JP2929952B2 - 電気接続箱 - Google Patents

電気接続箱

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JP2929952B2
JP2929952B2 JP6301044A JP30104494A JP2929952B2 JP 2929952 B2 JP2929952 B2 JP 2929952B2 JP 6301044 A JP6301044 A JP 6301044A JP 30104494 A JP30104494 A JP 30104494A JP 2929952 B2 JP2929952 B2 JP 2929952B2
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伸二 川北
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気接続箱に関し、詳
しくは、ケースを大型化することなく、ケース内に収容
するブロックを迅速かつ確実に固定できるようにするも
のである。
【0002】
【従来の技術】自動車用ワイヤハーネス等を種々の電装
品に分岐接続するのに用いられる電気接続箱は、分岐接
続点を1箇所に集中させて、配線を合理的かつ経済的に
分岐接続するものであり、ワイヤーハーネスの高密度化
に伴って、車種別又は用途別に種々の形式のものが開発
されている。
【0003】上記のような電気接続箱としては、図6に
示すように、ジャンクションブロック1,…,1を収容
するジャンクションブロック収容箱2がある。該収容箱
2のロアケース3内に各ジャンクションブロック1を収
容して固定すると共に、ロアケース3にアッパーケース
4を被せて、両ケース3,4を係止部3a,4aで係止
するようになっている。
【0004】上記ロアケース3に各ジャンクションブロ
ック1を収容して固定する方法としては、ロアケース3
のボルト部3bにジャンクションブロック1をナット5
で締め付けて固定する方法、又はロアケース3のカセッ
トロック3cでジャンクションブロック1を係止して固
定する方法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ナ
ット5による固定方法では、ジャンクションブロック1
の取り付け又は取り外しを容易にするために、ナット5
の締め付けは上方から行う必要があるから、ロアケース
3内にナット締め付け用スペースが多く必要となり、ロ
アケース3が大型化すると共に、ナット5の締め付け作
業に時間がかかる。また、メンテナンス等でジャンクシ
ョンブロック1を取り外して、再び取り付けるときに
は、ナット5の締め付けトルクがわからないから、ジャ
ンクションブロック1を確実に固定できないおそれがあ
る。
【0006】さらに、上記カセットロック3cによる固
定方法では、ジャンクションブロック1の重量が合成樹
脂製のカセットロック3cにかかるから、カセットロッ
ク3cが破損するおそれがあるので、ナットによる固定
も併用する必要がある。
【0007】本発明は上記問題を解消するためになされ
たもので、ケースを大型化することなく、ケース内に収
容するブロックを迅速かつ確実に固定できる電気接続箱
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ケース内にブロックを収容して固定する
電気接続箱において、上記ブロックの外面又はケースの
内面のいずれかに、左右方向へ出没自在に支持されたロ
ックピンが設けられ、該ロックピンは、弾性部材で突出
方向に付勢されると共に、没入方向に移動操作可能な手
操作部を有する一方、上記ブロックをケースに収容する
とき、上記ロックピンを没入方向に移動させると共に、
付勢力で突出するロックピンに当接して、上記ブロック
の反収容方向の移動を規制するガイド部と、上記ブロッ
クの収容方向の移動を規制する台座部とを設けたことを
特徴とする電気接続箱を提供するものである。
【0009】上記ガイド部には、ブロックをケースに収
容するときにロックピンの先端が当接して、ロックピン
が没入方向に移動するようにガイドするガイド斜面を形
成するのが好ましい(請求項2)。上記ロックピンが金
属製であるのが好ましい(請求項3)。上記弾性部材が
コイルバネ又は弾性ゴムであるのが好ましい(請求項
4)。
【0010】
【作用】本発明によれば、ブロックをケース内に収容す
るとき、ガイド部でロックピンが弾性部材に付勢力に抗
して没入方向に移動した後、弾性部材の付勢力で突出し
てガイド部に当接し、ブロックの反収容方向の移動が規
制されると同時に、台座部でブロックの収容方向の移動
が規制されて、ブロックがケース内に固定されるように
なる。上記ブロックをケース内から取り出すときは、手
操作部でロックピンを没入方向に移動操作すると、ガイ
ド部への当接が解除されるので、反収容方向に持ち上げ
て取り出すことができる。
【0011】上記のようなロックピンによる固定方法で
あれば、ナットによる固定方法では必要なナット締め付
け用スペースが不要となり、ケースが小型化すると共
に、ワンタッチで迅速に固定できるので、固定作業時間
が大幅に短縮する。また、メンテナンス等による取り外
しも簡単で、再び取り付けるときにも、ワンタッチで、
取り外し前と同じ状態で確実に固定できる。さらに、カ
セットロックによる固定方法のように、ナットによる固
定の併用が不要である。さらにまた、ガイド部にガイド
斜面を形成すると、ブロックをケース内に収容すると
き、ロックピンの移動がスムーズになる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。図1及び図2に示すように、合成樹脂製のジャ
ンクションブロック7は、上ブロック7Aと下ブロック
7Bとに2分割されて、一側壁7aの外面には、上下に
2分割されて外方へ突出する左右一対のブラケット部7
c,7dがそれぞれ形成されている。
【0013】上記両ブロック7A,7Bの各ブラケット
部7c,7dには、半円状の凹部7eがそれぞれ形成さ
れ、上記両ブラケット部7A,7Bをロック爪等で一体
的に結合したとき、上記各凹部7eが円状になって、金
属製のロック用スリーブ8を上下から挟着固定するよう
になっている。
【0014】上記スリーブ8には、一対の金属製ロック
ピン9,9が左右方向に出没自在に嵌合されると共に、
各ロックピン9には、上記スリーブ8の上周面のあけた
長孔8a,8aをそれぞれ貫通して上方に突出する手操
作ピン9a,9aが固定されている。なお、上記スリー
ブ8と各ロックピン9は、強度の点から金属製が好まし
いが、合成樹脂製であってもよい。上記各ロックピン9
の間にはコイルバネ10が縮装され、該コイルバネ10
で各ロックピン9が相互に突出方向Aに付勢されてい
る。上記手操作ピン9a,9aを内方に手操作すると
(図2(B)の矢印b参照)、各ロックピン9をコイル
バネ10の付勢力に抗して没入方向Bに移動させること
ができる。
【0015】なお、上記左右一対のブラケット部7c,
7dやロック用スリーブ8、ロックピン9,9等は、上
記ジャンクションブロック7の一側壁(図中右側)7a
の反対側の他側壁(図中左側)7bにも同様に設けられ
ている(図3(A)参照)。
【0016】一方、ジャンクションブロック収容箱の合
成樹脂製のロアケース12の側壁12bの内面の下部に
は、図3(A)に示すように、上記ジャンクションブロ
ック7を上開口12cからロアケース12内に収容した
とき、ジャンクションブロック7のブラケット部7c,
7dの下面を当て止めて、ジャンクションブロック7の
収容方向(下方向)Cの移動を規制する台座部12dを
内方へ膨出させて設けている。
【0017】また、上記ロアケース12の側壁12bの
内面の上部には、図3(B)(C)に示すように、上記
ジャンクションブロック7の各ロックピン9に対応して
左右一対のガイド部12e,12eを内方へ突出させて
設けている。該各ガイド部12eは、上記ジャンクショ
ンブロック7のスリーブ8の長さよりも僅かに広い内幅
Wに設定されると共に、下面には、上記ジャンクション
ブロック7のブラケット部7c,7dの下面が台座部1
2dの上面で当て止められたとき、各ロックピン9の上
半分を上下方向にがたつきなく嵌入する半円状の嵌入凹
部12hが形成されている。
【0018】上記各ガイド部12eの上面には、上記ジ
ャンクションブロック7を上開口12cからロアケース
12内に収容する途中で、上記各ロックピン9の先端が
当接して、各ロックピン9を没入方向Bにスムーズに移
動させるガイド斜面12f,12fをそれぞれ形成す
る。該各ガイド斜面12fには、上記各ロックピン9の
先端をガイドする半円状の凹部12g,12gがそれぞ
れ形成されている。
【0019】なお、上記台座部12dや左右一対のガイ
ド部12f,12f等は、上記ロアケース12の他側壁
(図中左側)12bの反対側の一側壁(図中左側)12
aにも同様に設けられている(図3(B)参照)。
【0020】上記のように構成すれば、ジャンクション
ブロック7をロアケース12内に固定するには、図1
(A)のように、ジャンクションブロック7を上開口1
2cからロアケース12内に収容すると(矢印C参
照)、各ロックピン9の先端が各ガイド部12eのガイ
ド斜面12fの凹部12gに嵌入してガイドされなが
ら、各ロックピン9がコイルバネ10の付勢力に抗して
没入方向Bに移動される。
【0021】そして、ロアケース12の台座部12dの
上面にジャンクションブロック7のブラケット部7c,
7dの下面が当て止められると、ジャンクションブロッ
ク7は収容方向(下向き)Cの移動が規制される。同時
に、上記各ロックピン9が各ガイド部12eのガイド斜
面12fに続く内端面から外れて、コイルバネ10の付
勢力で突出方向Aに移動して、各ガイド部12eの嵌入
凹部12hに嵌入すると、ジャンクションブロック7は
反収容方向(上方向)Dの移動が規制される。これらに
より、ジャンクションブロック7はロアケース12内に
固定される。
【0022】上記ジャンクションブロック7をメンテナ
ンス等でロアケース12内から取り出すときには、ロア
ケース12の上開口12cから各ロックピン9の手操作
ピン9a,9aを内方bに手操作すると、各ロックピン
9がコイルバネ10の付勢力に抗して没入方向Bに移動
して、ロアケース12の各ガイド部12eの嵌入凹部1
2hから抜け出るので、ジャンクションブロック7を反
収容方向(上方向)Dに持ち上げて取り出すことができ
る。
【0023】上記のようにして、ジャンクションブロッ
ク7をロアケース12に固定することにより、従来のよ
うにナットで固定する必要がないから、ナット締め付け
用スペースが不要となり、ロアケース12が小型化でき
るようになる。また、ジャンクションブロック7をロア
ケース12内に収容する作業だけで、ワンタッチで迅速
に固定できるから、固定作業時間が大幅に短縮するよう
になる。さらに、メンテナンス等による取り外しも簡単
で、再び取り付けるときにも、従来のような締め付けト
ルク等がないので、取り外し前と同じ状態で確実に固定
できるようになる。
【0024】上記実施例では、各ロックピン9を1本の
コイルバネ10で付勢したが、図4(A)(B)に示す
ように、スリーブ8をジャンクションブロック7の各ブ
ラケット部7c,7dごとに2分割し、各スリーブ8内
に弾性ゴム11をそれぞれ嵌合して、2個の弾性ゴム1
1で各ロックピン9をそれぞれ付勢するようにしてもよ
い。
【0025】また、上記実施例では、スリーブ8とロッ
クピン9等をジャンクションブロック7に取り付けた
が、図5(A)(B)に示すように、ロアケース12の
側壁12a,12bの内面に、スリーブ8を挟着して取
り付けるブラケット部12i,12j,12jと、ジャ
ンクションブロック7のブラケット部7c,7dを当て
止める台座部12k,12kを設ける一方、上記ジャン
クションブロック7のブラケット部7c,7dの下面
に、各ロックピン9の先端をガイドするガイド斜面7e
を形成する。
【0026】上記の構成であれば、ジャンクションブロ
ック7を上開口12cからロアケース12内に収容する
と(矢印C参照)、各ブラケット部7c,7dのガイド
斜面7eでガイドされながら、各ロックピン9がコイル
バネ10の付勢力に抗して没入方向Bに移動される。
【0027】そして、ロアケース12の台座部12k,
12kの上面にジャンクションブロック7のブラケット
部7c,7dの下面が当て止められると、ジャンクショ
ンブロック7は収容方向(下向き)Cの移動が規制され
る。同時に、上記各ロックピン9が各ガイド部7c,7
dのガイド斜面7eに続く内端面から外れて、コイルバ
ネ10の付勢力で突出方向Aに移動して、各ガイド部7
c,7dの上面に当接すると、ジャンクションブロック
7は反収容方向(上方向)Dの移動が規制される。これ
らにより、ジャンクションブロック7はロアケース12
内に固定されて、上記実施例と同様の効果を奏すること
ができる。
【0028】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の電気接続箱は、ブロックをケース内に収容するとき、
ガイド部でロックピンが弾性部材に付勢力に抗して没入
方向に移動した後、弾性部材の付勢力で突出してガイド
部に当接し、ブロックの反収容方向の移動が規制される
と同時に、台座部でブロックの収容方向の移動が規制さ
れて、ブロックがケース内に固定されるようになる。し
たがって、従来のナットによる固定方法では必要なナッ
ト締め付け用スペースが不要となり、ケースが小型化す
ると共に、ワンタッチで迅速に固定できるので、固定作
業時間が大幅に短縮するようになる。
【0029】また、メンテナンス等による取り外しも簡
単で、再び取り付けるときにも、ワンタッチで、取り外
し前と同じ状態で確実に固定できるようになる。さら
に、カセットロックによる固定方法のように、ナットに
よる固定の併用が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電気接続箱の斜視図である。
【図2】 (A)はジャンクションブロックの斜視図、
(B)はロックピン等の斜視図である。
【図3】 (A)は図1のE−E線に相当する断面図、
(B)は図1のF−F線に相当する断面図、(C)は図
1のG−G線に相当する断面図である。
【図4】 (A)は第1変形例のジャンクションブロッ
クの斜視図、(B)はロックピン等の斜視図である。
【図5】 (A)は第2変形例の電気接続箱の斜視図、
(B)は(A)のH−H線の相当する断面図である。
【図6】 従来の電気接続箱の斜視図である。
【符号の説明】
7 ジャンクションブロック 7a,7b 側壁 7c,7d ブラケット部 7e ガイド斜面 8 スリーブ 9 ロックピン 9a 手操作ピン 10 コイルバネ 11 弾性ゴム 12 ロアケース 12a,12b 側壁 12d,12k 台座部 12e ガイド部 12f ガイド斜面

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース内にブロックを収容して固定する
    電気接続箱において、 上記ブロックの外面又はケースの内面のいずれかに、左
    右方向へ出没自在に支持されたロックピンが設けられ、
    該ロックピンは弾性部材で突出方向に付勢されると共に
    没入方向に移動操作可能な手操作部を有する一方、上記
    ブロックをケースに収容するとき、上記ロックピンを没
    入方向に移動させると共に付勢力で突出するロックピン
    に当接して上記ブロックの反収容方向の移動を規制する
    ガイド部と、上記ブロックの収容方向の移動を規制する
    台座部とを設けたことを特徴とする電気接続箱。
  2. 【請求項2】 上記ガイド部には、ブロックをケースに
    収容するときにロックピンの先端が当接して、ロックピ
    ンが没入方向に移動するようにガイドするガイド斜面が
    形成されている請求項1に記載の電気接続箱。
  3. 【請求項3】 上記ロックピンが金属製である請求項1
    又は請求項2に記載の電気接続箱。
  4. 【請求項4】 上記弾性部材がコイルバネ又は弾性ゴム
    である請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の電
    気接続箱。
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