JP2938302B2 - 血液凝固時間測定方法とその装置 - Google Patents
血液凝固時間測定方法とその装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血液の凝固時間を測定す
る方法とその装置に関する。
る方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】血液の凝固時間を測定する方法として、
従来、血漿に試薬を混合し、これに側方から光を当てな
がらその散乱光量の状態変化を測定し、凝固時間を得る
方法、いわゆる光散乱方式の測定方法が提供されてい
る。そしてこの光散乱方式の測定方法という大きな分類
においては、従来次の〜に示す方法が提供されてい
る。 .散乱光量をそのまま利用し、散乱光量の状態がある
一定量になる時点までの時間をもって凝固時間とする方
法。 .散乱光量をそのまま利用し、散乱光量の最小値と最
大値の差の一定割合となる時点までの時間をもって凝固
時間とする方法(特公平3-34592 号)。 .散乱光量の微分値を利用し、経時的に変化する散乱
光量の微分値がピークとなる時点までの時間をもって凝
固時間とする方法(極大値法とする)で、且つ散乱光量
或いは前記微分値の二重積分値が一定のしきい値を越え
ることを条件としたもの。 .微分値のピークを求め、その1/Nに相当する時点
をまでの時間をもって凝固時間とする方法(特公昭61-1
0777号)。 .一定時間内の全変化量を測定し、全変化量の20〜50
%の範囲に達した時点の前後をデータ処理範囲として出
力を処理する方法(特開平4-318463号)。 そして上記〜の方法は、凝固時間そのものを求める
方法(、、、)と、付随するノイズを除去する
方法(、)の2つに分けることができる。
従来、血漿に試薬を混合し、これに側方から光を当てな
がらその散乱光量の状態変化を測定し、凝固時間を得る
方法、いわゆる光散乱方式の測定方法が提供されてい
る。そしてこの光散乱方式の測定方法という大きな分類
においては、従来次の〜に示す方法が提供されてい
る。 .散乱光量をそのまま利用し、散乱光量の状態がある
一定量になる時点までの時間をもって凝固時間とする方
法。 .散乱光量をそのまま利用し、散乱光量の最小値と最
大値の差の一定割合となる時点までの時間をもって凝固
時間とする方法(特公平3-34592 号)。 .散乱光量の微分値を利用し、経時的に変化する散乱
光量の微分値がピークとなる時点までの時間をもって凝
固時間とする方法(極大値法とする)で、且つ散乱光量
或いは前記微分値の二重積分値が一定のしきい値を越え
ることを条件としたもの。 .微分値のピークを求め、その1/Nに相当する時点
をまでの時間をもって凝固時間とする方法(特公昭61-1
0777号)。 .一定時間内の全変化量を測定し、全変化量の20〜50
%の範囲に達した時点の前後をデータ処理範囲として出
力を処理する方法(特開平4-318463号)。 そして上記〜の方法は、凝固時間そのものを求める
方法(、、、)と、付随するノイズを除去する
方法(、)の2つに分けることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の方
法では、被検試料(検体)によっては一定量に達しない
ものが生じたり、また基底レベル自体のバラツキを補正
できないといった問題があった。またの方法において
は、同様に試料によってはダラダラと光量が変化し、最
大値を検出するまで時間を要したり、また例えばフィブ
リノゲン濃度の低い被検試料等、明確な最大値を示さな
い検体に対しては測定できない問題があった。また、
の方法においては、光量の変化(微分値)が時間に対
して直線的(一次関数的)であるような検体については
微分値のピークを得ることが困難となる問題があった。
またこのような検体についてはピークが2以上生じたり
する問題があった。さらに低フィブリノゲン濃度の被検
試料のような異常検体では光量変化量が小さいため、最
大変化速度(微分値のピーク)を的確にとらえられない
問題があった。さらにの方法は既に凝固が完了してい
ても、一定時間までは必ず測定しないとデータ処理がで
きないため、測定に時間がかかり、多数の検体を次々と
迅速に処理して凝固時間を得るには問題があった。
法では、被検試料(検体)によっては一定量に達しない
ものが生じたり、また基底レベル自体のバラツキを補正
できないといった問題があった。またの方法において
は、同様に試料によってはダラダラと光量が変化し、最
大値を検出するまで時間を要したり、また例えばフィブ
リノゲン濃度の低い被検試料等、明確な最大値を示さな
い検体に対しては測定できない問題があった。また、
の方法においては、光量の変化(微分値)が時間に対
して直線的(一次関数的)であるような検体については
微分値のピークを得ることが困難となる問題があった。
またこのような検体についてはピークが2以上生じたり
する問題があった。さらに低フィブリノゲン濃度の被検
試料のような異常検体では光量変化量が小さいため、最
大変化速度(微分値のピーク)を的確にとらえられない
問題があった。さらにの方法は既に凝固が完了してい
ても、一定時間までは必ず測定しないとデータ処理がで
きないため、測定に時間がかかり、多数の検体を次々と
迅速に処理して凝固時間を得るには問題があった。
【0004】そこで本発明は上記従来の欠点を解消し、
低フィブリノゲン濃度の被検試料等の異常な被検試料に
よっても測定不能となったりすることなく、また凝固時
間をバラツキなく安定して、また正確に、短時間で次々
と測定することができる血液凝固時間測定方法とその装
置の提供を目的とする。
低フィブリノゲン濃度の被検試料等の異常な被検試料に
よっても測定不能となったりすることなく、また凝固時
間をバラツキなく安定して、また正確に、短時間で次々
と測定することができる血液凝固時間測定方法とその装
置の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の血液凝固時間測定方法は、試薬を混合した
被検血漿に一定光量の光を照射しながらその散乱光量を
検出することにより凝固時間を測定する方法であって、
前記試薬の混合時点から逐次散乱光量を測定し、リアル
タイムに得られるA/D変換データを平滑化及び原点調
整をして基準A/D変換データとし、該基準A/D変換
データから、更にこれを積分した基準積分データと、前
記基準A/D変換データの各隣合う微小時間での積算値
の比である基準比データとを演算し、該基準比データが
予め定めた一定の基準比データ値になる時点のうち、前
記基準比データのピーク以降の時点で且つ前記基準積分
データが予め定めた一定のノイズ除去用しきい値以上と
なる時点における基準A/D変換データ値を選出し、該
基準A/D変換データ値の1/N(Nは1以上の一定整
数)の値が対応する時点までの混合時点からの時間をも
って凝固時間とすることを特徴としている。また本発明
の血液凝固時間測定装置は、被検血漿と試薬を入れるセ
ル体と、該セル体内へ外から一定光量の光を照射する射
光手段と、セル体内からの散乱光量を検出する光量検出
手段と、該光量検出手段による検出量を増幅する増幅手
段と、該増幅手段で増幅された検出量を一定の微小時間
間隔でサンプリングしてリアルタイムでデジタル化する
A/D変換手段と、該A/D変換手段からのA/D変換
データを先ず微分演算すると共に平滑化処理して基準A
/D変換データとして記憶し、次にこの基準A/D変換
データから、更にこれを積分した基準積分データと、前
記基準A/D変換データの各隣合う微小時間での積算値
の比である基準比データとをそれぞれ演算して記憶し、
次に前記基準比データが予め定めた一定の基準比データ
値になる時点を求めると共に該時点のうち、前記基準比
データのピーク以降の時点で且つ前記基準積分データが
予め定めた一定のノイズ除去用しきい値以上となる時点
を選出し、次にこの選出した時点における基準A/D変
換データ値を選出し、次にこの基準A/D変換データ値
の1/N(Nは1以上の一定整数)の値が対応する時点
までの混合時点からの時間を演算する機構を有するマイ
クロコンピュータと、該マイクロコンピュータの演算結
果を示す表示手段とを少なくとも有することを特徴とし
ている。
め、本発明の血液凝固時間測定方法は、試薬を混合した
被検血漿に一定光量の光を照射しながらその散乱光量を
検出することにより凝固時間を測定する方法であって、
前記試薬の混合時点から逐次散乱光量を測定し、リアル
タイムに得られるA/D変換データを平滑化及び原点調
整をして基準A/D変換データとし、該基準A/D変換
データから、更にこれを積分した基準積分データと、前
記基準A/D変換データの各隣合う微小時間での積算値
の比である基準比データとを演算し、該基準比データが
予め定めた一定の基準比データ値になる時点のうち、前
記基準比データのピーク以降の時点で且つ前記基準積分
データが予め定めた一定のノイズ除去用しきい値以上と
なる時点における基準A/D変換データ値を選出し、該
基準A/D変換データ値の1/N(Nは1以上の一定整
数)の値が対応する時点までの混合時点からの時間をも
って凝固時間とすることを特徴としている。また本発明
の血液凝固時間測定装置は、被検血漿と試薬を入れるセ
ル体と、該セル体内へ外から一定光量の光を照射する射
光手段と、セル体内からの散乱光量を検出する光量検出
手段と、該光量検出手段による検出量を増幅する増幅手
段と、該増幅手段で増幅された検出量を一定の微小時間
間隔でサンプリングしてリアルタイムでデジタル化する
A/D変換手段と、該A/D変換手段からのA/D変換
データを先ず微分演算すると共に平滑化処理して基準A
/D変換データとして記憶し、次にこの基準A/D変換
データから、更にこれを積分した基準積分データと、前
記基準A/D変換データの各隣合う微小時間での積算値
の比である基準比データとをそれぞれ演算して記憶し、
次に前記基準比データが予め定めた一定の基準比データ
値になる時点を求めると共に該時点のうち、前記基準比
データのピーク以降の時点で且つ前記基準積分データが
予め定めた一定のノイズ除去用しきい値以上となる時点
を選出し、次にこの選出した時点における基準A/D変
換データ値を選出し、次にこの基準A/D変換データ値
の1/N(Nは1以上の一定整数)の値が対応する時点
までの混合時点からの時間を演算する機構を有するマイ
クロコンピュータと、該マイクロコンピュータの演算結
果を示す表示手段とを少なくとも有することを特徴とし
ている。
【0006】
【作用】上記本発明方法の特徴によれば、試薬の混合時
点から逐次得られる散乱光量がリアルタイムでA/D変
換され、更にこのA/D変換データがリアルタイムで平
滑化及び原点調整されて基準A/D変換データとなる。
そして前記基準A/D変換データからは、更にこれを積
分した基準積分データと、前記基準A/D変換データの
各隣合う微小時間での積算値の比である基準比データと
がリアルタイムで演算される。そして前記基準比データ
値が予め定めた一定の基準比データ値になる時点を選出
しながら、その時点が前記基準比データのピーク以降の
時点で且つ前記基準積分データのノイズ除去用しきい値
以上となる時点であるかの2つの条件が判定される。そ
の条件を満たせば、前記選出した時点での基準A/D変
換データ値が選出され、この基準A/D変換データ値の
1/Nが演算されて、その値に対応する時点までの混合
時点からの時間が演算される。得られた時間が凝固時間
となる。上記本発明方法の特徴によれば、散乱光量をそ
のままA/D変換した一次データではなく、該A/D変
換データを平滑化及び原点調整をして基準A/D変換デ
ータとして利用するので、前記一次データに生じる散乱
光量のバラツキや、検体の濁り等による一次データにお
ける基底レベルのバラツキが解消される。また、本発明
方法の特徴によれば、上記2つの条件を満たした一定の
基準比データ値が選出できると、その時点でただちに光
量測定動作を終了し、次の検体の測定動作に移ることが
できる。よって既に凝固が完了していても一定時間まで
は必ず測定しないとデータ処理ができないといった従来
の方法に比べて処理時間が短縮される。また、本発明方
法の特徴によれば、A/D変換データの各隣合う微小時
間での積算値の比である基準比データを用い、該基準比
データが予め定めた一定の基準比データ値になる時点を
得ることで、最終的に凝固時間を演算する方法を採用し
ているので、本発明方法では、散乱光量の変化が生じれ
ば凝固時間の測定に十分で、その散乱光量の微分値にピ
ークが生じないような検体、即ち、散乱光量の変化(微
分値)が時間に対して直線的(一次関数的)であるよう
な検体、或いは低フィブリノゲン濃度の被検試料のよう
な光量変化量が小さく最大変化速度(微分値のピーク)
を的確にとらえられない検体に対しても確実に凝固時間
が得られる。また、本発明方法の特徴によれば、基準A
/D変換データの各隣合う微小時間での積算値の比であ
る基準比データを用いているので、測定装置の個々の装
置に生じるゲインのバラツキの影響が少なくなるのは勿
論のこと、多チャンネル測定部を持つ測定装置の前記各
測定チャンネル毎のゲインのバラツキの影響も少なくな
り、信頼性の高い結果が得られる。また上記本発明装置
の特徴によれば、上記発明方法を現に行い、凝固時間を
得てこれを表示することができる。
点から逐次得られる散乱光量がリアルタイムでA/D変
換され、更にこのA/D変換データがリアルタイムで平
滑化及び原点調整されて基準A/D変換データとなる。
そして前記基準A/D変換データからは、更にこれを積
分した基準積分データと、前記基準A/D変換データの
各隣合う微小時間での積算値の比である基準比データと
がリアルタイムで演算される。そして前記基準比データ
値が予め定めた一定の基準比データ値になる時点を選出
しながら、その時点が前記基準比データのピーク以降の
時点で且つ前記基準積分データのノイズ除去用しきい値
以上となる時点であるかの2つの条件が判定される。そ
の条件を満たせば、前記選出した時点での基準A/D変
換データ値が選出され、この基準A/D変換データ値の
1/Nが演算されて、その値に対応する時点までの混合
時点からの時間が演算される。得られた時間が凝固時間
となる。上記本発明方法の特徴によれば、散乱光量をそ
のままA/D変換した一次データではなく、該A/D変
換データを平滑化及び原点調整をして基準A/D変換デ
ータとして利用するので、前記一次データに生じる散乱
光量のバラツキや、検体の濁り等による一次データにお
ける基底レベルのバラツキが解消される。また、本発明
方法の特徴によれば、上記2つの条件を満たした一定の
基準比データ値が選出できると、その時点でただちに光
量測定動作を終了し、次の検体の測定動作に移ることが
できる。よって既に凝固が完了していても一定時間まで
は必ず測定しないとデータ処理ができないといった従来
の方法に比べて処理時間が短縮される。また、本発明方
法の特徴によれば、A/D変換データの各隣合う微小時
間での積算値の比である基準比データを用い、該基準比
データが予め定めた一定の基準比データ値になる時点を
得ることで、最終的に凝固時間を演算する方法を採用し
ているので、本発明方法では、散乱光量の変化が生じれ
ば凝固時間の測定に十分で、その散乱光量の微分値にピ
ークが生じないような検体、即ち、散乱光量の変化(微
分値)が時間に対して直線的(一次関数的)であるよう
な検体、或いは低フィブリノゲン濃度の被検試料のよう
な光量変化量が小さく最大変化速度(微分値のピーク)
を的確にとらえられない検体に対しても確実に凝固時間
が得られる。また、本発明方法の特徴によれば、基準A
/D変換データの各隣合う微小時間での積算値の比であ
る基準比データを用いているので、測定装置の個々の装
置に生じるゲインのバラツキの影響が少なくなるのは勿
論のこと、多チャンネル測定部を持つ測定装置の前記各
測定チャンネル毎のゲインのバラツキの影響も少なくな
り、信頼性の高い結果が得られる。また上記本発明装置
の特徴によれば、上記発明方法を現に行い、凝固時間を
得てこれを表示することができる。
【0007】
【実施例】図1は本発明装置の実施例を示す概略構成
図、図2はマイクロコンピュータが有する凝固時間演算
機構のフローチャート、図3から図7は本発明の方法と
装置を説明する図で、図3は検出された散乱光量のオリ
ジナルのA/D変換データを時間を横軸にして表したオ
リジナルA/D変換データ曲線図、図4はオリジナルA
/D変換データを微分した微分データ曲線図、図5は微
分データを平滑化した平滑化データ曲線図、図6は平滑
化データを積分して得た基準A/D変換データと該基準
A/D変換データを積分した基準積分データとを時間を
横軸にして表した曲線図、図7は基準A/D変換データ
の各隣合う微小時間での積算値の比データである基準比
データを、基準A/D変換データと基準積分データと共
に時間を横軸にして表した曲線図、図8は選出した凝固
完了点から凝固時間を演算する方法を説明する図であ
る。また図9は本発明の基準比データを用いる方法と従
来の微分データを用いる方法との差を説明する図であ
る。
図、図2はマイクロコンピュータが有する凝固時間演算
機構のフローチャート、図3から図7は本発明の方法と
装置を説明する図で、図3は検出された散乱光量のオリ
ジナルのA/D変換データを時間を横軸にして表したオ
リジナルA/D変換データ曲線図、図4はオリジナルA
/D変換データを微分した微分データ曲線図、図5は微
分データを平滑化した平滑化データ曲線図、図6は平滑
化データを積分して得た基準A/D変換データと該基準
A/D変換データを積分した基準積分データとを時間を
横軸にして表した曲線図、図7は基準A/D変換データ
の各隣合う微小時間での積算値の比データである基準比
データを、基準A/D変換データと基準積分データと共
に時間を横軸にして表した曲線図、図8は選出した凝固
完了点から凝固時間を演算する方法を説明する図であ
る。また図9は本発明の基準比データを用いる方法と従
来の微分データを用いる方法との差を説明する図であ
る。
【0008】図1において、1は被検血漿と試薬との混
合体を保持する透明のセル体で、セル移動手段12によっ
て、被検血漿が入れられたセル体1が所定の測定位置に
セットされる。11は試薬分注ピペットで、該試薬分注ピ
ペット11によって試薬がセル体1内の被検血漿に混入さ
れることで、血液凝固時間測定が開始される。3はセル
体1内へ外から一定光量の光を照射する射光手段で、該
射光手段3とセル体1内からの散乱光量を検出する光量
検出手段4とで対をなす。該光量検出手段4は、前記セ
ル体1内の混合液からの散乱光量を検知して電気信号に
変換して出力する。5は前記電気信号の増幅手段であ
る。6は前記増幅された電気信号を一定の微小時間間隔
でサンプリングしてリアルタイムでデジタル信号化する
A/D変換手段で、前記散乱光量をデジタル信号として
マイクロコンピュータ(以下マイコンとする)7に入力
する。マイコン7は射光手段3の点灯回路10、セル移動
手段12を制御し、また試薬分注ピペット11からの試薬混
入時点情報と、メモリ8から呼び出した演算式及び予め
決められ記憶された基準となる時間や値と、前記A/D
変換手段6からのデジタル信号等により、血液凝固時間
Tを演算して出力装置9に出力する。
合体を保持する透明のセル体で、セル移動手段12によっ
て、被検血漿が入れられたセル体1が所定の測定位置に
セットされる。11は試薬分注ピペットで、該試薬分注ピ
ペット11によって試薬がセル体1内の被検血漿に混入さ
れることで、血液凝固時間測定が開始される。3はセル
体1内へ外から一定光量の光を照射する射光手段で、該
射光手段3とセル体1内からの散乱光量を検出する光量
検出手段4とで対をなす。該光量検出手段4は、前記セ
ル体1内の混合液からの散乱光量を検知して電気信号に
変換して出力する。5は前記電気信号の増幅手段であ
る。6は前記増幅された電気信号を一定の微小時間間隔
でサンプリングしてリアルタイムでデジタル信号化する
A/D変換手段で、前記散乱光量をデジタル信号として
マイクロコンピュータ(以下マイコンとする)7に入力
する。マイコン7は射光手段3の点灯回路10、セル移動
手段12を制御し、また試薬分注ピペット11からの試薬混
入時点情報と、メモリ8から呼び出した演算式及び予め
決められ記憶された基準となる時間や値と、前記A/D
変換手段6からのデジタル信号等により、血液凝固時間
Tを演算して出力装置9に出力する。
【0009】図2〜図8も参照して、前記マイコン7に
よる血液凝固時間Tの演算機構を説明する。今、試薬分
注ピペット11によって試薬が投入されると、それと同時
にマイコン7は光量検出手段4、増幅手段5、A/D変
換手段6を経てリアルタイムで散乱光量のA/D変換デ
ータ、即ちオリジナルA/D変換データを入力し(図2
のS1)(図3)、このオリジナルA/D変換データを
リアルタイムで微分する(図2のS2)(図4)。この
微分は微小時間間隔におけるオリジナルA/D変換デー
タ値の差を演算することで得ることができる。そして更
に得られた微分データを、リアルタイム的に、例えばメ
ジアン法を用いて平滑化する(図2のS3)(図5)。
前記メジアン法は、あるサンプリングポイントの前後、
任意のn個のポイントの微分データのメジアンをそのポ
イントのデータとする方法である。従来の移動平行法で
は、突発的なノイズの除去は困難であるが、メジアン法
ではそれが除去できる。
よる血液凝固時間Tの演算機構を説明する。今、試薬分
注ピペット11によって試薬が投入されると、それと同時
にマイコン7は光量検出手段4、増幅手段5、A/D変
換手段6を経てリアルタイムで散乱光量のA/D変換デ
ータ、即ちオリジナルA/D変換データを入力し(図2
のS1)(図3)、このオリジナルA/D変換データを
リアルタイムで微分する(図2のS2)(図4)。この
微分は微小時間間隔におけるオリジナルA/D変換デー
タ値の差を演算することで得ることができる。そして更
に得られた微分データを、リアルタイム的に、例えばメ
ジアン法を用いて平滑化する(図2のS3)(図5)。
前記メジアン法は、あるサンプリングポイントの前後、
任意のn個のポイントの微分データのメジアンをそのポ
イントのデータとする方法である。従来の移動平行法で
は、突発的なノイズの除去は困難であるが、メジアン法
ではそれが除去できる。
【0010】次に前記平滑化されて得た微分データを再
びリアルタイムで積分し、そのデータを基準A/D変換
データXとして記憶する(S4)(図6)。前記S2の
微分操作とS3の平滑化操作を経た基準A/D変換デー
タXにおいては、オリジナルA/D変換データのノイズ
や原点変動(測定ベースラインの変動)が取り除かれ、
平滑で一定の原点(測定ベースライン)をもつデータと
なる。次に演算される前記基準A/D変換データXをリ
アルタイムで積分して、これを基準積分データYとして
記憶する(図2のS5)(図6)。また前記基準A/D
変換データXの各サンプリングポイントの前後のn点の
積算値の比、即ち基準A/D変換データXの各隣合う微
小時間での積算値の比を演算し、これを基準比データZ
として記憶する(図2のS5)(図7)。
びリアルタイムで積分し、そのデータを基準A/D変換
データXとして記憶する(S4)(図6)。前記S2の
微分操作とS3の平滑化操作を経た基準A/D変換デー
タXにおいては、オリジナルA/D変換データのノイズ
や原点変動(測定ベースラインの変動)が取り除かれ、
平滑で一定の原点(測定ベースライン)をもつデータと
なる。次に演算される前記基準A/D変換データXをリ
アルタイムで積分して、これを基準積分データYとして
記憶する(図2のS5)(図6)。また前記基準A/D
変換データXの各サンプリングポイントの前後のn点の
積算値の比、即ち基準A/D変換データXの各隣合う微
小時間での積算値の比を演算し、これを基準比データZ
として記憶する(図2のS5)(図7)。
【0011】次に、マイコン7は、前記リアルタイム的
に演算される前記基準比データZが、予め定めた一定の
基準比データ値Zs となるのを常時監視し(図2のS
6)(図7)、前記一定の基準比データ値Zs となる都
度、その時点(T1 、T2 ・・Tn )が基準比データZ
のピークZp 以降の時点であるか(図2のS7)、その
時点(T1 、T2 ・・Tn )における前記基準積分デー
タ値(Y1 、Y2 ・・Yn )が予め定めた一定のノイズ
除去用しきい値Ys 以上であるか(図2のS8)、及び
前記基準A/D変換データ値(X1 、X2 ・・Xn )が
予め定めた一定のノイズ除去用しきい値Xs 以上である
か(図2のS9)の3つの条件を判定し、その3つの条
件を満足する時点(T2 )が得られると、その時点(T
2 )での基準A/D変換データ値(X2 )を選出し、仮
の凝固点(Xd ) とする(図2のS10)(図7、図
8)。
に演算される前記基準比データZが、予め定めた一定の
基準比データ値Zs となるのを常時監視し(図2のS
6)(図7)、前記一定の基準比データ値Zs となる都
度、その時点(T1 、T2 ・・Tn )が基準比データZ
のピークZp 以降の時点であるか(図2のS7)、その
時点(T1 、T2 ・・Tn )における前記基準積分デー
タ値(Y1 、Y2 ・・Yn )が予め定めた一定のノイズ
除去用しきい値Ys 以上であるか(図2のS8)、及び
前記基準A/D変換データ値(X1 、X2 ・・Xn )が
予め定めた一定のノイズ除去用しきい値Xs 以上である
か(図2のS9)の3つの条件を判定し、その3つの条
件を満足する時点(T2 )が得られると、その時点(T
2 )での基準A/D変換データ値(X2 )を選出し、仮
の凝固点(Xd ) とする(図2のS10)(図7、図
8)。
【0012】前記予め定めた一定の基準比データ値Zs
は、予め実験により適当な値を採用して、マイコンに記
憶させておく。同様に、基準積分データYにおける一定
のノイズ除去用しきい値Ys も、予め実験によりノイズ
を除去するのに適当な値を採用してマイコンに記憶させ
ておく。このノイズ除去用しきい値Ys は被検試料(検
体)の凝固が現に進行しており、基準A/D変換データ
値が増加状態にあることを確認するもので、基準A/D
変換データXに生じる高くて幅の狭いノイズ等を除去す
るのに有効である。又、前記基準A/D変換データXに
おける一定のノイズ除去用しきい値Xs についても、予
め実験によりノイズを除去するのに適当な値を採用して
マイコンに記憶させておく。このノイズ除去用しきい値
Xs は、基準A/D変換データXに生じる低くて幅のあ
るノイズ等を除去するのに有効である。尚、前記基準A
/D変換データXにおける一定のノイズ除去用しきい値
Xs についての条件(図2のS9)については、これを
省いてもよい。
は、予め実験により適当な値を採用して、マイコンに記
憶させておく。同様に、基準積分データYにおける一定
のノイズ除去用しきい値Ys も、予め実験によりノイズ
を除去するのに適当な値を採用してマイコンに記憶させ
ておく。このノイズ除去用しきい値Ys は被検試料(検
体)の凝固が現に進行しており、基準A/D変換データ
値が増加状態にあることを確認するもので、基準A/D
変換データXに生じる高くて幅の狭いノイズ等を除去す
るのに有効である。又、前記基準A/D変換データXに
おける一定のノイズ除去用しきい値Xs についても、予
め実験によりノイズを除去するのに適当な値を採用して
マイコンに記憶させておく。このノイズ除去用しきい値
Xs は、基準A/D変換データXに生じる低くて幅のあ
るノイズ等を除去するのに有効である。尚、前記基準A
/D変換データXにおける一定のノイズ除去用しきい値
Xs についての条件(図2のS9)については、これを
省いてもよい。
【0013】上記のようにして仮の凝固点(Xd ) を選
出した後(図2のS10)、該仮の凝固点(Xd ) を用い
て、該Xd の1/N(Nは1以上の一定整数)の値Xc
を演算し、基準A/D変換データ値がこの値Xc となる
時点Tc までの混合時点からの時間Hをもって凝固時間
とする(図2のS12)(図8)。得られた凝固時間Hを
出力装置9を介して表示し(図2のS13)、測定動作を
終了する(図2のS14)。
出した後(図2のS10)、該仮の凝固点(Xd ) を用い
て、該Xd の1/N(Nは1以上の一定整数)の値Xc
を演算し、基準A/D変換データ値がこの値Xc となる
時点Tc までの混合時点からの時間Hをもって凝固時間
とする(図2のS12)(図8)。得られた凝固時間Hを
出力装置9を介して表示し(図2のS13)、測定動作を
終了する(図2のS14)。
【0014】前記ステップS10で仮の凝固点(Xd ) が
選出された時点からステップS13で凝固時間Hが演算さ
れるまでは、瞬時的になされるので、測定に必要な時間
は、実質上、前記ステップS6〜S9の条件が満たされ
た前記仮の凝固点(Xd ) に対応する時点T2 までの時
間ですむ。そしてこの時点T2 で測定動作を終了し、次
の測定動作に移ることが可能となる。即ち、決められた
時間を必ず経なければ次の測定動作に移れないといった
従来の問題が解消され、全体として多数の検体の凝固時
間の測定を無駄な時間を少なくして、迅速に行うことが
できる。
選出された時点からステップS13で凝固時間Hが演算さ
れるまでは、瞬時的になされるので、測定に必要な時間
は、実質上、前記ステップS6〜S9の条件が満たされ
た前記仮の凝固点(Xd ) に対応する時点T2 までの時
間ですむ。そしてこの時点T2 で測定動作を終了し、次
の測定動作に移ることが可能となる。即ち、決められた
時間を必ず経なければ次の測定動作に移れないといった
従来の問題が解消され、全体として多数の検体の凝固時
間の測定を無駄な時間を少なくして、迅速に行うことが
できる。
【0015】本発明の測定方法では基準比データZを利
用しているが、これによって、個々の装置間でのゲイン
のバラツキによる悪影響が少なくなるのは勿論のこと、
多チャンネル測定部を持つ測定装置の前記各測定チャン
ネル毎のゲインのバラツキによる悪影響も少なくなり、
信頼性の高い結果が得られる。この理由を図9に沿って
説明する。今、同一検体を2つの測定機によって、測定
した場合、測定機のゲインの差により、図9のイ、ロの
散乱光量−時間曲線が得られたとする。この場合、例え
ば図のt1 、t2 の隣合う時点をとらえて説明すると、
本発明の方法では、A/D変換データの各微小時間毎に
おける積算値の比を採用しているので、積算値(面積)
の比は、イの曲線では25/10(時間幅が僅かであるので
高さの比とし表される)となり、またロの曲線では50/
20となる。即ち、いずれの曲線においても比は2.5 とな
り、測定機によるゲインの差の影響は問題としなくな
り、凝固時間差が生じ難くなる。これに対して、従来法
の1つである微分法を採用した場合には、t1 −t2 =
1として計算すると、イの曲線では、(25−10)/1=
15 となり、ロの曲線では、(50−20)/1=30とな
り、微分値は両者で異なる。即ち、凝固時間差が出るこ
とになる。
用しているが、これによって、個々の装置間でのゲイン
のバラツキによる悪影響が少なくなるのは勿論のこと、
多チャンネル測定部を持つ測定装置の前記各測定チャン
ネル毎のゲインのバラツキによる悪影響も少なくなり、
信頼性の高い結果が得られる。この理由を図9に沿って
説明する。今、同一検体を2つの測定機によって、測定
した場合、測定機のゲインの差により、図9のイ、ロの
散乱光量−時間曲線が得られたとする。この場合、例え
ば図のt1 、t2 の隣合う時点をとらえて説明すると、
本発明の方法では、A/D変換データの各微小時間毎に
おける積算値の比を採用しているので、積算値(面積)
の比は、イの曲線では25/10(時間幅が僅かであるので
高さの比とし表される)となり、またロの曲線では50/
20となる。即ち、いずれの曲線においても比は2.5 とな
り、測定機によるゲインの差の影響は問題としなくな
り、凝固時間差が生じ難くなる。これに対して、従来法
の1つである微分法を採用した場合には、t1 −t2 =
1として計算すると、イの曲線では、(25−10)/1=
15 となり、ロの曲線では、(50−20)/1=30とな
り、微分値は両者で異なる。即ち、凝固時間差が出るこ
とになる。
【0016】本発明の方法、装置により、実際に検体凝
固時間を測定した実施例を示す。正常域の管理血漿を生
理食塩水で、1/2 、1/4 、1/8 、1/16と順次希釈した検
体を試料として、プロトロンビン時間を測定した。試料
中のフィブリノゲン濃度及び凝固因子濃度は希釈と共に
1/2 、1/4 、1/8 、1/16と減少する。このようにして異
常検体を人工的に調整して、本発明による凝固時間の測
定を行った。また比較例として、散乱光量の最大変化速
度、即ち微分値の最大値を基準とする方法(Vmax )に
よる凝固時間の測定を行った。結果を表1に示す。各試
料を5回ずつ測定したところ、Vmax 法では、1/16の検
体は検出不能だったにもかかわらず、本発明による場合
には1/16の検体も検出できることが判った。即ち、本発
明では安定した凝固時間データを幅広い検出範囲で得ら
れることが判った。
固時間を測定した実施例を示す。正常域の管理血漿を生
理食塩水で、1/2 、1/4 、1/8 、1/16と順次希釈した検
体を試料として、プロトロンビン時間を測定した。試料
中のフィブリノゲン濃度及び凝固因子濃度は希釈と共に
1/2 、1/4 、1/8 、1/16と減少する。このようにして異
常検体を人工的に調整して、本発明による凝固時間の測
定を行った。また比較例として、散乱光量の最大変化速
度、即ち微分値の最大値を基準とする方法(Vmax )に
よる凝固時間の測定を行った。結果を表1に示す。各試
料を5回ずつ測定したところ、Vmax 法では、1/16の検
体は検出不能だったにもかかわらず、本発明による場合
には1/16の検体も検出できることが判った。即ち、本発
明では安定した凝固時間データを幅広い検出範囲で得ら
れることが判った。
【0017】
【表1】
【0018】
【発明の効果】本発明は以上の構成よりなり、請求項1
に記載の血液凝固時間測定方法によれば、散乱光量をそ
のままA/D変換した一次データではなく、該A/D変
換データを平滑化及び原点調整をして基準A/D変換デ
ータとして利用するので、前記一次データに生じる散乱
光量のバラツキや、検体の濁り等による一次データにお
ける基底レベルのバラツキを解消することができる。ま
た、本発明方法によれば、2つの条件を満たした一定の
基準比データ値が選出できると、その時点でただちに光
量測定動作を終了し、次の検体の測定動作に移ることが
できる。よって既に凝固が完了していても一定時間まで
は必ず測定しないとデータ処理ができないといった従来
の方法に比べて処理時間を短縮することができる。ま
た、本発明方法によれば、A/D変換データの各隣合う
微小時間での積算値の比である基準比データを用い、該
基準比データが予め定めた一定の基準比データ値になる
時点を得ることで、最終的に凝固時間を演算する方法を
採用しているので、よって本発明方法では、散乱光量の
変化が生じれば凝固時間の測定に十分で、その散乱光量
の微分値にピークが生じないような検体、即ち、散乱光
量の変化(微分値)が時間に対して直線的(一次関数
的)であるような検体、或いは低フィブリノゲン濃度の
被検試料のような光量変化量が小さく最大変化速度(微
分値のピーク)を的確にとらえられない検体、に対して
も確実に凝固時間を得ることができる。また、本発明方
法によれば、基準A/D変換データの各隣合う微小時間
での積算値の比である基準比データを用いているので、
測定装置の個々の装置に生じるゲインのバラツキの影響
を少なくすることができるのは勿論のこと、多チャンネ
ル測定部を持つ測定装置の前記各測定チャンネル毎のゲ
インのバラツキの影響も少なくすることができ、信頼性
の高い結果を得ることができる。また上記本発明装置の
特徴によれば、上記発明方法を現に行い、凝固時間を得
てこれを表示することができる。
に記載の血液凝固時間測定方法によれば、散乱光量をそ
のままA/D変換した一次データではなく、該A/D変
換データを平滑化及び原点調整をして基準A/D変換デ
ータとして利用するので、前記一次データに生じる散乱
光量のバラツキや、検体の濁り等による一次データにお
ける基底レベルのバラツキを解消することができる。ま
た、本発明方法によれば、2つの条件を満たした一定の
基準比データ値が選出できると、その時点でただちに光
量測定動作を終了し、次の検体の測定動作に移ることが
できる。よって既に凝固が完了していても一定時間まで
は必ず測定しないとデータ処理ができないといった従来
の方法に比べて処理時間を短縮することができる。ま
た、本発明方法によれば、A/D変換データの各隣合う
微小時間での積算値の比である基準比データを用い、該
基準比データが予め定めた一定の基準比データ値になる
時点を得ることで、最終的に凝固時間を演算する方法を
採用しているので、よって本発明方法では、散乱光量の
変化が生じれば凝固時間の測定に十分で、その散乱光量
の微分値にピークが生じないような検体、即ち、散乱光
量の変化(微分値)が時間に対して直線的(一次関数
的)であるような検体、或いは低フィブリノゲン濃度の
被検試料のような光量変化量が小さく最大変化速度(微
分値のピーク)を的確にとらえられない検体、に対して
も確実に凝固時間を得ることができる。また、本発明方
法によれば、基準A/D変換データの各隣合う微小時間
での積算値の比である基準比データを用いているので、
測定装置の個々の装置に生じるゲインのバラツキの影響
を少なくすることができるのは勿論のこと、多チャンネ
ル測定部を持つ測定装置の前記各測定チャンネル毎のゲ
インのバラツキの影響も少なくすることができ、信頼性
の高い結果を得ることができる。また上記本発明装置の
特徴によれば、上記発明方法を現に行い、凝固時間を得
てこれを表示することができる。
【図1】本発明装置の実施例を示す概略構成図である。
【図2】マイクロコンピュータが有する凝固時間演算機
構のフローチャートである。
構のフローチャートである。
【図3】検出された散乱光量のオリジナルのA/D変換
データを時間を横軸にして表したオリジナルA/D変換
データ曲線図である。
データを時間を横軸にして表したオリジナルA/D変換
データ曲線図である。
【図4】オリジナルA/D変換データを微分した微分デ
ータ曲線図である。
ータ曲線図である。
【図5】微分データを平滑化した平滑化データ曲線図で
ある。
ある。
【図6】平滑化データを積分して得た基準A/D変換デ
ータと該基準A/D変換データを積分した基準積分デー
タとを時間を横軸にして表した曲線図である。
ータと該基準A/D変換データを積分した基準積分デー
タとを時間を横軸にして表した曲線図である。
【図7】基準A/D変換データの各隣合う微小時間での
積算値の比データである基準比データを、基準A/D変
換データと基準積分データと共に時間を横軸にして表し
た曲線図である。
積算値の比データである基準比データを、基準A/D変
換データと基準積分データと共に時間を横軸にして表し
た曲線図である。
【図8】選出した凝固完了点から凝固時間を演算する方
法を説明する図である。
法を説明する図である。
【図9】本発明の基準比データを用いる方法と従来の微
分データを用いる方法との差を説明する図である。
分データを用いる方法との差を説明する図である。
【符号の説明】 1 セル体 3 射光手段 4 光量検出手段 5 増幅手段 6 A/D変換手段 7 マイコン 8 メモリ 9 出力装置 X 基準A/D変換データ Y 基準積分データ Z 基準比データ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−69497(JP,A) 特開 昭63−305255(JP,A) 特開 平4−318463(JP,A) 特開 昭59−203959(JP,A) 特開 昭54−51893(JP,A) 特開 昭59−228167(JP,A) 特公 昭61−10777(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/48 - 33/52 G01N 33/58 - 33/98
Claims (2)
- 【請求項1】 試薬を混合した被検血漿に一定光量の光
を照射しながらその散乱光量を検出することにより凝固
時間を測定する方法であって、前記試薬の混合時点から
逐次散乱光量を測定し、リアルタイムに得られるA/D
変換データを平滑化及び原点調整をして基準A/D変換
データとし、該基準A/D変換データから、更にこれを
積分した基準積分データと、前記基準A/D変換データ
の各隣合う微小時間での積算値の比である基準比データ
とを演算し、該基準比データが予め定めた一定の基準比
データ値になる時点のうち、前記基準比データのピーク
以降の時点で且つ前記基準積分データが予め定めた一定
のノイズ除去用しきい値以上となる時点における基準A
/D変換データ値を選出し、該基準A/D変換データ値
の1/N(Nは1以上の一定整数)の値が対応する時点
までの混合時点からの時間をもって凝固時間とすること
を特徴とする血液凝固時間測定方法。 - 【請求項2】 被検血漿と試薬を入れるセル体と、該セ
ル体内へ外から一定光量の光を照射する射光手段と、セ
ル体内からの散乱光量を検出する光量検出手段と、該光
量検出手段による検出量を増幅する増幅手段と、該増幅
手段で増幅された検出量を一定の微小時間間隔でサンプ
リングしてリアルタイムでデジタル化するA/D変換手
段と、該A/D変換手段からのA/D変換データを先ず
微分演算すると共に平滑化処理して基準A/D変換デー
タとして記憶し、次にこの基準A/D変換データから、
更にこれを積分した基準積分データと、前記基準A/D
変換データの各隣合う微小時間での積算値の比である基
準比データとをそれぞれ演算して記憶し、次に前記基準
比データが予め定めた一定の基準比データ値になる時点
を求めると共に該時点のうち、前記基準比データのピー
ク以降の時点で且つ前記基準積分データが予め定めた一
定のノイズ除去用しきい値以上となる時点を選出し、次
にこの選出した時点における基準A/D変換データ値を
選出し、次にこの基準A/D変換データ値の1/N(N
は1以上の一定整数)の値が対応する時点までの混合時
点からの時間を演算する機構を有するマイクロコンピュ
ータと、該マイクロコンピュータの演算結果を示す表示
手段とを少なくとも有する血液凝固時間測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6273793A JP2938302B2 (ja) | 1993-02-25 | 1993-02-25 | 血液凝固時間測定方法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6273793A JP2938302B2 (ja) | 1993-02-25 | 1993-02-25 | 血液凝固時間測定方法とその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06249855A JPH06249855A (ja) | 1994-09-09 |
JP2938302B2 true JP2938302B2 (ja) | 1999-08-23 |
Family
ID=13209002
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6273793A Expired - Fee Related JP2938302B2 (ja) | 1993-02-25 | 1993-02-25 | 血液凝固時間測定方法とその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5708591A (en) * | 1995-02-14 | 1998-01-13 | Akzo Nobel N.V. | Method and apparatus for predicting the presence of congenital and acquired imbalances and therapeutic conditions |
US6898532B1 (en) | 1995-06-07 | 2005-05-24 | Biomerieux, Inc. | Method and apparatus for predicting the presence of haemostatic dysfunction in a patient sample |
US6321164B1 (en) | 1995-06-07 | 2001-11-20 | Akzo Nobel N.V. | Method and apparatus for predicting the presence of an abnormal level of one or more proteins in the clotting cascade |
US6429017B1 (en) | 1999-02-04 | 2002-08-06 | Biomerieux | Method for predicting the presence of haemostatic dysfunction in a patient sample |
US6502040B2 (en) | 1997-12-31 | 2002-12-31 | Biomerieux, Inc. | Method for presenting thrombosis and hemostasis assay data |
ATE282208T1 (de) | 1999-02-04 | 2004-11-15 | Bio Merieux Inc | Verfahren und vorrichtung zum vorhersagen von haemostatischer funktionsstörung in patientenproben |
US7179612B2 (en) | 2000-06-09 | 2007-02-20 | Biomerieux, Inc. | Method for detecting a lipoprotein-acute phase protein complex and predicting an increased risk of system failure or mortality |
JP4799116B2 (ja) * | 2005-10-11 | 2011-10-26 | シスメックス株式会社 | 検体分析装置、検体分析方法及びコンピュータプログラム |
JP5164388B2 (ja) | 2007-01-31 | 2013-03-21 | シスメックス株式会社 | 試料測定装置 |
JP2009098029A (ja) * | 2007-10-17 | 2009-05-07 | Kowa Co | 生物学的反応の評価方法及び評価装置 |
CN102640004B (zh) * | 2009-12-04 | 2015-04-15 | 株式会社日立高新技术 | 血液凝固分析装置 |
JP6225259B2 (ja) * | 2013-08-14 | 2017-11-01 | アイセンス アーゲー | データ点のストリーム内で平滑化されたデータ点を判定する方法及び装置 |
EP4083630A4 (en) * | 2019-12-26 | 2024-01-10 | Sekisui Medical Co., Ltd. | METHOD FOR MEASURING BLOOD COAGULATION TIME |
WO2021177452A1 (ja) | 2020-03-06 | 2021-09-10 | 積水メディカル株式会社 | 血液凝固時間測定方法 |
CN115443409A (zh) | 2020-04-07 | 2022-12-06 | 积水医疗株式会社 | 血液凝固时间测定方法 |
JPWO2022054819A1 (ja) | 2020-09-08 | 2022-03-17 | ||
CN116472354A (zh) | 2020-10-29 | 2023-07-21 | 积水医疗株式会社 | 凝血反应的检测方法 |
JPWO2022186381A1 (ja) | 2021-03-05 | 2022-09-09 | ||
JPWO2023032978A1 (ja) | 2021-08-31 | 2023-03-09 |
-
1993
- 1993-02-25 JP JP6273793A patent/JP2938302B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06249855A (ja) | 1994-09-09 |
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