JP2924398B2 - ジョセフソン極性切換型駆動回路 - Google Patents

ジョセフソン極性切換型駆動回路

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JP2924398B2
JP2924398B2 JP4003275A JP327592A JP2924398B2 JP 2924398 B2 JP2924398 B2 JP 2924398B2 JP 4003275 A JP4003275 A JP 4003275A JP 327592 A JP327592 A JP 327592A JP 2924398 B2 JP2924398 B2 JP 2924398B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジョセフソン素子を用
いた超伝導集積回路に関し、より詳しくは超伝導記憶集
積回路の記憶セルアレイのワード線及びビット線などの
被駆動線路に電流を注入し、かつ任意に電流の方向を反
転できるジョセフソン極性切換型駆動回路に関する。
【0002】
【従来の技術】図6に、従来から知られているジョセフ
ソン極性切換型駆動回路を説明するための等価回路図を
示す(昭和63年電子情報通信学会春季全国大会参
照)。図6を参照して従来の技術の説明を行う。
【0003】図6に示すように従来のジョセフソン極性
切換型駆動回路は、4個の磁界結合型ジョセフソンゲー
ト回路G1,G2,G3,G4と、3個の抵抗R1,R2,R
Lと、被駆動線路とより構成される。記憶回路では、被
駆動線路は、記憶セルアレイのワード線又はビット線に
対応するものである。
【0004】本回路において、バイアス入力端B1及び
2からバイアス電流を供給した状態で、信号入力端S1
に信号を入力すると、磁界結合型ジョセフソンゲート回
路G1,G3が超伝導状態から電圧状態にスイッチし、バ
イアス電流は、被駆動線路に注入される。被駆動線路に
流れたバイアス電流は、磁界結合型ジョセフソンゲート
回路G4を通って接地に流れ込む。以上の動作により、
被駆動線路に時計回り方向に出力電流を発生させること
ができる。
【0005】一方、信号入力端S2に信号を入力する
と、磁界結合型ジョセフソンゲート回路G2,G4が超伝
導状態から電圧状態にスイッチし、バイアス電流は、被
駆動線路に注入される。被駆動線路に流れたバイアス電
流は、磁界結合型ジョセフソンゲート回路G3を通って
接地に流れ込む。以上の動作により被駆動線路に反時計
回り方向に出力電流を発生させることができる。
【0006】以上説明したように、上記回路は、被駆動
線路に電流を注入し、かつ任意に電流の方向を反転でき
るジョセフソン極性切換型駆動回路を実現するものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の技術
においては、磁界結合型ジョセフソンゲート回路(2接
合SQUIDゲート)を用いているため、入力信号を注
入するための制御配線と、SQUIDループとの磁界結
合のための領域を得るために素子の面積が大きくなり、
大規模な集積化が困難であるという問題点があった。
【0008】また、磁界結合型ジョセフソンゲート回路
を用いているため、出力電流に比べて比較的大きな入力
信号電流が必要であるという問題点があった。さらに、
制御配線のインダクタンスが大きくなるため回路の高速
動作が困難であるという問題点があった。
【0009】本発明の目的は、このような従来のジョセ
フソン極性切換型駆動回路の問題点を除去し、回路の微
細化と高速化が可能なジョセフソン極性切換型駆動回路
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によるジョセフソン極性切換型駆動回路にお
いては、第1および第2の駆動電圧発生部と、被駆動線
路と、負荷抵抗とを有するジョセフソン極性切換型駆動
回路であって、第1および第2の駆動電圧発生部は、同
一構成であり、それぞれ、複数個の接続点に、一端が基
準点に接続されたジョセフソン接合が各々接続され、前
記複数個の接続点は、1個の抵抗を介して出力点に接続
され、前記複数個の接続点を一列に配置したときの隣合
う2点間が少なくとも1個以上の抵抗により接続され、
前記一列に配置した複数個の接続点の両端の何れか一方
の接続点に入力点が接続されたものであり、被駆動線路
は、前記第1および第2の駆動電圧発生部の出力点間に
接続されたものであり、負荷抵抗は、少なくとも1個以
上を前記被駆動線路内に挿入したものである。
【0011】また、第1の抵抗と、第2の抵抗とを有
し、第1の抵抗は、一端が基準点に接続され、他端は、
前記被駆動線路の一端に接続されたものであり、第2の
抵抗は、一端が基準点に接続され、他端は、前記被駆動
線路の他端に接続されたものである。
【0012】また、第1および第2のジョセフソンゲー
ト回路と、第1および第2の入力抵抗を有し、両ジョセ
フソンゲート回路は、バイアス供給点と信号入力点と出
力点を有する同一の回格構成であって、前記駆動電圧発
生部の入力点に一定電流を供給するものであり、第1の
ジョセフソンゲート回路の出力端は、第1の入力抵抗を
介して前記第1の駆動電圧発生部の入力点に接続された
ものであり、第2のジョセフソンゲート回路の出力端
は、第2の入力抵抗を介して前記第2の駆動電圧発生部
の入力点に接続されたものである。
【0013】
【作用】信号入力端から電流が注入された場合には、入
力電流の大部分がまず1個のジョセフソン接合に注入さ
れるため、駆動電圧発生部が電圧状態になり、信号電流
を被駆動線路に注入し、一方被駆動線路を通して出力端
から電流が注入された場合には、電流は、2個のジョセ
フソン接合に分流して流れ、駆動電圧発生部が超伝導状
態を維持するように動作することで極性切り換え動作を
可能にしている。2個の駆動電圧発生部は、抵抗結合型
のジョセフソンゲート回路のみで形成されているので、
回路の高速動作と高集積化が可能になる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の実施例を図によって説明す
る。
【0015】(実施例1)図1は、本発明の実施例1を
説明するための等価回路図である。図1に示す実施例
は、2個の駆動電圧発生部1,2と、被駆動線路3と、
被駆動線路3に挿入された負荷抵抗RLとから構成され
る。第1,第2の駆動電圧発生部1,2は、2つのジョ
セフソン接合J1,J2と、3つの抵抗R1,R2,R3
から構成される同一の回路構成を有している。回路定数
が同じ素子に対しては、同じ記号で示した。
【0016】第1および第2の駆動電圧発生部1,2
は、いずれも以下の構成からなっている。すなわち、複
数個の接続点に、一端が基準点に接続されたジョセフソ
ン接合J1(又はJ2)が各々接続され、前記複数個の接
続点は、1個の抵抗R1(又はR2)を介して出力点O1
(又はO2)に接続され、前記複数個の接続点を一列に
配置したときの隣合う2点間が少なくとも1個以上の抵
抗R3により接続され、前記一列に配置した複数個の接
続点の両端の何れか一方の接続点に入力点S1(又は
2)が接続されたものである。被駆動線路3は、第1
および第2の駆動電圧発生部1,2間に接続され、負荷
抵抗RLは、被駆動線路3に接続されたものである。
【0017】本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回
路を広い動作マージンで動作させるためには、例えば以
下のように回路定数を決定すればよい。
【0018】I01=I02=0.2mA R2=R2=R3=0.75Ω RL=8Ω IIN=0.3mA ここで、I01,I02はジョセフソン接合J1,J2の超伝
導臨界電流値、IINは、信号電流値である。
【0019】本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回
路の動作原理は、以下の如くである。すなわち、信号入
力端S1に0.3mAの信号電流を入力すると、駆動電
圧発生部1のジョセフソン接合J1とJ2とが順次に超伝
導状態から電圧状態にスイッチし、信号電流の大部分
は、被駆動線路3に注入される。被駆動線路3に流れた
信号電流は、駆動電圧発生部2のジョセフソン接合J1
とJ2とに分流して流れ込む。
【0020】このとき、被駆動線路3に流れる電流は、
0.3mA以下であり、駆動電圧発生部2のジョセフソ
ン接合J1とJ2にはそれぞれ0.15mA以下の電流し
か流れないため、駆動電圧発生部2のジョセフソン接合
1とJ2とは、電圧状態にスイッチしない。以上の動作
により被駆動線路3に時計回り方向に出力電流を発生さ
せることができる。
【0021】一方、信号入力端S2に0.3mAの信号
電流を入力すると、駆動電圧発生部2のジョセフソン接
合J1とJ2とが順次に超伝導状態から電圧状態にスイッ
チし、信号電流の大部分は被駆動線路3に注入される。
被駆動線路3に流れた信号電流は、駆動電圧発生部1の
ジョセフソン接合J1とJ2に分流して流れ込む。このと
き、被駆動線路3に流れる電流は、0.3mA以下であ
り、駆動電圧発生部1のジョセフソン接合J1とJ2
は、それぞれ0.15mA以下の電流しか流れないた
め、駆動電圧発生部1のジョセフソン接合J1とJ2は、
電圧状態にスイッチしない。以上の動作により被駆動線
路3に反時計回り方向に出力電流を発生させることがで
きる。
【0022】以上の動作から解るように、本実施例によ
るジョセフソン極性切換型駆動回路は、信号入力端S1
又はS2から電流が注入された場合には、入力電流の大
部分がまず、1個のジョセフソン接合J1に注入される
ため、駆動電圧発生部が電圧状態になり信号電流を被駆
動線路に注入し、一方被駆動線路を通して出力端O1
はO2から電流が注入された場合には、電流は2個のジ
ョセフソン接合J1,J2に分流して流れ、駆動電圧発生
部が超伝導状態を維持するように動作することで極性切
り換え動作を可能にしている。
【0023】従って、信号電流値は、以下のような範囲
に設定する必要があり、 I01<IIN<2I01 信号電流値の動作マージンは±33%である(ここで
は、ジョセフソン接合が電圧状態にスイッチしたときの
接合を通してのリーク電流値は小さいとして無視し
た)。
【0024】本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回
路は、2個の抵抗結合型ジョセフソンゲート回路のみで
形成されているので、第1に磁界結合型のジョセフソン
ゲート回路4個で構成される従来技術に比べて回路の面
積を大幅に減少させることができる。第2に入力信号電
流を従来の技術に比べて大幅に小さくすることができ
る。さらに、入力信号を供給するために、従来の技術の
ような大きなインダクタンスをもつ制御配線を必要とし
ないため、回路の高速動作が可能になる。
【0025】以上説明したように、本実施例により回路
の高速動作とレイアウト面積が小さくなり、高集積化が
可能なジョセフソン極性切換型駆動回路を実現すること
ができる。
【0026】(実施例2)図2は、本発明の実施例2を
説明するための等価回路図である。図2に示す実施例
は、2個の駆動電圧発生部1,2と、被駆動線路3と、
被駆動線路3に挿入された負荷抵抗RLとから構成され
る。第1,第2の駆動電圧発生部1,2は、2つのジョ
セフソン接合J1,J2と2つの抵抗R1,R2とから構成
される同一の回路構成を有している。回路定数が同じ素
子に対しては、同じ記号で示した。
【0027】本実施例においては、抵抗R1,R2を介し
て複数個の接続点が出力点O1(O2)に接続され、接続
点の2点間は、抵抗R1,R2によって接続された例であ
る。
【0028】本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回
路を広い動作マージンで動作させるためには、例えば以
下のような回路定数を決定すればよい。
【0029】I01=I02=0.2mA R1=R2=0.5Ω RL=8Ω IIN=0.3mA ここで、I01,I02はジョセフソン接合J1,J2の超伝
導臨界電流値、IINは信号電流値である。
【0030】本実施例の動作原理は、実施例1と同様で
ある。本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回路は、
実施例1に較べて駆動電圧発生部の抵抗を1個少なくす
ることができるため、回路の面積をさらに減少させるこ
とができるという効果がある。
【0031】(実施例3)図3は、本発明の実施例3を
説明するための等価回路図である。図3に示す実施例
は、2個の駆動電圧発生部1,2と、被駆動線路3と、
被駆動線路3に挿入された負荷抵抗RLとから構成され
る。第1,第2の駆動電圧発生部1,2は、3つのジョ
セフソン接合J1,J2,J3と5つの抵抗R1,R2
3,R4,R5とから構成され、図1に示す回路にさら
にジョセフソン接合J3と抵抗R4,R5を加えた構成で
ある。両駆動電圧発生部1,2は、同一の回路構成を有
している。回路定数が同じ素子に対しては同じ記号で示
した。
【0032】本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回
路を広い動作マージンで動作させるためには、例えば以
下のように回路定数を決定すればよい。
【0033】I01=I02=I03=0.2mA R1=R2=R3=2Ω R4=R5=0.5Ω RL=8Ω IIN=0.4mA ここで、I01,I02,I03はジョセフソン接合J1
2,J3の超伝導臨界電流値、IINは信号電流値であ
る。
【0034】本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回
路の動作原理は以下の如くである。信号入力端S1
0.4mAの信号電流を入力すると、駆動電圧発生部1
のジョセフソン接合J1とJ2とJ3が順次に超伝導状態
から電圧状態にスイッチし、信号電流の大部分は、被駆
動線路3に注入される。被駆動線路3に流れた信号電流
は、駆動電圧発生部2のジョセフソン接合J1とJ2とJ
3とに分流して流れ込む。
【0035】このとき、被駆動線路3に流れる電流は、
0.4mA以下であり、駆動電圧発生部2のジョセフソ
ン接合J1とJ2とJ3にはそれぞれ0.13mA以下の
電流しか流れないため、駆動電圧発生部2のジョセフソ
ン接合J1とJ2とJ3は、電圧状態にスイッチしない。
以上の動作により被駆動線路3に時計回り方向に出力電
流を発生させることができる。
【0036】一方、信号入力端S2に0.4mAの信号
電流を入力すると、駆動電圧発生部2のジョセフソン接
合J1とJ2とJ3が順次に超伝導状態から電圧状態にス
イッチし、信号電流の大部分は被駆動線路3に注入され
る。被駆動線路3に流れた信号電流は、駆動電圧発生部
1のジョセフソン接合J1とJ2とJ3に分流して流れ込
む。このとき、被駆動線路3に流れる電流は0.4mA
以下であり、駆動電圧発生部1のジョセフソン接合J1
とJ2とJ3にはそれぞれ0.13mA以下の電流しか流
れないため、駆動電圧発生部1のジョセフソン接合J1
とJ2とJ3は電圧状態にスイッチしない。以上の動作に
より被駆動線路に反時計回り方向に出力電流を発生させ
ることができる。
【0037】以上の動作から解るように、本実施例のジ
ョセフソン極性切換型駆動回路は、信号入力端S1又は
2から電流が注入された場合には、入力電流の大部分
がまず、1個のジョセフソン接合J1に注入されるた
め、駆動電圧発生部が電圧状態になり、信号電流を被駆
動線路に注入し、一方被駆動線路を通して出力端O1
はO2から電流が注入された場合には、電流は3個のジ
ョセフソン接合に分流して流れ、駆動電圧発生部が超伝
導状態を維持するように動作することで極性切り換え動
作を可能にしている。
【0038】従って、信号電流値は、以下のような範囲
に設定する必要があり、 I01<IIN<3I01 信号電流値の動作マージンは±50%である(ここで
は、ジョセフソン接合が電圧状態にスイッチしたときの
接合を通してのリーク電流値は小さいとして無視し
た)。
【0039】本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回
路は、実施例1で得られる効果に加えてさらに大きな信
号電流値の動作マージンが得られるという効果がある。
【0040】(実施例4)図4は、本発明の実施例4を
説明するための等価回路図である。図4に示す実施例
は、2個の駆動電圧発生部1,2と、被駆動線路3と、
被駆動線路3に挿入された負荷抵抗RLと、一端が接地
され、他端が被駆動線路3の一端に接続された抵抗RD
と、一端が接地され、他端が被駆動線路3の他端に接続
された抵抗RDとから構成される。第1,第2の駆動電
圧発生部1,2は、3つのジョセフソン接合J1,J2
3と5つの抵抗R1,R2,R3,R4,R5とから構成さ
れる同一の回路構成を有している。回路定数が同じ素子
に対しては同じ記号で示した。本実施例は実施例3に2
つの抵抗RDを付加した回路構成である。
【0041】動作原理は、実施例3の動作原理とほぼ同
様であるが、異なる点は、駆動電圧発生部が電圧状態に
スイッチすると、入力信号電流は、負荷抵抗RLと抵抗
Dの値に反比例して分流する点である。従って、抵抗
Dの値を適切に設定することで、入力信号電流値IIN
に対して、被駆動線路に注入する電流値IOUTをIIN
りも小さな範囲で任意に設定することができる。抵抗R
Dの値は、ジョセフソン接合が電圧状態にスイッチした
ときの接合を通してのリーク電流値は小さいとして無視
すると以下のように表すことができる。
【0042】RD=RL/(IIN/IOUT−1)
【0043】例えば、入力信号電流IINを0.4mAと
してIOUTを0.3mAにするためには、回路定数を以
下のように決定することができる。
【0044】RD=24Ω I01=I02=I03=0.2mA R1=R2=R3=2Ω R4=R5=0.5Ω RL=8Ω ここで、I01,I02,I03はジョセフソン接合J1
2,J3の超伝導臨界電流値である。
【0045】本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回
路は、実施例3で得られる効果に加えて、被駆動線路に
注入する電流値IOUTを入力信号電流IINよりも小さな
範囲で任意に設定することができるという効果がある。
【0046】(実施例5)図5は、本発明の実施例5を
説明するための等価回路図である。図5に示す実施例
は、2個の駆動電圧発生部1,2と、被駆動線路3と、
被駆動線路3に挿入された負荷抵抗RLと、2個の抵抗
結合型ジョセフソン論理ゲート(RCJL)Gb1,Gb2
と、2個の入力抵抗RINから構成される。駆動電圧発生
部1,2は、2つのジョセフソン接合J1,J2と3つの
抵抗R1,R2,R3とから構成される同一の回路構成を
有している。
【0047】2個の抵抗結合型ジョセフソン論理ゲート
b1,Gb2は、外部への3つの接続端(バイアス供給端
B,信号入力端S,出力端O)と、3つのジョセフソン
接合J1,J2,J3と4つの抵抗R1,R2,R3,R4
から構成される同一の回路構成を有している。回路定数
が同じ素子に対しては同じ記号で示した。本実施例は、
実施例1に、入出力分離機能を有する2個の抵抗結合型
ジョセフソン論理ゲートGb1,Gb2を付加した回路構成
である。
【0048】動作原理は、実施例1の動作原理とほぼ同
様であるが、異なる点は、抵抗結合型ジョセフソン論理
ゲートにより、入出力分離を行うことにより駆動電圧発
生部への入力信号電流値を任意の一定の値に設定するこ
とができる。従って、被駆動線路に注入する電流値I
OUTを任意に設定することができる。このことは、ジョ
セフソン極性切換型駆動回路への入力信号が変動する場
合には非常に効果的である。
【0049】例えば、入力信号が0.1mAから1mA
まで変動した場合においても、被駆動線路3に注入され
る出力電流値IOUTを一定(Ib=0.32mA)にする
ことができる。このため、例えば回路定数を以下のよう
に決定すればよい。
【0050】Ib=0.32mA I01=I02=I03=0.2mA I03=0.133mA R1=R2=R3=0.75Ω R4=1Ω RL=8Ω ここで、Ibは抵抗結合型ジョセフソン論理ゲートに供
給するバイアス電流値であり、I01,I02,I03はジョ
セフソン接合J1,J2,J3の超伝導臨界電流値であ
る。
【0051】本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回
路は、実施例1で得られる効果に加えて、入力信号との
入出力分離を行うことにより被駆動線路に注入する電流
値IOUTを任意に設定することができるという効果があ
る。
【0052】これにより、入力信号の値に関わらず、被
駆動線路に一定の出力電流を注入することが可能なジョ
セフソン極性切換型駆動回路を実現することができる。
本実施例のジョセフソン極性切換型駆動回路では、ジョ
セフソンゲート回路として抵抗結合型ジョセフソン論理
ゲート(RCJL)を用いたが、これ以外の電流注入型
ゲート又は磁界結合型ゲートを用いても同様な効果を得
ることができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、回
路の高速動作と信号電流値に対する広い動作マージンを
有し、回路の面積の減少により高集積化が可能な第1の
ジョセフソン極性切換型駆動回路を実現することができ
る。また、被駆動線路に注入する電流値IOUTを入力信
号電流IINよりも小さな範囲で任意に設定することが可
能であり、さらに入力信号の値に関わらず、被駆動線路
に一定の出力電流を注入することが可能なジョセフソン
極性切換型駆動回路を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるジョセフソン極性切換型駆動回路
の実施例1を説明するための等価回路図である。
【図2】本発明によるジョセフソン極性切換型駆動回路
の実施例2を説明するための等価回路図である。
【図3】本発明によるジョセフソン極性切換型駆動回路
の実施例3を説明するための等価回路図である。
【図4】本発明によるジョセフソン極性切換型駆動回路
の実施例4を説明するための等価回路図である。
【図5】本発明によるジョセフソン極性切換型駆動回路
の実施例5を説明するための等価回路図である。
【図6】従来の技術によるジョセフソン極性切換型駆動
回路を説明するための等価回路図である。
【符号の説明】
1 第1の駆動電圧発生部 2 第2の駆動電圧発生部 3 被駆動線路 B1,B2 バイアス入力端 O1,O2 出力端 S1〜S4 信号入力端 G1〜G4 磁界結合型ジョセフソンゲート回路 J1〜J3 ジョセフソン接合 R1〜R5,RL,RD 抵抗 Gb1,Gb2 抵抗結合型ジョセフソン論理ゲート(RC
JL)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2の駆動電圧発生部と、被
    駆動線路と、負荷抵抗とを有するジョセフソン極性切換
    型駆動回路であって、 第1および第2の駆動電圧発生部は、同一構成であり、
    それぞれ、複数個の接続点に、一端が基準点に接続され
    たジョセフソン接合が各々接続され、 前記複数個の接続点は、1個の抵抗を介して出力点に接
    続され、前記複数個の接続点を一列に配置したときの隣
    合う2点間が少なくとも1個以上の抵抗により接続さ
    れ、前記一列に配置した複数個の接続点の両端の何れか
    一方の接続点に入力点が接続されたものであり、 被駆動線路は、前記第1および第2の駆動電圧発生部の
    出力点間に接続されたものであり、 負荷抵抗は、少なくとも1個以上を前記被駆動線路内に
    挿入したものであることを特徴とするジョセフソン極性
    切換型駆動回路。
  2. 【請求項2】 請求項1のジョセフソン極性切換型駆動
    回路において、第1の抵抗と、第2の抵抗とを有し、 第1の抵抗は、一端が基準点に接続され、他端は、前記
    被駆動線路の一端に接続されたものであり、 第2の抵抗は、一端が基準点に接続され、他端は、前記
    被駆動線路の他端に接続されたものであることを特徴と
    するジョセフソン極性切換型駆動回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のジョセフソン極性切換
    型駆動回路において、 第1および第2のジョセフソンゲート回路と、第1およ
    び第2の入力抵抗を有し、 両ジョセフソンゲート回路は、バイアス供給点と信号入
    力点と出力点を有する同一の回格構成であって、前記駆
    動電圧発生部の入力点に一定電流を供給するものであ
    り、 第1のジョセフソンゲート回路の出力端は、第1の入力
    抵抗を介して前記第1の駆動電圧発生部の入力点に接続
    されたものであり、 第2のジョセフソンゲート回路の出力端は、第2の入力
    抵抗を介して前記第2の駆動電圧発生部の入力点に接続
    されたものであることを特徴とするジョセフソン極性切
    換型駆動回路。
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