JP2932317B2 - 比重調整剤 - Google Patents
比重調整剤Info
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- JP2932317B2 JP2932317B2 JP2412347A JP41234790A JP2932317B2 JP 2932317 B2 JP2932317 B2 JP 2932317B2 JP 2412347 A JP2412347 A JP 2412347A JP 41234790 A JP41234790 A JP 41234790A JP 2932317 B2 JP2932317 B2 JP 2932317B2
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- specific gravity
- fatty acid
- sucrose
- higher fatty
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- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
- Seasonings (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品用乳化香料の油相
等に使用される比重調整剤に関するものである。
等に使用される比重調整剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 背景 今日、果汁飲料等の清涼飲料の賦香に乳化香料がよく利
用される。この乳化香料はオレンジオイルやレモンオイ
ル等の植物精油やガブリル酸エチルやカプロン酸エチル
等の合成香料を水に乳化させたものであるが、比重0.80
〜0.95程度の油性香料をそのままO/W 型エマルジョンと
して比重の大きい果汁飲料に添加すると、水相・油相間
の比重差のため、油相と水相が分離して香りの悪変を起
こす。そこで対策として、油性香料に予め比重調整剤を
添加することにより、水相との比重差を少なくする処置
が採られている。そしてこの目的に使用されて来た比重
調整剤は、専らショ糖の8個の水酸基のうち、2個をア
セチル基で、残余の水酸基をイソブチル基で夫々エステ
ル化したSAIB(Sucrose acetate isobutylate) だけであ
る。
用される。この乳化香料はオレンジオイルやレモンオイ
ル等の植物精油やガブリル酸エチルやカプロン酸エチル
等の合成香料を水に乳化させたものであるが、比重0.80
〜0.95程度の油性香料をそのままO/W 型エマルジョンと
して比重の大きい果汁飲料に添加すると、水相・油相間
の比重差のため、油相と水相が分離して香りの悪変を起
こす。そこで対策として、油性香料に予め比重調整剤を
添加することにより、水相との比重差を少なくする処置
が採られている。そしてこの目的に使用されて来た比重
調整剤は、専らショ糖の8個の水酸基のうち、2個をア
セチル基で、残余の水酸基をイソブチル基で夫々エステ
ル化したSAIB(Sucrose acetate isobutylate) だけであ
る。
【0003】 従来技術の問題点 しかし、近年嗜好の多様化に連れて種々の清涼飲料が開
発されるに伴い、新しい乳化香料製剤も続々と開発され
ている。この開発に応じて、種々の比重の比重調整剤に
対する要望も強くなっているが、従来のSAIB一種だけで
はこの要望に応えることができない。
発されるに伴い、新しい乳化香料製剤も続々と開発され
ている。この開発に応じて、種々の比重の比重調整剤に
対する要望も強くなっているが、従来のSAIB一種だけで
はこの要望に応えることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明が解決し
ようとする課題は、食品用乳化香料の油相用比重調整剤
として多様性のある剤を提供することである。
ようとする課題は、食品用乳化香料の油相用比重調整剤
として多様性のある剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】 経過 従来から食品用乳化剤として広く用いられるショ糖の高
級脂肪酸エステルは、比重が小さく、かつ油脂に溶解し
にくいものもあるため、油性香料の比重調整剤としては
好ましくない。
級脂肪酸エステルは、比重が小さく、かつ油脂に溶解し
にくいものもあるため、油性香料の比重調整剤としては
好ましくない。
【0006】また、ショ糖のアセチル化物、例えばショ
糖オクタアセテートは、比重は大きいが油性香料中に溶
解しにくいため、これまた比重調整剤として適当でな
い。従って、結果的にSAIBが専用されてきたことは
上述の通りである。
糖オクタアセテートは、比重は大きいが油性香料中に溶
解しにくいため、これまた比重調整剤として適当でな
い。従って、結果的にSAIBが専用されてきたことは
上述の通りである。
【0007】しかるに本発明者は鋭意研究の結果、ショ
糖高級脂肪酸エステルのアセチル化物が、高比重にも拘
らず油性香料にも溶解しやすいこと、及び高級脂肪酸残
基とアセチル基の比率、高級脂肪酸の炭素鎖長等によっ
て、その比重を変化させ得ることを見出した。
糖高級脂肪酸エステルのアセチル化物が、高比重にも拘
らず油性香料にも溶解しやすいこと、及び高級脂肪酸残
基とアセチル基の比率、高級脂肪酸の炭素鎖長等によっ
て、その比重を変化させ得ることを見出した。
【0008】 概要 以上の知見に基づき、本発明は、ショ糖高級脂肪酸エス
テルのアセチル化物を有効成分として食品用比重調整剤
を要旨とする。以下、発明の構成に関する事項などにつ
き項別して説明する。
テルのアセチル化物を有効成分として食品用比重調整剤
を要旨とする。以下、発明の構成に関する事項などにつ
き項別して説明する。
【0009】 ショ糖高級脂肪酸エステルのアセチル
化物 本発明を構成するショ糖高級脂肪酸エステルのアセチル
化物とは、ショ糖の8個の第一級及び第二級水酸基の
内、少なくとも1個以上好ましくは1〜5個の水酸基が
高級脂肪酸残基(高級アルカノイル基)で、残りの水酸
基がアセチル基により夫々エステル化されている化合物
をいう。
化物 本発明を構成するショ糖高級脂肪酸エステルのアセチル
化物とは、ショ糖の8個の第一級及び第二級水酸基の
内、少なくとも1個以上好ましくは1〜5個の水酸基が
高級脂肪酸残基(高級アルカノイル基)で、残りの水酸
基がアセチル基により夫々エステル化されている化合物
をいう。
【0010】ここに高級脂肪酸残基としては炭素数6〜
22のもの、好ましくは炭素数12〜18のものが良く、これ
ら飽和又は不飽和或は直鎖又は分岐鎖のいづれでもよ
い。適当な高級脂肪酸残基の例として例えば以下のアル
カノイル基名を挙げることができる。
22のもの、好ましくは炭素数12〜18のものが良く、これ
ら飽和又は不飽和或は直鎖又は分岐鎖のいづれでもよ
い。適当な高級脂肪酸残基の例として例えば以下のアル
カノイル基名を挙げることができる。
【0011】ラウロイル、ミリストイル、パルミトイ
ル、ステアロイル、オレオイル。
ル、ステアロイル、オレオイル。
【0012】以上の混合アシル化ショ糖の製造法として
は、ショ糖と、対応する脂肪酸、脂肪酸の低級アルコー
ルエステル、脂肪酸無水物、脂肪酸ハロゲニドとの反応
等を挙げることができるが、別段これらの手段のみに限
られるものではない。但し一般的に言えば、予めショ糖
の3個の第一級水酸基の全部又は一部を常法に従って高
級アシル化したのち、無水酢酸又はアセチルハロゲニド
を用いて徹底的アセチル化を行うのがよい。
は、ショ糖と、対応する脂肪酸、脂肪酸の低級アルコー
ルエステル、脂肪酸無水物、脂肪酸ハロゲニドとの反応
等を挙げることができるが、別段これらの手段のみに限
られるものではない。但し一般的に言えば、予めショ糖
の3個の第一級水酸基の全部又は一部を常法に従って高
級アシル化したのち、無水酢酸又はアセチルハロゲニド
を用いて徹底的アセチル化を行うのがよい。
【0013】本発明の比重調整剤は、食品用乳化香料、
特に植物精油や合成香料に適用できる。本発明調整剤に
SAIBを併用してよい。
特に植物精油や合成香料に適用できる。本発明調整剤に
SAIBを併用してよい。
【0014】
【作用】本発明に係るショ糖高級脂肪酸エステルのアセ
チル化物は、自体比重が高く、かつ油性香料に溶解しや
すいことに加え、結合高級脂肪酸残基とアセチル基の比
率及び高級脂肪酸残基の炭素鎖長の選択によって広範囲
に亙りその比重を変化させ得るので、香料油の比重調整
剤として極めて多様性に富むという特徴を有する。
チル化物は、自体比重が高く、かつ油性香料に溶解しや
すいことに加え、結合高級脂肪酸残基とアセチル基の比
率及び高級脂肪酸残基の炭素鎖長の選択によって広範囲
に亙りその比重を変化させ得るので、香料油の比重調整
剤として極めて多様性に富むという特徴を有する。
【0015】
【実施例】以下実施例を掲げ発明実施の態様を示すが、
例示は単に説明用のもので、発明思想の限定を意図した
ものではない。
例示は単に説明用のもので、発明思想の限定を意図した
ものではない。
【0016】(a) 調製例 種々のショ糖高級脂肪酸エステルを無水酢酸によりアセ
チル化してショ糖高級脂肪酸エステルアセテートを調製
した。
チル化してショ糖高級脂肪酸エステルアセテートを調製
した。
【0017】脂肪酸の構成比及び比重を下表−1に示
す。
す。
【表1】
【0018】(b) 使用例
【0019】使用例1 上例にて調製したショ糖ステアリン酸エステルのアセチ
ル化物(No.1)を用い、下記処方に従い乳化香料を作成
した。 オレンジオイル 5% 試料No. 1 10% CMC 5% プロピレングリコール 10% 砂糖 9% クエン酸 1% 水 60%
ル化物(No.1)を用い、下記処方に従い乳化香料を作成
した。 オレンジオイル 5% 試料No. 1 10% CMC 5% プロピレングリコール 10% 砂糖 9% クエン酸 1% 水 60%
【0020】使用例2 上記調製例にて調製したショ糖ステアリン酸エステルの
アセチル化物(No.2)を用い、下記処方に従い乳化香料
を作成した。 レモンオイル 6% 試料No. 2 6% アラビアガム 5% プロピレングリコール 20% 食用黄色5号(10%溶液) 0.01 % 安息香酸ナトリウム 0.1% 水 62.89 %
アセチル化物(No.2)を用い、下記処方に従い乳化香料
を作成した。 レモンオイル 6% 試料No. 2 6% アラビアガム 5% プロピレングリコール 20% 食用黄色5号(10%溶液) 0.01 % 安息香酸ナトリウム 0.1% 水 62.89 %
【0021】使用例3 上例にて調製したショ糖パルミチン酸エステルのアセチ
ル化物(No.3)を用い、使用例2と同様に乳化香料を作
成した。
ル化物(No.3)を用い、使用例2と同様に乳化香料を作
成した。
【0022】比較例 下記処方に従い、ショ糖高級脂肪酸のアセチル化物を含
まない乳化香料を作成した。
まない乳化香料を作成した。
【0023】比較例1 オレンジオイル 5% CMC 5% プロピレングリコール 10% 砂糖 9% クエン酸 1% 水 70%
【0024】比較例2 レモンオイル 6% アラビアガム 5% プロピレングリコール 20% 食用黄色5号(10%溶液) 0.01 % 安息香酸ナトリウム 0.1% 水 68.89 %
【0025】(c) 評価 使用例1〜3及び比較例1〜2で作成した乳化香料を水
に対し1%の割合で添加し、25℃に保存してオイルオフ
(油相分離)発生の有無を観察した。結果を下表−2に
示す。
に対し1%の割合で添加し、25℃に保存してオイルオフ
(油相分離)発生の有無を観察した。結果を下表−2に
示す。
【表2】
【0026】上表から明らかなように、ショ糖高級脂肪
酸エステルのアセチル化物を比重調製剤として使用した
乳化香料は、多量の水で稀釈しても(即ち、その使用条
件においても)オイルオフを発生しないという良好な性
能を示した。
酸エステルのアセチル化物を比重調製剤として使用した
乳化香料は、多量の水で稀釈しても(即ち、その使用条
件においても)オイルオフを発生しないという良好な性
能を示した。
【0027】
【発明の効果】以上説明し、かつ実証した通り、本発明
は、食品用乳化香料の油相用比重調整剤として多様性の
ある剤を提供できたことにより、清涼飲料工業の発展及
び需要者の利益に貢献する。
は、食品用乳化香料の油相用比重調整剤として多様性の
ある剤を提供できたことにより、清涼飲料工業の発展及
び需要者の利益に貢献する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/03 A23L 1/22 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 ショ糖高級脂肪酸エステルのアセチル化
物を有効成分とする比重調整剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2412347A JP2932317B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | 比重調整剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2412347A JP2932317B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | 比重調整剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04222564A JPH04222564A (ja) | 1992-08-12 |
JP2932317B2 true JP2932317B2 (ja) | 1999-08-09 |
Family
ID=18521197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2412347A Expired - Fee Related JP2932317B2 (ja) | 1990-12-19 | 1990-12-19 | 比重調整剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2932317B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4525856B1 (ja) | 2009-12-01 | 2010-08-18 | パナソニック株式会社 | 補聴器フィッティング装置 |
-
1990
- 1990-12-19 JP JP2412347A patent/JP2932317B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04222564A (ja) | 1992-08-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |