JPS61187685A - 原子炉用制御棒 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は沸騰水型原子炉等の原子炉の炉心部に挿入され
る原子炉用制御棒に係り、特に長寿命型の原子炉用制御
棒の構造に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

原子炉に用いられる制御棒は、十字状断面を有するタイ
ロッドの各突出脚に、細長いＵ字状断面のシースを取付
けて、横断面が十字形となるよう４枚のウィングを形成
し、各ウィング内に多数の中性子吸収棒を装填して構成
される。中性子吸収棒は被覆管内に中性子吸収物質例え
ばＢ４Ｃ粉末やそのベレットを充填することにより形成
される。

しかして、制御棒が原子炉炉心に挿入され中性子の照射
を受けると、中性子吸収棒内の中性子吸収物質は中性子
を吸収して損耗を受け、Ｈｅガス等のガスが発生する。

このため、制御棒は中性子照射時間の経過とともに、中
性子吸収能力が低下し、被覆管内のガス圧が上昇する。

中性子吸収能力が予め定めた値まで低下するに要する中
性子照射時間を核的寿命、ガス圧が許容値まで上昇する
に必要な中性子照射時間を機械的寿命と呼んでいる。

ところで、１本の制御棒について注目した場合、制御棒
内に収容される多数の中性子吸収棒がすべて平等に中性
子照射を受けるわけではない。例えば原子炉炉心に制御
棒を部分的に挿入した場合、各ウィング側縁近傍に配置
された中性子吸収棒および各中性子吸収棒の先端部分は
特に強い中性子照射を受ける。このため、中性子吸収棒
の先端部やウィング側縁近傍部は中性子吸収能力の劣化
が激しい。また、ウィング側縁近傍部に位置する中性子
吸収棒は他のものより先に機械的寿命を失う。

この点を考慮し、本出願人は中性子の強い照射を受ける
先端部位に、中性子吸収によってもガスが発生しないハ
フニウム等からなる長寿命型中性子吸収棒を配設した制
御棒を提案した（特開昭５゜３−７４６９７号および特
開昭５７−１７３７８８号公報参照）。このようにすれ
ば、中性子の強い照射を受ける部分が長寿命化されるの
で、制御棒の長寿命化を図ることができる。

一方、特開昭５７−１７３７８８号公報に記載された制
御棒は、第３図に示すように通常型の長尺中性子吸収棒
１，２の長さを長短２種類用意し、それらをウィング３
のシース４内に長短交互になるように配列する。そして
、長短２種の長尺中性子吸収棒１，２に対応させて制御
棒の先端部に短長２種の長寿命型中性子吸収棒５，６を
隣接配置する。長寿命型中性子吸収棒５，６は中性子吸
収能力の優れたハフニウム等の金属材で構成される。

ところで、上記制御棒の先端部に組み込まれる長寿命型
中性子吸収棒５，６は通常１５ｃ！Ｒ程度の短尺物で、
通常型の中性子吸収棒１，２は３′ｒｒＬ以上の長尺物
である。長尺の中性子吸収棒１．２は被覆管７内にＢ４
Ｃ粉末あるいはペレットを充填したものであり、軽量構
造に形成されるため、制御棒を軸方向に急速に挿入した
り、引抜いた場合でも、シース４との間の摩擦抵抗によ
り軸方向に移動するのが有効的に防止される。

しかし、短尺の長寿命型中性子吸収棒５，６においては
、例えばＨｆ材の場合比重が１３．３ｇ／　ｃｔｔｌと
一般に大きく、かつ長寿命型中性子吸収棒５．６が短尺
のため、摩擦保持力が小さい。このため、制御棒を急速
に挿入すると、軸方向に移動が生じ、長寿命型中性子吸
収棒５．６が軸方向に変位する恐れがあった。比重の大
きな長寿命型中性子吸収棒５，６が移動して、通常型の
長尺中性子吸収棒１．２の頂部にショックを与えると、
ハンマー現象により長尺中性子吸収棒１，２の頂部のプ
ラグ部分に損傷が生じ、中性子吸収棒１，２の破損の原
因になる等の恐れがあった。

〔発明の目的〕　　　　　　　　　　　　　　Ｑ本発明
は上述した事情を考慮してなされたもので、長寿命型中
性子吸収材がシース内で移動するのを未然にかつ確実に
防止し、通常型中性子吸収材の健全性を向上させ、かつ
制御棒の長寿命化を図ることができる原子炉用制御棒を
提供することを目的とする。

〔発明の概要〕

上述した目的を達成するために、本発明は、タイロッド
の各突出脚にＵ字状断面のシースを取付けて複数のウィ
ングを構成し、上記タイロッドの挿入先端部に先端構造
材を、また挿入末端部に末端構造材をそれぞれ配置し、
前記シース内に中性子吸収材を収容した原子炉用制御棒
において、前記先端構造材に隣接して短尺の長寿命型中
性子吸収材を、前記シース内に配置する一方、上記長寿
命型中性子吸収材に隣接して長尺の中性子吸収材を配設
し、前記長寿命型中性子吸収材の一部をシース側面から
固着された短尺のスペーサで置換し、上記長寿命型中性
子吸収材の制御棒挿入あるいは引抜方向の移動を防止す
るようにしたことを特徴とするものである。

〔発明の実施例〕

以下、本発明に係る原子炉用制御棒の好ましい実施例に
ついて添付図面を参照して説明する。

第１図は、沸騰水型原子炉に用いられる本発明に係る原
子炉用制御棒の先端部を示すものである。

この原子炉用制御棒１０は横断面十字形をなすタイロッ
ド１１を有し、このタイロッド１１の先端および末端側
に先端構造材１２および図示しない末端構造材が結合さ
れて一体化される。先端構造材１２には原子炉用制御棒
の挿入を案内するガイドローラ１３が備えられるととも
に、操作用ハンドル１４が設けられる。

一方、タイロッド１１の各突出脚には深いＵ字状横断面
を有するシース１５が取付けられてウィング１６が構成
される。ウィング１６のシース１５内には偏平な内部空
間が形成される。先端構造材１２に隣接するウィング１
６の内部空間には長寿命型中性子吸収材１７が配設され
る。この中性子吸収材１７はハフニウム（Ｈｆ）あるい
はＨｆ−７ｎ合金等で棒状に構成される。ハフニウムは
中性子吸収能力が優れた金属材で、ボロンカーバイド（
Ｂ４Ｃ）の３〜６倍の寿命を有する。

前記長寿命型中性子吸収材１７は、第１図に示すように
３ＴｒＬ以上の軸方向長さを有する長尺の長寿命型中性
子吸収棒１８と５〜１５α程度の短尺の長寿命型中性子
吸収棒とを有し、これらの長寿命型中性子吸収棒は強い
中性子照射を受ける各ウィング１６の先端部および翼端
部に配設される。

このうち、短尺の長寿命型中性子吸収棒は長さが異なる
２種類の中性子吸収棒１９ａ、１９ｂを交互に配設した
もので、先端構造材１２に密接して配置される。一方、
長尺の中性子吸収棒１８は各ウィング１６の翼端近傍、
すなわちシース１５の外側端部に必要に応じて配設され
る。

また、制御棒のウィング１６の偏平空間には、長寿命型
中性子吸収棒１８．１９ａ、１９ｂに隣接して通常型の
長尺な中性子吸収材２０が配設される。この中性子吸収
材２０は第１図に示すように長さが異なる２種類の中性
子吸収棒２０ａ、２０ｂを交互に配列したもので、短尺
の長寿命型中性子吸収棒１９ａ、１９ｂと交差するよう
に噛合し、列状に密接して配設される。通常型の中性子
吸収棒２０は第２図に示すように、被覆！２１内にボロ
ンカーバイド（Ｂ４Ｃ）の粉末などの中性子吸収物質２
２を充填させたものであり、中性子吸収物質２２の充填
後に先端部にウール２３が介装され、プラグ２４により
気密に密封される。

ところで、ウィング１６内の偏平空間に先端構造材１２
に隣接して配設される短尺の長寿命型中性子吸収棒１９
ａ、１９ｂはその一部、望ましくは中央部が短尺の金属
スペーサ２６で置換される。

このスペーサ２６は長寿命型中性子吸収棒１９ａ。

１９ｔ）の外径とほぼ等しい厚さを有し、ウィング１６
内に挿入された状態でシース１５の側面から点溶接等に
より、シース１５に一体に固定される。

スペーサ２６をシース１５に固定させることにより、ス
ペーサ２６の移動が完全に規則され、これに伴い、短尺
の長寿命型中性子吸収棒１９ａ、１９ｂの拘束力が増大
し、長寿命型中性子吸収棒１９ａ、１９ｂの軸方向移動
が゛有効的に抑制される。

次に、作用を説明する。

本発明に係る原子炉用ｖ制御棒は、原子炉の高出力運転
時に、炉心内に残って多量の中性子照射を受ける先端部
に長寿命型中性子吸収材１７が装填されているので、多
量の中性子照射を受けても、その寿命を他部と同等以上
とすることができる。

一方、前記制御棒１０のウィング翼端近傍にも長寿命型
中性子吸収棒１８が装填されるので、強い中性子照射を
受けるウィング翼端部の寿命を損うことがない。このよ
うに、強い中性子照射を受ける部分に長寿命型中性子吸
収材１７を配設することにより、原子炉用制御棒の寿命
を全体的にバランスさせ、長寿命化を図ることができる
。

また、制御棒１０を原子炉炉心に急速に挿入させても、
ウィング１６の先端部にスペーサ２６が介装され、溶接
等によりシース１５に固定されているので、スペーサ２
６が短尺の長寿命型中性子吸収棒１９ａ、１９ｂを拘束
する。このため、スクラム時のような制御棒の緊急挿入
時にも、長寿命型中性子吸収棒１９ａ、１９ｂの軸方向
移動を有効的に抑制′１ｊδことができる。短尺の長寿
命型中性子吸収棒１９ａ、１９ｂは一般に比重の大きな
ハフニウム等の金属材料で形成され、かつ軸方向長さが
短いため、摩擦接触によるシース内側面での保持力が小
さく、制御棒１０の急速挿入や引抜きにより軸方向移動
が生じ易いが、スペーサ２６を介装させることにより、
短尺の長寿命型中性子吸収棒１９ａ、１９ｂを拘束する
ので、その軸方向移動を未然にかつ確実に抑制すること
ができる。したがって、長尺の中性子吸収材２０に機械
的なショックを与えることがなく、制御棒の健全性を確
保することができる。

ところで、原子炉用制御棒１０は先端構造材１２に隣接
する短尺の長寿命型中性子吸収棒１９ａ。

１９ｂの一部をスペーサで置換したため、スペーサ２６
の近傍でわずかながら中性子束の盛上りが認められるが
、周りにハフニウム等の長寿命型中性子吸収棒１９ａ、
１９ｂが存在するため、制御棒１０の先端部に５〜１５
ｃｍ程度のスペーサ２６を介装しても、反応度価値の低
下を防ぐことができ、その低下はほとんど無視できる。

なお、この発明の一実施例の説明においては、長寿命型
中性子吸収材および長尺の中性子吸収材を中性子吸収棒
で構成した例について説明したが、これらの中性子吸収
材は棒状タイプに限定されず、偏平な平板状に構成して
もよい。

また、短尺の長寿命型中性子吸収材と長尺の中性子吸収
材はそれぞれ長短２種類用意し、両吸収材の境界が交差
し、噛合するように隣接配置した例について説明したが
、必ずしも交差させたりする必要はない。ウィング翼端
に向って短尺の長寿命型中性子吸収材の下方境界面が下
り傾斜するように配列あるいは構成しても、あるいは水
平方向に延びるように構成してもよい。

さらに、長寿命型中性子吸収材は原子炉の運転中にも中
性子照射を受ける制御棒の先端部にのみ配設してもよい
。

〔発明の効果〕

以上に述べたように本発明に係る原子炉用制御棒は、先
端構造材に隣接して短尺の長寿命型中性子吸収材をシー
ス内に配置したから、常時中性子照射を受ける箇所の中
性子吸収能力を他の部分と同様に維持することができ、
制御棒の長寿命化を図ることができる。

また、短尺の長寿命型中性子吸収材の一部をシース側面
から固着された短尺のスペーサで置換したから、このス
ペーサが短尺の長寿命型中性子吸収材の動きを拘束し、
スクラム時のように制御棒を原子炉炉心に急速挿入する
場合にも、長寿命型中性子吸収材の制御棒引抜および挿
入方向の移動を有効的に抑制することができる。したが
って、制御棒の急速挿入時などに短尺の長寿命型中性子
吸収材が移動して長尺の中性子吸収材に機械的衝撃を与
えることもなく、その破損や損傷を未然にかつ確実に防
止できるので制御棒の健全性や信頼性を向上させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る原子炉用制御棒の一実施例を示す
図、第２図は上記原子炉用制御棒に組み込まれる中性子
吸収材を示す図、第３図は従来の原子炉用制御棒を示す
図である。 １０・・・制御棒、１１・・・タイロッド、１２・・・
先端構造材、１５・・・シース、１６・・・ウィング、
１７・・・長寿命型中性子吸収材、１８．１９ａ、１９
ｂ・・・長寿命型中性子吸収棒、２０・・・長尺の中性
子吸収材、２０ａ、１０ｂ・・・中性子吸収棒、２１・
・・被覆管、２２・・・中性子吸収物質。 出願人代理人　　　波　多　野　　　久第１図 第３図

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、タイロッドの各突出脚にＵ字状断面のシースを取付
   けて複数のウィングを構成し、上記タイロッドの挿入先
   端部に先端構造材を、また挿入末端部に末端構造材をそ
   れぞれ配置し、前記シース内に中性子吸収材を収容した
   原子炉用制御棒において、前記先端構造材に隣接して短
   尺の長寿命型中性子吸収材を、前記シース内に配置する
   一方、上記長寿命型中性子吸収材に隣接して長尺の中性
   子吸収材を配設し、前記長寿命型中性子吸収材の一部を
   シース側面から固着された短尺のスペーサで置換し、上
   記長寿命型中性子吸収材の制御棒挿入あるいは引抜方向
   の移動を防止するようにしたことを特徴とする原子炉用
   制御棒。 ２、長尺および短尺の中性子吸収材はシース内を列状に
   配列された中性子吸収棒であり、上記短尺の長寿命型中
   性子吸収棒は隣接する長尺の中性子吸収棒に境界面が互
   いに噛合するように配設された特許請求の範囲第１項に
   記載の原子炉用制御棒。 ３、短尺のスペーサは長寿命型中性子吸収材の厚さまた
   は直径と等しい厚さを有する特許請求の範囲第１項に記
   載の原子炉用制御棒。