JP2921607B2 - 不透水層膜の形成方法 - Google Patents

不透水層膜の形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は土壌中に不透水層膜を形
成させる方法の改良に関するものである。さらに詳しく
いえば、不透水層膜を形成させるために施したポリマー
水溶液が所要区域外に拡散して不透水層膜の形成に利用
されずに流出するのを防止し、効率的に土壌中に不透水
層膜を形成させるための改良方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、世界的な人口増加に伴う食糧不足
が、重大な社会問題として取り上げられている。この食
糧不足の解決策の1つとして、砂漠や乾燥地の農地化が
考えられているが、これには砂漠や乾燥地の土壌中に不
透水層を設けて、雨水の貯水を容易にしたり、あるいは
農作物に有害な塩類の滲出を遮断することが必要であ
る。
【0003】このような不透水層膜を設ける方法として
は、これまで所要の区域全体にわたって、所定の深さま
で掘り起し、プラスチックフイルムを敷きつめたり、ア
スファルトを流展したのち埋め戻す方法、セメント、水
ガラス、各種高分子形成剤のような固化性物質をノズル
を介して地中に注入し、止水層を形成させる方法などが
知られている。
【0004】しかしながら、プラスチックフイルムを敷
きつめたり、アスファルトを流展する方法は、掘り起し
や埋め戻しに、多大の労力と時間を要するため、広い土
地に適用するには不適当であるし、また、固化性物質を
注入する方法はそれぞれの地域に適合する液の調製や注
入条件の制御が必要な上に、効果的な止水層を形成する
には、できるだけ多くの注入点を設けなければならない
という作業上の問題もあり、いずれも実用可能な方法と
はいえない。
【0005】これらの方法の欠点を改良したものとし
て、土壌に対し、土壌中のイオンにより不溶化しうる水
溶性ポリマーの水溶液を所定地域内に施し、自然浸透さ
せて所要の深度の地層に不透水層膜を形成させる方法が
提案されている(特開昭59−202287号公報、特
開昭61−250085号公報)。しかしながら、この
方法では、所要の不透水層を形成するのに必要な量に達
するまで、ポリマー水溶液を連続的に供給しなければな
らない上に、所定地域の周辺部では供給されたポリマー
水溶液が地域外に拡散し、不透水層膜の形成が不完全に
なるのを免れない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来方法の欠点を克服し、簡単な作業で、しかも効果的
に土壌中に不透水層膜を形成させる方法を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、水溶性ポ
リマーの水溶液を施して土壌中のイオンの作用により地
中に不透水層膜を形成させるための実用可能な方法を開
発するために種々研究を重ねた結果、所要区域の周囲に
隆起部を設け、隆起部で囲まれた内側にポリマー水溶液
を湛水し、そのまま放置することにより、その目的を達
成しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を
なすに至った。
【0008】すなわち、本発明は、土壌に対し、その土
壌中のイオンにより不溶化しうるポリマーの水溶液を施
し、地中に不透水層膜を形成させる際に、所要区域の周
囲に隆起部を設け、この区域内の地表に前記ポリマー水
溶液を湛水し、自然浸透させることを特徴とする不透水
層膜の形成方法を提供するものである。
【0009】本発明方法においては、地中に不透水層膜
を形成させるために、土壌中のイオンにより不溶化しう
るポリマーの水溶液を用いるが、このようなポリマーと
しては、例えばポリアクリル酸又はそれと他の水溶性ポ
リマーとの混合物を挙げることができる。このポリアク
リル酸と混合して用いる他の水溶性ポリマーとしては、
例えばポリアクリル酸とポリアクリルアミドとの混合物
(重量混合比1:100ないし100:1)、アクリル
酸/アクリルアミド共重合体(モノマー比1:100な
いし100:1、ポリアクリル酸とポリビニルピロリド
ンとの混合物(重量混合比1:100ないし100:
1)、アクリル酸/N−ビニル−2−ピロリドン共重合
体(モノマー比1:100ないし100:1)、ポリア
クリル酸とポリアクリルアミドとポリビニルピロリドン
との混合物(重量混合比1:0.01〜100:0.0
1〜100)、アクリル酸/アクリルアミド/N−ビニ
ル−2−ピロリドン共重合体(モノマー比1:0.01
〜100:0.01〜100)、又はこれらのポリマー
とポリビニルアルコールとの混合物(重量混合比10:
100ないし100:1)などを挙げることができる。
これらのポリマーは、濃度0.01〜30重量%の水溶
液として用いられる。
【0010】本発明方法においては、このポリマー水溶
液を、好ましくは塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの酸、
又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの
アルカリを用いて所要の不透水層形成深度に対応するp
Hに調節し、地表に湛水するだけで、通常地表から0.
01〜1.5mの範囲内に制御された深さの不透水層膜
を形成することができる。
【0011】前記のポリマー水溶液は、土壌中の無機塩
を形成するナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシ
ウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン
などの陽イオンとイオン交換することにより不透水層膜
を形成すると考えられるが、この場合前記ポリマー水溶
液のpHを調節することによりイオン交換速度を任意に
変更し、それにより制御された不透水層膜を形成させる
ことができると推測される。
【0012】本発明方法においては、所要区域すなわち
地中に不透水層膜を形成させようとする区域の周囲に隆
起部を設けることが必要である。この隆起部は、この区
域内に湛水されるポリマー水溶液を所定時間支持しうる
ものであればよく、その材料は特に制限されないが入手
容易性、作業性の点で最も好ましいのは、所要区域の土
壌で形成された隆起条である。そのほか、プラスチッ
ク、セメント、金属などの板状体、ブロックなどを用い
ることもできる。
【0013】このような隆起部は必ずしも所要区域の周
囲を完全に囲んでいる必要はなく、ポリマー水溶液を湛
水したときに、これが所要の間保持される程度の不透水
性を有していればよい。この隆起部の高さは、湛水され
るべきポリマー水溶液の量により変わるが、通常は10
〜100cmの範囲内で選ばれる。
【0014】図1は、本発明方法により地中に不透水層
膜が形成される状態を説明するための断面図で、所要区
域1の周囲に隆起部2,2が設けられ、その間にポリマ
ー水溶液3が湛水されている(A)。このポリマー水溶
液は時間の経過とともに地中に浸透し、土壌中のイオン
の作用により不溶化して、地中の所定の深さの層に不透
水層膜4を形成する(B)。この際、周辺部において
も、隆起部2,2によりポリマー水溶液の区域外への拡
散が抑制される結果、効果的な不透水層膜の形成がなさ
れる。
【0015】本発明方法においては、このようにして形
成された不透水層膜の強度を高めるために、所望に応じ
前記ポリマー水溶液を施した土壌に対し、さらに無機物
質粒子の分散液を施すこともできる。この無機物質粒子
としては、例えば水酸化第二鉄や水酸化アルミニウムな
どが好適であり、また分散液の濃度は通常0.001〜
1重量%の範囲である。さらに、この分散液には、無機
物質粒子の凝集を遅延させる効果を有する物質、例えば
12アルコールエトキシ硫酸ナトリウム(p=3)など
を所望に応じ含有させてもよい。
【0016】さらに、本発明方法を施すに当り、被処理
土壌が適量以上の塩を含有している場合は、あらかじめ
散水などによって脱塩したのち、ポリマー水溶液の散布
を行えばよい。
【0017】
【発明の効果】本発明方法によれば、ポリマー水溶液を
単に所定区域内に湛水しておくだけで所望の不透水層を
形成しうるので、作業性が著しく向上する上に、ポリマ
ー水溶液の外部への拡散が抑制されるため、効率よく、
しかも完全な不透水層膜を得ることができる。
【0018】本発明方法は、例えば(1)土壌に対する
かんがい水量節減のための工事、(2)乾燥地や半乾燥
地又はそれに類する地域の土壌における塩害防止のため
の工事、(3)堰堤や貯水地などの漏水防止のための工
事、(4)その他、ポリマー水溶液を用いて地中に不透
水層膜を形成させる土壌処理方法全般、などに好適に利
用することができる。
【0019】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、本発明方法により、周辺部におけるポリ
マー水溶液の拡散が防止しうることを確認するための予
備実験の結果を参考例として示す。
【0020】参考例1 図2は、この例で用いた実験装置の斜視図である。底部
及び側部を多孔板5,6とした縦20mm、横1000
mm、深さ500mmの透明アクリル樹脂製の箱を用意
し、この多孔板部分に目開き500μm金網7を張った
のち、砂(粒径0.1〜1mm)を充てんし、幅300
mm、高さ50mmの隆起条2,2をもつ砂層を形成さ
せることにより、図2の装置を作製した。
【0021】他方、ポリアクリル酸(平均分子量11
0,000)とポリアクリルアミド(平均分子量70
0,000)とを重量比10:1で混合し、これを水に
溶かして濃度0.3重量%水溶液としたのち、20重量
%水酸化ナトリウム水溶液によりpH5.0に調節し
た。
【0022】図2の装置の隆起条にはさまれた凹部に、
上記のポリマー水溶液3800mlを湛水し、3.5時
間放置したところ、深さ160mmの場所に、不透水層
膜が形成されるのが観察された。この際、隆起条の部分
には側面から180mmの位置に不透水層膜が形成さ
れ、区域外への拡散が抑制されたことが分った。
【0023】参考例2 参考例1で用いた透明アクリル樹脂製の箱に、450m
mの高さまで砂を充てんし、砂の表面を平らにならした
のち、この上に縦20mm、横300mm、高さ50m
mのプラスチックブロックを300mmの間隔で配置
し、この間の凹部に参考例1と同じポリマー水溶液40
00mlを満たし、4時間放置した。この結果、砂の表
面から160mmの深さの位置に不透水層膜が形成した
のが認められた。また、ブロックの内側の壁面から19
0mmに相当する位置にも不透水層膜の形成が認めら
れ、ポリマー水溶液の区域外への拡散が抑制されている
ことが分った。
【0024】比較のため、プラスチックブロックを配置
せずに、ほぼ中央部から同じポリマー水溶液4000m
lを滴下し、不透水層膜の形成状態を観察したところ、
中央部200mmの位置には完全な膜が形成したが、周
辺部の膜の形成は不完全であった。
【0025】参考例3 参考例1で用いた透明アクリル樹脂製の箱に、450m
mの高さまで砂を充てんし、砂の表面を平らにならした
のち長さ80mm、幅20mm、厚さ3mmのプラスチ
ック板2枚を300mmの間隔で配置し、深さ50mm
の凹部を形成した。次いで、この凹部に参考例1と同じ
ポリマー水溶液4100mlを満たし、3.5時間放置
したところ、砂の表面から160mmの位置に不透水層
膜の形成が認められた。また、両プラスチック板から2
20mm外側の位置にも不透水層膜が形成され、ポリマ
ー水溶液の区域外拡散が阻止されていることが分った。
【0026】参考例4 図3は、この例で用いた実験装置の断面図である。直径
300mm、高さ300mmの底部及び側部を多孔板
5,6とした円筒の全面を目開き500μmの金網7で
覆い、その中に参考例1で用いたのと同じ砂を300m
mまで充てんした。次いで中心部に直径20mm、深さ
50mmの凹部1′を設け、かつ周囲に幅20mm、深
さ50mmの間隙部を設けることにより幅130mmの
環状の隆起条2を形成させた。このようにして作成した
図3の装置の中央の凹部に参考例1と同じポリマー水溶
液をpH4.5に調節したのち、10lを満たし、4時
間放置したところ、直径180mmの半球状の不透水層
膜の形成が認められた。
【0027】実施例1 一辺10mの正方形の砂場に、砂を盛り上げることによ
り幅20cm、高さ50cmの隆起条で囲んだ一辺8m
の正方形の区画を形成した。この区画内に参考例1で用
いたのと同じポリマー水溶液10klを満たし、24時
間放置した。このようにして砂の表面から25cmの位
置にほぼ区域全体にわたって層厚5mmの不透水層が形
成された。
【0028】実施例2 一辺10mの正方形の砂場に、砂を盛り上げて内径8
m、外径8.5m、高さ50cmの環状隆起条を形成さ
せ、この中に参考例1と同じポリマー水溶液8klを満
たし、24時間放置した。このようにして砂の表面から
30cmの位置にほぼ区域全体にわたって層厚5mmの
不透水層が形成された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明方法により不透水層が形成される状態
を示す断面図。
【図2】 参考例1〜3で用いた実験装置の斜視図。
【図3】 参考例4で用いた実験装置の断面図。
【符号の説明】
1 凹部 2 隆起部 3 不透水層膜 5,6 多孔板 7 金網

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土壌に対し、その土壌中のイオンにより
    不溶化しうるポリマーの水溶液を施し、地中に不透水層
    膜を形成させる際に、所要区域の周囲に隆起部を設け、
    この区域内の地表に前記ポリマー水溶液を湛水し、自然
    浸透させることを特徴とする不透水層膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 隆起部が土壌隆起条である請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 隆起部が不透水性材料のブロック又は板
    状体である請求項1記載の方法。
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