JP2927028B2 - 有機色素を含有するフレーク体の製造方法 - Google Patents

有機色素を含有するフレーク体の製造方法

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水野俊明
横井浩司
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機金属化合物を含む
溶液を出発原料とし、フレーク体を簡単かつ効率よく製
造する技術に関する。なお、本発明でいうフレーク体と
は、縦横がそれぞれ5mm以下のガラス薄片をさすものと
する。
【0002】
【従来の技術】現在、フレーク体はプラスチック母材へ
の充填材、耐食ライニングあるいは塗料に使用されてい
る。このようなフレーク体は組成的には、金属とガラス
に分類される。前者の製造は、例えば、公開特許 特開
平2−93007に開示されたように、熔融状態の金属
を、冷却した回転体に吹き付けて作製する方法に代表さ
れる。このようにして作製された金属フレークは1ミク
ロン以下と、非常に薄いが、耐食性に乏しく、容易に酸
化される。後者のガラス状フレークは、組成的にはソー
ダ石灰珪酸塩ガラス系がほとんどで、耐食性に優れるも
のの、約4ミクロンの厚さのものであり、溶融したガラ
スを風船の如く膨らませ、急冷、粉砕して製造されてい
る。
【0003】フレーク体は、上記のプラスチック母材、
ライニング樹脂あるいは塗料樹脂中に均一に分散させて
利用されているが、特に製品の意匠性を考えると、耐食
性に優れ、かつ薄い、着色されたフレーク体が要求され
るようになってきた。耐食性に優れた着色されたフレー
ク体を得る方法として、従来の製法で作製したフレーク
状ガラスを、着色を示す成分、例えば有機色素、を含有
する溶液に浸漬し、フレーク体の表面に着色膜を形成す
る技術が考えられるが、この方法では、(1)着色膜が
薄いため着色が不十分である、(2)有機色素の耐久性
が低いため色が早くあせる、等の問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の従来技
術に鑑み、従来製造することが困難であった、十分に着
色され耐久性が優れた有機色素を含有するフレーク体
を、簡単かつ効率的に製造することのできる方法を提供
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本課題を解決するため、
本発明では、有機金属化合物を含む溶液に、少なくとも
着色を示すに充分の量の有機色素を添加して出発原料と
することを特徴とし、これを表面が平滑な基板に塗布、
乾燥後、基板から剥離することにより、従来技術では不
可能であった、耐食性に優れた有機色素を含有したフレ
ーク体を、簡単かつ効率的に量産できる。
【0006】本発明に用いる有機金属化合物は、加水分
解、脱水縮合を行なうものであれば基本的にはどんな化
合物でもよいが、アルコキシル基を有する金属アルコキ
シドが好ましい。更に具体的には、シリコン、チタン、
アルミニウム、ジルコニウム、リン、ホウ素等のメトキ
シド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等が、単
体あるいは混合体として用いられる。従って、本発明に
よって得られるフレーク状ガラスの組成は、例えば純粋
なシリカ、珪酸塩系、チタン酸塩系、アルミン酸系、ジ
ルコニウム酸塩系、リン酸塩系、ホウ酸塩系の非晶質ま
たは結晶質のものである。
【0007】上記有機金属化合物を含む溶液の溶媒は、
実質的に上記有機金属化合物を溶解すれば基本的に何で
もよいが、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブ
タノ−ル等のアルコ−ル類が最も好ましい。この溶媒の
使用量は有機金属化合物と溶媒との合計量に対して容積
比で0.1〜0.995、好ましくは0.2〜0.9、更に
好ましくは0.3〜0.85である。
【0008】上記有機金属化合物の加水分解には水分が
必要である。これは、中性、酸性、塩基性の何れでもよ
いが、加水分解を促進するためには、塩酸、硝酸、硫酸
等で酸性にした水を用いるのが好ましい。その使用量
は、有機金属化合物1モルに対して水1モル〜100モ
ルの範囲が好ましい。そして酸の使用量は有機金属化合
物に対してモル比で0.01〜2、好ましくは0.05
〜1.5である。その他、上記液体の特性を変化させる
ために、例えば基板に塗布する溶液の厚みを調節するた
めに、有機増粘剤等を上記溶液に添加してもよい。しか
しこの添加量が多すぎると最終段階の加熱により薄膜上
に炭化物として残ることがあるので、10重量%以下に
しておくべきである。
【0009】本発明で使用できる有機色素は、上記有機
金属化合物を含有する溶液に溶解すれば基本的にどんな
色素でも利用できる。また、上記有機金属化合物を含有
する溶液に溶解しなくとも、溶媒にベンゼン、ヘキサン
等の極性の低い溶媒を混合すれば、有機色素の溶解性が
改善され、使用が可能になることもある。具体的には、
トリフェニルメタン系、フェノチアジン系、スピロピラ
ン系、ローダミンラクタム系、トリアゼン系、フルオラ
ン系、アントラキノン系、アゾ系、キノフタロン系、ア
ザフタリド系等の有機色素が例示される。その他に、蛍
光色素、紫外線吸収色素、光または熱によって色または
光吸収が変化する色素も利用できる。
【0010】有機色素の中には、発色が鮮やかであるも
のの、その耐久性が著しく低いため、実用上問題がある
場合がある。しかし、本発明ではそのような耐久性に乏
しい有機色素を用いても、基板に塗布、乾燥して得たフ
レーク体中にそれらの有機色素が閉じ込められるため、
有機色素の耐久性が大幅に向上し、色彩の経年変化が少
ない。
【0011】本発明で上記有機金属化合物を有する溶液
に溶解する有機色素の量について、特に限定はなく、そ
れぞれの使用目的によって決定されるが、通常は有機金
属化合物に対して0.01〜2重量%、好ましくは0.0
3〜0.5重量%用いられる。また、有機色素は必ずし
も単独である必要はなく、二種あるいはそれ以上を同時
に溶解しても差し障りない。
【0012】本発明で使用する基板はステンレス、金、
銀のような金属、ガラスあるいはプラスチックなどの材
質で、表面が平滑なものを用いる。このような基板に、
上記有機金属化合物を含む液体を塗布し、0.06〜5
0μmの薄い液膜とする。この膜が乾燥すると収縮する
が、基板は収縮しないので、膜に亀裂が発生し、フレー
ク状となって自然に剥離する。基板と膜との剥離が起こ
るためには、基板と膜との間の結合ができない状態が好
ましい。上記の乾燥した膜と基板との剥離を促進するた
めに、ナイフエッジ状のものを用いて膜を基板からこそ
ぎ落としてもよい。基板としてポリイミドのようなプラ
スチック製のものを用い、上記乾燥した膜が付着した基
板を水に浸漬することにより、膜を基板から剥離させて
水中にこの膜を分散させることができる。
【0013】上記乾燥は、有機色素の分解温度以下で行
う必要がある。用いる有機色素の種類によって異なる
が、概ね150℃以下で行う。上記基板に膜を形成する
技術は、公知の技術を用いればよく、例えば、上記有機
金属化合物を含む溶液に基板を浸漬した後引き上げる方
法や、基板上に上記溶液を滴下し、基板を高速で回転さ
せる方法などが用いられる。
【0014】本発明で製造されるフレーク体の厚さは、
溶液あるいは製膜時の条件によって変化するが、概ね5
μmから0.05μmの間である。5μmより厚いと、
自由表面と基板付近との乾燥速度の差が大きくなりす
ぎ、基板に水平な方向での膜間剥離が発生するようにな
って好ましくない。逆に0.05μmより薄いと、基板
と膜との付着性が大きくなりすぎ、膜が基板から剥離し
なくなり、フレーク状にすることが困難となる。
【0015】以下に実施例を示す。 実施例−1 市販のシリコンテトラメトキシド100mlとエタノ−ル
100mlを混合し、室温で3時間攪拌した後、これに
0.1規定の硝酸20mlを徐々に滴下した。次に、市販
のローダミン6Gを0.3gこれに添加した。このよう
にして得た液に、表面を研磨して平滑にした、20cm
X 20cmで厚さ1ミリのステンレス板を浸漬し、3
0cm/minの速度で垂直に引き上げた。これを大気中に放
置して常温で乾燥した後、更に温度を上げて60℃で乾
燥を行った。乾燥後、ゲル膜を剥離した。このようにし
て得られた粒径が約5mmのフレーク状物の構造をX線
回折法で調べたところ、シャ−プなピ−クが認められ
ず、ガラス状態であった。また電子顕微鏡でこれを観察
したところ、膜厚が約1.0ミクロンのフレーク体であ
った。このフレーク体は、黄色を呈しており、6カ月
間、大気中に放置しておいても色調の変化は認められな
かった。
【0016】実施例−2 上記実施例−1の溶液に於て、ローダミン6Gの代わり
に、6’−クロロ−8’−ニトロ−1,3,3−トリメ
チルインドリノベンゾスピロピランを0.1g用いて溶
液を調製した。これを塗布液とし、実施例−1と同様の
条件でステンレス基板上に塗布し、大気中で乾燥した。
その後、60℃で乾燥し剥離したフレークをX線回折法
で調べたところ、シャ−プなピ−クを示しさず、ガラス
状態であった。また電子顕微鏡でこれを観察したとこ
ろ、膜厚が約1.0ミクロンのフレーク体であった。
【0017】このフレーク体は、ほとんど無色である
が、紫外線を照射したところ、青色に着色し、フォトク
ロミック特性を有していることが判明した。この特性
は、6カ月間、大気中に放置しておいても変化は認めら
れなかった。
【0018】
【発明の効果】本発明によれば、従来製造が困難であっ
た非常に薄い、有機色素を含有したフレーク体が、簡単
かつ効率的に製造できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03B 37/00 - 37/16 C03C 1/00 - 14/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機金属化合物およ有機色素を含む溶液
    を、表面が平滑な基板上に塗布し、これを剥離すること
    を特徴とする有機色素を含有するフレーク体の製造方
    法。
JP8077891A 1991-03-19 1991-03-19 有機色素を含有するフレーク体の製造方法 Expired - Lifetime JP2927028B2 (ja)

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