JP2935789B2 - アルミニウムまたはアルミニウム合金の着色被膜形成方法 - Google Patents

アルミニウムまたはアルミニウム合金の着色被膜形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金の表面に電解着色処理によって着色被膜
を形成するアルミニウムまたはアルミニウム合金の着色
被膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、例えば、特公昭63−
38438号公報にアルミニウムの着色被膜形成方法が
開示されている。このアルミニウムの着色被膜形成方法
では、直流電流または交流電流を重畳して陽極酸化処理
を施すことによってアルミニウムの着色被膜を形成して
いる。この場合、その図1には、アルミニウムの表面に
形成された被膜の膜厚が徐々に厚くなるにしたがって、
前記被膜に着色された色調が淡色から濃色に変化する状
態が示されている。
【0003】一方、陽極酸化被膜を形成したアルミニウ
ムに交流電流を通電し、前記交流電流の極変換回数を選
択することにより、所望の着色濃度を得ることのできる
アルミニウムの着色被膜形成方法が特公昭49−316
14号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、耐蝕性、耐
候性および耐摩耗性を向上させるためには、アルミニウ
ムに形成された被膜の膜厚を厚くする必要があるが、特
公昭63−38438号公報に開示された従来技術の場
合、そのためにアルミニウムの表面に形成された被膜の
着色濃度が必然的に濃色となり、淡色に着色することが
できなくなる不都合がある。
【0005】一方、特公昭49−31614号公報に開
示された従来技術では、交流電流の極変換回数を制御す
ることにより、アルミニウムの被膜を淡色に着色するこ
とはできるが、前記被膜の膜厚を十分に確保することが
できないという不都合がある。
【0006】本発明は、前記不都合を克服するためにな
されたものであって、アルミニウムの表面に形成された
被膜を厚く形成することによって耐蝕性、耐候性および
耐摩耗性を向上させるとともに、前記被膜を淡色に着色
することが可能なアルミニウムまたはアルミニウム合金
の着色被膜形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、有機酸であるスルホサリチル酸と無機
である硫酸との混合液中に浸漬されたアルミニウムま
たはアルミニウム合金に、電気分解中における極変換回
数を変化させた交流電流を通電して一次被膜を形成する
過程と、前記混合液中において、前記一次被膜が形成さ
れたアルミニウムまたはアルミニウム合金に対して直流
電流を通電して二次被膜を形成する過程と、を有するこ
とを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明によれば、先ず、有機酸であるスルホサ
リチル酸と無機酸である硫酸との混合液中に浸漬された
アルミニウムまたはアルミニウム合金に対し、電気分解
中における極変換回数を変化させた交流電流を通電する
ことにより、前記アルミニウムまたはアルミニウム合金
の表面に一次被膜を形成する。次に、前記混合液中にお
いて、所定の電圧下で直流電流を通電することにより、
前記アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に二
被膜を形成する。この場合、前記二次被膜により膜厚を
厚くすることができるとともに、淡色からなる着色被膜
をアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に形成す
ることができる。
【0009】
【実施例】次に、本発明に係るアルミニウムまたはアル
ミニウム合金の着色被膜形成方法について好適な実施例
を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明す
る。
【0010】図1は、本発明に係るアルミニウムまたは
アルミニウム合金の着色被膜形成方法を実施するための
被膜形成装置の概略構成図である。この被膜形成装置1
0は、容器12内の電解液14中にアルミニウム材16
a、16bからなる一対の電極を所定距離離間した状態
で浸漬した電解部18と、前記電極に電気的に接続さ
れ、入力された信号を増幅して出力する増幅器20と、
前記増幅器20に切換スイッチSWを介して接続され、
所定の交流信号を前記増幅器20側に出力する交流発生
器22とを有する。前記交流発生器22には、前記所定
の交流信号を作成するためのデータを該交流発生器22
に入力するための信号入力部24が接続されている。交
流発生器22には、該交流発生器22で作成された交流
信号を確認するためのオシロスコープ26が接続されて
いる。また、前記増幅器20には、切換スイッチSWを
介して電解部18に直流電流を出力する直流発生器28
が接続されている。なお、前記アルミニウム材16a、
16bはその表面の酸化物、油脂を予め除去する前処理
を施したものを用いる。
【0011】本実施例では前記アルミニウム材16a、
16bとして、JISA1080P−H24のアルミニ
ウム合金を使用した。電解液14としては、有機酸であ
る10重量%のスルホサリチル酸と、無機酸である0.
5重量%の硫酸との混合液を使用し、前記混合液の温度
は20°±1℃に設定した。
【0012】そこで、以上のような構成のもとに、信号
入力部24を用いて所定の交流信号を形成するためのデ
ータを交流発生器22に入力した。前記交流発生器22
から切換スイッチSWおよび増幅器20を介して出力さ
れる交流信号は、図2に示すように、20msの単位時
間内に100Hzから1000Hzまで周波数が連続し
て変化するものであり、これをアルミニウム材16a、
16bからなる電極間に表1に示す所定時間通電した。
なお、前記交流信号の振幅は、±56.15Vに設定し
た。また、前記交流発生器22から出力される交流信号
は、オシロスコープ26を介して確認した。
【0013】以上のようにして、アルミニウム材16
a、16bに所定時間連続して交流電流を通電すること
により、前記アルミニウム材16a、16bの表面に一
次被膜を形成した。次に、前記一次被膜を形成した後、
切換スイッチSWを切り換えて前記アルミニウム材16
a、16bに直流発生器28を介して直流電流を通電す
ることにより着色された二次被膜を形成した。その際、
対極には、アルミニウム極を用いた。すなわち、電解部
18における陽極には、前記一次被膜が形成されたアル
ミニウム材16a、16bを接続し、他方の陰極側には
一次被膜が形成されていない通常のアルミニウム板を接
続して直流電流を流した。この場合、前記電極間には、
表1に示すように、50Vの直流電圧を30分印加し
た。
【0014】
【表1】
【0015】この結果、前記表1に示すように、交流電
流を20分間通電した後、直流電流を30分間通電した
場合ではアルミニウム材16a、16bの表面に形成さ
れた被膜の厚さが約36.1μm、交流電流を30分間
通電した後、直流電流を30分間通電した場合では厚さ
が約43.3μm、交流電流を40分間通電した後、直
流電流を30分間通電した場合では厚さが50.0μm
となり、交流電流の通電時間が20分から40分の範囲
では通電時間が長い程、徐々に被膜が厚くなることを確
認することができた。
【0016】ここで、アルミニウム材16a、16bの
表面に形成された二次被膜の着色濃度と交流電流および
直流電流の通電時間との関係を図3に示す。前記交流電
流の通電時間が長くなるにつれて、色調が濃茶色の濃色
から淡茶色の淡色となる効果が得られた。さらに、前記
二次被膜が形成されたアルミニウム材16a、16bの
硬度と着色濃度との関係を図4に示す。電解液中におい
て交流電流を20分間通電した後、直流電流を30分間
通電した場合には、240HVの硬度のアルミニウム材
を得ることができた。また、交流電流を30分間通電し
た後、直流電流を30分間通電した場合、約241HV
の硬度のアルミニウム材を得ることができた。同様にし
て40分間電解液中で交流電流を通電した後、直流電流
を30分間通電することにより、約246HVの硬度の
アルミニウム材を得ることができた。これから、交流電
流の通電時間が長くなるにつれて硬度が高くなる効果が
得られた。
【0017】なお、本実験では、交流電流の周波数を1
00Hzから1000Hzの範囲において単位時間内に
連続して増加するように変化させているが、前記周波数
の範囲はこれに限定されるものではなく、前記範囲を除
く周波数の範囲で変化させてもよい。また、必ずしも周
波数を増加あるいは減少させるように変化させる必要は
なく、不規則な交流電流であってもよい。さらに、前記
交流電流の不規則な変化は、周期的に繰り返される必要
もなく、また、連続して通電しなくてもよい。
【0018】
【発明の効果】本発明に係るアルミニウムまたはアルミ
ニウム合金の着色被膜形成方法によれば、以下の効果が
得られる。
【0019】すなわち、アルミニウムまたはアルミニウ
ム合金の表面に形成された膜厚を厚くすることにより、
耐蝕性、耐候性および耐摩耗性を向上させるとともに、
その着色濃度を淡色とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアルミニウムまたはアルミニウム
合金の着色被膜形成方法を実施するための被膜形成装置
を示す概略構成図である。
【図2】一次被膜を形成するための交流電流の信号波形
を示す説明図である。
【図3】アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に
形成された着色被膜の膜厚と着色濃度との関係を示す説
明図である。
【図4】アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に
形成された着色被膜の硬度と着色濃度との関係を示す説
明図である。
【符号の説明】
10…被膜形成装置 12…容器 14…電解液 16a、16b…
アルミニウム材 18…電解部 20…増幅器 22…交流発生器 24…信号入力部 26…オシロスコープ 28…直流発生器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機酸であるスルホサリチル酸と無機酸
    ある硫酸との混合液中に浸漬されたアルミニウムまたは
    アルミニウム合金に、電気分解中における極変換回数を
    変化させた交流電流を通電して一次被膜を形成する過程
    と、前記混合液中において、 前記一次被膜が形成されたアル
    ミニウムまたはアルミニウム合金に対して直流電流を通
    電して二次被膜を形成する過程と、 を有することを特徴とするアルミニウムまたはアルミニ
    ウム合金の着色被膜形成方法。
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