JPH0617230A - 傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工具 - Google Patents

傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工具

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JPH0617230A
JPH0617230A JP19914992A JP19914992A JPH0617230A JP H0617230 A JPH0617230 A JP H0617230A JP 19914992 A JP19914992 A JP 19914992A JP 19914992 A JP19914992 A JP 19914992A JP H0617230 A JPH0617230 A JP H0617230A
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JP
Japan
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coated
hard layer
gradient
cutting tool
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JP19914992A
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Masao Kawamura
正雄 河村
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 いかなる切削に対しても優れた切削性能を示
す傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工具に関する。 【構成】 超硬合金基体の表面に、窒化チタン層を被覆
しまたは被覆せずにTi(CxNy)[ただし、x+y
=1]傾斜硬質層を被覆し、さらに前記Ti(CxN
y)[ただし、x+y=1]傾斜硬質層の上に炭化チタ
ン層を被覆してなる切削工具において、前記Ti(Cx
Ny)[ただし、x+y=1]傾斜硬質層におけるx
は、窒化チタン層に接する面で実質的に0となり、内面
から外面に向かって層厚方向に増加するように変化して
炭化チタン層に接する面で実質的に1となり、一方、y
は、超硬合金基体または窒化チタン層に接する面で実質
的に1となり、内面から外面に向かって層厚方向に減少
するように変化して炭化チタン層に接する面で実質的に
0となる傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工具。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、いかなる切削に対し
ても優れた切削性能を示す傾斜硬質層被覆超硬合金製切
削工具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、結合相形成成分として、鉄族金
属のうち1種または2種以上を含有し、さらに必要に応
じて周期律表の4a、5a、および6a族金属の炭化
物、窒化物、炭窒化物を0.5〜30重量%含有し、残
りが炭化タングステンおよび不可避不純物からなる超硬
合金基体(以下、超硬合金基体という)の表面に、Ti
C層、TiN層およびTiCN層からなる複数層で構成
された複数硬質層を被覆してなる積層硬質層被覆超硬合
金製切削工具は知られている。
【0003】これらの積層硬質層被覆超硬合金製切削工
具の複数硬質層は、一般に十分な付着強度が得られず、
付着強度を向上させるための種々の工夫が提案されてお
り、その1例として、先ず、超硬合金基体の表面に最も
付着強度の優れているTiN層を最内層として被覆し、
そのTiN層の上にTiN層よりも耐摩耗性に優れたT
iCN(C:N=一定)層を被覆し、さらに前記TiC
N(ただし、C:N=一定)層の上に耐摩耗性に優れた
TiC層を被覆することにより基体表面に対する付着強
度とともに耐摩耗性をも兼備えた複合硬質層被覆超硬合
金製切削工具が提案されている(特開昭61−1705
59号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、切削の
一層の効率かが求められており、従来よりも一層過酷な
条件の切削が行われているが、前記従来のTiN層−T
iCN(C:N=一定)層−TiC層の順に複合被覆し
た硬質層複合被覆超硬合金製切削工具は、かかる過酷な
条件の切削に対して十分な切削性能および使用寿命が得
られていない。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
一層過酷な条件の切削削に用いた場合にも一層使用寿命
の長い硬質層被覆超硬合金製切削工具を得るべく研究を
行った結果、(1) Ti(CxNy)[ただし、x+
y=1]傾斜硬質層のxが内面で実質的に0であり、内
面から外面に向かって連続的に増加するように変化する
とともに外面で実質的に1となり、一方、yが内面で実
質的に1であり、内面から外面に向かって連続的に減少
するように変化し、外面で実質的に0となるような傾斜
硬質層(以下、単に傾斜硬質層という)を、超硬合金基
体表面に被覆されたTiN層とTiC層との間に中間層
として介して被覆せしめると、従来よりも耐剥離性に優
れかつ使用寿命が長くなり、優れた硬質層被覆超硬合金
製切削工具を得ることができる、(2) 前記傾斜硬質
層は、内面が実質的にTiNとなっているために傾斜硬
質層自体が超硬合金基体に対して密着強度に優れてお
り、特別に第1層としてTiN層を形成しなくともほぼ
同等の密着効果が得られる、などの知見を得たのであ
る。
【0006】この発明は、かかる知見にもとづいて成さ
れたものであって、(a) 超硬合金基体の表面に、窒
化チタン層を被覆し、前記窒化チタン層の上に傾斜硬質
層を被覆し、さらに前記傾斜硬質層の上に炭化チタン層
を被覆してなる傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工具切削
工具、(b) 超硬合金基体の表面に傾斜硬質層を被覆
し、さらに前記傾斜硬質層の上に炭化チタン層を被覆し
てなる傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工具、に特徴を有
するものである。
【0007】この発明の傾斜硬質層被覆超硬合金製切削
工具における傾斜硬質層を含む複合被覆層を形成するに
は、イオンプレーティング装置等の物理蒸着装置を用い
る。前記物理蒸着装置に導入する混合ガスは、最初、窒
素ガス:100%、炭化水素ガス:0%となるように一
定時間導入し、物理蒸着の進行にともなって、この混合
ガスを、図1のグラフに示されるように、窒素ガス導入
量を連続的に減少させるとともに、これに反比例するよ
うに炭化水素ガスを連続的に増加するように供給し、最
終的に窒素ガス:0%、炭化水素ガス:100%となる
ように導入し、この状態を一定時間保持する。図1のグ
ラフでは、窒素ガス導入量および炭化水素ガス導入量を
直線的に連続して変化させているが、これに限定される
ものではなく、曲線的に連続して変化させてもよい。
【0008】このようにして得られたこの発明の傾斜硬
質層被覆超硬合金製切削工具における複合被覆層は、図
2に示される如く、窒化チタン層、傾斜硬質層および炭
化チタン層からなり、前記傾斜硬質層をTi(CxN
y)[ただし、x+y=1]で表すと、xおよびyの値
は、0≦x≦1および0≦y≦1の範囲内の値をとり、
xが0→1、yが1→0となるようにCおよびNが濃度
分布を有している。
【0009】したがって、超硬合金基体に被覆された窒
化チタン層に接する傾斜硬質層の面がx=0、y=1と
なって実質的にTiNとなるために窒化チタン層に対す
る付着性が優れ、一方、炭化チタン層に接する傾斜硬質
層の面がx=1、y=0となって実質的にTiCとなる
ために炭化チタン層に対する付着性が優れることにな
る。
【0010】前記傾斜硬質層を中間層として被覆するこ
とにより、従来のTiCN(ただし、C:N=一定)層
を中間層とした場合よりも最外層の炭化チタン層に対す
る付着性が優れ、使用寿命の長い硬質層被覆超硬合金製
切削工具が得られることになる。前記傾斜硬質層の厚さ
は、30μm以下であることが好ましい。30μmを越
えると切削時に基体との間に熱膨脹の差が大きくなり、
亀裂が生じて剥離しやすくなる。一方、前記傾斜硬質層
が0.5μm未満では硬質層剥離抑制効果が十分でない
ために0.5μm以上であることが好ましい。
【0011】さらに、窒化チタン層を形成することなく
傾斜硬質層を超硬合金基体に直接被覆してもよい。この
場合の混合ガスは、最初、窒素ガス:100%、炭化水
素ガス:0%となるように導入し、即座に、図3のグラ
フに示されるように、物理蒸着の進行にともなって、窒
素ガス導入量を連続的に減少させるとともに、これに反
比例するように炭化水素ガスを連続的に増加するように
供給し、最終的に窒素ガス:0%、炭化水素ガス:10
0%となるように導入し、この状態を一定時間保持す
る。図3のグラフでも、窒素ガス導入量および炭化水素
ガス導入量を直線的に連続して変化させているが、これ
に限定されるものではなく、曲線的に連続して変化させ
てもよい。
【0012】このようにして得られたこの発明の傾斜硬
質層被覆超硬合金製切削工具における複合被覆層は、図
4に示されるごとく、傾斜硬質層および炭化チタン層か
らなり、前記傾斜硬質層をTi(CxNy)[ただし、
x+y=1]で表すと、xおよびyの値は、0≦x≦1
および0≦y≦1の範囲内の値をとり、xが0→1、y
が1→0となるように変化することによりCおよびNが
図4に示される濃度分布を示し、超硬合金基体に接する
傾斜硬質層の面が実質的にTiN層となるために基体に
対する付着性が優れ、一方、炭化チタン層に接する傾斜
硬質層の面がx=1、y=0となって実質的にTiCと
なるために炭化チタン層に対する付着性が優れることに
なる。
【0013】
【実施例】つぎに、この発明の傾斜硬質層被覆超硬合金
製切削工具を実施例に基づいて具体的に説明する。
【0014】実施例1 原料粉末として、それぞれ平均粒径:3μmのCo粉
末、TiC粉末、TaC粉末、WC粉末を用意し、これ
ら粉末を、Co粉末:9重量%、TiC粉末:1重量
%、TaC粉末:2重量%、残り:WC粉末となるよう
に配合し、混合したのち、圧粉体に成型し、この圧粉体
を通常の条件で焼結して焼結体を製造し、この焼結体を
研削してISO規格TNGA160408の形状を有す
るWC基超硬合金製チップを作製した。
【0015】つぎに、このWC基超硬合金製チップを通
常のイオンプレーティング装置内の上方に装着し、一
方、前記イオンプレーティング装置内の下方には、Ti
金属を充填した。かかる状態で前記イオンプレーティン
グ装置内を1×10-5Torrの真空に保持し、昇温速
度:6℃/min.で700℃に昇温させ、つづいてこ
の温度に保持しながら、5×10-2TorrのArガス
雰囲気に保持してボンバードクリーニングした。
【0016】さらに、Ti金属を通電等により加熱蒸発
させるとともに、供給口より窒素ガスのみを10分間供
給しながらWC基超硬合金製チップ表面に厚さ:0.5
μmのTiN層を形成し、続いて窒素ガスの供給を減ら
すと共にアセチレンガスを導入し、排出口より排出しな
がらイオンプレーティング装置内の圧力を1.0×10
-4Torrに維持し、窒素ガスとアセチレンガスの混合
比が反比例するようにかつ連続的に変化させながら最終
的に窒素ガス供給量が0となるように供給して物理蒸着
を行い、前記TiN層の表面に厚さ:3.0μmの傾斜
硬質層を被覆し、さらに、続いてアセチレンガスのみを
導入し、厚さ:0.5μmのTiC層を形成し、WC基
超硬合金製チップの表面に、TiN層、傾斜硬質層およ
びTiC層からなる硬質層を被覆した本発明傾斜被覆チ
ップ1を作製した。
【0017】実施例2 実施例1において、窒素ガス供給し、即座に窒素ガスの
供給を減らすと共にアセチレンガスを導入し、排出口よ
り排出しながらイオンプレーティング装置内の圧力を
1.0×10-4Torrに維持し、窒素ガスとアセチレ
ンガスの混合比を反比例するようにかつ連続的に変化さ
せながら最終的に窒素ガス供給量が0となるように供給
して物理蒸着を行い、前記WC基超硬合金製チップの表
面に厚さ:3.5μmの傾斜硬質層を被覆し、さらに、
続けてアセチレンガスのみを10分間導入して厚さ:
0.5μmのTiC層を形成し、WC基超硬合金製チッ
プの表面に傾斜硬質層およびTiC層からなる複合層を
被覆した本発明傾斜被覆チップ2を作製した。
【0018】従来例1 一方、比較のために、実施例1で作製したWC基超硬合
金製チップを実施例1と同様にボンバードクリーニング
したのち、まず、窒素ガスを10分間流し、次に、窒素
ガス:アセチレンガス=1:1の混合ガスを60分間流
し、さらにアセチレンガスを10分間流すことにより、
前記WC基超硬合金製チップの表面に厚さ:0.5μm
のTiN層、厚さ:3.0μmのTiCN(C:N=
1:1)層および厚さ:0.5μmのTiC層の3層か
らなる従来複合被覆チップを作製した。
【0019】これら本発明傾斜被覆チップ1〜2および
従来複合被覆チップについて、下記の条件で連続切削試
験および断続切削試験を実施した。 1 連続乾式切削試験 (1) 高速切削試験 被削材:SNCM439(ブリネル硬さ:250)、 切削速度:210m/min、 送り:0.25mm/rev.、 切込み:1.5mm、 の条件で連続乾式切削し、20分切削後のクレーター摩
耗深さ(μm)を測定し、さらに切刃の逃げ面摩耗幅V
Bが0.3mmになるまでの時間(分)を測定し、それ
らの測定結果を表1に示した。
【0020】(2) 中低速切削試験 被削材:SNCM439(ブリネル硬さ:250)、 切削速度:150m/min、 送り:0.25mm/rev.、 切込み:1.5mm、 の条件で連続乾式切削し、切刃の逃げ面摩耗幅VBが
0.3mmになるまでの時間(分)を測定し、それらの
測定結果を表1に示した。
【0021】2 断続乾式切削試験 被削材:SCM440(ブリネル硬さ:300)製で軸
方向外周に4本の溝の付いた円柱体、 切削速度:100m/min、 送り:0.21mm/rev.、 切込み:1.0mm、 の条件で乾式切削し、10個の試験切刃のうちの欠損が
発生した切刃数を測定し、それらの測定結果を表1に示
した。
【0022】
【表1】
【0023】表1に示される結果から、本発明傾斜被覆
チップ1〜2は、従来複合被覆チップに比べて切削特性
が優れていることが分かる。
【0024】実施例3 JIS規格B4104のK10に相当する組成を有し、
外径:10mmのドリルを用意し、このドリルの表面を
実施例1と全く同様にしてボンバードクリーニングし、
ついで、窒素ガスを供給して厚さ:0.5μmのTiN
層を形成し、つづいて、窒素ガスの供給を減らすと共に
アセチレンガスを導入し、排出口より排出しながらイオ
ンプレーティング装置内の圧力を1.0×10-3Tor
rに維持し、窒素ガスとアセチレンガスの混合比を反比
例するように連続的に変化させながら物理蒸着を行い、
前記WC基超硬合金製ドリルのTiN層表面に厚さ:
3.0μmの傾斜硬質層を被覆し、さらに、つづいてア
セチレンガスのみを導入し、厚さ:0.5μmのTiC
層を形成することにより、前記ドリルの表面に、TiN
層、傾斜硬質層およびTiC層からなる複合被覆層を形
成し、本発明傾斜被覆ドリル1を作製した。
【0025】実施例4 実施例3で用意したドリルの表面に実施例2と全く同様
にして、窒素ガスの供給と同時に窒素ガスの供給量を減
らし、これと反比例するようにアセチレンガスを増加さ
せながら導入し、イオンプレーティング装置内の圧力を
1.0×10-3Torrに維持しながら物理蒸着を行
い、前記WC基超硬合金製ドリルの表面に厚さ:3.5
μmの傾斜硬質層を被覆し、さらに、つづいてアセチレ
ンガスのみを導入し、厚さ:0.5μmのTiC層を形
成することにより、前記ドリルの表面に傾斜硬質層およ
びTiC層からなる複合被覆層を形成し、本発明傾斜被
覆ドリル2を作製した。
【0026】従来例2 一方、比較のために、実施例3で用意したドリルをボン
バードクリーニングしたのち、窒素ガス、窒素ガス:ア
セチレンガス=1:1の混合ガス、およびアセチレンガ
スの3種類のガスを段階的に流すことにより、前記WC
基超硬合金製チップの表面に厚さ:0.5μmのTiN
層、厚さ:3.0μmのTiCN(C:N=1:1)層
および厚さ:0.5μmのTiC層の3層からなる複合
被覆層を有する従来複合被覆ドリルを作製した。
【0027】これら本発明傾斜被覆ドリル1〜2および
従来複合被覆ドリルについて、下記の条件で穴明け試験
を実施した。 3 穴明け試験 被削材:厚さ:20mmのSCM440(ブリネル硬
さ:220)からなる厚板 切削速度:60m/min、 送り:0.2mm/rev.、 の条件で2500穴の貫通穴明けし、全切削長:50m
の穴明けを行い、ドリルのマージン部の摩耗量および刃
裏部の摩耗量を測定し、それらの測定結果を表2に示し
た。
【0028】
【表2】
【0029】表2に示される結果から、本発明傾斜被覆
ドリル1〜2は、従来複合被覆ドリルに比べて穴明けに
よるマージン部および刃裏部の摩耗量が少ないところか
ら耐摩耗性に優れていることが分かる。
【0030】実施例5 JIS規格M20に相当する組成を有し、外径:6mm
のエンドミル用意し、このエンドミルの表面に実施例1
と全く同様にして厚さ:0.5μmのTiN層を形成
し、つづいて、混合ガスを窒素ガスの供給を減らすと共
にアセチレンガスを導入し、一方、使用済みの窒素ガス
およびアセチレンガスは排出口より排出しながらイオン
プレーティング装置内の圧力を1.0×10-3Torr
に維持し、窒素ガスとアセチレンガスの混合比を反比例
するように連続的に変化させながら物理蒸着を行い、前
記WC基超硬合金製エンドミルのTiN層表面に厚さ:
3.0μmの傾斜硬質層を被覆し、さらに、つづいてア
セチレンガスのみを導入し、厚さ:0.5μmのTiC
層を形成することにより、前記エンドミル表面に、Ti
N層、傾斜硬質層およびTiC層からなる複合被覆層を
形成し、本発明傾斜被覆エンドミル1を作製した。
【0031】実施例6 実施例5で用意したエンドミルの表面に実施例2とまっ
たく同様にして窒素ガスの供給を減らすと共にアセチレ
ンガスを導入し、一方、使用済みの窒素ガスおよびアセ
チレンガスを排出口より排出しながらイオンプレーティ
ング装置内の圧力を1.0×10-3Torrに維持し、
窒素ガスとアセチレンガスの混合比を反比例するように
連続的に変化させながら物理蒸着を行い、前記WC基超
硬合金製エンドミルの表面に厚さ:3.5μmの傾斜硬
質層を被覆し、さらに、つづいてアセチレンガスのみを
導入し、厚さ:0.5μmのTiC層を形成することに
より、前記エンドミル表面に傾斜硬質層およびTiC層
からなる複合被覆層を形成し、本発明傾斜被覆エンドミ
ル2を作製した。
【0032】従来例3 一方、比較のために、実施例5で用意したJIS規格M
20に相当する組成を有し、外径:6mmのエンドミル
を実施例1と同様にボンバードクリーニングしたのち、
窒素ガス、窒素ガス:アセチレンガス=1:1の混合ガ
ス、およびアセチレンガスの3種類のガスを段階的に流
すことにより、前記WC基超硬合金製チップの表面に厚
さ:0.5μmのTiN層、厚さ:3.0μmのTiC
N(C:N=1:1)層および厚さ:0.5μmのTi
C層の3層からなる複合被覆層を有する従来複合被覆エ
ンドミル作製した。
【0033】これら本発明傾斜被覆エンドミル1〜2お
よび従来複合被覆エンドミルついて、下記の条件でダウ
ンカット方式による鋼の湿式片削り試験を実施しその結
果を表1に示した。 4 ダウンカット方式による鋼の湿式片削り試験 被削材 :S43C、 切削速度 :60m/min、 一刃当たりの送り:0.01mm/rev.、 切り込み深さ :15mm、 切り込み幅 :0.05mm、 の条件で湿式片削り試験を行い、エンドミルのマージン
部の摩耗量が0.2mm以上もしくは被削材垂直面の表
面粗さ(Rmax)が3.0μm以上となった時点を寿
命とし、この寿命に至までの時間を5分単位で測定し
た。
【0034】
【表3】
【0035】表3に示される結果から、本発明傾斜被覆
エンドミル1〜2は、従来複合被覆エンドミル比べて切
削寿命が優れていることが分かる。
【0036】
【発明の効果】前記実施例1〜6および従来例1〜3に
示される結果から、この発明の傾斜硬質層被覆超硬合金
製切削工具は、従来の複合硬質層被覆超硬合金製切削工
具に比べて優れた性能を有し、工業上優れた効果をもた
らすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工具
を製造するために物理蒸着装置に導入する窒素ガスおよ
び炭化水素ガス量を模型的に示したグラフである。
【図2】この発明の傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工具
の被覆層の構成を模型的に示した断面図である。
【図3】この発明の傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工具
を製造するために物理蒸着装置に導入する窒素ガスおよ
び炭化水素ガス量を模型的に示したグラフである。
【図4】この発明の傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工具
の被覆層の構成を模型的に示した断面図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超硬合金基体の表面に被覆された窒化チ
    タン層、前記窒化チタン層の上に被覆されたTi(Cx
    Ny)[ただし、x+y=1]傾斜硬質層、さらに前記
    Ti(CxNy)[ただし、x+y=1]傾斜硬質層の
    上に被覆された炭化チタン層からなる複合被覆層を有す
    る切削工具において、 前記Ti(CxNy)[ただし、x+y=1]傾斜硬質
    層におけるxは、窒化チタン層に接する面で実質的に0
    となり、内面から外面に向かって層厚方向に増加するよ
    うに変化して炭化チタン層に接する面で実質的に1とな
    り、一方、yは、窒化チタン層に接する面で実質的に1
    となり、内面から外面に向かって層厚方向に減少するよ
    うに変化して炭化チタン層に接する面で実質的に0とな
    る、ことを特徴とする傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工
    具。
  2. 【請求項2】 超硬合金基体の表面に被覆されたTi
    (CxNy)[ただし、x+y=1]傾斜硬質層、前記
    Ti(CxNy)[ただし、x+y=1]傾斜硬質層の
    上に被覆された炭化チタン層からなる複合被覆層を有す
    る切削工具において、 前記Ti(CxNy)[ただし、x+y=1]傾斜硬質
    層におけるxは、超硬合金基体に接する面で実質的に0
    となり、内面から外面に向かって層厚方向に増加するよ
    うに変化して炭化チタン層に接する面で実質的に1とな
    り、一方、yは、超硬合金基体に接する面で実質的に1
    となり、内面から外面に向かって層厚方向に減少するよ
    うに変化して炭化チタン層に接する面で実質的に0とな
    る、ことを特徴とする傾斜硬質層被覆超硬合金製切削工
    具。
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Cited By (7)

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