JP2931891B2 - パーキングロックギヤ付きカウンタドリブンギヤの一体製造方法 - Google Patents

パーキングロックギヤ付きカウンタドリブンギヤの一体製造方法

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JP2931891B2 JP26736995A JP26736995A JP2931891B2 JP 2931891 B2 JP2931891 B2 JP 2931891B2 JP 26736995 A JP26736995 A JP 26736995A JP 26736995 A JP26736995 A JP 26736995A JP 2931891 B2 JP2931891 B2 JP 2931891B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はパーキングロックギ
ヤ付きカウンタドリブンギヤの一体製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の分野で使用される部品としてパ
ーキングロックギヤ付きカウンタドリブンギヤが知られ
ている。このパーキングロックギヤ付きカウンタドリブ
ンギヤは、オートマチック車を駐車する際に自動車の駆
動系を固定するものであり、その形状は全体が円盤状で
あり、軸方向の一端側にカウンタドリブン部と、他端側
にパーキングロック部をもつ。
【0003】このパーキングロックギヤ付きカウンタド
リブンギヤの一体製造法が特開平1−180748号公
報に開示されている。この一体製造法は、鍛造型で素材
を熱間鍛造して円盤状の荒カウンタドリブン部とその一
側面に一体的に形成された荒パーキングロック部をもつ
荒地鍛造品を得て、次に、内歯状型面を有し軸腔状のキ
ャビティをもつ仕上鍛造型で荒地鍛造品を冷間鍛造し、
パーキングロック部の外周部にパーキングロックギヤを
形成するものである。
【0004】この方法では仕上工程でパーキングロック
ギヤの歯形を冷間鍛造で成形するためキャビティーへの
材料の充満が不十分で歯先端に欠肉が生じ、後工程でパ
ーキングロックギヤの歯先端面を切削して歯先端を削り
だす必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためのもので、パーキングロックギヤの歯先
端面の切削が不要なパーキングロックギヤ付きカウンタ
ドリブンギヤの一体製造品を得ることができるパーキン
グロックギヤ付きカウンタドリブンギヤの一体製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者は、冷間鍛造工程でパーキングロックギヤ
を再成形してパーキングロックギヤを構成する部分に比
較的大きな塑性流動を与え、この状態でパーキングロッ
クギヤの端面をコイニングすることに想到し、試行錯誤
の末に本発明を完成したものである。
【0007】即ち、本発明のパーキングロックギヤ付き
カウンタドリブンギヤの一体製造方法は、荒地キャビテ
ィをもちパーキングロックギヤの粗歯形を内歯に有する
荒地鍛造型で鉄系素材を熱間鍛造し、軸方向の一端側の
外周面にパーキングロックギヤの粗ロック歯部と、該粗
ロック歯部の軸芯側でかつ同軸的に該一端面に該一端側
より他端側に深くなる粗リング溝と、該他端側にカウン
タドリブン部とを有する荒鍛造品を成形する熱間鍛造工
程と、該荒鍛造品の該粗ロック歯部を、該粗ロック歯部
の大径及び歯幅より小さい大径及び歯幅をもつ内歯を有
し該粗ロック歯部をサイジング加工する歯成形型と該歯
成形型とほぼ型対象で該歯成形型のキャビティ内に軸方
向に相対移動可能に保持され該荒鍛造品の該一端面側の
該粗ロック歯部端面をコイニングする入れ子型と、該歯
成形型および該入れ子型と対向し該荒鍛造品を強圧する
ポンチ型とで冷間鍛造し、該荒鍛造品の該粗ロック歯部
該歯成形型に該ポンチ型で軸方向に押し込んでサイジ
ングする成形とその後にサイジングされた該粗ロック歯
部の該一端側端面を該ポンチ型と該入れ子型とで軸方向
に強圧によりコイニングして、該一端面側の角部に欠肉
の無いロック歯部を形成する冷間鍛造工程と、からなる
ことを特徴とする。
【0008】本発明の一体製造方法では、熱間鍛造によ
って最終の製品寸法より歯大径及び歯幅のわずか大きい
粗ロック歯部を形成し、この粗ロック歯部を冷間鍛造で
サイジングして歯大径及び歯幅を縮小して、材料を歯先
端面方向に流動させ、所定寸法の歯大径及び歯幅を有す
るロック歯に塑性加工する。そしてこのサイジングの最
終段階でコイニングして粗ロック歯部の端面を強圧し、
端面と歯先の交わる角部に材料を送り、角部の欠肉を埋
め、角部に欠肉がないロック歯部とするものである。
【0009】熱間鍛造工程では粗ロック歯部の一端面側
の角部に凸部をもつように熱間鍛造するのが好ましく、
この凸部はコイニング時に材料の角部への流動を容易に
し、低い荷重で角部の欠肉を解消するのに役立つ。ま
た、熱間鍛造工程で粗ロック歯部の歯元に近い部分に歯
幅が狭い凹溝を持つように熱間鍛造するのが好ましく、
この凹溝は冷間鍛造時のサイジングを一層容易にすると
ともに、材料に余剰が生じた時にその余剰を吸収し、サ
イジング抵抗を下げる。
【0010】本発明の一体製造方法では、サイジングと
同時にコイニングを行っているため比較的低い押し込み
荷重で歯先端の欠肉を解消できる。このため型寿命が延
び、生産性が高まり、製造コストが低くなる。なお、熱
間鍛造で粗ロック歯部の軸芯側でかつ同軸的に一端面に
一端側より他端側に深くなる粗リング溝を形成するの
は、入れ子型でこの粗リング溝を押圧し、粗ロック歯部
を形成する材料が軸芯方向に流れるのを阻止するもので
ある。なお、粗リング溝を押圧する入れ子型のリング状
の凸部分を粗リング溝より大きくし、粗リング溝の外側
にある材料をさらに遠心方向に押し込むようにすること
もできる。このように入れ子型を粗リング溝へ押圧し、
粗ロック歯部を遠心方向に押し込むことによって粗ロッ
ク歯部が歯成形型面に強く当り、精度の高い歯形を有す
るロック歯が得られる。
【0011】なお、カウンタドリブン部は従来通り切削
加工で歯形を形成してもよい。また、他の方法で歯形を
形成してもよい。パーキングロックギヤ付きカウンタド
リブンギヤは鉄系材料で形成でき、その組成は、例え
ば、C0.18〜0.23%、Si0.15〜0.35
%、Mn0.60〜0.85%、P0.03%以下、S
0.03%以下、Cr0.90〜1.20不可避の不純
物、残部鉄とすることができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明に係るパーキングロックギヤ付
きカウンタドリブンギヤの製造方法の一実施例につい
て、第1図〜第11図を参照して説明する。 (第1工程)まず第1工程では、第1図(a)に示す短
い円柱状の鉄系素材(SCr420)を加熱炉で115
0〜1250℃程度の熱間状態に加熱する。そして、熱
間状態に加熱した鉄系素材を、上下方向に強圧して
(b)に示すつぶしとし、さらに型鍛造して(C)に示
す荒地とする。そしてこの荒地を熱間仕上げ鍛造して
(d)に示す熱間仕上げ鍛造品とし、最後に軸孔を打ち
抜き(e)に示す荒鍛造品とする。 (荒鍛造品)この荒鍛造品の斜視図を図2に示す。この
荒鍛造品100は、軸孔101とその軸方向の一端側に
パーキングロック部110と他端側にカウンタドリブン
部120とを持つ。パーキングロック部110はその外
周面側に粗ロック歯部111を持つ。そしてこの粗ロッ
ク歯部111と軸孔101との間に粗リング溝102が
形成されている。このためパーキングロック部110は
カウンタドリブン部120の一端面より軸方向に突出し
たリング状外歯車状となっている。
【0013】この荒鍛造品100は、図3にパーキング
ロック部110の端部を拡大して示すように、粗ロック
歯部111の端面となる歯先端面103の角部に凸部1
05がつけられている。また一部の角部106は欠肉状
態になっている。さらに、この荒鍛造品100の粗ロッ
ク歯部111を区画する歯先面を結ぶ大径は、最終製品
のパーキングロック歯の大径よりわずが大きく形成され
ている。粗ロック歯部111の歯幅は、最終製品のパー
キングロック歯の歯幅よりわずか幅広に形成されてい
る。また、粗ロック歯部111の歯元に近い両側の部分
には軸方向に延びる凹溝104が形成され、粗ロック歯
部111の歯元に近い部分の歯幅は狭くなっている。 (熱間鍛造仕上げ金型構成) この荒鍛造品100を製造するために用いた熱間鍛造仕
上げ金型構成を図4に示す。この熱間仕上げ鍛造型は、
大別すると、下型500と上型570とからなる。下型
500は、外側型部510と、この外側型部510の軸
孔に装着された筒状の中間型部520と、この中間型部
520の軸孔に装着され内周面に粗ロック歯部111を
形成する歯形面をもち上端面がカウンタドリブン部12
0の一端面を形成する筒状の歯型部530と、この歯型
部530のキャビティ内に軸方向に相対移動可能に保持
され歯先端面103を形成する入れ子型540と、この
入れ子型540の軸孔に相対移動可能に装着されたノッ
クアウト550とからなる。一方、上型570は、中間
型部520に挿入されその下面がカウンタドリブン部1
20の他端面を形成する主ポンチ580とこの主ポンチ
580の軸孔に装着され主ポンチ580の下面より突出
する軸穴形成ポンチ590とからなる。そして上型57
0の下面、下型500の歯型部530、入れ子型部54
0およびノックアウト550の主として上面さらに中間
型部520の内周面で囲まれた空間がキャビティ505
となり、このキャビティ505に図1の(c)に示す荒
地鍛造中間品が投入され、下型500と上型570との
間で強圧されて熱間仕上げ鍛造される。
【0014】下型500を構成する歯型部530の拡大
した縦断面図を図5に、入れ子型部540の拡大斜視図
を図6に示す。歯型部530は、内周面に軸方向に走る
規則的な突条531および溝532をもつ。この突条5
31および溝532が歯成形面を構成する。そしてこの
歯成形型530の上面535がカウンタドリブン部12
0のパーキングロック部110側の端面と当接しその端
面を成形する。
【0015】入れ子型部540の全体斜視図を図6に示
す。この入れ子型部540はその外周面に歯型部530
の内周面と型対称な外歯状の軸方向に延びる突条541
および溝542をもつ。そしてその上面はコイニング面
となり、中央部に粗リング溝102を成形するリング状
の突条545そしてその周縁にパーキングロック部11
0の歯先端面103をコイニングするコイニング面54
6を持つ。
【0016】入れ子型540のコイニング面546の先
端の両角の部分は三角形状に一段低い凹部547となっ
ている。この凹部547は粗ロック歯部111の歯先端
面103の先端両角の凸部を形成するためのものであ
る。なお、この凹部547は三角形状に限定されるもの
ではなく、歯先端面の大径に沿った円周溝のように両角
の凹部が連なった形状でも良いこの入れ子型540は歯
型部530のその軸芯に下側より挿入保持され、歯型部
530の軸孔の底の部分を形成する。
【0017】第1工程では、熱間鍛造であるため、高精
度の鍛造品が得られない。また、欠肉の無い鍛造品を得
るように大きな押圧力を懸けると、型寿命が極端に短く
なると共に歯型部530と入れ子型540との隙間に材
料が入り込みバリが発生する。バリが発生するとバリ取
り工程が必要となり、コストアップとなる。このため、
ある程度押圧力を弱くし、バリの発生を抑制し型寿命が
長くなるようにしている。このため前記した荒鍛造品1
00の粗ロック歯部111の端面となる歯先端面103
の角部が欠肉となるのは避けられない。 (第2工程)第2工程では、第1図(e)に示す荒鍛造
品100を冷間鍛造によりその粗ロック歯部111をサ
イジングするとともに歯先端面103の凸部105をコ
イニングして粗ロック歯部111と歯先端面103の角
部に材料を供給し、図7に示す欠肉の無い角部が形成さ
れたパーキングロックギヤ付きカウンタドリブンギヤの
鍛造品を形成するものである。
【0018】この第2工程では、荒鍛造品100がその
粗ロック歯部111の歯大径及び歯幅を最終の製品寸法
よりわずか大きく形成されているのを、サイジンクして
歯大径及び歯幅を縮小し、歯部111を構成する材料を
歯先端面に塑性変形させて移動させる。これにより所定
寸法の歯大径及び歯幅をもったロック歯部が形成され
る。
【0019】また、サイジングの終了直前に荒鍛造製品
100の粗リング溝102の粗ロック歯側の内壁面を押
圧し、材料を遠心方向に押し込む。これにより、粗ロッ
ク歯部111が歯成形型面に強く当り、高精度のロック
歯が得られる。このサイジングの最終段階で歯先端面1
03の凸部105をコイニングする。コイニング時には
サイジングによる歯先端面方向への材料流動と粗リング
溝102の粗ロック歯側の側面の押圧による遠心方向の
材料流動が重畳させるため一層容易に凸部105の材料
はコイニングにより歯先に向かい、粗ロック歯部111
の歯先端面103の角部に材料が供給され、角部の欠肉
が埋まり、無くなる。これにより、目的とするパーキン
グロック歯部をもつパーキングロックギヤ付きカウンタ
ドリブンギヤの鍛造品が得られる。 (パーキングロックギヤ付きカウンタドリブンギヤの鍛
造品)このパーキングロックギヤ付きカウンタドリブン
ギヤの鍛造品の斜視図を図7に示す。この鍛造品200
は、軸孔201とその軸方向の一端側にパーキングロッ
ク部210と他端側にカウンタドリブン部220とを持
つ。パーキングロック部210はその外周面側にロック
歯部211を持つ。そしてこのロック歯部211と軸孔
201との間にリング溝202が形成されている。
【0020】この鍛造品はその拡大した部分斜視図を図
8に示すように歯先端面203はほぼ平坦になってい
る。 (冷間鍛造金型構成) この鍛造品200を製造するために用いた冷間鍛造金型
構成を図9に示す。この冷間鍛造型は、下型600と上
型670とからなる。下型600は、外側型部610
と、この外側型部610の軸孔に装着され内周面にサイ
ジングによりロック歯部211を形成する歯型面をもち
上端面がカウンタドリブン部220の一端面を形成する
筒状の歯成形型630と、この歯成形型630のキャビ
ティ内に軸方向に相対移動可能に保持され歯先端面20
3をコイニングにより形成する入れ子型640と、この
入れ子型640の軸孔に装着されたノックアウト650
とからなる。一方、上型670は、歯成形型630およ
び入れ子型640の上方に同軸的に保持されその下面が
カウンタドリブン部220の他端面を形成する主ポンチ
690とこの主ポンチ690の軸孔に装着された軸穴形
成ポンチ680とからなる。
【0021】歯成形型630のその軸芯を通る面で切断
した縦断面図を図10に示す。この歯成形型630は、
内周面に軸方向に走る規則的な突条631および溝63
2をもつ。この突条631および溝632が歯成形面を
構成する。そしてこの歯成形型630の上面635がカ
ウンタドリブン部220のパーキングロック部210側
の端面と当接しその端面を成形する。
【0022】入れ子型640の全体斜視図を図11に示
す。この入れ子型640はその外周面に歯成形型630
の内周面と型対称な外歯状の軸方向に延びる突条641
および溝642をもつ。そしてその上面はコイニング面
となり、中央部にリング溝202を成形するリング状の
突条645そしてその周縁にパーキングロック部210
の歯先端面203をコイニングするコイニング面646
を持つ。
【0023】リング状の突条645はの荒鍛造品100
の粗リング溝102に係合してこの粗リング溝102の
粗ロック歯側の側面を僅かに遠心方向に付勢するもの
で、リング状の突条645の外周面側の側面647は荒
鍛造品100の粗リング溝102の粗ロック歯側の内壁
面より僅かに大きく形成されている。入れ子型640の
コイニング面646の部分を拡大して図12に示す。こ
のコイニング面646は平坦となっている。
【0024】この入れ子型640は歯成形型630のそ
の軸芯に下側より挿入保持され、歯成形型630の軸孔
の底の部分を形成する。 (冷間鍛造)この冷間鍛造金型を用い荒鍛造品100を
冷間鍛造する。まず、図13に示すように、冷間鍛造金
型の下型600上に荒鍛造品100を据える。そして下
型600と上型670との間で荒鍛造品100を強圧す
る。これにより荒鍛造品100の粗ロック歯部111が
歯成形型630の歯成形軸孔に押し込まれる。この歯成
形型630の上面635に開口する歯成形軸孔の開口部
分はロート状に開口が広がっており、荒鍛造品100を
導入する導入角αが形成されている。この実施例ではα
は15°となっている。このため荒鍛造品100は容易
に歯成形型630の歯成形軸孔に押し込まれる。
【0025】鍛造品100が押し込まれることにより、
その粗ロック歯部111の歯大径及び歯幅が縮小する方
向に塑性変形され、粗ロック歯部111を形成する材料
は主として歯先端面の方向に流動する。その縮小量cは
好ましくは0<c≦0.5mmの範囲内で設定される。縮
小量cが大き過ぎると材料が歯成形型の導入部付近で膨
らみ折れ込み状の欠陥が発生する。この実施例では大径
の縮小量cは0.2mm歯幅の縮小量cは0.1mmとなっ
ている。なお、一部の材料は歯元の方に流れ、粗ロック
歯部111の歯元に近い両側の部分に形成されている軸
方向に延びる凹溝104を埋めるようにして吸収され
る。
【0026】鍛造品100がさらに押し込まれ、図14
に示すように入れ子型640のコイニング面646によ
り鍛造品100がコイニングされると鍛造品200が成
形される。コイニングの状態では鍛造品100の粗リン
グ溝102が入れ子型640のリング状の突条645に
より図14に示すdだけ拡径され、粗ロック歯部111
の材料が遠心方向に流動する。この実施例ではdは0.
3mmとなっている。この粗ロック歯部111の遠心方向
への材料流動と粗ロック歯部111の歯大径及び歯幅の
縮小による材料の歯先端面方向への流動および粗ロック
歯部111の歯先端面103の凸部105のコイニング
による押圧により、精度の高いロック歯部211が再成
形され、鍛造品200の図7に示す欠肉の無い歯先端面
203の角部が形成される。
【0027】これによりパーキングロックギヤ付きカウ
ンタドリブンギヤの鍛造品200が形成される。なお、
粗ロック歯部111の欠肉部が多いときには、凸部10
5の高さを増し、粗リング溝102の拡径量を多くする
等の調節を行ない、最適のコイニング量および拡径量を
選択する必要がある。 (実施例の効果)さて本実施例にかかる製造方法では、
第1工程の熱間鍛造で歯大径及び歯幅が最終の製品寸法
よりわずか大きい粗ロック歯部111をもつ鍛造品10
0を形成し、第2工程の冷間鍛造工程で粗ロック歯部1
11のハ大径及び歯幅を縮小するように押し込み粗ロッ
ク歯部111を形成している材料を歯先端面方向へ流動
するようにしている。そしてコイニング時に粗ロック歯
部111の遠心方向への材料流動と粗ロック歯部111
の歯大径及び歯幅の縮小による材料の歯先端面方向への
流動およびコイニングによる押圧により、精度の高いロ
ック歯部211が再成形され、歯先端面103の角部に
材料が十分に流れ、角部に欠肉の無い鍛造品200が得
られる。
【0028】なお、本実施例の第1工程の熱間鍛造工程
で、粗ロック歯部111の歯元に近い両側の部分に軸方
向に延びる凹溝104を形成している。この凹溝104
が存在するため次の第2工程の冷間鍛造工程で粗ロック
歯部111の歯幅を押し込む際、余分の材料が凹溝10
4に吸収される。これにより押し込み圧力を低くするこ
とができ、型寿命の向上に貢献する。 〔発明の効果〕以上説明したように本発明にかかる製造
方法では、パーキングロックギヤの歯先端面の切削が不
要で精度の高いパーキングロック歯を有するパーキング
ロックギヤ付きカウンタドリブンギヤの一体製造品を得
ることができる。また本発明の鍛造法では冷間鍛造を低
荷重で行うことができ金型の寿命が長くなり、型費も低
減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の第1工程の熱間鍛造で鍛造される素
材、中間鍛造品および荒鍛造品のそれぞれの断面を示す
図である。
【図2】実施例の第1工程で得られた荒鍛造品の斜視図
である。
【図3】図2に示す荒鍛造品の歯先部分を拡大して示す
部分拡大斜視図である。
【図4】実施例の第1工程の熱間鍛造仕上げ金型構成を
示す要部断面図である。
【図5】図4に示す熱間鍛造仕上げ金型構成の歯型部の
拡大した縦断面を示す図である。
【図6】図4に示す熱間鍛造仕上げ金型構成の入れ子型
部拡大斜視図である。
【図7】実施例で製造されたパーキングロックギヤ付き
カウンタドリブンギヤの鍛造品の斜視図である。
【図8】図7に示すパーキングロックギヤ付きカウンタ
ドリブンギヤの歯先端面部分の部分拡大斜視図である。
【図9】実施例の第2工程の冷間鍛造金型構成を示す要
部断面図である。
【図10】図9に示す冷間鍛造金型構成の歯成形型の縦
断面図である。
【図11】図9に示す冷間鍛造金型構成の入れ子型の拡
大斜視図である。
【図12】図11に示す入れ子型のコイニング面を示す
部分拡大斜視図である。
【図13】実施例の冷間鍛造の押し込み前の状態を示す
要部断面図である。
【図14】実施例の冷間鍛造の押し込み完了時の状態を
示す要部断面図である。
【符号の説明】 100…荒鍛造品、110…パーキン
グロック部、120…カウンタドリブン部、101…軸
孔、103…歯先端面、104…凹溝、105…凸部、
111…粗ロック歯部、200…鍛造品、201…軸
孔、202…リング溝、203…歯先端面、210…パ
ーキングロック部、211…ロック歯部、220…カウ
ンタドリブン部、500…下型、510…外側型部、5
20…中間型部、530…歯型部、540…入れ子型、
550…ノックアウト、570…上型、580…主ポン
チ、590…軸穴形成ポンチ、600…下型、610…
外側型部、630…歯成形型、640…入れ子型、65
0…ノックアウト、670…上型、690…主ポンチ、
680…軸穴形成ポンチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−180748(JP,A) 特開 平7−124682(JP,A) 特公 平3−56821(JP,B2) 特公 平6−73712(JP,B2) 特公 昭49−11543(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21K 1/30 B21J 13/02 F16H 55/17

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荒地キャビティをもちパーキングロックギ
    ヤの粗歯形を内歯に有する荒地鍛造型で鉄系素材を熱間
    鍛造し、軸方向の一端側の外周面にパーキングロックギ
    ヤの粗ロック歯部と、該粗ロック歯部の軸芯側でかつ同
    軸的に該一端面に該一端側より他端側に深くなる粗リン
    グ溝と、該他端側にカウンタドリブン部とを有する荒鍛
    造品を成形する熱間鍛造工程と、 該荒鍛造品の該粗ロック歯部を、該粗ロック歯部の大径
    及び歯幅より小さい大径及び歯幅をもつ内歯を有し該粗
    ロック歯部をサイジング加工する歯成形型と該歯成形型
    とほぼ型対象で該歯成形型のキャビティ内に軸方向に相
    対移動可能に保持され該荒鍛造品の該一端面側の該粗ロ
    ック歯部端面をコイニングする入れ子型と、該歯成形型
    および該入れ子型と対向し該荒鍛造品を強圧するポンチ
    型とで冷間鍛造し、該荒鍛造品の該粗ロック歯部を該歯
    成形型に該ポンチ型で軸方向に押し込んでサイジングす
    る成形とその後にサイジングされた該粗ロック歯部の該
    一端側端面を該ポンチ型と該入れ子型とで軸方向に強圧
    によりコイニングして、該一端面側の角部に欠肉の無い
    ロック歯部を形成する冷間鍛造工程と、 からなることを特徴とするパーキングロックギヤ付きカ
    ウンタドリブンギヤの一体製造方法。
  2. 【請求項2】熱間鍛造工程で粗ロック歯部の一端面側の
    角部に凸部を持つように熱間鍛造される特許請求範囲第
    1項記載のパーキングロックギヤ付きカウンタードリブ
    ンギヤの一体製造方法。
  3. 【請求項3】熱間鍛造工程で粗ロック歯部の歯元に近い
    部分は歯幅が狭い凹溝を持つように熱間鍛造される特許
    請求の範囲第1項記載のパーキングロックギヤ付きカウ
    ンタドリブンギヤの一体製造方法。
  4. 【請求項4】入れ子型は荒鍛造品の粗リング溝より遠心
    方向に膨出したリング状の凸条をもち、コイニング時に
    該粗リング溝を遠心方向に幅広とし、該粗リング溝より
    外側にある粗ロック部を形成する材料をさらに遠心側に
    流動するようにする特許請求の範囲第1項記載のパーキ
    ングロックギヤ付きカウンタドリブンギヤの一体製造方
    法。
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