JP2937997B1 - シリアル型記録装置 - Google Patents

シリアル型記録装置

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JP2937997B1
JP2937997B1 JP6156598A JP6156598A JP2937997B1 JP 2937997 B1 JP2937997 B1 JP 2937997B1 JP 6156598 A JP6156598 A JP 6156598A JP 6156598 A JP6156598 A JP 6156598A JP 2937997 B1 JP2937997 B1 JP 2937997B1
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正志 中野
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Abstract

【要約】 【課題】 ベルトを弾性部材を介してキャリア側に張着
することで、簡易な構造のみによりキャリア駆動時にモ
ータプーリからキャリアまでに生ずるばね系の非対称性
を解消し、キャリアの振動を確実に防止する。 【解決手段】 プリントヘッド1aを搭載したキャリア
1と、キャリア1の駆動源となるモータ4と、モータ4
の駆動力によって回転するモータプーリ5及びモータプ
ーリ5と対向するテンションプーリ6と、プーリ間に環
状に張架され、各端部がキャリア1の両端にそれぞれ張
着されたベルト3を備え、モータの駆動力がプーリ5,
6及びベルト3を介して伝達されてキャリア1が往復動
して印字を行うシリアル型記録装置であって、ベルト3
の一端が、スプリング10を介してキャリア1のモータ
プーリ5側の端部に張着された構成としてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリントヘッドを
搭載したキャリアが、プーリとベルトを介してモータの
駆動力によって駆動され、往復動して必要な印字動作を
行うシリアル型記録装置に関し、特に、モータの駆動力
をキャリアに伝達するベルトを、弾性部材を介してキャ
リア側に張着することによって、簡易な構造のみによっ
て、キャリア駆動時にモータプーリからキャリアまでに
生ずるばね系の非対称性を解消し、キャリアの振動を確
実に防止するシリアル型記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリントヘッドを搭載したキャ
リアを、ガイド用のシャフトに沿って往復動させながら
印字を行うシリアル型記録装置が知られている。図4及
び図5は、それぞれ従来の一般的なシリアル型記録装置
を示す概略説明図である。
【0003】まず、図4に示すシリアル型記録装置は、
プリントヘッド101aを搭載したキャリア101と、
このキャリア101の駆動源となるモータ104が備え
られ、この駆動源となるモータ104が正逆回転するこ
とにより、キャリア101がガイド用のシャフト102
に沿って往復動するようになっている。
【0004】この記録装置には、図4に示すように、モ
ータ104の駆動伝達手段として、シャフト102に沿
って対向して配設されたモータプーリ105及びテンシ
ョンプーリの二つのプーリと、この二つのプーリ10
5,106間に環状に張架されるベルト103が備えて
ある。
【0005】モータプーリ105は、モータ104に取
り付けられ、モータ104の駆動力によって回転駆動す
るようになっており、このモータプーリ105の回転が
ベルト103を介してテンションプーリ106に伝達さ
れて、テンションプーリ106が回転するようになって
いる。なお、テンションプーリ106は、図4に示すよ
うに、装置側に固定されたテンションプーリホルダ10
6aによって、回転可能に支持されて装置側に取り付け
られている。
【0006】そして、これら二つのプーリ105,10
6間に張架されたベルト103の各端部が、図4に示す
ように、駆動対象となるキャリア101のそれぞれ両端
に張着され、これによって、モータ104の駆動力が、
モータプーリ105,テンションプーリ106及びベル
ト103を介してキャリア101に伝達されるようにな
っている。
【0007】このような構成からなる従来のシリアル型
の記録装置では、モータ104の駆動力が、二つのプー
リ105,106及びプーリ間に張架されたベルト10
3を介してキャリア101に伝達され、モータ104の
正逆回転によって、ベルト103がキャリア101を引
っ張ることにより、キャリア101がプーリ105,1
06の対向間をシャフト102に沿って往復動して、プ
リントヘッド101aが必要な印字動作を行うようにな
っている。
【0008】一方、図5に示すシリアル型記録装置は、
基本的構成は、図4に示したシリアル型記録装置とほぼ
同様となっており、さらにテンションプーリ側をスプリ
ング等の付勢手段で付勢するようにしたものである。す
なわち、この記録装置も、プリントヘッド201aを搭
載したキャリア201と、キャリア201の駆動源とな
るモータ204を備え、このモータ204の駆動伝達手
段として、シャフト202に沿って対向したモータプー
リ205及びテンションプーリの二つのプーリと、この
二つのプーリ205,206間に環状に張架されるベル
ト203が備えてある。
【0009】二つのプーリ205,206間に張架され
たベルト203の各端部は、キャリア201の両端にそ
れぞれ張着され、モータ204の駆動力が、モータプー
リ205,テンションプーリ206及びベルト203を
介してキャリア201に伝達されて、キャリア201が
往復動するようになっている。ここで、テンションプー
リ206は、図4に示したテンションプーリ106の場
合と同様、テンションプーリホルダ206aによって、
回転可能に支持されている。
【0010】そして、この図5に示す記録装置では、テ
ンションプーリ206を回転可能に支持しているテンシ
ョンプーリホルダ206aに、付勢手段としてスプリン
グ220が張架されており、図5に示すように、このス
プリング220によって、テンションプーリホルダ20
6aが、二つのプーリ205,206が対向する方向と
反対方向(図5に示す矢印F方向)に常に引っ張られる
ように付勢される構成となっている。
【0011】このように、スプリング220によってテ
ンションプーリホルダ206aが常に引っ張られる構成
とすることで、テンションプーリホルダ206aを装置
側へ一定の弾性をもって取り付けることができる。
【0012】これによって、この図5に示す記録装置で
は、スプリング220が一定範囲で弾性変形可能である
ため、テンションプーリホルダ206aの取付け作業
が、図4で示した固定型のテンションプーリホルダ10
6aの場合よりも容易となるとともに、装置側やテンシ
ョンプーリホルダ206a等に設計誤差があってもスプ
リング220の弾性力によって吸収することができる。
また、このスプリング220を備えることで、装置周囲
の温度変化等により装置各部に寸法誤差等が生じても、
スプリング220の弾性力の範囲で吸収することが可能
であった。
【0013】なお、図4及び図5に示した従来のシリア
ル型記録装置に関する技術としては、例えば、特開平9
−234926号公報に提案されている「シリアルプリ
ンタシステム」等が知られている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のシリアル型記録装置では、キャリアをベルト
で引いて駆動する際に、ベルトのばね定数の相違からモ
ータプーリからキャリアまでのばね系に非対称性が発生
するという問題があった。すなわち、図4において、モ
ータプーリ105の正逆回転によってベルト103がキ
ャリア101を引っ張る場合に、キャリア101をモー
タプーリ5側の方向(図4に示す矢印D方向)に引く場
合と、それとは反対に、テンションプーリ106側の方
向(図4に示す矢印E方向)に引く場合とでは、回転駆
動するモータプーリ105からキャリア101までのベ
ルトの長さが異なることとなる。
【0015】具体的には、図4に示すように、キャリア
101をテンションプーリ106側からモータプーリ1
05側のD方向へ引っ張る場合、モータプーリ105が
引くベルト103の長さは、単純にモータプーリ105
からキャリア101までの距離となる。これに対して、
キャリア101をモータプーリ105側からテンション
プーリ106側のE方向へ引っ張る場合には、モータプ
ーリ105が引くベルト103の長さは、キャリア10
1からテンションプーリ106側を経由したモータプー
リ105までの距離となる。
【0016】このように、従来のシリアル型記録装置で
は、キャリア101を移動させる方向によってモータプ
ーリ105が引っ張るベルト103の長さが異なること
から、ベルト103のばね定数もキャリア101の移動
方向によって相違することとなり、キャリア101の駆
動時の初期テンションが異なってくる。
【0017】これにより、従来のシリアル型記録装置で
は、キャリア101の移動方向によってモータプーリ1
05からキャリア101までのばね系に非対称性が生じ
ることとなり、このベルト103によって駆動されるキ
ャリア101の振動波形も移動方向によって非対称とな
ってしまう。
【0018】このため、このキャリア101の振動波形
の非対称性から印字の位置精度が悪化し、特に往復印字
における印字の位置のずれや文字幅の大小の差等、印字
品質が低下するという問題が発生した。これは、勿論図
5に示したテンションプーリ側をスプリングで付勢する
記録装置においても同様であった。
【0019】さらに、図5に示した記録装置では、テン
ションスプリングによってテンションプーリを付勢する
ようにしていたため、このテンションスプリングのばね
性がキャリアからモータプーリまでのばね系の非対称性
に加重されることとなり、却ってキャリアの振動波形の
非対称性が拡大するおそれが大きく、特に両方向に印字
を行う場合の印字品質への影響が大きくなるという問題
が生じた。
【0020】このように、図4及び図5に示した従来の
シリアル型記録装置では、いずれもモータプーリで引か
れるベルト長の違いから生ずるベルトのばね系の非対称
性が発生してしまうことから、このばね系の非対称性か
ら生ずるキャリアの振動を補正するためには、モータプ
ーリを回転するモータの正転,逆転ごとに異なった加減
速プロファイル制御を行うしかなかった。
【0021】しかし、このようにモータの加減速を制御
する装置等を別途設けるとすれば、装置の制御が複雑と
なることで、多大な設計工数と長い開発期間が必要とな
り、開発コストが上昇し、また、記録装置全体が複雑か
つ大型なものとなり、製造コストも上昇することとな
り、特に小型,軽量かつ低コスト化が要請される記録装
置においては、現実に採用することは困難であった。
【0022】本発明は、このような従来の技術が有する
問題を解決するために提案されたものであり、モータの
駆動力をキャリアに伝達するベルトを、弾性部材を介し
てキャリア側に張着することによって、簡易な構造のみ
によって、キャリア駆動時にモータプーリからキャリア
までに生ずるばね系の非対称性を解消し、キャリアの振
動を確実に防止することができるシリアル型記録装置の
提供を目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明の請求項1記載のシリアル型記録装置は、プリン
トヘッドを搭載したキャリアと、このキャリアの駆動源
となるモータと、このモータの駆動力によって回転する
モータプーリ及びこのモータプーリと対向して配設され
るテンションプーリを含む複数のプーリと、これらプー
リ間に環状に張架されるとともに、各端部が前記キャリ
アの両端にそれぞれ張着されたベルトと、を備え、前記
モータの駆動力が、前記複数のプーリ及びこのプーリに
張架されたベルトを介してキャリアに伝達されて、当該
キャリアが前記プーリの対向間を往復動して印字を行う
シリアル型記録装置であって、前記ベルトの一端を、ス
プリングを介して前記キャリアの一端に張着し、かつこ
のスプリングのばね定数Kcを、前記ベルトの単位長さ
当りのばね定数をKbとし、前記モータプーリとテンシ
ョンプーリの軸間距離をLとした場合に、Kc=Kb/
Lとなるような構成としてあり、特に、請求項2では、
前記ベルトの一端が、前記キャリアのモータプーリ側の
端部に前記スプリングを介して張着するようにしてあ
る。
【0024】 このような構成からなる本発明のシリアル
型記録装置によれば、キャリアがテンションプーリ側か
らモータプーリ側へ移動する場合には、モータープーリ
は、所定のばね定数に設定したスプリング等の弾性部材
を介してキャリアに張着されたベルトを引き、逆に、キ
ャリアがモータプーリ側からテンションプーリ側へ移動
する場合には、モータプーリは、テンションプーリを経
由して直接キャリアに張着されたベルトを引くことにな
る。
【0025】 これによって、キャリアの移動方向によっ
て相違するモータプーリが引っ張るベルト長から生ずる
ベルトのばね系の非対称性を、スプリング等からなる弾
性部材のばね定数によって補正することができ、キャリ
アをいずれの方向に移動させる場合でも、ベルトにばね
系の非対称性は生ぜず、キャリアの移動時における振動
波形の非対称性もなくなり、安定した印字動作が行われ
ることとなる。
【0026】 また、請求項3記載のシリアル型記録装置
は、前記キャリアの一端に、凹状に形成された収納部を
形成し、前記スプリングが、このキャリアの収納部内に
収納される構成としてある。
【0027】 このような構成からなる本発明のシリアル
型記録装置によれば、ベルトの端部に張着された弾性部
材をキャリアの収納部内に収納することで、弾性部材が
外部に露出せず、他の構成部材と干渉が生ずるようなこ
とがなく、キャリアの往復動についての妨げとならな
い。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明のシリアル型記録装
置の実施の形態について、図面を参照して説明する。 [第一実施形態] まず、本発明のシリアル型記録装置の第一の実施形態に
ついて図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発
明の第一実施形態に係るシリアル型記録装置を示す概略
説明図である。また、図2は、図1に示す本実施形態に
係るシリアル型記録装置のキャリアを駆動させた場合を
示す概略説明図であり、(a)はキャリアがテンション
プーリ側に移動した状態、(b)はキャリアがモータプ
ーリ側に移動した状態である。
【0029】 これらの図に示すように、本実施形態のシ
リアル型記録装置は、プリントヘッド1aを搭載しキャ
リア1を往復動させて印字を行うシリアル型の記録装置
において、キャリア1へのベルト3の取り付けをスプリ
ング10を介することによって、モータプーリ5とキャ
リア1間のベルト3のばね定数を調整し、上述した従来
のシリアル型記録装置におけるキャリア1の駆動方向に
よるベルト3のばね系の非対称性を改善することを特徴
とする。
【0030】 具体的には、本実施形態に係るシリアル型
記録装置は、主要部分については、一般的な従来のシリ
アル型記録装置とほぼ同様の構成となっており、プリン
トヘッド1aを搭載したキャリア1と、このキャリア1
の駆動源となるモータ4が備えられ、この駆動源となる
モータ4が正逆回転することにより、キャリア1がガイ
ド用のシャフト2に沿って往復動するようになってい
る。
【0031】 記録装置には、図1に示すように、モータ
4の駆動伝達手段として、シャフト2に沿って対向して
配設されたモータプーリ5及びテンションプーリの二つ
のプーリと、この二つのプーリ5,6間に環状に張架さ
れるベルト3が備えてある。
【0032】 モータプーリ5は、モータ4に取り付けら
れており、モータ4の駆動力によって回転駆動するよう
になっており、このモータプーリ5の回転がベルト3を
介してテンションプーリ6に伝達されて、テンションプ
ーリ6が回転するようになっている。なお、テンション
プーリ6は、図1に示すように、装置側に固定されたテ
ンションプーリホルダ6aによって回転可能に支持され
ている。
【0033】 二つのプーリ5,6間に張架されたベルト
3の各端部は、図1に示すように、駆動対象となるキャ
リア1のそれぞれ両端に張着され、これによって、モー
タ4の駆動力が、モータプーリ5,テンションプーリ6
及びベルト3を介してキャリア1に伝達されるようにな
っている。
【0034】 そして、本実施形態では、図1に示すよう
に、キャリア1のモータプーリ5側の端部に張着される
ベルト3の一端が、スプリング10を介してキャリア1
側に張着されるようになっている。すなわち、本実施形
態の記録装置においては、キャリア1がテンションプー
リ6側からモータプーリ5側へ移動(図1に示す矢印A
方向へ移動)する場合には、モータープーリ5は、スプ
リング10を介してベルト3を引くことになる。
【0035】 ここで、スプリング10のばね定数は、モ
ータプーリ5がキャリア1をテンションプーリ6側から
モータプーリ5側(図1に示す矢印A方向)へ移動させ
るときの初期テンションと、キャリア1をモータプーリ
5側からテンションプーリ6側(図1に示す矢印A方
向)へ移動させるときの初期テンションが同じになるよ
う、モータプーリ5からキャリア1までのベルト3の長
さの違いによるばね定数の相違を補正する適当な値に設
定されている。
【0036】 具体的には、キャリア1をテンションプー
リ6側からモータプーリ5側のA方向へ引っ張る場合に
は、図2(a)に示すように、モータプーリ5が引くベ
ルト3の長さは、単純にモータプーリ5からキャリア1
までの距離L1となる。これに対して、キャリア1をモ
ータプーリ5側からテンションプーリ6側のB方向へ引
っ張る場合には、図2(b)に示すように、モータプー
リ5が引くベルト3の長さは、モータプーリ5からテン
ションプーリ6までの距離Lと、テンションプーリ6か
らキャリア1までの距離L2の和となる。
【0037】 従って、このようなベルト3の長さの違い
から生ずるばね定数の相違を補償するためには、スプリ
ング10のばね定数の適当な値として、スプリング10
のばね定数をKcとし、ベルト3の単位長さ当りのばね
定数をKbとし、モータプーリ5とテンションプーリ6
の軸間距離をLとした場合に、次の式により求められる
ように設定する。 Kc=Kb/L
【0038】 このようにスプリング10のばね定数を設
定することにより、キャリア1がテンションプーリ6側
からモータプーリ5側へ移動する場合には、モータープ
ーリ5の引くベルトはスプリング10を介してキャリア
1を引き、キャリア1をモータプーリ5側からテンショ
ンプーリ6側へ移動するときはモータプーリ5が引くベ
ルト3はスプリング10を介さずにキャリア1を直に引
くことになるので、キャリア1に取り付けたスプリング
10によって、ベルト3の長さが違うことによるばね系
の非対称性を解消することができる。
【0039】 また、本実施形態において、ベルト3が張
架されるプーリはモータプーリ5とテンションプーリ6
の二つのプーリとしてあるが、ベルト3を介してキャリ
ア1を往復動させることができれば、三つ以上のプーリ
を設けることもできる。その場合には、スプリング10
によりキャリア1に張着されるベルト3の一端は、キャ
リア1のモータプーリ5側の端部に張着するようにす
る。
【0040】 さらに、このベルト3の一端に介在するス
プリング10は、本実施形態では、キャリア1の内部に
収納されるようになっている。すなわち、図1に示すよ
うに、キャリア1のモータプーリ5側の端部には、凹状
の収納部1bが形成してあり、スプリング10は、この
キャリア1の収納部1b内に収納されるようになってい
る。
【0041】 このようにベルト3の端部に張着されるス
プリング10をキャリア1の収納部1b内に収納するこ
とにより、スプリング10が外部に露出せず、他の構成
部材と干渉が生ずるようなことがなく、キャリア1の往
復動についての妨げとならない。
【0042】 次に、このような構成からなる本実施形態
のシリアル型記録装置の動作について説明する。本実施
形態に係るシリアル型記録装置は、基本的には従来の一
般のシリアル型記録装置と同様に動作する。すなわち、
モータ4の駆動力が、二つのプーリ5,6及びプーリ間
に張架されたベルト3を介してキャリア1に伝達され、
モータ4の正逆回転によって、キャリア1がプーリ5,
6の対向間をシャフト2に沿って往復動し、プリントヘ
ッドが必要な印字動作を行う。
【0043】 ここで、図1において、キャリア1をテン
ションプーリ6側からモータプーリ5側のA方向へ引っ
張る場合には、図2(a)に示すように、モータプーリ
5が引くベルト3の長さは、単純にモータプーリ5から
キャリア1までの距離L1となる。これに対して、図1
において、キャリア1をモータプーリ5側からテンショ
ンプーリ6側のB方向へ引っ張る場合には、図2(b)
に示すように、モータプーリ5が引くベルト3の長さ
は、モータプーリ5からテンションプーリ6までの距離
Lと、テンションプーリ6からキャリア1までの距離L
2の和となる。
【0044】 このように、シリアル型記録装置では、キ
ャリア1を移動させる方向によってモータプーリ5が引
っ張るベルト3の長さが異なることから、ベルト3のば
ね定数もキャリア1の移動方向によって相違することと
なり、キャリア1の駆動時の初期テンションが異なり、
ばね系の非対称性が生ずる。
【0045】 本実施形態のシリアル型記録装置では、ベ
ルト3のモータプーリ5側の端部にスプリング10を介
在させてあるので、このばね系の非対称性をスプリング
10のばね定数によって補正することができる。すなわ
ち、キャリア1がテンションプーリ6側からモータプー
リ5側へ移動する場合には、モータープーリ5はスプリ
ング10を介してキャリア1を引くことになるので、ス
プリング10のばね定数がベルト3のばね定数に加えら
れ、キャリア1をモータプーリ5側からテンションプー
リ6側へ移動させるときのベルト3のばね定数と等しく
することができる。
【0046】 これにより、従来生じていたキャリア1と
モータプーリ5の間におけるキャリアの移動方向による
ばね系の非対称性を解消することができ、キャリア1の
振動波形も移動方向によって対称となるので、キャリア
1に搭載されたプリントヘッド1aが安定した印字動作
を行うことができ、キャリア1の往復動によっても、往
復印字における印字の位置のずれや文字幅の大小の差等
は発生せず、印字品質を高品位に維持することができ
る。
【0047】 以上説明したように、本実施形態に係るシ
リアル型記録装置によれば、キャリア1がテンションプ
ーリ6側からモータプーリ5側へ移動する場合には、モ
ータープーリ5は、所定のばね定数に設定されたスプリ
ング10を介してキャリア1に張着されたベルト3を引
き、逆に、キャリア1がモータプーリ5側からテンショ
ンプーリ6側へ移動する場合には、モータプーリ5は、
テンションプーリ6を経由して直接キャリア1に張着さ
れたベルト3を引くことになる。
【0048】 これによって、キャリア1の移動方向によ
って相違するモータプーリ5が引っ張るベルト3の長さ
の違いから生ずるばね系の非対称性を、スプリング10
のばね定数によって補正することができ、キャリア1を
いずれの方向に移動させる場合にも、キャリア1とモー
タプーリ5の間にはばね系の非対称性が生ぜず、キャリ
ア1の移動時における振動波形の非対称性もなくなり、
安定した印字動作を行うことができる。
【0049】 [第二実施形態] 次に、本発明のシリアル型記録装置の第二の実施形態に
ついて図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に
係るシリアル型記録装置を示す概略説明図である。
【0050】 同図に示すように、本実施形態に係るシリ
アル型記録装置は、上述した第一実施形態の改良実施形
態で、テンションプーリ側に付勢手段を配設し、ベルト
のテンションをさらに高めるようにしたものであり、そ
の他の構成部分については、上述した第一実施形態の場
合と同様となっている。従って、第一実施形態と同様の
部分には、同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0051】 すなわち、本実施形態に係るシリアル型記
録装置は、二つのプーリ5,6のうち、テンションプー
リ6に、付勢手段としてテンションスプリング20を備
えており、このテンションスプリング20によって、テ
ンションプーリ6を支持しているテンションプーリホル
ダ6aを、対向するモータプーリ5と反対の方向(図3
に示す矢印C方向)に引っ張るように付勢する構成とし
てある。
【0052】 ここで、本実施形態におけるベルト3に張
着されるスプリング10のばね定数は、テンションプー
リホルダ6aを引っ張るテンションスプリング20のば
ね定数をも加味した値に設定する。具体的には、スプリ
ング10のばね定数をKcとし、ベルト3の単位長さ当
りのばね定数をKbとし、モータプーリ5とテンション
プーリ6の軸間距離をLとし、さらにテンションスプリ
ング20のばね定数をKtsとした場合に、次の式によ
り求められるように設定する。 Kc=1/((1/Kts)+(L/Kb))
【0053】 このような構成からなる本実施形態のシリ
アル型記録装置によれば、テンションプーリ6側を付勢
するテンションスプリング20を備えた記録装置におい
ても、このテンションスプリング20を含めたキャリア
1とモータプーリ5の間に生ずるばね系の非対称性を、
ベルト3の一端に張着したスプリング10のばね定数に
よって補正することができる。
【0054】 これによって、テンションスプリング20
の弾性によってテンションプーリホルダ6aの取付け作
業の容易化や設計,寸法誤差の吸収を図る従来の記録装
置の効果を維持しつつ、テンションスプリング20を設
けることによって生ずるばね系の非対称性をも解消し
て、キャリア1に振動の生じない安定した印字品質を得
ることができる。
【0055】 また、本実施形態において、ベルト3が張
架されるプーリはモータプーリ5とテンションプーリ6
の二つのプーリとしてあるが、ベルト3を介してキャリ
ア1を往復動させることができれば、三つ以上のプーリ
を設けることもできる。その場合には、テンションスプ
リング20により付勢するプーリは、モータプーリ5以
外のプーリとしておく。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明のシリアル型
記録装置によれば、モータの駆動力をキャリアに伝達す
るベルトを、弾性部材を介してキャリア側に張着するこ
とによって、簡易な構造のみによって、キャリア駆動時
にモータプーリからキャリアまでに生ずるばね系の非対
称性を解消し、キャリアの振動を確実に防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係るシリアル型記録装
置を示す概略説明図である。
【図2】図1に示す本発明の第一実施形態に係るシリア
ル型記録装置のキャリアを駆動させた場合を示す概略説
明図であり、(a)はキャリアがテンションプーリ側に
移動した状態、(b)はキャリアがモータプーリ側に移
動した状態である。
【図3】本発明の第二実施形態に係るシリアル型記録装
置を示す概略説明図である。
【図4】従来のシリアル型記録装置を示す概略説明図で
ある。
【図5】従来の他のシリアル型記録装置を示す概略説明
図である。
【符号の説明】
1 キャリア 1a プリントヘッド 2 ガイドシャフト 3 ベルト 4 モータ 5 モータプーリ 6 テンションプーリ 10 スプリング 20 テンションスプリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 19/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリントヘッドを搭載したキャリアと、
    このキャリアの駆動源となるモータと、このモータの駆
    動力によって回転するモータプーリ及びこのモータプー
    リと対向して配設されるテンションプーリを含む複数の
    プーリと、これらプーリ間に環状に張架されるととも
    に、各端部が前記キャリアの両端にそれぞれ張着された
    ベルトと、を備え、 前記モータの駆動力が、前記複数のプーリ及びこのプー
    リに張架されたベルトを介してキャリアに伝達されて、
    当該キャリアが前記プーリの対向間を往復動して印字を
    行うシリアル型記録装置であって、 前記ベルトの一端を、スプリングを介して前記キャリア
    の一端に張着し、かつこのスプリングのばね定数Kc
    を、前記ベルトの単位長さ当りのばね定数をKbとし、
    前記モータプーリとテンションプーリの軸間距離をLと
    した場合に、 Kc=Kb/L となるようにしたこと を特徴とするシリアル型記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ベルトの一端が、前記キャリアのモ
    ータプーリ側の端部に前記スプリングを介して張着され
    た請求項1記載のシリアル型記録装置。
  3. 【請求項3】 前記キャリアの一端に、凹状に形成され
    た収納部を形成し、 前記スプリングが、このキャリアの収納部内に収納され
    る請求項1又2記載のシリアル型記録装置。
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