JP2922085B2 - 輸送船用タンク - Google Patents

輸送船用タンク

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JP2922085B2
JP2922085B2 JP5090308A JP9030893A JP2922085B2 JP 2922085 B2 JP2922085 B2 JP 2922085B2 JP 5090308 A JP5090308 A JP 5090308A JP 9030893 A JP9030893 A JP 9030893A JP 2922085 B2 JP2922085 B2 JP 2922085B2
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玲一郎 安孫子
重昭 谷
綱徳 西本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばLNG輸送船に
搭載されるLNG用タンクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、LNG輸送船に搭載されるLNG
用メンブレンタンク方式では、原則として340mm間隔
(ピッチ)で縦横に走るコルゲートと呼ばれる皺が形成
されたステンレス鋼製のメンブレン材により構成されて
いた。
【0003】このように、コルゲート構造にされている
のは、LNGが極低温であるとともに、温度変化や船体
変形によるタンク自体に生じる伸縮を吸収するためであ
る。
【0004】そして、図9(a)〜(c)に示すよう
に、この種のタンク101においては、隣合うメンブレ
ン材102,103のコルゲート102a,103aは
その稜線上で連続されており、またこのコルゲート同士
の接続処理を容易に行うために、隣合うメンブレン材1
02,103同士の交差角θは135度(または90
度)にされるとともに、長さ方向の断面形状は同一形状
にされていた。なお、図9の(a)はタンクの平面図、
(b)は同正面図、(c)は同側面図である。
【0005】このような理由により、タンク101の幅
は全長に亘って均一なものとされ、したがって、図10
に示すように、例えば船体111の船首部の近傍に配置
されるNO.1タンク101Aの幅は、船首部の船体幅に合
わされ、狭くされていた。
【0006】しかし、NO.1タンク101Aの幅は、船首
部のかつ船首寄りの狭い幅に合わされるため、NO.1タン
ク101Aの船尾側付近の船体111内には、デッドス
ペースSが生じてしまい、非常に積載効率が悪くなって
しまうという欠点があった。
【0007】そして、このような欠点を解消するものと
して、図11および図12に示すように、タンク121
の平面視形状を台形にすることが提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したよう
に、タンクの平面視形状を単に台形にした場合、タンク
水平部121aの上下壁面におけるコルゲートとタンク
チャンファー部121bの傾斜壁面におけるコルゲート
とを接続処理する際に、一方のコルゲート、例えば傾斜
壁面におけるコルゲートの間隔を上下壁面におけるコル
ゲートに接続するために、その間隔を合わす必要が生じ
たり、また両壁面の交差する角度が135度(または9
0度)からわずかにずれるため、タンクの製作工程が増
加するとともに、タンクの外側に施工される防熱パネル
の種類が増え、コストアップにつながるという問題があ
る。
【0009】そこで、本発明は上記問題を解消し得る輸
送船用タンクを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の手段は、船体に搭載されるとともに
船首尾方向および船幅方向で縦横に所定間隔でもってコ
ルゲートが形成されたメンブレン材により構成されたタ
ンクであって、上方から見た平面視形状が矩形状の第1
タンク部と、この第1タンク部に延設される平面視形状
が矩形状の第2タンク部とから構成するとともに、これ
ら第1および第2タンク部の船幅方向での幅を互いに異
ならせた輸送船用タンクである。
【0011】また、上記課題を解決するため、本発明の
第2の手段は、上記第1の手段における第1および第2
タンク部の高さを互いに異ならせた輸送船用タンクであ
る。
【0012】
【作用】上記第1の手段の構成によると、船体の幅寸法
が変化する箇所に配置されるタンクを、その幅寸法にお
いて2段階に異なるような形状にしたので、船体内のス
ペースの有効利用を図り得るとともに、例えばタンクに
防熱構造を必要とする場合には、従来の矩形状のタンク
で使用し得る防熱パネルをそのまま使用することが可能
となる。
【0013】また、第2の手段の構成によると、第1の
手段に加えて、両タンク部の高さを異ならせるようにし
たので、高さ方向においてもスペースの有効利用を図る
ことができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1および図
2に基づき説明する。図1および図2において、1は例
えばLNG輸送船の船体11の形状変化位置、すなわち
船首部12に配置されるLNG用タンク(輸送船用タン
ク)で、原則として340mm間隔(ピッチ)でもって船
首尾方向および船幅方向で縦横に走る皺すなわちコルゲ
ート4が形成されたステンレス鋼製のメンブレン材5に
より構成されている。
【0015】そして、このタンク1の正面視形状は、八
角形状にされ、また船体上方から見た平面視形状におい
て、その幅が前後部において異なるようにされている。
すなわち、船体11の船首部12の形状に応じて、タン
ク1自体が、船尾側の幅の広い後方タンク部(第1タン
ク部)2と、この後方タンク部2の前端面から延設され
た船首側の幅の狭い前方タンク部(第2タンク部)3と
から構成されたものである。勿論、これら両タンク部
2,3の平面視形状がそれぞれ矩形状にされるとともに
横断面形状はそれぞれ八角形にされている。
【0016】このような二段形状のタンクにすることに
より、タンクを構成するメンブレン材4のコルゲート5
間隔は、従来と同様で良く、したがって従来の矩形状タ
ンクで使用し得る防熱パネルをそのまま使用することが
可能となり、コストアップを図ることなく、LNG用タ
ンクを船体の船首形状にほぼ沿うような形状にすること
ができるので、船体のデッドスペースの有効利用を図る
ことができる。
【0017】次に、本発明の第2の実施例を図3および
図4に基づき説明する。上記第1の実施例においては、
前方タンク部と後方タンク部との側面部の形状が同一と
なるように、前方タンク部の上下面における幅だけを狭
くしたが、本第2の実施例においては、図3および図4
に示すように、全長に亘って同一断面形状のタンク21
の前方タンク部23の両側部を所定厚み(δ)で以て切
り取った形状にしたものである。
【0018】すなわち、前方タンク部23と後方タンク
部22の上部の形状は、互いに同一形状とされるが、側
面部の形状は、その幅において、前方タンク部23の方
が後方タンク部22よりも狭くなるような形状にされて
いる。
【0019】この場合も、第1の実施例と同様の効果が
得られる。次に、本発明の第3の実施例を図5および図
6に基づき説明する。上記第2の実施例においては、全
長に亘って同一断面形状のタンクの前方タンク部の両側
部を所定厚み(δ)で以て切り取った形状としたが、本
第3の実施例においては、図5および図6に示すよう
に、第2の実施例と同様のタンク31において、前方タ
ンク部33の底部を所定高さ(h)で以て切り取った形
状にしたものである。
【0020】この場合は、第1の実施例と同様の効果、
すなわち船幅方向におけるデッドスペースの有効利用を
図ることができる他に、船首船底部が非常に細くなって
船首部内の空間部の高さが低くなっている場合にも、後
方タンク部32だけを高くすることができので、船体の
高さ方向においてもデッドスペースの有効利用を図るこ
とができる。
【0021】次に、本発明の第4の実施例を図7および
図8に基づき説明する。上記第2の実施例においては、
全長に亘って同一断面形状のタンク21の前方タンク部
23の両側部を所定厚み(δ)で以て切り取った形状と
したが、本第4の実施例においては、図7および図8に
示すように、第2の実施例と同様のタンク41におい
て、後方タンク部42よりも幅が狭くされた前方タンク
部43の前底部を、例えば水平面に対して45度の角度
で斜めに切り取った形状にしたものである。
【0022】この場合も、第3の実施例と同様の効果が
得られる。なお、図4、図6および図8において、
(a)はタンクの平面図、(b)は正面図、(c)は側
面図をそれぞれ示す。
【0023】ところで、上記各実施例においては、船首
部側に配置されるタンクの形状について説明したが、勿
論、船尾側に配置されるタンクの形状にも適用し得るも
のである。この場合には、タンクの後方タンク部の方が
前方タンク部よりも、幅または高さにおいて小さくされ
ることになる。
【0024】
【発明の効果】以上のように本発明の構成によると、タ
ンクの形状を、単に、一端側と他端側とでその幅が異な
るような二段形状にしたので、例えばタンクに防熱構造
を必要とする場合には、従来の矩形状のタンクで使用し
得る防熱パネルをそのまま使用することが可能となり、
したがってコストアップを図ることなく、タンクを船体
の船首形状または船尾形状にほぼ沿うような形状にする
ことができるので、船体の積載効率の向上を図ることが
できる。
【0025】また、タンクの幅寸法に加えて高さを互い
に異ならせることにより、船体の高さ方向においても、
スペースの有効利用を図ることができ、したがって船体
全体としての積載効率をさらに向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるタンクの外観斜
視図である。
【図2】同第1の実施例におけるタンクの船体への搭載
状態を示す平面図である。
【図3】本発明の第2の実施例におけるタンクの外観斜
視図である。
【図4】同第2の実施例におけるタンクの外観を示す図
である。
【図5】本発明の第3の実施例におけるタンクの外観斜
視図である。
【図6】同第3の実施例におけるタンクの外観を示す図
である。
【図7】本発明の第4の実施例におけるタンクの外観斜
視図である。
【図8】同第4の実施例におけるタンクの外観を示す図
である。
【図9】従来例におけるタンクの外観を示す図である。
【図10】従来例におけるタンクの船体への搭載状態を
示す要部平面図である。
【図11】従来例のタンクの改造例を船体に搭載した状
態を示す平面図である。
【図12】同改造例におけるタンクの正面図である。
【符号の説明】
1 タンク 2 後方タンク部 3 前方タンク部 4 コルゲート 5 メンブレン材 21 タンク 22 後方タンク部 23 前方タンク部 31 タンク 32 後方タンク部 33 前方タンク部 41 タンク 42 後方タンク部 43 前方タンク部
フロントページの続き (72)発明者 隅田 誠 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28 号 日立造船株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B65D 88/12 B63B 25/16 103

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】船体に搭載されるとともに船首尾方向およ
    び船幅方向で縦横に所定間隔でもってコルゲートが形成
    されたメンブレン材により構成されたタンクであって、
    上方から見た平面視形状が矩形状の第1タンク部と、
    の第1タンク部に延設される平面視形状が矩形状の第2
    タンク部とから構成するとともに、これら第1および第
    2タンク部の船幅方向での幅を互いに異ならせたことを
    特徴とする輸送船用タンク。
  2. 【請求項2】第1および第2タンク部の高さを互いに異
    ならせたことを特徴とする請求項1記載の輸送船用タン
    ク。
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FR2943616B1 (fr) * 2009-03-31 2012-07-20 Gaztransp Et Technigaz Cuve de pointe bi-oblique pour gnl.
KR101977212B1 (ko) * 2016-06-15 2019-05-13 현대중공업 주식회사 선박
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