JP2932732B2 - 硬質層被覆超硬合金製切削工具 - Google Patents
硬質層被覆超硬合金製切削工具Info
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- JP2932732B2 JP2932732B2 JP6080891A JP6080891A JP2932732B2 JP 2932732 B2 JP2932732 B2 JP 2932732B2 JP 6080891 A JP6080891 A JP 6080891A JP 6080891 A JP6080891 A JP 6080891A JP 2932732 B2 JP2932732 B2 JP 2932732B2
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- Japan
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- cemented carbide
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- hard layer
- layer portion
- cutting
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、フライス切削などの
断続切削に用いた場合に優れた切削性能を示すことは勿
論のこと、連続切削に用いた場合でも特に中低速の連続
切削に用いた場合に優れた切削性能を示す硬質層被覆超
硬合金製切削工具に関するものである。
断続切削に用いた場合に優れた切削性能を示すことは勿
論のこと、連続切削に用いた場合でも特に中低速の連続
切削に用いた場合に優れた切削性能を示す硬質層被覆超
硬合金製切削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、結合相形成成分として、鉄族金
属のうち1種または2種以上を含有し、さらに必要に応
じて周期律表の4a,5a,および6a族金属の炭化
物、窒化物、炭窒化物を0.5〜30重量%含有し、残
りが炭化タングステン(以下、WCと記す、)および不
可避不純物からなる超硬合金基体(以下、超硬合金基体
という)の表面に、TiCN層を物理蒸着法により被覆
してなる硬質層被覆超硬合金製切削工具は知られている
(特開昭52−10871号公報参照)。
属のうち1種または2種以上を含有し、さらに必要に応
じて周期律表の4a,5a,および6a族金属の炭化
物、窒化物、炭窒化物を0.5〜30重量%含有し、残
りが炭化タングステン(以下、WCと記す、)および不
可避不純物からなる超硬合金基体(以下、超硬合金基体
という)の表面に、TiCN層を物理蒸着法により被覆
してなる硬質層被覆超硬合金製切削工具は知られている
(特開昭52−10871号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
得られた従来の物理蒸着法により形成されたTiCN層
の結晶粒径は粗大であるためにTiCN層の靭性が不足
し、従来の物理蒸着法により形成されたTiCN層を有
する硬質層被覆超硬合金製切削工具は、フライス切削な
どの断続切削に用いた場合にはTiCN硬質層は剥離
し、また超硬合金基体に対する十分な付着強度が得られ
ないために、その部分から欠損が発生し、満足のいく使
用寿命が得られないという課題があったのである。
得られた従来の物理蒸着法により形成されたTiCN層
の結晶粒径は粗大であるためにTiCN層の靭性が不足
し、従来の物理蒸着法により形成されたTiCN層を有
する硬質層被覆超硬合金製切削工具は、フライス切削な
どの断続切削に用いた場合にはTiCN硬質層は剥離
し、また超硬合金基体に対する十分な付着強度が得られ
ないために、その部分から欠損が発生し、満足のいく使
用寿命が得られないという課題があったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述のような課題を解決し、フライス切削などの断続切
削に用いた場合にも一層の長寿命を示す硬質層被覆超硬
合金製切削工具を得るべく研究を行った結果、超硬合金
基体の表面に、窒化チタン層部分および上記窒化チタン
層の上に炭素および窒素の傾斜濃度分布を有する炭窒化
チタン層部分(以下、傾斜濃度層部分という)からなる
単一硬質層を被覆してなる切削工具であって、上記濃度
傾斜層部分を組成式Ti(CxNy)〔ただし、x+y
=1〕で表すと、xは、上記窒化チタン層部分に接する
内面で最小値をとり、内面から最外面に向かって層厚方
向に増加するように変化して最外面で最大値をとり、一
方、yは、上記窒化チタン層部分に接する内面で最大値
をとり、内面から最外面に向かって層厚方向に減少する
ように変化して最外面で最小値をとるように変化せしめ
ると上記Ti(CxNy)層の結晶粒は微細化し、この
Ti(CxNy)硬質層を被覆した硬質層被覆超硬合金
切削工具は、優れた性能を示すという知見を得たのであ
る。
上述のような課題を解決し、フライス切削などの断続切
削に用いた場合にも一層の長寿命を示す硬質層被覆超硬
合金製切削工具を得るべく研究を行った結果、超硬合金
基体の表面に、窒化チタン層部分および上記窒化チタン
層の上に炭素および窒素の傾斜濃度分布を有する炭窒化
チタン層部分(以下、傾斜濃度層部分という)からなる
単一硬質層を被覆してなる切削工具であって、上記濃度
傾斜層部分を組成式Ti(CxNy)〔ただし、x+y
=1〕で表すと、xは、上記窒化チタン層部分に接する
内面で最小値をとり、内面から最外面に向かって層厚方
向に増加するように変化して最外面で最大値をとり、一
方、yは、上記窒化チタン層部分に接する内面で最大値
をとり、内面から最外面に向かって層厚方向に減少する
ように変化して最外面で最小値をとるように変化せしめ
ると上記Ti(CxNy)層の結晶粒は微細化し、この
Ti(CxNy)硬質層を被覆した硬質層被覆超硬合金
切削工具は、優れた性能を示すという知見を得たのであ
る。
【0005】この発明は、かかる知見にもとづいて成さ
れたものであって、超硬合金基体の表面に、窒化チタン
層部分および上記窒化チタン層部分の上に傾斜濃度層部
分からなる単一硬質層を被覆してなる切削工具であっ
て、上記濃度傾斜層部分を組成式Ti(CxNy)〔た
だし、x+y=1〕で表すと、xは、上記窒化チタン層
部分に接する内面で最小値をとり、内面から最外面に向
かって層厚方向に増加するように変化して最外面で最大
値をとり、一方、yは、上記窒化チタン層部分に接する
内面で最大値をとり、内面から最外面に向かって層厚方
向に減少するように変化して最外面で最小値をとる硬質
層被覆超硬合金製切削工具、に特徴を有するものであ
る。
れたものであって、超硬合金基体の表面に、窒化チタン
層部分および上記窒化チタン層部分の上に傾斜濃度層部
分からなる単一硬質層を被覆してなる切削工具であっ
て、上記濃度傾斜層部分を組成式Ti(CxNy)〔た
だし、x+y=1〕で表すと、xは、上記窒化チタン層
部分に接する内面で最小値をとり、内面から最外面に向
かって層厚方向に増加するように変化して最外面で最大
値をとり、一方、yは、上記窒化チタン層部分に接する
内面で最大値をとり、内面から最外面に向かって層厚方
向に減少するように変化して最外面で最小値をとる硬質
層被覆超硬合金製切削工具、に特徴を有するものであ
る。
【0006】この発明の硬質層被覆超硬合金製切削工具
におけるTiN層部分および傾斜濃度層部分からなる単
一硬質層を形成するには、イオンプレーティング装置等
の物理蒸着装置を用いる。上記物理蒸着装置には、反応
ガスとして、先ず、窒素ガスを定常的に導入し、続い
て、窒素ガスと炭化水素ガスの混合ガスを導入する。図
1のグラフには、反応ガスの導入状態が示されており、
図1のグラフに示されるように、この混合ガスは、物理
蒸着の途中から導入され、物理蒸着の進行にともなっ
て、窒素ガス導入量を連続的に減少させるとともに、こ
れに反比例するように炭化水素ガスを連続的に増加する
ように供給する。窒素ガス導入量および炭化水素ガス導
入量は断続的に変化させても良いが、連続的に変化させ
るほうが好ましく、図1のグラフでは、直線的に連続し
て変化させているが、これに限定されるものではなく、
曲線的に連続して変化させてもよい。
におけるTiN層部分および傾斜濃度層部分からなる単
一硬質層を形成するには、イオンプレーティング装置等
の物理蒸着装置を用いる。上記物理蒸着装置には、反応
ガスとして、先ず、窒素ガスを定常的に導入し、続い
て、窒素ガスと炭化水素ガスの混合ガスを導入する。図
1のグラフには、反応ガスの導入状態が示されており、
図1のグラフに示されるように、この混合ガスは、物理
蒸着の途中から導入され、物理蒸着の進行にともなっ
て、窒素ガス導入量を連続的に減少させるとともに、こ
れに反比例するように炭化水素ガスを連続的に増加する
ように供給する。窒素ガス導入量および炭化水素ガス導
入量は断続的に変化させても良いが、連続的に変化させ
るほうが好ましく、図1のグラフでは、直線的に連続し
て変化させているが、これに限定されるものではなく、
曲線的に連続して変化させてもよい。
【0007】このようにして得られたTiN層部分およ
び傾斜濃度層部分からなる単一硬質層において、傾斜濃
度層部分のTi(CxNy)〔ただし、x+y=1〕の
xおよびyの値は、反応ガスとして窒素ガスと炭化水素
ガスの混合ガスを導入する関係から、それぞれ0≦x≦
100および0≦y≦100の範囲内の値をとり、超硬
合金基体上のTiN層部分に接する傾斜濃度層部分の内
面はTiN層部分とほぼ同一成分となるために超硬合金
基体に対する付着性が優れ、一方、切削時に直接影響を
受ける最外面でTiCが最大成分となるので耐摩耗性が
優れ、単一硬質層でありながら付着性および耐摩耗性の
両方を兼備えた優れた特性を有し、さらに傾斜濃度層部
分の結晶粒も微細であるために靭性も向上するのでフラ
イス切削などの断続切削に特に有効である。また、上記
TiN層部分および傾斜濃度層部分からなる単一硬質層
を有するこの発明の硬質層被覆超硬合金製切削工具は、
一般に逃げ面磨耗が激しいとされている中低速(切削速
度:200m/min 未満)の連続切削にも有効である。
び傾斜濃度層部分からなる単一硬質層において、傾斜濃
度層部分のTi(CxNy)〔ただし、x+y=1〕の
xおよびyの値は、反応ガスとして窒素ガスと炭化水素
ガスの混合ガスを導入する関係から、それぞれ0≦x≦
100および0≦y≦100の範囲内の値をとり、超硬
合金基体上のTiN層部分に接する傾斜濃度層部分の内
面はTiN層部分とほぼ同一成分となるために超硬合金
基体に対する付着性が優れ、一方、切削時に直接影響を
受ける最外面でTiCが最大成分となるので耐摩耗性が
優れ、単一硬質層でありながら付着性および耐摩耗性の
両方を兼備えた優れた特性を有し、さらに傾斜濃度層部
分の結晶粒も微細であるために靭性も向上するのでフラ
イス切削などの断続切削に特に有効である。また、上記
TiN層部分および傾斜濃度層部分からなる単一硬質層
を有するこの発明の硬質層被覆超硬合金製切削工具は、
一般に逃げ面磨耗が激しいとされている中低速(切削速
度:200m/min 未満)の連続切削にも有効である。
【0008】上記TiN層部分および傾斜濃度層部分か
らなる単一硬質層の厚さは、全層厚が30μm以下であ
ることが好ましい。30μmを越えると切削時に基体と
の間に熱膨脹の差が大きくなり、亀裂が生じて剥離しや
すくなる。一方、上記単一硬質層の全層厚が0.5μm
未満では耐摩耗性が十分でないために0.5μm以上で
あることが好ましい。
らなる単一硬質層の厚さは、全層厚が30μm以下であ
ることが好ましい。30μmを越えると切削時に基体と
の間に熱膨脹の差が大きくなり、亀裂が生じて剥離しや
すくなる。一方、上記単一硬質層の全層厚が0.5μm
未満では耐摩耗性が十分でないために0.5μm以上で
あることが好ましい。
【0009】
【実施例】つぎに、この発明の硬質層被覆超硬合金製切
削工具を実施例に基づいて具体的に説明する。
削工具を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0010】原料粉末として、それぞれ平均粒径:3μ
mのCo粉末、TiC粉末、TaC粉末、WC粉末を用
意し、これら粉末を、Co粉末:9重量%、TiC粉
末:1重量%、TaC粉末:2重量%、残り:WC粉末
となるように配合し、混合したのち、圧粉体に成型し、
この圧粉体を通常の条件で焼結して焼結体を製造し、こ
の焼結体を研削してISO規格TNGA160408の
形状を有するWC基超硬合金製チップを作製した。
mのCo粉末、TiC粉末、TaC粉末、WC粉末を用
意し、これら粉末を、Co粉末:9重量%、TiC粉
末:1重量%、TaC粉末:2重量%、残り:WC粉末
となるように配合し、混合したのち、圧粉体に成型し、
この圧粉体を通常の条件で焼結して焼結体を製造し、こ
の焼結体を研削してISO規格TNGA160408の
形状を有するWC基超硬合金製チップを作製した。
【0011】つぎに、このWC基超硬合金製チップを通
常のイオンプレーティング装置内の上方に装着し、一
方、上記イオンプレーティング装置内の下方のルツボ内
には、Ti金属を充填した。かかる状態で上記イオンプ
レーティング装置内を1×10-5Torrの真空に保持し、
昇温速度:6℃/min で700℃に昇温させた。つづい
て、この温度に保持しながら、Ti金属を通電等により
加熱蒸発させるとともに、先ず、供給口より窒素ガスを
導入し、続いて、窒素ガス量を減らしながら、アセチレ
ンガスを導入し、排出口より排出しながらイオンプレー
ティング装置内の圧力を1.0×10×-4Torrに維持
し、窒素ガスとアセチレンガスの混合比を反比例するよ
うに上記窒素ガスは次第に減少するように供給すると同
時にアセチレンガスは次第に増加するように供給しなが
ら窒素ガスとアセチレンガスの量を反比例するように連
続的に変化させながら物理蒸着を行い、上記WC基超硬
合金製チップの表面に表1に示される厚さの炭窒化チタ
ン単一硬質層を被覆してなる本発明硬質層被覆超硬合金
製チップ1〜11を製造した。
常のイオンプレーティング装置内の上方に装着し、一
方、上記イオンプレーティング装置内の下方のルツボ内
には、Ti金属を充填した。かかる状態で上記イオンプ
レーティング装置内を1×10-5Torrの真空に保持し、
昇温速度:6℃/min で700℃に昇温させた。つづい
て、この温度に保持しながら、Ti金属を通電等により
加熱蒸発させるとともに、先ず、供給口より窒素ガスを
導入し、続いて、窒素ガス量を減らしながら、アセチレ
ンガスを導入し、排出口より排出しながらイオンプレー
ティング装置内の圧力を1.0×10×-4Torrに維持
し、窒素ガスとアセチレンガスの混合比を反比例するよ
うに上記窒素ガスは次第に減少するように供給すると同
時にアセチレンガスは次第に増加するように供給しなが
ら窒素ガスとアセチレンガスの量を反比例するように連
続的に変化させながら物理蒸着を行い、上記WC基超硬
合金製チップの表面に表1に示される厚さの炭窒化チタ
ン単一硬質層を被覆してなる本発明硬質層被覆超硬合金
製チップ1〜11を製造した。
【0012】上記傾斜濃度層部分の組成をEPMAを用
いて測定したところ、Cは、超硬合金基体に接する最内
面で最小値をとりかつ最内面から最外面に向かって層厚
方向に連続的に増加するように変化して最外面で最大値
をとり、一方、Nは、超硬合金基体に接する最内面で最
大値をとりかつ最内面から最外面に向かって層厚方向に
連続的に減少するように変化して最外面で最小値を示す
濃度勾配を有していることが分った。
いて測定したところ、Cは、超硬合金基体に接する最内
面で最小値をとりかつ最内面から最外面に向かって層厚
方向に連続的に増加するように変化して最外面で最大値
をとり、一方、Nは、超硬合金基体に接する最内面で最
大値をとりかつ最内面から最外面に向かって層厚方向に
連続的に減少するように変化して最外面で最小値を示す
濃度勾配を有していることが分った。
【0013】上記炭窒化チタン単一硬質層をX線回折
し、(200)面の半価幅を用いてScherrerの
式により粒径を算出してその結果を表1に示した。さら
に確認のために、上記本発明硬質層被覆超硬合金製チッ
プ5の基体表面に被覆されたTiN層部分および傾斜濃
度層部分の垂直断面をオージエ分析し、その結果をもと
にファクター解析してグラフに示したところ、図2に示
されるグラフが得られた。図2において、縦軸にはTi
CおよびTiNの濃度比がTiC+TiN=1となるよ
うにとり、横軸に硬質層の層厚をとってある。
し、(200)面の半価幅を用いてScherrerの
式により粒径を算出してその結果を表1に示した。さら
に確認のために、上記本発明硬質層被覆超硬合金製チッ
プ5の基体表面に被覆されたTiN層部分および傾斜濃
度層部分の垂直断面をオージエ分析し、その結果をもと
にファクター解析してグラフに示したところ、図2に示
されるグラフが得られた。図2において、縦軸にはTi
CおよびTiNの濃度比がTiC+TiN=1となるよ
うにとり、横軸に硬質層の層厚をとってある。
【0014】[従来例] 一方、比較のために、実施例のボンバードクリーニング
したのち、窒素ガスおよびアセチレンガスを容量混合比
=1:1の一定比率で混合した混合ガスを流すことによ
り、上記WC基超硬合金製チップの表面に炭窒化チタン
層からなり表1に示される厚さを有する従来硬質層被覆
超硬合金製チップ1〜5を製造した。この従来硬質層被
覆超硬合金製チップ1〜5についてもX線回折し、(2
00)面の半価幅を用いてScherrerの式により
粒径を算出してその結果を表1に示した。
したのち、窒素ガスおよびアセチレンガスを容量混合比
=1:1の一定比率で混合した混合ガスを流すことによ
り、上記WC基超硬合金製チップの表面に炭窒化チタン
層からなり表1に示される厚さを有する従来硬質層被覆
超硬合金製チップ1〜5を製造した。この従来硬質層被
覆超硬合金製チップ1〜5についてもX線回折し、(2
00)面の半価幅を用いてScherrerの式により
粒径を算出してその結果を表1に示した。
【0015】これら本発明硬質層被覆超硬合金製チップ
1〜11および従来硬質層被覆超硬合金製チップ1〜5
について、それぞれスクラッチ試験を行ってその結果を
表1に示したのち、下記の条件で連続切削試験および断
続切削試験を実施し、それらの切削試験結果を表2に示
した。
1〜11および従来硬質層被覆超硬合金製チップ1〜5
について、それぞれスクラッチ試験を行ってその結果を
表1に示したのち、下記の条件で連続切削試験および断
続切削試験を実施し、それらの切削試験結果を表2に示
した。
【0016】連続乾式切削試験 被削材:SNCM439(ブリネル硬さ:250)、 切削速度:150m/min 、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:1.5mm、 の条件で連続乾式切削し、チップの切刃の逃げ面摩耗幅
が0.3mmになるまでの時間(分)を測定した。
が0.3mmになるまでの時間(分)を測定した。
【0017】断続乾式切削試験 被削材:SCM440(ブリネル硬さ:300)製で軸
方向外周に4本の溝の付いた円柱体、 切削速度:100m/min 、 送り:0.21mm/rev.、 切込み:1.0mm、 切削時間:2min 、 の条件で切削し、10個の試験切刃のうちの欠損発生切
刃数を測定した。
方向外周に4本の溝の付いた円柱体、 切削速度:100m/min 、 送り:0.21mm/rev.、 切込み:1.0mm、 切削時間:2min 、 の条件で切削し、10個の試験切刃のうちの欠損発生切
刃数を測定した。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】
【発明の効果】表1および表2に示される結果から、本
発明硬質層被覆超硬合金製チップ1〜11の被覆硬質層
の結晶粒径は微細であり、切削速度:200m/min 未
満の中低速連続乾式切削において優れた効果を発揮し、
さらに断続乾式切削においても、いずれも欠損発生がほ
とんどなく、あってもごく僅かであり、スクラッチ試験
の結果も良好で耐剥離性も優れていることから長期にわ
たって優れた切削性能を発揮する。これに対し、従来硬
質層被覆超硬合金製チップ1〜5は、チップの切刃の逃
げ面摩耗幅が0.3mmになるまでの時間が短く、断続乾
式切削において欠損が多く発生し、スクラッチ試験によ
る切欠き発生までの荷重も小さく、耐剥離性も劣ってい
るところからチップの寿命も短く切削性能も劣ったもの
であることが明らかである。
発明硬質層被覆超硬合金製チップ1〜11の被覆硬質層
の結晶粒径は微細であり、切削速度:200m/min 未
満の中低速連続乾式切削において優れた効果を発揮し、
さらに断続乾式切削においても、いずれも欠損発生がほ
とんどなく、あってもごく僅かであり、スクラッチ試験
の結果も良好で耐剥離性も優れていることから長期にわ
たって優れた切削性能を発揮する。これに対し、従来硬
質層被覆超硬合金製チップ1〜5は、チップの切刃の逃
げ面摩耗幅が0.3mmになるまでの時間が短く、断続乾
式切削において欠損が多く発生し、スクラッチ試験によ
る切欠き発生までの荷重も小さく、耐剥離性も劣ってい
るところからチップの寿命も短く切削性能も劣ったもの
であることが明らかである。
【0021】上述のように、この発明の硬質層被覆超硬
合金切削工具は、優れた耐摩耗性および耐欠損性を有す
るので、優れた切削性能を長期にわたって発揮すること
ができ、産業上優れた効果をもたらすものである。
合金切削工具は、優れた耐摩耗性および耐欠損性を有す
るので、優れた切削性能を長期にわたって発揮すること
ができ、産業上優れた効果をもたらすものである。
【図1】窒素ガス、並びに窒素ガスおよび炭化水素ガス
の導入量を模型的に示したグラフである。
の導入量を模型的に示したグラフである。
【図2】本発明硬質層被覆超硬合金製チップ5の基体表
面に被覆されたTiN層部分および傾斜濃度層部分の垂
直断面をオージエ分析し、その結果をもとにファクター
解析して得られたグラフである。
面に被覆されたTiN層部分および傾斜濃度層部分の垂
直断面をオージエ分析し、その結果をもとにファクター
解析して得られたグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58 B23B 27/14 B23P 15/28
Claims (1)
- 【請求項1】 超硬合金基体の表面に、窒化チタン層部
分および上記窒化チタン層の上に炭素および窒素の傾斜
濃度分布を有する炭窒化チタン層部分(以下、傾斜濃度
層部分という)からなる単一硬質層を被覆してなる切削
工具であって、 上記濃度傾斜層部分を組成式Ti(CxNy)〔ただ
し、x+y=1〕で表すと、xは、上記窒化チタン層部
分に接する内面で最小値をとり、内面から最外面に向か
って層厚方向に増加するように変化して最外面で最大値
をとり、一方、yは、上記窒化チタン層部分に接する内
面で最大値をとり、内面から最外面に向かって層厚方向
に減少するように変化して最外面で最小値をとる、こと
を特徴とする硬質層被覆超硬合金製切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6080891A JP2932732B2 (ja) | 1991-01-11 | 1991-01-11 | 硬質層被覆超硬合金製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6080891A JP2932732B2 (ja) | 1991-01-11 | 1991-01-11 | 硬質層被覆超硬合金製切削工具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04236763A JPH04236763A (ja) | 1992-08-25 |
JP2932732B2 true JP2932732B2 (ja) | 1999-08-09 |
Family
ID=13153019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6080891A Expired - Fee Related JP2932732B2 (ja) | 1991-01-11 | 1991-01-11 | 硬質層被覆超硬合金製切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2932732B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5013261B2 (ja) * | 2007-09-25 | 2012-08-29 | 三菱マテリアル株式会社 | 表面被覆切削工具 |
-
1991
- 1991-01-11 JP JP6080891A patent/JP2932732B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04236763A (ja) | 1992-08-25 |
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