JP2938225B2 - アリルアルコールの製法 - Google Patents

アリルアルコールの製法

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JP2938225B2 JP3168271A JP16827191A JP2938225B2 JP 2938225 B2 JP2938225 B2 JP 2938225B2 JP 3168271 A JP3168271 A JP 3168271A JP 16827191 A JP16827191 A JP 16827191A JP 2938225 B2 JP2938225 B2 JP 2938225B2
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  • Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアリルアルコールの製法
に関する。さらに詳しくは、医薬、農薬などの中間体な
どとして有用なアリルアルコールの製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医薬や農薬などの中間体などとし
て用いられているヘテロ環化合物がアリルアルコールを
原料として合成されている。
【0003】アリルアルコールの一般的な製法として
は、たとえば(イ)アクリル酸メチルとペンタナールと
をトリエチレンジアミンの存在下で反応させる方法(ジ
ャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J. Org.
Chem.)50 巻、3849号、1985年)、(ロ)アクリロニト
リルとベンズアルデヒドとをトリエチレンジアミンの存
在下で反応させる方法(シンセティック・コミュニケー
ションズ(Synth. Commun.)17巻、587 号、1987年)、
(ハ)アクリロニトリルとアセトアルデビドとをトリエ
チレンジアミンの存在下で反応させる方法、(ニ)メチ
ルビニルケトンとアセトアルデヒドとをロジウム錯体の
存在下で反応させる方法(ケミストリー・レターズ(Che
m. Lett.) 1875号、1985年)、(ホ)アクリロニトリル
とn-ペンタナールとをトリブチルフォスフィンとトリエ
チルアルミニウムの存在下で反応させる方法などが知ら
れている。
【0004】しかしながら、トリエチレンジアミンを触
媒として用いる前記(イ)〜(ハ)の方法では、反応に
長時間を要するため、生産性がきわめてわるいという欠
点があり、また前記(ニ)および(ホ)の方法では、反
応の際に副生物の生成があり、とくに前記(ニ)の方法
では高価なロジウム錯体を必要とするため、経済性に欠
点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて出発物質から温和な条件で短
時間かつ高収率で経済的にアリルアルコールを製造しう
る方法を開発することを目的として鋭意研究を重ねた結
果、特定のフェノール系化合物を特定量用い、該フェノ
ール系化合物と含チッ素化合物の共存下で、ビニル基含
有化合物とアルデヒドとを反応させたばあいには、前記
目的が達成されることを見出し、本発明を完成するにい
たった。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明はビニ
ル基含有化合物とアルデヒドとを一般式(I) :
【0007】
【化2】
【0008】(式中、Xは水素原子、炭素数1〜4の直
鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、-OR1 (R1
水素原子または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状
のアルキル基)、 -SR1 (R1 は前記と同じ)または
-NR1 2 (R1 は前記と同じ、R2 は水素原子また
は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル
基)、nは1〜5の整数を示す)で表わされるフェノー
ル系化合物と含チッ素化合物の共存下で反応させること
を特徴とし、該フェノール系化合物の量がビニル基含有
化合物100 モルに対して1〜1000モルであるアリルアル
コールの製法に関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明のアリルアルコールの製法
は、前記したように、ビニル基含有化合物とアルデヒド
とを一般式(I) :
【0010】
【化3】
【0011】(式中、Xは水素原子、炭素数1〜4の直
鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、-OR1 (R1
水素原子または炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状
のアルキル基)、 -SR1 (R1 は前記と同じ)または
-NR1 2 (R1 は前記と同じ、R2 は水素原子また
は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル
基)、nは1〜5の整数を示す)で表わされるフェノー
ル系化合物と含チッ素化合物の共存下で反応させること
を特徴とし、該フェノール系化合物の量がビニル基含有
化合物100 モルに対して1〜1000モルであるものであ
る。
【0012】本発明に用いるビニル基含有化合物の代表
例としては、たとえば一般式(II):
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R3 は -CN基、COR4 (R4
は水素原子または炭素数1〜18の直鎖状もしくは分岐鎖
状のアルキル基)またはCOOR4 (R4 は前記と同
じ)を示す)で表わされる化合物があげられる。
【0015】前記ビニル基含有化合物の具体例として
は、たとえばアクリロニトリル;アクリルアルデヒド
(アクロレイン)、メチルビニルケトン、エチルビニル
ケトン;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ターシャリー
ブチル、アクリル酸ステアリルなどがあげられる。
【0016】本発明に用いるアルデヒドの代表例として
は、たとえば一般式(III) :
【0017】
【化5】
【0018】(式中、R5 は水素原子、炭素数1〜8の
直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子、
ハロゲン原子、チッ素原子、酸素原子もしくはイオウ原
子を含む芳香族基もしくは複素環基を示す)で表わされ
る化合物などがあげられる。
【0019】前記アルデヒドの具体例としては、たとえ
ばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンア
ルデヒド、イソプロピルアルデヒド、n-ブチルアルデヒ
ド、イソブチルアルデヒド、ターシャリーブチルアルデ
ヒド、ペンチルアルデヒド、イソ吉草アルデヒド、クロ
トンアルデヒド、メトキシアセトアルデヒド、ベンズア
ルデヒド、アニスアルデヒド、オルトクロロベンズアル
デヒド、パラクロロベンズアルデヒド、フェニルアセト
アルデヒド、α- ヘキシルシンナムアルデヒド、ニコチ
ンアルデヒド、2-チオフェンカルボキシアルデヒド、フ
ルフラールなどがあげられる。
【0020】前記ビニル基含有化合物と前記アルデヒド
の反応は、一般式(II)で表わされるビニル基含有化合物
および一般式(III) で表わされるアルデヒドを例にとれ
ば、式:
【0021】
【化3】
【0022】で示されるように進行する。
【0023】したがって、前記ビニル基含有化合物およ
び前記アルデヒドの配合量は、通常化学量論量、すなわ
ち等モル量である。なお、前記ビニル基含有化合物およ
び前記アルデヒドのいずれか一方の配合量を過剰とした
ばあいには、収率が向上するという利点がある。
【0024】本発明に用いる含チッ素化合物は、触媒と
して用いられるものである。該含チッ素化合物の具体例
としては、たとえばトリエチレンジアミンをはじめ、ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、ジイソプロピルエチルアミンなどの三級アミン、4-
ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ[5,4,0
]-7- ウンデセン、N,N-ジエチルメチルアミン、N,N-
ジメチルエチルアミンなどがあげられるが、本発明はか
かる例示のみに限定されるものではない。
【0025】前記含チッ素化合物の配合量は、前記ビニ
ル基含有化合物および前記アルデヒドのうち、配合量の
少ない化合物100 モルに対して1モル以上用いれば触媒
としての効果が現れるが、好ましくは10モル以上であ
る。なお、かかる配合量は、経済性を考慮して1000モル
以下、好ましくは100 モル以下であることが望ましい。
【0026】本発明に用いるフェノール系化合物は、前
記したように、一般式(I) で表わされるものである。本
発明は、前記フェノール系化合物を前記含チッ素化合物
とともに存在させた状態でビニル基含有化合物とアルデ
ヒドとを反応させるところに1つの大きな特徴がある。
このように、両化合物を共存させたばあいには、ビニル
基含有化合物とアルデヒドとの反応が速やかに進行し、
反応時間を大幅に短縮させることができる。また、前記
一般式(I) で表わされるフェノール系化合物は、安価で
あり、しかもその配合量が少量であっても充分な効果が
発現されるので、経済性にもすぐれるという利点を有す
る。
【0027】前記フェノール系化合物の具体例として
は、たとえばフェノール、2-メチルフェノール、3-メチ
ルフェノール、4-メチルフェノール、2,3-ジメチルフェ
ノール、2,4-ジメチルフェノール、2,3,4-トリメチルフ
ェノール、4-ターシャリーブチルフェノール、パラヒド
ロキシ安息香酸メチル、パラターシャリーブチルカテコ
ール、2-メトキシフェノール、3-メトキシフェノール、
4-メトキシフェノール、パラヒドロキシビフェニルなど
があげられるが、本発明はかかる例示のみに限定される
ものではない。なお、これらのフェノール系化合物の中
ではフェノール、2-メチルフェノール、3-メチルフェノ
ール、4-メトキシフェノール、4-メチルフェノール、2,
3-ジメチルフェノール、2,4-ジメチルフェノールはとく
に安価で入手が容易であるので、本発明においてはとく
に好適に使用しうるものである。
【0028】前記フェノール系化合物の配合量は、その
効果の点から、前記ビニル基含有化合物100 モルに対し
て1モル以上、好ましくは20モル以上である。なお、か
かる配合量は、あまりにも多いばあいには、経済的に不
利となるので、1000モル以下、好ましくは100 モル以下
である。
【0029】前記ビニル基含有化合物と前記アルデヒド
との反応は、これら化合物を前記フェノール系化合物お
よび含チッ素化合物とともに反応容器に入れて撹拌する
ことにより行なうことができる。なお、反応に際して
は、とくに溶媒を用いなくてもよいが、たとえばトルエ
ン、テトラヒドロフラン、アルコールなどの溶媒を用い
てもよい。反応温度は、とくに制限がないが、0℃以下
では反応速度が低下し、また100 ℃をこえると反応溶液
が褐色に着色し、収率も低下するため、0〜100℃、な
かんづく20〜50℃であることが好ましい。また、反応時
の雰囲気はとくに限定がなく、通常大気であればよい。
【0030】反応の終点は、たとえばガスクロマトグラ
フィなどにより確認することができる。
【0031】反応終了後、反応液をたとえば水洗後に蒸
留したり、カラムクロマトグラフィを用いることにより
精製し、アリルアルコールを単離することができる。
【0032】生成したアリルアルコールの構造は、 1H-
NMR やIRなどにより容易に確認することができる。
【0033】つぎに、本発明のアリルアルコールの製法
を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はかかる
実施例のみに限定されるものではない。
【0034】実施例1 アクリル酸エチル0.2 モルおよびベンズアルデヒド0.28
モルを200ml 容のフラスコに入れ、ついでトリエチレン
ジアミン0.03モルおよびパラメトキシフェノール0.06モ
ルを添加して室温下で反応させた。
【0035】反応開始36時間経過後に、アクリル酸エチ
ルの消失をガスクロマトグラフィにて確認したのち、カ
ラムクロマトグラフィ(シリカゲル、溶剤:酢酸エチル
- ノルマルヘキサン)を用いて精製し、3-ヒドロキシ-2
- メチレン-3- フェニルプロピオン酸エチル34.2g(収
率83%)をえた。
【0036】えられた3-ヒドロキシ-2- メチレン-3- フ
ェニルプロピオン酸エチルの同定は1H-NMR およびIRに
より行なった。その結果を以下に示す。
【0037】(イ)IR(液膜法) 3450、1710、1270、
1150、1040、700 cm-1 (ロ) 1H-NMR (溶媒:CDCl3 、内部標準:TMS )60MH
z δ=1.22ppm (t,J=7Hz,3H,CH3 ) δ=3.05ppm(broad,1H,OH) δ=4.13ppm(q,J=7Hz,2H,OCH2 - ) δ=5.40ppm(broad,1H,CH-Ph) δ=5.7ppm (s,1H,=CH2 ) δ=6.2ppm (s,1H,=CH2 ) δ=7.25ppm(s,5H,C6 H5 ) 比較例1 実施例1において、パラメトキシフェノールを用いなか
ったほかは実施例1と同様にして反応を行なったとこ
ろ、反応に216 時間を要した。
【0038】えられた化合物は、実施例1と同様にして
調べたところ、3-ヒドロキシ-2- メチレン-3- フェニル
プロピオン酸エチルであり、収量は33g(収率82%)で
あった。
【0039】実施例1および比較例1の結果から、パラ
メトキシフェノール用いたばあいには(実施例1)、該
パラメトキシフェノールを用いないばあい(比較例1)
と比較して、反応に要する時間が大幅に短縮されること
がわかる。
【0040】実施例2 実施例1において、ベンズアルデヒド0.28モルのかわり
にオクチルアルデヒド0.28モルを用いたほかは実施例1
と同様にして反応を行なったところ、反応に要した時間
は48時間と、比較的短時間であった。
【0041】つぎに、実施例1と同様にして精製したの
ち、同定を行ない、3-ヒドロキシ-2- メチレンデカン酸
エチル33.0g(収率72%)をえた。
【0042】実施例3 アクリル酸エチル0.2 モルおよびアセトアルデヒド0.28
モルを200ml 容のフラスコに入れ、ついでトリエチレン
ジアミン0.03モルおよびパラメトキシフェノール0.06モ
ルを添加し、フラスコに栓をして室温下で36時間振とう
を続けた。
【0043】アクリル酸エチルの消失をガスクロマトグ
ラフィで確認したのち、反応液をそのままカラムクロマ
トグラフィ(シリカゲル、溶剤:酢酸エチル-ノルマル
ヘキサン)を用いて精製したのち、同定を行ない、3-ヒ
ドロキシ-2- メチレンブタン酸エチル26.7g(収率93
%)をえた。
【0044】比較例2 実施例3において、パラメトキシフェノールを用いなか
ったほかは実施例3と同様にして反応を行なったとこ
ろ、反応に144 時間を要した。
【0045】えられた化合物は、実施例3と同様にして
調べたところ、3-ヒドロキシ-2- メチレンブタン酸エチ
ルであり、収量は24.2g(収率84%)であった。
【0046】実施例3および比較例2の結果から、パラ
メトキシフェノールを用いたばあいには(実施例3)、
パラメトキシフェノールを用いないばあい(比較例2)
と比較して反応に要する時間が大幅に短縮されることが
わかる。
【0047】実施例4 実施例3において、アクリル酸エチル0.2 モルのかわり
にアクリル酸ブチル0.2 モルを用いたほかは実施例3と
同様にして24時間振とうを続けた。
【0048】アクリル酸ブチルの消失の確認、精製およ
び同定を実施例3と同様にして行ない、3-ヒドロキシ-2
- メチレンプロピオン酸ブチル32.9g(収率90%)をえ
た。
【0049】比較例3 実施例4において、パラメトキシフェノールを用いなか
ったほかは実施例4と同様にして反応を行なったとこ
ろ、反応に168 時間を要した。
【0050】えられた化合物は、実施例4と同様にして
調べたところ、3-ヒドロキシ-2- メチレンプロピオン酸
ブチルであり、収量は29.8g(収率82%)であった。
【0051】実施例4および比較例3の結果から、パラ
メトキシフェノールを用いれば、反応に要する時間を大
幅に短縮することができることがわかる。
【0052】実施例5 実施例3において、アクリル酸エチル0.2 モルのかわり
にアクリル酸ステアリル0.2 モルを用いたほかは実施例
3と同様にして120 時間振とうを続けた。
【0053】アクリル酸ステアリルの消失の確認、精製
および同定を実施例3と同様にして行ない、3-ヒドロキ
シ-2- メチレンプロピオン酸ステアリル65.9g(収率89
%)をえた。
【0054】比較例4 実施例5において、パラメトキシフェノールを用いなか
ったほかは実施例5と同様にして反応を行なったとこ
ろ、500 時間を経過しても、アクリル酸ステアリルの消
失が認められなかった。
【0055】つぎに、実施例5と同様して精製および同
定を行ない、3-ヒドロキシ-2- メチレンプロピオン酸ス
テアリル44g(収率60%)をえた。
【0056】実施例5および比較例4の結果から、トリ
エチレンジアミンをパラメトキシフェノールと併用した
ばあいには(実施例5)、トリエチレンジアミンのみを
用いたばあい(比較例2)と比較して、反応に要する時
間が大幅に短縮されることがわかる。
【0057】実施例6 実施例3において、アセトアルデヒド0.28モルのかわり
にニコチンアルデヒド0.28モルを用いたほかは実施例3
と同様にして24時間振とうを続けた。
【0058】アクリル酸エチルの消失の確認、精製およ
び同定を実施例3と同様にして行ない、3-ヒドロキシ-2
- メチレンブチルアルデヒド35.2g(収率85%)をえ
た。
【0059】実施例7 アクリロニトリル0.15モルおよびプロピオンアルデヒド
0.1 モルを200ml 容のフラスコに入れ、ついでトリエチ
レンジアミン0.015 モルおよびパラメトキシフェノール
0.03モルを添加し、フラスコに栓をして室温中で25時間
振とうを続けた。
【0060】プロピオンアルデヒドの消失をガスクロマ
トグラフィで確認したのち、カラムクロマトグラフィ
(シリカゲル、溶剤:酢酸エチル- ノルマルヘキサン)
を用いて精製し、ついで実施例1と同様にして同定を行
ない、3-ヒドロキシ-2- メチレンブチロニトリル10.2g
(収率92%)をえた。
【0061】比較例5 実施例7において、パラメトキシフェノールを用いなか
ったほかは実施例7と同様にして反応を行なったとこ
ろ、反応に40時間を要した。
【0062】えられた化合物を実施例7と同様にして調
べたところ、3-ヒドロキシ-2- メチレンブチロニトリル
であり、収量は8.9 g(収率81%)であった。
【0063】実施例7と比較例5の結果から、パラメト
キシフェノールを用いれば、反応に要する時間を大幅に
短縮することができることがわかる。
【0064】実施例8 実施例7において、プロピオンアルデヒド0.1 モルのか
わりにベンズアルデヒド0.1 モルを用いたほかは実施例
7と同様にして25時間振とうを続けた。
【0065】ベンズアルデヒドの消失の確認および精製
を実施例7と同様にして行ない、3-ヒドロキシ-2- メチ
レン-3- フェニルプロピオニトリル12.8g(収率81%)
をえた。
【0066】実施例9 実施例3において、アクリル酸エチル0.2 モルのかわり
にメチルビニルケトン0.20モルを用いたほかは実施例3
と同様にして26時間振とうを続けた。
【0067】メチルビニルケトンの消失の確認および精
製を実施例3と同様にして行ない、3-ヒドロキシ-2- メ
チレン-2- ペンタノン12.6g(収率55%)をえた。
【0068】実施例10〜27および比較例6〜15 表1〜3に示すビニル基含有化合物およびアルデヒドを
200ml 容のフラスコに入れ、ついで表1に示すフ
ェノール系化合物および含チッ素化合物を添加し、室温
中で撹拌を続け、ガスクロマトグラフィにより反応が終
了するまでの時間(反応時間)を調べた。その結果を表
1〜3に示す。
【0069】つぎに、えられた生成物をカラムクロマト
グラフィ(シリカゲル、溶剤:酢酸エチル- ノルマルヘ
キサン)を用いて精製し、収率を求めた。その結果を表
1〜3に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】表1〜3に示した結果から、フェノール系
化合物と含チッ素化合物の共存下でビニル基含有化合物
とアルデヒドとを反応させたばあいには、従来の触媒と
して含チッ素化合物のみを用いたばあいと比較して、反
応時間を大幅に短縮することができることがわかる。
【0074】
【発明の効果】本発明のアリルアルコールの製法によれ
ば、安定な特定量のフェノール系化合物と含チッ素化合
物の共存下で、ビニル基含有化合物とアルデヒドを反応
させることにより、短時間でかつ高収率でアリルアルコ
ールを経済的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 69/732 C07C 69/732 Z 253/30 253/30 255/15 255/15 255/36 255/36 C07D 333/24 C07D 333/24 // B01J 31/02 B01J 31/02 X 102 102X C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (56)参考文献 特開 昭47−10219(JP,A) 特開 昭61−134353(JP,A) 特開 平5−70408(JP,A) 米国特許4654432(US,A) J.Dent.Res.,Vol. 69,No.3,pp844−848,1990 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07B 41/02 C07C 45/72 C07C 67/343 C07C 253/30 C07D 333/24 B01J 31/02 C07B 61/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル基含有化合物とアルデヒドとを一
    般式(I) : 【化1】 (式中、Xは水素原子、炭素数1〜4の直鎖状もしくは
    分岐鎖状のアルキル基、-OR1 (R1 は水素原子また
    は炭素数1〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル
    基)、 -SR1 (R1 は前記と同じ)または -NR1
    2 (R1 は前記と同じ、R2 は水素原子または炭素数1
    〜4の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基)、nは1
    〜5の整数を示す)で表わされるフェノール系化合物と
    含チッ素化合物の共存下で反応させることを特徴とし、
    該フェノール系化合物の量がビニル基含有化合物100 モ
    ルに対して1〜1000モルであるアリルアルコールの製
    法。
JP3168271A 1991-07-09 1991-07-09 アリルアルコールの製法 Expired - Fee Related JP2938225B2 (ja)

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