JP2928540B2 - 排気ガス浄化装置 - Google Patents

排気ガス浄化装置

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JP2928540B2
JP2928540B2 JP1156391A JP15639189A JP2928540B2 JP 2928540 B2 JP2928540 B2 JP 2928540B2 JP 1156391 A JP1156391 A JP 1156391A JP 15639189 A JP15639189 A JP 15639189A JP 2928540 B2 JP2928540 B2 JP 2928540B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明はディーゼルエンジン等の内燃機関における
排気ガスを浄化処理する排気ガス浄化装置に関する。
[従来の技術] 従来、例えばディーゼルエンジンの排気ガスを浄化す
る場合には、コージエライトによってハニカム状に形成
した触媒担体と、その触媒担体に担持された触媒成分と
を有するフィルターをディーゼルエンジンの排気側に接
続し、このフィルターによって前記排気ガス中のカーボ
ン,NOx及びHC等を酸化分解するようになっている。
[発明が解決しようとする課題] ところが、上記のフィルターにおける触媒担体は融点
(1200〜1300℃)の低いコージエライトによって形成さ
れているため、触媒担体内に滞留したカーボンを除去す
るための再生処理に際して、触媒担体の一端にてカーボ
ンに着火した後、その触媒担体に着火位置側からエアを
供給すると、排気ガスの不均一な燃焼が生じて、局部的
な温度上昇が生じ、再生処理を繰り返し行うと、触媒担
体が溶損して再利用が不可能になるという問題があっ
た。
上記の問題を解決するため、触媒担体として耐熱性及
び熱伝導性に優れた炭化珪素焼結体を使用することがす
でに提案されている。ところが、この場合には、材料の
熱伝導性が高すぎるため、従来から利用されている熱源
として、例えば、エンジンからの排ガスの熱風又は、触
媒担体の端部に設けられた電気ヒーターがあるが、これ
らの熱源を使用した場合、前記炭化珪素焼結体製担体を
十分に高温に加熱することができず、再生処理が不可能
となったり、不完全になったりした。従って、再生を完
全に行うためには、より大容量の熱源が必要となり、電
気ヒーターの場合には大形のヒーターを利用するか、あ
るいは、長時間の通電が必要となる。この場合、ヒータ
ー用バッテリの寿命が短くなったり、コストアップを招
くという問題があった。
又、大容量の熱源を用いて再生処理を行うと、触媒担
体が炭化珪素焼結体製であっても、温度分布が生じ易
く、そのため再生処理を繰り返し行う内に、触媒担体に
クラックが発生し、そのクラックから触媒担体全体が破
損して、上記の問題を解決するには至らなかった。
そこで、本発明者らは、再生処理における炭化珪素焼
結体製触媒担体の熱収支を検討したところ、前記触媒担
体の場合には担体自体を加熱するのに必要な熱量と、担
体を通過する排気ガスに失う熱量とが比較的少なく、相
当の熱量が触媒担体の径方向、すなわち、担体の外周に
あるケーシングに伝わっていることが解明された。
この発明は上記の事情を考慮してなされたものであっ
て、その目的は再生処理中における触媒担体からの熱伝
導に伴う熱損失を防止し、安定した完全な再生を行い、
かつ、担体の所定部分間の温度差を少なくして、クラッ
クの発生に起因する触媒担体の破損を確実に防止するこ
とができ、耐久性を向上させることが可能な排気ガス浄
化装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するため、この発明では、内燃機関
の排気側に連通する通路を備えたケーシングと、前記通
路内に配設された触媒担体と、前記触媒担体にその排気
ガス排出側からエアを供給するエア供給手段とを備えた
排気ガス浄化装置において、前記触媒担体を多孔質炭化
珪素焼結体によってハニカム状に形成し、その触媒担体
の外周に排気ガス供給側から排出側に向かって加熱量の
増加するヒーターを配設し、そのヒーターと前記通路の
内壁との間には断熱層を設けている。
[作用] 触媒担体の再生処理に際してヒーターを動作させれ
ば、触媒担体が外周側から中心へ向って加熱されるとと
もに、排気ガス供給側よりも排出側の方がより加熱され
て温度が高くなっている。また、触媒担体にはエア供給
手段により排気ガス排出側からエアが供給される。これ
らの処理により触媒担体中に捕集された捕集物が燃焼さ
れる。このとき、触媒担体の排気ガス排出側は供給側よ
りも温度が高くなっていることから、排出側からエアが
供給されても排出側の温度は供給側の温度に比べて低く
なることはない。従って、触媒担体はその排気ガス排出
側にエアが供給されていても均一に加熱される。そのた
め、再生処理を極めて短時間に行うことができ、触媒担
体の両端部分間の温度差を少なくして、クラックの発生
を防止できる。又、ヒーターと通路の内壁との間の熱伝
達が断熱層によって抑制されて触媒担体からの放熱が未
然に防止され、ヒーターを利用して触媒担体を十分に再
生処理が可能な温度にまで加熱することができ、しかも
触媒担体内の熱伝達を迅速に行って完全な再生を極めて
短時間に行うことができる。
以下、この発明を図面に従って詳細に説明する。第1
図に示すように、排気ガス浄化装置1は金属パイプ製の
ケーシング2を備え、そのケーシング2の通路2aが内燃
機関Eの排気管路Eaに接続されている。このケーシング
2内には排気ガスを浄化するための触媒担体3が配設さ
れている。
触媒担体3は、第2図及び第3図に示すように、高い
融点(〜3000℃)を有する多孔質炭化珪素焼結体によっ
てハニカム状に形成されると共に、全体として円柱状を
なしている。そして、この触媒担体3には軸線方向に平
行に延びる多数のガス通過孔4が形成され、各ガス通過
孔4の供給側及び排出側のいずれか一端が炭化珪素質の
小片5によって交互に封止されている。更に、触媒担体
3の各ガス通過孔4の内壁面にはシリカ膜が形成され、
そのシリカ膜に白金族元素やその他の金属元素及びその
酸化物等からなる酸化触媒が担持されている。
前記触媒担体3の外周にはセラミックヒーターよりな
る一本の再生用ヒーター6が複数回にわたって巻回さ
れ、排気ガス供給側から排出側に近づくに従って、各巻
回部分の間隔が密にされている。又、ケーシング2の通
路2a内壁には前記ヒーター6を被覆する断熱層7が装着
されている。
尚、前記断熱層の種類としては、アルミナ−シリケー
トセラミックファイバー,アルミナファイバー,ジルコ
ニアファイバー,シリカファイバー,ロックウール,石
綿等の無機質ファイバー,ナイロン,ケブラー等の有機
質ファイバー,ウレタン等の発泡体の成形体、又は、こ
れらの組合せを利用することができる。好ましくは、無
機質ファイバーを一部、又は、全体に利用する。
又、断熱層7の使用に代えて、触媒担体3とケーシン
グ2との間に触媒担体3のほぼ全周に及ぶ空間を形成
し、その空間内の空気によって両者3,2間の断熱を行う
ようにしてもよい。つまり、空気層を断熱層とすること
もできる。
さて、第1図及び第2図に矢印で示すように、内燃機
関Eの排気ガスがケーシング2の供給側から触媒担体3
に導入されると、ガス通過孔4の壁部によって、排気ガ
ス中のカーボン(すす)やHC等が濾過されると共に、酸
化触媒により酸化される。そして、浄化された排気ガス
が触媒担体3から排出される。
上記のように使用された触媒担体3の再生処理を行う
場合には、触媒担体3に所定量のカーボンを滞留させた
状態で、ヒーター6による触媒担体3の加熱を開始す
る。そして、触媒担体3の排気ガス排出側端部の温度が
所定温度(300〜800℃)に達した時、ケーシング2に燃
焼促進用の二次エアの供給を開始する。上記の処理を継
続することにより、触媒担体3内のカーボンが燃焼さ
れ、触媒担体3が再生される。
そして、この発明では、触媒担体3の外周にヒーター
6を装着すると共に、触媒担体3とケーシング2の内壁
との間にヒーター6を覆う断熱層7を装着したため、触
媒担体3の周縁部からの放熱が抑制され、触媒担体3を
再生温度まで加熱するのに要する時間を極めて短くでき
る。従って、再生温度に昇温するための熱エネルギーも
節約することができる。又、触媒担体3全体が均一に加
熱されるため、触媒担体3の両端部分間の温度差が少な
く保持される。従って、部分的な温度差に起因して触媒
担体3にクラックが発生する割合を少なくでき、再生処
理回数を増加させて、耐久性を向上させることができ
る。
[実施例] 触媒担体3として、直径144mm,長さ152mm,熱伝導率40
〜70Kcal/m.hr.℃,比熱0.23Kcal/kg.℃のものを使用し
た。又、この触媒担体3における各ガス通過孔4間の隔
壁の厚みは0.43mmで、各ガス通過孔4は1平方in当た
り、170個形成されている。断熱層7として、0.2Kcal/
m.hr.℃の熱伝導率を有し、厚さが25mmのセラミックフ
ァイバーを使用した。再生処理用セラミックスヒーター
は12V−2.5KWのものであって、第1図及び第2図に示す
ように、排気ガス取入れ側よりも排気ガス排出側の方が
密になるように触媒担体3の外周に巻回した。
第1図に示すように、上記の排気ガス浄化装置1を内
燃機関Eに接続して、内燃機関Eを作動させ、排気ガス
中のカーボンを捕集した。この捕集動作中には、排気管
路Ea内の圧力を圧力センサPs及び圧電変換素子Peを介し
て制御装置Cによって監視し、その圧力が一定値(0.17
Kg/cm2)に到達するまで、捕集動作を継続した。この
時、排気ガスの流量は50/secであり、前記一定圧力ま
での到達時間は約40分となった。この間に捕集されたカ
ーボン量の算出に際し、触媒担体3の容積をガス通過孔
部分の総量とし、カーボン捕集量は捕集処理の前後にお
ける重量変化に基づいて求めた。その結果、カーボン捕
集量は15g/となった。
次に、前記制御装置CによってスイッチSを閉成さ
せ、ヒーター6への通電を開始した。それから10分後に
はコンプレッサCoを動作させ、エア供給管Caから触媒担
体3に二次エアを50/minの割合で供給した。そして、
熱電対を使用することにより、触媒担体3の中心軸線上
においてヒーター6からガス排出側(第1図の右側)へ
1mm離間した位置P1及びガス取入れ側位置P2の温度T1,T2
をそれぞれ監視した。
二次エアの供給開始時において、位置P1の温度T1は約
750℃であった。又、ガス取入れ側位置P2の温度T2はカ
ーボンの燃焼終了時に急激に降下するため、ヒーター6
への通電開始時から温度降下時点までの時間を再生時間
とした。その結果、再生時間は7分であった。
更に、触媒担体3が破損するまで、上記の再生処理を
繰り返した。それらの結果を表1に示す。又、触媒担体
3両端の各位置P1,P2における最大温度差を併せて示
す。
[比較例] 再生処理用セラミックスヒーターを触媒担体のガス排
出側端面に装着した状態で、上記各実施例と同様の再生
処理を行った。その結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、比較例の触媒担体で
は、実施例の触媒担体よりも再生処理に多くの時間を要
している。従って、実施例ではカーボンが効率的に燃焼
していることがわかる。又、実施例の触媒担体では、最
大温度差が比較例のものに比べて低い値を示し、その温
度差に起因するクラックの発生頻度が少なくなって耐久
性が向上していることがわかる。
[発明の効果] 以上詳述したように、この発明は再生処理中における
触媒担体からの熱伝導に伴う熱損失を防止するととも
に、触媒担体の排気ガス排出側からエアが供給されてい
ても触媒担体を均一に加熱して安定した完全な再生を行
い、かつ、触媒担体の所定部分間の温度差を少なくし
て、クラックの発生に起因する触媒担体の破損を確実に
防止することができ、よって耐久性を向上させることが
できるという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
第1図は排気ガス浄化装置を内燃機関に接続した状態を
示す断面図、第2図は実施例における触媒担体の断面
図、第3図は同じく正面図である。 2……ケーシング、2a……通路、3……触媒担体、6…
…ヒーター、7……断熱層、Ca……エア供給手段を構成
するエア供給管、Co……エア供給手段を構成するコンプ
レッサ、E……内燃機関。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−137423(JP,A) 実開 昭61−74616(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F01N 3/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関(E)の排気側に連通する通路
    (2a)を備えたケーシング(2)と、 前記通路(2a)内に配設された触媒担体(3)と、 前記触媒担体(3)にその排気ガス排出側からエアを供
    給するエア供給手段(Co,Ca)と を備えた排気ガス浄化装置において、 前記触媒担体(3)を多孔質炭化珪素焼結体によってハ
    ニカム状に形成し、その触媒担体(3)の外周に排気ガ
    ス供給側から排出側に向かって加熱量の増加するヒータ
    ー(6)を配設し、そのヒーター(6)と前記通路(2
    a)の内壁との間には断熱層(7)を設けたことを特徴
    とする排気ガス浄化装置。
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