JP2923065B2 - 画像形成装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、複写機，プリンター等
のフルカラー画像形成装置に関するものであり、特に転
写媒体に転写画像を転写するドラム状若しくは無端ベル
ト状の転写媒体保持部材を有する画像形成装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】今日、複写機，プリンター等の様々な画
像形成装置が開発され実用化されているが、その中で電
子写真方法を用いてカラー画像を形成する画像形成装置
が一般に用いられている。上記画像形成装置の一例につ
いて説明すると、画像情報に応じて分解色転写画像を形
成するためのドラム状感光体と、上記分解色転写画像を
転写媒体（一般に普通紙）に多重転写するため当該転写
媒体を保持するための転写ドラムとを有し、カセット等
の収納部から給送された普通紙を、レジストローラーを
用いて前記感光体に形成された分解色転写画像と同期取
りを行って転写ドラム上の所定位置に搬送して画像転写
を行い、しかる後に普通紙を転写ドラムから分離させて
定着部により画像を定着させるように構成されている。
上記装置においては、転写ドラムユニットは、紙詰まり
時の処理操作性を考慮して装置本体に対して着脱可能に
構成されている。また上記転写ドラム上の画像転写位置
より搬送方向下流側の所定位置には、搬送された普通紙
が感光体側に巻き付かないかを確認するためのセンサー
が設けられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記構成
にあっては、普通紙をレジストローラーから転写ドラム
上の転写位置まで搬送する搬送距離が長く、ほぼ前記転
写ドラムの周長の半分位の長さになっていた。このた
め、前記転写ドラムに対して普通紙を同期搬送するレジ
ストローラーから普通紙を検出するセンサーまでの距離
は、少なくとも転写ドラム周長とほぼ同等の長さを有し
ていた。従って、前記転写ドラムの周長の半分以下の長
さを有する普通紙を連続的に搬送する場合、前記レジス
トローラーからセンサーまでの間に少なくとも２枚以上
の普通紙が存在しており、前記センサーにより紙詰まり
（ジャム）が検出された場合には、普通紙の全搬送路を
確認して取り除く必要があった。特に転写位置にあるジ
ャムを生じた普通紙のみならず、前記レジストローラー
からセンサーまでの間に存在する普通紙を確認，除去す
る必要性があり、操作性を低下させており、またジャム
処理を忘れた普通紙が残存したまま画像形成を再開した
場合に、再びジャムが生じて感光体等を損傷するおそれ
があった。

【０００４】本発明の目的は従来の前記課題を解決し、
同期搬送手段から検出手段までの転写媒体の搬送距離を
適正化することにより操作性，安全性を高めた画像形成
装置を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明に係る代表的な手段は、画像情報に応じて周面
に転写画像を形成する感光体と、周面に複数の転写媒体
を保持して前記感光体より転写画像を転写するための転
写媒体保持部材と、前記感光体に形成された転写画像に
同期して画像転写位置に転写媒体を搬送するための同期
搬送手段と、前記画像転写位置より搬送方向下流側に設
けた転写媒体を検出するための検出手段とを有し、前記
同期搬送手段から検出手段までの転写媒体の搬送距離
が、転写媒体保持部材の周長を転写媒体の最大保持枚数
で除した値以下に設定されていることを特徴とする。

【０００６】

【作用】前記手段によれば、同期搬送手段から検出手段
までの転写媒体の搬送距離が、転写媒体保持部材の周長
を転写媒体の最大保持枚数で除した値以下に設定したの
で、ジャムが生じた場合に転写位置近傍で生じた転写媒
体のジャム処理のみを行えば足り、他の転写媒体の処理
を簡略化することができる。また他の転写媒体の処理が
不要であるので、ジャム処理時に周囲の部品を損傷する
おそれを減少させることができる。

【０００７】

【実施例】次に前記手段をフルカラー記録が可能な画像
形成装置に適用した場合の一実施例について説明する。
図１は画像形成装置の概略構成を示す断面説明図、図２
は転写ドラムの説明図、図３は従来の画像形成装置にお
ける記録シートの搬送経路の説明図、図４は本実施例の
画像形成装置におけるジャム発生時の説明図、図５は従
来の画像形成装置におけるジャム発生時の説明図であ
る。

【０００８】先ず画像形成装置の概略構成について図１
を参照して説明する。図１において、１は画像情報に応
じて周面に転写画像を形成する感光体である感光ドラム
である。上記感光ドラム１の周囲には、ドラム周面を帯
電させる一次帯電器２，露光光線３により形成された静
電潜像を顕画像化するための現像器４，画像転写後のド
ラム面に残留した現像剤（トナー）を回収するためのク
リーナー５が配設されている。上記感光ドラム１は時計
回り方向に回転駆動されると、一次帯電器２により帯電
させられ、次いで図示しない原稿面からの反射光等の画
像情報を含んだ露光光線３によって静電潜像が形成さ
れ、その静電潜像は現像器４によりフルカラー現像され
て顕画像化される。上記現像器４には、イエローＹ，マ
ゼンタＭ，シアンＣ，ブラックＫの各色を有するトナー
が内蔵されており、各色トナーによる組み合わせにより
フルカラー記録ができるように構成されている。

【０００９】また前記感光ドラム１の周面には、転写媒
体保持部材である転写ドラム６が接触している。上記転
写ドラム６の内部には、転写媒体である記録シート７を
前記感光ドラム１に形成された転写画像と逆極性に帯電
させるための転写帯電器６ａが設けられている。前記転
写ドラム６は、上記感光ドラム１と同一外径を有してお
り、周面に複数の記録シート７を保持して前記感光ドラ
ム１より転写画像を転写するものである。

【００１０】上記転写ドラム６よりシート搬送方向上流
側には、記録シート７を積載収納したカセット８が設け
られている。このカセット８に積載された記録シート７
は、最上位のものから給送ローラー９によりガイド部材
10ａ，10ｂに沿って同期搬送手段であるレジストローラ
ー11に搬送される。この時記録シート７の先端はレジス
トローラー11のニップ部に突き当たって斜行が補正され
る。上記レジストローラー11は、前記感光ドラム１に形
成された転写画像に同期して画像転写位置に記録シート
７を搬送する。

【００１１】また前記転写ドラム６よりシート搬送方向
下流側の画像転写位置近傍には、画像転写後の記録シー
ト７が転写ドラム６に沿って搬送されていることを検出
するためのシート検出センサー12が設けられている。ま
た上記シート検出センサー12より下流側には、転写ドラ
ム６より記録シート７を分離する分離爪13，搬送装置1
4，定着ガイド15，記録シート７の転写画像を定着させ
るための定着器16，画像定着後の記録シート７を排出す
るための排出ローラー17，排出後の記録シート７を積載
する排出トレイ18が順次設けられている。

【００１２】以上のように構成された画像形成装置の動
作を説明すると、カセット７より給送ローラー９により
給送された記録シート７は、レジストローラー８に導か
れて斜行が補正される。上記レジストローラー８は感光
ドラム１上に形成された転写画像と同期取りして記録シ
ート７を画像転写位置である上記感光ドラム１と転写ド
ラム６との接触部に搬送する。転写位置に搬送された記
録シート７は、各色画像を多重転写されて、分離爪13に
より転写ドラム６より分離されて定着器16に搬送され
る。上記定着器16は、粉体状のまま記録シート７に多重
転写したトナーを溶融混色して定着し、画像定着後の記
録シート７は排出ローラー17を介して排出トレイ18に排
出される。

【００１３】次に前記転写ドラム６の大きさについて図
２を参照して説明する。前記転写ドラム６は、その周面
に装置が使用可能な最大サイズの半分の大きさ（最大使
用サイズをＡ３とすると記録シート７の大きさはＡ４）
を有する記録シート７を２枚保持することができるよう
に構成されており、保持された記録シート７の先端間の
位相差は180 °となっている。即ち、前記転写ドラム６
の半周領域に１枚の記録シート１が保持されるように構
成されている。

【００１４】次に記録シート７の搬送経路について従来
例と比較しながら説明する。前記転写ドラム６の外径を
Ｄ，図１に示すレジストローラー８からシート検出セン
サー12までの記録シート７の搬送距離をＬ₁ とすると、
両者はＬ₁ ≦１／２πＤ（Ｌ₁ は転写ドラム６の半周長
以下）の関係が成り立つように設定されている。

【００１５】また図３は従来例の画像形成装置の記録シ
ート７の搬送経路の説明図である。本実施例と異なるの
は、レジストローラー８からシート検出センサー12まで
の距離Ｌ₂ がＬ₁ より長く、Ｌ₂ ＞１／２πＤ（Ｌ₂ は
転写ドラム６の半周長より長い）の関係が成り立つよう
に構成されている。また記録シート７の搬送に際して記
録シート７を転写ドラム６に押圧可能な吸着ローラー19
が設けられている点においても異なっている。

【００１６】次に本実施例と従来例との記録シート７の
ジャム処理動作の比較について図４及び図５を参照して
説明する。両図において７ａは先行する記録シート、７
ｂは後続の記録シートを示すものとし、７ａと７ｂの先
端間の距離は転写ドラム６の半周に等しいものとする。
図４において、本実施例ではシート検出センサー12によ
り記録シート７ａが検出されない場合（例えば記録シー
ト７ａの先端が感光ドラム１側に反り返った場合等）、
ジャムが生じたものとして画像形成動作を中止し、記録
シート７の搬送を停止する。この時前述のようにレジス
トローラー８からシート検出センサー12までの搬送距離
Ｌ₁ は、Ｌ₁ ≦１／２πＤであるので、記録シート７ａ
のみが転写ドラム６上にあり、記録シート７ｂは先端部
がレジストローラー８に挟持された状態にある。従っ
て、ジャム処理を行う場合は、先行する記録シート７ａ
のみを取り除くだけで足りる。そして、画像形成動作を
再開する場合には、通常の給送ローラー９の代わりにレ
ジストローラー８を適当なタイミングで作動させて、記
録シート７ｂを転写ドラム６上の転写位置に搬送すれば
良い。

【００１７】これに対して図５に示す従来例では、前述
のようにレジストローラー８からシート検出センサー12
までの距離Ｌ₂ がＬ₂ ＞１／２πＤであるので、先行す
る記録シート７ａにジャムが生じた時点で、後続の記録
シート７ｂも上記レジストローラー８とシート検出セン
サー12間の転写ドラム６上に介在している。従って、ジ
ャム処理を行う場合は、先行する記録シート７ａのみな
らず後続の記録シート７ｂまで取り除かなくてはならな
い。この場合、記録シート７ｂは転写ドラム６の下側に
位置するため取り出し難く、また無理に取り出すと転写
ドラム６の表面等を損傷するおそれがある。

【００１８】従って、本実施例の方が、ジャムを生じた
記録シート７ａのみを取り除けば良いのでジャム処理が
容易であり操作性が良く、またジャム処理時に周囲の部
品を損傷するおそれが少なく安全性を向上させることが
できる。

【００１９】次に上記実施例における転写ドラム６の他
の実施例について図６及び図７を参照して説明する。上
記実施例では、転写ドラム６の外径Ｄは、感光ドラム１
と等しく構成されていたが、本実施例は図６に示すよう
に、転写ドラム６′の外径Ｄ′をＤより大きくして、転
写ドラム６′周面に最大３枚の記録シート７を保持でき
るように構成されている。図７は転写ドラム６′の周面
に記録シート７を３枚保持した状態を示す。上記転写ド
ラム６′に保持された記録シート７の先端間の位相差は
120 °となっている。即ち、上記各記録シート７の先端
間の距離は、転写ドラム６′の周長の１／３となってい
る。またレジストローラー８からシート検出センサー12
までの距離をＬ₃ とすると、Ｌ₃ ≦１／３πＤ（Ｌ₃ は
転写ドラム６の１／３周長以下）となるように設定され
ている。上記構成によっても前記実施例と同様な効果を
得ることができる。尚、前記各実施例におけるレジスト
ローラーとセンサーとの距離は、転写ドラムの記録シー
トの最大保持枚数によって変更することが可能である。
また転写媒体保持部材としては、ドラム状のものを用い
たが、無端ベルト状のものを用いることも可能である。

【００２０】

【発明の効果】本発明は前述したように、同期搬送手段
から検出手段までの転写媒体の搬送距離が、転写媒体保
持部材の周長を転写媒体の最大保持枚数で除した値以下
に設定したので、ジャムが生じた場合に転写位置近傍で
生じた転写媒体のジャム処理のみを行えば足り、他の転
写媒体の処理を簡略化して操作性を向上させることがで
きる。また他の転写媒体の処理が不要であるので、ジャ
ム処理時に誤って周囲の部品を損傷するおそれを減少さ
せて、安全性を高めることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】画像形成装置の概略構成を示す断面説明図であ
る。

【図２】転写ドラムの説明図である。

【図３】従来の画像形成装置における記録シートの搬送
経路の説明図である。

【図４】本実施例の画像形成装置におけるジャム発生時
の説明図である。

【図５】従来の画像形成装置におけるジャム発生時の説
明図である。

【図６】画像形成装置の他例の説明図である。

【図７】転写ドラムの他例の説明図である。

【符号の説明】

、１は感光ドラム、２は一次帯電器、３は露光光線、４
は現像器、５はクリーナー、６，６′は転写ドラム、６
ａは転写帯電器、７，７ａ，７ｂは記録シート、８はカ
セット、９は給送ローラー、10ａ，10ｂはガイド部材、
11はレジストローラー、12はシート検出センサー、13は
分離爪、14は搬送装置、15は定着ガイド、16は定着器、
17は排出ローラー、18は排出トレイ、19は吸着ローラー
である。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】画像情報に応じて周面に転写画像を形成す
   る感光体と、周面に複数の転写媒体を保持して前記感光
   体より転写画像を転写するための転写媒体保持部材と、
   前記感光体に形成された転写画像に同期して画像転写位
   置に転写媒体を搬送するための同期搬送手段と、前記画
   像転写位置より搬送方向下流側に設けた転写媒体を検出
   するための検出手段とを有し、前記同期搬送手段から検
   出手段までの転写媒体の搬送距離が、転写媒体保持部材
   の周長を転写媒体の最大保持枚数で除した値以下に設定
   されていることを特徴とする画像形成装置。