JP2939703B2 - レーザ加工用光ファイバコネクタ - Google Patents

レーザ加工用光ファイバコネクタ

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JP2939703B2 JP21775994A JP21775994A JP2939703B2 JP 2939703 B2 JP2939703 B2 JP 2939703B2 JP 21775994 A JP21775994 A JP 21775994A JP 21775994 A JP21775994 A JP 21775994A JP 2939703 B2 JP2939703 B2 JP 2939703B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ加工用光ファイバ
コネクタに関し、特にレーザ加工に使用する光ファイバ
コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の光ファイバコネクタにお
いては、図2に示すように、コア1aとクラッド1bと
からなる光ファイバ1をフェルール11で把持してお
り、光ファイバ1は第1樹脂層1cと第2樹脂層1eと
によって被覆されている。
【0003】フェルール11は光ファイバ1の第1樹脂
層1cの外径よりも僅かに大きい径の第1の内径部11
aと、クラッド1bの外径よりも僅かに大きい径の第2
の内径部11bと、クラッド1bの外径よりも充分に大
きい径の第3の内径部11cと、第2の内径部11bの
中心軸を中心とする外径部11dとから構成されてい
る。
【0004】また、フェルール11はツマミ9内の前部
ハウジング7によって支持されており、レセプタクル1
0の雄ネジ部10bをツマミ9の雌ネジ部9aに螺合す
ることで、フェルール11の外径部11dがレセプタク
ル10の嵌合孔10aに嵌合するようになっている。
尚、8はコネクタの後部ハウジングである。
【0005】上記の光ファイバコネクタの組立ては光フ
ァイバ1の第1樹脂層1cを除去してクラッド11bを
露出させてからフェルール11に挿入し、光ファイバ1
とフェルール11との間は光学用接着剤を使用するか、
あるいは光ファイバ1の第1樹脂層1c上のフェルール
11を外部から押圧して第1の内径部11aを第1樹脂
層1cの径よりも小さくするように変形するかして固着
している。
【0006】光ファイバ1とフェルール11とを固定し
た後、光ファイバ1の端面とフェルール11の端面とが
ほぼ同一面上になるように、光ファイバ1の端面に対し
て光学研磨を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の光ファ
イバコネクタでは、レセプタクルへの接続がフェルール
の外径を基準として行われるため、レセプタクルに繰返
し接続したときの接続損失を一定にするにはフェルール
の外径の中心と光ファイバコアの中心とを一致させる必
要がある。
【0008】また、長期に亘って使用したときの接続損
失を一定にするためには、フェルールに対する光ファイ
バコアの位置が変動しないことが必要になる。
【0009】しかしながら、従来の光ファイバコネクタ
ではフェルールの外径及び第2の内径各々の中心軸を一
致させ、第2の内径に光ファイバを挿入する構造となっ
ている。
【0010】フェルールの外径の中心軸と光ファイバコ
アの中心軸とを一致させるためには、光ファイバのクラ
ッドの径に合わせた第2の内径を有するフェルールを使
用しなければならない。
【0011】そのため、光ファイバの外径公差によって
予め異なる第2の内径をもつ数種類のフェルールを用意
しておき、それらを選別して使用するため、部品点数及
び選別の工数が増え、光ファイバコネクタが高価なもの
になってしまう。
【0012】さらに、光ファイバのクラッドの径とフェ
ルールの第2の内径とを完全に一致させることは困難で
あり、光ファイバのクラッドの径より僅かに大きい第2
の内径のフェルールを使用しているので、光ファイバの
クラッドと第2の内径との間に隙間が生じ、その隙間分
だけ光ファイバの中心がずれてフェルールの外径の中心
と光ファイバコアの中心とが同一軸にならない。
【0013】レーザ加工機用光ファイバは高出力の光を
伝送するため、それに使用する光ファイバコネクタは高
温となる。また、加工物に対して光ファイバコネクタが
高速に移動するため、光ファイバコネクタに引張りや圧
縮、及び振動等の外部力が加わる。
【0014】光ファイバとフェルールとの固定に光学用
接着剤を使用した場合、熱によって接着強度が劣化し、
上記の如き外部力によってフェルールの外径に対する光
ファイバの位置が変動する。この場合、光学用接着剤は
低粘性であるため、接着剤塗布時にフェルールの第3の
内径の部分に流れ出すことがある。
【0015】これに対して、光ファイバとフェルールと
の固定を圧着で行う場合、圧着力が弱いと光ファイバの
位置ズレが発生し、圧着力が強すぎると光ファイバが損
傷するので、圧着の管理が難しい。
【0016】光ファイバ端面はフェルールの第3の内径
と同一面あるいは僅かに出ているため、光ファイバコネ
クタを取り扱っている最中に誤って光ファイバに接触し
て損傷させることがある。
【0017】そこで、本発明の目的は上記の問題点を解
消し、接着剤が流れ出すことなく光ファイバとフェルー
ルとを強固に固定することができ、フェルールの外径の
中心と光ファイバコアの中心とを一致させることができ
るとともに、取扱い時の光ファイバの損傷を防止するこ
とができるレーザ加工用光ファイバコネクタを提供する
ことにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明によるレーザ加工
用光ファイバコネクタは、コアと前記コアを被覆するク
ラッドとからなる光ファイバを被覆する第1の樹脂層と
前記第1の樹脂層を被覆する第2の樹脂層とからなる光
ファイバコードに接続されかつ前記光ファイバを把持す
るフェルールを含むレーザ加工用光ファイバコネクタで
あって、前記クラッド及び前記第1の樹脂層を被覆する
スリーブ部材と、前記スリーブ部材を前記フェルールの
内周に固着する耐熱性接着剤と、前記フェルール先端部
に取付けられかつ前記光ファイバ先端を保護するキャッ
プ部材とを備えている。
【0019】本発明の他のレーザ加工用光ファイバコネ
クタは、コアと前記コアを被覆するクラッドとからなる
光ファイバと、前記光ファイバを被覆する第1の樹脂層
と、前記第1の樹脂層外周に同心状に配置されたテンシ
ョンメンバを埋設する第2の樹脂層とからなる光ファイ
バコードと、前記クラッドを被覆する第1の被覆部と、
前記第1の樹脂層を被覆する第2の被覆部とからなるス
リーブ部材と、前記スリーブ部材の外径と略同一径の内
径を有しかつ前記スリーブ部材を把持する第1の内径部
と、前記クラッドの外径と略同一径の内径を有しかつ前
記クラッドを把持する第2の内径部と、前記クラッドの
外径よりも充分に大きい内径を有しかつ被加工物からの
反射光を逃がすための領域を形成する第3の内径部とか
らなるフェルールと、前記クラッド及び前記第1樹脂層
を前記スリーブ部材に固着しかつ前記スリーブ部材を前
記フェルールの第1の内径部に固着する耐熱性接着剤
と、前記フェルールの第3の内径部に嵌着しかつ前記光
ファイバ先端を保護するキャップ部材とを備えている。
【0020】
【作用】光ファイバをスリーブを介してフェルールに耐
熱性接着剤で接着固定することで、接着剤が流れ出すこ
となく、光ファイバがフェルールに強固に固定される。
【0021】このため、フェルールに対する光ファイバ
の位置変動がなく、安定した特性が得られる。また、耐
熱性が高いために、このレーザ加工用光ファイバコネク
タを長時間使用することが可能となる。
【0022】光ファイバのコアの中心を基準にフェルー
ルの外径を仕上げることで、光ファイバのコアとフェル
ールの外径の中心とを一致させることができる。よっ
て、光ファイバコネクタの取付け取外しを繰返し行って
も安定した特性が得られる。
【0023】また、フェルールの第2の内径と光ファイ
バの外径との隙間が多少大きくても耐熱性接着剤でその
隙間が充填されるので、フェルールとしては1種類用意
するだけでよく、数種類のフェルールを用意する必要が
なくなるので、光ファイバコネクタが安価に製造可能と
なる。
【0024】さらに、フェルールの端面にキャップを取
付けることで、光ファイバの取扱い時に光ファイバに作
業者の手や周囲のものが接触して損傷するということが
なくなる。
【0025】
【実施例】次に、本発明の一実施例について図面を参照
して説明する。
【0026】図1は本発明の一実施例の断面図である。
図において、光ファイバ1はコア1aとコア1aを被覆
するクラッド1bとからなる。この光ファイバ1と、光
ファイバ1を被覆する第1樹脂層1cと、第1樹脂層1
cの外周に同心状に導入されたテンションメンバ1d
と、テンションメンバ1dを埋設する第2樹脂層1eと
から光ファイバコードが構成されている。
【0027】スリーブ2には光ファイバ1の外径よりも
径が大きい内径部2aと、第1樹脂層1cの外径よりも
径が大きい内径部2bとが設けられており、その外周に
は溝2cが形成されている。
【0028】フェルール4にはスリーブ2の外径よりも
径が大きい内径部4aと、光ファイバ1の外径よりも径
が大きい内径部4bとが設けられており、内径部4bは
スリーブ2の外径よりも小さい径となっている。また、
フェルール4には光ファイバ1の外径よりも径が充分大
きい下穴径の雌ネジ4cが設けられている。
【0029】スリーブ2を光ファイバ1と第1樹脂層1
cとの境界部が内径部2a,2bの境界部分に突当たる
まで挿入し、スリーブ2に光ファイバ1及び第1樹脂層
1cを耐熱性接着剤3で固定している。ここで、耐熱性
接着剤3としてはアルミナ・シリカを主成分としたもの
(耐熱温度1000℃)を使用している。
【0030】スリーブ2に光ファイバ1及び第1樹脂層
1cを固着した後に、スリーブ2の外周に設けた溝2c
に耐熱性接着剤3を充填して蓄積し、その後にフェルー
ル4に挿入する。この場合、スリーブ2はその端面がフ
ェルール4の内径4a,4bの境界部分に突当たるまで
挿入される。
【0031】スリーブ2をフェルール4に挿入する場
合、スリーブ2の端面がフェルール4の内径部4a,4
bの境界部分に突当たったときに光ファイバ1の端面が
フェルール4の端面から飛び出すように、第1樹脂層1
cを剥く長さが充分にとられている。
【0032】上記の如く、スリーブ2を介して光ファイ
バ1をフェルール4に取付けることで、耐熱性接着剤3
がフェルール4の内径部4bから流れ出すことなく、光
ファイバ1をフェルール4に強固に固定することができ
る。
【0033】光ファイバ1の端面の研磨はフェルール4
の雌ネジ4cに螺合する雄ネジと、光ファイバ1の外径
よりも径が僅かに大きい内径とを有し、かつフェルール
4の端面よりも僅かに出張る程度の長さの治具(図示せ
ず)をフェルール4に螺合して行う。この治具は光ファ
イバ1の研磨の後に取外される。
【0034】光ファイバ1の研磨の後に、光ファイバ1
の反対側から白色光を導光してコア1aを顕微鏡(図示
せず)またはTVモニタ(図示せず)で観察し、コア1
aの中心軸を基準にしてフェルール4の外径を所望の寸
法に仕上げる。これによって、フェルール4の外径の中
心とコア1aの中心とを一致させることができる。
【0035】キャップ5にはフェルール4の雌ネジ4c
に螺合する雄ネジ5aと、光ファイバ1の外径よりも径
が充分に大きい内径部5bとが設けられており、キャッ
プ5の長さはフェルール4に螺合したときに光ファイバ
1の端面より充分に出張る程度の長さに設定されてい
る。
【0036】このキャップ5をフェルール4の端面に取
付けることで、光ファイバ1の端面がその取扱い時に損
傷するのを防止することができる。尚、キャップ5の内
径部5bは光ファイバ1から出射されたレーザ光が被加
工物(図示せず)で反射した反射光を逃がすためのもの
である。
【0037】テンションメンバ1dと第2樹脂層1eと
はチューブ6によってフェルール4に接着固定されてい
る。また、フェルール4はツマミ9内の前部ハウジング
7によって支持されており、レセプタクル10の雄ネジ
部10bをツマミ9の雌ネジ部9aに螺合することで、
フェルール4の外径がレセプタクル10の嵌合孔10a
に嵌合するようになっている。尚、8はコネクタの後部
ハウジングである。
【0038】このように、光ファイバ1をスリーブ2を
介してフェルール4に耐熱性接着剤3で接着固定するこ
とによって、接着剤が流れ出すことなく、光ファイバ1
をフェルール4に強固に固定することができる。
【0039】このため、フェルール4に対する光ファイ
バ1の位置変動がなく、安定した特性が得られる。ま
た、耐熱性が高いために、このレーザ加工用光ファイバ
コネクタを長時間使用することができる。
【0040】光ファイバ1のコア1aの中心を基準にフ
ェルール4の外径を仕上げることによって、光ファイバ
1のコア1aとフェルール4の外径の中心とを一致させ
ることができる。よって、光ファイバコネクタの取付け
取外しを繰返し行っても安定した特性を得ることができ
る。
【0041】また、フェルール4の内径部4bと光ファ
イバ1の外径との隙間が多少大きくても耐熱性接着剤3
でその隙間が充填されるため、フェルール4としては1
種類用意するだけでよく、径の異なるフェルール4を複
数種類用意する必要がなくなるので、光ファイバコネク
タを安価に製造することができる。
【0042】さらに、フェルール4の端面にキャップ5
を取付けることによって、光ファイバ1の取扱い時に光
ファイバ1に作業者の手や周囲のものが接触して損傷す
るということがなくなる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、コ
アとこのコアを被覆するクラッドとからなる光ファイバ
と光ファイバを被覆する第1の樹脂層とを被覆するスリ
ーブ部材をフェルールの内周に耐熱性接着剤で固着し、
光ファイバ先端を保護するキャップ部材をフェルール先
端部に取付けることによって、接着剤が流れ出すことな
く光ファイバとフェルールとを強固に固定することがで
き、フェルールの外径の中心と光ファイバコアの中心と
を一致させることができるとともに、取扱い時の光ファ
イバの損傷を防止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面図である。
【図2】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ 1a コア 1b クラッド 1c 第1樹脂層 1d テンションメンバ 1e 第2樹脂層 2 スリーブ 2a,2b, 4a,4b,5b 内径部 2c 溝 3 耐熱性接着剤 4 フェルール 4c 雌ネジ 5 キャップ 5a 雄ネジ 6 チューブ 7 前部ハウジング 9 ツマミ 9a 雌ネジ部 10 レセプタクル 10a 嵌合部 10b 雄ネジ部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと前記コアを被覆するクラッドとか
    らなる光ファイバを被覆する第1の樹脂層と前記第1の
    樹脂層を被覆する第2の樹脂層とからなる光ファイバコ
    ードに接続されかつ前記光ファイバを把持するフェルー
    ルを含むレーザ加工用光ファイバコネクタであって、前
    記クラッド及び前記第1の樹脂層を被覆するスリーブ部
    材と、前記スリーブ部材を前記フェルールの内周に固着
    する耐熱性接着剤と、前記フェルール先端部に取付けら
    れかつ前記光ファイバ先端を保護するキャップ部材とを
    有することを特徴とするレーザ加工用光ファイバコネク
    タ。
  2. 【請求項2】 前記スリーブ部材は、その外周に前記耐
    熱性接着剤を蓄積するための溝を有することを特徴とす
    る請求項1記載のレーザ加工用光ファイバコネクタ。
  3. 【請求項3】 前記キャップ部材は、その内周に前記光
    ファイバ先端部から出射されるレーザ光により加工され
    る被加工物からの反射光を逃がすための領域を有するこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載のレーザ加
    工用光ファイバコネクタ。
  4. 【請求項4】 前記フェルールは、前記光ファイバ端面
    の研磨後に前記コアの中心軸を中心としてその外径を切
    削するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項
    3のいずれか記載のレーザ加工用光ファイバコネクタ。
  5. 【請求項5】 コアと前記コアを被覆するクラッドとか
    らなる光ファイバと、前記光ファイバを被覆する第1の
    樹脂層と、前記第1の樹脂層外周に同心状に配置された
    テンションメンバを埋設する第2の樹脂層とからなる光
    ファイバコードと、 前記クラッドを被覆する第1の被覆部と、前記第1の樹
    脂層を被覆する第2の被覆部とからなるスリーブ部材
    と、 前記スリーブ部材の外径と略同一径の内径を有しかつ前
    記スリーブ部材を把持する第1の内径部と、前記クラッ
    ドの外径と略同一径の内径を有しかつ前記クラッドを把
    持する第2の内径部と、前記クラッドの外径よりも充分
    に大きい内径を有しかつ被加工物からの反射光を逃がす
    ための領域を形成する第3の内径部とからなるフェルー
    ルと、 前記クラッド及び前記第1樹脂層を前記スリーブ部材に
    固着しかつ前記スリーブ部材を前記フェルールの第1の
    内径部に固着する耐熱性接着剤と、 前記フェルールの第3の内径部に螺着されかつ前記光フ
    ァイバ先端を保護するキャップ部材とを有することを特
    徴とするレーザ加工用光ファイバコネクタ。
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