JP2933683B2 - 波形放熱部付きタンク - Google Patents

波形放熱部付きタンク

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JP2933683B2 JP18364890A JP18364890A JP2933683B2 JP 2933683 B2 JP2933683 B2 JP 2933683B2 JP 18364890 A JP18364890 A JP 18364890A JP 18364890 A JP18364890 A JP 18364890A JP 2933683 B2 JP2933683 B2 JP 2933683B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、金属板自体に波付け加工を施して形成した
放熱板を用いてタンク側壁部を構成して、放熱板の各波
形部分を放熱部とした波形放熱部付きタンクに関するも
のである。
[従来の技術] 金属板自体に波付け加工を施して形成した放熱板を用
いてタンク側壁部を構成して、放熱板の各波形部分を放
熱部とした波形放熱部付きタンクは、油入変圧器等の油
入電気機器のタンクとして広く用いられている。
この種のタンクは放熱部の表面積が著しく大きく、し
かも内部に絶縁油を入れた場合に油道抵抗が小さいため
大きな冷却効果を得ることができる。したがって変圧器
に用いた場合、千kVA台までの変圧器であれば外付けの
放熱器を用いないで冷却を図ることができる。
またこの種のタンクは、側壁部の主要部を薄い金属板
により形成して、しかも所定の強度を得ることができる
ため、小形軽量に構成することができる。
従来のこの種のタンクとして、特公昭63−64273号に
示されたものがある。第14図は従来の波形放熱部付きタ
ンクの側壁を構成していたタンク側壁構成体50を示した
もので、同図のΧV−ΧV千に沿う断面図を第15図に示
した。
このタンク側壁構成体50は、長手方向に山部と谷部と
が交互に並ぶように金属板自体に波付け加工を施して形
成した放熱板20と、この放熱板の幅方向の両端部に溶接
された対の枠板30及び40とからなっている。
放熱板20は、1mm程度の薄い金属板(通常は鉄板)に
波付け加工を施したものからなり、多数の山部がそれぞ
れ放熱部20aとなっている。放熱板20の長手方向の一端
側(第14図の左端側)には枠板30,40の端部より更に外
側に張り出した長さΧ′の張出し部20bが形成されてい
る。
上部の枠板30は、放熱板20を構成する金属板よりも厚
手の金属板の幅方向の一端に半円形の断面形状を持たせ
る曲げ加工を施したもので、曲げ加工部30aはタンクの
蓋板を取り付けるために用いられる。また下部の枠板40
はその幅方向の一端を直角に折り曲げてフランジ部40a
を形成したもので、フランジ部40aはタンクの底板を溶
接するために用いられる。
これらの枠板30及び40は、それぞれの幅方向の他端を
所定の重ね代で放熱板20の幅方向の両端部に重ね合わせ
た状態で配置されて、該放熱板に溶接されている。第15
図においてW1′部がその溶接部を示している。この溶接
の際には、第14図における右端付近の長さN′の部分
が、未溶接のままで残される。未溶接部20cの長さN′
は前述の張出し部の張出し長さΧ′に数mm程度を加えた
長さである。
側壁構成体50をコの字状に折曲げ、このコの字状に折
り曲げたものをタンク半部60とし、2個のタンク半部6
0,60の両端を対向させた状態で組合せて、組合せ部を溶
接することによりタンク側壁部70を製作する。
第16図はタンク半部どうしの組合せ部分のみを示す正
面図であり、第17図は第16図のΧVII−ΧVII線に沿った
横断面図である。この例では前に述べた長さN′の未溶
接部20cにおいて、放熱板20の端部の平板状の部分の全
体を枠板30,40から少し浮き上らせるように変形させた
状態とする。そして上部枠板30,30どうし及び下部枠板4
0,40どうしを突き合わせ、張出し部20bを未溶接部20cと
枠板30,40との間の狭い間隙内に挿入して該未溶接部と
張出し部とを重ね合わせる。
第18図は、組み合わせるために対向配置された2個の
タンク半部60,60の端部付近を示している。この状態か
ら2個のタンク半部60,60を破線で示す方向に沿って相
互に接近させると、一方のタンク半部の放熱板の未溶接
部20bが他方のタンク半部の未溶接部20cの内側のギャッ
プgに入り込み、2個のタンク半部の上部枠板の端部ど
うしが共に突合されて第19図に示すようにタンク半部6
0,60の組合せが完了する。従来のタンクでは、このよう
に2個のタンク半部を組み合わせた状態で、未溶接部20
c,20cの端縁部と枠板30,30及び40,40の突き合わせ線と
が同一直線上に位置するようになっており、この直線を
溶接線として該溶接線に沿って溶接を施すことにより、
2個のタンク半部60,60が溶接される。第16図におい
て、太線W2′はタンク半部どうしの溶接部を示してい
る。この直線に沿った溶接を行った後、放熱板20の未溶
接部20cの幅方向の端縁部を枠板30,40に溶接する。この
未溶接部20cの幅方向端縁部の溶接は溶接部W2′を形成
する際の溶接線に対して直角な方向に沿って行われる。
[発明が解決しようとする課題] 従来のタンクを製造する際に2個のタンク半部60,60
どうしを組合せるためには、第18図に示すように放熱板
20の張出し部20bを、未溶接部20cと枠板30,40との間の
狭いギャップgに挿入しなければならないため、タンク
半部の組み合せ作業に多くの手間を要し、タンクの製造
能率が低下するという問題があった。
また未溶接部20cの幅方向端縁部の溶接は、溶接部W
2′の溶接の際の溶接線に対して直角な方向に行う必要
があり、溶接部W2′の溶接から未溶接部20cの幅方向端
縁部の溶接に移行する際には急激な方向転換を必要とす
るため。溶接部W2′の溶接と未溶接部20cの幅方向端縁
部の溶接とを一連の溶接作業として自動化することが困
難であった。
また未溶接部20c付近を拡大して示した第17図から明
らかなように、未溶接部20cの幅方向端縁部付近を溶接
する過程で、未溶接部20cと張出し部20bとが重なり代
Χ′をもって重ね合わされた部分を溶接する際には、未
溶接部20cと張出し部20bと枠板30または40との3つの部
材間にわたって溶接を行わなければならない。3部材以
上の多部材間を同時に溶接するとピンホールなどの溶接
欠陥が生じやすいため、このような多部材間の同時溶接
を行う部分はできるだけ少なくすることが好ましいが、
従来のタンクでは、相当の重なり代Χ′をもって重なっ
た部分で3部材の同時溶接を行う必要があったため溶接
欠陥が生じ易く、油洩れ等のトラブルが生じる恐れがあ
った。
本発明の目的は、タンク半部どうしの組合せ作業と組
合せ部の自動溶接とを容易にすると共に、3部材以上の
多部材間の自動溶接を行う部分を少なくして溶接欠陥が
生じるのを防止した波形放熱部付きタンクを提供するこ
とにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、長手方向に山部と谷部とが交互に並ぶよう
に波付けされた金属板からなる放熱板と放熱板の幅方向
の一端及び他端にそれぞれ溶接された対の枠板とを有す
るタンク側壁構成体を成形してタンクの側壁を2分した
ものに相当する形状としたタンク半部を2個備えて、該
2個のタンク半部の両端を接合してタンクの側壁部を形
成してなる波形放熱部付きタンクに係わるものである。
本発明においては、各タンク半部の放熱板の長手方向
の一端に枠板の長手方向端部よりも突出した張出し部を
形成する。
各張出し部の幅方向の両端部寄りの部分には幅方向に
対して傾斜した状態で対の枠板の長手方向端部に至る傾
斜部が形成される。
2個のタンク半部は、各タンク半部の長手方向の一端
の張出し部を他方のタンク半部の放熱板の長手方向の他
端に重ね合わせ、かつ各タンク半部の枠板の長手方向端
部を他方のタンク半部の枠板の長手方向端部に突き合わ
せた状態で配置される。
2個のタンク半部の両端は、各タンク半部の張出し部
の輪郭線と対の枠板の突き合わせ線とを溶接線として溶
接される。
タンク側壁を2分することなく、1個のタンク側壁構
成体を成形してその両端を溶接することによりタンク側
壁構成体を構成することもできる。この場合にもタンク
側壁構成体の放熱板の長手方向の一端に枠板の長手方向
端部よりも突出した張出し部を形成しておき、張出し部
の幅方向の両端部寄りの部分には幅方向に対して傾斜し
た状態で対の枠板の長手方向端部と交わる傾斜部を形成
しておく。そしてタンク側壁構成体をタンクの側壁部を
構成する形状に成形して放熱板の一端の張出し部を該放
熱板の他端に重合させた状態で配置するとともに、各枠
板の長手方向の端部どうしを突き合わせた状態で配置
し、張出し部の輪郭線と対の枠板の突き合わせ線とを溶
接線としてタンク側壁構成体の両端を溶接する。
[作 用] 上記のように構成すると、タンク半部どうしを組み合
わせる際には、各タンク半部の放熱板の一端の張出し部
を他のタンク半部の放熱板の他端に重ね合わせて枠板の
端部どうしを突き合わせるだけで良く、張出し部を狭い
間隙内に挿入する面倒な作業を行う必要がないため、タ
ンク半部の組み合わせ作業を容易にすることができる。
タンク半部どうしの溶接は、枠板の突き合わせ線と放
熱板の張出し部の輪郭線とに沿って行われる。本発明の
ように構成した場合、枠部板の突き合わせ線と、放熱板
の張出し部の輪郭線とは同一直線上に位置しないが、本
発明においては、放熱板の張出し部の両端が傾斜した状
態で枠板の端部(枠板の突き合わせ線)につながるた
め、張出し部の輪郭線に沿った溶接から傾斜部の溶接を
経て無理なく枠板の溶接へと移行することができ、これ
らの溶接を全て自動溶接で行うことができる。
また3部材以上の多部材間の同時溶接を行う部分は、
放熱板の張出し部の両端の傾斜部の輪郭線と枠板の突き
合わせ線とが相会する部分の付近のみであり、その他の
部分は全て2部材間の溶接になるため、溶接欠陥が生じ
る恐れを少なくすることができ、タンクの品質を向上さ
せることができる。
[実施例] 以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
第1図は本発明の実施例のタンクの要部を示したもの
で、同図において、2は第2図に示すような金属板1の
波付け加工を施すことにより製作した放熱板である。
放熱板2を形成する金属板1は通常は1mm程度の薄い
鋼板からなり、その全体形状は四角形状を呈するが、本
実施例においてはこの金属板1の長手方向の一端の両側
のコーナ部から三角形状を呈する切除部C0が切り取られ
て(コーナ部が斜め切りされて)金属板1の一端側の両
側に傾斜部Sが形成されている。切除部C0の金属板長手
方向及び金属板幅方向にそれぞれ測った寸法をΧ及びY
とし、傾斜部Sが金属板1の長手方向に対して成す角を
αとする。Χは後述する放熱板どうしの重ね合せ寸法L2
に等しく設定する。角度αは選択幅は広いが30度ないし
60度の範囲が適当である。
第3図及び第4図に示すように、上記の金属板1のプ
レス加工等により波付け加工を施し、長手方向に交互に
及ぶ山部mと谷部vとを形成する。次いで各山部mの長
手方向(金属板の幅方向)の両端ma及びmbをスクイズ
溶接により密封して各山部により中空の放熱フィン2aが
形成された放熱板2を製造する。なお第4図において傾
斜部分は放熱フィンの中空部(油道)を示している。
上記放熱板2とは別に上下の枠板3及び4を製造す
る。上部枠板3は、第3図に示したように、帯板の幅方
向の一端にカーリング加工を施して断面が円弧状を呈す
る曲げ加工部3aを連続的に形成したものからなる。
また下部枠板4は、第3図に示したように、帯板の幅
方向の一端に折曲げ加工を施して平坦な帯状フランジ部
4aを連続的に形成したものからなる。
上記放熱板2と上部枠体3と下部枠体4とから、図5
に示すようなタンク側壁構成体5が形成される。
次にタンク側壁構成体5を形成する工程を説明する
と、第6図に示すように放熱板2の幅方向の両端に枠板
3及び4を所定の重ね代L1(10mm前後が適当である。)
で重ね合わせ、放熱板2の一端の傾斜部Sが該放熱板2
の幅方向端縁部と交わる位置を枠板3,4の一端の端縁部3
e1,4e1に一致させ、かつ放熱板2の他端の端縁部2e2と
枠板3,4の他端の端縁部3e2,4e2とを一直線上に位置させ
た状態にする。この状態で枠板3,4の長手方向に沿って
溶接を行い、放熱板2の幅方向の両端に枠板3,4を溶接
する。第7図の符号W1は、これら枠板3,4と放熱板2と
の溶接部を示している。
尚このときの溶接においては、放熱板2及び枠板3,4
の一端側に若干長さN(数mm)の未溶接部(第6図参
照)を残しておく。
上記のようにしてタンク側壁構成体5を形成すると、
その一端に枠板3,4の一端よりも長さΧだけ突出した台
形状の張出し部2bが形成される。この張出し部2bの輪郭
線2e1の両端は傾斜部S,Sとなっており、これらの傾斜部
が枠板3,4の一端の端縁部3e1,4e1につながっている。
次にタンク側壁構成体5をベンダー等により折曲げて
タンクの側壁を2分したものに相当する形状に成形して
タンク半部6を形成する。この例では、第8図に示した
ようにタンク側壁構成体5をコの字状に折曲げることに
より断面がコの字形の形状を呈するタンク半部6を形成
している。
このタンク半部6を2つ突合せるように組合せて溶接
することによりタンク側壁部7を構成する。
第1図はタンク半部どうしを組合せた部分のみを示し
た正面図であり、第9図は第1図のIΧ−IΧ線に沿っ
た横断面図である。第9図に示したように、タンク半部
6,6を組み合わせるに先立って長さNの未溶接部におい
て、放熱板2の幅方向全体を枠板から少し浮上るように
変形させ、張出し部2b部分を浮上らせた状態とする。
第10図はタンク半部6,6どうしを組合せるときの状態
を示した断面図で、放熱板を長手方向に切断して2個の
タンク半部の両端部を示している。尚第10図において、
各タンク半部の両端の放熱板2,2の間隔は、便宜上実際
の寸法より縮小されている。
タンク半部6,6を組み合わせる際には、第10図に示す
ように両タンク半部6,6を斜めに対させた状態で配置し
ておく。この状態でタンク半部6,6を破線で示す方向に
沿って相互に接近させると、タンク半部6,6どうしの組
み合せが完了する。第11図はタンク半部6,6どうしの組
み合せが完了した状態を示している。
本発明の実施例においては各タンク半部の放熱板の張
出し部を相手のタンク半部の放熱板と枠板との間のギャ
ップに挿入する必要がないため、タンク半部どうしの組
み合せ作業を極めて簡単に行うことができる。
一方のタンク半部の放熱板の一端側の張出し部2bの輪
郭線2e1と他方のタンク半部の放熱板の他端側の端縁2e2
との間の寸法をL2(第1図参照)とする。この寸法L2は
張出し部の突出長さΧに等しく、2つのタンク半部の放
熱板どうしの重なり寸法の最大値であり、数十mm程度が
適当である。
タンク半部どうしの溶接は、まず第1図において点P0
からP7に至る溶接線に沿って行われる。この溶接による
溶接部を太線W2で示してある。
点P0から点P2に至る区間は、枠板3,3どうしが突合さ
れた部分であり、点P5ないしP7の区間は枠板4,4どうし
が突合された部分である。また点P2ないしP5の区間は放
熱板2,2どうしが重ね合わされた部分である。点P2からP
3にかけて重ね合せ寸法が0からL2に増加し、点P3からP
4にかけて重ね合せ寸法は一定(=L2)である。点P4か
らP5にかけて重ね合せ寸法はL2から0に減少する。
点P1ないしP6の部分については自動溶接により溶接す
る。溶接方向は例えばP1→P6の方向とする。
点P0からP1の区間は曲げ加工部3a及びその近傍の部分
であり、点P6からP7区間はフランジ部4a及びの近傍の部
分である。P0〜P1の区間の溶接及びP6〜P7の区間の溶接
は自動溶接とせず、手溶接により慎重に行うのが好まし
い。
P1ないしP6の部分の溶接線は一直線ではないが、屈曲
部における屈曲角度(90−α度)は小さいから自動溶接
は支障なく行われる。
尚点P1からP2の区間の溶接及び点P5からP6部の区間の
溶接と点P2ないしP5の区間の溶接とでは、板厚や継手構
造が異なるので溶接電流や溶接速度を適宜変化させる必
要がある。
点P1から点P6の区間の自動溶接の後に、点P0からP1の
区間の溶接と、P6からP7の区間の溶接を行い、次いで各
放熱板の両側に枠板を溶接する際に溶接を施さないで残
した長さNの未溶接部の溶接を行う。
本実施例においては、タンク側壁部の製作時に多部材
間を同時に溶接することになるのは点P2の部分と点P5の
部分との2箇所のみであり、これらの部分では、4部材
を同時に溶接する。他の部分の溶接はすべて2部材間の
溶接である。
第12図はタンク半部どうしを組合せてから上記の溶接
を行ってタンクの側壁7を完成させた状態を示してい
る。
上記のようにしてタンクの側壁を構成した後、第13図
に示すように下部枠板4のフランジ4aに底板8を溶接し
て変圧器タンクを完成する。蓋板9はタンク内に絶縁油
とともに変圧器本体を収納した後に、上部枠板の曲げ加
工部3aにパッキン10を介して取り付ける。
以下にタンク壁部の構造の変形例について述べる。
放熱板2と上部枠板3及び下部枠板4の位置関係は第
6図に示す通りでなくてもよい。
例えば、放熱板2の長手方向の他端を枠板3,4の他端
よりも外側に突出させて、放熱板の端縁2e2を枠板3の
端縁3e2及び枠板4の端縁4e2よりも外側に(第6図にお
いて左側に)突出した位置に位置させるようにしても良
い。この場合の突出し寸法を△Lとした場合、未溶接部
の長さNは前述の実施例より△Lだけ大きくしておき、
放熱板2の他端の突出部分を未溶接部(長さNの部分)
の内側に挿入する。
このようにすると、点P2及びP5の部分においても放熱
板どうしの重ね合せ寸法が0とならずに△Lとなるから
溶接の信頼性を向上させることができる。
ただし放熱板の幅方向の両端部における△L部分では
3部材間の同時溶接を行うことが必要になるから△Lは
小さい範囲(数mm)にとどめておくことが望ましい。
第6図に示した例では枠板3の長手方向の一端の端縁
3e1及び枠板4の一端の端縁4e1が放熱板の幅方向の端面
部と傾斜部Sとの交点に位置しているが、端縁3e1及び4
e1を傾斜部S部内に位置させるようにしてもよい。この
場合には寸法Χ及びL1を前述の実施例より大きくしてお
く。
このようにすると、張出し部の輪郭線2e1の端縁部3e1
及び4e1に対する長手方向の位置関係が多少ずれても自
動溶接に支障を来たさない。その理由は次の通りであ
る。
即ち、第6図において端縁部3e1及び4e1の位置が同図
に示す状態よりも内側(第6図において左側)に来る
と、溶接部W2の溶接において溶接線の屈折角度が90度に
なるところが生じ自動溶接時の信頼性が低下するが、端
縁部3e1及び4e1を放熱板の傾斜部Sの途中の位置に位置
させるようにしておくと、放熱板2と枠板3,4との間の
位置関係が長手方向に多少変化しても上記のような溶接
上の不都合は生じない。
また溶接部W2の溶接において、溶接線が折線とならな
いように、溶接線の各屈曲部にアールをつけるようにし
ても良い。
その場合、傾斜部Sの輪郭線を曲線としなければなら
ないので、切断加工のコストは上昇するが、溶接面にお
いては、信頼性及び作業性ともに向上する。
上記の実施例ではタンク側壁部を2つのタンク半部6,
6により構成した(各タンク半部について2個所の折曲
げ)が、1個のタンク側壁構成体を折曲げてその両端を
突合せ溶接することによりタンク側壁部を形成する場合
にも本発明を適用することができる。
尚上記の説明では、傾斜部Sの形成を波付け加工前に
行っているが、金属板に波付け加工を施した後に放熱板
の一端の両側の角部を切除して斜辺部を形成しても良
く、また放熱板に枠板を溶接してタンク側壁構成体5を
形成した後にその一端の両側の角部を切除して斜辺部を
形成しても良い。更にタンク側壁構成体をコの字形に成
形してタンク半部を形成した後に斜辺部Sを形成しても
良い。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、タンク半部どうしを
組み合わせる際に、各タンク半部の放熱板の一端の張出
し部を他のタンク半部の放熱板の他端に重ね合わせて枠
板の端部どうしを突き合わせるだけで良く、張出し部を
狭い間隙内に挿入する面倒な作業を行う必要がないた
め、タンク半部の組み合わせ作業を容易にすることがで
きる利点がある。
また本発明では、タンク半部どうしの溶接が、枠板の
突き合わせ線と放熱板の張出し部の輪郭線とに沿って行
われるが、放熱板の張出し部の両端が傾斜した状態で枠
板の端部(枠板の突き合わせ線)につながるため、張出
し部の輪郭線に沿った溶接から傾斜部の溶接を経て無理
なく枠板の溶接へと移行することができ、これらの溶接
を全て自動溶接で行うことができる利点がある。
更に本発明によれば、3部材以上の多部材の同時溶接
を行う部分が、放熱板の張出し部の両端の傾斜部の輪郭
線と枠板の突き合わせ線とが相会する部分の付近のみで
あり、その他の部分は全て2部材間の溶接になるため、
溶接欠陥が生じる恐れを少なくすることができ、タンク
の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例で用いるタンク半部どうしの組
み合せ部分を示した正面図、第2図は本発明の実施例で
用いる金属板の平面図、第3図は本発明の実施例で用い
るタンク側壁構成体を構成する放熱板と対の枠板とを示
した分解斜視図、第4図は放熱板の断面図、第5図は本
発明の実施例で用いるタンク側壁構成体の斜視図、第6
図は同タンク側壁構成体の正面図、第7図は第6図のVI
I−VII線に沿った縦断面図、第8図は本発明の実施例で
用いるタンク半部の斜視図、第9図は第1図のIΧ−I
Χ線に沿った横断面図、第10図はタンク半部どうしを組
合せるときの状態を放熱板部を長手方向に切断してタン
ク半部の端部のみについて示した断面図、第11図は第10
図においてタンク半部どうしの組み合せを完了したとき
の状態を示した断面図、第12図は本発明の実施例で用い
るタンク側壁部を示した斜視図、第13図は本発明の実施
例により得られるタンクの構造を概略的に示した断面
図、第14図は従来例におけるタンク側壁体を示した正面
図、第15図は第14図のΧV−ΧV線に沿った縦断面図、
第16図は従来例におけるタンク半部どうしの組み合せ部
分を示した正面図、第17図は第16図のΧVII−ΧVII線に
沿った横断面図、第18図は従来例においてタンク半部ど
うしを組合せるときの状態を放熱板を長手方向に切断し
てタンク半部の端部のみについて示した断面図、第19図
は第18図においてタンク半部どうしの組み合せを完了し
た状態を示す断面図である。 1……金属板、2……放熱板、2a……放熱フィン、2b…
…放熱板の張出し部、3……上部枠板、4……下部枠
板、5……側壁構成体、6……タンク半部、7……タン
ク側壁部、S……放熱板の傾斜部、W2……タンク半部ど
うしの溶接部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−154292(JP,A) 特開 昭59−174282(JP,A) 特開 昭50−100538(JP,A) 特開 平3−71609(JP,A) 特開 昭59−35896(JP,A) 特開 昭63−16862(JP,A) 特開 昭63−8311(JP,A) 特開 昭61−207317(JP,A) 特開 平1−319473(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 9/00 B23K 9/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長手方向に山部と谷部とが交互に並ぶよう
    に波付けされた金属板からなる放熱板と前記放熱板の幅
    方向の一端及び他端にそれぞれ溶接された対の枠板とを
    有するタンク側壁構成体を成形してタンクの側壁を2分
    したものに相当する形状としたタンク半部を2個備え、
    前記2個のタンク半部の両端を接合してタンクの側壁部
    を形成してなる波形放熱部付きタンクにおいて、 各タンク半部の放熱板の長手方向の一端に前記枠板の長
    手方向端部よりも突出した張出し部が形成され、 各張出し部の幅方向の両端部寄りの部分には幅方向に対
    して傾斜した状態で対の枠板の長手方向端部と交わる傾
    斜部が形成され、 前記2個のタンク半部は、各タンク半部の長手方向の一
    端の張出し部を他方のタンク半部の放熱板の長手方向の
    他端に重ね合わせ、かつ各タンク半部の枠板の長手方向
    端部を他方のタンク半部の枠板の長手方向端部に突き合
    わせた状態で配置され、 前記2個のタンク半部の両端は、各タンク半部の張出し
    部の輪郭線と対の枠板の突き合わせ線とに沿って溶接さ
    れていることを特徴とする波形放熱部付きタンク。
  2. 【請求項2】長手方向に山部と谷部とが交互に並ぶよう
    に波付けされた金属板からなる放熱板と前記放熱板の幅
    方向の一端及び他端にそれぞれ溶接された対の枠板とを
    有するタンク側壁構成体によりタンクの側壁を構成して
    なる波形放熱部付きタンクにおいて、 前記タンク側壁構成体の放熱板の長手方向の一端に前記
    枠板の長手方向端部よりも突出した張出し部が形成さ
    れ、 前記張出し部の幅方向の両端部寄りの部分には幅方向に
    対して傾斜した状態で対の枠板の長手方向端部と交わる
    傾斜部が形成され、 前記タンク側壁構成体がタンクの側壁部の形状に成形さ
    れて前記放熱板の一端の張出し部が該放熱板の他端に重
    合された状態で配置されるとともに、各枠板の長手方向
    の端部どうしが突き合わされた状態で配置され、 前記張出し部の輪郭線と対の枠板の突き合わせ線とに沿
    って前記タンク側壁構成体の両端が溶接されていること
    を特徴とする波形放熱部付きタンク。
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