JP2932000B2 - 縦型熱処理装置 - Google Patents

縦型熱処理装置

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JP2932000B2
JP2932000B2 JP25455490A JP25455490A JP2932000B2 JP 2932000 B2 JP2932000 B2 JP 2932000B2 JP 25455490 A JP25455490 A JP 25455490A JP 25455490 A JP25455490 A JP 25455490A JP 2932000 B2 JP2932000 B2 JP 2932000B2
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Description

【発明の詳細な説明】
「発明の目的」
【産業上の利用分野】
本発明は、縦型熱処理装置に関するものである。
【従来の技術とその課題】
半導体ウエハを拡散炉の反応容器に搬入して加熱処理
を行なう場合、縦方向に所定間隔をおいて多数枚のウエ
ハを搭載した処理用ボートを保温筒に載置し、これを搬
出搬入機構を介して反応容器内に搬入し、更に、処理用
ボートを回転させながら、この容器内に処理ガスを導入
して各半導体ウエハを断面均熱状態に加熱処理を実行す
ようにしている。 この場合、処理ガスを容器内に導入するため、容器の
上方より処理ガスを導入したり、容器内にインジェクタ
を挿入し、このインジェクタの長さ方向に沿ってウエハ
の所定間隔ごとに複数の噴出孔を形成し、この噴出孔よ
り処理ガスを供給する方法などが採用されている。この
うち半導体ウエハに対して処理ガスを導入してりんドー
ピングを行なうことがあるが、この場合は、反応容器内
を通常、900〜1200℃程度まで加熱し、この反応容器の
内部にO2、N2等のキャリアガスにオキシ塩化りん(POCl
3)を含んだ処理ガスを導入して各半導体ウエハをりん
ドーピングする。 この処理ガスであるPOCl3は腐食性ガスであるため、
反応容器内に導入された処理ガスが接触する部分は、耐
腐食性の材料で形成する必要がある。そのため、処理ガ
スが接触する反応容器等の部分は、非金属製の素材とし
て、通常、石英ガラスが用いられている。 しかし、この反応容器内に搬入搬出される処理用ボー
ト或は保温筒や蓋体等の表面には、大気中の水分が吸着
しており、この水分が処理ガス中に含まれているPOCl3
と反応して五酸化リン(P2O5)を主とした反応生成物が
発生する。このP2O5を主とした反応生成物は生成状態に
より液状及び固形状であり、特に液状のものは腐食性が
強くステンレススチール等を容易に溶解してしまう。こ
の液状反応生成物が多くなると、処理用ボート搬入搬出
時に装置外に流出して装置及び周辺機器を腐食させてし
まうという問題点があった。 本発明は、上記の実情に鑑みて開発したものであり、
反応容器内において発生した液状の反応生成物を安全に
貯留して装置及び周辺機器の腐食防止を図ることを目的
とした縦型熱処理装置である。 「発明の構成」
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、処理ガスが接
触する部分を耐熱性非金属製反応容器で構成した縦型熱
処理装置において、上記反応容器の下部に蓋体部を開閉
可能に設け、この蓋体部の閉止時にリップシールなどで
反応容器の開口部を密封シールすると共に、この蓋体部
には環状の外筒と内筒で断面U字状に形成した受皿状の
液溜部を設け、この液溜部を液溜後の所定期間毎に洗浄
するようにした。
【作 用】
従って、本発明によると、多数枚の被処理体を搭載し
た被処理体収納ボートを搬入搬出機構により反応容器に
搬入し、反応容器内に処理ガスを供給すると、容器内の
処理用ボート或は保温筒や蓋体等の表面に吸着された大
気中の水分と処理ガスが反応して不用な反応生成物が発
生しても、この反応生成液体は蓋体部に設けられた液溜
部に流下して集められ貯留される。 従って、反応生成液体は安全に貯留されているので、
ボートを搬入搬出しても不要に反応生成液体が流出する
ことはない。
【実施例】
以下、本発明を半導体ウエハの酸化・拡散を行なう縦
型熱処理装置に適用した実施例につき図面を参照して具
体的に説明する。 第1図において、反応容器1は、石英ガラスにより円
筒状に形成され、その軸方向を垂直方向とすることによ
り縦型熱処理部を構成している。 この反応容器1の反応容器壁2の下方位置に、容器壁
2から外側に突出させて一体に形成した突出筒部3より
石英ガラスで形成した先端を密封した細管状のインジェ
クタ4を挿入し、このインジェクタ4には、多数の噴出
孔5を形成している。 このインジェクタ4から反応容器1内に供給される処
理ガスは、オキシ塩化りん(POCl3)を含んだO2、N2
導入して半導体ウエハ6にりんドーピングを行なうよう
にしており、この導入されるPOCl3は腐食性ガスであ
り、また、反応容器1の周囲にはヒータ7を設け、反応
容器1内を、通常、900〜1200℃程度まで加熱して、酸
化や拡散処理を行ない、反応容器1の下部には排気管8
を設け、この排気管8より反応容器1内に導入した処理
ガスを排気するようにしている。 この反応容器1内には、被処理体収納ボート9を保温
筒25に載置して図示しない搬入搬出機構を介して搬入ま
たは搬出させ、このボート9には、第1図に示すように
所定間隔をおいて多数枚の半導体ウエハ6を搭載し、加
熱処理された反応容器1内に処理ガスを導入して半導体
ウエハ6を酸化や拡散処理を行なうようにしている。 この場合、被処理体収納ボート9は、駆動モータ10に
ベルト11を介して駆動軸12を回動可能に設け、この駆動
軸12の上部に金属製の軸受部13を設け、この軸受部13に
設けた石英ガラス製のボート支受部14を介して被処理体
収納ボート9を回転可能に設ける。 軸受部13は材質、例えばステンレススチールなどは耐
荷重製の金属が用いられる。 更に、駆動軸12にはベアリング15を介して反応容器1
の下方開口部16を被蓋するための石英ガラス製の蓋体部
例えば開閉蓋部材17をボート9と一体に搬入搬出できる
ように構成している。この開閉蓋部材17は、環状の外筒
と内筒で断面U字形状を呈し、このU字部分に液溜部17
Aを設けている。また、この開閉蓋部材17には、反応容
器1の開口部16を密封シールするための例えば弾性体の
フッ素ゴムからなるリップシール18を設け、更に、開閉
蓋部材17に設けた供給路19(供給路19は、石英製の開閉
蓋17ではなく、ステンレス製の蓋に設けられている)よ
り、N2等の不活性ガスやO2などの軸受部13に対して非腐
食性のガスを供給し、この供給路19に連通させたリング
状の空洞部20より軸受部13に対向させて放射状に複数開
口させた流出孔21より軸受部13の露出表面の雰囲気スペ
ースS内に不活性ガスを流出させるように構成してい
る。 次に、上記実施例の作用を説明する。 多数枚の半導体ウエハ6を搭載した被処理体収納ボー
ト9を搬入搬出機構により反応容器1内に搬入し、反応
容器1内に挿入したインジェクタ4よりPOCl3とO2を供
給すると、容器1内のインジェクタ4より半導体ウエハ
6の所定間隔ごとに処理ガスが供給されてウエハ6は断
面均熱状態に加熱処理され、ウエハ6には、りんドーピ
ングがなされる。 この場合、反応容器1や被処理体収納ボート9等のよ
うに処理ガスが接触する部分は、非金属製の材料で形成
し、非処理体収納ボート9の回転駆動用の軸受部13は金
属で形成されているが、少なくとも半導体ウエハ6を処
理している期間中に、N2等の不活性ガスを供給路19より
供給して流出孔21から雰囲気スペースSに流出させて軸
受部13の金属を不活性ガス雰囲気にする。即ち、少なく
とも腐食性ガスの混入するガスを導入する期間、露出す
る表面を不活性ガスで被い保護する。 従って、軸受部13の露出する金属表面は処理ガス中の
腐食性ガスによって腐食されることから保護できると共
に、特に、この不活性ガスを処理ガス中のキャリアガス
と同一種類のガスを反応容器1内の下方に位置している
軸受部13に供給することにより不活性雰囲気にすること
ができるため、反応容器1内の半導体ウエハ6の処理に
は影響を与えないばかりでなく、被処理体収納ボート9
は、金属製の軸受部13を介して回転駆動することにな
る。 この不活性ガスの噴出量は多量に流す必要がなく、反
応ガスに金属露出面が接触しないようにすれば良い。 従って、不活性ガス放出のタイミングも、反応ガスの
導入と同時か、早くても良いし、反応ガス導入後でも、
反応ガスが金属露出面に到達前であれば良い。 更に、不活性ガス導入の終了は、反応ガスを総て排気
後行なうのが望ましい。 軸受部13に供給するガスは不活性ガスに限らず、金属
性の軸受部13に対して非腐食性のガスであり、被処理体
処理ガス中に含まれているガスならばどのようなもので
もよく、例えばO2でも良い。 次に、処理用ボート9或は保温筒25や蓋部材17等の表
面に吸着された水分はPOCl3と反応して五酸化リン(P2O
5)を主成分とした反応生成液体が生成される。 この反応生成液体は処理用ボート9或は保温筒25や蓋
部材17等の表面に付着し、生成量が多くなると、適下し
て蓋部材17に設けられた液溜部17Aに貯留される。従っ
て、POCl3を処理ガスとして用いるバッチ式熱処理を例
えば20回連続して行なっても上記液溜部17Aに反応生成
液体が貯留され溢れ出ることはないので、装置内の軸受
部等の金属部分に反応生成液体が接触することなく、装
置内の腐食を防止することができる。 また、ボート搬入搬出時に蓋部材17を開閉しても装置
外に反応生成液体が流出することなく装置周辺機器を腐
食させることもない。そして液溜部17Aに貯留された反
応生成液体は一定期間毎に洗浄されるようにすればよ
い。 「発明の効果」 以上のことから明らかなように、本発明によると次の
ような優れた効果がある。 反応生成液体の多いバッチ式処理を連続して行なって
も反応生成液体が蓋体部の液溜部に貯留されるので、装
置内の腐食を防止することができる。 また、ボート搬入搬出時に蓋体を開閉しても装置外へ
反応生成液体が流出することなく、装置周辺機器を腐食
させることもないと共に、蓋体部の閉止時に確実に密封
シールしているので、密封性が高く、また、所定期間後
に液溜部を洗浄するようにして処理効率の向上を図るよ
うにしている等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明における縦型熱処理装置の一実施例を示
した正面図、第2図は同上におえるボートの軸受部分を
示した一部拡大断面図である。 1……反応容器 6……被処理体 9……被処理体収納ボート 13……軸受部 17……蓋体部(被蓋部材) 17A……液溜部 21……流出孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】処理ガスが接触する部分を耐熱性非金属製
    反応容器で構成した縦型熱処理装置において、上記反応
    容器の下部に蓋体部を開閉可能に設け、この蓋体部の閉
    止時にリップシールなどで反応容器の開口部を密封シー
    ルすると共に、この蓋体部には環状の外筒と内筒で断面
    U字状に形成した受皿状の液溜部を設け、この液溜部を
    液溜後の所定期間毎に洗浄するようにしたことを特徴と
    する縦型熱処理装置。
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