JP2927680B2 - 放電型サージ吸収素子 - Google Patents
放電型サージ吸収素子Info
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- JP2927680B2 JP2927680B2 JP6156777A JP15677794A JP2927680B2 JP 2927680 B2 JP2927680 B2 JP 2927680B2 JP 6156777 A JP6156777 A JP 6156777A JP 15677794 A JP15677794 A JP 15677794A JP 2927680 B2 JP2927680 B2 JP 2927680B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、気密容器内に封入し
た放電間隙における放電現象を利用してサージを吸収す
る放電型サージ吸収素子に係り、特に、単一の素子であ
りながら、通信線等の線間、及び各線とグランドとの間
にサージ吸収措置を施すことが可能な放電型サージ吸収
素子に関する。
た放電間隙における放電現象を利用してサージを吸収す
る放電型サージ吸収素子に係り、特に、単一の素子であ
りながら、通信線等の線間、及び各線とグランドとの間
にサージ吸収措置を施すことが可能な放電型サージ吸収
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子機器に侵入する過渡的な異常
電圧や誘導雷等のサージから電子回路素子等を保護する
ため、気密容器内に封入した放電間隙における放電現象
を利用した放電型サージ吸収素子が用いられている。図
3はその一例を示すものであり、この放電型サージ吸収
素子60は、ガラスやセラミック等の絶縁材より成る気
密容器62内に、一対の放電電極64,64の先端面を
所定の距離を隔てて対向配置して、両放電電極64,6
4間に放電間隙66を形成し、各放電電極64,64の
基端に接続したリード端子68,68の先端側を、気密
容器62を貫通させて外部に導出して成る。上記気密容
器62内には、NeやAr、Xe、He等の希ガスを主
体とした放電ガスが充填されている。また、上記放電電
極64,64は、NiやFeなど放電特性の良好な導電
材より成る円柱状の電極基体64a,64aの先端部表
面に、酸化バリウムや六硼化ランタン等のエミッタ物質
より成るエミッタ層64b,64bを形成して成る。
電圧や誘導雷等のサージから電子回路素子等を保護する
ため、気密容器内に封入した放電間隙における放電現象
を利用した放電型サージ吸収素子が用いられている。図
3はその一例を示すものであり、この放電型サージ吸収
素子60は、ガラスやセラミック等の絶縁材より成る気
密容器62内に、一対の放電電極64,64の先端面を
所定の距離を隔てて対向配置して、両放電電極64,6
4間に放電間隙66を形成し、各放電電極64,64の
基端に接続したリード端子68,68の先端側を、気密
容器62を貫通させて外部に導出して成る。上記気密容
器62内には、NeやAr、Xe、He等の希ガスを主
体とした放電ガスが充填されている。また、上記放電電
極64,64は、NiやFeなど放電特性の良好な導電
材より成る円柱状の電極基体64a,64aの先端部表
面に、酸化バリウムや六硼化ランタン等のエミッタ物質
より成るエミッタ層64b,64bを形成して成る。
【0003】上記リード端子68,68を介して、この
放電型サージ吸収素子60に定格以上のサージ電圧が印
加されると、上記放電間隙66にグロー放電を経てアー
ク放電が生成され、このアーク放電の大電流を通じてサ
ージの吸収が実現される。この放電型サージ吸収素子6
0の動作電圧(直流放電開始電圧)は、パッシェンの法
則に従い、放電間隙66の間隙長や封入した放電ガスの
組成、ガス圧等によって規定される。
放電型サージ吸収素子60に定格以上のサージ電圧が印
加されると、上記放電間隙66にグロー放電を経てアー
ク放電が生成され、このアーク放電の大電流を通じてサ
ージの吸収が実現される。この放電型サージ吸収素子6
0の動作電圧(直流放電開始電圧)は、パッシェンの法
則に従い、放電間隙66の間隙長や封入した放電ガスの
組成、ガス圧等によって規定される。
【0004】図4は、この放電型サージ吸収素子60の
使用例を示す回路図である。これは、一般的なファクシ
ミリの電子回路70に接続された通信線T,R、電源線
L1,L2、接地線Gに、種々の素子を接続して保護回
路72を形成したものである。すなわち、通信線T,R
側にはヒューズ74、第1の放電型サージ吸収素子60
a、コモンモード・チョークコイル76a,76b、ブ
リッジダイオード78が、また電源線L1,L2側に
は、電源スイッチ80、ヒューズ82、バリスタ84、
抵抗器86、88、コンデンサ90が接続されている。
さらに、通信線Rと接地線G間には第2の放電型サージ
吸収素子60bが、また電源線L1と接地線G間には第
3の放電型サージ吸収素子60cがそれぞれ接続されて
いる。
使用例を示す回路図である。これは、一般的なファクシ
ミリの電子回路70に接続された通信線T,R、電源線
L1,L2、接地線Gに、種々の素子を接続して保護回
路72を形成したものである。すなわち、通信線T,R
側にはヒューズ74、第1の放電型サージ吸収素子60
a、コモンモード・チョークコイル76a,76b、ブ
リッジダイオード78が、また電源線L1,L2側に
は、電源スイッチ80、ヒューズ82、バリスタ84、
抵抗器86、88、コンデンサ90が接続されている。
さらに、通信線Rと接地線G間には第2の放電型サージ
吸収素子60bが、また電源線L1と接地線G間には第
3の放電型サージ吸収素子60cがそれぞれ接続されて
いる。
【0005】しかして、上記通信線T,Rや、電源線L
1,L2を介して上記保護回路72に外部からサージや
ノイズが侵入すると、上記放電型サージ吸収素子等が動
作してこれらを吸収するものである。例えば、上記通信
線T,Rにサージが印加された場合についてみると、ま
ず通信線T,R間を往復するノーマルモードのサージに
対しては、線間に挿入された第1の放電型サージ吸収素
子60aが動作してこれを吸収する。また、通信線Tと
グランド間を伝導するコモンモードのサージに対して
は、第1の放電型サージ吸収素子60aと第2の放電型
サージ吸収素子60bが動作してこれをグランドに逃が
し、通信線Rとグランド間を伝導するコモンモードのサ
ージに対しては、第2の放電型サージ吸収素子60bが
動作してこれをグランドに逃がすものである。なお、第
1の放電型サージ吸収素子60aとしては、一般に30
0〜500Vの比較的低い動作電圧(直流放電開始電
圧)を備えたものが選定されている。また、第2のサー
ジ吸収素子60bとしては、一般に1000〜1500
Vの比較的高い動作電圧を備えたものが選定されてい
る。
1,L2を介して上記保護回路72に外部からサージや
ノイズが侵入すると、上記放電型サージ吸収素子等が動
作してこれらを吸収するものである。例えば、上記通信
線T,Rにサージが印加された場合についてみると、ま
ず通信線T,R間を往復するノーマルモードのサージに
対しては、線間に挿入された第1の放電型サージ吸収素
子60aが動作してこれを吸収する。また、通信線Tと
グランド間を伝導するコモンモードのサージに対して
は、第1の放電型サージ吸収素子60aと第2の放電型
サージ吸収素子60bが動作してこれをグランドに逃が
し、通信線Rとグランド間を伝導するコモンモードのサ
ージに対しては、第2の放電型サージ吸収素子60bが
動作してこれをグランドに逃がすものである。なお、第
1の放電型サージ吸収素子60aとしては、一般に30
0〜500Vの比較的低い動作電圧(直流放電開始電
圧)を備えたものが選定されている。また、第2のサー
ジ吸収素子60bとしては、一般に1000〜1500
Vの比較的高い動作電圧を備えたものが選定されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来は、
線間を往復するノーマルモード・サージと、各線−グラ
ンド間を伝導するコモンモード・サージの両方に対処す
るため、少なくとも2個の放電型サージ吸収素子を用い
る必要があり、これが構成の簡素化やコストの削減の障
害となっていた。
線間を往復するノーマルモード・サージと、各線−グラ
ンド間を伝導するコモンモード・サージの両方に対処す
るため、少なくとも2個の放電型サージ吸収素子を用い
る必要があり、これが構成の簡素化やコストの削減の障
害となっていた。
【0007】また、第1の放電型サージ吸収素子60a
の動作電圧を300V、第2の放電型サージ吸収素子6
0bの動作電圧を1000Vと仮定した場合、通信線T
−グランド間には第1の放電型サージ吸収素子60aと
第2のサージ吸収素子60bが直列接続状態で介在して
いるため、T−G間の放電開始電圧は、300V+10
00Vで1300Vとなるのに対し、通信線R−グラン
ド間には第2の放電型サージ吸収素子60bのみが介在
しているため、R−G間の放電開始電圧は1000Vと
なる。このように、T−G間とR−G間における放電開
始電圧(サージ吸収電圧)に差異があると、両線に同位
相・同電位のサージが侵入した場合、サージ吸収開始に
時間差が生じていわゆる横サージが発生し、これが線間
を伝導して電子回路70側に侵入する危険性が生ずる。
の動作電圧を300V、第2の放電型サージ吸収素子6
0bの動作電圧を1000Vと仮定した場合、通信線T
−グランド間には第1の放電型サージ吸収素子60aと
第2のサージ吸収素子60bが直列接続状態で介在して
いるため、T−G間の放電開始電圧は、300V+10
00Vで1300Vとなるのに対し、通信線R−グラン
ド間には第2の放電型サージ吸収素子60bのみが介在
しているため、R−G間の放電開始電圧は1000Vと
なる。このように、T−G間とR−G間における放電開
始電圧(サージ吸収電圧)に差異があると、両線に同位
相・同電位のサージが侵入した場合、サージ吸収開始に
時間差が生じていわゆる横サージが発生し、これが線間
を伝導して電子回路70側に侵入する危険性が生ずる。
【0008】この発明は、土記従来の問題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、単一の素子
でありながら、線間を往復するノーマルモード・サージ
及び各線とグランド間を伝導するコモンモード・サージ
に対処でき、しかも横サージの発生することのない放電
型サージ吸収素子を実現することにある。
れたものであり、その目的とするところは、単一の素子
でありながら、線間を往復するノーマルモード・サージ
及び各線とグランド間を伝導するコモンモード・サージ
に対処でき、しかも横サージの発生することのない放電
型サージ吸収素子を実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明に係る放電型サージ吸収素子は、放電ガス
を充填した気密容器内に、一対の通信線にそれぞれ接続
される第1の円柱状放電電極と第2の円柱状放電電極を
所定の距離を隔てて平行するように配置し、両放電電極
間に、上記一対の通信線の線間に接続される第1の放電
間隙を形成すると共に、接地される第3の円柱状放電電
極を、その先端面が上記第1の円柱状放電電極及び第2
の円柱状放電電極の先端面に対し、それぞれ所定の距離
を隔てて対向するよう配置し、以て、第1の円柱状放電
電極と第3の円柱状放電電極間及び第2の円柱状放電電
極と第3の円柱状放電電極間に、各線とグランド間にそ
れぞれ接続される第2の放電間隙及び第3の放電間隙を
形成して成り、上記第2の放電間隙の間隙長と第3の放
電間隙の間隙長を略同一に設定すると共に、上記第1の
放電間隙の間隙長を、上記第2の放電間隙の間隙長及び
第3の放電間隙の間隙長よりも小と成したことを特徴と
する。
め、この発明に係る放電型サージ吸収素子は、放電ガス
を充填した気密容器内に、一対の通信線にそれぞれ接続
される第1の円柱状放電電極と第2の円柱状放電電極を
所定の距離を隔てて平行するように配置し、両放電電極
間に、上記一対の通信線の線間に接続される第1の放電
間隙を形成すると共に、接地される第3の円柱状放電電
極を、その先端面が上記第1の円柱状放電電極及び第2
の円柱状放電電極の先端面に対し、それぞれ所定の距離
を隔てて対向するよう配置し、以て、第1の円柱状放電
電極と第3の円柱状放電電極間及び第2の円柱状放電電
極と第3の円柱状放電電極間に、各線とグランド間にそ
れぞれ接続される第2の放電間隙及び第3の放電間隙を
形成して成り、上記第2の放電間隙の間隙長と第3の放
電間隙の間隙長を略同一に設定すると共に、上記第1の
放電間隙の間隙長を、上記第2の放電間隙の間隙長及び
第3の放電間隙の間隙長よりも小と成したことを特徴と
する。
【0010】上記第1の放電間隙における放電開始電圧
は、例えば、300〜500Vに、上記第2の放電間隙
及び第3の放電間隙における放電開始電圧は1000〜
1500Vに設定される。上記第1の円柱状放電電極、
第2の円柱状放電電極及び第3の円柱状放電電極に接続
されたリード端子をそれぞれ気密容器外に導出すると共
に、上記気密容器内面における少なくとも上記リード端
子間に、沿面放電特性の良好な誘電体物質を被着するよ
う構成するのが望ましい。
は、例えば、300〜500Vに、上記第2の放電間隙
及び第3の放電間隙における放電開始電圧は1000〜
1500Vに設定される。上記第1の円柱状放電電極、
第2の円柱状放電電極及び第3の円柱状放電電極に接続
されたリード端子をそれぞれ気密容器外に導出すると共
に、上記気密容器内面における少なくとも上記リード端
子間に、沿面放電特性の良好な誘電体物質を被着するよ
う構成するのが望ましい。
【0011】
【作用】放電型サージ吸収素子の放電開始電圧は、気密
容器内に封入された放電ガスの組成及びガス圧を一定と
した場合には、放電間隙の間隙長によって規定される。
すなわち、上記第2の放電間隙の間隙長と第3の放電間
隙の間隙長は略等しいため、第2の放電間隙及び第3の
放電間隙における放電開始電圧も略等しいものとなる。
これに対し、第1の放電間隙の間隙長を、第2の放電間
隙の間隙長及び第3の放電間隙の間隙長よりも小と成し
たため、第1の放電間隙における放電開始電圧は、第2
の放電間隙及び第3の放電間隙における放電開始電圧よ
りも小さい値となる。
容器内に封入された放電ガスの組成及びガス圧を一定と
した場合には、放電間隙の間隙長によって規定される。
すなわち、上記第2の放電間隙の間隙長と第3の放電間
隙の間隙長は略等しいため、第2の放電間隙及び第3の
放電間隙における放電開始電圧も略等しいものとなる。
これに対し、第1の放電間隙の間隙長を、第2の放電間
隙の間隙長及び第3の放電間隙の間隙長よりも小と成し
たため、第1の放電間隙における放電開始電圧は、第2
の放電間隙及び第3の放電間隙における放電開始電圧よ
りも小さい値となる。
【0012】本発明にあっては、上記第1の放電電極と
第2の放電電極が、一対の通信にそれぞれ接続される共
に、第3の放電電極が接地され、その結果、線間に第1
の放電間隙が接続されると共に、各線とグランド間にそ
れぞれ第2の放電間隙及び第3の放電間隙が接続される
ため、単一の素子でありながら、線間及び各線−グラン
ド間にサージ対策を施すことが可能となる。そして、第
2の放電間隙及び第3の放電間隙における放電開始電圧
が略等しいことから、各線とグランド間に同位相・同電
位のサージが印加されても、サージ吸収開始に時間差を
生ずることがなく、横サージの発生が防止される。
第2の放電電極が、一対の通信にそれぞれ接続される共
に、第3の放電電極が接地され、その結果、線間に第1
の放電間隙が接続されると共に、各線とグランド間にそ
れぞれ第2の放電間隙及び第3の放電間隙が接続される
ため、単一の素子でありながら、線間及び各線−グラン
ド間にサージ対策を施すことが可能となる。そして、第
2の放電間隙及び第3の放電間隙における放電開始電圧
が略等しいことから、各線とグランド間に同位相・同電
位のサージが印加されても、サージ吸収開始に時間差を
生ずることがなく、横サージの発生が防止される。
【0013】
【実施例】以下、添付図面に基づき、本発明の実施例を
説明する。図1は、本発明に係る放電型サージ吸収素子
10を示す部分断面図である。この放電型サージ吸収素
子10は、ガラス管の両端開口を融着して形成した気密
容器12内に、Xe,Ne,Ar,He等の希ガスを主
体とした放電ガスと、3本の円柱状放電電極(第1の放
電電極14、第2の放電電極16、第3の放電電極1
8)を封入すると共に、各放電電極の基端に接続された
リード端子20,22,24を、気密容器12の融着部
12a,12bを貫通させて外部に導出して成る。
説明する。図1は、本発明に係る放電型サージ吸収素子
10を示す部分断面図である。この放電型サージ吸収素
子10は、ガラス管の両端開口を融着して形成した気密
容器12内に、Xe,Ne,Ar,He等の希ガスを主
体とした放電ガスと、3本の円柱状放電電極(第1の放
電電極14、第2の放電電極16、第3の放電電極1
8)を封入すると共に、各放電電極の基端に接続された
リード端子20,22,24を、気密容器12の融着部
12a,12bを貫通させて外部に導出して成る。
【0014】第1の放電電極14、第2の放電電極16
及び第3の放電電極18は、それぞれNiやFe等の放
電特性の良好な金属を円柱状に加工して成る電極基体1
4a,16a,18aの先端部表面に、六硼化ランタン
(LaB6)や酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウ
ム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)等より成る
エミッタ層14b,16b,18bを被着して成る。各
放電電極の中、第1の放電電極14と第2の放電電極1
6は、第1の放電間隙26を隔てて平行するように配置
されている。また、第3の放電電極18は、その先端面
が、第1の放電電極14及び第2の放電電極16の先端
面に対し、それぞれ第2の放電間隙28及び第3の放電
間隙30を隔てて対向するよう配置されている。上記第
1の放電間隙26は約0.8mmに、また第2の放電間
隙28及び第3の放電間隙30はそれぞれ約3mmに設
定されている。
及び第3の放電電極18は、それぞれNiやFe等の放
電特性の良好な金属を円柱状に加工して成る電極基体1
4a,16a,18aの先端部表面に、六硼化ランタン
(LaB6)や酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウ
ム(CaO)、酸化マグネシウム(MgO)等より成る
エミッタ層14b,16b,18bを被着して成る。各
放電電極の中、第1の放電電極14と第2の放電電極1
6は、第1の放電間隙26を隔てて平行するように配置
されている。また、第3の放電電極18は、その先端面
が、第1の放電電極14及び第2の放電電極16の先端
面に対し、それぞれ第2の放電間隙28及び第3の放電
間隙30を隔てて対向するよう配置されている。上記第
1の放電間隙26は約0.8mmに、また第2の放電間
隙28及び第3の放電間隙30はそれぞれ約3mmに設
定されている。
【0015】上記気密容器12の内面には、沿面放電特
性の良好な誘電体層32が被着形成されている。この誘
電体層32は、具体的には酸化バリウム(BaO)、酸
化ニッケル(NiO)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)等、誘電率が比較的に高い誘電体物質の単体又は混
合体を、気密容器12内面に層状に蒸着して成る。各リ
ード端子20,22間、20,24間、22,24間
は、この誘電体層32によって接続されている。
性の良好な誘電体層32が被着形成されている。この誘
電体層32は、具体的には酸化バリウム(BaO)、酸
化ニッケル(NiO)、チタン酸バリウム(BaTiO
3)等、誘電率が比較的に高い誘電体物質の単体又は混
合体を、気密容器12内面に層状に蒸着して成る。各リ
ード端子20,22間、20,24間、22,24間
は、この誘電体層32によって接続されている。
【0016】放電型サージ吸収素子の動作電圧(直流放
電開始電圧)は、気密容器内に封入された放電ガスの組
成及びガス圧を同一とした場合には、放電間隙の間隙長
を適宜設定することによって加減できる。この実施例に
おいては、第1の放電間隙26における放電開始電圧を
約300Vに、また第2の放電間隙28及び第3の放電
間隙30における放電開始電圧をそれぞれ約1000V
に設定している。
電開始電圧)は、気密容器内に封入された放電ガスの組
成及びガス圧を同一とした場合には、放電間隙の間隙長
を適宜設定することによって加減できる。この実施例に
おいては、第1の放電間隙26における放電開始電圧を
約300Vに、また第2の放電間隙28及び第3の放電
間隙30における放電開始電圧をそれぞれ約1000V
に設定している。
【0017】図2は、この放電型サージ吸収素子10の
使用例を示す回路図である。これは、上記の図4と同
様、ファクシミリの電子回路70前段に挿入される保護
回路72を示すものであり、上記と同様の構成部材には
同一の符号を付してその説明を省略する。まず、放電型
サージ吸収素子10の第1のリード端子20と第2のリ
ード端子22を、それぞれ通信線T,Rに接続すると共
に、第3のリード端子24を接地線Gに接続する。これ
により、第1の放電間隙26が通信線T,R間に挿入さ
れると共に、第2の放電間隙28が通信線T−グランド
間に、また第3の放電間隙30が通信線R−グランド間
に挿入されることとなる。
使用例を示す回路図である。これは、上記の図4と同
様、ファクシミリの電子回路70前段に挿入される保護
回路72を示すものであり、上記と同様の構成部材には
同一の符号を付してその説明を省略する。まず、放電型
サージ吸収素子10の第1のリード端子20と第2のリ
ード端子22を、それぞれ通信線T,Rに接続すると共
に、第3のリード端子24を接地線Gに接続する。これ
により、第1の放電間隙26が通信線T,R間に挿入さ
れると共に、第2の放電間隙28が通信線T−グランド
間に、また第3の放電間隙30が通信線R−グランド間
に挿入されることとなる。
【0018】しかして、上記保護回路72に、通信線
T,Rを往復するノーマルモード・サージが印加された
場合には、放電型サージ吸収素子10の第1の放電間隙
26に放電が生成され、サージの吸収が行われる。一
方、通信線T−グランド間にコモンモード・サージが印
加された場合には、第2の放電間隙28に放電が生成さ
れ、該サージはグランドに逃がされる。さらに、通信線
R−グランド間にコモンモード・サージが印加された場
合には、第3の放電間隙30に放電が生成され、該サー
ジはグランドに逃がされる。上記のように、第2の放電
間隙28と第3の放電間隙30の間隙長は略等しく、し
たがって両者の放電開始電圧が等しくなるよう設定され
ているため、上記通信線T,Rに同位相・同電位のコモ
ンモード・サージが印加された場合でも、同時にサージ
吸収が開始される結果、横サージが発生することがな
い。
T,Rを往復するノーマルモード・サージが印加された
場合には、放電型サージ吸収素子10の第1の放電間隙
26に放電が生成され、サージの吸収が行われる。一
方、通信線T−グランド間にコモンモード・サージが印
加された場合には、第2の放電間隙28に放電が生成さ
れ、該サージはグランドに逃がされる。さらに、通信線
R−グランド間にコモンモード・サージが印加された場
合には、第3の放電間隙30に放電が生成され、該サー
ジはグランドに逃がされる。上記のように、第2の放電
間隙28と第3の放電間隙30の間隙長は略等しく、し
たがって両者の放電開始電圧が等しくなるよう設定され
ているため、上記通信線T,Rに同位相・同電位のコモ
ンモード・サージが印加された場合でも、同時にサージ
吸収が開始される結果、横サージが発生することがな
い。
【0019】なお、上記のように、気密容器12内面に
は、各リード端子間を接続する誘電体層32が形成され
ているため、何れかのリード端子間にサージが印加され
ると、まず誘電体層32の表面において対サージ応答性
に優れた沿面コロナ放電が生成し、直ちにサージ吸収が
開始される。そして、この沿面コロナ放電によって放出
された電子及びイオンのプライミング効果により、極め
て短時間の中に、放電電極間の放電間隙にアーク放電を
生成させることが可能となる。
は、各リード端子間を接続する誘電体層32が形成され
ているため、何れかのリード端子間にサージが印加され
ると、まず誘電体層32の表面において対サージ応答性
に優れた沿面コロナ放電が生成し、直ちにサージ吸収が
開始される。そして、この沿面コロナ放電によって放出
された電子及びイオンのプライミング効果により、極め
て短時間の中に、放電電極間の放電間隙にアーク放電を
生成させることが可能となる。
【0020】
【発明の効果】本発明に係る放電型サージ吸収素子にあ
っては、気密容器内に、一対の通信線の線間に接続され
る第1の放電間隙、各線とグランド間にそれぞれ接続さ
れる第2の放電間隙及び第3の放電間隙を封入し、第2
の放電間隙の間隙長と第3の放電間隙の間隙長を略同一
に設定すると共に、第1の放電間隙の間隙長を、第2の
放電間隙の間隙長及び第3の放電間隙の間隙長よりも小
と成したことから、単一の素子でありながら、線間及び
各線とグランド間にそれぞれサージ吸収措置を施すこと
が可能であり、その分構成の簡素化及びコストの削減が
図れる。しかも、第2の放電間隙及び第3の放電間隙の
間隙長を略同一とすることで、第2の放電間隙の放電開
始電圧と第3の放電間隙の放電開始電圧が等しくなるよ
う仕組まれているため、各線とグランド間に同位相・同
電位のサージが印加されても、サージ吸収開始に時間差
が生ずることがなく、したがって横サージが発生する危
険性もない。
っては、気密容器内に、一対の通信線の線間に接続され
る第1の放電間隙、各線とグランド間にそれぞれ接続さ
れる第2の放電間隙及び第3の放電間隙を封入し、第2
の放電間隙の間隙長と第3の放電間隙の間隙長を略同一
に設定すると共に、第1の放電間隙の間隙長を、第2の
放電間隙の間隙長及び第3の放電間隙の間隙長よりも小
と成したことから、単一の素子でありながら、線間及び
各線とグランド間にそれぞれサージ吸収措置を施すこと
が可能であり、その分構成の簡素化及びコストの削減が
図れる。しかも、第2の放電間隙及び第3の放電間隙の
間隙長を略同一とすることで、第2の放電間隙の放電開
始電圧と第3の放電間隙の放電開始電圧が等しくなるよ
う仕組まれているため、各線とグランド間に同位相・同
電位のサージが印加されても、サージ吸収開始に時間差
が生ずることがなく、したがって横サージが発生する危
険性もない。
【図1】本発明に係る放電型サージ吸収素子を示す部分
断面図である。
断面図である。
【図2】上記放電型サージ吸収素子の使用例を示す回路
図である。
図である。
【図3】従来の放電型サージ吸収素子を示す部分断面図
である。
である。
【図4】従来の放電型サージ吸収素子の使用例を示す回
路図である。
路図である。
10 放電型サージ吸収素子 12 気密容器 14 第1の放電電極 16 第2の放電電極 18 第3の放電電極 20 第1の放電電極のリード端子 22 第2の放電電極のリード端子 24 第3の放電電極のリード端子 26 第1の放電間隙 28 第2の放電間隙 30 第3の放電間隙 32 誘電体層
Claims (3)
- 【請求項1】 放電ガスを充填した気密容器内に、一対
の通信線にそれぞれ接続される第1の円柱状放電電極と
第2の円柱状放電電極を所定の距離を隔てて平行するよ
うに配置し、両放電電極間に、上記一対の通信線の線間
に接続される第1の放電間隙を形成すると共に、接地さ
れる第3の円柱状放電電極を、その先端面が上記第1の
円柱状放電電極及び第2の円柱状放電電極の先端面に対
し、それぞれ所定の距離を隔てて対向するよう配置し、
以て、第1の円柱状放電電極と第3の円柱状放電電極間
及び第2の円柱状放電電極と第3の円柱状放電電極間
に、各線とグランド間にそれぞれ接続される第2の放電
間隙及び第3の放電間隙を形成して成り、上記第2の放
電間隙の間隙長と第3の放電間隙の間隙長を略同一に設
定すると共に、上記第1の放電間隙の間隙長を、上記第
2の放電間隙の間隙長及び第3の放電間隙の間隙長より
も小と成したことを特徴とする放電型サージ吸収素子。 - 【請求項2】 上記第1の放電間隙における放電開始電
圧を300〜500Vに設定すると共に、上記第2の放
電間隙及び第3の放電間隙における放電開始電圧を10
00〜1500Vに設定したことを特徴とする請求項1
に記載の放電型サージ吸収素子。 - 【請求項3】 上記第1の円柱状放電電極、第2の円柱
状放電電極及び第3の円柱状放電電極に接続されたリー
ド端子をそれぞれ気密容器外に導出すると共に、上記気
密容器内面における少なくとも上記リード端子間に、沿
面放電特性の良好な誘電体物質を被着させたことを特徴
とする請求項1または2に記載の放電型サージ吸収素
子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6156777A JP2927680B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | 放電型サージ吸収素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6156777A JP2927680B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | 放電型サージ吸収素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH088036A JPH088036A (ja) | 1996-01-12 |
JP2927680B2 true JP2927680B2 (ja) | 1999-07-28 |
Family
ID=15635093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6156777A Expired - Lifetime JP2927680B2 (ja) | 1994-06-15 | 1994-06-15 | 放電型サージ吸収素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2927680B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5414404B2 (ja) * | 2009-07-21 | 2014-02-12 | 大崎電気工業株式会社 | 電力量計の標準電圧計測用コイル |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH056796A (ja) * | 1991-06-27 | 1993-01-14 | Ushio Inc | 蛍光ランプの点灯方式 |
-
1994
- 1994-06-15 JP JP6156777A patent/JP2927680B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH088036A (ja) | 1996-01-12 |
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