JP2930455B2 - 三次元形状の形成方法 - Google Patents

三次元形状の形成方法

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JP2930455B2 JP3281748A JP28174891A JP2930455B2 JP 2930455 B2 JP2930455 B2 JP 2930455B2 JP 3281748 A JP3281748 A JP 3281748A JP 28174891 A JP28174891 A JP 28174891A JP 2930455 B2 JP2930455 B2 JP 2930455B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】この発明は、三次元形状の形成方
法に関し、詳しくは、光の照射によって硬化する光硬化
性樹脂を用いて、立体的な三次元形状を有する物品を成
形製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光硬化性樹脂を用いて三次元形状を形成
する方法は、複雑な三次元形状を、成形型や特別な加工
工具等を用いることなく、簡単かつ正確に形成すること
ができる方法として、各種の製品モデルや立体模型の製
造等に利用することが考えられている。具体的には、例
えば、特開昭61−114817号公報や特開昭63−
141724号公報に開示された方法がある。
【0003】特開昭61−114817号公報記載の方
法は、つぎのように実施される。容器内に光硬化性樹脂
液を供給して、一定厚みの樹脂液層を形成し、この樹脂
液層に対して、液面上方からレーザ光を照射して、この
樹脂液層を部分的に光硬化させる。その際、レーザ光の
焦点位置を順次移動させることによって、所定のパター
ンを有する光硬化層を形成することが出来る。つぎに、
この光硬化層の上に新たな樹脂液を供給して新しい樹脂
液層を形成し、この樹脂液層に再びレーザ光を照射す
る。このような工程を繰り返して、光硬化層を順次積み
重ねることにより、所望の立体形状を有する樹脂製品が
得られる。
【0004】ところが、この方法には、光硬化層の厚み
を決定する樹脂液薄層の厚みを正確かつ迅速に設定する
のが難しいという問題があった。すなわち、この従来技
術では、収容容器に供給する樹脂液の量で樹脂液薄層の
厚みが決まるので、樹脂液の供給量を極めて正確に制御
しなければならない。しかし、樹脂液の供給量を高精度
に制御するのは非常に難しく、どうしても樹脂液薄層の
厚みにバラツキが生じる。樹脂液薄層の厚みにバラツキ
があると、当然、形成される光硬化層の厚みにもバラツ
キが生じ、三次元形状の精度が低下する。
【0005】これに対し、前記特開昭63−14172
4号公報記載の方法では、上記方法のような樹脂液供給
量の制御を必要としない。すなわち、この方法では、図
48に示すように、樹脂液槽6内に光硬化性樹脂液1を
蓄えておくとともに、昇降自在な成形台3を設けてお
く。成形台3を一旦液面下に深く沈めたのち、樹脂液面
よりわずか下の位置まで上昇させると、成形台3の上に
は必要とする光硬化層の厚みに対応した厚みを有する光
硬化性樹脂液薄層2が自然に形成される。そこで、この
樹脂液薄層2に対して、レーザ光7を照射する。これに
よって、成形台3上に最初の光硬化層4が形成される。
つぎに、再び、成形台3を液面下に沈めた後、液面下方
の前段階よりも少し下の位置まで上昇させると、前段階
で形成された光硬化層4の上に、第2層目の光硬化層に
対応した厚みの新たな樹脂液薄層2が形成される。そこ
で、再び、レーザ光7を照射して先の光硬化層4の上に
次の光硬化層4を形成する。以後、このような工程を必
要回数繰り返せば、成形台3の上に所望の三次元形状成
形品5が得られるのである。
【0006】この方法において、成形台3もしくは光硬
化層4を一旦液面下に深く沈めた後、上昇させるのは、
次のような理由による。図50に示すように、液面で光
硬化層4を形成した後、成形台3および光硬化層4を、
次に光硬化させる樹脂液薄層の厚み分だけ下降させるだ
けでは、樹脂液1の表面張力や粘性等により、光硬化層
4の周囲から上方へと樹脂液1が全く流れ込まなかった
り、流れ込みが不十分になり易いのである。この傾向
は、薄い光硬化層4を形成しようとするほど、甚だしく
なる。
【0007】しかし、前記方法によれば、一旦、光硬化
層4および成形台3を深く沈めるので、周囲の液面との
高低差により、樹脂液1が光硬化層4の上方に良好に流
れ込み、光硬化層4の上方を充分な量の樹脂液1が覆
う。その後、成形台3を持ち上げる過程で、形成途中の
成形品5上方に存在する樹脂液1の大部分は自然に成形
品5の外側に排出されて、成形台3または先に形成され
た光硬化層4と樹脂液面との間には、樹脂液の表面張
力、粘度、比重、および光硬化層(または成形台)と樹
脂液との界面張力などによって定まる一定厚みtの樹脂
液薄層2が自然に形成される。したがって、先に述べた
従来技術のような樹脂液供給量の厳密な制御を行う必要
がないのである。
【0008】つぎに、光硬化性樹脂は、硬化する際に収
縮を起こすために、形成された光硬化層の形状精度が悪
くなり、その結果、三次元形状の寸法精度も低下すると
いう問題がある。この問題を解決するため、図53に示
すように、ケイソウ土やカーボンウィスカ、ガラス繊維
などの収縮率の小さな充填材1aを、光硬化性樹脂液1
に混入しておくことによって、形成される三次元形状の
寸法精度を向上させることが提案されている。この方法
は、特開平1−232025号公報などに開示されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前項で説明
したような先行技術においても、下記のような問題があ
ることが判った。まず、成形台を樹脂液中で昇降させる
方法では、形成途中の成形品5を成形台3によって液面
直下まで持ち上げるときには、成形品5上方の樹脂液1
は成形品5によって持ち上げられつつ成形品5上から排
除されるが、樹脂液1は粘度の高い液体であるため、成
形品5上からはゆっくりとしか排除されない。そのため
に、持ち上げ終えた直後の成形品5すなわち光硬化層4
上に形成された新しい樹脂液薄層2は、表面張力の作用
で、図49(a) に拡大して示すように、周囲から少し盛
り上がった状態になり、その両肩部分2a、2aが丸く
なってしまい、その内側部分2bと同じ厚みにはならな
い。この状態は、相当の時間を置かないと解消されな
い。このことは、図51にも示しているとおりである。
【0010】そのため、レーザ光を照射する段階でも、
まだ前記状態の影響が残ってしまい、成形品5における
各光硬化層4の積層構造は、図49(b) に示す理想的な
平面状光硬化層40の積み重なりではなく、図49(a)
に示すように、肩部分2aが垂れ下がって曲がった光硬
化層4の積み重なりになってしまい、成形品5の形状精
度が悪くなってしまうという問題が生じる。
【0011】なお、前記した、樹脂液の供給によって樹
脂液薄層を形成する方法において、樹脂液の液面をドク
ターブレードで掃いて、樹脂液薄層の厚みを精度良く管
理しようとする方法が考えられている。従来、このよう
な用途に使用されているドクターブレード8の刃先形状
は、図52(a) や(b) に示すようなものである。しか
し、この場合には、ドクターブレード8の高さ位置を正
確に制御しないと、樹脂液薄層の厚みが正確に設定でき
ない。ところが、樹脂は高粘度液体であるため、図に示
すように、ドクターブレード8の水平移動に伴って、樹
脂液1がドクターブレード8の下方にもぐり込んで、反
対側で再び上昇するような流れを生じる。そのため、ド
クターブレード8の一回の移動では、目的とする液面X
に樹脂液1の厚みを設定することができず、目的とする
液面Xに設定するには、ドクターブレード8を数回掃か
なければならず、作業時間がかかるという問題があっ
た。
【0012】つぎに、光硬化性樹脂液1に収縮率の小さ
な充填材1aを混入しておく方法では、図54の(c) に
示すように、レーザ光7のスポット径φa、パワーb
W、走査スピードsを同じにしていても、光硬化性樹脂
液1のみを硬化させた場合(a)の硬化幅H、硬化深さT
に比べて、充填材1aを混入させた場合(b) には、充填
材1aによりレーザ光の透過率が低下するので、硬化幅
h、硬化深さtとも小さくなってしまう。また、硬化幅
h、硬化深さtの寸法バラツキも非常に大きくなり、光
硬化層4の厳密な寸法管理が困難である。
【0013】そこで、この発明の課題は、前記したよう
な三次元形状の形成方法において、従来技術の各問題を
解消して、光硬化層および三次元形状の形状精度を向上
させることのできる方法を提供することにある。特に、
前記した、樹脂液中で成形台を昇降させる方法におい
て、光硬化層の局部的な垂れ下がりを起こすこともな
く、全体が平坦で均一な厚みを有する光硬化層を形成す
ることができ、その結果、三次元形状の形状精度を高め
ることのできる三次元形状の形成方法を提供することに
ある。
【0014】また、ドクターブレードで樹脂液の液面を
掃く方法において、液面の制御を精度良く短時間で行う
ことによって、光硬化層および三次元形状の形状精度を
高めることのできる方法を提供することにある。さら
に、充填材を用いて光硬化性樹脂の硬化収縮を防ぐ方法
において、硬化収縮が小さく、硬化幅や硬化深さが小さ
くならず、また、寸法バラツキも生じることがないよう
にして、三次元形状の形状精度を向上させることのでき
る方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する、こ
の発明にかかる三次元形状の形成方法は、光硬化性樹脂
液に光を照射して光硬化層を形成し、この光硬化層を複
数層積み重ねて、所望の三次元形状を形成する方法にお
いて、成形台または先に形成された光硬化層の上に、樹
脂液槽に貯えられた樹脂液の外部で、樹脂液の薄層を形
成し、形成された樹脂液薄層を前記樹脂液槽内の樹脂液
の液面位置に配置し、樹脂液の液面と樹脂液薄層の表面
を一致させた状態で、樹脂液薄層に光を照射して光硬化
層を形成させる。
【0016】この方法は、基本的には、樹脂液槽に貯え
られた光硬化性樹脂液中で成形台を昇降させながら、樹
脂液の液面付近にレーザ光等を照射して、液面付近の樹
脂液薄層を光硬化させる。したがって、基本的な成形装
置の構造や作業工程、光硬化性樹脂の材料等は、通常の
三次元形状の形成方法の場合と同様である。この方法で
は、成形台の上で最初の1層の光硬化層を形成する段階
では、従来の方法と同じように、成形台を樹脂液の液面
下わずかな深さ、すなわち目的とする光硬化層の厚みに
相当する深さに沈め、成形台の表面を均一な厚みで樹脂
液が覆うようにして、樹脂液薄層を形成してもよい。こ
の場合には、少なくとも光硬化させる部分の樹脂液薄層
の表面が平坦になるまで、ある程度の待ち時間が必要で
ある。但し、この第1層の樹脂液薄層を形成するときに
も、次に説明する第2層以降の樹脂液薄層の形成方法を
適用することもできる。
【0017】すなわち、成形台または先に形成された光
硬化層を樹脂液に沈めたままで、樹脂液薄層を形成する
のでなく、樹脂液槽に貯えられた樹脂液の外部で、樹脂
液薄層を形成する。そして、形成された樹脂液薄層を、
前記樹脂液槽内の樹脂液の液面位置に配置し、樹脂液の
液面と樹脂液薄層の表面を一致させる。その後は、通常
の三次元形状の形成方法と同様に、光を照射して光硬化
層を形成させる。
【0018】樹脂液の外部における樹脂液薄層の形成手
段としては、各種の液体薄膜の形成手段が利用できる
が、次に説明する方法が採用される。 第1の方法は、一
旦、成形台および先に形成された光硬化層(但し、第1
層の光硬化層を形成する段階では成形台のみ)を樹脂液
中に深く沈めて、成形台または先に形成された光硬化層
(以下の説明では、まとめて光硬化層と言う。)の上を
充分な量の樹脂液で覆う。このとき、光硬化層の表面を
液面下に沈める深さは、少なくとも、次層の光硬化層の
形成に必要な樹脂液薄層の厚みよりも深くする。この深
さは、ある程度は深いほうが、光硬化層の表面を迅速に
充分な厚みの樹脂液で覆えるが、あまり深くし過ぎて
も、それほど効果は上がらず、成形台の作動等に余分な
時間がかかることになる。したがって、実用的には、樹
脂液の粘度等の条件によっても異なるが、前記必要な樹
脂液薄層の厚みよりも少し深い程度でよい。
【0019】つぎに、光硬化層の表面が樹脂液の液面よ
りも高くなるように、成形台および光硬化層を上昇させ
る。光硬化層の上を覆う樹脂液のうち、多くの部分は流
れ落ちるが、樹脂液の一部は光硬化層の表面に残る。光
硬化層の表面に残る樹脂液の量もしくは厚みは、前工程
で光硬化層を液面下に沈めた深さ、光硬化層の面積、樹
脂液の粘度や表面張力などの条件によって変わる。樹脂
液層の表面は、外周縁部分が丸く垂れ下がった状態にな
る。
【0020】この状態で、光硬化層の表面に沿って水平
方向に掃き取り部材を移動させて、光硬化層の表面に残
っている樹脂液のうち、一部を除去する。前工程のあ
と、光硬化層の表面に残っている樹脂液は、時間ととも
に、光硬化層の表面から脱落することになるので、掃き
取り部材による樹脂液の掃き取りを開始するタイミング
は、必要な厚み以上の樹脂液が光硬化層の表面に残って
いる時点に設定しておく。光硬化層の表面からの樹脂液
の脱落は、樹脂液の粘度や表面張力などの条件によって
異なる挙動を示すので、それに合わせて、掃き取り部材
の作動タイミングを設定するのが好ましい。
【0021】掃き取り部材は、光硬化層の表面全体にわ
たって樹脂液を良好に除去できれば、任意の形状あるい
は材料からなるものが使用できるが、いわゆるドクター
ブレードと呼ばれているものが好ましい。ドクターブレ
ードは、帯状の板材からなり、側端辺すなわち刃先を光
硬化層の表面に直角に立てた状態で、板の厚み方向に水
平に移動させて、樹脂液を掃き取る。ドクターブレード
の刃先形状は、板を切断しただけのもの、先端をテーパ
状に尖らせたものなど、通常のドクターブレードと同様
の刃先形状が採用できる。また、後述する新規な刃先形
状を採用することも出来る。ドクターブレードの作動機
構は、通常の成膜技術などで採用されているドクターブ
レードと同様の、通常の作動機構が用いられる。
【0022】掃き取り部材で除去する樹脂液の量は、掃
き取り部材で除去したあとに光硬化層の表面に残る樹脂
液の厚みが、前記した必要な樹脂液薄層の厚み程度にな
るように設定しておくのが好ましい。但し、この厚みは
厳密に設定しておく必要はない。すなわち、この段階で
は、樹脂液の厚みが、前記必要な樹脂液薄層の厚みとは
若干違っていたり、樹脂液の表面が全面で平坦になって
いなかったりしても、つぎの工程で、樹脂液の表面張力
の作用などにより、光硬化層の表面を覆う樹脂液と、周
囲の樹脂液とのわずかな液面差や凹凸などはある程度解
消できる。したがって、この工程では、つぎの工程に負
担がかからない程度に、光硬化層の表面に残る樹脂液層
の厚みを設定しておけばよい。
【0023】掃き取り部材で除去する樹脂液の量は、掃
き取り部材と光硬化層の表面もしくは成形台の高さ位置
とを制御することによって変更あるいは調整できる。掃
き取り部材と光硬化層の表面または成形台の位置を、各
種の位置センサにより測定して、掃き取り部材の作動位
置あるいは成形台の上昇位置を制御すれば、正確な設定
が可能である。
【0024】上記のようにして、液面の上方で光硬化層
の表面から樹脂液の一部を除去した後、形成された樹脂
液薄層を光硬化層とともに液面下に沈め、光硬化層の表
面位置を、前記必要とする樹脂液薄層の厚みに相当する
深さに配置する。言い換えれば、樹脂液薄層が樹脂液の
液面位置に配置される。そうすると、光硬化層の表面に
形成された樹脂液薄層と、その周囲の樹脂液が、表面張
力などの作用で連結一体化される。光硬化層の表面を、
前記した必要とする厚みの樹脂液薄層が覆い、この樹脂
液薄層の表面が周囲の樹脂液の液面と一致して全体が平
坦になった後に、通常の三次元形状の形成方法と同様
に、レーザ光の照射を行って光硬化層を形成する。
【0025】上記のような工程を繰り返すことによっ
て、所望の三次元形状を有する樹脂成形品が得られる。
つぎに、第2の方法では、光硬化層を一旦樹脂液に沈め
るのでなく、そのまま樹脂液の外部に位置させる。この
状態では、光硬化層の表面には樹脂液の層は存在しな
い。光硬化層の上方で、定量塗布ノズル等から樹脂液を
光硬化層の表面全体に供給すると、光硬化層の表面に、
一定の厚みで樹脂液の層が形成される。この樹脂液層の
厚みは、前記方法と同様に、次層の光硬化層の形成に必
要な厚みよりも分厚くなるように設定する。この場合
も、樹脂液層の外縁は、垂れ下がって丸みが形成され
る。その後、掃き取り部材を用いて、樹脂液層の一部を
除去するのは、前記方法と同様である。樹脂液の供給手
段は、定量塗布ノズル等、光硬化層の表面全体に均一か
つ迅速に樹脂液を供給できるものであれば、通常の液体
塗布手段が用いられる。
【0026】上記した掃き取り部材を用いる方法におい
て、掃き取り部材で樹脂液層の一部を除去したときに、
除去された樹脂液のうち、掃き取り部材の先端等に付着
したままになる樹脂液が、樹脂液薄層の上に移って、表
面に凹凸が出来ないように、次に掃き取り部材を使用す
るまでの間に付着樹脂を除去しておくのが好ましい。掃
き取り部材からの付着樹脂の除去方法としては、付着樹
脂を加熱して、粘性や付着力を小さくして、掃き取り部
材から自重で落下させることができる。付着樹脂を加熱
するには、掃き取り部材にヒータを内蔵しておいたり、
掃き取り部材の表面に熱風を吹き付けたりすればよい。
また、掃き取り部材を振動させて、付着樹脂を落とすこ
ともできる。さらに、多孔質材や高吸水性材料等からな
る拭き取り材で、掃き取り部材の表面を拭うようにして
付着樹脂を除去することもできる。
【0027】さらに、付着樹脂を除去する別の方法とし
て、三次元形状を構成する光硬化層の外側に、幅の狭い
ダミー光硬化層を形成しておく方法がある。そして、三
次元形状を構成する光硬化層の樹脂液表面を掃き取り部
材で掃く前に、ダミー光硬化層の上の樹脂液に光を照射
して光硬化させておき、掃き取り部材が、先に光硬化さ
れたダミー光硬化層の表面を掃いてから、三次元形状を
構成する光硬化層の樹脂液を掃くようにしておく。この
方法では、掃き取り部材に付着していた樹脂は、ダミー
光硬化層の上に移ってしまうので、三次元形状を構成す
る光硬化層には、付着樹脂が移行しない。
【0028】つぎに、上記各方法において、三次元形状
を構成する光硬化層を形成するのと同時に、前記光硬化
層の外周を囲む周壁用光硬化層を形成すると、三次元形
状を構成する光硬化層の上に形成される樹脂液薄層の外
縁に、前記したような垂れ下がりや丸みが形成されな
い。これは、周壁用光硬化層と三次元形状を構成する光
硬化層の間には樹脂液が溜まっているので、前記したよ
うな方法で樹脂液薄層を形成したときに、周壁用光硬化
層の内側部分全体に、一様な厚みの樹脂液薄層が形成さ
れる結果、三次元形状を構成する光硬化層の樹脂液薄層
は外縁まで平坦になるのである。なお、周壁用光硬化層
の外縁には垂れ下がりや丸みが出来るが、これは製品と
して利用しないので、何ら問題にはならない。周壁用光
硬化層の配置形状や幅は、その内側に樹脂液を溜めてお
け、三次元形状を構成する光硬化層の形成に邪魔になら
なければ、任意の構造が採用できる。
【0029】前記のような各方法において、樹脂液薄層
を樹脂液槽内の樹脂液の液面位置に配置するときに、樹
脂液薄層の表面を、一旦、樹脂液の液面よりも少し下方
に配置させると、樹脂液薄層の表面と周囲の樹脂液の液
面との落差で、両者の境界部分に周囲から樹脂液が流れ
込み易くなり、樹脂液薄層の外縁に出来た垂れ下がりや
丸みが迅速に解消される。樹脂液薄層の外縁部分が、あ
る程度、樹脂液で埋まれば、樹脂液薄層を上昇させて、
樹脂液の液面と樹脂液薄層の表面を一致させればよい。
前記した樹脂液薄層の表面と周囲の樹脂液の液面との落
差は少しでも効果があり、硬化脂液薄層を上昇させるま
での時間もわずかでよい。落差が大きすぎれば、この落
差による表面の凹凸を解消するのに却って時間がかかっ
てしまう。
【0030】樹脂液薄層を樹脂液槽内の樹脂液の液面位
置に配置したときに、樹脂液薄層と周囲の樹脂液の液面
との境界付近を加熱すると、この境界部分の樹脂液の粘
度が下がって流動性が高まり、表面の凹凸が迅速に解消
される。加熱するのは、表面に凹凸がある部分、もしく
は、凹凸部分に樹脂液を供給する周囲の一定範囲でよ
い。加熱手段としては、赤外線等の熱線を照射したり、
熱風を吹き付けたりすればよい。紫外線レーザ等の光硬
化用のレーザ発生装置とともに、赤外線レーザ等の熱線
用のレーザ発生装置を備えておけば、樹脂液薄層の外縁
部分を良好に加熱できる。また、前記掃き取り部材に熱
風の吹き出しノズルを設けておけば、掃き取り部材の作
動機構を利用して、加熱個所を移動させることができ
る。
【0031】つぎに、この発明と関連する参考技術につ
いて説明する。 最初の方法は、前記した各方法と共通す
る部分が多く、使用する装置や条件はほぼ同様でよい。
但し、前記の方法では、光硬化層の表面を液面よりも高
くした状態で、掃き取り部材を作動させていたのに対
し、この方法では、成形台または先に形成された光硬化
層の表面を、前記必要とする樹脂液薄層の厚みに相当す
る深さまで沈め、この状態で、樹脂液の液面付近で、光
硬化層の周囲から上方にかけて水平移動する均し部材に
より、液面全体を均す。したがって、光硬化層を液面よ
りも高くする工程が行われない。
【0032】すなわち、形成された光硬化層の表面を、
前記必要とする樹脂液薄層の厚みに相当する深さまで沈
めると、光硬化層の周囲から上方へと樹脂液が流れ込む
が、樹脂液の粘性や表面張力の影響などで、光硬化層の
表面を均一で充分な厚みの樹脂液薄層で覆うことはでき
ず、光硬化層の上方では、光硬化層の表面が露出したま
まであったり、周囲の液面よりも低い液面になる部分が
生じる。そこで、光硬化層の周囲から上方にかけて水平
移動する均し部材で、光硬化層の周囲の樹脂液を光硬化
層の上方へと供給するようにして、液面全体を均す。
【0033】均し部材は、前記方法における掃き取り部
材と同様の構造でよく、前記ドクターブレードが好まし
く用いられる。すなわち、前記方法では、余分の樹脂液
を除去するために掃き取り部材として使用され、この方
法では、液面全体を均すために均し部材として使用され
るのである。それぞれの目的あるいは機能に合わせて、
使用するドクターブレードの形状、特に刃先部の形状を
選択するのが好ましい。
【0034】均し部材の作動高さは、光硬化層の表面に
形成される樹脂液薄層の液面よりも少し低い程度に設定
しておくのが好ましい。但し、均し部材の作動高さが、
少しぐらい上下にずれていても、若干の液面の違いや段
差であれば、均し部材が移動した後、光を照射するまで
の間に、樹脂液の表面張力などの作用で、自然に修正さ
れるので問題はない。
【0035】均し部材の水平移動を、複数回繰り返すと
ともに、各回における均し部材下端の位置を、段階的に
上昇させるようにすると、樹脂液薄層の液面を効率的に
均すことができ、液面全体が均されるまでの時間が短縮
される。つぎに説明する方法は、シリンダと、このシリ
ンダ内面に沿って昇降するピストンを用い、ピストン上
面またはピストン上面に形成された光硬化層とシリンダ
上面との段差部分に樹脂液を供給した後、シリンダ上面
に沿って水平移動する掃き取り部材により、シリンダ上
面の樹脂液を除去して、シリンダ上面もしくは光硬化層
の表面に、次層の光硬化層の形成に必要な樹脂液薄層を
形成する。
【0036】シリンダの形状は、その内側空間で目的と
する光硬化層が形成できる形状であれば、円筒、楕円
筒、角筒その他の任意の筒形状が用いられる。ピストン
は、シリンダの内面形状に合わせて形成され、上面を平
坦に形成しておき、この上面に光硬化層を形成して積み
重ねる。ピストンの昇降機構は、ピストンを樹脂液薄層
の厚みに相当する高さづつ、正確に断続的に昇降できれ
ばよく、油空圧や電磁力その他の駆動力を利用する通常
の機械装置と同様の昇降機構を用いることができる。
【0037】掃き取り部材は、前記各方法で用いられる
ものと同様の構造でよい。但し、この方法では、掃き取
り部材が、シリンダ上面に沿って案内された状態で作動
するので、掃き取り部材の高さ位置を正確に制御する必
要はない。つぎの方法は、以上に説明した各方法で使用
されるような、ドクターブレードの刃先形状を、進行方
向に対して常に樹脂液がすくいこまれる流れが形成され
るように設定しておく。この構造は、従来既知の三次元
形状の形成方法、あるいは、この出願に開示された方法
において、掃き取り部材あるいは均し部材などとして使
用されている任意のドクターブレードに適用できる。
【0038】進行方向に対して常に樹脂液がすくいこま
れる流れが形成されるような刃先形状とは、具体的に
は、例えば、テーパ状に尖った嘴形の刃先部を、斜め下
方に向けて形成しておけば、この刃先部の傾斜面に沿っ
て樹脂液がすくい上げられるように流れる。刃先部のテ
ーパ開き角度や全体の傾斜角度を変更することによっ
て、樹脂液の挙動が変化し、液面設定の精度や、液面の
平坦化に必要な時間などの特性が変わる。
【0039】刃先部は、ドクターブレードの移動方向の
みに設けておけばよいが、ドクターブレードが前後両方
向に移動する場合には、両面側に対称形をなす刃先部を
設けておくのが好ましい。また、片面側に複数個の刃先
部を、上下に段差を付けて設けておけば、複数個の刃先
部が段階的に樹脂液をすくいあげることになり、よりス
ムーズに能率良く作動させることができる。この場合、
上下の刃先部で傾斜角度あるいは開き角度に違いを付け
ておくこともできる。
【0040】つぎの方法は、下記工程Aと工程Bを組み
合わせて複数層の光硬化層を形成した後、積み重ねられ
た光硬化層を、格子状光硬化層の格子内部に残る未硬化
の樹脂液を含めて、一括硬化させる。 (A) 樹脂液薄層を格子状に光硬化させて、格子状光硬化
層を形成し、この格子状光硬化層の格子空間に、非収縮
性材料からなる充填材を充填した後、格子状光硬化層お
よび充填材の表面を均す。
【0041】 (B) 樹脂液薄層の全面を光硬化させて、面状光硬化層を
形成する。工程Bは、前記した各方法あるいは従来にお
ける光硬化層の形成方法と同じであり、樹脂液薄層の全
面にわたってレーザ光を走査するなどして、全面を隙間
なく光硬化させればよい。工程Aは、樹脂液薄層に、レ
ーザ光を走査する際に、縦横に交差する帯状範囲のみを
走査するなどして、いわゆる格子状部分のみを光硬化さ
せる。格子の間に出来る格子空間については、光硬化さ
せずに未硬化の樹脂液を残しておく。格子の幅や間隔な
どのパターンは自由に設定できるが、少なくとも、格子
状光硬化層の外周縁は光硬化させておく必要がある。格
子空間の大きさは、後述する充填材が必要な量だけ充填
できればよい。ひとつの格子状光硬化層には、少なくと
もひとつの格子空間が形成されていればよいが、比較的
小さな格子空間が均等に配置されているほうが、光硬化
層全体の収縮を良好に防止できる。
【0042】充填材は、光硬化層の収縮を抑えることの
できる非収縮性の材料であって、格子空間に充填可能な
細かな粉体あるいは細片状、繊維状などをなす材料が用
いられる。非収縮性とは、光硬化性樹脂に比べて収縮性
が充分に小さいという意味であり、全く収縮しないとい
う厳密な意味での非収縮性は必ずしも必要ではない。具
体的な充填材としては、アルミナ粉末その他、金属酸化
物やガラス、セラミック、金属などが用いられる。充填
材は、格子状光硬化材の上方に散布したり塗布したりす
ることによって、格子空間に充填される。各格子空間に
は、充填材が均等に充填されるようにしておくのが好ま
しい。格子空間には、未硬化の樹脂液が溜まっているの
で、充填材は樹脂液と混合された状態になる。
【0043】格子状光硬化層および充填材の表面を均す
には、前記した各方法で使用している均し部材あるいは
ドクターブレードが使用される。以上に説明した工程A
または工程Bで、面状光硬化層または格子状光硬化層が
形成され、これらの光硬化層を組み合わせて複数層に積
み重ね、所望の三次元形状を形成する。このとき、格子
状光硬化層のみを積み重ねてもよいが、最下層および最
上層の光硬化層を、面状光硬化層で形成しておけば、中
間の格子状光硬化層の格子空間に充填された充填材およ
び樹脂液が、流出したり漏れだしたりすることがない。
また、多数の格子状光硬化層を積み重ねると、互いの格
子空間同士が上下に連通することになり、格子空間内の
充填材が、連通した格子空間の底部に沈んで溜まってし
まうことがある。このような場合には、格子状光硬化層
の適当な個数置きに面状光硬化層を挟むことで、格子空
間の連通を遮断することが出来る。
【0044】積み重ねられた光硬化層は一括硬化させ
る。一括硬化とは、いわゆるアフターキュアなどと呼ば
れている工程であり、積み重ねられた光硬化層の全体
を、アフターキュア室などに収容して、硬化用ランプで
照射するなどして、光硬化層の内部を含む全体を一括し
て硬化させる。この一括硬化では、レーザ光の照射のよ
うに、光が届く表面の一部のみが硬化するのではなく、
格子状光硬化層の内部の格子空間の樹脂液を含めて、光
硬化層全体が均一に硬化される。
【0045】つぎの方法は、樹脂液に超音波振動もしく
は微小振動を与える。樹脂液に振動を与えるには、樹脂
液を貯えた樹脂液槽内あるいは樹脂液槽の壁面などに、
振動発生装置を取り付けておけばよい。また、成形台に
振動発生装置を連結しておき、成形台および光硬化層を
介して、樹脂液に振動を与えることもできる。振動を与
える樹脂液は、少なくとも、樹脂液薄層の形成に影響の
ある光硬化層の周辺であればよい。振動数や振動方向、
振幅などの振動条件は、光硬化層を覆う樹脂液薄層の移
動あるいは液面の平坦化を促進することができれば、樹
脂液の特性に合わせて、自由に条件設定すればよい。
【0046】樹脂液に振動を与えるのは、光硬化層を液
面下の所定位置に配置した時点、あるいは、光硬化層の
表面に樹脂液を供給しようとする時点など、樹脂液薄層
を形成させるために樹脂液の運動が必要な段階であれば
よく、光の照射を行うときなどは、振動を与える必要は
ない。この方法は、従来知られている、通常の各種三次
元形状の形成方法に適用できるが、前記した各方法と併
用すれば、その作用効果をより高めることができる。
【0047】
【作用】この発明の方法では、樹脂液槽に貯えられた樹
脂液の外部で、樹脂液薄層を形成するので、余分の樹脂
液に邪魔されたりすることなく、必要な厚みの樹脂液薄
層が迅速かつ正確に形成できる。こうして形成された樹
脂液薄層を、光の照射を行う樹脂液の液面位置に配置す
るので、例えば、従来の方法のうち、光硬化層を、単に
液面下の所定位置まで移動させて、周囲の樹脂液が光硬
化層の表面を完全に覆うまで流れ込むのを待つ方法に比
べて、はるかに能率的である。光硬化層の表面に樹脂液
薄層が存在すれば、周囲の樹脂液は、光硬化層の表面の
樹脂液薄層との隙間を埋めたり液面のわずかな違いを解
消する程度に流れ込むだけで充分になり、従来方法に比
べて、はるかに迅速に所望の樹脂液薄層が形成されるこ
とになる。また、樹脂液薄層の厚みを薄く設定したり、
樹脂液の粘度や表面張力が大きかったりしても、光硬化
層の表面に樹脂液が全く流れ込まないなどという問題は
生じない。
【0048】また、従来の方法のうち、光硬化層を液面
から深く沈めた後で、液面からわずかに下方の所定位置
に配置する方法では、光硬化層の上に余分な厚みの分厚
い樹脂液薄層が形成されるが、この方法では、予め樹脂
液薄層の厚みを調整できるので、樹脂液薄層を所定の位
置に配置した状態では、樹脂液薄層はほぼ所定の厚みに
設定されており、樹脂液薄層の液面が周囲の液面と平均
化されるまで長い時間がかかるということもない。
【0049】そして、前記第1の方法では、樹脂液を載
せた光硬化層の表面を、一旦、液面よりも高くし、掃き
取り部材で余分の樹脂液を除去して樹脂液薄層を形成し
た後、液面位置に樹脂液薄層を配置することになる。し
たがって、光硬化層の昇降作動および掃き取り部材の作
動という簡単な作業のみで、所定厚みの樹脂液薄層が迅
速に形成される。
【0050】第2の方法では、樹脂液槽内の樹脂液とは
全く別に、光硬化層の上に樹脂液を供給して樹脂液薄層
を形成した後、前記掃き取り部材による余分の樹脂液の
除去を行うので、前記請求項2の方法と同様の作用が果
たせるとともに、前記方法における樹脂液に光硬化層を
深く沈める工程が省ける。但し、この方法では、樹脂液
の供給手段が必要である。
【0051】この発明では、掃き取り部材に付着した樹
脂液を除去しておくので、次の工程サイクルで、光硬化
層の上の樹脂液薄層を掃く際に、掃き取り部材の付着樹
脂が樹脂液薄層の上に移行して、樹脂液薄層の表面に凹
凸を作るという問題が解消される。
【0052】また、前記した周壁用光硬化層を形成して
おく方法では、周壁用光硬化層の内側には樹脂液が溜ま
り、三次元形状を構成する光硬化層の上に形成される樹
脂液薄層とその周辺の液面が常に連続して一様に平坦な
液面を構成する。したがって、樹脂液薄層の外縁に垂れ
下がりや丸みが形成されることがない。脂液薄層の表
面と周囲の樹脂液の液面との間にわずかな段差を付ける
ことによって、樹脂液薄層と周囲の樹脂液の境界部分に
樹脂液が流れ込み易くなり、樹脂液薄層の外縁に生じる
凹みが迅速に解消される。脂液薄層と周囲の樹脂液の
液面との境界付近を加熱することにより、この部分の樹
脂液の流動性を高め、凹凸の解消作用を促進させること
ができる。
【0053】硬化層を液面からわずかに下方の所定位
置に配置した後、均し部材を作動させ、周囲の樹脂液を
強制的に移動させて、光硬化層の上に供給すれ、光硬
化層の表面には、迅速かつ確実に所定厚みの樹脂液薄層
が形成される。リンダとピストンの上面に段差を設定
し、ピストンの上方に樹脂液を供給した後、シリンダの
上面に沿って掃き取り部材を作動させて、余分の樹脂液
を除去すれば、シリンダとピストンの段差で、樹脂液薄
層の厚みを精密に制御でき、任意の厚みの樹脂液薄層を
正確に形成することができる。また、従来の方法では、
樹脂液自身が液面を平坦化させる作用を利用しているの
で、どうしても一定の待ち時間が必要であるが、この方
法では、掃き取り部材による強制的な平坦化あるいは液
面の調整を行うので、樹脂液薄層が形成されてから、次
の工程で光の照射を行うまでの待ち時間はほとんど不要
である。
【0054】クターブレードの刃先形状を、進行方向
に対して常に樹脂液がすくいこまれる流れが形成される
ように設定しておくにより、刃先の通過に伴って、樹脂
液が刃先の裏側に回り込むことがない。この樹脂液の回
り込みが無くなれば、液面は、刃先の下端高さに正確に
設定されるので、ドクターブレードによる液面の設定が
良好に行われる。また、刃先で樹脂液をすくいこむよう
になっていれば、ドクターブレードの作動により、いち
どに大量の樹脂液を移動させることができ、樹脂液の掃
き取りや液面の均し作業が能率的に行えるようになる。
ドクターブレードの両面側に対称形に刃先部を設けてお
けば、ドクターブレードを前後の何れの方向に移動させ
ても、上記機能が発揮できる。ドクターブレードの片面
側に設けられる複数の刃先部が、上下に段差を設けられ
ていれば、ひとつの刃先部のみで樹脂液をすくいあげる
のに比べて、個々の刃先部の負担が軽くなり、より能率
的に作動させることが可能になる。
【0055】子状光硬化層の格子空間に非収縮性材料
からなる充填材を充填しておくことにより、光硬化層全
体の収縮を防ぐことができる。その結果、レーザ光の走
査パターンなどとして、予め設定されている形状通りの
寸法あるいは形状を備えた光硬化層が形成でき、三次元
形状の形状精度を高めることができる。しかも、光硬化
層の形成自体は、充填材を全く含んでいない樹脂液のみ
に光を照射して行うので、光が充分な深さまで浸透し
て、樹脂液薄層を能率的かつ正確な厚み、形状で光硬化
させることができる。したがって、樹脂液の全体に充填
材を混入しておく場合のように、光硬化に悪影響が出
て、三次元形状の形状精度が低下してしまうという問題
が解消される。なお、この方法でも、格子空間内の樹脂
液は充填材と混合されているが、この部分は、後工程の
一括硬化によって、充填材の存在に関わりなく、良好に
硬化させることが可能である。
【0056】脂液に振動を与えて、細かくゆり動かす
ことにより、粘度や表面張力などの樹脂液の運動を妨げ
る要因に抗して、樹脂液が運動を行い易くできる。これ
は、粘性の高い液体が静止状態から運動を開始する際に
は非常に大きなエネルギーが必要であるが、液体に振動
による微小な運動を行わせておけば、液体が移動を開始
するのに必要なエネルギーがはるかに小さくて済むこと
によるものと考えられる。樹脂液はもともと、重力の作
用などで、自然に液面を平坦にしようとするのであるか
ら、この運動を前記振動によって助勢すれば、迅速かつ
確実に液面が平坦化し、その結果、表面が平坦で正確な
厚みの樹脂液薄層が形成できる。前記した各方法でも、
樹脂液を自然に、もしくは、掃き取り部材や均し部材で
強制的に、移動させているのであるから、この方法を併
用すれば、樹脂液の移動がスムーズに行え、樹脂液薄層
の形成をより能率的に行うことが可能になる。
【0057】
【実施例】ついで、この発明の実施例について、図面を
参照しながら、以下に説明する。−光硬化層を樹脂液に
深く沈めた後、液面よりも高くする方法−この方法は、
前記第1の方法に対応する方法であり、図1に工程流れ
図を示している。まず、工程に示すように、樹脂液槽
6に貯えられた樹脂液1の中に成形台3を沈め、成形台
3を樹脂液1の液面からわずかに下の位置に配置して、
第1層の光硬化層4を形成する。これは、従来の通常の
方法と同じであり、成形台3の上に、均一で表面が平坦
な樹脂液薄層を形成するために、成形台3を所定位置に
配置してから、充分な待ち時間をとった後、光を照射す
る。
【0058】つぎに、工程で、成形台3を、充分に深
く沈める。工程で、成形台3を上昇させて、先に形成
された光硬化層4の表面を、液面よりも高くする。図で
は、成形台3が液面よりもかなり高くまで上昇している
が、少なくとも光硬化層4の表面が液面の上に出ればよ
い。光硬化層4の上方に存在していた樹脂液1は、大部
分は光硬化層4から脱落して樹脂液槽6に戻るが、光硬
化層4の表面に一部の樹脂液1aが層状に残った状態に
なる。この樹脂液層1aの厚さは、次層の光硬化層を形
成するのに必要な樹脂液薄層の厚さよりも分厚くなって
いる。また、樹脂液層1aの表面は、外周縁が丸く垂れ
下がった状態である。
【0059】工程で、掃き取り部材となるドクターブ
レード8を光硬化層4の上方で水平方向に移動させ、前
記樹脂液層1aの表面近くの一部厚み分を除去する。光
硬化層4の表面には、樹脂液薄層2が残る。この樹脂液
薄層2の厚みが、前記した必要な樹脂液薄層の厚みとほ
ぼ同じになるように、ドクターブレード8の高さを設定
しておく。この樹脂液薄層2の表面も、両肩部分2a、
2bが丸く垂れ下がった形になっているが、前記した樹
脂液層1aの状態よりは、かなり曲率が小さくなってい
る。
【0060】工程で、成形台3を液面に沈め、光硬化
層4の表面と液面の間隔が、前記必要な樹脂液薄層の厚
みに相当するように配置する。この段階では、A部に示
すように、光硬化層4の表面を覆う樹脂液薄層2の外周
縁は丸く垂れ下がっているとともに、周囲の樹脂液1
も、光硬化層4を沈めたことによって、表面張力で内周
縁が丸く垂れ下がった状態になる。しかし、直ぐに、樹
脂液1の表面張力や重力の作用で、光硬化層4の表面を
覆う樹脂液薄層2と、周囲の樹脂液1とが互いに連結一
体化され、工程に示すように、液面全体が連続した状
態で平坦になる。
【0061】図2は、前記A部における挙動を拡大して
示している。図2(a) は、光硬化層4を所定の位置に配
置した段階であり、樹脂液薄層2の肩部分2aと、周囲
の樹脂液1の内周縁が互いに丸く垂れ下がっているの
で、クサビ状の隙間がわずかにあいている。しかし、図
2(b) 〜図2(d) に示すように、隙間の両側から樹脂液
が供給されるので、隙間は直ぐに埋められ、液面全体が
連続して平坦になるのである。これを、前記した従来法
の場合を示す図26と比べれば、この方法では、光硬化
層4の上に樹脂液薄層2が存在しているので、周囲の樹
脂液1がわずかな量だけ隙間に供給されるだけで液面は
平坦化されることになり、液面の平坦化に要する時間が
格段に短縮される。なお、上記説明からも判るように、
光硬化層4の表面に形成しておく樹脂液薄層2は、次層
の光硬化層を形成するのに必要な厚みに厳密に設定して
おかなくても、上記工程〜における周囲の樹脂液1
との間における液面の平坦化作用で、自然に、必要とす
る厚みに調整される。
【0062】その後、光硬化層4の表面を覆う樹脂液薄
層2に、工程で、レーザ光を照射すれば、新たな光硬
化層4が形成される。このような工程〜を順次繰り
返すことにより、光硬化層4が積み重ねられ、目的とす
る三次元形状を備えた樹脂成形品が成形されることにな
る。−液面上で光硬化層の表面に樹脂を供給する方法−
これは、前記第2の方法に対応する実施例である。前記
方法と共通する部分は説明を省略する。
【0063】まず、前記図1の状態から、樹脂液槽6
の樹脂液1の液面上に成形台3を上昇させる。この段階
では、光硬化層4の上には樹脂液1は存在しない。次
に、図3および図4に示すように、成形台3の上方で、
成形台3の全幅に相当する幅を有する定量塗布ノズル2
00から、光硬化層4の上に樹脂液を供給しながら、定
量塗布ノズル200を平行移動させる。定量塗布ノズル
200が光硬化層4の全面を覆うように移動すれば、光
硬化層4の表面全体に、一定厚みの樹脂液層1aが形成
される。余分の樹脂液は、光硬化層4の上から流れ落ち
て、樹脂液槽6に回収される。形成された樹脂液層1a
の厚みは、必要とされる樹脂液薄層2の厚みよりも分厚
い。この状態は、前記図1の状態と同じである。その
後、前記図1からについて説明したのと同様に、掃
き取り部材8による所定厚みの樹脂液薄層2の形成か
ら、樹脂液1の液面位置への配置、および、レーザ光の
照射等を行う。
【0064】 −掃き取り部材に付着した樹脂液を除去する方法−この発明では、前記第1および第2の方法において、
1の工程、すなわち掃き取り部材による樹脂液層1a
の一部除去を行う工程に、以下の工程が追加される。
5に示すように、光硬化層4の上に形成された分厚い樹
脂液層1aの一部を掃き取り部材8で除去して、所定厚
みの樹脂液薄層2が形成された段階で、掃き取り部材8
の先端には、除去された樹脂液の一部1xが付着したま
まになる。
【0065】図6に示すように、付着樹脂液1xを付け
たままの掃き取り部材8を、次の工程サイクルで、前記
サイクルとは逆向きに、樹脂液層1aの上を移動させる
と、掃き取り部材8の先端に存在する付着樹脂液1x
が、形成された樹脂液薄層2に触れて、樹脂液薄層2の
上に移ってしまい、樹脂液薄層2の表面に凸部2xが形
成されてしまう。この凸部2xが存在するままで、前記
図1〜に示された後工程である、樹脂液1の液面へ
の樹脂液薄層2の配置を行うと、樹脂液薄層2の表面全
体が平坦化するのが遅くなる。なお、上記工程で、掃き
取り部材8を1サイクル毎に逆方向に移動させるのは、
掃き取り部材8を常に同じ方向に移動させようとする
と、1サイクル毎に掃き取り部材8を元の位置に戻す工
程が必要になり、その分だけ作業時間が余分にかかるた
めである。
【0066】そこで、掃き取り部材8についた付着樹脂
液1xを除去しておけば、樹脂液薄層2の表面に凸部2
xが形成されず、表面の平滑化が促進される。図7に示
す実施例では、掃き取り部材8にヒータ86を内蔵して
おき、表面についた付着樹脂液1xを加熱する。加熱さ
れた付着樹脂液1xは、粘性が低くなり、掃き取り部材
8への付着力が小さくなるので、掃き取り部材8から自
然に落下して除去される。
【0067】図8に示す実施例では、掃き取り部材8の
近くに、熱風の吹き出しノズル(図示せず)を設けてお
き、掃き取り部材8の表面に熱風87を吹きつける。付
着樹脂液1xは加熱されて、前記同様の作用が働くとと
もに、風の力で動かされて、掃き取り部材8の表面から
落下除去される。図9に示す実施例では、掃き取り部材
8を細かく振動させることによって、付着樹脂液1xを
自然落下を促進する。振動方向は、何れの方向でもよい
が、上下方向に振動させるのが、付着樹脂液1xを効率
的に除去できる。
【0068】図10に示す実施例では、吸水性材料から
なる拭き取り材88で、掃き取り部材8の表面を拭っ
て、付着樹脂液1xを除去する。つぎに、図11〜図1
5に示す実施例では、三次元形状を構成する光硬化層4
の外側に、ダミー光硬化層46を形成しておき、このダ
ミー光硬化層46で付着樹脂液1xを除去する。図11
に示すように、ダミー光硬化層46は、掃き取り部材8
の移動経路で、掃き取り部材8が光硬化層4の上を通過
する前に、その上に通過する位置および形状で配置され
ている。ダミー光硬化層46は、その形状が維持できる
程度の幅があれば、出来るだけ幅の狭いほうが、形成が
容易であり樹脂液1の無駄もない。図では、光硬化層4
の前後に三日月状に湾曲したダミー光硬化層46を設け
ているが、これは、幅の狭いダミー光硬化層46の強度
を高めるのに有効である。なお、ダミー光硬化層46の
配置形状は、光硬化層4の形状に合わせて自由に変更で
きる。
【0069】この実施例でも、基本的な作業工程は、前
記した図1に示された実施例と同様にして、光硬化層4
およびダミー光硬化層46を形成していく。図1〜
の工程に対応する図13に示すように、成形台3を液面
下から上昇させたときに、面積が広い光硬化層4の上の
樹脂液は、周囲に逃げ難いので、光硬化層4の上に分厚
く残るが、幅の狭いダミー光硬化層46の上の樹脂液
は、左右にすぐに逃げるので、ダミー光硬化層46の上
には、迅速に樹脂液薄層が形成される。そこで、ダミー
光硬化層46の上に樹脂液薄層が形成された段階、言い
換えると、光硬化層46の表面が、液面から、次層の光
硬化層4の厚みに相当する深さだけ下がった位置で、ダ
ミー光硬化層46を形成する部分のみにレーザ光7を照
射して、ダミー光硬化層46を形成しておく。
【0070】その後、成形台3を液面上に上昇させれ
ば、図1と同様に、光硬化層4の上には分厚い樹脂液
層1aが形成された状態になる。このとき、ダミー光硬
化層46の上には樹脂液は存在していない。図14に示
すように、掃き取り部材8を作動させて、光硬化層4の
上の余分の樹脂液を除去して、樹脂液薄層2を形成する
が、掃き取り部材8が光硬化層4の上を通過する前に、
ダミー光硬化層46の上を通過する。
【0071】図15に示すように、付着樹脂液1xがつ
いたままの掃き取り部材8がダミー光硬化層46の上を
通過すると、付着樹脂液1xがダミー光硬化層46の表
面に接触するため、付着樹脂液1xはダミー光硬化層4
6の上に移ってしまう。すなわち、掃き取り部材8から
付着樹脂液1xが除去されることになる。その後で、掃
き取り部材8が光硬化層4の上を通過すれば、光硬化層
4の上の樹脂液薄層2に付着樹脂液1xが移ることはな
く、表面は平滑な状態のままである。
【0072】 −周壁用光硬化層を形成しておく方法− 16および図17に示すように、三次元形状を構成す
る光硬化層4の周りを囲んで、周壁用光硬化層48が形
成される。具体的な作業手順は、前記した図1〜に
示された方法と同様でよい。図1の工程に対応する図
18で、掃き取り部材8を作動させると、光硬化層4お
よび周壁用光硬化層48の上に樹脂液薄層2が形成され
る。このとき、周壁用光硬化層48と光硬化層4の間の
空間に存在していた樹脂液は、周壁用光硬化層48で周
りを囲まれているので逃げだすことができず、周壁用光
硬化層48の内側に溜まったままになる。樹脂液薄層2
のうち、周壁用光硬化層48の外周縁は、垂れ下がった
り丸みが形成される。
【0073】図19に示すように、成形台3を下げて、
樹脂液薄層2を樹脂液1の液面に配置すると、図20に
拡大して示すように、樹脂液薄層2の丸い肩部分2aで
周囲の樹脂液1との間に凹みができる。しかし、光硬化
層4の周辺では、樹脂液薄層2の表面は平滑である。し
たがって、樹脂液薄層2の外周縁の丸い肩部分2aが自
然に平滑化されるのを待つことなく、樹脂液薄層2にレ
ーザ光を照射して光硬化させても、目的とする光硬化層
4は良好に形成できる。その結果、樹脂液薄層2の肩部
分2aが平滑化されるまでの待ち時間が不要になり、そ
の分だけ作業時間が短縮できる。なお、周壁用光硬化層
48については、外周縁に丸みがついた状態で形成され
るが、この周壁用光硬化層48は、樹脂液1を溜めるこ
とができさえすれば、その外形状が少しぐらい不正確で
も何ら問題はない。
【0074】 −樹脂液薄層の表面を樹脂液の液面よりも少し下げる方
法− の方法も、基本的には前記図1〜で説明した作業
工程で行われる。図1の工程に対応する図21に示す
ように、樹脂液薄層2が形成された成形台3および光硬
化層4を、樹脂液1の液面に配置する際に、(a) のよう
に、樹脂液薄層2の表面が樹脂液1の液面に一致した位
置よりも、さらに樹脂液薄層2を下げて、(b) に示すよ
うに、樹脂液薄層2の表面と周囲の樹脂液1の液面の間
に、段差hをつける。前記したように、樹脂液薄層2の
丸い肩部分2aと周囲の樹脂液1との間に出来る凹み
を、両側の樹脂液が流れ込んで埋めようとするが、この
とき、段差hに相当する位置エネルギーを持つ周囲の樹
脂液1は、低いほうへ勢い良く流れ込むことになるの
で、凹みが急速に埋められる。
【0075】ある程度凹みが無くなれば、(c) から(d)
に示すように、樹脂液薄層2を上昇させて、樹脂液薄層
2の表面が樹脂液1の液面に一致する所定の位置に配置
する。そうすると、樹脂液薄層2と周囲の樹脂液1との
間の段差hも無くなり、樹脂液薄層2の表面が樹脂液1
の液面と一体化して平滑になる。上記実施例において、
前記段差hが大きいほど、凹み部分への樹脂液の流れ込
みの勢いが強くなるが、樹脂液薄層2の一旦下げてから
上昇させるのに必要な時間と、段差hのついた液面が平
坦になるための時間は増えることになるので、あまり段
差hを大きくしても効果は向上しない。具体的には、段
差hを樹脂液薄層2の厚み分ぐらいに設定しておくのが
最も有効である。
【0076】 −樹脂液薄層と周囲の樹脂液との境界を加熱する方法− 22は、前記図1の工程、すなわち、樹脂液薄層2
を樹脂液1の液面に配置した段階を示している。この状
態では、樹脂液薄層2の外周縁にできる丸い肩部分2a
と樹脂液1との境界部分に凹みが生じている。
【0077】そこで、(a) に示すように、上記境界部分
に赤外線レーザ光72を照射する。赤外線レーザ光72
は、境界部分の樹脂液を加熱して、その粘性を下げ、流
動性を高める。その結果、(b) から(c) に示すように、
境界部分への両側からの樹脂液の流れ込みが迅速に行わ
れるようになり、樹脂液薄層2の表面と樹脂液1の液面
が、直ちに平滑化する。その後、(d) に示すように、通
常の光硬化用の紫外線等からなるレーザ光7で光硬化層
4を形成するのは、前記した方法と同様である。
【0078】樹脂液を加熱するための赤外線レーザ光7
2は、樹脂液薄層2と樹脂液1の境界部分で、液面に凹
みができる範囲か、それよりも少し広い程度の範囲に照
射すればよい。液面の凹みを解消するために流動する樹
脂液は、境界部分の周辺だけなので、赤外線レーザ光7
2の照射範囲をそれ以上に広げても効果はない。また、
赤外線レーザ光72は光硬化用のレーザ光7のように高
精度に制御する必要はない。
【0079】図23は、上記のような動作を行わせるた
めのレーザ装置を示している。紫外線等を照射する通常
の光硬化用レーザ発生装置70と、赤外線を照射する加
熱用レーザ発生装置74が並んで設けられている。レー
ザ発生装置70、74の前方には、一対の折り返しミラ
ー76、77が設けられている。一方の折り返しミラー
77は、左右に移動自在に設けられている。
【0080】(a) に示すように、光硬化用レーザ発生装
置70からレーザ光7を照射するときは、折り返しミラ
ー77をレーザ光7の照射経路の外に移動させておくの
で、全く通常の場合と同様に作動できる。(b) に示すよ
うに、加熱用レーザ発生装置74から赤外線レーザ光7
2を照射するときには、折り返しミラー77を前記レー
ザ7の照射経路上に移動させておく。そうすると、赤外
線レーザ光72は、一対の折り返しミラー76および7
7で2回反射して、前記レーザ光7と同じ経路に照射さ
れることになる。
【0081】図24は、レーザ装置の別の構造を示して
いる。この実施例でも、光硬化用レーザ発生装置と加熱
用レーザ発生装置を用いて、通常のレーザ光7と赤外線
レーザ72光を別々に発生させる。そして、別の経路で
照射された両方のレーザ光7、72光を、角度θだけ違
った方向からプリズム78に通す。プリズム78は、透
過する光の波長による屈折率の違いで、プリズム78か
ら出力される光の方向が変わる。通常の紫外線等からな
るレーザ光7に比べて、赤外線レーザ光72は波長が長
いので、プリズム78内でより大きく方向を曲げられ
る。その結果、別々の経路で入射するレーザ光7と赤外
線レーザ光72が、プリズム78から出力された後は、
全く同じ経路で照射されることになる。
【0082】上記した各装置のように、レーザ光7と赤
外線レーザ光72を同じ経路で照射できれば、レーザ光
7、72の焦点調節や走査制御などを共通化できるの
で、装置の構造が簡略化および小型化できる。つぎに、
図25および図26に示す実施例では、掃き取り部材8
に熱風吹き出しノズル180を設けている。そして、図
25に示すように、前記した各実施例と同様に、掃き取
り部材8が光硬化層4の上を通過して樹脂液薄層2が形
成された後、図26に示すように、樹脂液薄層2が樹脂
液1の液面に配置された状態で、少し上昇させた掃き取
り部材8を、樹脂液薄層2の上方を通って、元の位置ま
で戻す際に、熱風吹き出しノズル180から熱風を吹き
出す。熱風は樹脂液薄層2と周囲の樹脂液1の液面付近
を加熱して、樹脂液の粘度を下げる結果、上記実施例と
同様に、樹脂液薄層2の平滑化を促進する。この方法で
は、樹脂液薄層2の外周縁部分を通過するときだけ熱風
吹き出しノズル180から熱風を吹き出すようにしても
よいが、掃き取り部材8の移動中、常に熱風を吹き出し
ておいてもよい。つぎに、以下に説明する実施例は、こ
の発明と関連する参考技術である。
【0083】 −液面付近で均し部材を使用する方法− 27に工程流れ図を示している。まず、工程に示す
ように、成形台3の上に第1層の光硬化層4を形成する
段階は、前記方法あるいは従来の方法と同様である。工
程で、成形台3を下げ、光硬化層4と液面との間隔
を、次層で形成する光硬化層の厚みに相当する距離に設
定する。しかし、前記したように、この段階では、光硬
化層4の上には周囲の樹脂液1が充分に流れ込まず、周
囲の樹脂液1の内周縁が丸く垂れ下がった状態で壁を作
ってしまう。
【0084】そこで、工程で、光硬化層4の周囲で光
硬化層4よりも少し高い位置に、均し部材となるドクタ
ーブレード8の下端を配置して、水平方向に移動させ
る。ドクターブレード8が移動すると、樹脂液1が押し
動かされ、光硬化層4の周囲から光硬化層4の上方へと
供給される。このようにして、光硬化層4の上方に樹脂
液1が供給されれば、樹脂液1自身の表面張力や重力の
作用で、液面は自然に平坦化され、工程に示すよう
に、光硬化層4の表面が、所定の厚みを有し表面の平坦
な樹脂液薄層2で覆われることになる。
【0085】なお、ドクターブレード8の作動は、光硬
化層4の上方を1度通過するだけでもよいが、図28に
示すような作動を行わせるのが好ましい。すなわち、段
階では、ドクターブレード8の下端を、光硬化層4の
表面にかなり近い高さに配置して水平移動させ、ドクタ
ーブレード8が挿入された深さ分の樹脂液1を押し動か
して、光硬化層4の上方に供給する。ドクターブレード
8の挿入深さが深いほど、移動させられる樹脂液量は多
くなる。但し、この段階では、ドクターブレード8が通
過した後で、ドクターブレード8の下端よりも上方の部
分に樹脂液1が供給され難いので、光硬化層4の表面全
体に周囲の液面と同じ高さまで樹脂液1を供給すること
はでき難い。そのため、段階に示すように、樹脂液1
の液面が、光硬化層4の上方が少し凹んだ状態まで均さ
れることになる。この状態で、時間をおけば、液面は平
坦化されるが、段階に示すように、ドクターブレード
8の高さを液面近くまで上昇させて、もう一度水平移動
させると、光硬化層4の上方の凹みに樹脂液1が供給さ
れて、段階に示すように、液面全体が迅速に平坦化さ
れることになる。
【0086】上記のように、ドクターブレード8の水平
移動と段階的な上昇を繰り返すことにより、光硬化層4
の表面に、所定の樹脂液薄層2を迅速に形成することが
でき、作業時間の一層の短縮化を図ることができる。ド
クターブレード8の作動の繰り返し回数は、樹脂液薄層
2の厚みおよび平坦化が達成されるまで、2回以上の任
意の回数に設定できる。
【0087】 −樹脂液または光硬化層に振動を与える方法− 29に工程流れ図を示している。まず、前記各方法あ
るいは従来法と同様に、工程から工程または工程
′で、成形台3上で第1層の光硬化層4を形成する。
工程は、成形台3を深く沈めた後に、液面下の所定位
置に配置した場合であり、前記したように、液面が盛り
上がってしまう。また、工程′は、成形台3を液面下
の所定位置に直ちに配置した場合であり、光硬化層4の
上方に樹脂液1が充分に供給されない。
【0088】この状態から、工程および′に示すよ
うに、樹脂液1に超音波あるいは微小振動を与えると、
樹脂液1が前後左右に細かくゆり動かされる。その結
果、液面の高い部分から低い部分へと樹脂液が移動し易
くなり、液面の平坦化が迅速に行われる。樹脂液1をゆ
り動かすには、樹脂液槽6に振動発生装置を取り付けて
おいて、樹脂液1全体に振動を与えてもよいし、振動発
生装置を成形台3あるいはその支持機構に取り付けてお
いて、成形台3を介して樹脂液1をゆり動かすようにし
てもよいし、その両方の手段を併用してもよい。樹脂液
1に振動を与えるのは、成形台3を沈めて、光硬化層4
を所定の位置に配置したあとで開始してもよいし、成形
台3を作動させながら、樹脂液1または成形台3を振動
させてもよい。
【0089】液面が平坦化されたあと、工程で、液面
にレーザ光を照射するのは、前記したとおりである。前
記したこの発明の、液面外に樹脂液薄層を形成した後、
液面に配置する方法、あるいは、別法として説明した
液面付近で均し部材を使用する方法に、この振動を与え
る方法を併用すれば、液面の平坦化をより促進すること
ができることは言うまでもない。
【0090】 −ピストンとシリンダを用いる方法− 30に、使用する装置の構造を示している。基台12
の上に円筒状のシリンダ11が設置され、シリンダ11
の内面に沿って摺動し、上面が平坦に形成されたピスト
ン10を備えている。シリンダ11の上方には、ドクタ
ーブレード8が設置されており、シリンダ11の上面に
沿って水平方向に移動する。また、シリンダ11の上方
には、樹脂液の供給ノズル100を備えている。
【0091】図31は、上記装置を使用する方法の工程
流れ図を示している。工程で、ピストン10の上面
を、シリンダ11の上面からの深さが、目的の光硬化層
を形成するのに必要な樹脂液薄層の厚みに相当するよう
に配置する。すなわち、図6における、ピストン10の
上面とシリンダ11の上面との段差T0で、樹脂液薄層
の厚みが設定される。この状態で、ピストン10の上方
に樹脂液1を供給する。シリンダ11の上面から溢れた
樹脂液1は外にこぼれ落ち、シリンダ11の上面に盛り
上がった状態で樹脂液1がたまる。
【0092】工程で、シリンダ11の上面に沿って、
ドクターブレード8を水平方向に移動させる。シリンダ
11の上面に盛り上がっていた樹脂液1は掃き取られて
しまい、シリンダ11の上端とピストン10の上面との
間に、所定の厚みで樹脂液薄層2が残る。ついで、工程
で、樹脂液薄層2にレーザ光7を照射すれば、目的と
する光硬化層4が形成される。
【0093】つぎに、工程で、ピストン10を少し下
げ、形成された光硬化層4とシリンダ11の上端との距
離T0 を、次層で形成する光硬化層に対応する樹脂液薄
層の厚みに設定する。その後、工程〜工程に示すよ
うに、前記同様にして、ドクターブレード8の作動およ
びレーザ光7の照射を行えば、新たな光硬化層4が形成
される。このような工程を繰り返すことによって、光硬
化層4の積み重ねが行われ、所望の三次元形状を備えた
樹脂成形品が得られる。
【0094】 −ドクターブレードの刃先形状を改良した方法− クターブレード8は、前記したそれぞれの方法におい
て、樹脂液を掃き取り除去したり、必要な個所に供給し
たり、表面を均したりするときに使用される。具体的に
は、前記図1、図14、図18、図25、図27、
図28などの工程である。
【0095】図32は、ドクターブレード8の刃先形状
とその使用状態を示しており、テーパ状に尖った嘴形の
刃先部80が、垂直下方を向かずに、斜め下方を向いて
いる。このような刃先形状のドクターブレード8を、樹
脂液1の液面から一定の深さの位置で、水平方向に移動
させると、曲がった嘴形の刃先部80で樹脂液1をすく
うように移動し、ドクターブレード8が通過した後で、
ドクターブレード8の背後に樹脂液1が回り込み難くな
り、刃先部80の先端の通過位置がそのまま液面Xとな
る。この状態を、前記図52に示した従来の刃先形状の
場合と比較すれば、液面Xの設定精度が明らかに向上し
ていることが判る。
【0096】図32に示した実施例では、刃先部80の
先端が向いた方向にドクターブレード8を移動させると
きしか、前記のような作用効果を果たせない。そこで、
図33に示すように、ドクターブレード8の前後方向に
対称形で、曲がった嘴形の刃先部80、80を形成して
おけば、ドクターブレード8を前後どちらの方向に移動
させてもよいことになる。
【0097】図34に示すように、複数の刃先部81、
82、83を、内側から外側へと少しづつ段差ΔX1
ΔX2 を付けて形成しておくと、第1の刃先部81で荒
取りを行い、第2の刃先部82で中仕上げ、第3の刃先
部83で最終仕上げというようにすることができる。そ
の結果、ひとつの刃先部81…で掃き取る樹脂液量が少
なくなるので、無理なくスムーズに、かつ、精度良く樹
脂液を掃き取ることができ、液面Xの設定がより正確に
行えたり、ドクターブレード8の1度作動させるだけ
で、充分な厚みの樹脂液を迅速かつ精度良好に掃き取っ
たりすることが可能になる。なお、この実施例でも、ド
クターブレード8の前後両側に対称形で、複数の刃先部
81…を形成している。
【0098】 −非収縮性充填材を用いる方法− 35に示すように、複数層の光硬化層4が積み重ねら
れた、断面鼓形の樹脂成形品5を成形する。成形装置と
しては、前記したシリンダ11とピストン10からなる
装置を使用する。成形装置の具体的構造は、前記図30
およびそれに関連する説明のとおりである。
【0099】図39に示すように、前記実施例と同様に
して、ピストン10の上に第1層の光硬化層40を形成
する。この光硬化層40は、面全体にレーザ光7を照射
して、全面を光硬化させた面状光硬化層40である。ピ
ストン10を下降させた後、樹脂液供給ノズル100か
ら樹脂液1を供給し、図40に示すように、ドクターナ
イフ8を作動させて、所定厚みの樹脂液薄層2を形成す
るのも、前記実施例と同様である。
【0100】つぎに、図41に示すように、レーザ光7
を格子状に照射することよって、樹脂液薄層2を格子状
に光硬化させ、格子状光硬化層42を形成する。格子状
光硬化層42の内部には、未硬化の樹脂液1が残った格
子空間43が形成される。格子状光硬化層42は、少な
くとも、外周縁は全周にわたって硬化させる必要がある
が、内部については、任意の形状あるいは配置パターン
で格子状に形成しておけばよい。図では、正方形上の格
子空間43が縦横に整然と配置された格子を構成してい
るが、格子空間43の形状あるいは配置は自由に変更で
きる。
【0101】図42に示すように、充填材供給ノズル1
20から、アルミナ粉末等の低収縮性充填材122をピ
ストン10あるいはシリンダ11の上方に供給する。格
子状光硬化層42の格子空間43や光硬化層40、42
の外周に充填材122が入り、その部分に存在する樹脂
液1に混入した状態になる。この混合物1+122の上
には、充填材122のみが堆積する。なお、シリンダ1
1の上端を液面とする樹脂液1に充填材122が混入す
ると、樹脂液1の液面が盛り上がって、シリンダ11の
上面よりも高くなる場合もある。
【0102】図43に示すように、シリンダ11の上面
に沿って、ドクターブレード8を作動させると、余分の
充填材122は掃き取られる。樹脂液1の液面が盛り上
がっている場合には、余分の樹脂液1も同時に掃き取ら
れることになる。図44に示すように、ピストン10の
下降、樹脂液1の供給を行い、図45に示すように、レ
ーザ光7を照射して、新たな格子状光硬化層42を形成
し、充填材122の供給、ドクターブレード8による掃
き取りを、前記図39〜図43と同様に行う。このよう
な工程を繰り返す。
【0103】その結果、図46に示すように、複数層の
格子状光硬化層42が積み重ねられ、各格子状光硬化層
42の格子空間43には充填材と樹脂液の混合物1+1
22が充填された、所望の三次元形状が構成される。な
お、最下層すなわち第1層と、最上層に、前記した面状
光硬化層40が形成されているので、格子空間43内の
流動状態の前記混合物1+122が漏れたり流出する心
配がない。また、途中の層でも、必要に応じて面状光硬
化層40を挟んでおけば、充填材122が下層の格子空
間43に沈んでしまって、偏った分布になることがな
い。
【0104】図47に示すように、重ねられた光硬化層
40、42全体を、アフターキュア室140に入れ、ラ
ンプ142で照射して一括硬化させる。これにより、格
子状光硬化層42の格子空間43に残っていた樹脂液1
の未硬化部分も、充填材122を取り囲んだ状態で完全
に硬化する。このようにして、前記図35に示すような
三次元形状の樹脂成形品5が得られる。
【0105】なお、上記実施例では、シリンダ11とピ
ストン10を用いて樹脂液薄層2を形成しているが、前
記した各実施例のように、昇降自在な成形台3を用いる
など、通常の各種三次元形状の形成方法における樹脂液
薄層2の形成手段を利用できることは言うまでもない。
【0106】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかる三次元
形状の形成方法は、光硬化層を迅速かつ正確に形成で
き、その結果、形成された三次元形状の形状精度を向上
させることができる。特に、樹脂液薄層を樹脂液の外部
で形成してから、樹脂液の液面に配置するので、周りの
樹脂液の影響等を受けずに、樹脂液薄層を迅速かつ正確
に形成でき、その結果、形状、厚みが正確な光硬化層を
形成して、形成された三次元形状の形状精度を向上させ
ることができる。
【0107】形台の昇降動作と、掃き取り部材の作動
を組み合わせることにより、厚みが正確で表面が平坦な
樹脂液薄層を迅速に形成することができ、その結果、上
記同様の効果が発揮できる。この発明では、掃き取り部
材の付着樹脂液の樹脂液薄層への移行を無くして、樹脂
液薄層の平坦化を促進し、その結果、上記同様の効果が
発揮できる。
【0108】壁用光硬化層を形成しておくことによっ
て、三次元形状を構成する光硬化層となる部分の樹脂液
薄層に凹凸が無くなって平坦化され、その結果、上記同
様の効果が発揮できる。脂液薄層を一旦樹脂液の液面
よりも下げてから液面に一致させることにより、樹脂液
薄層の外周縁における液面の平坦化を促進することがで
き、その結果、上記同様の効果が発揮できる。
【0109】脂液薄層と周囲の液面の境界部分を加熱
して樹脂液の流動性を高めることによって、この部分に
おける液面の平坦化を促進することができ、その結果、
上記同様の効果が発揮できる。ストンとシリンダの段
差部分で樹脂液薄層を形成するとともに、掃き取り部材
を作動させることによって、樹脂液薄層の厚みの設定、
および、表面の平坦化を、迅速かつ正確に行えるので、
樹脂液の粘性や表面張力などの特性の違いに影響されず
に、三次元形状の形状精度の向上および作業能率の向上
が実現できる。
【0110】クターブレードの刃先形状を改良するこ
とによって、三次元形状の形成方法において、非常に重
要な役割を果している掃き取り部材や均し部材による樹
脂液の移動あるいは液面の制御を、精度良く短時間で行
うことが可能になり、ドクターブレードを利用する各種
の三次元形状の形成方法において、三次元形状の形状精
度および作業能率を大幅に向上させることができる。
【0111】填材を用いることによって、光硬化性樹
脂の硬化収縮を確実に防止できるるとともに、光硬化は
充填材を含まない樹脂液のみに行うので、光を照射した
ときの硬化深さなどの硬化状態に悪影響を与えない。そ
の結果、光硬化層の形成が能率的かつ正確に行えること
になり、樹脂成形品の品質性能や特性を低下させず、し
かも、能率的に形状精度の高い三次元形状を有する樹脂
成形品を製造することが可能になる。
【0112】脂液に振動を与えるだけで、その他の工
程は全く変更することなく、迅速かつ正確に樹脂液薄層
を形成することができ、その結果、光硬化層および三次
元形状の形状精度および全体の作業能率を向上させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を工程順に示す模式的断面
【図2】 図1のA部における挙動を拡大して段階的に
示す模式的断面図
【図3】 別の実施例を示す模式的断面図
【図4】 同上の側面からみた模式的断面図
【図5】 掃き取り部材に樹脂液が付着した状態の要部
拡大説明図
【図6】 樹脂液薄層に付着樹脂液が移った状態の要部
拡大説明図
【図7】 付着樹脂液の除去手段を備えた掃き取り部材
の概略説明図
【図8】 付着樹脂液の除去手段の別の実施例を示す概
略説明図
【図9】 付着樹脂液の除去手段の別の実施例を示す概
略説明図
【図10】 付着樹脂液の除去手段の別の実施例を示す
概略説明図
【図11】 ダミー光硬化層を用いる実施例の模式的平
面図
【図12】 同上の正面からみた模式的断面図
【図13】 ダミー光硬化層を形成する工程を示す模式
的断面図
【図14】 掃き取り部材の作動工程を示す模式的断面
【図15】 付着樹脂液の除去工程を段階的に示す説明
【図16】 周壁用光硬化層を形成する方法の実施例を
示す模式的断面図
【図17】 同上の平面図
【図18】 掃き取り部材の作動工程を示す模式的断面
【図19】 樹脂液薄層を液面に配置した状態を示す模
式的断面図
【図20】 同上の要部拡大図
【図21】 樹脂液薄層を液面よりも下げる方法の実施
例を段階的に示す模式的説明図
【図22】 赤外線レーザを用いる実施例を段階的に示
す模式的説明図
【図23】 レーザ装置の実施例を示す模式的斜視図
【図24】 レーザ装置の別の実施例を示すプリズム部
分の作用説明図
【図25】 熱風吹き出しノズルを用いる実施例を示す
模式的断面図
【図26】 同上の作動状態を示す模式的断面図
【図27】 別の実施例を工程順に示す模式的断面図
【図28】 別の実施例のうち工程の要部を示す模式的
断面図
【図29】 別の実施例を工程順に示す模式的断面図
【図30】 別の実施例に用いる成形装置の斜視図
【図31】 同上の使用方法を工程順に示す模式的断面
【図32】 ドクターブレードの実施例とその作用を示
す模式的断面図
【図33】 ドクターブレードの別の実施例とその作用
を示す模式的断面図
【図34】 ドクターブレードの別の実施例とその作用
を示す模式的断面図
【図35】 別の実施例で得られる樹脂成形品の形状を
示す斜視図
【図36】 同上の成形工程を工程順に示し、最初の工
程の模式的断面図
【図37】 図36の次の工程の模式的断面図
【図38】 図37の次の工程の模式的断面図
【図39】 図38の次の工程の模式的断面図
【図40】 図39の次の工程の模式的断面図
【図41】 図40の次の工程の模式的断面図と格子状
光硬化層の平面図
【図42】 図41の次の工程の模式的断面図およびA
部拡大断面図
【図43】 図42の次の工程の模式的断面図およびB
部拡大断面図
【図44】 図43の次の工程の模式的断面図およびC
部拡大断面図
【図45】 図44の次の工程の模式的断面図
【図46】 積み重ねられた光硬化層の模式的断面図
【図47】 一括硬化工程の模式的断面図
【図48】 従来例を示す概略断面図
【図49】 図24のA部拡大断面図および理想的な光
硬化層の断面図
【図50】 別の従来例を段階的に示す模式的断面図
【図51】 別の従来例を段階的に示す模式的断面図
【図52】 別の従来例を示す模式的断面図
【図53】 別の従来例を示す模式的断面図
【図54】 別の従来例を示す説明図
【符号の説明】
1 樹脂液 1x 付着樹脂 2 樹脂液薄層 3 成形台 4 光硬化層 5 樹脂成形品 7 レーザ光 8 ドクターブレード(掃き取り部材または均し部材) 10 ピストン 11 シリンダ 40 面状光硬化層 42 格子状光硬化層 43 格子空間 46 ダミー光硬化層 48 周壁用光硬化層 72 赤外線レーザ光 86 ヒータ 87 熱風 88 拭き取り材 122 充填材 180 熱風吹き出しノズル 200 定量塗布ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 良光 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−224726(JP,A) 特開 昭62−35966(JP,A) 特開 平2−14133(JP,A) 国際公開90/3255(WO,A1) 欧州特許出願公開450762(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 67/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化性樹脂液に光を照射して光硬化層
    を形成し、この光硬化層を複数層積み重ねて、所望の三
    次元形状を形成する方法において、 成形台または先に形成された光硬化層の表面を、樹脂液
    槽内の樹脂液に対して、次層の光硬化層の形成に必要な
    樹脂液薄層の厚みよりも深い位置まで沈めた後、成形台
    または先に形成された光硬化層の表面を樹脂液の液面よ
    りも高くして、成形台または先に形成された光硬化層の
    上に樹脂液の層を形成し、 形成された樹脂液層の一部を水平移動する掃き取り部材
    で除去して樹脂液薄層を形成した後、掃き取り部材に付
    着している樹脂液を除去し、 形成された樹脂液薄層を前記樹脂液槽内の樹脂液の液面
    位置に配置し、樹脂液の液面と樹脂液薄層の表面を一致
    させた状態で、樹脂液薄層に光を照射して光硬化層を形
    成させることを特徴とする三次元形状の形成方法。
  2. 【請求項2】 光硬化性樹脂液に光を照射して光硬化層
    を形成し、この光硬化層を複数層積み重ねて、所望の三
    次元形状を形成する方法において、 成形台または先に形成された光硬化層の表面に、樹脂液
    槽に貯えられた樹脂液の外部で、樹脂液を供給して、次
    層の光硬化層の形成に必要な樹脂液薄層の厚みよりも分
    厚い樹脂液の層を形成し、 形成された樹脂液層の一部を水平移動する掃き取り部材
    で除去して樹脂液薄層を形成した後、掃き取り部材に付
    着している樹脂液を除去し、 形成された樹脂液薄層を前記樹脂液槽内の樹脂液の液面
    位置に配置し、樹脂液の液面と樹脂液薄層の表面を一致
    させた状態で、樹脂液薄層に光を照射して光硬化層を形
    成させることを特徴とする三次元形状の形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1〜の何れかに記載の方法にお
    いて、三次元形状を構成する光硬化層を形成するのと同
    時に、前記光硬化層の外周を囲む周壁用光硬化層を形成
    する三次元形状の形成方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜の何れかに記載の方法にお
    いて、樹脂液薄層を樹脂液槽内の樹脂液の液面位置に配
    置するときに、樹脂液薄層の表面を、一旦、樹脂液の液
    面よりも少し下方に配置した後、樹脂液薄層を上昇させ
    て、樹脂液の液面と樹脂液薄層の表面を一致させる三次
    元形状の形成方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜の何れかに記載の方法にお
    いて、樹脂液薄層を樹脂液槽内の樹脂液の液面位置に配
    置したときに、樹脂液薄層と周囲の樹脂液の液面との境
    界付近を加熱する三次元形状の形成方法。 【0001】
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