、第二
搬出口9が開放される場合、第一搬出口14は閉鎖され
ており、乾燥室11が屋外から気密に隔離されるので、
乾燥室11内の減圧状態が攪乱されることはない。
【0050】その後、開放された第二搬出口9から、ベ
ルトコンベア52でラック16を屋外に搬出し、外方に
用意にした載置台17の上に乗せ換えるとともに、再び
第2の予備室7の第二搬出口9を閉鎖する。したがっ
て、第二予備室7は、再度乾燥室11および屋外の両方
から気密に隔離される。そして、第二予備室7は、第二
予備気圧調整手段によって上述したように減圧状態とさ
れ、次回のラック16搬出が上述した手順で繰り返し行
なわれることとなる。
【0051】このように、本実施例の連続乾燥システム
10によれば、減圧状態となった第一予備室6を介して
乾燥室11へ被乾燥体15をのせたラック16を搬入
し、乾燥室11からの乾燥体15aをのせたラック16
の搬出を減圧状態となった第二予備室7を介して行なっ
ているため、屋外の空気が直接乾燥室11と流通するこ
とがない。したがって、本システム10では、屋外から
の空気の流入によって、室11内の諸条件が攪乱される
ことがなく、乾燥室11内の温度条件および減圧度を余
り変化させずに、被乾燥体15の搬入をよび乾燥体15
aの搬出を連続的に行うことができ、少ないエネルギー
損失で、一定条件下、連続的に多量の乾燥体15aを製
造することができる。
【0052】また、本実施例によれば、乾燥室11内が
赤外線により均一に加熱され、しかも室内が排気手段1
9により常に減圧され、さらには被乾燥体15が収容さ
れている付近に水平方向の空気流の流れが生じ、室内空
気が循環されているので、どの位置にある被乾燥体15
であっても速やかにかつ均一に乾燥することができる。
また、ラック16を構成するアルミニウムによる輻射熱
の乱反射によって、被乾燥体が均一に加熱され、乾燥が
促進される。
【0053】本発明の連続乾燥システム10において、
被乾燥体15として、例えばサケを用いた場合、乾燥さ
れたサケには、紫外線照射の作用も相まって雑菌が少な
いため、賞味期間を従来の1ヵ月に比べて、6ヵ月以上
と長くすることができ、大幅に延長することができた。
さらに、被乾燥体15として魚を用いた場合、乾燥時間
が短いことから乾燥体の酸化が進むことがなく、これに
より鮮度の良い干物ができ、食した場合に美味である。
【0054】なお、本実施例の連続乾燥システム10で
は、被乾燥体15として、様々な魚を連続的に乾燥でき
るが、被乾燥体15は、魚に限定されない。具体的に
は、被乾燥体15として、例えば、アジ、サバ、サケ、
片口鰯、畳鰯、鰈などの魚類の他、タコ、ホタテ、アサ
クサノリ、コンブ、桜貝、海鼠などの他の海産物を挙げ
ることができる。
【0055】また、被乾燥体15として、材木および農
産物、例えば米などの穀類、柿などの果物、およびピー
マン、ニンジン、キャベツ、塊茎(ジャガイモ)または
サツマイモ、タケノコおよびきのこ類などの野菜、花
(ドライフラワー)、および獣骨などを用い、乾燥させ
ることもできる。
【0056】さらに、被乾燥体15としては、洗濯物、
洗浄後の工業製品、たとえば洗浄後のICチップの乾燥
にも適用することができる。特に上記実施例の連続乾燥
システム10では、大量の被乾燥体15を連続的に乾燥
し、かつ滅菌あるいは減菌できるため、長距離輸送を必
要とする牧草を乾燥するのにも好適である。
【0057】従来、牧草は、生産地において刈取られ、
未乾燥あるいは半乾燥のまま梱包されて遠方に輸送され
ていたため、実質量の割に重量があり、コスト高になっ
ていた。
【0058】本実施例のシステム10で牧草を乾燥すれ
ば、生産地において短時間で充分乾燥させて体積低減お
よび軽量化を図り、運送コストを低くして経済性を一段
と向上させることができる。この場合、牧草は、ラック
を用いず、適当な大きさに梱包された状態でベルトコン
ベア50〜52によって第一予備室6、乾燥室11およ
び第二予備室7を順次搬送して、連続乾燥してもよい。
【0059】以上、本発明をその好ましい実施例を挙げ
て説明したが、本発明の連続乾燥システムは、この実施
例に限定されるものではない。即ち、本発明では、乾燥
室は、室内圧力を減圧状態に保持できる乾燥室圧力調整
手段、被乾燥体を平均加熱する赤外線ヒータ、および第
二搬入口から搬入された被乾燥体を一方向に搬送する搬
送手段を具備し、これを挟んで隣接する第一および第二
の予備室と、気密に閉鎖可能な開口によって連通してい
る限り、特にその構成を限定されない。
【0060】例えば、上記実施例では、赤外線ヒータ2
3を天井に設置しているが、この赤外線ヒータ23は天
井に限らず、左右の壁面に設置しても良い。上記実施例
では、給気手段18を上部に、排気手段19を下部に設
けているが、これに代え、給気手段18を下部に排気手
段19を上部に設けても良い。また、給気口18a、お
よび排気口19aの数などは実施例に何ら限定されな
い。また、このようなシステムは、大型なものから小型
なものまで、種々実施することができる。
【0061】また、上記実施例では、乾燥室11内で
は、水平方向の空気の流れを交互に生じるようにしてい
るが、これに代え、全て同一の水平方向に空気を送るよ
うにしても良い。あるいは、1つおきに交互になるよう
にした空気の流れを一定時間毎に逆向きになるように設
定することもできる。このように、空気流の流れを、例
えば、一定時間毎に逆向きになるようにすれば、空気の
循環をより均一化することができ、また多数の被乾燥体
をより均一に乾燥することができる。
【0062】さらに上記実施例では、搬送手段として、
ベルトコンベアを例示したが、ベルトコンベアに代え
て、ローラーコンベアを使用することもできる。あるい
は、載置台17を用いず、ラックを直接ホークリフト等
で搬送手段上に運搬するようにできる他、載置台17の
キャスタ自体を搬送手段として用いる構成とすることも
できる。また、ベルトコンベア50、51、52等の制
御は何ら限定はない。また、各開口に設置される扉は自
動扉でなくても良い。
【0063】本実施例では、乾燥体15を収容したラッ
ク16を直線的に移送させるようにしているが、乾燥室
11内に環状の走路を形成し、この走路を移動させなが
ら、乾燥させることもできる。また、天井などから吊り
下げた状態で乾燥することもできる。
【0064】ここで、添付図6または図7を参照して、
乾燥室内の空気流の形成手段を改変した本発明の他の実
施例2および3を具体的に説明する。実施例2 先ず、添付図6は、本発明に係る連続乾燥システムの第
二の実施例(実施例2)における乾燥室を示す概略断面
図であり、図示されるように、この連続システム110
は、地上に建設された鉄骨床下構造100上に設けられ
ている。また、本実施例の連続システム110は、周囲
が断熱材で囲繞された、一方向に長い長方形状の箱状建
築物である。そして、鉄骨床下構造100上に設けられ
る以外は前記第一の実施例と同様に、乾燥室11の前後
に隣接して第一および第二予備室(不図示)を備えてい
る。また、これら第一および第二予備室は、第一の実施
例と同様の構成および機能を有している。
【0065】本実施例の乾燥室11は、前記実施例と同
様の第二搬入口および第一搬出口(不図示)を有してお
り、これらの間に物品を搬送することができる搬送手段
としてベルトコンベア150が設置されている。ベルト
コンベア150は、鉄骨床下構造100に取付けられた
駆動モータ151aと、この駆動モータ151aによっ
て、駆動ベルト151bおよび駆動軸151cを介して
駆動される無端ベルト151dとを備える。
【0066】乾燥室11の上方部には、第2の部屋12
が画成されている。この部屋12の底壁は乾燥室11の
天井11aを構成し、この天井11aには、赤外線ヒー
タ23が所定間隔離して略直線状に並べられており、こ
れらは温度センサの検出温度に基づいてその出力が調整
される。
【0067】また、乾燥室11には、その相対向する一
対の長側壁に沿って、それぞれ隔壁板32、33が立設
され、これらの隔壁板32、33と各長側壁との間に、
それぞれ狭い間隙a,a’が画成されている。(これら
間隙は、赤外線ヒータ23の幅で、小空間に区画されて
いてもよい。)隔壁板32、33には、床より若干高い
位置から高さ方向に向かって開口35、36が多数形成
されている。
【0068】上記第二の室12は、吸気手段18を構成
する吸気ダクト118が接続され、かつ一方の間隙aの
上面は、この第二の室12内に開放されている。また、
他方の間隙a’は、第2の室12とは隔絶されており、
排気手段19を構成する排気ダクト119が接続されて
いる。
【0069】吸気手段18は、この吸気ダクト119
と、吸気ダクト118に接続される吸気ファン、フィル
タおよびダンパ(各々不図示)とを備えている。また、
排気手段19は、排気ダクト119に接続されるダンパ
および排気ファン(各々不図示)を備える。
【0070】このような給気手段18および排気手段1
9は、乾燥室11内を減圧状態を維持する乾燥室圧力調
整手段を構成するとともに、送風手段を構成する。すな
わち、給気手段18は、屋外の新鮮な空気を乾燥室11
内に導入させるもので、吸気ダクト118から室12に
導入された屋外の空気は、間隙aおよび隔壁板32の開
口35を介して乾燥室11内に流入する。一方、排気手
段19は、乾燥室11内の加湿空気を屋外に排出するも
のであり、乾燥室11内の空気は、隔壁板33の開口3
6を介して間隙a’に流入し、次いで排気ダクト119
から排出される。
【0071】この際、給気手段18および排気手段19
は、自動あるいは手動により上記ダンパの開度を調整さ
れる。この開度は、具体的には、排気手段19の排気能
力が、吸気手段18の吸気能力より大きくなるようにし
て、乾燥室11内の圧力を減圧状態に維持するように調
節される。
【0072】さらに、上述した乾燥室圧力調整手段を構
成する吸気手段18の吸気ダクト118から、第2の部
屋12および間隙a内に導入され、隔壁板32に形成さ
れた開口36から乾燥室11内へ略水平方向に噴出した
屋外の空気は、ラック16に収容された被乾燥体15の
搬送方向と直角の空気流を形成する。そして、この空気
流を形成して隔壁板32に到達し、その間に加湿された
空気は、開口35から間隙aに導入され、排気手段19
の排気ダクト119から屋外に排出される。このよう
に、長方形状の乾燥室11内では、幅方向に略水平方向
の空気流が生じるようになっている。
【0073】このような本実施例の乾燥室を用いた連続
乾燥システム110にあっても、前記第一の実施例と同
様の構成および機能を有する第一および第二の予備室
と、この乾燥室11とによって、前記実施例と同様の効
果を得ることができ、乾燥室11内では、圧力が減圧状
態に維持され、かつ赤外線ヒータ23で均一に加熱され
た被乾燥体15の水分の蒸発を、略水平方向の空気流に
よってさらに促進されることとなる。
【0074】実施例3 次に、添付図7は、本発明に係る連続乾燥システムの第
三の実施例(実施例3)の構成を示す概略平面図であ
り、図示されるように、この連続乾燥システム150
は、外部から搬入した被乾燥体を一旦収容するための第
一予備室6と、被乾燥体を減圧状態で加熱して乾燥する
乾燥室11と、乾燥室11で乾燥された乾燥体を一旦収
容する第二予備室7とを備えている。そして、第一予備
室6は、外部から被乾燥体を搬入するための第一搬入口
8を備えており、乾燥室11とは第二搬入口13を介し
て連通する。また、第二予備室7は、乾燥室11と第一
搬出口14を介して連通し、かつ乾燥体を外部に搬出す
るための第二搬出口9を有している。
【0075】そして、第一および第二の搬入口8、13
と、第一および第二の搬出口14、9は、これらを気密
に閉鎖し得る自動扉によって開閉される。第一予備室6
は、被乾燥体を搬入・搬出するための搬送手段(不図
示)が設置されるとともに、排気手段61と弁手段62
とが設けられている。これら排気手段61および弁手段
62は、第一の実施例と同様に機能し、第一および第二
の搬入口8、13の自動扉の動作に合わせて、第一予備
室6内を減圧または常圧状態とする第一予備室圧力調整
手段を構成する。
【0076】また、乾燥室11と第一搬出口14を介し
て連通する第二予備室7には、乾燥体を搬入・搬出する
ための搬送手段(不図示)が設置されるとともに、排気
手段63と弁手段64とが設けられている。これら排気
手段63と弁手段64は、第一の実施例と同様に機能
し、第一および第二の搬出口9、14の自動扉の動作に
合わせて、第二予備室7内を減圧または常圧状態とする
第二予備室圧力調整手段を構成する。
【0077】乾燥室11内には、第二搬入口13と第一
搬出口14との間に、物品を搬送することができる搬送
手段(不図示)が設置されている。また、乾燥室11
は、被乾燥体の搬送方向(図中矢印X参照)と逆方向か
ら、6つの区画A〜Fに区分されており、各区画A〜F
各々の天井には、1個づつ赤外線ヒータ(不図示)が配
設されている。
【0078】また、乾燥室11には、各区画A〜F毎
に、その相対向する一対の長側壁に沿った隔壁板32、
33が立設され、これらの隔壁板32、33と各長側壁
との間に、噴出空気貯留室a〜fおよび吸入空気貯留室
a’〜f’が各々対向して形成される。また、隔壁板3
2、33には、床より若干高い位置から高さ方向に向か
って開口35、36が多数形成されている。
【0079】そして、乾燥室11の第二予備室7に最も
近い区画Aの噴出空気貯留室aには、吸気手段18の吸
気管路168aが接続されている。吸気手段18は、さ
らにこの吸気管路168aに接続されるフィルタ168
bおよびダンパ168cを備えており、フィルタ168
b上流側の吸気ファン(不図示)によって屋外の空気を
噴出空気貯留室aに導入する。
【0080】区画A〜Dの吸入空気貯留室a’〜d’
は、第一予備室6側に隣接する区画B〜Fの噴出空気貯
留室b〜fに、循環用管路170aによって接続され
る。この循環用管路170aの途中、かつ上流側には循
環用ファン170bが設けられている。これら循環用管
路170aは、区画A〜Dの吸入空気貯留室a’〜d’
から、循環用ファン170aによって導出された空気
を、その第一予備室6側に隣接する区画B〜Fの噴出空
気貯留室b〜fに導入する。
【0081】そして、最も第一予備室6に近い区画Fの
吸入空気貯留室f’は、循環用管路171aを介して排
気管路160aに接続される。区画Fに接続されたこの
循環用管路171aの途中にも、循環用ファン171b
が設けられている。
【0082】排気管路160aは排気手段16を構成
し、この排気手段19は、さらに、この吸気管路169
aの途中に設けられる排気ファン169dおよびダンパ
(不図示)を備えている。
【0083】また、各々の区画A〜Fは、循環用管路1
70aの循環用ファン170b下流側(区画Fでは、循
環用ファン171b下流かつ排気用ファン169d上
流)に一端が接続され、他端が噴出空気貯留室a〜fの
上流(区画Aでは、噴出空気貯留室aの上流かつ吸気管
路169aのダンパ160c下流)に接続される回帰管
路170cを有している。したがって、回帰管路170
cによって、各区画A〜Fの吸入空気貯留室a’〜f’
から循環用ファン170bで導出された空気の一部は、
再度その区画A〜Fの噴出空気貯留室a〜fに回帰され
る。
【0084】このような構成を有する本実施例の連続乾
燥システムでは、給気手段18は、屋外の新鮮な空気を
乾燥室11内に導入させるものであり、吸気管路168
aから区画Aの噴出空気貯留室aに導入された屋外の空
気は、隔壁板32の開口35を介して乾燥室11内に流
入する。一方、排気手段19は、乾燥室11内の加湿空
気を屋外に排出するものであり、乾燥室11内の空気
は、区画Fにおいて、隔壁板33の開口36を介して間
隙f’に流入し、次いで循環用管路171aおよび排出
管路169aを介して屋外に排出される。
【0085】この際、給気手段18および排気手段19
は、自動あるいは手動により上記ダンパ(168c等)
の開度を調整される。この開度は、具体的には、排気手
段19の排気能力が、吸気手段18の吸気能力より大き
くなるようにして、乾燥室11内の圧力を減圧状態に維
持するように調節される。
【0086】このような本実施例の乾燥室を用いた連続
乾燥システム110にあっても、上記実施例と同様の構
成および機能を有する第一および第二の予備室6,7
と、この乾燥室11とによって、前記実施例と同様に、
乾燥室11内では、圧力が減圧状態に維持され、かつ赤
外線ヒータ23で均一に加熱された被乾燥体から水分の
蒸発が行なわれる。したがって、第一予備室6を介して
乾燥室11に搬入された被乾燥体は、乾燥室11内を図
中矢印X方向、即ち区画Fから区画Aに向かって搬送さ
れる間に乾燥されて乾燥体となり、第二予備室7を介し
て搬出されることとなる。
【0087】さらに、上述した乾燥室圧力調整手段を構
成する吸気手段18の吸気管路168aから、噴出空気
貯留室aに導入され、隔壁板32に形成された開口35
から乾燥室11内へ略水平方向に噴出した屋外の空気
は、第二予備室7に最も近い区画Aにおいて、被乾燥体
の搬送方向に直角な空気流を形成する。そして、この空
気流を形成して隔壁板33に到達し、その間にやや加湿
された空気は、循環用ファン170bによって開口36
から噴出空気貯留室a’に導入され、循環用管路170
aによって、第一予備室6側に隣接する区画Bの噴出空
気貯留室b方向に送出される。
【0088】この際送出された空気の一部は、回帰管路
170cによって、区画Aの噴出空気貯留室aに回帰さ
れる。即ち、噴出空気貯留室aでは、屋外空気の導入量
の変動が、この回帰された空気によって補填され、常に
略一定量の空気が導入される。したがって、噴出空気貯
留室aの隔壁板32に形成された開口35から噴出され
る空気によって形成される空気流は、略一定の風量を有
することとなる。
【0089】区画B〜Fでは、噴出空気貯留室b〜fに
導入され、隔壁板32に形成された開口35から乾燥室
11内へ略水平方向に噴出した空気は、被乾燥体の搬送
方向に直角な空気流を形成する。この空気流を形成して
隔壁板33に到達し、その間にやや加湿された空気は、
循環用ファン170bによって開口36から吸入空気貯
留室b’〜f’に導入される。そして、区画B〜区画E
では、吸入空気貯留室b’〜e’の空気は、循環用管路
170aによって、第一予備室6側に隣接する区画C〜
Fの噴出空気貯留室c〜f方向に送出される。また、区
画Fでは、吸入空気貯留室fの空気は、循環用管路17
1aおよび排気管路169aを介して野外に排出され
る。
【0090】また、区画B〜Fでも、吸入空気貯留室
b’〜f’から送出された空気の一部は、回帰管路17
0cによって、区画B〜Fの噴出空気貯留室b〜fに回
帰される。したがって、区画Aと同様に、噴出空気貯留
室b〜fの隔壁板32に形成された開口35から噴出さ
れる空気によって形成される空気流は、略一定の風量を
有することとなる。
【0091】以上説明した本実施例の連続乾燥システム
150では、屋外から乾燥室11内に吸入される空気
は、第二予備室7に最も近い区画Aにおいて、最初に空
気流を形成する。そして、区画Aで空気流を形成した空
気は、区画B〜区画Fにおいて、順次交互に空気流を形
成しながら加湿され、このように乾燥室11内の全体に
わたって流動した後に排出される。
【0092】また、本実施例では、被乾燥体の搬送方向
(図中矢印X参照)と逆方向に向かって、即ち区画Aか
ら区画Fに向かって順次高くなる湿度勾配が形成され
る。したがって、区画Fにおいて、含水率の最も高い被
乾燥体に最も加湿された空気が接触し、かつ区画Aにお
いて、含水率のもっとも低い被乾燥体に最も乾燥した空
気が接触するため、赤外線ヒータで均一に加熱された被
乾燥体の水分の蒸発を、より効率的に促進かつ完結する
ことができる。
【0093】以上、図6および図7を参照して、本発明
の連続乾燥システムにおける乾燥室内での空気流形成に
付き、具体的に説明した。しかしながら、本発明におい
て、乾燥室での空気流形成手段は、特に設ける必要はな
く、かつ上記実施例にその構成を限定されない。
【0094】したがって、上記実施例では、乾燥室11
内の被乾燥体搬送方向と直角をなす略水平方向の空気流
を生じさせているが、例えば、乾燥室11内の、第一搬
出口14が形成される端壁面に、ブロアおよび空気突出
口等からなる送風手段を配設し、この送風手段から略水
平方向に送出される空気により、前記被乾燥体15の搬
送方向に対向する空気流を形成してもよい。或いは、乾
燥室11内の天井に、ブロアおよび空気突出口等からな
る送風手段を配設し、この送風手段から略垂直方向に送
出される空気により、上下方向の空気流を形成してもよ
い。
【0095】なお、上記第一〜第三の実施例(実施例1
〜3)およびその改変に関する記載は、適宜選択し、組
み合わせて適用してもよいことは、言うまでもない。
【0096】
【発明の効果】以上説明した本発明に係る連続乾燥シス
テムでは、減圧状態となった第一予備室を介して乾燥室
へ被乾燥体を搬入し、乾燥室からの乾燥体の搬出を減圧
状態となった第二予備室を介して行なっているため、乾
燥室内の温度条件および減圧度を余り変化させずに、被
乾燥体の搬入をよび乾燥体の搬出を連続的に行うことが
でき、少ないエネルギー損失で、一定条件下、連続的に
多量の乾燥体を製造することができる。
【0097】本発明の連続乾燥システムでは、乾燥室内
を減圧状態にした状態で赤外線ヒータにより加熱してい
るので、少ない投入エネルギーで短時間のうちに被乾燥
体の表面のみならず内部からも水分を蒸発させ、乾燥体
とすることができる。
【0098】このような本発明の連続乾燥システムによ
れば、雨天等、外部の天気に影響を受ける心配がなく、
一年を通じていつでも乾燥物を製造でき、さらにその製
造日数も少なくて良いので、月当りの処理能力を大幅に
増大させることができる。
【0099】また、本発明によれば、加湿空気を冷却す
るのではなく、その加湿空気を外部に放出してしまうの
で、従来のように冷却するためのエネルギーが必要でな
く、しかも赤外線で短時間で乾燥させるので、製造コス
トが安くなるなどの付加的な効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第一の実施例に係る被乾燥体の
連続乾燥システムを示す断面図である。
【図2】図2は同実施例による連続乾燥システムの概略
を示す破断斜視図である。
【図3】図3は同実施例のA−A線断面図である。
【図4】図4は同実施例による乾燥室内の概略平面図で
ある。
【図5】図5は従来の乾燥システムを示す平面図であ
る。
【図6】図6は本発明の第二の実施例に係る被乾燥体の
連続乾燥システムの乾燥室を示す断面図である。
【図7】図7は本発明の第三の実施例に係る被乾燥体の
連続乾燥システムを示す概略平面図である。
【符号の説明】
6 第一予備室 7 第二予備室 10 乾燥システム 11 乾燥室 11a 天井 16 ラック 17 載置台 15 被乾燥体 18 給気手段 19 排気手段 23 赤外線ヒータ 32,33 隔壁板 35,36 開口 40 紫外線照射装置 61 排気手段 62 弁手段 63 排気手段 64 弁手段 170a 循環管路 170b 循環用ファン a〜f 噴出空気貯留室 a’〜f’ 吸入空気貯留室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−25276(JP,A) 特開 昭61−36680(JP,A) 実開 平4−87773(JP,U) 実開 昭57−108094(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F26B 17/04 F26B 23/04 F26B 25/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内を圧又は常圧状態とし得る第一
    予備室圧力調整手段、及び外部から被乾燥体を搬入する
    ための開閉自在な第一搬入口を具備する第一予備室と、前記 第一予備室に開閉自在な第二搬入口を介して連通す
    る室であって、室内を減圧状態に保持できる乾燥室圧力
    調整手段、被乾燥体を加熱する赤外線ヒータ、室内を殺
    菌する紫外線照射装置、及び第二搬入口から搬入された
    被乾燥体を一方向に搬送する搬送手段を具備する乾燥室
    と、 前記乾燥室に開閉自在な第一搬出口を介して連通する室
    であって、室内を圧又は常圧状態とし得る第二予備
    室圧力調整手段、及び第一搬出口から収容された被乾燥
    体を外部に搬出するための開閉自在な第二搬出口を具備
    する第二予備室と、被乾燥体を搭載するラックとからなる被乾燥体の連続乾
    燥システムにおいて、 前記乾燥室内に、被乾燥体搬送方
    向に沿う側壁面により画成された送風手段を配設し、前
    記送風手段から送出される空気流が前記搬送手段によっ
    て所定の方向に連続的に搬送される被乾燥体を横切るよ
    うにする ことを特徴とする被乾燥体の連続乾燥システ
    ム。
  2. 【請求項2】 前記送風手段を、被乾燥体搬送方向に複
    数配列するとともに、前記乾燥室内の空気を吸引する室
    内吸引手段を、前記送風手段と搬送手段を挟んで対向す
    るように複数設け、 第一搬出口に最も近い前記送風手段は、乾燥室外部の空
    気によって乾燥室内に空気流を形成し、 他の送風手段は、第一搬送出口側に隣接する室内吸気手
    段に吸気された乾燥室内空気によって前記空気流を形成
    し、かつ、 第二搬入口に最も近い前記室内吸気手段に吸引された乾
    燥室内空気は、乾燥室外部に排出される 請求項1記載の
    被乾燥体の連続乾燥システム。
  3. 【請求項3】 室内を減圧又は常圧状態となし得る第一
    予備室圧力調整手段、及び外部から被乾燥体を搬入する
    ための開閉自在な第一搬入口を具備する第一予備室と、 前記第一予備室に開閉自在な第二搬入口を介して連通す
    る室であって、室内を減圧状態に保持できる乾燥室圧力
    調整手段、被乾燥体を加熱する赤外線ヒータ、室内を殺
    菌する紫外線照射装置、及び第二搬入口から搬入された
    被乾燥体を一方向に搬送する搬送手段を具備する乾燥室
    と、 前記乾燥室に開閉自在な第一搬出口を介して連通する室
    であって、室内を減圧又は常圧状態となし得る第二予備
    室圧力調整手段、及び第一搬出口から収容された被乾燥
    体を外部に搬出するための開閉自在な第二搬出口を具備
    する第二予備室と、 被乾燥体を搭載するラックとからなる被乾燥体の連続乾
    燥システムにおいて、 前記乾燥室内の、第一搬出口が形成される端壁面に、略
    水平方向の空気流を生じさせる送風手段を配設し、この
    送風手段から送出される空気より、前記被乾燥体の搬送
    方向に向かって空気流を形成することを特徴とする 被乾
    燥体の連続乾燥システム。
  4. 【請求項4】 室内を減圧又は常圧状態となし得る第一
    予備室圧力調製手段、及び外部から被乾燥体を搬入する
    ための開閉自在な第一搬入口を具備する第一予備室と、 前記第一予備室に開閉自在な第二搬入口を介して連通す
    る室であって、室内を減圧状態に保持できる乾燥室圧力
    調製手段、被乾燥体を加熱する赤外線ヒータ、室内を殺
    菌する紫外線照射装置、及び第二搬入口から搬入された
    被乾燥体を一方向に搬送する搬送手段を具備する乾燥室
    と、 前記乾燥室に開閉自在な第一搬出口を介して連通する室
    であって、室内を減圧又は常圧状態となし得る第二予備
    室圧力調製手段、及び第一搬出口から収容された被乾燥
    体を外部に搬出するための開閉自在な第二搬入口を具備
    する第二予備室と、 被乾燥体を搭載するラックとからなる被乾燥体の連続乾
    燥システムにおいて、 前記乾燥室内の天井に、略垂直方向の空気流を生じさせ
    る送風手段を配設し、この送風手段から送出される空気
    より、前記被乾燥体の搬送方向に対して直角をなす空気
    流を形成することを特徴とする 被乾燥体の連続乾燥シス
    テム。
JP33446595A 1995-12-22 1995-12-22 被乾燥体の連続乾燥システム Expired - Lifetime JP2939719B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33446595A JP2939719B2 (ja) 1995-12-22 1995-12-22 被乾燥体の連続乾燥システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33446595A JP2939719B2 (ja) 1995-12-22 1995-12-22 被乾燥体の連続乾燥システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09178342A JPH09178342A (ja) 1997-07-11
JP2939719B2 true JP2939719B2 (ja) 1999-08-25

Family

ID=18277700

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33446595A Expired - Lifetime JP2939719B2 (ja) 1995-12-22 1995-12-22 被乾燥体の連続乾燥システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2939719B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101108593B1 (ko) * 2009-07-24 2012-01-31 주식회사 에너지코리아 건조기
KR101380135B1 (ko) * 2011-09-05 2014-04-04 주식회사 아이비원 스틸 히터를 갖는 글라스 건조장치
KR101380138B1 (ko) * 2011-09-09 2014-04-01 주식회사 아이비원 스틸 히터를 이용한 챔버 타입 글라스 건조장치
CN104296523B (zh) * 2014-10-09 2017-01-18 魏中富 具有多重门结构的烘干房及其工作程序

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09178342A (ja) 1997-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8257767B2 (en) Desiccation apparatus and method
US8707861B2 (en) Dry food pasteurization apparatus and method
US6442866B2 (en) Method and apparatus for drying or heat-treating products
US7018201B1 (en) Dual-zone dehydration tunnel
US20070131215A1 (en) Continuous cooking oven system
JPS59189278A (ja) ウイケツト型平板乾燥機
NO310744B1 (no) System for törking av gjenstander som skal törkes
JP2939719B2 (ja) 被乾燥体の連続乾燥システム
JP5082436B2 (ja) 種子の温湯消毒乾燥装置
US20040231184A1 (en) Dried food product
JP2900305B2 (ja) 食品の乾燥方法とその装置
JP2008164198A5 (ja)
JP2009082764A (ja) 食品ゴミの乾燥方法及び装置
JP5635952B2 (ja) 乾燥装置
JP3070001B2 (ja) 被乾燥体の乾燥装置
WO2022226151A1 (en) Oven ventilation for convective cooking and drying of food
JP2012242048A (ja) 遠赤外線乾燥装置
JPH09108105A (ja) 蒸煮穀類冷却装置
JP2000161857A (ja) 自動搬送乾燥装置
JPH1172289A (ja) 被乾燥体の乾燥方法およびそのための乾燥装置
KR20230053914A (ko) 터널형 복합건조기
JP3806715B2 (ja) 乾燥装置とそれを使用した乾燥方法
JPH09322705A (ja) 乾燥食品の製造方法
JPH01236950A (ja) 穀物の品質保存方法およびその装置
JPS6026951B2 (ja) 極超短波利用の減圧乾燥装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990427