JP2939307B2 - 原子炉用制御棒 - Google Patents
原子炉用制御棒Info
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- JP2939307B2 JP2939307B2 JP2180465A JP18046590A JP2939307B2 JP 2939307 B2 JP2939307 B2 JP 2939307B2 JP 2180465 A JP2180465 A JP 2180465A JP 18046590 A JP18046590 A JP 18046590A JP 2939307 B2 JP2939307 B2 JP 2939307B2
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- Japan
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- hafnium
- control rod
- alloy
- nuclear reactor
- pure
- Prior art date
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E30/00—Energy generation of nuclear origin
- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
Landscapes
- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
- Structure Of Emergency Protection For Nuclear Reactors (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は大反応度で且つ長寿命型の原子炉用制御棒に
係り、特にボロンが中性子と反応して生じる三重水素
(トリチウム:3T)などの水素を吸着するとともに、ス
エリングを防止し、仮にスエリングが生じても機械的な
長寿命化を確保できるようにした原子炉用制御棒に関す
る。
係り、特にボロンが中性子と反応して生じる三重水素
(トリチウム:3T)などの水素を吸着するとともに、ス
エリングを防止し、仮にスエリングが生じても機械的な
長寿命化を確保できるようにした原子炉用制御棒に関す
る。
(従来の技術) この種の原子炉用制御棒は、原子炉炉心部に装荷され
る4体一組の燃料集合体間に出し入れ自在に挿入され
る。この原子炉用制御棒は挿入先端および外側縁部(翼
外縁部)側が特に多量の強い中性子照射を受けるため、
これらの部位に、多量の中性子照射を受けても中性子吸
収能力の低下があまり進行しないハフニウム(Hf)を配
置し、その他の部位に安価で軽量なボロンカーバイド
(B4C)を配置した長寿命型の原子炉用制御棒が本発明
者らによって提案されている(特開昭53−74697号公
報、特開昭59−138987号公報参照)。
る4体一組の燃料集合体間に出し入れ自在に挿入され
る。この原子炉用制御棒は挿入先端および外側縁部(翼
外縁部)側が特に多量の強い中性子照射を受けるため、
これらの部位に、多量の中性子照射を受けても中性子吸
収能力の低下があまり進行しないハフニウム(Hf)を配
置し、その他の部位に安価で軽量なボロンカーバイド
(B4C)を配置した長寿命型の原子炉用制御棒が本発明
者らによって提案されている(特開昭53−74697号公
報、特開昭59−138987号公報参照)。
従来の原子炉用制御棒は、第9図、第10図および第11
図に示すように、十字状に結合部分を有する結合部材1
を軸方向に所定の間隔をおいて複数配置し、これらの結
合部材1に4つのウイング2の内側を十字状になるよう
に固定したものから、基本構成されている。符号3は4
つのウイング2の先端間を結んだハンドルを示す。
図に示すように、十字状に結合部分を有する結合部材1
を軸方向に所定の間隔をおいて複数配置し、これらの結
合部材1に4つのウイング2の内側を十字状になるよう
に固定したものから、基本構成されている。符号3は4
つのウイング2の先端間を結んだハンドルを示す。
ウイング2は、その幅方向に形成した複数の収容穴2a
を有している。ウイング2の先端部の収容穴2a内には、
Hfから成る長寿命型中性子吸収材3aが配置され、他の残
りの収容穴2a内にはB4C粉末から成る中性子吸収材4が
充填される。原子炉用制御棒Aの外縁部分に相当するウ
イング2の外側縁部分には、長さ方向に沿って収容穴2a
に連通するように空間部2bが形成され、この空間部2b内
には、収容穴2aの一端を塞ぐようにHfから成る長寿命型
中性子吸収材3bが配置される。この中性子吸収材3bによ
り収容穴2aからB4C粉末が零れ落ちることが防止され
る。中性子吸収材3bとウイング2の外側縁との間には、
溶接用のステンレス鋼材5が配置される。
を有している。ウイング2の先端部の収容穴2a内には、
Hfから成る長寿命型中性子吸収材3aが配置され、他の残
りの収容穴2a内にはB4C粉末から成る中性子吸収材4が
充填される。原子炉用制御棒Aの外縁部分に相当するウ
イング2の外側縁部分には、長さ方向に沿って収容穴2a
に連通するように空間部2bが形成され、この空間部2b内
には、収容穴2aの一端を塞ぐようにHfから成る長寿命型
中性子吸収材3bが配置される。この中性子吸収材3bによ
り収容穴2aからB4C粉末が零れ落ちることが防止され
る。中性子吸収材3bとウイング2の外側縁との間には、
溶接用のステンレス鋼材5が配置される。
このような構造のウイング2を組み立てる際には、第
10図に示すように、ウイング2の側縁部に該当する位置
に形成された開口部分2cから収容穴2a内に中性子吸収材
3a,4を充填し、空間部2bに中性子吸収材3b、ステンレス
鋼材5を配置し、その後開口部分2cの対向する一対の板
部分2dを互いに内側に折り曲げて溶接する。ステンレス
鋼材5の融点は1400℃程度であるのに対し、中性子吸収
材3bの融点は2200℃程度とステンレス鋼材5に比べて大
幅に高いから、溶接時においても中性子吸収材3bは溶融
されず、ステンレス鋼から成るウイング2の側縁部内に
包み込まれる。そのため、中性子吸収材3bのHfの原子が
溶接部金属中に混入するおそれがなく、健全な溶接部が
得られる。
10図に示すように、ウイング2の側縁部に該当する位置
に形成された開口部分2cから収容穴2a内に中性子吸収材
3a,4を充填し、空間部2bに中性子吸収材3b、ステンレス
鋼材5を配置し、その後開口部分2cの対向する一対の板
部分2dを互いに内側に折り曲げて溶接する。ステンレス
鋼材5の融点は1400℃程度であるのに対し、中性子吸収
材3bの融点は2200℃程度とステンレス鋼材5に比べて大
幅に高いから、溶接時においても中性子吸収材3bは溶融
されず、ステンレス鋼から成るウイング2の側縁部内に
包み込まれる。そのため、中性子吸収材3bのHfの原子が
溶接部金属中に混入するおそれがなく、健全な溶接部が
得られる。
長寿命型中性子吸収材3aが配置される範囲l1(第9
図)は、ウイング挿入先端側から短くとも3cm、長くと
も35cmの範囲であることが好ましい。3cmより短い場合
には、高い中性子束領域内に中性子吸収材4を構成する
B4C粉末が位置してしまうからであり、35cmより長くな
ると、HfがB4Cより中性子吸収効果が小さいことから、
原子炉停止時の反応度価値低下の要因となるからであ
る。また、Hfの無駄配置が多くなり、Hfが高価であり、
重量が重いことから、経済的に不利となったり、原子炉
用制御棒全体の重量が増大する等の問題が生じるからで
ある。さらに、ウイング2の側縁部に配置される中性子
吸収材3bの範囲l2の長さは、0.5〜2cm程度が好ましい。
0.5cm未満では、高い中性子束領域内に中性子吸収材4
を構成するB4C粉末が位置するからであり、2cmを超える
と、中性子束の値が低下した領域内に中性子吸収材3bを
構成するHfが位置してしまい、前記と同様の問題が生じ
るからである。
図)は、ウイング挿入先端側から短くとも3cm、長くと
も35cmの範囲であることが好ましい。3cmより短い場合
には、高い中性子束領域内に中性子吸収材4を構成する
B4C粉末が位置してしまうからであり、35cmより長くな
ると、HfがB4Cより中性子吸収効果が小さいことから、
原子炉停止時の反応度価値低下の要因となるからであ
る。また、Hfの無駄配置が多くなり、Hfが高価であり、
重量が重いことから、経済的に不利となったり、原子炉
用制御棒全体の重量が増大する等の問題が生じるからで
ある。さらに、ウイング2の側縁部に配置される中性子
吸収材3bの範囲l2の長さは、0.5〜2cm程度が好ましい。
0.5cm未満では、高い中性子束領域内に中性子吸収材4
を構成するB4C粉末が位置するからであり、2cmを超える
と、中性子束の値が低下した領域内に中性子吸収材3bを
構成するHfが位置してしまい、前記と同様の問題が生じ
るからである。
本発明者は第9図に示すような構造で、ステンレス鋼
を使用する代わりにHfとジルコニウム(Zr)、或いはHf
とチタン(Ti)との合金であるHf希釈合金を用いる新規
な原子炉用制御棒を特開平1−202691号公報に開示し
た。HfはZr或いはTiと任意の割合で全率固溶型合金を作
る。Hf,Zr,Tiは原子炉環境の中で充分な健全性を保持し
得ることは良く知られているものの、水素過剰で酸素不
足の環境では水素を吸収して水素化物を作り、体積膨張
であるスエリングを生じる可能性があることが知られて
いる。Hfは多数の同位体を有する優れた中性子吸収物質
であり、中性子照射を受けても中性子吸収能力の低下を
防止できるため、長寿命型中性子吸収材の最も代表的な
ものとして知られている。また、Hfは共鳴中性子を特に
吸収しやすい性質があり、希釈材によりある程度希釈し
ても吸収能力はさほど急激には低下しない。
を使用する代わりにHfとジルコニウム(Zr)、或いはHf
とチタン(Ti)との合金であるHf希釈合金を用いる新規
な原子炉用制御棒を特開平1−202691号公報に開示し
た。HfはZr或いはTiと任意の割合で全率固溶型合金を作
る。Hf,Zr,Tiは原子炉環境の中で充分な健全性を保持し
得ることは良く知られているものの、水素過剰で酸素不
足の環境では水素を吸収して水素化物を作り、体積膨張
であるスエリングを生じる可能性があることが知られて
いる。Hfは多数の同位体を有する優れた中性子吸収物質
であり、中性子照射を受けても中性子吸収能力の低下を
防止できるため、長寿命型中性子吸収材の最も代表的な
ものとして知られている。また、Hfは共鳴中性子を特に
吸収しやすい性質があり、希釈材によりある程度希釈し
ても吸収能力はさほど急激には低下しない。
このように、Hfは優れた核的特性があるにも拘らず、
比重が大きい(約13.1g/cm3)という難点があり、既存
の原子炉用制御棒材料として容易にバックフィットでき
ない問題点がある。一方、Zrは比重が小さく(6.5g/c
m3)、Hfとは前述の如く極めて優れた合金を作る。Tiも
比重が小さく(4.5g/cm3)、Hfと優れた合金を作る。し
たがって、HfとZr或いはHfとTiとの合金(Hfからみる
と、Zr或いはTiは希釈材であるため、本明細書では希釈
合金ともいう)を作ると、原子炉環境で優れた特徴を保
持しながら中性子吸収能力もHfの場合から大幅な低下は
なく、それでいて希釈合金の比重は低下し、ステンレス
鋼程度の比重(約8g/cm3)にすることは容易である。こ
れによって、既存の原子炉にバックフィットできる原子
炉用制御棒を第9図の場合とほぼ同様に構成することが
できる。この場合、第9図〜第11図において、符号5で
示す溶接用ステンレス鋼は不要となり、溶接用部材とし
ては上記希釈合金と同一のものの採用が考えられる。
比重が大きい(約13.1g/cm3)という難点があり、既存
の原子炉用制御棒材料として容易にバックフィットでき
ない問題点がある。一方、Zrは比重が小さく(6.5g/c
m3)、Hfとは前述の如く極めて優れた合金を作る。Tiも
比重が小さく(4.5g/cm3)、Hfと優れた合金を作る。し
たがって、HfとZr或いはHfとTiとの合金(Hfからみる
と、Zr或いはTiは希釈材であるため、本明細書では希釈
合金ともいう)を作ると、原子炉環境で優れた特徴を保
持しながら中性子吸収能力もHfの場合から大幅な低下は
なく、それでいて希釈合金の比重は低下し、ステンレス
鋼程度の比重(約8g/cm3)にすることは容易である。こ
れによって、既存の原子炉にバックフィットできる原子
炉用制御棒を第9図の場合とほぼ同様に構成することが
できる。この場合、第9図〜第11図において、符号5で
示す溶接用ステンレス鋼は不要となり、溶接用部材とし
ては上記希釈合金と同一のものの採用が考えられる。
ところが、HfまたはHfの合金は上述のように水素過剰
で酸素不足になると、水素を吸収してスエリングを起こ
す可能性がある。上述の新規な原子炉用制御棒(特開平
1−202691号公報参照)では、Hf希釈合金に収容穴を穿
設し、その穴にB4C(ボロンカーバイド)粉末を充填す
る。B4Cのうち10Bは中性子と反応して4Heと7Liを生成す
るが、その他に3T(トリチウム)も生成する。制御棒の
中性子照射量が増大すると、3T生成量が無視できなくな
る。3Tは大部分がB4C中に残存するが、一部のものがB4C
から離脱する。トリチウムは水素であるため、Hf,Zr或
いはTiに吸収され、制御棒の構造材としても機能するHf
やHf−Zr合金或いはHf−Ti合金はその健全性に支障を来
たす可能性があるという問題点がある。
で酸素不足になると、水素を吸収してスエリングを起こ
す可能性がある。上述の新規な原子炉用制御棒(特開平
1−202691号公報参照)では、Hf希釈合金に収容穴を穿
設し、その穴にB4C(ボロンカーバイド)粉末を充填す
る。B4Cのうち10Bは中性子と反応して4Heと7Liを生成す
るが、その他に3T(トリチウム)も生成する。制御棒の
中性子照射量が増大すると、3T生成量が無視できなくな
る。3Tは大部分がB4C中に残存するが、一部のものがB4C
から離脱する。トリチウムは水素であるため、Hf,Zr或
いはTiに吸収され、制御棒の構造材としても機能するHf
やHf−Zr合金或いはHf−Ti合金はその健全性に支障を来
たす可能性があるという問題点がある。
(発明が解決しようとする課題) 上述したように、HfをZr或いはTiで希釈した希釈合金
板に収容穴を穿設し、収容穴の一部分または大部分にボ
ロン化合物を充填する新規な原子炉用制御棒では、ボロ
ンが中性子と反応して生成するトリチウム(3T:三重水
素)と、製造時に浸入した水分の放射線分解で生じる水
素とが収容穴相互間を移動してHf,ZrまたはTiと水素化
物HfH2(Hf3T2),ZrH2(Zr3T2),TiH2(Ti3T2)等を作
るおそれがある。これは元の合金より体積が増加するた
め、体積膨張(スエリング)を起こし、構造材として作
用するHf−Zr合金或いはHf−Ti合金に収容穴の内面から
応力を発生させる可能性がある。
板に収容穴を穿設し、収容穴の一部分または大部分にボ
ロン化合物を充填する新規な原子炉用制御棒では、ボロ
ンが中性子と反応して生成するトリチウム(3T:三重水
素)と、製造時に浸入した水分の放射線分解で生じる水
素とが収容穴相互間を移動してHf,ZrまたはTiと水素化
物HfH2(Hf3T2),ZrH2(Zr3T2),TiH2(Ti3T2)等を作
るおそれがある。これは元の合金より体積が増加するた
め、体積膨張(スエリング)を起こし、構造材として作
用するHf−Zr合金或いはHf−Ti合金に収容穴の内面から
応力を発生させる可能性がある。
そこで、本発明は上記事情を考慮してなされたもの
で、その目的とするところは、ウイングの収容穴等に活
性化されたHf,ZrまたはTiと反応しやすい水素、或いは
三重水素(3T)が存在しても、水素化物の生成を抑えた
り、生成したとしても収容穴等に応力を生じさせず、機
械的にも長寿命化を達成することのできる原子炉用制御
棒を提供することにある。
で、その目的とするところは、ウイングの収容穴等に活
性化されたHf,ZrまたはTiと反応しやすい水素、或いは
三重水素(3T)が存在しても、水素化物の生成を抑えた
り、生成したとしても収容穴等に応力を生じさせず、機
械的にも長寿命化を達成することのできる原子炉用制御
棒を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明に係る原子炉用
制御棒であっては、長方形に形成されたハフニウム(H
f)金属板、ハフニウムとジルコニウム(Zr)との合金
板、ハフニウムとチタン(Ti)との合金板、或いはジル
コニウム,チタンを主成分とする合金板にウイング幅方
向に延びる多数の収容穴を列状に、これらの収容穴の大
部分に中性子吸収材を充填して中性子吸収要素となし、
この中性子吸収要素は原子炉の炉心に全挿入された状態
において挿入先端側から炉心の有効発熱部の全長Lの少
なくとも1/4以上の領域に配置され、上記中性子吸収要
素の挿入先端側の収容穴にハフニウムを主成分とするハ
フニウム金属および銀・インジウム・カドミウム(Ag−
In−Cd)合金を選択的に挿入し、上記範囲を除く収容穴
の大部分にボロンを含む中性子吸収材を充填した原子炉
用制御棒において、ボロンを含有する中性子吸収材を収
容する収容穴の内、中性子照射量が高い挿入先端から少
なくとも1/4Lまでの範囲に位置する収容穴には、ボロン
含有物質と純ジルコニウム(Zr)粒およびハフニウム粉
粒の少なくとも一方との混合物を充填したことを特徴と
する。
制御棒であっては、長方形に形成されたハフニウム(H
f)金属板、ハフニウムとジルコニウム(Zr)との合金
板、ハフニウムとチタン(Ti)との合金板、或いはジル
コニウム,チタンを主成分とする合金板にウイング幅方
向に延びる多数の収容穴を列状に、これらの収容穴の大
部分に中性子吸収材を充填して中性子吸収要素となし、
この中性子吸収要素は原子炉の炉心に全挿入された状態
において挿入先端側から炉心の有効発熱部の全長Lの少
なくとも1/4以上の領域に配置され、上記中性子吸収要
素の挿入先端側の収容穴にハフニウムを主成分とするハ
フニウム金属および銀・インジウム・カドミウム(Ag−
In−Cd)合金を選択的に挿入し、上記範囲を除く収容穴
の大部分にボロンを含む中性子吸収材を充填した原子炉
用制御棒において、ボロンを含有する中性子吸収材を収
容する収容穴の内、中性子照射量が高い挿入先端から少
なくとも1/4Lまでの範囲に位置する収容穴には、ボロン
含有物質と純ジルコニウム(Zr)粒およびハフニウム粉
粒の少なくとも一方との混合物を充填したことを特徴と
する。
また、中性子照射量が高い挿入先端から少なくとも1/
4Lまでの範囲に位置する収容穴には、ボロン含有物質を
純ジルコニウムシートで取り囲んで充填する。
4Lまでの範囲に位置する収容穴には、ボロン含有物質を
純ジルコニウムシートで取り囲んで充填する。
さらに、ハフニウムを主成分とするハフニウム金属お
よび銀・インジウム・カドミウム(Ag−In−Cd)合金を
選択的に挿入する収容穴には、これら挿入物質を収容穴
の軸と平行方向に複数分割し、各分割片相互間に純ジル
コニウムストリップを介在させる。
よび銀・インジウム・カドミウム(Ag−In−Cd)合金を
選択的に挿入する収容穴には、これら挿入物質を収容穴
の軸と平行方向に複数分割し、各分割片相互間に純ジル
コニウムストリップを介在させる。
そして、上記中性子吸収要素の挿入先端側から少なく
とも3cm、長くても35cmの範囲に配設された収容穴の
内、少なくとも1つの収容穴に純ジルコニウム管状体を
挿入してガスブレナムを形成する。
とも3cm、長くても35cmの範囲に配設された収容穴の
内、少なくとも1つの収容穴に純ジルコニウム管状体を
挿入してガスブレナムを形成する。
また、この原子炉用制御棒はボロンを含有する中性子
吸収材を収容する収容穴の内、中性子照射量が高い挿入
先端から少なくとも1/4Lまでの範囲に位置する収容穴に
は、純ジルコニウム管状体を挿入し、その中に純ジルコ
ニウム粒とボロン化合物を混合状態で充填させてもよ
い。
吸収材を収容する収容穴の内、中性子照射量が高い挿入
先端から少なくとも1/4Lまでの範囲に位置する収容穴に
は、純ジルコニウム管状体を挿入し、その中に純ジルコ
ニウム粒とボロン化合物を混合状態で充填させてもよ
い。
さらに、ハフニウムを主成分とするハフニウム金属お
よび銀・インジウム・カドミウム(Ag−In−Cd)合金を
選択的に挿入する収容穴には、これらを純ジルコニウム
シートで取り囲んで挿入してもよい。
よび銀・インジウム・カドミウム(Ag−In−Cd)合金を
選択的に挿入する収容穴には、これらを純ジルコニウム
シートで取り囲んで挿入してもよい。
ハフニウムを主成分とするハフニウム金属および銀・
インジウム・カドミウム(Ag−In−Cd)合金を選択的に
挿入する収容穴には、これら挿入物質の外周面に突出部
を形成してもよい。
インジウム・カドミウム(Ag−In−Cd)合金を選択的に
挿入する収容穴には、これら挿入物質の外周面に突出部
を形成してもよい。
ハフニウムを主成分とするハフニウム金属を挿入する
収容穴には、挿入物の表面に酸化被膜を形成してもよ
い。また、収容穴の内、少なくともボロンを含む中性子
吸収材を充填する収容穴の内面に酸化被膜を形成するよ
うにしてもよい。
収容穴には、挿入物の表面に酸化被膜を形成してもよ
い。また、収容穴の内、少なくともボロンを含む中性子
吸収材を充填する収容穴の内面に酸化被膜を形成するよ
うにしてもよい。
ウイング挿入先端側から少なくとも3cm、長くても35c
mの範囲に配設された収容穴の内、少なくとも1つの収
容穴に純ジルコニウム粒およびハフニウム粉粒を選択的
に充填してもよい。
mの範囲に配設された収容穴の内、少なくとも1つの収
容穴に純ジルコニウム粒およびハフニウム粉粒を選択的
に充填してもよい。
ウイング挿入先端側から少なくとも1/4Lまでの範囲に
配設された収容穴の外側縁にウイングの長手方向に延び
るハフニウムを主成分とする金属棒と銀・インジウム・
カドミウム合金棒の一方を配置し、これらと収容穴との
間に純ジルコニウム金属ストリップを配置してもよい。
配設された収容穴の外側縁にウイングの長手方向に延び
るハフニウムを主成分とする金属棒と銀・インジウム・
カドミウム合金棒の一方を配置し、これらと収容穴との
間に純ジルコニウム金属ストリップを配置してもよい。
ウイング挿入先端側から少なくとも1/4Lまでの範囲に
配設された収容穴の外側縁にウイングの長手方向に延び
る純ジルコニウムスリーブで横断面の大部分を包まれた
ハフニウムを主成分とする金属棒または銀・インジウム
・カドミウム合金棒のいずれか一方を配置するようにし
てもよい。
配設された収容穴の外側縁にウイングの長手方向に延び
る純ジルコニウムスリーブで横断面の大部分を包まれた
ハフニウムを主成分とする金属棒または銀・インジウム
・カドミウム合金棒のいずれか一方を配置するようにし
てもよい。
(作用) 上記の構成を有する本発明は、ボロンカーバイド(B4
C),六硼化ユーロピウム(EuB6)などのボロン化合物
と、水素吸着力の強い純ジルコニウム(Zr)粒或いはハ
フニウム(Hf)粉粒(HfはZrより活性度が低いため、Zr
より小粒の方が好ましい。)とが混合されているので、
ボロンが中性子と直接的または間接的に反応して生成す
る三重水素(3T)や制御棒製造時に浸入していた水分の
放射線分解によって生じる活性的な水素原子(H)を効
果的に吸収する。したがって、収容穴内面の水素化反応
が効果的に抑制される。また、収容穴の一部に挿入され
るHf金属やAg−In−Cd合金の水素化反応も効果的に抑制
される。純Zr粒やHf粉粒は水素吸着により体積が増加す
るので、予め体積増加を想定してボロン化合物と純Zr粒
またはHf粉粒の少なくとも一方との混合物の充填密度を
調節することになる。
C),六硼化ユーロピウム(EuB6)などのボロン化合物
と、水素吸着力の強い純ジルコニウム(Zr)粒或いはハ
フニウム(Hf)粉粒(HfはZrより活性度が低いため、Zr
より小粒の方が好ましい。)とが混合されているので、
ボロンが中性子と直接的または間接的に反応して生成す
る三重水素(3T)や制御棒製造時に浸入していた水分の
放射線分解によって生じる活性的な水素原子(H)を効
果的に吸収する。したがって、収容穴内面の水素化反応
が効果的に抑制される。また、収容穴の一部に挿入され
るHf金属やAg−In−Cd合金の水素化反応も効果的に抑制
される。純Zr粒やHf粉粒は水素吸着により体積が増加す
るので、予め体積増加を想定してボロン化合物と純Zr粒
またはHf粉粒の少なくとも一方との混合物の充填密度を
調節することになる。
また、収容穴内面に水素吸着力が高く、且つ硬度的に
軟らかい純ジルコニウム(Zr)シートをスリーブ状に配
置し、その内側にB4C,EuB6などのボロン化合物を充填す
る。この場合、純Zr管状体でこれらを包み、収容穴に挿
入するという手順で製造してもよい。これにより、純Zr
管状体と収容穴の内面との間には必ず若干の間隙が形成
されるので、純Zr管状体が水素を吸着してスエリングを
起こした場合にはこの間隙で体積膨張分が吸収され、収
容穴への応力の誘起開始時点を著しく遅延させることが
できる。純Zr管状体の水素濃度が低くて水素をほとんど
または少量しか吸着しない場合にはボロン化合物のスエ
リングによる体積膨張を純Zr管状体自体および上記間隙
が吸収し、収容穴への応力の開始時点を著しく遅延させ
ることができる。
軟らかい純ジルコニウム(Zr)シートをスリーブ状に配
置し、その内側にB4C,EuB6などのボロン化合物を充填す
る。この場合、純Zr管状体でこれらを包み、収容穴に挿
入するという手順で製造してもよい。これにより、純Zr
管状体と収容穴の内面との間には必ず若干の間隙が形成
されるので、純Zr管状体が水素を吸着してスエリングを
起こした場合にはこの間隙で体積膨張分が吸収され、収
容穴への応力の誘起開始時点を著しく遅延させることが
できる。純Zr管状体の水素濃度が低くて水素をほとんど
または少量しか吸着しない場合にはボロン化合物のスエ
リングによる体積膨張を純Zr管状体自体および上記間隙
が吸収し、収容穴への応力の開始時点を著しく遅延させ
ることができる。
さらに、収容穴に挿入されるHf金属棒またはAg−In−
Cd合金棒は縦割り状に分割され、各分割片間に純Zrスト
リップが挟まれている。したがって、純Zrストリップは
何等かの原因で収容穴内面に応力が発生したとき、潰れ
るので大きな応力の発生はない。純Zrは水素吸着力が高
いため、水素濃度が上昇すると水素を吸着し、その濃度
を低減する。その結果、収容穴に挿入されるHf合金棒ま
たはAg−In−Cd合金棒のような挿入物の水素吸着による
スエリングが大幅に抑制されるだけでなく、収容穴を形
成しているHf材,Hf・Zr合金材或いはHf・Ti合金材の水
素吸着によるスエリングを著しく遅延させることができ
る。
Cd合金棒は縦割り状に分割され、各分割片間に純Zrスト
リップが挟まれている。したがって、純Zrストリップは
何等かの原因で収容穴内面に応力が発生したとき、潰れ
るので大きな応力の発生はない。純Zrは水素吸着力が高
いため、水素濃度が上昇すると水素を吸着し、その濃度
を低減する。その結果、収容穴に挿入されるHf合金棒ま
たはAg−In−Cd合金棒のような挿入物の水素吸着による
スエリングが大幅に抑制されるだけでなく、収容穴を形
成しているHf材,Hf・Zr合金材或いはHf・Ti合金材の水
素吸着によるスエリングを著しく遅延させることができ
る。
そして、挿入先端近傍の収容穴の一部に、純Zr管状体
が挿入されており、この管状体は非密封型の中空であっ
てガスプレナムを形成している。ガスの中に水素または
トリチウムが含まれていれば、純Zr管状体が吸着するの
で、収容穴内面での水素またはトリチウムの吸着は生じ
ることなく、収容穴の健全性が保持される。つまり、水
素ゲッタとガスプレナムとしての機能を有する。
が挿入されており、この管状体は非密封型の中空であっ
てガスプレナムを形成している。ガスの中に水素または
トリチウムが含まれていれば、純Zr管状体が吸着するの
で、収容穴内面での水素またはトリチウムの吸着は生じ
ることなく、収容穴の健全性が保持される。つまり、水
素ゲッタとガスプレナムとしての機能を有する。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図(A)〜(G)は本発明に係る原子炉用制御棒
の第1実施例を示し、基本的構成は第9図〜第11図に示
す従来例と同様であるため、同一の部分には同一の符号
を付して説明を省略する。
の第1実施例を示し、基本的構成は第9図〜第11図に示
す従来例と同様であるため、同一の部分には同一の符号
を付して説明を省略する。
この原子炉用制御棒は、4枚のウイング2が図示しな
い結合部材で結合されて横断面十字状に構成される一
方、各ウイング2は、第1図(A)および(B)に示す
ように長方形(矩形)に形成されたハフニウム金属板、
ハフニウムとジルコニウム(Zr)との合金板、ハフニウ
ムとチタン(Ti)との合金板あるいは、ジルコニウム、
チタンを主成分とする合金板で形成される。ウイング2
には、原子炉炉心の軸方向全長に相当する長さLにわた
って、ウイング2の幅方向に延びる多数の収容穴2aが列
状に配設されている。
い結合部材で結合されて横断面十字状に構成される一
方、各ウイング2は、第1図(A)および(B)に示す
ように長方形(矩形)に形成されたハフニウム金属板、
ハフニウムとジルコニウム(Zr)との合金板、ハフニウ
ムとチタン(Ti)との合金板あるいは、ジルコニウム、
チタンを主成分とする合金板で形成される。ウイング2
には、原子炉炉心の軸方向全長に相当する長さLにわた
って、ウイング2の幅方向に延びる多数の収容穴2aが列
状に配設されている。
各収容穴2aは、挿入先端側から順に〜の範囲ある
いはそれ以上の範囲に区画され、このうちの範囲には
純Zr製の中空管状体(スリーブ)6を挿入し、の範囲
には純Zr粒7を純Zr製中空管状体6に充填して挿入し、
の範囲には長寿命型吸収材であるHfメタル棒(或いは
Ag−In−Cd合金棒)8を、純Zr製中空管状体6に挿入し
て収容穴2a内に収容している。また、の範囲にはB4C
粉粒と純Zr粒とを混合して収容穴2aに充填し、の範囲
には収容穴2aにB4C粉粒を充填している。また、上記
〜の範囲ではウイング2の外側縁部にHf金属棒(或い
はAg−In−Cd合金棒)8が配置され、これらと収容穴2a
端面との間には純Zr製シート(ストリップ)9が配置さ
れている。
いはそれ以上の範囲に区画され、このうちの範囲には
純Zr製の中空管状体(スリーブ)6を挿入し、の範囲
には純Zr粒7を純Zr製中空管状体6に充填して挿入し、
の範囲には長寿命型吸収材であるHfメタル棒(或いは
Ag−In−Cd合金棒)8を、純Zr製中空管状体6に挿入し
て収容穴2a内に収容している。また、の範囲にはB4C
粉粒と純Zr粒とを混合して収容穴2aに充填し、の範囲
には収容穴2aにB4C粉粒を充填している。また、上記
〜の範囲ではウイング2の外側縁部にHf金属棒(或い
はAg−In−Cd合金棒)8が配置され、これらと収容穴2a
端面との間には純Zr製シート(ストリップ)9が配置さ
れている。
Hf金属棒(或いはAg−In−Cd合金棒)8は第1図
(C)〜(F)に示すように純Zr製シート9で包まれて
いる。上記の範囲ではウイング2の外側縁部にHf−Zr
合金棒(またはHf−Ti合金棒)10が配置されている。
(C)〜(F)に示すように純Zr製シート9で包まれて
いる。上記の範囲ではウイング2の外側縁部にHf−Zr
合金棒(またはHf−Ti合金棒)10が配置されている。
上記〜の範囲は中性子照射量が高い部分であり、
このうち特に〜の範囲では著しく高い。したがっ
て、寿命の比較的短いボロン化合物(代表例はB4C,Eu
B6)は充填されておらず、中性子吸収寿命の長いHf金属
棒(或いはAg−In−Cd合金棒)7が中性子吸収材となっ
て充填されている。の範囲は中性子照射量が比較的高
く、且つ中性子吸収特性を高めなければならない部分で
あるため、ボロン化合物が必要となるが、ボロンが中性
子と反応して生成する3Tや水分の放射線分解により発生
するHを吸着するために、純Zr粒がB4Cと混合した混合
体11として充填されている。
このうち特に〜の範囲では著しく高い。したがっ
て、寿命の比較的短いボロン化合物(代表例はB4C,Eu
B6)は充填されておらず、中性子吸収寿命の長いHf金属
棒(或いはAg−In−Cd合金棒)7が中性子吸収材となっ
て充填されている。の範囲は中性子照射量が比較的高
く、且つ中性子吸収特性を高めなければならない部分で
あるため、ボロン化合物が必要となるが、ボロンが中性
子と反応して生成する3Tや水分の放射線分解により発生
するHを吸着するために、純Zr粒がB4Cと混合した混合
体11として充填されている。
上記の範囲はガスプレナムの機能を有し、3TやHの
吸着部となっている。の範囲の軸方向長さは収容穴2a
が通常1〜3個(1〜3cm程度)分に限定するのが好適
である。本実施例に係る制御棒の典型的な設計例では中
性子吸収要素(ブレード2)の厚さは約8mm、収容穴2a
の直径は約6mm、収容穴2a中心間距離は約8mmとされる。
したがって、このような設計例では穴1個分約8mm(〜1
cm)、3個分では(3×8+2×2=28mm,〜3cm)とな
る。
吸着部となっている。の範囲の軸方向長さは収容穴2a
が通常1〜3個(1〜3cm程度)分に限定するのが好適
である。本実施例に係る制御棒の典型的な設計例では中
性子吸収要素(ブレード2)の厚さは約8mm、収容穴2a
の直径は約6mm、収容穴2a中心間距離は約8mmとされる。
したがって、このような設計例では穴1個分約8mm(〜1
cm)、3個分では(3×8+2×2=28mm,〜3cm)とな
る。
上記の範囲では主として3TやHの吸着が行われる。
純Zr粒7を充填する場合には前記との和+の穴の
軸方向長さ(数)は2〜3cm以内(2〜3個程度)に限
定して制御棒反応度価値の低減を抑制するのが好適であ
る。今、の範囲を1穴、の範囲を2穴とすると、
+で3穴となり、上述の例と同じく約3cmとなる。い
ずれにしてもとの範囲は中性子吸収材を充填してい
ないので、との範囲を長く設定すると、反応度価値
の低下の要因となる。
純Zr粒7を充填する場合には前記との和+の穴の
軸方向長さ(数)は2〜3cm以内(2〜3個程度)に限
定して制御棒反応度価値の低減を抑制するのが好適であ
る。今、の範囲を1穴、の範囲を2穴とすると、
+で3穴となり、上述の例と同じく約3cmとなる。い
ずれにしてもとの範囲は中性子吸収材を充填してい
ないので、との範囲を長く設定すると、反応度価値
の低下の要因となる。
一方、の範囲は長寿命型吸収材のスエリング対策を
施した部分であり、純Zr製管状体6が3TやHの吸着と、
中性子吸収材のスエリングによる応力の発生を吸収する
部分である。純Zrは硬度的に軟らかく、水素吸着性が高
い。収容穴2aと純Zr製管状体6との間には必ず間隙が形
成され、この間隙もスエリング吸収空間として作用す
る。
施した部分であり、純Zr製管状体6が3TやHの吸着と、
中性子吸収材のスエリングによる応力の発生を吸収する
部分である。純Zrは硬度的に軟らかく、水素吸着性が高
い。収容穴2aと純Zr製管状体6との間には必ず間隙が形
成され、この間隙もスエリング吸収空間として作用す
る。
上記の範囲では発生する3TやHをB4Cと混合された
純Zr粒が吸着し、他の部分への拡散を抑制する構成とな
っている。上記の範囲は中性子照射量は余り高くはな
いため、3Tの発生率は低く、水分の放射線分解速度も小
さい。そのため、格段の工夫は必要ない。
純Zr粒が吸着し、他の部分への拡散を抑制する構成とな
っている。上記の範囲は中性子照射量は余り高くはな
いため、3Tの発生率は低く、水分の放射線分解速度も小
さい。そのため、格段の工夫は必要ない。
なお、〜の範囲の長さは運転中挿入して使用する
制御棒では炉心全長Lの1/4〜3/4で、通常1/2程度であ
るが、制御棒の使用方法で変化し、運転中全引抜きで使
用される場合には〜の合計の長さは1/4以下、例え
ば30cm以下程度でもよい場合も考えられる。
制御棒では炉心全長Lの1/4〜3/4で、通常1/2程度であ
るが、制御棒の使用方法で変化し、運転中全引抜きで使
用される場合には〜の合計の長さは1/4以下、例え
ば30cm以下程度でもよい場合も考えられる。
ここで、上記範囲(炉心全長Lの1/4〜3/4)の理由を
説明すると次の通りである。すなわち、運転中挿入して
使用する制御棒の実際の平均的な中性子照射量分布を評
価してみると、挿入先端から約1/2では照射量分布は平
坦で高い。挿入先端側の最先端から15cm程度の範囲(長
くても35cm程度の範囲)では中性子照射量は増大し、特
に先端部5cm程度は著しく高い。
説明すると次の通りである。すなわち、運転中挿入して
使用する制御棒の実際の平均的な中性子照射量分布を評
価してみると、挿入先端から約1/2では照射量分布は平
坦で高い。挿入先端側の最先端から15cm程度の範囲(長
くても35cm程度の範囲)では中性子照射量は増大し、特
に先端部5cm程度は著しく高い。
他方、挿入先端から1/2L付近から挿入末端側に向かっ
て中性子照射量分布は急激に低下し、挿入末端から挿入
先端側に1/4Lの領域では中性子照射量は大幅に低下す
る。制御棒はその使用方法によって変化し、上記1/2Lは
1/4〜3/4Lの範囲で変化する。
て中性子照射量分布は急激に低下し、挿入末端から挿入
先端側に1/4Lの領域では中性子照射量は大幅に低下す
る。制御棒はその使用方法によって変化し、上記1/2Lは
1/4〜3/4Lの範囲で変化する。
また、〜の範囲において収容穴2a端面に設けた純
Zr製シート(ストリップ)9および外側のHf金属棒(ま
たはAg−In−Cd合金棒)8の周囲の純Zr材は前記の範
囲に設けた純Zr製管状体6と同様の作用をなす。〜
の範囲の合計の長さは15〜35cm程度とされる。これより
長いと、制御棒の重量増および反応度価値の低減を招く
ので長くするのは得策ではない。
Zr製シート(ストリップ)9および外側のHf金属棒(ま
たはAg−In−Cd合金棒)8の周囲の純Zr材は前記の範
囲に設けた純Zr製管状体6と同様の作用をなす。〜
の範囲の合計の長さは15〜35cm程度とされる。これより
長いと、制御棒の重量増および反応度価値の低減を招く
ので長くするのは得策ではない。
第2図は本発明に係る原子炉用制御棒の第2実施例を
示す。前記第1実施例と同一または対応する部分には同
一の符号を付して説明する。
示す。前記第1実施例と同一または対応する部分には同
一の符号を付して説明する。
第2図(A)において、挿入先端部の(a)で示す範
囲はHfを主成分とする金属(例えばZrを2〜3%含むHf
メタル)が収容穴2aを有するHf−Zr合金或いはHf−Ti合
金と溶接して一体化されている。この範囲の長さは3〜
35cm程度、通常は10〜15cm程度であり、中性子照射量が
著しく高いため、長寿命型吸収材であるHf材がほぼその
まま(100%に近い値で通常97%程度)使われている。
囲はHfを主成分とする金属(例えばZrを2〜3%含むHf
メタル)が収容穴2aを有するHf−Zr合金或いはHf−Ti合
金と溶接して一体化されている。この範囲の長さは3〜
35cm程度、通常は10〜15cm程度であり、中性子照射量が
著しく高いため、長寿命型吸収材であるHf材がほぼその
まま(100%に近い値で通常97%程度)使われている。
(b)の範囲は第1図におけるC−C線断面の構成と
同一であり、収容穴数は多くても2個位がよい。
同一であり、収容穴数は多くても2個位がよい。
(c)の範囲において、収容穴2aには純Zr製管状体6
が挿入され、その中に細径短尺化されたHf金属棒(また
はAg−In−Cd合金棒)8と純Zr粒7とが交互に充填され
ている。純Zr製管状体6は収容穴2aとの間に微小な間隙
を形成してスエリングを受入れる空間を形成するととも
に、管状体6自体はHf金属棒(またはAg−In−Cd合金
棒)7のスエリングの吸収と、3TやHのゲッタとしての
機能を有する。純Zr粒7は3TやHのゲッタとしての機能
と、Hf金属棒(またはAg−In−Cd合金棒)8の長さ方向
スエリングの吸収空間を形成している。
が挿入され、その中に細径短尺化されたHf金属棒(また
はAg−In−Cd合金棒)8と純Zr粒7とが交互に充填され
ている。純Zr製管状体6は収容穴2aとの間に微小な間隙
を形成してスエリングを受入れる空間を形成するととも
に、管状体6自体はHf金属棒(またはAg−In−Cd合金
棒)7のスエリングの吸収と、3TやHのゲッタとしての
機能を有する。純Zr粒7は3TやHのゲッタとしての機能
と、Hf金属棒(またはAg−In−Cd合金棒)8の長さ方向
スエリングの吸収空間を形成している。
(b)と(c)の範囲の長さの和は通常15cm程度かそ
れ以下とされる。(c)の範囲は2〜3個程度収容穴2a
を穿設することが好ましい。しかし、収容穴2aを形成す
るウイング材が中性子吸収材Hfを含んでいるため、不可
欠ではない。(d)の範囲において、収容穴2aには純Zr
製管状体6が挿入され、その中にボロン化合物と純ジル
コニウム粒との混合物を充填している。純Zr製管状体6
はスエリング空間を収容穴2aとの間隙として形成すると
ともに、管本体は3TやHのゲッタとしての機能と、ボロ
ンのスエリング吸収(逃げ)領域を形成している。純Zr
粒は主として3TやHのゲッタとして作用する。(e)の
範囲は第1図におけるF−F線断面図に示した構成と同
一である。
れ以下とされる。(c)の範囲は2〜3個程度収容穴2a
を穿設することが好ましい。しかし、収容穴2aを形成す
るウイング材が中性子吸収材Hfを含んでいるため、不可
欠ではない。(d)の範囲において、収容穴2aには純Zr
製管状体6が挿入され、その中にボロン化合物と純ジル
コニウム粒との混合物を充填している。純Zr製管状体6
はスエリング空間を収容穴2aとの間隙として形成すると
ともに、管本体は3TやHのゲッタとしての機能と、ボロ
ンのスエリング吸収(逃げ)領域を形成している。純Zr
粒は主として3TやHのゲッタとして作用する。(e)の
範囲は第1図におけるF−F線断面図に示した構成と同
一である。
以上、第1図および第2図に示す実施例について説明
したが、これらは単なる実施例に過ぎない。原子炉用制
御棒は上記各実施例を組合わせて使用するために、かな
り複雑な構成となっている。これらは必要に応じて当然
簡略化することができる。例えば、第1図(A)におい
てC−C線断面,D−D線断面で示す部分はE−E線断面
で示す部分と置換することができる。また、第2図
(A)において(c)や(d)の範囲は後述する第3図
(B)〜(E),(G)等の構成で置換することもでき
る。
したが、これらは単なる実施例に過ぎない。原子炉用制
御棒は上記各実施例を組合わせて使用するために、かな
り複雑な構成となっている。これらは必要に応じて当然
簡略化することができる。例えば、第1図(A)におい
てC−C線断面,D−D線断面で示す部分はE−E線断面
で示す部分と置換することができる。また、第2図
(A)において(c)や(d)の範囲は後述する第3図
(B)〜(E),(G)等の構成で置換することもでき
る。
第3図(A)〜(I)は本発明に係る原子炉用制御棒
において収容穴部分の各種構成を示し、同図(A)にお
いて収容穴2aには純Zr製管状体(スリーブ)6の中にボ
ロン化合物(B4CやEuB6が代表的である)11が充填され
ている。ウイング外側端部にはHf金属棒(またはAg−In
−Cd合金棒)8が配置され、収容穴2aとの間には純Zr製
シート(ストリップ)9が配置されている。
において収容穴部分の各種構成を示し、同図(A)にお
いて収容穴2aには純Zr製管状体(スリーブ)6の中にボ
ロン化合物(B4CやEuB6が代表的である)11が充填され
ている。ウイング外側端部にはHf金属棒(またはAg−In
−Cd合金棒)8が配置され、収容穴2aとの間には純Zr製
シート(ストリップ)9が配置されている。
第3図(B)においてはスエリング空間を残すため
に、挿入されるHf金属棒(またはAg−In−Cd合金棒)8
は細径化されている。ウイング外側縁のHf金属棒8は純
Zr製管状体6と純Zr製シート9とで取り囲まれる。同図
(C)において、挿入されるHf金属棒(またはAg−In−
Cd合金棒)8は細径化され、いたるところにスエリング
に際して容易に変形できる程度の小さな突出部8aが周方
向に多数形成されている。同図(D)において、挿入さ
れるHf金属棒(またはAg−In−Cd合金棒)8はボルト条
にその周辺に突条8bが形成されており、スエリングの際
の潰れしろを形成している。
に、挿入されるHf金属棒(またはAg−In−Cd合金棒)8
は細径化されている。ウイング外側縁のHf金属棒8は純
Zr製管状体6と純Zr製シート9とで取り囲まれる。同図
(C)において、挿入されるHf金属棒(またはAg−In−
Cd合金棒)8は細径化され、いたるところにスエリング
に際して容易に変形できる程度の小さな突出部8aが周方
向に多数形成されている。同図(D)において、挿入さ
れるHf金属棒(またはAg−In−Cd合金棒)8はボルト条
にその周辺に突条8bが形成されており、スエリングの際
の潰れしろを形成している。
第3図(E)において、Hf金属棒(またはAg−In−Cd
合金棒)8はその長さが収容穴2aの深さより単尺化さ
れ、単尺化されて形成された空間に純Zr粒7が充填され
ている。また、同図(F)において、Hf金属棒(または
Ag−In−Cd合金棒)8は複数の単尺物に分割され、それ
ら各分割片の間に純Zr粒7が挿入されている。
合金棒)8はその長さが収容穴2aの深さより単尺化さ
れ、単尺化されて形成された空間に純Zr粒7が充填され
ている。また、同図(F)において、Hf金属棒(または
Ag−In−Cd合金棒)8は複数の単尺物に分割され、それ
ら各分割片の間に純Zr粒7が挿入されている。
第3図(G)において、Hf金属棒(またはAg−In−Cd
合金棒)8は長さ方向に縦割りされた状態にあり、各縦
割り片にスエリングで潰れる程度の突起を設けたり、各
縦割り片間に純Zr製ストリップ9を配置している。した
がって、前者がスエリング逃げ対策であるのに対し、後
者は硬度の低い(柔らかい)純Zr製ストリップ9を介在
させるので、スエリング逃げ対策になるとともに、水素
ゲッタとしての作用もある。
合金棒)8は長さ方向に縦割りされた状態にあり、各縦
割り片にスエリングで潰れる程度の突起を設けたり、各
縦割り片間に純Zr製ストリップ9を配置している。した
がって、前者がスエリング逃げ対策であるのに対し、後
者は硬度の低い(柔らかい)純Zr製ストリップ9を介在
させるので、スエリング逃げ対策になるとともに、水素
ゲッタとしての作用もある。
第3図(H)において、ボロン化合物11、例えばB4C
粉粒体は純Zr粒と混合されて収容穴2aに充填され、ウイ
ング2の外側部にはHf粉粒12が充填されている。ウイン
グ2の外側部のHf粉粒12は長寿命型中性子吸収材として
の機能と水素ゲッタとしての機能を有する。B4Cは純Zr
より水素吸着力が低いため、純Zr粒7より小粒、すなわ
ち粉粒(微少粒)とされ、表面積が高められている。第
3図(I)において、収容穴2aの端部近傍にHf粉粒12が
充填され、内部にボロン化合物11が充填され、収容穴2a
端面とウイング2外側部の純Zrに囲まれたHf金属棒8と
の間には純Zrストリングが配置されている。この場合、
Hf粉粒12は水素ゲッタの機能と長寿命型中性子吸収材の
機能を有する。
粉粒体は純Zr粒と混合されて収容穴2aに充填され、ウイ
ング2の外側部にはHf粉粒12が充填されている。ウイン
グ2の外側部のHf粉粒12は長寿命型中性子吸収材として
の機能と水素ゲッタとしての機能を有する。B4Cは純Zr
より水素吸着力が低いため、純Zr粒7より小粒、すなわ
ち粉粒(微少粒)とされ、表面積が高められている。第
3図(I)において、収容穴2aの端部近傍にHf粉粒12が
充填され、内部にボロン化合物11が充填され、収容穴2a
端面とウイング2外側部の純Zrに囲まれたHf金属棒8と
の間には純Zrストリングが配置されている。この場合、
Hf粉粒12は水素ゲッタの機能と長寿命型中性子吸収材の
機能を有する。
なお、収容穴2aに挿入するHf金属棒8の表面に酸化被
膜を形成すれば、Hf金属棒8の水素吸着が抑制され、そ
の結果新たなスエリングが抑制される。この場合の「新
たな」という理由は、酸化によってHf金属棒8はスエリ
ングが生じ、それを収容穴2aに若干の間隙を有して挿入
するため、既にスエリングしているので、水素吸着によ
る新たなスエリングはほとんど生じないということであ
る。
膜を形成すれば、Hf金属棒8の水素吸着が抑制され、そ
の結果新たなスエリングが抑制される。この場合の「新
たな」という理由は、酸化によってHf金属棒8はスエリ
ングが生じ、それを収容穴2aに若干の間隙を有して挿入
するため、既にスエリングしているので、水素吸着によ
る新たなスエリングはほとんど生じないということであ
る。
また、収容穴2aの内面自体に酸化被膜を形成すれば、
この酸化被膜によって、ウイング2を形成するHf,Hf−Z
r合金またはHf−Ti合金の収容穴内面からのスエリング
は生じることなく、ないしは抑制される。
この酸化被膜によって、ウイング2を形成するHf,Hf−Z
r合金またはHf−Ti合金の収容穴内面からのスエリング
は生じることなく、ないしは抑制される。
第4図および第5図は収容穴に各種中性子吸収材や水
素ゲッタ等を充填して密封溶接するときの一例を示し、
収容穴2aには純Zr製中空管状体6が挿入され、その中に
B4C粉末が充填されている。そして、ウイング外側縁近
傍には純Zr製シート9で囲まれたHf金属棒8があてがわ
れている。ウイング2を形成するHf合金、すなわちHf−
Zr材(またはHf−Ti材)は一端が開放状態であるので、
これを内側に丸めて第5図に示すように外側を溶接して
閉じる。ウイング2を形成するHf合金と純Zrとは合金を
作成するので、密封溶接時Hfを包む純Zr製シート9の一
部は溶融して溶接部に移行するものの、極めて安全な合
金であるため問題とならない。
素ゲッタ等を充填して密封溶接するときの一例を示し、
収容穴2aには純Zr製中空管状体6が挿入され、その中に
B4C粉末が充填されている。そして、ウイング外側縁近
傍には純Zr製シート9で囲まれたHf金属棒8があてがわ
れている。ウイング2を形成するHf合金、すなわちHf−
Zr材(またはHf−Ti材)は一端が開放状態であるので、
これを内側に丸めて第5図に示すように外側を溶接して
閉じる。ウイング2を形成するHf合金と純Zrとは合金を
作成するので、密封溶接時Hfを包む純Zr製シート9の一
部は溶融して溶接部に移行するものの、極めて安全な合
金であるため問題とならない。
なお、溶接に際しては第10図および第11図に示す従来
例の場合のようにウイング構成材とほぼ同じ組成のHf合
金材を溶接部の裏(内面)にあてがってもよい。
例の場合のようにウイング構成材とほぼ同じ組成のHf合
金材を溶接部の裏(内面)にあてがってもよい。
第6図は本発明に係る原子炉用制御棒の第3実施例を
示し、前記第1実施例と同一または対応する部分には同
一の符号を付して説明する。
示し、前記第1実施例と同一または対応する部分には同
一の符号を付して説明する。
本実施例は前記第1,2実施例と基本的に同じ構成であ
るが、挿入先端部l3には上記実施例の一部を実施したHf
金属棒8が挿入され、先端部のその他の部分から挿入末
端側に向かってl4の長さ(有効部全長Lの1/4〜1/2程
度)では収容穴2aは長孔状となっており、より多くのB4
C等のボロン化合物11が充填されている。そして、純Zr
粒7が混入されており、水素ゲッタとして作用してい
る。この場合、より多くのボロンが充填されているた
め、反応度価値が増大している。なお、l2の部分は3T発
生率が低く、反応度価値を特に増大させる必要もないの
で、通常の丸孔が単純に並設されており、B4C等の中性
子吸収材が充填されている。
るが、挿入先端部l3には上記実施例の一部を実施したHf
金属棒8が挿入され、先端部のその他の部分から挿入末
端側に向かってl4の長さ(有効部全長Lの1/4〜1/2程
度)では収容穴2aは長孔状となっており、より多くのB4
C等のボロン化合物11が充填されている。そして、純Zr
粒7が混入されており、水素ゲッタとして作用してい
る。この場合、より多くのボロンが充填されているた
め、反応度価値が増大している。なお、l2の部分は3T発
生率が低く、反応度価値を特に増大させる必要もないの
で、通常の丸孔が単純に並設されており、B4C等の中性
子吸収材が充填されている。
第7図は本発明に係る原子炉用制御棒の第4実施例を
示し、前記第1実施例と同一または対応する部分には同
一の符号を付して説明する。
示し、前記第1実施例と同一または対応する部分には同
一の符号を付して説明する。
この制御棒は挿入先端側l1(1/4〜1/2L程度)がHf〜Z
rまたはHf−Ti合金板に収容穴を穿設した構成、挿入末
端側のl2はHf板を間隙を介して2枚対向配置した構成と
なっている。2枚のHf板間には水が入り、中性子減速材
と冷却の機能を果たす。3TまたはHの収容穴内側からの
吸着に対する防止等は前記第1〜3実施例と同様であ
る。
rまたはHf−Ti合金板に収容穴を穿設した構成、挿入末
端側のl2はHf板を間隙を介して2枚対向配置した構成と
なっている。2枚のHf板間には水が入り、中性子減速材
と冷却の機能を果たす。3TまたはHの収容穴内側からの
吸着に対する防止等は前記第1〜3実施例と同様であ
る。
第8図は本発明に係る原子炉用制御棒の第5実施例を
示し、前記第1実施例と同一または対応する部分には同
一の符号を付して説明する。
示し、前記第1実施例と同一または対応する部分には同
一の符号を付して説明する。
この制御棒は深いU字状のシースの内部に中性子吸収
材を配置してウイング2を構成しており、挿入先端側l1
(1/4〜1/2L程度)はZrを2〜3重量%含む通常組成のH
f金属板ないしHf−ZrまたはHf−Ti合金に収容穴を穿設
し、中性子吸収材を充填した構成である。挿入末端側の
l2はステンレス鋼管にB4C粉末を充填した従来型の中性
子吸収棒が配列されている。U字状のシース材はHf−Zr
またはHf−Ti合金等で構成すれば大反応度化と長寿命化
が達成される。それらの要望がなければ、ステンレス鋼
製とすることもできる。l1部に挿入される中性子吸収要
素はl11部とl12部とに分割されており、l11側ではHf濃
度が高いと大反応度化と長寿命化に有効であるが、制御
棒重量を大きくしてしまうため、l12部ではHf濃度を下
げて軽量化と低廉化を図っている。
材を配置してウイング2を構成しており、挿入先端側l1
(1/4〜1/2L程度)はZrを2〜3重量%含む通常組成のH
f金属板ないしHf−ZrまたはHf−Ti合金に収容穴を穿設
し、中性子吸収材を充填した構成である。挿入末端側の
l2はステンレス鋼管にB4C粉末を充填した従来型の中性
子吸収棒が配列されている。U字状のシース材はHf−Zr
またはHf−Ti合金等で構成すれば大反応度化と長寿命化
が達成される。それらの要望がなければ、ステンレス鋼
製とすることもできる。l1部に挿入される中性子吸収要
素はl11部とl12部とに分割されており、l11側ではHf濃
度が高いと大反応度化と長寿命化に有効であるが、制御
棒重量を大きくしてしまうため、l12部ではHf濃度を下
げて軽量化と低廉化を図っている。
なお、l3部は境界部における中性子吸収材の低減に伴
う局所的な中性子束の盛上がりを抑制するためのもので
あり、Hf金属が配置される。
う局所的な中性子束の盛上がりを抑制するためのもので
あり、Hf金属が配置される。
以上説明したように、本発明によれば、次に記載する
効果を奏する。
効果を奏する。
請求項1は原子炉用制御棒においては、収容穴にボロ
ン含有物質と、純ジルコニウム粒およびハフニウム粉粒
の内少なくとも一方との混合物を充填したので、ボロン
が中性子と反応して生成されるトリチウムや制御棒製造
時に侵入していた水分の放射線分解に生じる活性的な水
素原子を、水素吸着力の強いジルコニウム粒やハフニウ
ム粒で効果的に吸収することができ、収容穴内面の水素
化反応を効果的に抑制できる。また、中性子吸収要素の
挿入先端側収容穴に選択的に挿入されるハフニウム金属
やAg−In−Cd合金の水素化反応も効果的に抑制される。
ン含有物質と、純ジルコニウム粒およびハフニウム粉粒
の内少なくとも一方との混合物を充填したので、ボロン
が中性子と反応して生成されるトリチウムや制御棒製造
時に侵入していた水分の放射線分解に生じる活性的な水
素原子を、水素吸着力の強いジルコニウム粒やハフニウ
ム粒で効果的に吸収することができ、収容穴内面の水素
化反応を効果的に抑制できる。また、中性子吸収要素の
挿入先端側収容穴に選択的に挿入されるハフニウム金属
やAg−In−Cd合金の水素化反応も効果的に抑制される。
請求項2の原子炉用制御棒においては、収容穴にボロ
ン含有物質を純ジルコニウムシートで取り囲んで充填し
たので、収容穴と純ジルコニウムシートとの間に若干の
間隙を形成でき、この間隙でボロン含有物質の中性子反
応に伴うスエリングを生じさせても、体積膨張分が吸収
され、収容穴への応力誘起開始時点を遅延させることが
できる。さらに、純ジルコニウムシートは強い水素吸着
力を備えているので、収容穴内面の水素化反応を効果的
に抑制でき、収容穴への応力発生を効果的に抑制でき
る。
ン含有物質を純ジルコニウムシートで取り囲んで充填し
たので、収容穴と純ジルコニウムシートとの間に若干の
間隙を形成でき、この間隙でボロン含有物質の中性子反
応に伴うスエリングを生じさせても、体積膨張分が吸収
され、収容穴への応力誘起開始時点を遅延させることが
できる。さらに、純ジルコニウムシートは強い水素吸着
力を備えているので、収容穴内面の水素化反応を効果的
に抑制でき、収容穴への応力発生を効果的に抑制でき
る。
請求項3の原子炉用制御棒においては、収容穴に収容
するハフニウム金属や銀・インジウム・カドミウム合金
を縦割りにし、対向する面間に純ジルコニウムストリッ
プを挟むようにしたので、純ジルコニウムストリップは
硬度が低いことから万一スエリングが生じて収容穴に応
力が加わりそうな場合の逃げしろとなるとともに、水素
吸着力が特に優れているために水素があれば他のものに
先がけて吸着し、収容穴の内面やハフニウム金属,銀・
インジウム・カドミウム合金の水素吸着とそれに伴うス
エリングを防止し、収容穴への応力の発生を防止するこ
とができる。
するハフニウム金属や銀・インジウム・カドミウム合金
を縦割りにし、対向する面間に純ジルコニウムストリッ
プを挟むようにしたので、純ジルコニウムストリップは
硬度が低いことから万一スエリングが生じて収容穴に応
力が加わりそうな場合の逃げしろとなるとともに、水素
吸着力が特に優れているために水素があれば他のものに
先がけて吸着し、収容穴の内面やハフニウム金属,銀・
インジウム・カドミウム合金の水素吸着とそれに伴うス
エリングを防止し、収容穴への応力の発生を防止するこ
とができる。
請求項4の原子炉用制御棒においては、挿入先端の少
なくとも3cm長くても35cmまでの範囲に位置する収容穴
の少なくとも一部の収容穴に純ジルコニウム管状体を挿
入してガスプレナムを形成したので、ガスプレナム中に
存在する水素およびトリチウムを水素吸着力の大きな水
素ゲッタである純ジルコニウム管状体で積極的に吸着
し、収容穴内面の水素化反応を効果的に抑制し、収容穴
の健全性を保持することができる。これにより、挿入先
端側の収容穴に挿入されるハフニウム金属・銀・インジ
ウム・カドミウム合金の水素吸着を防止し、スエリング
に伴う応力の発生を防ぎ且つ制御棒内部のガス圧力の上
昇を抑制して制御棒の健全性を確保することができる。
なくとも3cm長くても35cmまでの範囲に位置する収容穴
の少なくとも一部の収容穴に純ジルコニウム管状体を挿
入してガスプレナムを形成したので、ガスプレナム中に
存在する水素およびトリチウムを水素吸着力の大きな水
素ゲッタである純ジルコニウム管状体で積極的に吸着
し、収容穴内面の水素化反応を効果的に抑制し、収容穴
の健全性を保持することができる。これにより、挿入先
端側の収容穴に挿入されるハフニウム金属・銀・インジ
ウム・カドミウム合金の水素吸着を防止し、スエリング
に伴う応力の発生を防ぎ且つ制御棒内部のガス圧力の上
昇を抑制して制御棒の健全性を確保することができる。
請求項5の原子炉用制御棒においては、ボロンを含有
する中性子吸収材を収容する収容穴の内、中性子照射量
が高い挿入先端から少なくとも1/4Lまでの範囲に位置す
る収容穴には、純ジルコニウム管状体を挿入し、その中
に純ジルコニウム粒とボロン化合物を混合状態で充填さ
せたので、水素吸着力の大きな純ジルコニウム管状体お
よび純ジルコニウム粒で制御棒内の水素およびトリチウ
ムを吸着し、収容穴への水素吸着を効果的に抑制し、収
容穴の健全性を確保できる。また、純ジルコニウム管状
体は軟らかく、ボロン化合物が中性子と反応してスエリ
ングを起こしたとき、スエリング変形に対する逃げ代を
形成し、収容穴への応力発生を遅らせる一方、収容穴と
純ジルコニウム管状体との間の間隙により、収容穴への
応力発生をより一層遅らせることができ、制御棒の健全
性が長期に亘って確保される。
する中性子吸収材を収容する収容穴の内、中性子照射量
が高い挿入先端から少なくとも1/4Lまでの範囲に位置す
る収容穴には、純ジルコニウム管状体を挿入し、その中
に純ジルコニウム粒とボロン化合物を混合状態で充填さ
せたので、水素吸着力の大きな純ジルコニウム管状体お
よび純ジルコニウム粒で制御棒内の水素およびトリチウ
ムを吸着し、収容穴への水素吸着を効果的に抑制し、収
容穴の健全性を確保できる。また、純ジルコニウム管状
体は軟らかく、ボロン化合物が中性子と反応してスエリ
ングを起こしたとき、スエリング変形に対する逃げ代を
形成し、収容穴への応力発生を遅らせる一方、収容穴と
純ジルコニウム管状体との間の間隙により、収容穴への
応力発生をより一層遅らせることができ、制御棒の健全
性が長期に亘って確保される。
請求項6の原子炉用制御棒においては、ハフニウムを
主成分とするハフニウム金属および銀・インジウム・カ
ドミウム(Ag−In−Cd)合金を選択的に挿入する収容穴
には、これら挿入物質を純ジルコニウムシートで取り囲
んで挿入したので、収容穴内面と純ジルコニウムシート
面とハフニウム金属またはAg−In−Cd合金との間に間隙
が形成されており、これらの間隙および純ジルコニウム
シートの軟らかさで水素ゲッタである純ジルコニウムシ
ートの体積膨張を吸収でき、収容穴への応力の誘起開始
時点を遅らせることができ、制御棒の健全性が保たれ
る。
主成分とするハフニウム金属および銀・インジウム・カ
ドミウム(Ag−In−Cd)合金を選択的に挿入する収容穴
には、これら挿入物質を純ジルコニウムシートで取り囲
んで挿入したので、収容穴内面と純ジルコニウムシート
面とハフニウム金属またはAg−In−Cd合金との間に間隙
が形成されており、これらの間隙および純ジルコニウム
シートの軟らかさで水素ゲッタである純ジルコニウムシ
ートの体積膨張を吸収でき、収容穴への応力の誘起開始
時点を遅らせることができ、制御棒の健全性が保たれ
る。
請求項7の原子炉用制御棒においては、ハフニウムを
主成分とするハフニウム金属および銀・インジウム・カ
ドミウム(Ag−In−Cd)合金を選択的に挿入する収容穴
には、これら挿入物質の外周面に突出部を形成したの
で、ハフニウム金属やAg−In−Cd合金にスエリングが生
じても、収容穴の抗力に負けて突出部が順次潰されるた
め、収容穴の構造部材に大きな応力が生じるのを未然に
かつ確実に防止できる。
主成分とするハフニウム金属および銀・インジウム・カ
ドミウム(Ag−In−Cd)合金を選択的に挿入する収容穴
には、これら挿入物質の外周面に突出部を形成したの
で、ハフニウム金属やAg−In−Cd合金にスエリングが生
じても、収容穴の抗力に負けて突出部が順次潰されるた
め、収容穴の構造部材に大きな応力が生じるのを未然に
かつ確実に防止できる。
請求項8の原子炉用制御棒においては、ハフニウムを
主成分とするハフニウム金属および銀・インジウム・カ
ドミウム(Ag−In−Cd)合金を選択的に挿入する収容穴
には、挿入物の表面に酸化被膜を形成する一方、多数の
収容穴の内、少なくともボロンを含む中性子吸収材を充
填する収容穴の内面に酸化被膜を形成したので、酸化皮
膜が水素に対してバリヤとして機能し、水素と挿入物、
さらに水素と収容穴(収容穴を形成しているHf,Zr,Ti)
とが隔離されて水素との反応が防止され、スエリングの
発生を効果的に抑制できる。
主成分とするハフニウム金属および銀・インジウム・カ
ドミウム(Ag−In−Cd)合金を選択的に挿入する収容穴
には、挿入物の表面に酸化被膜を形成する一方、多数の
収容穴の内、少なくともボロンを含む中性子吸収材を充
填する収容穴の内面に酸化被膜を形成したので、酸化皮
膜が水素に対してバリヤとして機能し、水素と挿入物、
さらに水素と収容穴(収容穴を形成しているHf,Zr,Ti)
とが隔離されて水素との反応が防止され、スエリングの
発生を効果的に抑制できる。
請求項9の原子炉用制御棒においては、ウイング挿入
先端側から少なくとも3cm、長くても35cmの範囲に配設
された収容穴の内、少なくとも1つの収容穴に純ジルコ
ニウム粒およびハフニウム粉粒を選択的に充填させたの
で、収容穴に充填された純ジルコニウム粒やハフニウム
粉粒が収容穴やその周辺の収容穴から流れ出た水素を吸
着し、収容穴内の水素濃度を減少させ、中性子吸収要素
の挿入先端側の収容穴に挿入されるハフニウム金属ある
いはAg−In−Cd合金と水素との反応を抑制し、スエリン
グの進行を抑えることができる。
先端側から少なくとも3cm、長くても35cmの範囲に配設
された収容穴の内、少なくとも1つの収容穴に純ジルコ
ニウム粒およびハフニウム粉粒を選択的に充填させたの
で、収容穴に充填された純ジルコニウム粒やハフニウム
粉粒が収容穴やその周辺の収容穴から流れ出た水素を吸
着し、収容穴内の水素濃度を減少させ、中性子吸収要素
の挿入先端側の収容穴に挿入されるハフニウム金属ある
いはAg−In−Cd合金と水素との反応を抑制し、スエリン
グの進行を抑えることができる。
請求項10の原子炉用制御棒においては、ウイング挿入
先端側から少なくとも1/4Lまでの範囲に配設された収容
穴の外側縁にウイングの長手方向に延びるハフニウムを
主成分とする金属棒と銀・インジウム・カドミウム合金
棒の少なくとも一方を配置し、これらと収容穴との負に
純ジルコニウム金属ストリップを配置したので、この純
ジルコニウム金属ストリップが、大部分の収容孔に収容
されたボロン化合物と中性子と反応して生じるトリチウ
ムや、制御棒製造時に侵入していた水分の放射線分解に
よって生じた水素を、効率よく吸収し、収容穴内の水素
(Hや3T)濃度を低下させ、収容穴の水素吸着や外側縁
のハフニウム金属棒やAg−In−Cd合金棒の水素吸着が抑
制され、スエリングが抑制されるので、制御棒の健全性
を長期に亘り保持できる。
先端側から少なくとも1/4Lまでの範囲に配設された収容
穴の外側縁にウイングの長手方向に延びるハフニウムを
主成分とする金属棒と銀・インジウム・カドミウム合金
棒の少なくとも一方を配置し、これらと収容穴との負に
純ジルコニウム金属ストリップを配置したので、この純
ジルコニウム金属ストリップが、大部分の収容孔に収容
されたボロン化合物と中性子と反応して生じるトリチウ
ムや、制御棒製造時に侵入していた水分の放射線分解に
よって生じた水素を、効率よく吸収し、収容穴内の水素
(Hや3T)濃度を低下させ、収容穴の水素吸着や外側縁
のハフニウム金属棒やAg−In−Cd合金棒の水素吸着が抑
制され、スエリングが抑制されるので、制御棒の健全性
を長期に亘り保持できる。
請求項11の原子炉用制御棒においては、ウイング挿入
先端側から少なくとも1/4Lまでの範囲に配設された収容
穴の外側縁にウイングの長手方向に延びる純ジルコニウ
ムスリーブで横断面の大部分を含まれたハフニウムを主
成分とする金属棒または銀・インジウム・カドミウム合
金棒のいずれか一方を配置したので、純ジルコニウムス
リーブは水素ゲッタとして優先的に水素を吸着し、収容
穴の内面およびハフニウム棒、Ag−In−Cd合金棒の水素
吸着に伴うスエリングや材質強度の低下を防止でき、制
御棒の健全性を確保することができる。
先端側から少なくとも1/4Lまでの範囲に配設された収容
穴の外側縁にウイングの長手方向に延びる純ジルコニウ
ムスリーブで横断面の大部分を含まれたハフニウムを主
成分とする金属棒または銀・インジウム・カドミウム合
金棒のいずれか一方を配置したので、純ジルコニウムス
リーブは水素ゲッタとして優先的に水素を吸着し、収容
穴の内面およびハフニウム棒、Ag−In−Cd合金棒の水素
吸着に伴うスエリングや材質強度の低下を防止でき、制
御棒の健全性を確保することができる。
第1図(A)は本発明に係る原子炉用制御棒の第1実施
例を示す断面図、第1図(B)は第1図(A)における
B−B線に沿う断面図、第1図(C)乃至(G)は第1
図(A)におけるC−C線乃至G−Gに沿う断面図、第
2図(A)は本発明に係る原子炉用制御棒の第2実施例
を示す断面図、第2図(B)は第2図(A)におけるB
−B線に沿う断面図、第3図(A)〜(I)は本発明に
係る原子炉用制御棒における収容穴の各種構成を示す断
面図、第4図および第5図は収容穴に対する中性子吸収
材の挿入と密封を示す図、第6図(A)は本発明に係る
原子炉用制御棒の第3実施例を示す断面図、第6図
(B)は第6図(A)におけるB−B線に沿う断面図、
第7図は本発明に係る原子炉用制御棒の第4実施例を示
す断面図、第8図は本発明に係る原子炉用制御棒の第5
実施例を示す断面図、第9図は従来の原子炉用制御棒を
示す断面図、第10図および第11図は従来の原子炉用制御
棒における収容穴に対する中性子吸収材の挿入と密封を
示す図である。 1……結合部材、2……ウイング、2a……収容穴、2b…
…空間部、2c……開口部分、3……ハンドル、3a……長
寿命型中性子吸収材、3b……長寿命型中性子吸収材、4
……中性子吸収材、6……純Zr製管状体、7……純Zr
粒、8……Hf金属棒またはAg−In−Cd合金棒、9……純
Zr製シート、11……ボロン化合物、A……原子炉用制御
棒。
例を示す断面図、第1図(B)は第1図(A)における
B−B線に沿う断面図、第1図(C)乃至(G)は第1
図(A)におけるC−C線乃至G−Gに沿う断面図、第
2図(A)は本発明に係る原子炉用制御棒の第2実施例
を示す断面図、第2図(B)は第2図(A)におけるB
−B線に沿う断面図、第3図(A)〜(I)は本発明に
係る原子炉用制御棒における収容穴の各種構成を示す断
面図、第4図および第5図は収容穴に対する中性子吸収
材の挿入と密封を示す図、第6図(A)は本発明に係る
原子炉用制御棒の第3実施例を示す断面図、第6図
(B)は第6図(A)におけるB−B線に沿う断面図、
第7図は本発明に係る原子炉用制御棒の第4実施例を示
す断面図、第8図は本発明に係る原子炉用制御棒の第5
実施例を示す断面図、第9図は従来の原子炉用制御棒を
示す断面図、第10図および第11図は従来の原子炉用制御
棒における収容穴に対する中性子吸収材の挿入と密封を
示す図である。 1……結合部材、2……ウイング、2a……収容穴、2b…
…空間部、2c……開口部分、3……ハンドル、3a……長
寿命型中性子吸収材、3b……長寿命型中性子吸収材、4
……中性子吸収材、6……純Zr製管状体、7……純Zr
粒、8……Hf金属棒またはAg−In−Cd合金棒、9……純
Zr製シート、11……ボロン化合物、A……原子炉用制御
棒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 7/10 G21C 7/24
Claims (11)
- 【請求項1】長方形に形成されたハフニウム(Hf)金属
板、ハフニウムとジルコニウム(Zr)との合金板、ハフ
ニウムとチタン(Ti)との合金板、或いはジルコニウ
ム,チタンを主成分とする合金板に、ウイング幅方向に
延びる多数の収容穴を列状に穿設し、これらの収容穴の
大部分に中性子吸収材を充填して中性子吸収要素とな
し、この中性子吸収要素は原子炉の炉心に全挿入された
状態において挿入先端側から炉心の有効発熱部の全長L
の少なくとも1/4以上の領域に配置され、上記中性子吸
収要素の挿入先端側の収容穴にハフニウムを主成分とす
るハフニウム金属および銀・インジウム・カドミウム
(Ag−In−Cd)合金を選択的に挿入し、上記範囲を除く
収容穴にボロンを含む中性子吸収材を充填した原子炉用
制御棒において、ボロンを含有する中性子吸収材を収容
する収容穴の内、中性子照射量が高い挿入先端から少な
くとも1/4Lまでの範囲に位置する収容穴には、ボロン含
有物質と鈍ジルコニウム(Zr)粒およびハフニウム粉粒
の少なくとも一方との混合物を充填したことを特徴とす
る原子炉用制御棒。 - 【請求項2】中性子照射量が高い挿入先端から少なくと
も1/4Lまでの範囲に位置する収容穴には、ボロン含有物
質を純ジルコニウムシートで取り囲んで充填してなる請
求項1記載の原子炉用制御棒。 - 【請求項3】ハフニウムを主成分とするハフニウム金属
および銀・インジウム・カドミウム(Ag−In−Cd)合金
を選択的に挿入する収容穴には、これら挿入物質を収容
穴の軸と平行方向に複数分割し、各分割片相互間に純ジ
ルコニウムストリップを介在させてなる請求項1記載の
原子炉用制御棒。 - 【請求項4】上記中性子吸収要素の挿入先端側から少な
くとも3cm、長くても35cmの範囲に配設された収容穴の
内、少なくとも1つの収容穴に純ジルコニウム管状体を
挿入してガスブレナムを形成してなる請求項1記載の原
子炉用制御棒。 - 【請求項5】長方形に形成されたハフニウム(Hf)金属
板、ハフニウムとジルコニウム(Zr)との合金板、ハフ
ニウムとチタン(Ti)との合金板、或いはジルコニウ
ム,チタンを主成分とする合金板に、ウイング幅方向に
延びる多数の収容穴を列状に穿設し、これらの収容穴の
大部分に中性子吸収材を充填して中性子吸収要素とな
し、この中性子吸収要素は原子炉の炉心に全挿入された
状態において挿入先端側から炉心の有効発熱部の全長L
の少なくとも1/4以上の領域に配置され、上記中性子吸
収要素の挿入先端側の収容穴にハフニウムを主成分とす
るハフニウム金属および銀・インジウム・カドミウム
(Ag−In−Cd)合金を選択的に挿入し、上記範囲を除く
収容穴にボロンを含む中性子吸収材を充填した原子炉用
制御棒において、ボロンを含有する中性子吸収材を収容
する収容穴の内、中性子照射量が高い挿入先端から少な
くとも1/4Lまでの範囲に位置する収容穴には、純ジルコ
ニウム管状体を挿入し、その中に純ジルコニウム粒とボ
ロン化合物を混合状態で充填させたことを特徴とする原
子炉用制御棒。 - 【請求項6】ハフニウムを主成分とするハフニウム金属
および銀・インジウム・カドミウム(Ag−In−Cd)合金
を選択的に挿入する収容穴には、これらの挿入物質を純
ジルコニウムシートで取り囲んで挿入した請求項1また
は5記載の原子炉用制御棒。 - 【請求項7】ハフニウムを主成分とするハフニウム金属
および銀・インジウム・カドミウム(Ag−In−Cd)合金
を選択的に挿入する収容穴には、これら挿入物質の外周
面に突出部を形成してなる請求項1または5記載の原子
炉用制御棒。 - 【請求項8】ハフニウムを主成分とするハフニウム金属
および銀・インジウム・カドミウム(Ag−In−Cd)合金
を選択的にを挿入する収容穴には、挿入物の表面に酸化
被膜を形成する一方、多数の収容穴の内、少なくともボ
ロンを含む中性子吸収材を充填する収容穴の内面に酸化
被膜を形成した請求項1または5記載の原子炉用制御
棒。 - 【請求項9】ウイング挿入先端側から少なくとも3cm、
長くても35cmの範囲に配設された収容穴の内、少なくと
も1つの収容穴に純ジルコニウム粒およびハフニウム粉
粒を選択的に充填させた請求項1または5記載の原子炉
用制御棒。 - 【請求項10】ウイング挿入先端側から少なくとも1/4L
までの範囲に配設された収容穴の外側縁にウイングの長
手方向に延びるハフニウムを主成分とする金属棒と銀・
インジウム・カドミウム合金棒の一方を配置し、これら
と収容穴との間に純ジルコニウム金属ストリップを配置
した請求項1または5記載の原子炉用制御棒。 - 【請求項11】ウイング挿入先端側から少なくとも1/4L
までの範囲に配設された収容穴の外側縁にウイングの長
手方向に延びる純ジルコニウムスリーブで横断面の大部
分を包まれたハフニウムを主成分とする金属棒または銀
・インジウム・カドミウム合金棒のいずれか一方を配置
した請求項1または5記載の原子炉用制御棒。
Priority Applications (4)
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---|---|---|---|
JP2180465A JP2939307B2 (ja) | 1990-07-10 | 1990-07-10 | 原子炉用制御棒 |
US07/721,677 US5276718A (en) | 1990-06-26 | 1991-06-26 | Control blade for nuclear reactor |
DE4121103A DE4121103C2 (de) | 1990-06-26 | 1991-06-26 | Kernreaktor-Steuerstab |
FR9107900A FR2663776B1 (fr) | 1990-06-26 | 1991-06-26 | Barre de commande et barreau d'une telle barre pour reacteur nucleaire. |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2180465A JP2939307B2 (ja) | 1990-07-10 | 1990-07-10 | 原子炉用制御棒 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2939307B2 true JP2939307B2 (ja) | 1999-08-25 |
Family
ID=16083699
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2180465A Expired - Lifetime JP2939307B2 (ja) | 1990-06-26 | 1990-07-10 | 原子炉用制御棒 |
Country Status (1)
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SE536814C2 (sv) * | 2010-03-01 | 2014-09-16 | Westinghouse Electric Sweden | Neutronabsorberande komponent och förfarande för framställning av en neutronabsorberande komponent |
CN116750718B (zh) * | 2023-05-11 | 2024-04-30 | 有研资源环境技术研究院(北京)有限公司 | 一种氢化铪中子吸收材料及其制备方法 |
-
1990
- 1990-07-10 JP JP2180465A patent/JP2939307B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH0469594A (ja) | 1992-03-04 |
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