JP2932622B2 - フレーク状ガラスの製造方法 - Google Patents
フレーク状ガラスの製造方法Info
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Description
【産業上の利用分野】 本発明はフレーク状ガラスの製造方法、特に、有機金
属化合物を含む溶液を出発原料とし、簡単かつ有効よく
フレーク状ガラスを製造する方法に関する。
属化合物を含む溶液を出発原料とし、簡単かつ有効よく
フレーク状ガラスを製造する方法に関する。
現在、フレーク状ガラスはプラスチック充填材や耐食
ライニングに使用されている。このようなフレーク状ガ
ラスは、組成的にはソーダ石灰珪酸塩ガラス系がほとん
どで、約4ミクロンの厚さのものである。溶融したガラ
スを風船の如く膨らませ、急冷、粉砕して製造されてい
る。産業の発展に伴い、より高温まで耐える組成で、よ
り薄いガラスフレークが求められているが、従来の方法
では技術的に限界がある。 工業的に利用されているフレークとしては、天然の雲
母が知られている。これは、価格が高い、不純物に
よる着色がある、耐久性に乏しい、等の問題点が指摘
されているものの、代替品がないため、各種の産業で使
用されている。 有機金属を含む溶液から薄いガラス板を製造する技術
は、例えば新保らによって開示された公開特許昭51−34
219号に記載されたように、加水分解、脱水縮合を行っ
た後の溶液を、他の液体上に浮かべることにより、薄い
ガラスとする方法が知られている。この公開特許による
と、1ミクロン以下の薄いガラス片が得られるとされて
おり、これを粉砕することで、フレーク状ガラスを製造
することが可能と推察できる。しかし、この技術は、
水に浮かべたガラス片の回収が難しい、膜厚が均一に
なりにくい、などの欠点があり、この技術で工業的にフ
レーク状ガラスを製造することは事実上困難である。
ライニングに使用されている。このようなフレーク状ガ
ラスは、組成的にはソーダ石灰珪酸塩ガラス系がほとん
どで、約4ミクロンの厚さのものである。溶融したガラ
スを風船の如く膨らませ、急冷、粉砕して製造されてい
る。産業の発展に伴い、より高温まで耐える組成で、よ
り薄いガラスフレークが求められているが、従来の方法
では技術的に限界がある。 工業的に利用されているフレークとしては、天然の雲
母が知られている。これは、価格が高い、不純物に
よる着色がある、耐久性に乏しい、等の問題点が指摘
されているものの、代替品がないため、各種の産業で使
用されている。 有機金属を含む溶液から薄いガラス板を製造する技術
は、例えば新保らによって開示された公開特許昭51−34
219号に記載されたように、加水分解、脱水縮合を行っ
た後の溶液を、他の液体上に浮かべることにより、薄い
ガラスとする方法が知られている。この公開特許による
と、1ミクロン以下の薄いガラス片が得られるとされて
おり、これを粉砕することで、フレーク状ガラスを製造
することが可能と推察できる。しかし、この技術は、
水に浮かべたガラス片の回収が難しい、膜厚が均一に
なりにくい、などの欠点があり、この技術で工業的にフ
レーク状ガラスを製造することは事実上困難である。
本発明は上記の従来技術に鑑み、従来製造されること
がなかった、薄いガラスフレークを、簡単かつ効率的に
製造することのできる方法を提供するものである。
がなかった、薄いガラスフレークを、簡単かつ効率的に
製造することのできる方法を提供するものである。
本課題を解決するため、本発明では、有機金属化合物
を含む溶液を出発原料とし、これを基材、好ましくは、
表面が平滑な基板に塗布し、乾燥して基材から剥離させ
後、焼結することを特徴としている。この方法により、
従来技術では不可能であった、薄いフレーク状ガラス
を、簡単かつ効率的に量産できる。 本発明に用いる有機金属化合物は、加水分解、脱水縮
合を行なうものであれば基本的にはどんな化合物でもよ
いが、アルコキシル基を有する金属アルコキシドが好ま
しい。更に具体的には、シリコン、チタン、アルミニウ
ム、ジルコニウム等のメトキシド、エトキシド、プロポ
キシド、ブトキシド等が、単体あるいは混合体として用
いられる。 上記有機金属化合物を含む溶液の溶媒は、実質的に上
記有機金属化合物を溶解すれば基本的に何でもよいが、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール類が最も好ましい。 上記有機金属化合物の加水分解には水分が必要であ
る。これは、酸性、塩基性の何れでもよいが、加水分解
を促進するためには、塩酸、硝酸、硫酸等で酸性にした
水を用いるのが好ましい。 その他、上記溶液の特性を変化させるために、有機増
粘剤等を上記溶液に添加してもよい。しかし、この添加
量が多いと最終段階の加熱で炭化することがあるので、
10%重量以下にしておくべきである。 上記溶液を用いてフレーク状ガラスを製造した場合、
フレーク状ガラスに着色を示すようにするためには、遷
移金属酸化物の原料を上記溶液に添加する方法が有効で
ある。本発明で用いることができる着色用原料は、400n
mから800nmの波長域の光で吸収を示す酸化物を形成する
化合物、すなわち遷移金属化合物であって、上記溶液に
実質的に溶解するものであれば、特に限定はない。好ま
しい原料としては、遷移金属のアルコキシド、酢酸塩、
アセチルアセトン塩、硝酸塩、塩化物等が挙げられる。
これらの原料は最終的にフレーク状ガラスの中で遷移金
属酸化物となるが、この遷移金属酸化物の添加量は、所
望の着色特性により決定されるが、焼結後のフレーク状
ガラスで、0.1重量%以上70重量%以下とするのが好ま
しい。遷移金属酸化物の添加量が0.1重量%より少ない
と、充分な着色を示さず、逆に70重量%より多いと、ガ
ラスマトリックスの量が少なく、フレーク状ガラスとし
ての耐久性が極端に低下するため、好ましくない。着色
フレーク状ガラスを例えばプラスチックの充填材に用い
た場合、そのプラスチックに耐候性の優れた着色性を付
与することができる。 また上記溶液を用いてフレーク状ガラスを製造した場
合、フレーク状ガラスに紫外線吸収特性を持たせるため
には、鉄、セリウム、チタン、バナジウム、クロム、ラ
ウン、鉛、亜鉛の酸化物の原料を添加する方法が有効で
ある。本発明で用いることができる原料は、上記金属の
化合物で、上記溶液に実質的に溶解すれば、特に限定は
ない。好ましい原料としては、アルコキシド、酢酸塩、
アセチルアセトン塩、硝酸塩、塩化物等が挙げられる。
上記の金属酸化物の添加量は、所望の紫外線吸収特性に
より決定されるが、焼結後のフレーク状ガラスで、0.1
重量%以上70重量%以下とするのが好ましい。上記金属
酸化物の添加量が0.1重量%より少ないと、充分な紫外
線吸収能力を示さず、逆に70重量%より多いと、ガラス
マトリックスの量が少なく、フレーク状ガラスとしての
耐久性が極端に低下するため、好ましくない。 紫外線吸収フレーク状ガラスを例えばプラスチックの
充填材に用いた場合には、そのプラスチックに紫外線に
よる劣化を防止することができ、また紫外線を遮断する
化粧品に用いることができる。 更に上記溶液を用いてフレーク状ガラスを製造した場
合、フレーク状ガラスに電気伝導性を付与するために
は、電気伝導性を示す酸化物の原料を添加する方法が有
効である。この場合、電気伝導性は、例えば、酸化銀、
酸化ナトリウム、酸化リチウム等のイオン伝導性、ある
いは、例えば、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化インジウ
ム−酸化アンチモン等の電子伝導性のいずれでも良い。
本発明で用いることができる原料は、上記金属の化合物
で、上記溶液に実質的に溶解すれば、特に限定はない。
更に具体的な原料としては、上記金属のアルコキシド、
酢酸塩、アセチルアセトン塩、硝酸塩、塩化物等が挙げ
られる。上記の金属酸化物の添加量は、所望の電気伝導
性により決定されるが、焼結後のフレーク状ガラスで、
0.1重量%以上70重量%以下とするのが好ましい。上記
金属酸化物の添加量が0.1重量%より少ないと、充分な
電気伝導性を示さず、逆に70重量%より多いと、ガラス
マトリックスの量が少なく、フレーク状ガラスとしての
耐久性が極端に低下するため、好ましくない。電気伝導
性フレーク状ガラスを例えばプラスチックの充填材に用
いた場合には、そのプラスチックに電磁波を遮断又は反
射する性能を付与することができる。 本発明で使用する基材は金属、ガラスあるいはプラス
チックなどの材質で、表面が平滑なものを用いる。この
ような基板、の表面上に、上記有機金属化合物を含む液
体を塗布し、厚みが0.1〜10μmの薄い膜とする。この
塗布膜の厚みは例えば上記溶液の粘性を制御することに
より調節できる。この膜が乾燥すると収縮するが、基板
は収縮しないので、膜に亀裂が発生し、フレーク状とな
る。基板と膜との剥離が起こるためには、基板と膜との
間の結合ができない状態が好ましい。そのための好まし
い基材の材質としては例えばステンレスが挙げられる。 上記基板に膜を形成する技術は、公知の技術を用いれ
ばよく、例えば、上記有機金属化合物を含む溶液に基板
を浸漬した後引き上げる方法や、基板上に上記溶液を滴
下し、基板を高速で回転させる方法などが用いられる。 本発明によって製造されるフレーク状ガラスの厚さ
は、0.05μm〜5μmである。5μmより厚いと、自由
表面と基板付近との乾燥速度の差が大きくなり過ぎ、得
られるフレーク状ガラスに、基板に水平な方向の膜間剥
離が発生するようになる。このような膜間剥離が発生す
ると、得られるフレーク状ガラスの膜厚の分布が広くな
り製品としての品質が悪くなる。逆に0.05μmより薄い
と、基板と膜との付着性が大きくなり過ぎ、膜が基板か
ら剥離しなくなり、フレーク状とはならない。また本発
明によって製造されるフレーク状ガラスの直径は通常10
μm〜数mmである。 焼結に関しては、その方法に特に制限はない。焼結温
度および時間は、ゲルからガラスへの転移を確実にする
ような条件以上に加熱することが望ましく、通常は300
℃〜1200℃で10分〜2時間加熱する。
を含む溶液を出発原料とし、これを基材、好ましくは、
表面が平滑な基板に塗布し、乾燥して基材から剥離させ
後、焼結することを特徴としている。この方法により、
従来技術では不可能であった、薄いフレーク状ガラス
を、簡単かつ効率的に量産できる。 本発明に用いる有機金属化合物は、加水分解、脱水縮
合を行なうものであれば基本的にはどんな化合物でもよ
いが、アルコキシル基を有する金属アルコキシドが好ま
しい。更に具体的には、シリコン、チタン、アルミニウ
ム、ジルコニウム等のメトキシド、エトキシド、プロポ
キシド、ブトキシド等が、単体あるいは混合体として用
いられる。 上記有機金属化合物を含む溶液の溶媒は、実質的に上
記有機金属化合物を溶解すれば基本的に何でもよいが、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等
のアルコール類が最も好ましい。 上記有機金属化合物の加水分解には水分が必要であ
る。これは、酸性、塩基性の何れでもよいが、加水分解
を促進するためには、塩酸、硝酸、硫酸等で酸性にした
水を用いるのが好ましい。 その他、上記溶液の特性を変化させるために、有機増
粘剤等を上記溶液に添加してもよい。しかし、この添加
量が多いと最終段階の加熱で炭化することがあるので、
10%重量以下にしておくべきである。 上記溶液を用いてフレーク状ガラスを製造した場合、
フレーク状ガラスに着色を示すようにするためには、遷
移金属酸化物の原料を上記溶液に添加する方法が有効で
ある。本発明で用いることができる着色用原料は、400n
mから800nmの波長域の光で吸収を示す酸化物を形成する
化合物、すなわち遷移金属化合物であって、上記溶液に
実質的に溶解するものであれば、特に限定はない。好ま
しい原料としては、遷移金属のアルコキシド、酢酸塩、
アセチルアセトン塩、硝酸塩、塩化物等が挙げられる。
これらの原料は最終的にフレーク状ガラスの中で遷移金
属酸化物となるが、この遷移金属酸化物の添加量は、所
望の着色特性により決定されるが、焼結後のフレーク状
ガラスで、0.1重量%以上70重量%以下とするのが好ま
しい。遷移金属酸化物の添加量が0.1重量%より少ない
と、充分な着色を示さず、逆に70重量%より多いと、ガ
ラスマトリックスの量が少なく、フレーク状ガラスとし
ての耐久性が極端に低下するため、好ましくない。着色
フレーク状ガラスを例えばプラスチックの充填材に用い
た場合、そのプラスチックに耐候性の優れた着色性を付
与することができる。 また上記溶液を用いてフレーク状ガラスを製造した場
合、フレーク状ガラスに紫外線吸収特性を持たせるため
には、鉄、セリウム、チタン、バナジウム、クロム、ラ
ウン、鉛、亜鉛の酸化物の原料を添加する方法が有効で
ある。本発明で用いることができる原料は、上記金属の
化合物で、上記溶液に実質的に溶解すれば、特に限定は
ない。好ましい原料としては、アルコキシド、酢酸塩、
アセチルアセトン塩、硝酸塩、塩化物等が挙げられる。
上記の金属酸化物の添加量は、所望の紫外線吸収特性に
より決定されるが、焼結後のフレーク状ガラスで、0.1
重量%以上70重量%以下とするのが好ましい。上記金属
酸化物の添加量が0.1重量%より少ないと、充分な紫外
線吸収能力を示さず、逆に70重量%より多いと、ガラス
マトリックスの量が少なく、フレーク状ガラスとしての
耐久性が極端に低下するため、好ましくない。 紫外線吸収フレーク状ガラスを例えばプラスチックの
充填材に用いた場合には、そのプラスチックに紫外線に
よる劣化を防止することができ、また紫外線を遮断する
化粧品に用いることができる。 更に上記溶液を用いてフレーク状ガラスを製造した場
合、フレーク状ガラスに電気伝導性を付与するために
は、電気伝導性を示す酸化物の原料を添加する方法が有
効である。この場合、電気伝導性は、例えば、酸化銀、
酸化ナトリウム、酸化リチウム等のイオン伝導性、ある
いは、例えば、酸化バナジウム、酸化鉄、酸化インジウ
ム−酸化アンチモン等の電子伝導性のいずれでも良い。
本発明で用いることができる原料は、上記金属の化合物
で、上記溶液に実質的に溶解すれば、特に限定はない。
更に具体的な原料としては、上記金属のアルコキシド、
酢酸塩、アセチルアセトン塩、硝酸塩、塩化物等が挙げ
られる。上記の金属酸化物の添加量は、所望の電気伝導
性により決定されるが、焼結後のフレーク状ガラスで、
0.1重量%以上70重量%以下とするのが好ましい。上記
金属酸化物の添加量が0.1重量%より少ないと、充分な
電気伝導性を示さず、逆に70重量%より多いと、ガラス
マトリックスの量が少なく、フレーク状ガラスとしての
耐久性が極端に低下するため、好ましくない。電気伝導
性フレーク状ガラスを例えばプラスチックの充填材に用
いた場合には、そのプラスチックに電磁波を遮断又は反
射する性能を付与することができる。 本発明で使用する基材は金属、ガラスあるいはプラス
チックなどの材質で、表面が平滑なものを用いる。この
ような基板、の表面上に、上記有機金属化合物を含む液
体を塗布し、厚みが0.1〜10μmの薄い膜とする。この
塗布膜の厚みは例えば上記溶液の粘性を制御することに
より調節できる。この膜が乾燥すると収縮するが、基板
は収縮しないので、膜に亀裂が発生し、フレーク状とな
る。基板と膜との剥離が起こるためには、基板と膜との
間の結合ができない状態が好ましい。そのための好まし
い基材の材質としては例えばステンレスが挙げられる。 上記基板に膜を形成する技術は、公知の技術を用いれ
ばよく、例えば、上記有機金属化合物を含む溶液に基板
を浸漬した後引き上げる方法や、基板上に上記溶液を滴
下し、基板を高速で回転させる方法などが用いられる。 本発明によって製造されるフレーク状ガラスの厚さ
は、0.05μm〜5μmである。5μmより厚いと、自由
表面と基板付近との乾燥速度の差が大きくなり過ぎ、得
られるフレーク状ガラスに、基板に水平な方向の膜間剥
離が発生するようになる。このような膜間剥離が発生す
ると、得られるフレーク状ガラスの膜厚の分布が広くな
り製品としての品質が悪くなる。逆に0.05μmより薄い
と、基板と膜との付着性が大きくなり過ぎ、膜が基板か
ら剥離しなくなり、フレーク状とはならない。また本発
明によって製造されるフレーク状ガラスの直径は通常10
μm〜数mmである。 焼結に関しては、その方法に特に制限はない。焼結温
度および時間は、ゲルからガラスへの転移を確実にする
ような条件以上に加熱することが望ましく、通常は300
℃〜1200℃で10分〜2時間加熱する。
本発明によれば、有機金属化合物を含む溶液の基板上
の塗布厚みは溶液の粘性を調節することにより制御で
き、従って従来製造不可能であった薄いフレーク状ガラ
スが容易に製造できる。
の塗布厚みは溶液の粘性を調節することにより制御で
き、従って従来製造不可能であった薄いフレーク状ガラ
スが容易に製造できる。
実施例−1 市販のシリコンテトラエトキシド、エタノール、水
を、体積比で1:2:1の割合で混合した。室温で撹拌を約
3時間行なった後、この溶液(粘度約1.1cP)を、表面
を研磨して平滑にした、水平の厚さ1mmのステンレス板
上に薄く流し出した。これを大気中に放置して約2時間
乾燥した後、形成されたゲル膜をステンレス板から剥離
し、それを3つに分割して、それぞれ400℃、600℃、お
よび1000℃の温度で1時間焼結した。このようにして得
られた粒径が約5mmのフレーク状物をX線回折法で調べ
たところ、いずれもシャープなピークを示さず、ガラス
状態であった。また電子顕微鏡でこれを観察したとこ
ろ、膜厚が0.8μmのきれいなガラスフレークであっ
た。 実施例−2 実施例−1と同じ溶液を、水平に置いた3mm厚の板ガ
ラス上に薄く流し、乾燥し、400℃から1000℃までの温
度で1時間焼結した。焼結後、X線回折法で調べたとこ
ろ、いずれもシャープなピークを示さず、ガラス状態で
あった。また電子顕微鏡でこれを観察したところ、実施
例−1と同様、膜厚が0.8ミクロンのきれいなガラスフ
レークであった。 実施例−3 市販のシリコンテトラメトキシド100ml、エタノール1
00mlを混合し、これに鉄のアセチルアセトン塩1gを溶解
した。これを室温で約3時間撹拌を行なった後、0.1規
定の塩酸20mlを徐々に滴下した。この溶液は薄い緑色を
呈していた。これを、表面を研磨して平滑にした、厚さ
1ミリのステンレス板上に薄く流し出した。大気中に放
置して乾燥した後、ゲル膜を剥離し、400℃から1000℃
まで呑温度で1時間焼結した。焼結後、X線回折法で調
べたところ、いずれもシャープなピークを示さず、ガラ
ス状態であった。化学分析の結果、ガラス中の酸化鉄の
量は約2.5重量%であった。 電子顕微鏡でこれを観察したところ、膜厚が約0.8ミ
クロンのきれいなガラスフレークであった。このフレー
ク状ガラスは、濃厚な茶色を示していた。 実施例−4 市販のシリコンテトラメトキシド100ml、エタノール1
00mlを混合し、これに硝酸コバルト109gを溶解した。こ
れを室温で約3時間撹拌を行なった後、0.1規定の塩酸2
0mlを徐々に滴下した。この溶液は非常に濃い青色を呈
していた。実施例−1と同じ溶液を、ステンレス上に薄
く流し、乾燥し、400℃から1000℃までの温度で1時間
焼結した。焼結後、X線回折法で調べたところ、いずれ
もシャープなピークを示さず、ガラス状態であった。化
学分析の結果、ガラス中の酸化コバルトの量は、約68重
量%であった。 電子顕微鏡でこれを観察したところ、実施例−1と同
様、膜厚が約0.8ミクロンのきれいなガラスフレークで
あった。このフレーク状ガラスは、非常に濃い青色を示
していた。 実施例−5 前記実施例−3において使用した鉄のアセチルアセト
ン塩1gに代えてチタンテトライソプロポキシド10mlを使
用して、他は実施例−3の通りに実施した。塩酸を滴下
した溶液は薄い黄色を呈していた。そしてゲル膜の焼結
後の化学分析の結果、ガラス中の酸化チタンの量は約6
重量%であった。 電子顕微鏡でこれを観察したところ、膜厚が約0.8μ
mのきれいなガラスフレークであった。このフレーク状
ガラスの透過特性を測定してみたところ、280nmに吸収
端があり、紫外部で急激な吸収を示すことが確認され
た。 実施例−6 前記実施例−3において使用した鉄のアセチルアセト
ン塩1gに代えて硝酸亜鉛の6水和化合物20gを使用し
て、他は実施例−3の通りに実施した。塩酸を滴下した
溶液はほとんど無色透明であった。そしてゲル膜の焼結
後の化学分析の結果、ガラス中の酸化コバルトの量は約
11重量%であった。 電子顕微鏡でこれを観察したところ、膜厚が約0.8ミ
クロンのきれいなガラスフレークであった。このフレー
ク状ガラスの透過特性を測定してみたところ、300nmに
吸収端があり、紫外部で急激な吸収を示すことが確認さ
れた。 実施例−7 前記実施例−3において使用した鉄のアセチルアセト
ン塩1gに代えてトリイソプロポキシバナジル6.5mlを使
用して、他は実施例−3の通りに実施した。そしてゲル
膜の焼結後の化学分析の結果、ガラス中の酸化バナジウ
ムの量は約9.5重量%であった。 電子顕微鏡でこれを観察したところ、膜厚が約0.8ミ
クロンのきれいなフレーク状ガラスであった。このフレ
ーク状ガラスを市販のエポキシ樹脂と、1:10の重量比で
混合し、ガラス板上に約2mmの厚さになるように延ばし
て、固化させた。固化後のフィルムを剥し、10cm離れた
2点での電気抵抗を測定したところ、約100オームであ
った。エポキシ樹脂単体では通電しないことから、この
フレーク状ガラスが高い電気伝導性を有していることが
確認された。 実施例−8 前記実施例−3において使用した鉄のアセチルアセト
ン塩1gに代えて金属ナトリウム10gを使用して、他は実
施例−3の通りに実施した。そしてゲル膜の焼結後の化
学分析の結果、ガラス中の酸化ナトリウムの量は、約32
重量%であった。電子顕微鏡でこれを観察したところ、
膜厚が約0.8ミクロンのきれいなフレーク状ガラスであ
った。実施例−7と同様に、エポキシ樹脂にこのフレー
ク状ガラスを混合して作製した複合体フィルムの、10cm
離れた2点での電気抵抗を測定したところ、約500オー
ムであり、このフレーク状ガラスの電気伝導性が確認で
きた。
を、体積比で1:2:1の割合で混合した。室温で撹拌を約
3時間行なった後、この溶液(粘度約1.1cP)を、表面
を研磨して平滑にした、水平の厚さ1mmのステンレス板
上に薄く流し出した。これを大気中に放置して約2時間
乾燥した後、形成されたゲル膜をステンレス板から剥離
し、それを3つに分割して、それぞれ400℃、600℃、お
よび1000℃の温度で1時間焼結した。このようにして得
られた粒径が約5mmのフレーク状物をX線回折法で調べ
たところ、いずれもシャープなピークを示さず、ガラス
状態であった。また電子顕微鏡でこれを観察したとこ
ろ、膜厚が0.8μmのきれいなガラスフレークであっ
た。 実施例−2 実施例−1と同じ溶液を、水平に置いた3mm厚の板ガ
ラス上に薄く流し、乾燥し、400℃から1000℃までの温
度で1時間焼結した。焼結後、X線回折法で調べたとこ
ろ、いずれもシャープなピークを示さず、ガラス状態で
あった。また電子顕微鏡でこれを観察したところ、実施
例−1と同様、膜厚が0.8ミクロンのきれいなガラスフ
レークであった。 実施例−3 市販のシリコンテトラメトキシド100ml、エタノール1
00mlを混合し、これに鉄のアセチルアセトン塩1gを溶解
した。これを室温で約3時間撹拌を行なった後、0.1規
定の塩酸20mlを徐々に滴下した。この溶液は薄い緑色を
呈していた。これを、表面を研磨して平滑にした、厚さ
1ミリのステンレス板上に薄く流し出した。大気中に放
置して乾燥した後、ゲル膜を剥離し、400℃から1000℃
まで呑温度で1時間焼結した。焼結後、X線回折法で調
べたところ、いずれもシャープなピークを示さず、ガラ
ス状態であった。化学分析の結果、ガラス中の酸化鉄の
量は約2.5重量%であった。 電子顕微鏡でこれを観察したところ、膜厚が約0.8ミ
クロンのきれいなガラスフレークであった。このフレー
ク状ガラスは、濃厚な茶色を示していた。 実施例−4 市販のシリコンテトラメトキシド100ml、エタノール1
00mlを混合し、これに硝酸コバルト109gを溶解した。こ
れを室温で約3時間撹拌を行なった後、0.1規定の塩酸2
0mlを徐々に滴下した。この溶液は非常に濃い青色を呈
していた。実施例−1と同じ溶液を、ステンレス上に薄
く流し、乾燥し、400℃から1000℃までの温度で1時間
焼結した。焼結後、X線回折法で調べたところ、いずれ
もシャープなピークを示さず、ガラス状態であった。化
学分析の結果、ガラス中の酸化コバルトの量は、約68重
量%であった。 電子顕微鏡でこれを観察したところ、実施例−1と同
様、膜厚が約0.8ミクロンのきれいなガラスフレークで
あった。このフレーク状ガラスは、非常に濃い青色を示
していた。 実施例−5 前記実施例−3において使用した鉄のアセチルアセト
ン塩1gに代えてチタンテトライソプロポキシド10mlを使
用して、他は実施例−3の通りに実施した。塩酸を滴下
した溶液は薄い黄色を呈していた。そしてゲル膜の焼結
後の化学分析の結果、ガラス中の酸化チタンの量は約6
重量%であった。 電子顕微鏡でこれを観察したところ、膜厚が約0.8μ
mのきれいなガラスフレークであった。このフレーク状
ガラスの透過特性を測定してみたところ、280nmに吸収
端があり、紫外部で急激な吸収を示すことが確認され
た。 実施例−6 前記実施例−3において使用した鉄のアセチルアセト
ン塩1gに代えて硝酸亜鉛の6水和化合物20gを使用し
て、他は実施例−3の通りに実施した。塩酸を滴下した
溶液はほとんど無色透明であった。そしてゲル膜の焼結
後の化学分析の結果、ガラス中の酸化コバルトの量は約
11重量%であった。 電子顕微鏡でこれを観察したところ、膜厚が約0.8ミ
クロンのきれいなガラスフレークであった。このフレー
ク状ガラスの透過特性を測定してみたところ、300nmに
吸収端があり、紫外部で急激な吸収を示すことが確認さ
れた。 実施例−7 前記実施例−3において使用した鉄のアセチルアセト
ン塩1gに代えてトリイソプロポキシバナジル6.5mlを使
用して、他は実施例−3の通りに実施した。そしてゲル
膜の焼結後の化学分析の結果、ガラス中の酸化バナジウ
ムの量は約9.5重量%であった。 電子顕微鏡でこれを観察したところ、膜厚が約0.8ミ
クロンのきれいなフレーク状ガラスであった。このフレ
ーク状ガラスを市販のエポキシ樹脂と、1:10の重量比で
混合し、ガラス板上に約2mmの厚さになるように延ばし
て、固化させた。固化後のフィルムを剥し、10cm離れた
2点での電気抵抗を測定したところ、約100オームであ
った。エポキシ樹脂単体では通電しないことから、この
フレーク状ガラスが高い電気伝導性を有していることが
確認された。 実施例−8 前記実施例−3において使用した鉄のアセチルアセト
ン塩1gに代えて金属ナトリウム10gを使用して、他は実
施例−3の通りに実施した。そしてゲル膜の焼結後の化
学分析の結果、ガラス中の酸化ナトリウムの量は、約32
重量%であった。電子顕微鏡でこれを観察したところ、
膜厚が約0.8ミクロンのきれいなフレーク状ガラスであ
った。実施例−7と同様に、エポキシ樹脂にこのフレー
ク状ガラスを混合して作製した複合体フィルムの、10cm
離れた2点での電気抵抗を測定したところ、約500オー
ムであり、このフレーク状ガラスの電気伝導性が確認で
きた。
本発明によれば、従来製造が困難であった非常に薄い
ガラスフレーク、非常に薄い着色フレーク状ガラス、非
常に薄い紫外線吸収フレーク状ガラスおよび非常に薄い
電気伝導性フレーク状ガラスが、簡単かつ効率的に製造
できる。
ガラスフレーク、非常に薄い着色フレーク状ガラス、非
常に薄い紫外線吸収フレーク状ガラスおよび非常に薄い
電気伝導性フレーク状ガラスが、簡単かつ効率的に製造
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堂下 和宏 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11 号 日本板硝子株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03B 37/00 - 37/16
Claims (3)
- 【請求項1】有機金属化合物と可視光を吸収する酸化物
を形成しうる化合物とを含む溶液を、基材上に塗布し、
これを乾燥して基材から剥離させ、焼結することを特徴
とする着色フレーク状ガラスの製造方法。 - 【請求項2】有機金属化合物と紫外線を吸収する酸化物
を形成しうる化合物とを含む溶液を、基材上に塗布し、
これを乾燥して基材から剥離させ、焼結することを特徴
とする紫外線吸収フレーク状ガラスの製造方法。 - 【請求項3】有機金属化合物と電気伝導性を有する酸化
物を形成しうる化合物とを含む溶液を、基材上に塗布
し、これを乾燥して基材から剥離させ、焼結することを
特徴とする電気伝導性フレーク状ガラスの製造方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17493790A JP2932622B2 (ja) | 1990-03-09 | 1990-07-02 | フレーク状ガラスの製造方法 |
US07/741,496 US5201929A (en) | 1990-03-09 | 1991-03-05 | Apparatus for producing flakes of glass |
PCT/JP1991/000291 WO1993016963A1 (en) | 1990-03-09 | 1991-03-05 | Process for making flaky glass and apparatus therefor |
US07/971,546 US5294237A (en) | 1990-03-09 | 1992-11-05 | Process for producing flakes of glass |
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---|---|---|---|
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JP2-58519 | 1990-03-09 | ||
JP17493790A JP2932622B2 (ja) | 1990-03-09 | 1990-07-02 | フレーク状ガラスの製造方法 |
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Family Applications (1)
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WO2008066077A1 (fr) * | 2006-11-28 | 2008-06-05 | Nippon Sheet Glass Company, Limited | Procédé de production de flocons |
GB0718472D0 (en) * | 2007-09-24 | 2007-10-31 | Glassflake Ltd | Glass flakes |
KR20110133493A (ko) | 2009-03-31 | 2011-12-12 | 후지필름 가부시키가이샤 | 화장료 |
-
1990
- 1990-07-02 JP JP17493790A patent/JP2932622B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03285838A (ja) | 1991-12-17 |
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