JP2938524B2 - ワイヤ電極の残量検出装置 - Google Patents

ワイヤ電極の残量検出装置

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は,ワイヤ放電加工機に装填されるワイヤボ
ビンに巻かれているワイヤ電極の残量を検出するワイヤ
電極の残量検出装置に関する。
〔従来の技術〕
一般に,ワイヤ放電加工機については,ワイヤ電極と
工作物との間で放電を繰り返して工作物に所望の加工形
状を形成する装置である。このワイヤ放電加工機におい
て,ワイヤ放電加工機に取り換え可能に装填されたソー
スボビン即ちワイヤボビンにワイヤ電極は巻き上げられ
ており,該ワイヤ電極はワイヤボビンから所定のワイヤ
電極走行経路を経由して所定のワイヤ走行速度とワイヤ
張力を保ってワイヤボビンから繰り出され,該ワイヤ電
極によって工作物は放電加工されている。そして,ワイ
ヤ電極は,放電の有無にかかわらず最終的にはワイヤ放
電加工機から排出される消耗品である。
従来,ワイヤ放電加工機において,ワイヤボビンに巻
き上げられているワイヤ電極の残量の検出としては,作
業者が目視によって確認して計測するか,又はワイヤ電
極が巻き付けられた新しいワイヤボビンをワイヤボビン
取付手段に装填し,該ワイヤボビンの使用時間を計測し
て繰り出したワイヤ電極を推定し,該ワイヤボビンに巻
き上げられた所定のワイヤ電極長さから該繰り出し長さ
を差し引いてワイヤ電極の残量を推定していた。
ところで,ワイヤ走行速度を決定する要因としては,
工作物の材質と厚さ,使用するワイヤ電極の材質と線
径,或いは工作物に対する加工条件物等によって決定さ
れるが,一般的にはワイヤ走行速度は200mm/secが良い
とされている。ワイヤ電極のワイヤ走行速度を遅くすれ
ば,単位時間当たりの放電回数が増し,その分だけワイ
ヤ電極の表面が荒れることからワイヤ張力に耐えること
ができず,該ワイヤ電極の断線の原因になる。ワイヤ電
極のワイヤ走行速度を必要以上に速くすることは,ワイ
ヤ走行経路から発生する振動によりワイヤ電極自身の振
動の原因となり,工作物に対する加工精度を悪化させる
ことになり,好ましいことではなく,しかも,ワイヤ走
行速度のアップによってワイヤ電極を多量に使用するこ
とになり,ランニングコストをアップさせる原因にな
る。
また,ワイヤ放電加工物は,NC装置によって制御され
ることから作業者の技能に影響されることなく,諸条件
が揃えば工作物に対する加工時間は加工着手前に知るこ
とができるものである。例えば,加工形状をプログラム
しておけば,加工形状の加工長さが検出でき,該加工長
さをその時の加工条件で求めた加工速度即ちXYテーブル
の移動速度で除せば,工作物に対する加工所要時間を予
測することができる。
更に,ワイヤ放電加工機による放電加工については,
ワイヤ電極の断線等のトラブルを除いてワイヤ放電加工
の途中でワイヤ電極を交換することは避けることが好ま
しいものである。そこで,作業者は今から加工を実施し
ようとする工作物に対する加工時間よりも長時間にわた
って供給できるだけのワイヤ電極を巻き上げたワイヤボ
ビンを用意しているのが現状である。ワイヤボビンを準
備する方法としては,新品のワイヤボビン以外は既にワ
イヤ放電加工に使用されたワイヤボビンを使用するもの
であり,その際,ワイヤボビンに巻き上げられているワ
イヤ電極の量を目視により推察するか,ワイヤボビンの
総重量を測定し,前もって分かっている空ワイヤボビン
の重量を差し引いてワイヤ電極の正味重量を知り,該正
味重量からワイヤ電極の総長さを推測している。ワイヤ
電極の総長さ即ち残量が分かることによって,加工する
工作物に最適のワイヤボビンをワイヤ放電加工機にセッ
ト即ち装填しているのが現状である。
そこで,このような課題を解決するため,本出願人
は,ワイヤ電極の残量検出装置を開発し,先に特願平1
−98884号(特願平2−279218号公報参照)及び特願平
1−98885号(特開平2−279219号公報参照)として出
願した。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら,ワイヤ放電加工機において,従来のよ
うに,ワイヤボビンに残っているワイヤ電極の残量を目
視するか,或いは計量によりワイヤ電極の総長さを推察
してワイヤ放電加工機にセット即ち装填したとしても,
放電加工の進行に比例して減少するワイヤ電極の残量は
目視に頼る以外に方法がなかった。そのため,正確なワ
イヤ電極の残量を知ることができず,供給可能としてセ
ットしたワイヤボビンであっても,加工途中にワイヤが
無くなり、ワイヤ放電加工機による加工を完全な無人化
にする障害となっていた。特に,工作物に対する加工途
中で加工に伴う諸条件を変更したような時に,障害の発
生が大きかった。
この発明の目的は,上記の課題を解決することであ
り,ワイヤボビンに巻き上げられたワイヤ電極の長さが
ワイヤ電極の重量,線径及び材質が分かっていれば演算
できることに着眼し,ワイヤボビンを取り付けた回転軸
を回転可能にホルダで支持し,ワイヤボビンを重量に応
答して上下方向に移動するホルダをスプリングを介して
上下方向に移動可能に支持本体に支持し,該ホルダの上
下方向移動量を検出する重量センサを設け,該重量セン
サによってワイヤ放電加工の開始に先立って或いはワイ
ヤ放電加工中にワイヤ電極を巻き上げているワイヤボビ
ンの重量を測定し,ワイヤ電極の総長さを演算してワイ
ヤ電極の残量を検出するワイヤ電極の残量検出装置を提
供することである。
このワイヤ電極の残量検出装置によれば,ワイヤ放電
加工機において,ワイヤボビンに残っているワイヤ電極
が引き続き何時間の放電加工が可能であるかを検出する
ことができ,ワイヤボビンをワイヤ放電加工機に装填し
或いは加工途中で加工に伴う諸条件を変更しても作業者
はワイヤ電極の残量を瞬時に且つ正確に知り,残り加工
時間に対するワイヤ電極の不足が予測でき,ワイヤ電極
の残量に最適な加工箇所を選定し,或は交換したワイヤ
電極が短い場合には該ワイヤ電極に対して最適の比較的
に良い条件の加工箇所即ち工作物に直線加工を施すよう
な箇所を選択して事前にワイヤ電極の交換の対策を取る
ことができる。
〔課題を解決するための手段〕
この発明は、上記の目的を達成するために,次のよう
に構成されている。即ち,この発明は,ワイヤ電極を巻
き上げるワイヤボビンを支持する回転軸,該回転軸を前
記ワイヤ電極の繰り出しに応じて回転可能に支持し且つ
前記ワイヤボビンの重量に応じて上下移動できるホル
ダ,該ホルダを上下移動可能にスプリングを介して支持
する支持本体,前記ホルダの上下方向の移動量に応じて
前記ワイヤ電極を巻き上げている前記ワイヤボビンの重
量を連続的に常時検出できる重量センサ,並びに前記ワ
イヤ電極の重量,線径及び材質についての予め分かって
いる情報に基づいて前記重量センサからの検出信号に応
答して前記ワイヤ電極の使用量を連続的に演算し,前記
ワイヤ電極の使用量によって前記ワイヤボビンに巻き上
げられている前記ワイヤ電極の残量を連続的に演算して
前記ワイヤ電極の加工有効長さを連続的に演算すると共
に,工作物の加工条件に基づいて前記ワイヤ電極の有効
供給時間を演算することができる演算器を備えたコント
ローラ,から成るワイヤ電極の残量検出装置に関する。
また,このワイヤ電極の残量検出装置において、前記
支持本体はワイヤ放電加工機の本体であり,前記ワイヤ
ボビンは該ワイヤ放電加工機に装填されているものであ
る。
〔作用〕
この発明によるワイヤ電極の残量検出装置は,上記の
ように構成されているので,ワイヤボビンの巻き上げた
ワイヤ電極の繰り出しに応じて該ワイヤボビンを回転可
能に支持するホルダの上下移動量を検出することによっ
て,ワイヤボビンに巻き上げられているワイヤ電極の重
量を重量センサで検出することができ,該重量センサの
検出信号に対応して前記ワイヤボビンに巻き上げられて
いる前記ワイヤ電極の残量を演算器で演算することがで
きる。
従って,このワイヤ電極の残量検出装置は,ワイヤ放
電加工機の非作動状態では勿論のこと,作動中にも逐次
に且つ瞬時にワイヤ電極の残量を検出でき,残量のワイ
ヤ電極による残りの有効加工時間を逐次に,瞬時に且つ
正確に検出することができる。それ故,ワイヤボビンを
ワイヤ放電加工機に装填し或いは加工途中で加工に伴う
諸条件を変更しても作業者はワイヤ電極の残量を瞬時に
知ることができ,事前にワイヤ電極の交換の対策が取れ
るようにすることができる。
〔実施例〕
以下,図面を参照して,この発明によるワイヤ電極の
残量検出装置の実施例を詳述する。第1図はこの発明に
よるワイヤ電極の残量検出装置の一実施例を示す説明
図,及び第2図は第1図のワイヤ電極の残量検出装置の
制御系の一例を示す制御ブロック図である。
ワイヤ放電加工機のワイヤ走行系には,ワイヤ電極2
を収容してワイヤ電極2を繰り出すためのワイヤボビン
1がワイヤ放電加工機の本体等の支持本体3に配置され
ている。このワイヤ放電加工機は,ワイヤ搭載装置を組
み込んでおり,ワイヤ走行系において,ワイヤ電極2に
は所定のテンションが付与されて走行しており,放電加
工部位において工作物とワイヤ電極2との間で放電を発
生させて放電エネルギーによって工作物を放電加工する
ものである。ワイヤ放電加工機には,ワイヤ電極2を放
電加工部位へ供給するためワイヤ自動供給装置が設けら
れ,ワイヤ電極2のワイヤ走行系を構成している。
この発明によるワイヤ電極の残量検出装置は,次のよ
うに構成されている。
このワイヤ電極の残量検出装置は,主として,ワイヤ
電極2を巻き上げているワイヤボビン1,ワイヤボビン1
を支持する回転軸4,回転軸4をワイヤ電極2の繰り出し
に応じて回転可能に支持し且つワイヤボビン1の重量に
対応して上下移動できるホルダ5,ホルダ5を上下移動可
能にスプリング20を介して支持する支持本体3,ホルダ5
の上下方向の移動量に対応してワイヤ電極2を巻き上げ
たワイヤボビン1の重量を検出する重量センサ6,及び重
量センサ6の検出信号に対応してワイヤボビン1に巻き
上げられているワイヤ電極2の残量を演算する演算器31
(第2図参照)を有している。
支持本体3の支持孔7には,スライドベアリング9の
外側摺動面を提供するレース8が嵌合している。ホルダ
5は,その上部が支持本体3の上面から突出しており,
スライドベアリング9を介して支持本体3に対して摺動
可能に嵌合している。ホルダ5の上端部にはフラジン23
が設けられ,該フラジン部23の下面と支持本体3の上面
との間には荷重支持用スプリング20が介在し,スプリン
グ20のばね力によってホルダ5が支持本体3にばね支持
されている。従って,ホルダ5に回転可能にされた回転
軸4に装填されるワイヤボビン1の重量に応じて,スプ
リング20が伸縮し,スプリング20の伸縮量だけホルダ5
は支持本体3に対して上下方向に移動する。ホルダ5の
下端部には,ブレーキ10を取り付けたロッドバー12が固
定されている。ロッドバー12の一端部には,ロッドバー
12の上下移動量を検出するために,重量センサとしての
直動形センサ即ちポテンシオメータ6が設けられてい
る。また,ロッドバー12の他端部には,ロッドバー12の
上下位置を規制するため,上方位置に設置された上限リ
ミットスイッチ14と下方位置に設置された下限リミット
スイッチ15とをオンオフするドグ16が取り付けられてい
る。更に,ロッドバー12は,ホルダ5の支持本体3に対
する回転を防止するため,支持本体3に形成した孔部13
を貫通している。
このワイヤ電極の残量検出装置において,ホルダ5に
は,ホルダ5に形成した貫通孔26に貫通し且つ貫通孔26
の上下方向にスペーサ29で隔置状態に配置された一対の
軸受17を介して回転軸4が回転可能に支持されている。
回転軸4の中央部にはフランジ22が設けられ,フランジ
22上に配置されたカラー21が嵌合している。ワイヤ電極
2を巻き上げたワイヤボビン1は,カラー21上に位置し
て回転軸4に嵌合している。回転軸4の上部に対してワ
イヤボビン1を取り外し可能に固定するには,ワイヤボ
ビン1を回転軸4に嵌合してカラー21上に配置し,次い
で,カラー18を回転軸4の上部に嵌合し,カラー18をワ
イヤボビン1の上端面に配置し,締め付けナット19を回
転軸4の上部に形成した雄ねじ27に螺入してワイヤボビ
ン1を回転軸4に固定する。
また,回転軸4の下端部には下方に伸びる突出部24が
設けられ,突出部24は回転継ぎ手11によってロッドバー
12に設けたブレーキ10のブレーキロッド25と連結されて
いる。ブレーキ10によって,ワイヤボビン1はワイヤ電
極2の繰り出しのため回転支持されているが,ワイヤ電
極2に対して若干のブレーキ力を付与することができ,
ワイヤ電極2に繰り出しにおける張力を与えることがで
きる。更に,ワイヤボビン1からワイヤ電極2を繰り出
す方向に対して,ロッドバー12は直交方向に配置されて
いる。ワイヤ電極2を繰り出す方向とロッドバー12の配
置方向を直交させることによって,ロッドバー12の上下
移動量を検出し且つ該上下移動量を電気信号に変換する
重量センサであるポテンシオメータ6によるワイヤボビ
ン1の重量の測定値に,ワイヤ電極2の引出し張力が影
響を及ぼすことを避けることができる。
このワイヤ電極の残量検出装置は,上記のように構成
されているので,ホルダ5に回転可能に取り付けた回転
軸4に装填するワイヤ電極2を巻き上げたワイヤボビン
1の重量を,重量センサであるポテンシオメータ6によ
って測定することができる。即ち,このワイヤ電極の残
量検出装置において,ホルダ5,軸受17,スペーサ29,回転
軸4,カラー18,21,締め付けナット19等は予め重量が分か
っているので,回転軸4にワイヤ電極2を巻き上げたワ
イヤボビン1を装填していない状態の時,ロッドバー12
がスプリング20のばね力で上限に位置し,ロッドバー12
の端部に取り付けたドグ16が上限リミットスイッチ14を
オンするように設定しておけば,ポテンシオメータ6が
表示する重量がワイヤボビン1を装填していない状終の
重量W0を示すことになる。
また,ワイヤボビン1には,ワイヤ電極2が巻き上げ
られているが,ワイヤボビン1自体の重量WSは予め分か
っているので,ワイヤボビン1にワイヤ電極2を巻き上
げた状態のワイヤボビン1を装填した時の重量WXを重量
センサであるポテンシオメータ6で測定すれば,現在ワ
イヤボビン1に巻き上げられているワイヤ電極2の重量
WEが演算できることになる。
即ち,WE=WX−W0−WSである。
ここで,ワイヤ放電加工機で使用されているワイヤ電
極2の重量と総長さとの関係についての一例を説明す
る。
例えば,ワイヤ電極2の線径が0.2mm,ワイヤ電極2の
材質がブラス製で正味重量が1.6kg巻きの場合,ワイヤ
電極2の総長さは6kmであり,正味重量が3.0kg巻きの場
合,ワイヤ電極2の総長さは約11.35kmとなる。また,
ワイヤ電極2の線径が0.25mm,ワイヤ電極2の材質がブ
ラス製で正味重量が1.6kg巻きの場合,ワイヤ電極2の
総長さは4kmであり,正味重量が3.0kg巻きの場合,ワイ
ヤ電極2の総長さは約7.1kmとなる。
ところで,一般に,ワイヤ電極2を巻き上げているワ
イヤボビン1の材質は樹脂の成形品から製作されてお
り,また,ワイヤボビン1に巻き上げられているワイヤ
電極2の材質も予め分かっている。そこで,同一メーカ
の同一品種のワイヤ電極2であれば,通常同一の総重量
になっている。従って,ワイヤ電極2を巻き上げたワイ
ヤボビン1の総重量(WX−W0)とワイヤボビン1だけの
重量WSが前もって分かっていれば,ワイヤ電極2の重量
WEからワイヤ電極2の総長さが分かり,また,ワイヤ放
電加工機に装填してワイヤ電極2を消費した場合には,
ワイヤボビン1の減少した重量がワイヤ電極2を消費し
た量になり,残りの重量から未使用のワイヤ電極2の長
さ即ち残量が分かる。
即ち,ワイヤ放電加工機に装填したワイヤボビン1の
総重量(WX−W0)を電気信号に変換し,演算回路から成
る演算器31で演算することによって,その時点でのワイ
ヤ電極2の正味総長さを検出することができる。ワイヤ
電極2の総長さとその時点での残り加工時間を比較する
ことで,ワイヤ電極2の有効供給時間を知ることがで
き,或いは事前にワイヤ電極2を巻き上げたワイヤボビ
ン1の交換等の対策をとることができる。
例えば、ワイヤ放電加工機において,ワイヤ電極2の
走行速度が200mm/sec(12m/min)の設定でもって工作物
を放電加工したとすると,この時,ワイヤ放電加工機に
装填されているワイヤボビン1に巻き上げられているワ
イヤ電極2の総長さが3000mであれば,3000mを12m/minで
除すると,250min即ち4時間10分の間,ワイヤボビン1
からワイヤ電極2を加工部位へ繰り出して供給すること
ができる。勿論,ワイヤ電極2を3000mの全てにわたっ
て工作物の放電加工に供給できるものではなく,例え
ば,加工に付随する段取り,ワイヤ電極自動供給,加工
条件設定,ワイヤ電極の断線に伴うロス等にもワイヤ電
極は消費されるが,そのように消費されるワイヤ電極2
の長さは,ワイヤ電極2の放電加工に消費される正味加
工長さに比較すれば,無視できる程度のものである。
これ故,所定の加工形状の放電加工を行う工作物に対
して最適のワイヤボビン1を予め選定できると共に,工
作物に放電加工を行う場合に,ワイヤ放電加工機に種々
の長さのワイヤ電極2を巻き上げたワイヤボビン1を装
填しても,ワイヤボビン1で放電加工できる加工長さに
従って加工時間を予め知ることができ,ワイヤ電極2が
無くなる時即ちワイヤボビン1の交換時を知ることがで
き,加工能率を向上させることができる。また,ワイヤ
ボビン1は,逐次交換してワイヤボビン取付装置に装填
できるものであり,ワイヤボビン1をワイヤ放電加工機
に装填する場合には,工作物の加工形状に応じて最適の
長さのワイヤ電極2が巻き上げられているワイヤボビン
1を選定してワイヤ自動供給装置に組込むことができ
る。また,工作物が別の工作物に変更される場合には,
変更した工作物の最適の長さのワイヤ電極2を巻いたワ
イヤボビン1を選定して,ソースボンビ1に取り換える
ことができる。
また,このワイヤ電極の残量検出装置において,ワイ
ヤボビン1に巻き上げられているワイヤ電極2が終了す
る時を,上限リミットスイッチ14で警報を発するように
構成しておくこともできる。該警報によってワイヤボビ
ン1に巻き上げたワイヤ電極2が無くなることを知り,
作業者はワイヤボビン1の交換作業,或いはワイヤ放電
加工機がワイヤボビン1の自動交換を行うことができ,
ワイヤ放電加工機のワイヤボビン交換作動を完全無人化
することができる。
このワイヤ電極の残量検出装置において,ワイヤ電極
2の重量からワイヤ電極の総長さを検出するコントロー
ラの一例を,特に,第2図を参照して説明する。
第2図から分かるように,ワイヤ放電加工機に取り付
けたポテンシオメータ6が検出したワイヤ電極2を巻き
上げたワイヤボビン1の重量WEの電気信号は,コントロ
ーラ40の増幅器30に入力される。増幅器30において,入
力された電気信号は増幅され,増幅された電気信号は演
算器31に入力される。一方,ワイヤボビン1に巻き上げ
られたワイヤ電極2について,ワイヤボビン毎にワイヤ
電極2の線径,巻き径長さ,ワイヤボビン1の回転に伴
う繰り出されたワイヤ電極2の長さ,初期状態のワイヤ
長さ等の情報は,予め計測されて分かっている。そこ
で,装填したワイヤボビン1についての情報,ワイヤ電
極2の材質,該材質で決定される重量及び線径のデータ
を,データ入力装置32からコントローラ40の演算器31に
入力すれば,ワイヤ電極2の重量WEからワイヤ電極2の
総長さが演算される。
現在,ワイヤボビン1に巻き上げられているワイヤ電
極2の総長さが検出されれば,工作物に対する加工長が
予め計算できる。ワイヤ電極2の総長さのデータは比較
器33に入力され,そこで,工作物の種類,硬さ,加工形
状等によって放電加工に必要なワイヤ電極2の単位加工
長さが予め計算できるので,工作物に対して所定の加工
形状を加工するべき加工長さに対応する加工時間のデー
タは予め予測できるので,該データをデータ入力器34か
ら比較器33に入力する。そこで,比較器33において,ワ
イヤ電極2の残量の総長さと,工作物に対する加工時間
のデータとを比較し,ワイヤ放電加工機に装填されてい
るワイヤボビン1のワイヤ電極2では,工作物に対して
どの程度の加工ができるかが計算できる。ワイヤ電極2
の長さが検出されれば,工作物に対して放電加工できる
加工長さが演算できる。そこで,その情報データをNC装
置36に入力して,ワイヤ放電加工機におけるワイヤボビ
ン1の交換指令等に利用すると共に,該情報データをデ
ィスプレー35に表示することができる。
また,放電加工の進行に伴ってワイヤ電極2が回転軸
4を中心に回転するワイヤボビン1からの繰り出しによ
ってワイヤボビン1におけるワイヤ電極2の重量が逐次
に減少して変化する。従って,ワイヤボビン1から繰り
出されるワイヤ電極2の長さは,ワイヤ電極2の重量に
よって変動し,ワイヤ電極2の残量の長さは,時間経過
と共に少なくなる。このようにして演算されたワイヤ電
極2の残量は,表示器35によって表示されると共に,NC
装置36に入力される。従って,作業者は,残りの有効加
工長さを表示器35を検知することによって直ちに且つ正
確に確認することができる。
この発明によるワイヤ電極の残量検出装置は,上記の
ように構成されているが,上記実施例に必ずしも限定さ
れるものではない,例えば,表示器35に加えて,ワイヤ
電極2の所定の残量以下にまで減少した時,該センサ検
出信号に応答して警報手段を併用することもでき,作業
者が該警報手段によってワイヤ電極2の残量を直ちに且
つ確実に確認することができるように構成することもで
きる。また,補助ワイヤボビンを準備しておき,主ワイ
ヤボビンのワイヤ電極の有効加工長さを消費した場合
に,該有効加工長さ消費検出信号によって主ワイヤボビ
ンから補助ワイヤボビンに自動的に変更できるように構
成することもできる。更に,ポテンシオメータ6が示す
総重量WXを,上記実施例ではワイヤ電極2が巻き上げら
れたワイヤボビン1を搭載した時の重量を表示するよう
にしたが,例えば,ワイヤ電極2が巻き上げられていな
い空のワイヤボビン1を搭載した時の重量を表示するよ
うに設定してもよいものである。
〔発明の効果〕
この発明によるワイヤ電極の残量検出装置は,上記の
ように構成されているので,ワイヤボビンに巻かれてい
るワイヤ電極の残量をワイヤ電極の重量によって迅速
に,逐次に,簡単に且つ正確に演算でき,演算された電
気信号によって以後のワイヤ放電加工ができるワイヤ電
極の加工有効長さを演算することができ,該演算結果を
表示器に表示できると共に,コントローラはそれに応じ
て各種の指令を発することができる。
従って,作業者は前記ワイヤ電極の加工有効長さを直
ちに且つ正確に確認し,以後の前記ワイヤ電極を巻き上
げた前記ワイヤボビンの取り替え時期を予測することが
でき,加工途中での前記ワイヤ電極切れ等による加工時
間のロスの時間を最小限に留めることができる。従っ
て,作業者はワイヤ放電加工機を常に監視する必要もな
く,前記ワイヤ電極切れによる放電加工時間のロス時間
を最小限に留めることができ,加工能率を大幅に向上え
できる。
また,このワイヤ電極の残量検出装置は,上記のよう
な構成であるから,前記ワイヤ電極の所定の残量以下に
まで減少した時,該検出信号に応答して警報手段を併用
することも容易に構成でき,作業者が該警報手段によっ
て前記ワイヤ電極の残量を直ちに且つ確実に確認するこ
とができ,ワイヤ電極切れによる放電加工の中断時間を
最小限に減少し,有効に加工効率を向上できる。
また,補助ワイヤボビンを準備している場合には,ワ
イヤ電極の加工有効量以下になれば,該検出信号によっ
て自動的にワイヤ電極の繰り出しワイヤボビンを変更す
ることができ,ワイヤ放電加工の自動化をスムースに達
成することができる。しかも,このワイヤ電極の残量検
出装置は,講造そのものが簡単で且つ制御が簡単であ
り,故障がなくコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明によるワイヤ電極の残量検出装置の一
実施例を示す概略説明図,及び第2図はこのワイヤ電極
の残量検出装置の処理フローのブロック図である。 1……ワイヤボビン,2……ワイヤ電極,3……支持本体,4
……回転軸,5……ホルダ,6……重量センサ,10……ブレ
ーキ,12……ロッドバー,14……上限リミットスイッチ,1
5……下限リミットスイッチ,20……スプリング,31……
演算器,40……コントローラ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤ電極を巻き上げるワイヤボビンを支
    持する回転軸,該回転軸を前記ワイヤ電極の繰り出しに
    応じて回転可能に支持し且つ前記ワイヤボビンの重量に
    応じて上下移動できるホルダ,該ホルダを上下移動可能
    にスプリングを介して支持する支持本体,前記ホルダの
    上下方向の移動量に応じて前記ワイヤ電極を巻き上げて
    いる前記ワイヤボビンの重量を連続的に常時検出できる
    重量センサ,並びに前記ワイヤ電極の重量,線径及び材
    質についての予め分かっている情報に基づいて前記重量
    センサからの検出信号に応答して前記ワイヤ電極の使用
    量を連続的に演算し,前記ワイヤ電極の使用量によって
    前記ワイヤボビンに巻き上げられている前記ワイヤ電極
    の残量を連続的に演算して前記ワイヤ電極の加工有効長
    さを連続的に演算すると共に,工作物の加工条件に基づ
    いて前記ワイヤ電極の有効供給時間を演算することがで
    きる演算器を備えたコントローラ,から成るワイヤ電極
    の残量検出装置。
  2. 【請求項2】前記支持本体はワイヤ放電加工機の本体で
    あり,前記ワイヤボビンは該ワイヤ放電加工機に装填さ
    れていることから成る請求項1に記載のワイヤ電極の残
    量検出装置。
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