JP2929144B2 - 弾球遊技機の球送り装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、打球供給皿の前面側に
備えた開閉パネル裏面に、打球供給皿から流下する遊技
球が流下可能な打球供給路を設けた打球供給枠と、打球
供給枠に配設されて、所要部位に磁性金属部材を有し、
遊技球を１個宛に受け入れる球受部を打球供給路に回動
可能に臨ませた球送部材と、球送部材の磁性金属部材に
対向するように設けた電磁石と、を備え、打球供給皿か
ら打球供給路を流下する遊技球を、電磁石の間欠励磁作
用により球送部材を作動させて発射レールの打球発射部
に１個宛供給する弾球遊技機の球送り装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の球送り装置は、打球供給路に臨ん
だ球送り部材を、発射杆の発射動作に機械的に連動させ
て作動し、球を打球発射部に供給していた。また、本出
願人の出願に係る特公昭６２−３１９５３号公報には、
ソレノイドにより球送り部材を作動したり、ステップモ
ータにより球送り部材を回転させたりして、球を打球発
射部を供給する球送り装置が開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、球送り部材を
発射杆の発射動作に機械的に連動させて作動する球送り
装置では、発射杆と球送り部材とを連絡する機構が複雑
となるばかりでなく、各部材間に摩擦が生じ、作動に大
きな力が必要であったり、摩擦により部材が摩耗する
等、耐久性に問題があった。 また、ソレノイドやステップモータを利用した場合に
も、構造が複雑となり、球送り部材が大型化して、パチ
ンコ機内部のスペースを有効に利用することができなか
った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、打球供給皿（２）を前面側に備えた開閉
パネル（１）裏面に、打球供給皿から流下する遊技球が
流下可能な打球供給路（１９）を設けた打球供給枠
（３）と、打球供給枠に配設されて、所要部位に磁性金
属部材（例えば、磁石片２５）を有し、遊技球を１個宛
に受け入れる球受部（２３）を打球供給路に回動可能に
臨ませた球送部材（２２）と、球送部材の磁性金属部材
に対向するように設けた電磁石（２９）と、を備え、打
球供給皿から打球供給路を流下する遊技球を、電磁石の
間欠励磁作用により球送部材を作動させて発射レールの
打球発射部に１個宛供給する弾球遊技機の球送装置にお
いて、打球供給枠には、電磁石と磁性金属部材との間の
吸引状態を保持可能な一定の隙間を確保できるように球
送部材の電磁石側への回動範囲を規制する規制部材を設
け、さらに、電磁石の吸引面が吸引状態にある磁性金属
部材に対して平行状態になるように当該電磁石を配置し
たことを特徴とする。

【０００５】

【作用】斯くすれば、電磁石の間欠励磁作用によって、
送球部材が打球供給皿から流下する遊技球を１個宛に受
入れて発射レールの打球発射部に１個宛供給することが
出来る。

【０００６】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１にパチンコ機の前面枠に取付ける開閉パネル
１を示してある。この開閉パネル１は、前面に打球供給
皿２を有し、裏面に打球供給枠３を設けてある。また、
打球供給皿２への球供給口４には球導出部材５が設けて
ある。

【０００７】図２から図４に示す打球供給枠３は、本体
６とカバー部材７とからなる。本体６には、ほぼ中程に
打球供給皿２の球を取り込むための球取入口８が開口し
てあり、球取入口８と上部と一側部を囲むようにケース
９を設け、他側部には上部球通路片１０を設けてある。
また、ケース９の下部には、球取入口８の下方に向かっ
て突出片１１を突出してある。

【０００８】一方、カバー部材７には、ほぼ中程に球を
打球発射部へ導出するための球取出口１２が開口してあ
り、下方隅部には球抜き口１３が開口してある。そし
て、球取出口１２の一側部と下部とを囲むように下部球
通路片１４を設けるとともに、球抜き口１３の一側部と
下部とを囲むように球抜き通路片１５を設けてある。こ
の球抜き通路片１５は、球抜き口１３の一側部まで延長
していて、下部球通路片１４と合流して、球抜き口１３
へ向かって下り傾斜する球抜き通路１６を形成してい
る。また、カバー部材７には、本体６のケース９に設け
た突出片１１の下方に位置するように、シャッタ載置部
１７が設けてあり、突出片１１とシャッター載置部１７
の間隔内に球抜きシャッター１８を摺動可能に取付けて
ある。この球抜きシャッター１８は、バネ等により付勢
されていて、常には下部球通路片１４に向かって突出し
ている。そして、上記したケース９と、上部球通路片１
０と、球抜きシャッター１８と、下部球通路片１４とに
より打球供給路１９を形成している。

【０００９】また、ケーク９には、こぼれ球回収口２０
が開設してあり、こぼれ球回収口２０の下方には、こぼ
れ球回収口２０に向かって下り傾斜するこぼれ球回収樋
２１が設けてある。そして、こぼれ球回収口２０は球抜
き通路１６に臨んでおり、金枠を開閉した際等に生じる
こぼれ球が回収する。

【００１０】打球供給路１９の下端には、上部球通路片
１０と下部球通路片１４との間に位置するように、球送
り部材２２を回動可能に臨ませてある。この球送り部材
２２は、図５に示すように、一端に端面が略コ字状をし
た球受部２３を有し、他端には軸孔２４を形成するとと
もに、軸孔２４の下方に磁性金属部材としての磁石片２
５を取付けてある。また、球受部２３の上面の先端部は
傾斜面２６となっている。本体６には、球送り部材２２
の軸孔２４に挿通する回動軸２７が立設してあり、カバ
ー部材７には、本体６の回動軸２７に対向する位置にボ
ス部２８が設けてある。また、本体６の回動軸２７の側
方には、電磁石２９が取付けてある。そして、カバー部
材７を取り外した状態で、球送り部材２２の軸孔２４に
回動軸２７を挿通して、カバー部材７を本体６に取付け
ると、回動軸２７の先端部がボス２８に嵌入し、球送り
部材２２を打球供給枠３に取付けることができる。

【００１１】磁石片２５と電磁石２９とは、常には、電
磁石２９が消磁していて、磁石片２５が電磁石２９の鉄
芯３０に引き寄せられ、電磁石２９が励磁すると、磁石
片２５と電磁石２９が反発しあうよう、磁石片２５と電
磁石２９の各磁極面が相対向するように設けられてい
る。したがって、球送り部材２２は、常には自重と、磁
石片２５が電磁石２５が電磁石２９の鉄芯３０に引き寄
せられる力により、下方に回動している。この状態で
は、球受部２３の下面が規制部材としての下部球通路片
１４上に載ることで、球送部材２２の電磁石２９側への
回動範囲が規制され、電磁石２９の端面が吸引状態にあ
る磁石片２５の磁極面に対して平行状態で、且つ吸引可
能な一定間隙を介して対峙することとなり、球受部２３
が球取出口１２に臨むとともに、球受部２３の上面の先
端部が打球供給路１９内に位置して、球の流下を阻止し
ている（図３）。一方、電磁石２９が励磁すると、磁石
片２５と電磁石２９が反発しあい、球送り部材２２が上
方に回動する。この状態では、球受部２３の上面が上部
球通路片１０に当接し、球受部２３が打球供給路１９内
に位置して、球を１込、球受部２３内に取り込む（図
４）。

【００１２】そして、電磁石２９が再び消磁とすると、
球送り部材２２は、自重と、磁石片２５が電磁石２９の
鉄心３０に引き寄せられる力により、下方に回動し、球
受部２３内に保持した球を球取出口１２から打球発射部
（図示せず）に供給する。上記した動作（電磁石２９の
間欠励磁動作）を繰り返すことにより、打球供給路１９
内の球を打球発射部へ１個宛供給することができる。ま
た、球受部２３の上面の先端部は傾斜面２６となってい
るので、球受部２３内に球を取り込む際に、球送り部材
２２を回動させる力を小さくすることができ、球送り動
作をスムーズなものとすることができる。

【００１３】上記した球送り動作は、球送りセンサ３１
の出力に基づいて行われる。球送りセンサ３１を有する
打球発射機構３２を図６に示す。打球発射機構３２は、
取付けパネル３３に発射杆駆動部材３４を軸３５により
回動可能に取付け、軸３５には発射杆３６が取付けてあ
る。この発射杆駆動部材３４は、バネ３７の付勢により
発射杆３６の発射勢を得ている。発射杆駆動部材３４の
外周には、ギア３８が設けてあり、ギア３８には発射勢
調整部材３９が係合している。そして、発射勢調整部材
３９を回動させると、発射杆駆動部材３４も回動し、バ
ネ３７の反発力を調整して、発射勢を調整できる。ま
た、発射数駆動部材３４には、駆動クランク４０が設け
てあり、この駆動クランク４０に、モータ４１の回転軸
４２に取付けたカム４３が臨んでいる。また、カム４３
の回転範囲内には、球送りセンサ３１を設けてある。そ
して、モータ４１の回転に伴いカム４３が回転し、発射
杆駆動部材３４を駆動して打球発射動作を行うととも
に、カム４３が球送りセンサ３１に検出される毎に、球
送り信号が発振される。したがって、１回の打球発射動
作毎に、１回の球送り信号が発信されることになる。

【００１４】球送りセンサ３１からの信号は、図７に示
すように、球送り制御手段３２に送信され、球送り制御
手段３２ではタイマ４５により、一定時間、例えば０．
２ｓの駆動信号を電磁石２９に送信し、電磁石２９を
０．２秒間励磁させる。球送りセンサ３１からの球送り
信号と電磁石２９の駆動の関係を示したタイミングチャ
ートを図８に示す。

【００１５】尚、球送りセンサ３１は上記したものに限
られず、打球発射動作のタイミングに合わせて球送り動
作を行えればどのようなものでもよく、発射レールに発
射球を検出するセンサを設けてもよい。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明では、電磁
石の間欠励磁佐用によって、送球部材が打球供給皿から
流下する遊技球を１個宛に受入れて発射レールの打球発
射部に１個宛供給することが出来、球送り部材が他の機
構に機械的に連動していないので、連動機構が不必要で
あり、球送り装置を小型化できる。さらに、各部材間に
摩擦が生じないので、作動に大きな力が必要でないとと
もに、摩擦による摩耗も生じないので、耐久性が飛躍的
に向上する。また、ソレノイドやステップモータを利用
していないので、構造が単純であり、パチンコ機内部の
スペースを有効に利用することができる。しかも、球送
部材の磁性金属部材が電磁石側に回動して、当該吸引状
態を保持する状態となる際に、磁性金属部材と電磁石の
吸引面との間に一定の隙間を有するように球送部材の回
動範囲を規制するストッパー部材を設けているので、即
ち、吸引状態保持時に一定の隙間を有するようにしたの
で、磁性金属部材と電磁石との衝接する磨耗することが
ないと共に、次の動作へのレスポンスが向上し、迅速で
安定した打球発射部への球送り動作が期せる。加えて、
磁性金属部材が吸引状態のときに、電磁石の吸引面と磁
性金属部材とが平行状態となるように電磁石を配置した
ので、前記したように一定の隙間を保持させていても、
吸着面全体で均一に送球部材を吸引状態に保持できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】開閉パネルの斜視図である。

【図２】打球供給枠の分解斜視図である。

【図３】球受部が打球供給路の球の流下を阻止している
状態を示す打球供給枠の背面図である。

【図４】球受部が打球供給路の球を保持している状態を
示す打球供給枠の背面図である。

【図５】球送り部材の側面図である。

【図６】打球発射機構の斜視図である。

【図７】球送りセンサと球送り制御手段と電磁石との関
係を示すブロック図である。

【図８】球送りセンサと電磁石の動作のタイミングを示
すタイミングチャートである。

【符号の説明】

１ 開閉パネル ２ 打球供給皿 １９ 打球供給路 ２２ 球送り部材 ２３ 球受部 ２５ 磁石片 ２９ 電磁石

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 打球供給皿を前面側に備えた開閉パネル
   裏面に、 打球供給皿から流下する遊技球が流下可能な打球供給路
   を設けた打球供給枠と、 打球供給枠に配設されて、所要部位に磁性金属部材を有
   し、遊技球を１個宛に受け入れる球受部を打球供給路に
   回動可能に臨ませた球送部材と、 球送部材の磁性金属部材に対向するように設けた電磁石
   と、 を備え、 打球供給皿から打球供給路を流下する遊技球を、電磁石
   の間欠励磁作用により球送部材を作動させて発射レール
   の打球発射部に１個宛供給する弾球遊技機の球送装置に
   おいて、 打球供給枠には、 電磁石と磁性金属部材との間の吸引状態を保持可能な一
   定の隙間を確保できるように球送部材の電磁石側への回
   動範囲を規制する規制部材を設け、 さらに、電磁石の吸引面が吸引状態にある磁性金属部材
   に対して平行状態になるように当該電磁石を配置したこ
   とを特徴とする弾球遊技機の球送装置。