JP2934104B2 - プレス間ワーク搬送装置 - Google Patents

プレス間ワーク搬送装置

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JP2934104B2 JP24138392A JP24138392A JP2934104B2 JP 2934104 B2 JP2934104 B2 JP 2934104B2 JP 24138392 A JP24138392 A JP 24138392A JP 24138392 A JP24138392 A JP 24138392A JP 2934104 B2 JP2934104 B2 JP 2934104B2
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亮 二瓶
毅 岡田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プレス間ワーク搬送装
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】プレス機械を用いた板金の加工工程で
は、プレス金型へのワークの搬入や搬出、および、プレ
ス金型からプレス金型へのワークの搬送に際して相当の
力が要求される。危険や重労働を回避するため、既に、
ハンドリング専用機やロボットを用いたプレス間ワーク
搬送装置による自動化が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図7および図8は、プ
レス間ワーク搬送装置の従来例を示す概念図である。
【0004】図7で示す例は、ワークの搬入と搬出およ
び搬送の各々を個別のロボットにより行う場合を示した
もので、プレス機械100には、ワークの搬入を行うロ
ボット101とワークの搬出および搬送を行うロボット
102が共に吊設して取り付けられている。図7で示す
例では、ロボット101が仮置き台103からワークを
取り上げてプレス機械100の金型104に搬入する。
また、プレス機械100で加工されたワークをロボット
102が搬出し、次の加工工程のプレス機械100との
間に設置された仮置き台103に搬送して載置するよう
になっている。従って、各プレス機械100毎に2台の
ロボット101,102が必要となり、プレス機械10
0とロボット101,102との間の信号の入出力が複
雑となって信号線の数が増えるため、保守点検作業が面
倒になる欠点がある。また、制御動作においても信号待
ちの待機時間が増大するため、全体としてのタクトタイ
ムに悪影響が出たり、信号の入出力エラー等で誤動作が
生じる確率も高くなる。しかも、2台のロボット10
1,102を吊設するためにはプレス機械100自体の
剛性を高める必要があり、コストの増大に繋がる。
【0005】図8に示す例のように、プレス機械100
とプレス機械100との間に仮置き台103に換えて搬
送専用のシャトル105を配備し、搬送動作の一部をシ
ャトル105に受け持たせることによってタクトタイム
を短縮することもあるが、制御対象の数が増えるために
データ線が増大する。また、誤動作の確率が高くなって
システム全体の信頼性が低下する恐れもある。
【0006】図7および図8に示すいずれの場合におい
ても、ロボット101,102がプレス機械100に対
して直に吊設されているため、工場内に配備した天井ク
レーン等によって金型104の取り付け取り外しを行う
ような場合には、ロボット101,102がクレーンや
ロープ等に干渉して作業の進行を妨げることがあり、ま
た、危険でもあった。
【0007】本発明の目的は、これら従来技術の欠点を
解消し、保守点検作業が簡単で誤動作が少なく、しか
も、プレス機械の構成や剛性に関わりなく適用すること
のできるプレス間ワーク搬送装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のプレス間ワーク
搬送装置は、プレス機械とプレス機械との間に各プレス
機械へのワークの搬入および搬出と搬送用を兼ねる単一
のロボットを架台又は 梁に吊り下げるように配置し、該
ロボットは少なくともロボットの基台に最も近い水平方
向の第1の回転軸を有し、該第1の回転軸の回転によ
り、ロボットリンク先端に取付けられたハンドを振り子
状に揺動する構造とするすることにより、上記目的を達
成した。
【0009】
【作用】プレス機械とプレス機械との間に配置した単一
のロボットにより各プレス機械へのワークの搬入および
搬出と搬送を行わせるようにしたので、プレス機械とロ
ボットとの間の信号の入出力が簡略化され、信号線の数
が少なくて済む。従って、保守点検作業が容易となり、
また、制御動作における信号待ちの待機時間も全体とし
て減少するので、タクトタイムが短くなり、また、信号
の入出力エラー等による誤動作の確率が減少する。
【0010】また、プレス機械1台に対して必要とされ
るロボットの数は最大でも1台であり、しかも、ロボッ
トを取り付ける架台はプレス機械と独立して、または、
プレス機械とプレス機械との間に梁を渡すことによって
構成されているので、プレス機械に余分な荷重が加わる
ことは皆無、または、ごく僅かとなり、プレス機械の剛
性や強度に関わりなくロボットを用いることができる。
さらに、ロボット基台に最も近い水平方向の第1の回転
軸の回転によって先端にハンドを有するロボットリンク
が振り子状に揺動されることになるから、重力を利用し
て少ないエネルギーで効率的にワークの搬送を行うこと
ができる。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は本発明のプレス間ワーク搬送装置の実施例
に適用したロボット1の軸構成を示す概念図であり、該
ロボット1は、概略において、水平方向の回転軸周りに
回転する垂直回転軸(平行リンク)aおよびcと、垂直
方向の回転軸周り回転する水平回転軸bおよびdの4軸
により構成され、ロボットリンク先端にハンド7が取り
付けられている。ハンド7は通常の把持機能を有するロ
ボットハンドで、プレス加工に用いる板状ワーク等を把
持する。
【0012】この実施例におけるロボット1の軸構成が
通常の産業用ロボット等と異なる点は、まず、ワーク等
を把持するハンド7が、垂直回転軸aの回転により、大
きな半径(実施例では3m程)で揺動されることにあ
る。従って、例えば図2に示されるように、2つのプレ
ス機械8,8が比較的大きな間隔で離間して配置された
場合であっても、図8に示される従来例のように格別の
シャトル105等を設けてワーク9の搬送作業を行う必
要はなく、各プレス機械8,8の間にロボット1を1台
配置するだけで、各プレス機械8,8における金型1
0,10の間でワーク9の搬送作業を自由に行うことが
できる。
【0013】図2に示される例のように、ロボット1を
取り付ける架台11をプレス機械8,8と完全に独立し
て設置すれば、図7および図8に示される従来例のよう
にロボットの荷重がプレス機械に作用することは全くな
く、プレス機械8,8の剛性や強度に何ら関わりなくロ
ボット1を用いてワーク9の搬入および搬出と搬送作業
を行うことができる。また、プレス機械8,8が極めて
大きく離間しているような場合には、ロボット1の基
部、または、架台11自体に走行装置を取り付けてロボ
ット1をプレス機械8,8間で移動できるようにする。
2台のプレス機械8,8の間に梁を渡してロボット1を
取り付ける架台とすることも可能であり、この場合は、
ロボット1の基部に走行装置を取り付けて、該ロボット
1を梁に沿って移動可能とする。
【0014】図5は図2に示されるようなプレス間ワー
ク搬送装置の構成に対応してプレス機械8,8間におけ
るワーク9の搬送方向例を示す図で、図5(a)は平面
図,図5(b)は正面図である。図5(b)に示される
ように、各プレス機械8,8における金型10,10の
外周部がプレス機械8,8の型開き動作時に完全に開放
されるような構成においては、一方の金型10(図中
右)からワーク9を搬出する方向、および、他方の金型
10(図中左)へワーク9を搬入する方向を任意に定め
ることができるので、図5(a)に示されるように各金
型10,10におけるワーク9の搬入および搬出方向と
一方の金型10から他方の金型10へのワーク9の搬送
方向とを一致させることができる。従って、この場合、
ロボット1のハンド7でワーク9を把持し、該ハンド7
で大きな弧を描くようにしてワーク9を略直線状に移動
させることができる。
【0015】これに対し、図6(a)および図6(b)
に示されるようなプレス機械8,8の構成、即ち、各々
のプレス機械8,8に取り付けた金型10,10の両側
がプレス機械8,8の側壁で覆われるような構成におい
ては、一方の金型10(図中右)からワーク9を搬出す
る方向、および、他方の金型10(図中左)へワーク9
を搬入する方向がプレス機械8,8における取り出し開
口位置8a,8aによって規制されるので、図5(a)
および図5(b)に示される例のように、ワーク9の搬
入および搬出方向と金型10,10間におけるワーク9
の搬送方向とを一致させることはできない。しかし、実
施例のロボット1によれば、水平回転軸bおよび水平回
転軸dを独立または協調させて回転動作を行わせること
により、水平面内で小さな弧を描くようにしてハンド7
を揺動させることができるので、図6(a)に示される
例のように、各金型10,10に対するワーク9の搬入
および搬出方向と金型10,10間におけるワーク9の
搬送方向とが交叉するような場合であっても、ワーク9
の搬入や搬出および搬送を一連の動作により極めて円滑
に行わせることができる。また、ロボット1をプレス機
械8,8における取り出し開口位置8a, 8aの真上
に配置し、かつ、プレス機械8,8間に仮置き台を配備
して、プレス機械8に対して各1台ずつのロボット1に
より、金型10,10間でのワーク9の搬送作業を行わ
せることも可能である。
【0016】ロボット1を取り付ける架台11はプレス
機械8,8と完全に独立して設置されているので、ロボ
ット1の各リンク部材を図3に示すようにして折り畳む
ことにより、ロボット1をプレス機械8,8の近傍から
完全に退避させることができる。よって、プレス機械
8,8に対して金型10,10の取り付け取り外し作業
を行うような場合であっても、天井クレーンのフック1
2やロープ等がロボット1に干渉することはない。
【0017】図4はプレス間ワーク搬送装置を実現する
最小構成要素を示すブロック図である。プレス機械8,
8は、従来と同様、各々のプレスコントローラ13,1
3で制御され、ロボット1は、ロボットコントローラ1
4に格納された駆動プログラムおよび教示データ等に基
き、ロボットコントローラ14により駆動制御される。
プレスコントローラ13,13およびロボットコントロ
ーラ14の各々は異常検出信号や待機信号等の入出力に
用いられる信号線を介してインタロック盤16に接続さ
れている。また、インタロック盤16には、プレス機械
8,8に装着する金型10,10等を保管した金型交換
装置のマンドンや安全棚等の周辺機器各部に設けられた
光電スイッチおよび空圧力スイッチ等からの信号線が接
続され、周辺機器各部の異常状態等に応じて異常検出信
号が入力されるようになっている。
【0018】インタロック盤16は、各プレス機械8,
8やロボット1、および、各種周辺機器からの異常検出
信号等により、プレス機械8,8やロボット1のシーケ
ンス実行の可否を判定し、必要に応じてプレス機械8,
8やロボット1に待機指令等を出力することにより、シ
ステム全体を協調動作させる。なお、15は集中管理コ
ンピュータであり、プレス機械8,8やロボット1等の
グループによって構成される複数のシステム群を全体的
に制御するようになっている。プレス機械8,8間に配
置した単一のロボット1により各プレス機械8,8への
ワークの搬入および搬出と搬送を行わせるようにしてい
るため、プレスコントローラ13,13およびインタロ
ック盤16からの信号線を只1つのロボットコントロー
ラ14にのみ接続すれば良く、各プレス機械毎に2台の
ロボットを配備していた従来のものに比べ、システム全
体としての信号線の接続が簡単となる。また、格別のシ
ャトル等を設ける必要もなく、制御対象となるロボット
の数自体も減少する結果、制御動作における信号待ちの
待機時間が全体として減少し、タクトタイムが短くな
る。しかも、信号の入出力エラー等による誤動作の確率
が減少し、減保守点検作業が容易となる。
【0019】
【発明の効果】本発明によるプレス間ワーク搬送装置
は、プレス機械とプレス機械との間に配置した単一のロ
ボットにより各プレス機械へのワークの搬入および搬出
と搬送を行わせるようにしたので、プレス機械とロボッ
トとの間の信号の入出力が簡略化され、しかも、プレス
機械間に格別のシャトルを設ける必要がないので、制御
動作における信号待ちの待機時間が全体として減少し、
タクトタイムが短くなる。また、信号線の数が少なくて
済むので、信号の入出力エラー等による誤動作の確率が
減少し、かつ、保守点検作業が容易となる。ロボットを
取り付ける架台はプレス機械と独立して、または、プレ
ス機械とプレス機械との間に梁を渡すことによって構成
されているので、プレス機械にロボットの荷重が加わる
ことはなく、プレス機械の剛性や強度に関わりなくロボ
ットを用いたワークの取り回し作業を行うことができ
る。また、プレス機械自体にロボットを取り付けていな
いので、工場内に配備した天井クレーン等によって金型
の取り付け取り外しを行うような場合であってもロボッ
トがクレーンやロープ等に干渉して作業を妨げることが
なく、安全である。さらに、ロボットは吊り下げられ、
該ロボットの基台に最も近い水平方向の第1の回転軸回
りに先端にハンドを有するロボットリンクが振り子状に
揺動してワークの搬入、搬出作業を行うことになるか
ら、重力の作用を利用した少ないパワーでロボットを駆
動し、省エネルギーとなり、ワークを効率的に搬送する
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に適用したロボットの軸構成を
示す概念図である。
【図2】ロボットの配置例を示す図である。
【図3】ロボットを退避させた状態を示す図である。
【図4】プレス間ワーク搬送装置の構成要素を示すブロ
ック図である。
【図5】ワークの搬送方向例を示す図である。
【図6】ワークの搬送方向例を示す図である。
【図7】プレス間ワーク搬送装置の従来例を示す概念図
である。
【図8】プレス間ワーク搬送装置の従来例を示す概念図
である。
【符号の説明】
1 ロボット 7 ハンド 8 プレス機械 9 ワーク 11 架台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−200940(JP,A) 特開 平4−37424(JP,A) 特開 平3−170280(JP,A) 特開 平4−158927(JP,A) 実開 平4−42390(JP,U) 実開 平1−165133(JP,U) 特公 昭62−16894(JP,B2) 特公 昭60−45019(JP,B2) 特公 昭54−21589(JP,B2) 実公 平2−8584(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21D 43/05

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プレス機械とプレス機械との間に各プレ
    ス機械へのワークの搬入および搬出と搬送用を兼ねる単
    一のロボットを配置したプレス間ワーク搬送装置におい
    前記ロボットは架台又は梁に吊り下げるように配置さ
    れ、少なくともロボットの基台に最も近い水平方向の第
    1の回転軸を有し、該第1の回転軸の回転により、ロボ
    ットリンク先端に取付けられたハンドを振り子状に揺動
    する構造を持ったロボットであることを特徴とするプレ
    ス間ワーク搬送装置
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