JP2926949B2 - 高周波誘導結合プラズマ質量分析計 - Google Patents

高周波誘導結合プラズマ質量分析計

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JP2926949B2 JP2255525A JP25552590A JP2926949B2 JP 2926949 B2 JP2926949 B2 JP 2926949B2 JP 2255525 A JP2255525 A JP 2255525A JP 25552590 A JP25552590 A JP 25552590A JP 2926949 B2 JP2926949 B2 JP 2926949B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、高周波誘導結合プラズマを用いて試料を励
起させ、励起したイオンを質量分析計に導いて分析する
高周波誘導結合プラズマ質量分析計に関し、更に詳しく
は、プラズマへの試料導入効率を改善し、分析感度の向
上をはかった高周波誘導結合プラズマ質量分析計(以
下、ICP−MSと省略する)に関する。
<従来の技術> ICP−MSは、高周波誘導結合プラズマを用いて試料を
励起させ、生じたイオンをノズルとスキマーからなるイ
ンターフェイスを介して質量分析計に導いて電気的に検
出し該イオン量を精密に測定することにより、試料中の
被測定元素を高精度に分析するように構成されている。
第2図は、このようなICP−MSの従来例構成説明図であ
る。
この図において、プラズマトーチ1の外側管1bと最外
側管1cにはガスコントローラ2を介してアルゴンガス供
給源3からアルゴンガスが供給され、内側管1aには試料
槽4内の試料が霧化部5で霧化されてのちアルゴンガス
によって搬入されるようになっている。また、プラズマ
トーチ1に巻回された高周波誘導コイル6には高周波電
源10によって高周波電流が流され、該コイル6の周囲に
高周波磁界(図示せず)が形成されている。
一方、ノズル8とスキマー9に挟まれたフォアチャン
バー11内は、真空ポンプ12によって例えば1Torr.に減圧
されている。また、センターチャンバー13内にはイオン
レンズ系14a,14bが設けられると共に、該センターチャ
バー13の内部は第1油拡散ポンプ15によって例えば10-4
Torr.に減圧され、マスフィルタ(例えば四重極マスフ
ィルタ)16を収容しているリアチャンバー17内は第2油
拡散ポンプ18によって例えば10-5Torr.に減圧されてい
る。
この状態で上記高周波磁界の近傍でアルゴンガス中に
電子かイオンが植え付けられると、該高周波磁界の作用
によって瞬時に高周波誘導結合プラズマ7が生ずる。該
プラズマ7内のイオンは、ノズル8やスキマー9を経由
してのちイオンレンズ系14a,14bを通って収束される。
ここで、イオンレンズ系14a,14bは、高周波誘導結合プ
ラズマ8からの光を遮断しイオンだけを通過させる例え
ばダブル四極子レンズが用いられており、該イオンレン
ズ系を通過したイオンは、マスフィルタ16を通り二次電
子増倍管19に導かれて検出され、該検出信号が信号処理
部20に送出されて演算・処理されることによって前記試
料中の被測定元素分析値が求められるようになってい
る。
一方、第3図はICP−MSの試料導入部を詳しく説明す
るための従来例要部説明図であり、図中、第2図と同一
記号は同一意味を持たせて使用しここでの重複説明は省
略する。第3図において、ガスコントローラ2からネブ
ライザ5aにAγガスが供給されると、ネブライザ5aのエ
ジェクタ機能などにより試料が試料槽4から吸引されて
霧化される。このような霧化によってエアゾル試料とな
った後、スプレーチャンバー5bによって大粒のエアロゾ
ルが分離・除去され、その後、プラズマトーチ1の内管
1aに導入される。
<発明が解決しようとする問題点> 然しながら、上述のような従来例においては、スプレ
ーチャンバー5Bにおけるサンプルの透過効率が低いとい
う欠点があった。また、ネブライザ5aで霧化されたエア
ロゾル試料を一旦加熱して蒸発させた後冷却し、溶媒を
分離・除去して試料だけのエアロゾルをプラズマトーチ
1の内管1aに導くことができれば最も好ましいことも知
られていた。
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであり、
その目的は、プラズマへの試料導入効率を改善し、分析
感度の向上をはかった高周波誘導結合プラズマ質量分析
計を提供することにある。
<問題点を解決するための手段> このような目的を達成するために、本発明は、 ネブライザで霧化したエアゾル試料をノズルからプラ
ズマトーチに導いて励起し、生じたイオンを質量分析計
に導いて分析する高周波誘導結合プラズマ質量分析計に
おいて、 前記ネブライザで霧化した試料が流れるトランスファ
チューブと、 このトランスファチューブを流れる試料を集中して加
熱する加熱手段と、 この加熱手段で加熱したトランスファチューブの試料
を冷却して前記プラズマトーチに供給する冷却スプレー
チャンバーと、を具備したことを特徴とている。
<実施例> 以下、本発明について図を用いて詳細に説明する。第
1図は本発明実施例の要部を示す要部説明図であり、図
中、第2図や第3図と同一記号は同一意味をもたせて使
用しここでの重複説明は省略する。また、21は内部にヒ
ータ22とトランスファチューブ23(内部をエアロゾル試
料が流れる)が設置されると共に内壁面が金メッキ反射
板で形成されている楕円形のゴールドイメージ炉、24は
下部にドレン穴25が設けられた冷却スプレーチャンバー
である。
尚、ゴールドイメージ炉を形成している楕円の2つの
焦点にはヒータ22とトランスファチューブ23(内部をエ
アロゾル試料が流れる)が設置されており、ヒータ22か
らの熱が内壁面で反射されてトランスファチューブ23に
集中的に当たるようになっている。
このような要部構成からなる本発明の実施例におい
て、ガスコントローラ2からネブライザ5aにAγガスが
供給されると、ネブライザ5aのエジェクタ機能などによ
り試料が試料槽4から吸引されて霧化される。このよう
な霧化によってエアゾルとなった試料は、トランスファ
チューブ23に導かれて加熱されて気化する。このように
して気化された試料は冷却スプレーチャンバー24に導か
れて冷却されることにより、溶媒などが分離されて除去
されドレン穴25から排出される。このようにして溶媒な
どが分離・除去されたエアロゾル試料は、その後、プラ
ズマトーチ1の内管1aに導入される。以後、第2図を用
いて詳述したようにして試料中の被測定元素が分析され
る。
尚、本発明は上述の実施例に限定されることなく種々
の変形が可能であり、例えば、ゴールドイメージ炉21を
用いて集中的にトランスファチューブ23を加熱する代わ
りに、トランスファチューブ23をニクロム線ヒータやマ
イクロ波を用いて加熱(加熱手段)しても良い。
<発明の効果> 以上、詳細に説明したように、本発明の高周波誘導結
合プラズマ質量分析計は、ネブライザで霧化した試料が
流れるトランスファチューブを加熱手段によって集中的
に加熱した後に、加熱した試料を冷却スプレーチャンバ
ーによって冷却してプラズマトーチに供給するようにし
ているので、プラズマへの試料導入効率が改善され、精
度良い分析ができる。
また、溶媒が効果的に除去できるために、被測定成分
の検出信号が安定するという利点もある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例の要部構成説明図、第2図はICP
−MSの全体的な構成説明図、第3図は従来例の要部構成
説明図である。 1……プラズマトーチ、 3……アルゴンガス供給源、4……試料槽、 5……霧化部、7……高周波誘導結合プラズマ、 8……ノズル、9……スキマー、 16……マスフィルタ、 19……二次電子増倍管、20……信号処理部 21……ゴールドイメージ炉、 22……ヒータ、23……トランスファチューブ、 24……冷却スプレーチャンバー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ネブライザで霧化したエアゾル試料をノズ
    ルからプラズマトーチに導いて励起し、生じたイオンを
    質量分析計に導いて分析する高周波誘導結合プラズマ質
    量分析計において、 前記ネブライザで霧化した試料が流れるトランスファチ
    ューブと、 このトランスファチューブを流れる試料を集中して加熱
    する加熱手段と、 この加熱手段で加熱したトランスファチューブの試料を
    冷却して前記プラズマトーチに供給する冷却スプレーチ
    ャンバーと、 を具備したことを特徴とした高周波誘導結合プラズマ質
    量分析計。
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