JP2939352B2 - 原子炉用制御棒 - Google Patents

原子炉用制御棒

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JP2939352B2
JP2939352B2 JP3051388A JP5138891A JP2939352B2 JP 2939352 B2 JP2939352 B2 JP 2939352B2 JP 3051388 A JP3051388 A JP 3051388A JP 5138891 A JP5138891 A JP 5138891A JP 2939352 B2 JP2939352 B2 JP 2939352B2
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rod
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neutron
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は原子炉用制御棒に係り、
特に棒状中性子吸収材を組合わせてなる制御棒翼内の中
性子吸収材充填率を高めて、長寿命で且つ大反応度に構
成した原子炉用制御棒に関する。
【0003】
【従来の技術】従来の沸騰水型原子炉用制御棒について
図7乃至図10を用いて説明する。図7は沸騰水型原子炉
に使用されている制御棒を斜視図で示している。すなわ
ち、制御棒100 は中性子の吸収物質を含むポイズンチュ
ーブ105 を、U字状断面の制御棒シース103 内に複数本
充填して構成した制御棒翼を4枚センターポストと称す
る中央構造材106 により十字断面に結合し、その上部に
ガイドローラー102 付のハンドル101 を取付け、下部に
制御棒駆動機構ソケット110 を取付けて構成されてい
る。そして、制御棒100 は制御棒駆動機構ソケット110
の下部に接続する制御棒駆動装置に接続して、炉心内部
で上下動を行い炉心の反応度を制御している。ガイドロ
ーラー102 は制御棒100 が炉心内の4体1組になってい
る燃料集合体の間に滑らかに挿入できるようにするため
に設けられており、燃料集合体のチャンネルに接触する
と回転して摩擦を低減する。また、ハンドル101 は制御
棒100 を交換する場合等に掴む部分である。切り離しハ
ンドル107 は原子炉圧力容器の外部に設置されている制
御棒駆動機構との切り離しを行うために使用される。速
度リミッター109 は万一の制御棒落下時に一定以上の速
度で引抜けないように制限する装置である。制御棒翼を
構成する主要部の制御棒シース103 にはポイズンチュー
ブ105 を冷却するために通水孔104 が設けられている。
なお、符号108 は下部スカートを示している。
【0004】図8及び図9は第1及び第2の従来例の制
御棒における制御棒シース103 内に中性子吸収材を充填
してなる制御棒翼の水平断面を示している。図8は中性
子吸収材としての炭化硼素(B4 C)粉末120 をステン
レス鋼管内に充填してなるポイズンチューブ105 を複数
本並列に配置し、それらポイズンチューブ105 の周りを
薄いステンレス鋼製制御棒シース103 で囲むことにより
板状制御棒翼を構成した第1の従来例を示している。
【0005】図9は原子炉用制御棒の長寿命化を狙った
制御棒翼として、長寿命の中性子吸収材として例えばハ
フニウム板121 を利用した第2の従来例を示したもので
ある。この例では制御棒シース103 内に2枚のハフニウ
ム板121 を対向して並置し、それらの間にフラックスト
ラップ領域122 を形成してなるものである。この構成で
は制御棒の反応度を第1の従来例の原子炉用制御棒と同
等までに高めている。このようにして制御棒の軽量化を
図ったいわゆるハフニウム・トラップ型の原子炉用制御
棒はすでに実用化されており、図8に示した第1の従来
例のおよそ3倍の寿命の原子炉用制御棒が実現されてい
る。
【0006】また、原子炉用制御棒の大反応度化を狙っ
た第3の従来例として、例えば従来原子炉用制御棒に使
われている中性子吸収材に対して、より太径のステンレ
ス鋼管に炭化硼素(B4 C)粉末を充填させたものを複
数本並列に配置し、それらステンレス鋼管同士を直接溶
接して制御棒翼を構成し、従来の中性子吸収材を囲む薄
い板状のステンレス鋼(制御棒シース)をなくしたもの
が知られている。この第3の従来例は第1の従来例の原
子炉用制御棒翼と同等の厚さのままで中性子吸収材の充
填量を高めることにより制御棒の大反応度化を図った、
いわゆるシースレス型の原子炉用制御棒である。この例
では第1の従来例より20%前後の反応度が増した原子炉
用制御棒が見込まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に原子炉用制御棒
の反応度は炉心内の滞在期間に応じて減少することとな
り、従来の原子炉用制御棒では炉心内装荷時の反応度に
対しておよそ10%の反応度が減じた時点を原子炉用制御
棒の寿命としている。図10は長寿命化を狙った第2の従
来例(ハフニウム・トラップ型)の原子炉用制御棒と、
大反応度化を狙った第3の従来例(シースレス型)の原
子炉用制御棒の制御棒反応度と炉心内滞在時間の関係
を、第1の従来例の原子炉用制御棒とともに説明したも
のである。この図から第2の従来例の原子炉用制御棒
は、長寿命の中性子吸収材であるハフニウムを使用する
ことにより、制御棒の寿命が従来のものより3倍となる
ことが明らかである。しかしながら、ハフニウムの比重
(約13.1g/cc)が第1の従来例の原子炉用制御棒の中性
子吸収材として使われている炭化硼素(B4 C)粉末の
比重(約1.76g/cc)に対してかなり大きなものとなって
いて、制御棒の形状を大きくすることによる反応度増大
を図るような改良は困難となっている。また、第3の従
来例の原子炉用制御棒は、制御棒翼のステンレス鋼管内
の領域に占める中性子吸収材の充填割合を増加すること
により、制御棒反応度が第1の従来例より20%前後の反
応度増加を実現している。しかしながら、中性子吸収材
として使われている炭化硼素(B4 C)粉末の反応度の
減少割合がハフニウムと比べて速いために、制御棒寿命
は第1の従来例のおよそ2倍にとどまっている。
【0008】さらに、沸騰水型原子炉に使われる断面十
字型の原子炉用制御棒では、周辺に減速材(水)の量が
多くなる制御棒翼端に近い部分で熱中性子の照射量が多
くなる性質があり、中性子吸収材の中性子吸収の大半が
熱中性子に対するものであることから、制御棒翼方向の
中性子吸収材の組成が同じ前記断面十字型の原子炉用制
御棒では、制御棒翼端に近い部分の中性子吸収材の反応
度減少割合が大きくなる。従って、第1から第3の従来
例の原子炉用制御棒は制御棒翼方向の組成が同じ中性子
吸収要素を有するものであり、制御棒翼端から遠い部
分、つまり、中央構造材106 に近い方の中性子吸収材の
反応度の減少が進んでいない状態で原子炉用制御棒の寿
命に達することとなる。このことは、特に資源上貴重な
ハフニウムを使用する第2の従来例の原子炉用制御棒を
製造する上で、安価な原子炉用制御棒を提供することを
妨げている。
【0009】また、第1の従来例の原子炉用制御棒にお
いて、制御棒翼端に近い部分で熱中性子の照射量が多く
なる性質は、ステンレス鋼管に炭化硼素(B4 C)粉末
を充填させたものを中性子吸収材として使用する場合、
制御棒翼端に近い部分のステンレス鋼管に亀裂を誘発す
る原因となりやすい。ステンレス鋼管に亀裂が生じる現
象は原子炉内の滞在時間の長期化によっても頻度が高く
なると考えられ、第3の従来例の原子炉用制御棒におい
て、図10で説明した制御棒寿命が第1の従来例の原子炉
用制御棒のおよそ2倍となる予測を妨げる可能性があ
る。
【0010】本発明は上記課題を解決するためになされ
たもので、板状制御棒翼を形成するにあたり、中性子吸
収材の充填量を高めることにより制御棒の反応度を高め
た原子炉用制御棒を提供することにある。
【0011】また、中性子吸収材の組合わせを考慮する
にあたり、中性子吸収材の主要物質として比重の小さい
炭化硼素(B4 C)粉末を使用することにより制御棒形
状の大型化に容易に対応でき、中性子吸収材の一部に長
寿命の中性子吸収材であるハフニウムを使用することに
より長寿命型の原子炉用制御棒を提供することにある。
【0012】さらに、前記板状制御棒翼を複数枚組合わ
せ、それら制御棒翼の長手方向の一端を中央構造材に結
合して原子炉用制御棒を構成するにあたり、制御棒翼端
に近い部分に棒状の中性子吸収材を配置することにより
健全性を高く保ち、当該部分を長寿命の中性子吸収材で
あるハフニウムで置換することにより、さらに長寿命化
した原子炉用制御棒を提供することにある。 [発明の構成]
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は中性子吸収材が
充填されて板状に形成した制御棒翼を中央構造材に結合
して構成した原子炉用制御棒において、前記制御棒翼を
構成するにあたり、太径中性子吸収棒を複数本並列に配
置し、隣り合う前記太径中性子吸収棒の中間位置に2本
の細径中性子吸収棒を前記太径中性子吸収棒の配列方向
に垂直な位置に配置し、さらに前記太径中性子吸収棒及
び前記細径中性子吸収棒の周りを薄い板状の構造材で囲
むことを特徴とする。
【0014】また、中性子吸収材の組合わせを考慮する
にあたり、前記制御棒翼において、前記太径中性子吸収
棒はステンレス鋼管に炭化硼素(B4 C)粉末を充填し
たものからなり、前記細径中性子吸収棒はハフニウム棒
からなることを特徴とする。
【0015】さらに、前記制御棒翼を複数枚組合わせ、
それら制御棒翼の幅方向の一端を中央構造材に結合させ
て原子炉用制御棒を構成するにあたり、制御棒翼端から
約2cmまでに位置する前記太径中性子吸収棒をハフニウ
ム棒に置き換えたことを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明に係る原子炉用制御棒の制御棒翼は太径
中性子吸収棒を複数本並列に配置し、隣り合う太径中性
子吸収棒の中間位置に2本の細径中性子吸収棒を太径中
性子吸収棒の配列方向に垂直な位置に配置し、さらに太
径中性子吸収棒及び細径中性子吸収棒の周りを薄い板状
の構造材で囲むことにより板状に形成したものである。
図4は細径中性子吸収棒50の直径の、太径中性子吸収棒
51の直径に対する比(以下、xと記す)が 1/4の場合の
中性子吸収棒配置の例で、図5はxが 1/2の場合の中性
子吸収棒配置の例である。断面円形の太径中性子吸収棒
51を複数本並列に配置し、隣り合う太径中性子吸収棒の
中間位置に2本の断面円形の細径中性子吸収棒50を太径
中性子吸収棒51の配列方向に垂直な位置に配置させる場
合、xが 1/4以下の場合の充填率(太径中性子吸収棒及
び細径中性子吸収棒の単位配列内の吸収棒面積の、それ
ら吸収棒を囲む長方形面積に対する比;以下、αと記
す)は次のように表される。
【0017】
【数1】
【0018】また、xが 1/4から 1/2の間の充填率は次
のように表される。
【0019】
【数2】
【0020】図6はxが0(細径中性子吸収棒がない状
態、すなわち第1の従来例あるいは第3の従来例の原子
炉用制御棒の場合)から 1/2までの範囲の充填率αの変
化を説明したものであるが、断面円形の太径中性子吸収
棒を複数本並列に配置し、隣り合う太径中性子吸収棒の
中間位置に2本の断面円形の細径中性子吸収棒を太径中
性子吸収棒の配列方向に垂直な位置に配置することによ
り、中性子吸収材の充填量を高める効果から制御棒反応
度を高められる。なお、図6で説明したあるxの時の充
填率αの、xが0の時の充填率αに対する比から中性子
吸収材の充填量の増加割合が求められるが、xが 1/4の
時におよそ13%増、xが 1/2の時におよそ6%増を見込
むことができる。
【0021】また、中性子吸収材の組合わせを考慮する
にあたり、板状に形成させた中性子吸収要素において、
太径中性子吸収棒をステンレス鋼管に炭化硼素(B
4 C)粉末を充填したものとし、細径中性子吸収棒をハ
フニウム棒とすることにより、中性子吸収材の主要物質
として比重の小さい炭化硼素(B4 C)粉末を使用する
ことから、制御棒形状の大型化に容易に対応できる。す
なわち、例えば従来の沸騰水型原子炉における原子炉用
制御棒の重量は、原子炉用制御棒と制御棒駆動装置の接
続部の健全性を保持するためにおよそ 100kg程度に抑え
られている。
【0022】表1は制御棒翼の長さを従来例の原子炉用
制御棒に合わせ、上述した細径中性子吸収棒直径の、太
径中性子吸収棒直径に対する比xを 1/4とし、さらに太
径中性子吸収棒の構造を従来例の原子炉用制御棒のステ
ンレス鋼管に炭化硼素(B4 C)粉末を充填したもの
(ステンレス鋼管及び炭化硼素込みの見掛けの比重は約
4.62g/cc)と同等とした場合の中性子吸収材の総重量の
見積もりを第1及び第2の従来例の原子炉用制御棒の中
性子吸収材の総重量と比較したものである。
【0023】
【表1】
【0024】第2の従来例の原子炉用制御棒の実用化に
当っては、中性子吸収材以外の原子炉用制御棒の構造材
を減肉化した経緯があり、第2の従来例の原子炉用制御
棒の中性子吸収材の総重量が第1の従来例の原子炉用制
御棒に占める中性子吸収材の総重量の限界と考えられる
が、本発明の中性子吸収材の総重量は第2の従来例の原
子炉用制御棒の中性子吸収材の総重量に対しおよそ15%
の余裕があり、制御棒形状の大型化に容易に対応でき
る。
【0025】また、上述の中性子吸収材の組合わせを行
うことにより、制御棒の長寿命化を図ることができる。
すなわち、本発明に係る原子炉用制御棒を上述した構成
とした場合、中性子吸収材の充填量の増加分(約13%)
とハフニウムの反応度が炭化硼素(B4 C)粉末に比べ
てやや小さいことを考慮して、第1の従来例の原子炉用
制御棒に対して5%程度の反応度増加が見込まれる。
【0026】また、細径中性子吸収棒を長寿命のハフニ
ウムとするために、制御棒の炉内滞在時間に対する制御
棒反応度の減少割合は第1及び第3の従来例の原子炉用
制御棒よりも緩やかになる。図2は本発明の原子炉用制
御棒の構造を上述したものと仮定した時の、制御棒反応
度と炉内滞在時間の関係を図10に示したものと対比して
示したものであるが、本発明に係る原子炉用制御棒を上
述した構成とした場合の制御棒寿命は、第1の従来例の
原子炉用制御棒のおよそ3倍になると見積もることがで
きる。
【0027】さらに、板状に形成させた制御棒翼を複数
枚組合わせ、それらの幅方向の一端を中央構造材に結合
して原子炉用制御棒を構成した場合、制御棒翼端から約
2cmまでに位置する太径中性子吸収棒をハフニウム棒に
置き換えることにより、制御棒翼端に近い部分の中性子
吸収材の健全性を高く保つことができる。すなわち、前
記原子炉用制御棒においては、周辺に減速材(水)の量
が多くなる制御棒翼端に近い部分で熱中性子の照射量が
多くなる性質があるため、ステンレス鋼管に亀裂が生じ
易くなるが、当該部分の中性子吸収材をハフニウム棒で
置換することにより、制御棒翼端に近い部分の中性子吸
収材の健全性を高く保つことができる。また、当該部分
を長寿命中性子吸収材のハフニウム棒とすることによ
り、さらに長寿命となる。
【0028】
【実施例】本発明に係る原子炉用制御棒の実施例を図面
を参照して説明する。図1は第1の実施例における原子
炉用制御棒の制御棒翼の要部を示すものである。本図は
従来例えば沸騰水型原子炉に使われている断面十字形状
の原子炉用制御棒と外観は同等であり、その要部のみを
横断面図で示している。すなわち、断面円形の太径中性
子吸収棒1を複数本並列に配置し、隣り合う太径中性子
吸収棒1の中間位置に2本の断面円形の細径中性子吸収
棒2を太径中性子吸収棒1の配列方向に垂直な位置に配
置し、さらに太径中性子吸収棒1及び細径中性子吸収棒
2の周りを薄い板状の制御棒シース3で囲み、中央構造
材10に結合することにより制御棒翼4を板状に形成させ
ている。本図では細径中性子吸収棒2の直径の、太径中
性子吸収棒1の直径に対する比は 1/4として示してい
る。
【0029】ここで、太径中性子吸収棒1はステンレス
鋼管5内に炭化硼素(B4 C)粉末6を充填したもので
あり、細径中性子吸収棒2はハフニウム棒である。本図
では、ステンレス鋼管5内に炭化硼素(B4 C)粉末6
を充填した太径中性子吸収棒1の構造は、例えば図8に
示した従来例の原子炉用制御棒に使われている中性子吸
収材と同等なものとして示している。
【0030】なお、制御棒翼端から約2cmまでに位置す
る太径中性子吸収棒1を太径ハフニウム棒7に置き換え
ている。置き換えられた太径ハフニウム棒7は4本であ
り、また、太径ハフニウム棒7の直径は太径中性子吸収
棒1とほぼ同じである。
【0031】しかして、第1の実施例の原子炉用制御棒
の外観は、例えば沸騰水型原子炉に使われている断面十
字形状の従来例の原子炉用制御棒と同等であるが、細径
中性子吸収棒2の直径を太径中性子吸収棒1の直径に対
して例えば 1/4にすると、中性子吸収材の充填割合はお
よそ13%増加するので、制御棒反応度を高めることがで
きる。また、太径中性子吸収棒1を例えば第1の従来例
の原子炉用制御棒に使われている中性子吸収材と同等な
ステンレス鋼管5に炭化硼素(B4 C)粉末6を充填し
たものとすることにより、制御棒翼全体の重量を低減す
ることができるため、制御棒の大型化に容易に対応でき
る。さらに、細径中性子吸収棒2をハフニウム棒とする
ことにより、制御棒の長寿命化を図ることができる。
【0032】図2は本実施例の原子炉用制御棒の性能を
制御棒反応度と炉内滞在時間との関係で示したもので、
図10に示した第1から第3の従来例の原子炉用制御棒と
ともに対比して示している。図2から明らかなように、
本実施例は図10で示した従来例と比較して、それぞれお
よそ5%増加の制御棒反応度及びおよそ3倍の制御棒寿
命が認められる。
【0033】また、前述した表1は本発明の実施例にお
ける原子炉用制御棒に占める中性子吸収要素の重量を第
1及び第2の従来例の原子炉用制御棒の重量内訳と比較
したものであるが、第2の従来例の原子炉用制御棒に対
しておよそ15%の余裕があることが認められる。
【0034】さらに、例えば制御棒翼端側から太径中性
子吸収棒1の4本を太径ハフニウム棒7に置き換えるこ
とにより、制御棒翼端に近い部分の中性子吸収材の健全
性を高く保つことができ、また、さらに制御棒寿命を長
寿命化することができる。
【0035】本実施例によれば、次に記載する効果があ
る。すなわち、例えば沸騰水型原子炉に使われている断
面十字形状の第1の従来例の原子炉用制御棒と外観は同
等とした場合、本実施例の原子炉用制御棒の制御棒反応
度及び制御棒寿命は、従来例の原子炉用制御棒の炉心装
荷初期の制御棒反応度及び第1の従来例の原子炉用制御
棒の制御棒寿命と比較して、それぞれおよそ5%増加の
制御棒反応度及びおよそ3倍の制御棒寿命を期待でき
る。
【0036】また、中性子吸収要素の重量が第2の従来
例の原子炉用制御棒に対しておよそ15%の余裕があるの
で、制御棒形状の大型化に容易に対応できる。さらに、
制御棒形状の大型化を図る場合には原子炉に装荷される
核燃料集合体も大型化されていることが想定されるが、
その場合には原子炉用制御棒に要求される相対的な制御
棒反応度が大きくなると考えられる。
【0037】制御棒形状の大型化に対応できるものとし
て、本実施例の他、例えば第3の従来例の原子炉用制御
棒を想定してみる。図2は制御棒寿命を制御棒反応度が
従来例の原子炉用制御棒の炉心装荷初期の値に対して10
%減少した時点を仮定しているが、制御棒形状及び核燃
料集合体の大型化によって要求される相対的な制御棒反
応度が例えば5%上昇するとすれば、制御棒反応度の炉
内滞在時間の変化に対する減少割合の大きいシースレス
型の原子炉用制御棒で大幅に制御棒寿命は短くなるが、
本実施例の原子炉用制御棒の制御棒寿命はあまり減少し
ない。
【0038】さらに、本実施例において、例えば制御棒
翼端から太径中性子吸収棒1の4本を太径ハフニウム棒
7に置き換えた場合には、制御棒翼端に近い部分の中性
子吸収材の健全性を高く保つことができ、制御棒をさら
に長寿命化することができる。
【0039】次に、図3を参照しながら第2の実施例を
説明する。図3は本発明の第2の実施例の制御棒翼の要
部を示したもので、板状に形成させた制御棒翼4を複数
枚組合わせて、それら制御棒翼4の幅方向の一端を中央
構造材10に結合させて構成される原子炉用制御棒におい
て、制御棒翼端から約2cmまでに位置する4本の太径中
性子吸収棒1を太径ハフニウム棒7に置き換える際に、
外側端の1本の太径ハフニウム棒7を太径ハフニウム棒
7よりも小さな直径の細径ハフニウム棒8に置換したも
のである。図3では例えば末端の1本の細径ハフニウム
棒8の直径は、太径ハフニウム棒7の直径の 1/2とした
ものである。
【0040】図1で説明した第1の実施例ではすべて同
じ直径の太径ハフニウム棒7に置き換えているが、例え
ば沸騰水型原子炉に使われている断面十字形状の従来例
の原子炉用制御棒と外観を同等とした場合、本実施例の
重量割合はハフニウム棒を置き換えることによりおよそ
9%上昇する。細径ハフニウム棒8の直径の、太径ハフ
ニウム棒7の直径に対する比を例えば 1/2とすることに
より、上昇量をおよそ7.3%に抑えることができる。
【0041】また、末端の細径ハフニウム棒8を太径ハ
フニウム棒7よりも小さな直径のものとすることによ
り、制御棒翼4の外側端にも充分に減速材(水)が流れ
る空間ができ、制御棒翼端側のハフニウム棒7,8の健
全性を高く保つことができる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば次に記載する効果があ
る。すなわち、板状制御棒翼を形成するにあたり、太径
中性子吸収棒を複数本並列に配置し、隣り合う太径中性
子吸収棒の中間位置に2本の細径中性子吸収棒を太径中
性子吸収棒の配列方向に垂直な位置に配置し、さらに太
径中性子吸収棒及び細径中性子吸収棒の周りを薄板状の
構造材で囲むことにより、中性子吸収材の充填率を高め
ることができ、制御棒反応度を高めることができる。
【0043】また、中性子吸収材の組合わせを考慮する
上で、中性子吸収材の主要物質となる太径中性子吸収棒
をステンレス鋼管に炭化硼素(B4 C)の粉末を充填さ
せた軽量のものとすることにより、制御棒形状の大型化
に容易に対応でき、細径中性子吸収棒を長寿命の中性子
吸収材であるハフニウム棒とすることにより、制御棒の
長寿命化にも対応できる。
【0044】さらに、制御棒翼端から約2cmまでに位置
する太径中性子吸収棒をハフニウム棒に置き換えること
によって、制御棒翼端に近い部分の中性子吸収材の健全
性を高く保つことができ、また、より制御棒の長寿命化
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉用制御棒の第1の実施例の
要部を示す横断面図。
【図2】図1における制御棒の反応度と炉内滞在時間と
の関係を示す特性図。
【図3】本発明に係る原子炉用制御棒の第2の実施例の
要部を示す横断面図。
【図4】図1の実施例において、細径中性子吸収棒の直
径と太径中性子吸収棒の直径との比を 1/4にした場合の
例を示す概略図。
【図5】図1の実施例において、細径中性子吸収棒の直
径と太径中性子吸収棒の直径との比を 1/2にした場合の
例を示す概略図。
【図6】図4及び図5における比が0から 1/2までの範
囲における充填率の変化を示す特性図。
【図7】第1の従来例を一部切欠して示す斜視図。
【図8】図7における制御棒翼を拡大して示す横断面
図。
【図9】第2の従来例の要部を一部切欠して示す横断面
図。
【図10】従来の各例における制御棒反応度と炉内滞在
時間との関係を示す特性図。
【符号の説明】 1…太径中性子吸収棒、2…細径中性子吸収棒、3…制
御棒シース、4…制御棒翼、5…ステンレス鋼管、6…
4 C粉末、7…太径ハフニウム棒、8…細径ハフニウ
ム棒、10…中央構造材、50…細径吸収棒、51…太径吸収
棒、52…制御棒シース、 100…制御棒、 101…ハンド
ル、 102…ガイドローラー、 103…制御棒シース、 104
…通水孔、 105…ポイズンチューブ、 106…中央構造
材、 107…切り離しハンドル、 108…下部スカート、 1
09…速度リミッター、 110…制御棒駆動装置ソケット、
120…B4 C粉末、 121…ハフニウム板、 122…フラッ
クストラップ領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21C 7/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性子吸収材が充填されて板状に形成し
    た制御棒翼を中央構造材に結合してなる原子炉用制御棒
    において、前記制御棒翼は太径中性子吸収棒を複数本並
    列に配置し、隣り合う前記太径中性子吸収棒の中間位置
    に2本の細径中性子吸収棒を前記太径中性子吸収棒の配
    列方向に垂直な位置に配置し、さらに前記太径中性子吸
    収棒及び前記細径中性子吸収棒の周りを薄い板状の構造
    材で囲んで構成されていることを特徴とする原子炉用制
    御棒。
  2. 【請求項2】 前記板状制御棒翼を複数枚組合わせ、そ
    れら制御棒翼の幅方向の一端を中央構造材に結合して構
    成した請求項1記載の原子炉用制御棒において、前記制
    御棒翼端から約2cmまでに位置する前記太径中性子吸収
    棒をハフニウム棒に置き換えてなることを特徴とする原
    子炉用制御棒。
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