JP2922825B2 - 太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池及びその製造方法

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JP2922825B2 JP7207251A JP20725195A JP2922825B2 JP 2922825 B2 JP2922825 B2 JP 2922825B2 JP 7207251 A JP7207251 A JP 7207251A JP 20725195 A JP20725195 A JP 20725195A JP 2922825 B2 JP2922825 B2 JP 2922825B2
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光佑 池田
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも3種の
半導体を積層した構成の太陽電池とその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近い将来、エネルギー供給が次第に困難
になることが予想され、太陽電池の高効率化、低コスト
化が大きな課題になってきた。なかでも、大面積化が容
易な薄膜系太陽電池は大幅な低コスト化が可能なので、
そのエネルギー変換効率の向上が強く望まれている。こ
の薄膜系太陽電池には、化合物半導体(II-VI族やI-III
-VI2族)薄膜を用いたものが広く開発されつつある。化
合物半導体薄膜を用いた太陽電池の構成は、例えばバン
ドギャップが広くて光を透過する窓層としてのn型Cd
S系半導体層と、バンドギャップが狭くて光吸収層とし
て機能するCdTe系またはCuInSe2系などのp型の半
導体層を積層したヘテロ接合が用いられる。もちろん、
窓層がp型半導体、光吸収層がn型半導体の組合せでも
良い。構成としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)
を設けたガラス基板上にn型CdS層を、次いでp型Cd
Te層を蒸着法で積層形成し、最後に金属電極を設けて
太陽電池とする。または、Mo薄層を設けたガラス基板
上にp型CuInSe2層を蒸着法で形成し、次いで化学析
出法によってn型CdS層を形成し、最後にZnOまたは
ZnO/ITO透明電極層を設けて太陽電池とする。これ
らの太陽電池で15%以上もの変換効率が得られるよう
になってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように変換効率が
著しく向上してきたのは半導体薄膜形成の技術面の進歩
によるところが大きい。ところで太陽電池の変換効率η
は、η=Voc(開放電圧)×Jsc(閉路電流)×FF(曲線
因子)の関係で表される。この中でJscはほとんど理論
的限界に近い値が得られるようになってきたが、Voc
よびそれを反映するFFは予想される値よりずっと小さ
い。このVocを大きくすることが変換効率向上のための
最大の鍵である。そもそもVocが生じるのは、光発生し
たキャリアである電子と正孔がpn接合層の内部電界に
従って分離し、外部電圧として発生することによる。し
かし、外部電圧が発生すると、これが内部電界を打ち消
して小さくするので、光発生した電子と正孔が分離し難
くなり、お互いに再結合して消滅してしまいVocに寄与
しなくなる。実際の太陽電池でこのVocが大きくなり難
いのは、半導体の膜中や特にpn接合界面に再結合を促
進する再結合中心が多数できてしまい、この再結合中心
を減らすことが困難であることによる。結局これらの再
結合中心があると光発生した電子・正孔の再結合を促進
し、それらの寿命を短くし、その結果Voc、FFがいま
一つ大きくならず変換効率の向上を妨げている。
【0004】本発明は、前記従来の問題を解決するた
め、キャリアーの再結合の盛んな半導体接合部で一方の
キャリアーを極端に少なくし、再結合を大幅に抑制して
開放電圧を増大させ変換効率が高い太陽電池及びその製
造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の第1番目の太陽電池は、電極層を設けた基
板または電極性を備えた金属基板上に、電子親和力がχ
1 、仕事関数がΦ1 、かつバンドギャップエネルギーが
g1であるn型の半導体1の光吸収層と、電子親和力が
χ2 、仕事関数がΦ2 、かつバンドギャップエネルギー
がEg2である半導体2の中間層と、その上に電子親和力
がχ3 で仕事関数がΦ3 、かつバンドギャップエネルギ
ーがEg3であるp型の半導体3の窓層と、透明導電層を
順次積層し、しかもχ1 >χ2 >χ3 、Φ1 <Φ2 <Φ
3 、かつ(χ1 +Eg1)〜(χ2 +Eg2)〜(χ3 +E
g3)であることを特徴とする。
【0006】次に本発明の第2番目の太陽電池は、透光
性基板上に、透明導電層、電子親和力がχ3 、仕事関数
がΦ3 、かつバンドギャップエネルギーがEg3であるp
型の半導体3の窓層と、電子親和力がχ2 、仕事関数が
Φ2 、かつバンドギャップエネルギーがEg2である半導
体2の中間層と、電子親和力がχ1 、仕事関数がΦ1
かつバンドギャップエネルギーがEg1であるn型の半導
体1の光吸収層と、電極層を順次積層し、しかもχ1
χ2 >χ3 、Φ1 <Φ2 <Φ3 、でかつ(χ1+Eg1
〜(χ2 +Eg2)〜(χ3 +Eg3)であることを特徴と
する。
【0007】前記第1〜2番目の太陽電池においては、
n型の半導体1が、CdSe及びCuInSe2 から選
ばれる少なくとも一つであることが好ましい。また前記
第1〜2番目の太陽電池においては、n型の半導体1
が、固溶体CuInSe2-CuGaSe2及びCuInS
2-CuInS2 から選ばれる少なくとも一つであるこ
とが好ましい。
【0008】また前記第1〜2番目の太陽電池において
は、半導体2が、CdSe及びCdTeから選ばれる少
なくとも一つであることが好ましい。また前記第1〜2
番目の太陽電池においては、半導体2が、固溶体CdS
e-ZnSe、CdSe-CdTe、CdTe-MgT
e、CdTe-MnTe、CuInSe2-CuGaSe2
及びCuInSe2-CuInS2から選ばれる少なくと
も一つであることが好ましい。
【0009】また前記第1〜2番目の太陽電池において
は、p型の半導体3が、ZnTeであることが好まし
い。また前記第1〜2番目の太陽電池においては、p型
の半導体3が、固溶体CdTe-MgTe、CdTe-M
nTe、ZnTe-MgTe、ZnTe-MnTe、Cu
InS2-CuGaS2 及びCuGaSe2-CuGaS2
から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
【0010】次に本発明の第1番目の太陽電池の製造方
法は、電極層を設けた基板または電極性を備えた金属基
板上に、電子親和力がχ1 、仕事関数がΦ1 、かつバン
ドギャップエネルギーがEg1であるn型の半導体1の光
吸収層を形成し、その上に電子親和力がχ2 、仕事関数
がΦ2 、かつバンドギャップエネルギーがEg2であり、
しかもχ2 <χ1 、Φ2 >Φ1 、かつ(χ2 +Eg2)〜
(χ1 +Eg1)である半導体2の中間層を形成し、その
上に電子親和力がχ3 、仕事関数がΦ3 、かつバンドギ
ャップエネルギーがEg3でありしかもχ3 <χ2 、Φ3
>Φ2 、かつ(χ3 +Eg3)〜(χ2 +Eg2)であるp
型の半導体3の窓層と、さらにその上に透明導電層を形
成することを特徴とする。
【0011】次に本発明の第2番目の太陽電池の製造方
法は、透明導電層を設けた透光性基板上に、電子親和力
がχ3 、仕事関数がΦ3 、かつバンドギャップエネルギ
ーがEg3であるp型の半導体3の窓層を形成し、その上
に電子親和力がχ2 、仕事関数がΦ2 、かつバンドギャ
ップエネルギーがEg2でありしかもχ2 >χ3 、Φ2
Φ3 、かつ(χ2 +Eg2)〜(χ3 +Eg3)である半導
体2の中間層、その上に電子親和力がχ1 、仕事関数が
Φ1 、かつバンドギャップエネルギーがEg1でありしか
もχ1 >χ2 、Φ1 <Φ2 、かつ(χ1 +Eg1)〜(χ
2 +Eg2)であるn型の半導体1の光吸収層と、さらに
その上に電極層を形成することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の太陽電池の構成は図1に
示す様に(1)電極層を設けた基板または電極性を備え
た金属基板上に、電子親和力がχ1 、仕事関数がΦ1
かつバンドギャップエネルギーがEg1であるn型の半導
体1の光吸収層、電子親和力がχ2 、仕事関数がΦ2
かつバンドギャップエネルギーがEg2である半導体2の
中間層、その上に電子親和力がχ3 、仕事関数がΦ3
かつバンドギャップエネルギーがEg3であるp型の半導
体3の窓層、透明導電層を順次積層した構成で成り、し
かもχ1>χ2>χ3、Φ1<Φ2<Φ3、かつ(χ1
g1)〜(χ2+Eg2)〜(χ 3+Eg3)であるか、また
は図2に示す様に(2)透光性基板上に、透明導電層、
電子親和力がχ3 、仕事関数がΦ3 、かつバンドギャッ
プエネルギーがEg3であるp型の半導体3の窓層、電子
親和力がχ2 、仕事関数がΦ2 、かつバンドギャップエ
ネルギーがEg2である半導体2の中間層、電子親和力が
χ1 、仕事関数がΦ1 、かつバンドギャップエネルギー
がEg1であるn型の半導体1の光吸収層、電極層を順次
積層した構成で成り、しかもχ1>χ2>χ3、Φ1<Φ2
<Φ3、かつ(χ1+Eg1)〜(χ2+Eg2)〜(χ3+E
g3)である。
【0013】図3にこれら太陽電池のエネルギーバンド
構造を示す。図中(χ1+Eg1)、(χ2+Eg2)、(χ
3+Eg3)はそれぞれほぼ同じエネルギー値でありそれ
らの間の差異〔(χ2+Eg2)−(χ1+Eg1)〕および
〔(χ3+Eg3)−(χ2+E g2)〕はそれぞれキャリア
のもつ運動エネルギーの値(約0.025eV)程度まで
に限られる。(Φ3−Φ1)は拡散電位を与える。(χ1
−χ2)は少なくともキャリアのもつ運動エネルギーの
値(前記)の2倍程度以上、できれば0.1eV以上ある
方が好ましい。
【0014】これら太陽電池の製造方法としては(3)
電極層を設けた基板、または電極性を備えた金属基板上
に、電子親和力がχ1で仕事関数がΦ1でかつバンドギャ
ップエネルギーがEg1であるn型の半導体1の光吸収層
を形成し、その上に電子親和力がχ2で仕事関数がΦ2
かつバンドギャップエネルギーがEg2でありしかもχ 2
<χ1、Φ2>Φ1でかつ(χ2+Eg2)〜(χ1+Eg1
である半導体2の中間層を形成し、その上に電子親和力
がχ3で仕事関数がΦ3でかつバンドギャップエネルギー
がEg3でありしかもχ3<χ2、Φ3>Φ2でかつ(χ3
g3)〜(χ2+E g2)であるp型の半導体3の窓層、
さらにその上に透明導電層を形成するか、あるいは
(4)透明導電層を設けた透光性基板上に、電子親和力
がχ3で仕事関数がΦ3でかつバンドギャップエネルギー
がEg3であるp型の半導体3の窓層を形成し、その上に
電子親和力がχ2で仕事関数がΦ2でかつバンドギャップ
エネルギーがEg2でありしかもχ2>χ3、Φ2<Φ3でか
つ(χ2+Eg2)〜(χ3+Eg3)である半導体2の中間
層、その上に電子親和力がχ1で仕事関数がΦ1でかつバ
ンドギャップエネルギーがEg1でありしかもχ1>χ2
Φ1<Φ2でかつ(χ1+Eg 1)〜(χ2+Eg2)であるn
型の半導体1の光吸収層を、さらにその上に電極層を形
成する2種類がある。
【0015】n型の半導体1としては化合物CdSeまた
はCuInSe2や固溶体CuInSe2-CuGaSe2またはCu
InSe2-CuInS2が光吸収能の点で好ましい。半導体
2としては化合物CdSeまたはCdTeや固溶体CdSe-
ZnSe、CdSe-CdTe,CdTe-MgTe、CdTe-MnT
e、CuInSe2-CuGaSe2またはCuInSe2-CuInS2
が好ましい。p型の半導体1としては化合物ZnTeや固
溶体CdTe-MgTe、CdTe-MnTe、ZnTe-MgTe、
ZnTe-MnTe、CuInS2-CuGaS2またはCuGaSe2
-CuGaS2などが光透過性の点で好ましい。半導体1、
2または3に関しては電子親和力、仕事関数およびバン
ドギャップエネルギーが必要な条件を満たせば前記した
化合物に限る訳ではない。
【0016】本発明の太陽電池の構成によれば、図3に
示すようなエネルギーバンド構造の3層で成る半導体ヘ
テロ接合が形成されている。これを図4に示すようなエ
ネルギーバンド構造の通常の2層で成る半導体ヘテロ接
合の場合とその機能を比較する。図4に示すように従来
の2層ヘテロ接合では、(D)で示す二種の半導体を接
合させ、(E)のようなnp接合ができている。これに
光を照射すると光吸収層で発生した電子と正孔が内部電
界に従って分離し、(F)で示すような光発生キャリア
の分離を生じる。ヘテロ界面には再結合中心Rが存在
し、これを介して電子と正孔が再結合し定常状態とな
る。この界面での再結合時、再結合の度合はこの部分で
の少ない方のキャリア濃度とその寿命τで決まる。通常
の2層ヘテロ接合では電子の濃度nと正孔の濃度pはほ
ぼ同じとなるので正孔の方で考えると再結合の度合はp
/τで表せる。
【0017】一方、図3で示すように本発明の3層ヘテ
ロ接合では、(A)で示す三種の半導体を接合させ、
(B)のような一種のnip接合ができている。これに
光を照射すると光吸収層で発生した電子と正孔が内部電
界に従って分離し(この場合は主として正孔のみ移
動)、(C)で示すような光発生キャリアの分離を生じ
る。この場合、再結合の起こる界面は左方に移動してお
り、図4の場合と違った再結合を示す。すなわち、光発
生した電子と正孔の分布が(C)の上方左寄りに示すよ
うに界面で電子の濃度は高いのに、正孔の濃度は図4の
場合よりずっと小さい。従って、再結合の度合p/τは
小さくなるのである。正孔の寿命τは電子濃度nの影響
を多少は受けるが、反比例する程ではない。再結合が減
るので光発生した電子と正孔の分離がより有効に起こ
り、開放電圧Vocの増大をもたらす。その結果、FFも
また増大し変換効率の大幅な向上が可能となるのであ
る。
【0018】中間層2の厚さは0.01〜1μm程度で
あることが好ましい。これはこの中間層が薄すぎると図
3で示した再結合中心Rのある界面での光発生キャリア
(この場合正孔)濃度の減少が充分でなく、逆に厚すぎ
るとn型の半導体1の光吸収層の内部にできる電界のか
かる部分(図3のバンドの図中で伝導帯の上に+の記号
で示している)の厚さが減少してJscの減少を伴うよう
になるからである。
【0019】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。 (実施例1)NiCr電極層を設けたガラス基板上に、2
μm厚のCuInSe2を主体とするn型半導体の光吸収層
を蒸着形成し、その上にCdSeとZn の同時蒸着により
CdSeとZnSeのモル比が8:2で、全体の厚さ0.2
μmのCdSe-ZnSe 固溶体膜Cd0.8Zn0.2Seで成る中
間層を形成し、さらにその上にCdTeとMgの同時蒸着
によりCdTeとMgTeのモル比が6:4で、全体の厚さ
0.2μmのCdTe-MgTe固溶体膜Cd0.6Mg0.4Teを主
体とするp型半導体の窓層を形成し、その上に透明電極
層ITO(インジウム−錫−酸化物合金)を形成した。
【0020】(比較例1)比較のため、中間のCd0.8
n0.2Se層を設けないで、他は実施例1と同様にした太
陽電池の特性についても調べた。
【0021】以上の実施例1と比較例1の太陽電池のA
M1(100 mW/cm2)の照射光に対する特性を表1に示
す。なお表1中、VOC(V)は開放電圧、JSC(mA/c
m2)は閉路電流、η(%)は変換効率、F.F.は曲線因
子、Aはダイオード因子を表す。
【0022】
【表1】
【0023】(実施例2)透明導電層ITOを設けたガ
ラス基板上に、ZnTeを主体とするp型半導体の窓層を
化学析出法により厚さ0.2μm形成し、この上に厚さ
0.5μmのCdSe膜を蒸着法で形成した。さらにその上
にCu、In、GaおよびSeの同時蒸着により2μm厚の
CuInSe2-CuGaSe2固溶体Cu(In0.7,Ga0.3)Se2
を主体とするn型半導体の光吸収層を蒸着形成し、その
上にNiCr/Au電極を形成した。
【0024】(比較例2)比較のため、中間のCdSe層
を設けない他は実施例2と同様にした太陽電池の特性に
ついても調べた。
【0025】以上の実施例2と比較例2の太陽電池のA
M1(100 mW/cm2)の照射光に対する特性を表2に示
す。なお表2中の記号は表1と同様である。
【0026】
【表2】
【0027】表1および表2に見られる様に、本発明の
構成で得られた太陽電池の特性は従来の構成で得られる
太陽電池の特性よりはるかに優れている。本発明の太陽
電池における開放電圧(Voc)の著しい向上は、pn両
層の間に中間層が存在し光発生した電子と正孔の再結合
を抑制するためである。Vocの増大は曲線因子FFも増
大させ、変換効率の大幅な向上をもたらす。ダイオード
因子Aの減少は接合部分(特に界面)での再結合が減少
していることを示すものである。
【0028】
【発明の効果】以上説明した通り、半導体1の光吸収層
/半導体2の中間層/半導体3の窓層の三層とすることに
より、キャリアーの再結合の盛んな半導体接合部で一方
のキャリアーを極端に少なくし、再結合を大幅に抑制し
て開放電圧を増大させることにより、変換効率が高い太
陽電池及びその製造方法を実現できる。また、本発明の
構成と製造方法により変換効率の非常に高い優れた太陽
電池を容易に得ることが可能となる。この太陽電池は薄
膜で形成されているので大幅なコストダウンもはかれ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の太陽電池の構成断面図
【図2】 本発明の別の実施例の太陽電池の構成断面図
【図3】 本発明の一実施例の太陽電池のエネルギーバ
ンド構成図
【図4】 従来の太陽電池のエネルギーバンド構成図
【符号の説明】
1 電極層を設けた基板または電極性を備えた金属基板 2 半導体1の光吸収層 3 半導体2の中間層 4 半導体3の窓層 5 透明導電層 6 透光性基板 7 透明導電層 8 半導体3の窓層 9 半導体2の中間層 10 半導体1の光吸収層 11 電極層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−21427(JP,A) 特開 平4−199882(JP,A) 特開 昭63−245963(JP,A) 特開 昭61−136276(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 31/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極層を設けた基板または電極性を備え
    た金属基板上に、電子親和力がχ1 、仕事関数がΦ1
    かつバンドギャップエネルギーがEg1であるn型の半導
    体1の光吸収層と、電子親和力がχ2 、仕事関数がΦ
    2 、かつバンドギャップエネルギーがEg2である半導体
    2の中間層と、その上に電子親和力がχ3で仕事関数が
    Φ3 、かつバンドギャップエネルギーがEg3であるp型
    の半導体3の窓層と、透明導電層を順次積層し、しかも
    χ1 >χ2 >χ3 、Φ1 <Φ2 <Φ 3 、かつ(χ1 +E
    g1)〜(χ2 +Eg2)〜(χ3 +Eg3)であることを特
    徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 透光性基板上に、透明導電層、電子親和
    力がχ3 で仕事関数がΦ3 、かつバンドギャップエネル
    ギーがEg3であるp型の半導体3の窓層と、電子親和力
    がχ2 、仕事関数がΦ2 、かつバンドギャップエネルギ
    ーがEg2である半導体2の中間層と、電子親和力が
    χ1 、仕事関数がΦ1 、かつバンドギャップエネルギー
    がEg1であるn型の半導体1の光吸収層と、電極層を順
    次積層し、しかもχ1 >χ2 >χ3 、Φ1 <Φ2
    Φ3 、かつ(χ1 +Eg1)〜(χ2 +Eg2)〜(χ3
    g3)であることを特徴とする太陽電池。
  3. 【請求項3】 n型の半導体1が、CdSe及びCuI
    nSe2 から選ばれる少なくとも一つである請求項1ま
    たは2に記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 n型の半導体1が、固溶体CuInSe
    2-CuGaSe2及びCuInSe2-CuInS2 から選
    ばれる少なくとも一つである請求項1または2に記載の
    太陽電池。
  5. 【請求項5】 半導体2が、CdSe及びCdTeから
    選ばれる少なくとも一つである請求項1〜4のいずれか
    に記載の太陽電池。
  6. 【請求項6】 半導体2が、固溶体CdSe-ZnS
    e、CdSe-CdTe、CdTe-MgTe、CdTe
    -MnTe、CuInSe2-CuGaSe2 及びCuI
    nSe2-CuInS2から選ばれる少なくとも一つであ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池。
  7. 【請求項7】 p型の半導体3が、ZnTeである請求
    項1〜6のいずれかに記載の太陽電池。
  8. 【請求項8】 p型の半導体3が、固溶体CdTe-M
    gTe、CdTe-MnTe、ZnTe-MgTe、Zn
    Te-MnTe、CuInS2-CuGaS2 及びCuG
    aSe2-CuGaS2から選ばれる少なくとも一つであ
    る請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池。
  9. 【請求項9】 電極層を設けた基板または電極性を備え
    た金属基板上に、電子親和力がχ1 、仕事関数がΦ1
    かつバンドギャップエネルギーがEg1であるn型の半導
    体1の光吸収層を形成し、その上に電子親和力がχ2
    仕事関数がΦ2、かつバンドギャップエネルギーがEg2
    であり、しかもχ2 <χ1 、Φ2 >Φ1、かつ(χ2
    g2)〜(χ1 +Eg1)である半導体2の中間層を形成
    し、その上に電子親和力がχ3 、仕事関数がΦ3 、かつ
    バンドギャップエネルギーがEg3でありしかもχ3 <χ
    2 、Φ3 >Φ2 、かつ(χ3 +Eg3)〜(χ2 +Eg2
    であるp型の半導体3の窓層と、さらにその上に透明導
    電層を形成することを特徴とする太陽電池の製造方法。
  10. 【請求項10】 透明導電層を設けた透光性基板上に、
    電子親和力がχ3 で仕事関数がΦ3 、かつバンドギャッ
    プエネルギーがEg3であるp型の半導体3の窓層を形成
    し、その上に電子親和力がχ2 、仕事関数がΦ2 、かつ
    バンドギャップエネルギーがEg2でありしかもχ2 >χ
    3 、Φ2 <Φ3 、かつ(χ2 +Eg2)〜(χ3 +Eg3
    である半導体2の中間層、その上に電子親和力がχ1
    仕事関数がΦ1 、かつバンドギャップエネルギーがEg1
    でありしかもχ1 >χ2 、Φ1 <Φ2 、かつ(χ1 +E
    g1)〜(χ2 +Eg2)であるn型の半導体1の光吸収層
    と、さらにその上に電極層を形成することを特徴とする
    太陽電池の製造方法。
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