JPH08149922A - 農地改質方法 - Google Patents

農地改質方法

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JPH08149922A
JPH08149922A JP6293569A JP29356994A JPH08149922A JP H08149922 A JPH08149922 A JP H08149922A JP 6293569 A JP6293569 A JP 6293569A JP 29356994 A JP29356994 A JP 29356994A JP H08149922 A JPH08149922 A JP H08149922A
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JP
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soil
water
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depth
group iia
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JP6293569A
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English (en)
Inventor
Yutaka Yamato
裕 大和
Masanobu Nakamura
昌允 中村
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05GMIXTURES OF FERTILISERS COVERED INDIVIDUALLY BY DIFFERENT SUBCLASSES OF CLASS C05; MIXTURES OF ONE OR MORE FERTILISERS WITH MATERIALS NOT HAVING A SPECIFIC FERTILISING ACTIVITY, e.g. PESTICIDES, SOIL-CONDITIONERS, WETTING AGENTS; FERTILISERS CHARACTERISED BY THEIR FORM
    • C05G3/00Mixtures of one or more fertilisers with additives not having a specially fertilising activity
    • C05G3/80Soil conditioners

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Soil Sciences (AREA)
  • Pest Control & Pesticides (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Agricultural Machines (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 農地の表土を少なくとも深さ5cmまで耕起
するとともに、その前、それと同時又はその後に、周期
表IIa族金属を含む化合物をその濃度が土壌100g
当り少なくとも1ミリ当量になるまで施し、次いでこの
周期表IIa族金属を含む化合物で不溶化する水溶性ポ
リマーの水溶液を散布し、土層中の表面から深さ20〜
150cmの位置に難透水層を形成させ、農地を改質す
る。 【効果】 農地の透水係数を著しく低下しうるので、少
ない潅水量においても高い農作物収穫量をあげることが
できる上に、根腐れを防止しうるという利点がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農地改質方法に関する
ものである。さらに詳しくいえば、本発明は、水田、畑
などの農地において節水効果を高め、根腐れを起こしに
くくする難透水層を簡単な作業で効果的に土壌中に安定
して所要の深さに形成させる方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、世界的な人口増加に伴う食料不足
が重大な社会問題として取り上げられ、この食料不足の
解決策の一つとして砂漠や乾燥地の農地化が考えられ、
そのため土中に不透水層を設けて、雨水の貯水を容易に
したり、あるいは農作物に有害な塩類の滲出を遮断する
ことが提案されている。さらに水田、畑などの農地で
も、土壌中に不透水層を設けて節水栽培を可能にするな
ど水資源をより高度に利用することも提案されている。
【0003】このような不透水層を設ける方法として
は、これまで所要の区域全体にわたって、所定の深さま
で掘り起し、プラスチックフイルムを敷きつめたり、ア
スファルトを流展したのち埋め戻す方法、セメント、水
ガラス、各種高分子形成剤のような固化性物質をノズル
を介して地中に注入し、止水層を形成させる方法などが
知られている[「アグロナミ・ジャーナル(Agron
omy Journal)」第65巻,第2号,第19
1〜194ページ(1973年)、「タバコ・インター
ナショナル(Tobaco Internationa
l)第175巻,第13号,第67〜74ページ(19
73年)、特開平3−66819号公報など]。
【0004】しかしながら、プラスチックフイルムを敷
きつめたり、アスファルトを流展する方法は、掘り起し
や埋め戻しに、多大の労力と時間を要するため、広い土
地に適用するには不適当である。一方、固化性物質を注
入する方法はそれぞれの地域に適合する液の調製や注入
条件の制御が必要な上に、効果的な止水層を形成するに
は、できるだけ多くの注入点を設けることにより地中で
固化した物質を間隙なく連続させなければならないとい
う作業上の問題もあり、また、土中に埋設した膜や止水
層の上下の水移動が完全に遮断されるため、土層の排水
不良をひき起こし、植物の根ぐされが発生しやすいとい
う欠点がある。
【0005】このような欠点を改良するためには、例え
ばプラスチック膜やアスファルト膜に適度の面積の穴又
は切れ目を設ける方法が考えられる。この方法は穴やス
リットの面積が膜全体の面積に占める面積比を変えるこ
とにより、土層の透水性を調節することができるので、
過度の排水不良を発生しないという利点がある。しかし
ながら、この方法においては、膜の上、下の土層の水が
毛管力により膜の上下に移動するのが避けられないの
で、膜の上側の土層の保水性を向上させることが困難で
ある上に、膜の下側の土層の水が毛管力により膜の上側
の土層に移動することによって発生する塩害を防止する
ことができないという欠点がある。しかも、掘り起しと
埋め戻しを伴う膜の埋設に多大の労力を要するという欠
点は改良されない。
【0006】また別の改良法としては、礫や砂利などを
層状に土中に埋設する方法が知られている。礫や砂利の
層は透水性をもつため、排水不良をひき起こさないだけ
でなく、該層の粒子間孔隙が大きい故に毛管上昇高さが
低いことにより、該層の下側の土層の水が毛管力によっ
て地表側に移動するのを困難にしたり、あるいは該層の
上側の土層の水を上座毛管水と呼ばれる状態にすること
で、土層の保水力を向上させる効果がある。しかしなが
ら、この方法においては、大量の礫や砂利を必要とし、
かつ礫や砂利を層状に埋設する作業に多大な労力を必要
とするという欠点があった。
【0007】これらの方法の欠点を改良したものとし
て、土壌に対し、土壌中のイオンにより不溶化しうる水
溶性ポリマーの水溶液を所定地域内に施し、自然浸透さ
せて所要の深度の地層にポリマー難透水層を形成させる
方法が種々提案されている(特開昭59−202287
号公報、特開昭61−250085号公報、特公平2−
26662号公報、特公平5−27676号公報、特開
平4−220448号公報)。この方法は土を除去した
のち埋め戻すなどの煩雑な作業を要さず、ポリマー難透
水層を形成させた土壌の透水係数は1×10-4〜1×1
-6cm/secであって、節水効果とともに根腐れを
起こしにくいという効果が得られる。
【0008】しかしながら、この方法は、層形成深さが
深くなると同じポリマー水溶液を用いても試験の度にそ
のつど層形成深さが相違してくるとともに、ポリマー水
溶液のわずかなpHの違いで層形成深さが大きく変わる
ようになるために、所要の深さに層形成させるのが困難
であるという欠点を有している。しかも、この方法で
は、難透水層を形成させる塩やイオンが少ない土壌に対
して難透水層を形成させることについては何も提示され
ていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術が有する欠点を克服し、簡単な作業で効果的に
農地土壌中に難透水層を安定して所要の深さに形成させ
る方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、表土を所定深
さまで耕起して土のかさ密度を低くし、かつ周期表II
a族金属を含む化合物を施し、次いでこれにより不溶化
する水溶性ポリマーの水溶液を散布し、土層中の所定深
さの位置に難透水層を形成させることにより、その目的
を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明
を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、農地の表土を少なく
とも深さ5cmまで耕起するとともに、その前、それと
同時又はその後に、周期表IIa族金属を含む化合物を
その濃度が土壌100g当り少なくとも1ミリ当量にな
るまで施し、次いでこの周期表IIa族金属を含む化合
物で不溶化する水溶性ポリマーの水溶液を散布し、土層
中の表面から深さ20〜150cmの位置に難透水層を
形成させることを特徴とする農地改質方法を提供するも
のである。
【0012】本発明方法においては、先ず、農地の表土
を少なくとも深さ5cmまで、好ましくは少なくとも1
0cmまで耕起し、平均粒径0.01〜10cmの土塊
に粉砕することが必要であり、表土がその下の土層より
も少なくとも0.02g‐乾燥土/cm3低いかさ密度
になるように耕起するのがよい。こうして、農地土壌を
地表側の方が地中側より所定の数値だけ低いかさ密度を
もつ2層から成る成層土層にすることができる。この耕
起を行わない場合には、後続の水溶性ポリマー水溶液の
散布により形成される難透水層の深さの調整が困難で、
例えば水溶液ポリマー水溶液のpH値のわずかな差異に
よっても大巾に変動する。
【0013】また、このような耕起の前、それと同時又
はその後に、周期表IIa族金属を含む化合物を施すこ
とが必要である。この化合物を構成する周期表IIa族
金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウム及びバリウムの中から選ばれた少なくとも1種が好
ましく、中でも、水に対する溶解度が5重量%以下、好
ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下の
化合物が特に好ましく、このようなものとしては、例え
ば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム
を挙げることができる。この溶解度が5重量%を超える
と、20cm以上の深さに難透水層を形成させることが
困難になる。これは、土中に浸透するポリマー水溶液に
溶解する金属化合物の量が多くなり、これにより不溶化
したポリマーが所望の深度に達する前に沈殿することに
よる。この塩の施し方については特に制限はなく、粉末
又は水分散液で散布するのが好ましいが、水溶液として
施すこともできる。この化合物の使用量については、農
地の土壌組成、形態等により左右されるが、通常表土1
00g当り少なくとも1ミリ当量、好ましくは表土10
0g当り少なくとも2ミリ当量の割合にすることが必要
である。一般に、農地土壌中のこの化合物の含有量が1
ミリ当量未満では所期の難透水層が形成されない。
【0014】図1は、本発明方法により改質された農地
の断面構造を示す説明図で、耕起して粉砕された表土1
の下に耕起されない土層2が存在し、その表土1と土層
2の境界部分又は土層中に難透水層3が形成されてい
る。
【0015】本発明方法においては、次いで、前記第I
Ia族金属を含む化合物で不溶化する水溶性ポリマーの
水溶液を散布することが必要である。この水溶性ポリマ
ーとしては、アクリル酸又はメタクリル酸の重合体若し
くは共重合体あるいはそれらを主体とする重合体混合物
が好ましく、このようなものとしては、例えばポリアク
リル酸及びポリメタクリル酸の一方又は両方〔以下ポリ
(メタ)アクリル酸という〕、アクリル酸とメタクリル
酸の共重合体、アクリル酸及びメタクリル酸の一方又は
両方〔以下(メタ)アクリル酸という〕とコモノマーの
コポリマーであって、かつ(メタ)アクリル酸に対する
該コモノマーの重量比が1以下のもの、ポリ(メタ)ア
クリル酸と他の水溶性ポリマー(前記コポリマーを含
む)との混合物であって、かつポリ(メタ)アクリル酸
に対する他の水溶性ポリマーの重量比が1以下のものな
どを挙げることができ、好ましくは30,000以上の
重量平均分子量を有するものがよい。
【0016】前記コモノマーとしては、例えばアクリル
アミド、フマル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、又はこれらの
混合物などを挙げることができる。また、前記した他の
水溶性ポリマーとしては、例えばポリアクリルアミド、
ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリフ
マル酸、(メタ)アクリル酸/アクリルアミド共重合
体、(メタ)アクリル酸/N‐ビニル‐2‐ピロリドン
共重合体、(メタ)アクリル酸/アクリルアミド/N‐
ビニル‐2‐ピロリドン共重合体、又はこれらの混合物
などを挙げることができる。
【0017】本発明方法に用いる特に好適な水溶性ポリ
マーは、ポリアクリル酸とポリアクリルアミドとの混合
物(重量混合比1:1ないし100:1)、アクリル酸
/アクリルアミド共重合体(モノマー比1:1ないし1
00:1)、ポリアクリル酸とポリビニルピロリドンと
の混合物(重量混合比1:1ないし100:1)、アク
リル酸/N‐ビニル‐2‐ピロリドン共重合体(モノマ
ー比1:1ないし100:1)、ポリアクリル酸とポリ
アクリルアミドとポリビニルピロリドンとの混合物(重
量混合比1:0.01〜0.5:0.01〜0.5)、
アクリル酸/アクリルアミド/N‐ビニル‐2‐ピロリ
ドン共重合体(モノマー比1:0.01〜0.5:0.
01〜0.5)、又はこれらのポリマーとポリビニルア
ルコールとの混合物であって、すなわち、ポリ(メタ)
アクリル酸又は(メタ)アクリル酸に対する他の水溶性
ポリマーの重量比が1以下のものであり、中でも特にポ
リアクリル酸とポリアクリルアミドの混合物であって、
平均分子量が前者で30,000〜5,000,00
0、好ましくは70,000〜1,400,000、後
者で30,000〜5,000,000、好ましくは2
00,000〜3,000,000、かつ前者と後者の
重量比が1:1ないし100:1、好ましくは2:1な
いし20:1の範囲のものである。本発明方法に用いる
水溶性ポリマーの水溶液は、濃度を0.01〜30重量
%として用いられる。
【0018】本発明方法においては、このポリマー水溶
液を、そのままで、あるいは塩酸、硝酸、硫酸、リン酸
などの酸、又は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウムなどのアルカリを用いてpH調整を行ったのち、散
布する。
【0019】このようにして、土層中の表面から深さ2
0〜150cm、好ましくは20〜100cmの位置に
難透水層を形成させることができる。この深さが20c
mより浅いと難透水層に遮られて農作物の生育障害が懸
念されるが、20cm以上深いと農作物の根が良好に生
育する。また、耕耘機で表土を耕起するときの作業深さ
は通常15〜20cm程度であるのでこの作業で難透水
層が破壊されることもない。本発明においては、この耕
起の深さを変えることにより、形成する難透水層を任意
の深さに制御することができる。
【0020】前記ポリマー水溶液は、施された第IIa
族金属を含む化合物からの金属イオンとイオン交換する
ことにより難透水層を形成すると推測され、また前記ポ
リマー水溶液のpHを調節するとイオン交換速度が任意
に変更可能となり、それにより必ずしも十分ではない
が、ある程度制御された深さに難透水層が形成される。
【0021】
【発明の効果】本発明方法によれば、農地土壌中に簡単
な作業で難透水層を安定して所要の深さに形成すること
ができる。本発明方法により難透水層の形成された農地
土壌は、1×10-4〜1×10-6cm/secの透水係
数を有し、透水係数が2×10-2の難透水層を施工して
いない対照土壌と同等の農作物収獲量を、潅水量を対照
土壌への潅水量の1/2〜1/10と節減した栽培でも
達成することができ、節水になるとともに、難透水層が
完全に不透水性ではないため根腐れを起こしにくいとい
う効果を奏する。また、この難透水層の地表側に地下潅
漑方式の潅漑水供給設備を埋設して、難透水層と併用す
ることにより地下潅漑された水が流下して失われるのを
防止することができ、潅漑水の作物への利用効率を高め
ることもできる。
【0022】
【実施例】次に、実施例によって本発明をさらに詳細に
説明する。
【0023】参考例1 土壌100g当り20ミリ当量のカルシウムイオンを含
有する土壌(粒径1mm以下、含水率6%)を内径10
0mm、長さ1,000mmの透明アクリル管の下端を
目開き500μmの網で覆った容器に充填し、上から押
し固めてかさ密度1.48g/cm3、厚さ900mm
の土層サンプル10個を作成した。次に、ポリアクリル
酸(重量平均分子量110,000)とポリアクリルア
ミド(重量平均分子量700,000)とを重量比1
0:1の割合で混合し、これを水に溶かして、濃度0.
3重量%の水溶液としたのち、20重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液により、それぞれpH6.8及びpH6.9
に調節した水溶性ポリマー水溶液を調製した。前記の土
層サンプルを5本ずつのグループA、Bに分け、それぞ
れのグループにpHの異なる水溶性ポリマー水溶液を1
00ml/分の割合で散布し、かつ浸透量以上の過剰量
をオーバーフローさせて回収、循環させるようにして浸
透させて、難透水層を形成させ、各サンプルについてそ
の表面からの深さを測定した。この結果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】この表から明らかなように、耕起をせずに
農地にそのまま水溶性ポリマー水溶液を散布した場合
は、難透水層が生成する深さにバラツキがある上に、わ
ずかなpH値の相違によっても大きく異なり、深さの制
御が困難である。
【0026】参考例2 土壌100g当り0.8ミリ当量のカルシウムイオンを
含有する土壌(粒径1mm以下、含水率4%)を参考例
1と同じ容器に充填し、押し固めてかさ密度1.50g
/cm3、厚さ900mmの土層サンプル4個を作成し
た。次に参考例1と同様にして調製した濃度0.3重量
%の水溶性ポリマー水溶液を、20重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液により、それぞれpH4.4、pH5.0、
pH6.8及びpH6.9に調節した4種のポリマー水
溶液を前記のサンプルに、100ml/分の割合で、か
つ浸透量以上の過剰量をオーバーフローさせて回収、循
環するようにして浸透させて20リットルまで散布した
が、いずれも難透水層は形成されなかった。このことよ
り、土壌中の周期表IIa族金属化合物の濃度が土壌1
00g当り、1ミリ当量未満であると難透水層が形成さ
れないことが分る。
【0027】実施例1 参考例1と同じ土層サンプル15本を作成し、それらを
5本ずつ3つのグループC,D,Eに分け、各グループ
ごとに、表面から20cm、40cm及び60cmの深
さまで耕起し、この部分のかさ密度を1.40g/cm
3とした。次に、参考例2のpH5.0に調節した水溶
性ポリマー水溶液を過剰量を循環させながら100ml
/分の割合で50時間散布したところ、いずれも耕起さ
れない土壌中に難透水層が形成された。各モデルについ
てのこの難透水層の表面からの深さを測定し、その結果
を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】この表から明らかなように、表土を耕起し
てかさ密度を小さくすることにより形成される難透水層
の深さのバラツキを少なくすることができ、安定した難
透水層を形成させることができる。
【0030】実施例2 参考例2で用いたものと同じ農地土壌モデルを15本作
成しこれらを5本ずつ3つのグループF,G,Hに分
け、それぞれのグループを表面から20cm、40cm
及び60cmの深さまで耕起して、かさ密度1.40g
/cm3とした。次いで、この耕起した部分にかさ比重
が変らないように炭酸カルシウム粉末を添加して、その
含有量を土壌100g当り10ミリ当量に調整した。
【0031】このようにして、作成した農地土壌に、実
施例1で用いたものと同じ水溶性ポリマー水溶液を過剰
量を循環させながら100ml/分の割合で50時間散
布し、難透水層を形成させた。その難透水層の表面から
の深さを測定し、その結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】この表から明らかなように、耕起した土壌
に対し、周期表IIa族金属の化合物を散布することに
より難透水層を所望の深さで形成させることができる。
【0034】実施例3 実施例2と同じ土壌サンプル15本を用意し、それぞれ
5本ずつ3つのグループI,J,Kに分け、それぞれの
グループを表面から20cm、40cm及び60cmの
深さまで耕起して、かさ密度1.40g/cm3とし
た。次いで、これらのサンプルそれぞれに20重量%濃
度の炭酸カルシウム水分散液を散布し、耕起した部分の
カルシウム含有量を、土壌100g当り10ミリ当量に
調整した。この各土壌サンプルに対し、実施例2と同様
にして水溶性ポリマー水溶液を散布し、難透水層を形成
させ、その表面からの深さを測定した。その結果を表4
に示す。
【0035】
【表4】
【0036】このように、周期表IIa族金属化合物は
液状で散布しても、良好な結果が得られる。
【0037】実施例4 内径100mm、長さ1,100mmの透明アクリル管
の下端を目開き500μmの網で覆った円筒状容器に、
カルシウム含有量土壌100g当り0.7ミリ当量を含
有する土壌(粒径1mm以下、含水率20%)を充填
し、押し固めてかさ密度1.09g/cm3、厚さ90
0mmの土層サンプルを形成させた。
【0038】次に、これらのサンプル15本を用意し、
3つのグループL,M,Nに分け、あらかじめ20重量
%炭酸カルシウム水分散液を所定量散布して表面付近に
浸透させて、カルシウム含有量を土壌100g当り10
ミリ当量としたのち、各グループごとに深さ20cm、
40cm及び60cmまで耕起した。
【0039】このようにして得た土層サンプルに、実施
例1で用いたものと同じ水溶性ポリマー水溶液を実施例
1と同様にして散布して難透水層を形成させた。この難
透水層の表面からの深さを測定し、その結果を表5に示
す。なお、比較のために、炭酸カルシウム水分散液を散
布せずに水溶性ポリマー水溶液を散布したところ、全く
難透水層の形成は認められなかった。
【0040】
【表5】
【0041】実施例5 底面に排水穴を有し、上面が開放されている縦1,00
0mm、横2,500mm、深さ1,000mmの槽の
内側底面に、目開き500μの網を敷き詰めた容器を用
意し、その中に、土壌100g当りカルシウム20ミリ
当量になるように調製された農地土壌2165kgを充
填高さ550mm、かさ密度1.48g/cm3で充填
し、その上に同じ土壌1378kgを、かさ密度1.4
0g/cm3、充填高さ370mmで充填して成層土を
調製した。この処理により深さ370mmまで耕起した
場合と同じ性質の充填土壌が得られた。この成層土の上
から実施例1で用いたものと同じポリマー水溶液を散
布、浸透させたところ、4日後に成層土の透水速度が3
×10-5cm/secになった。その後、地表側から慎
重に土壌を取り除いていったところ、地表側から深さ3
7cmに水平な難透水層の上面を目視確認した。
【0042】次いで元の状態に埋め戻した容器を透明な
ビニルシートで覆い、1か月間放置したのち、5日間に
3mmの潅水条件で大麦の栽培試験を行った。同時に、
難透水層を形成させる前の状態の充填槽を別に用意し、
水1000kg(潅水量400mmに相当)を潅水し、
透明なビニルシートで覆い、1か月間放置したのち、5
日間に3mm及び30mmの各潅水条件で大麦の栽培試
験を行った。その結果、難透水層を形成しない栽培区の
穀実収獲量が潅水量3mm区で1アール当たり140k
g、潅水量30mm区で1アール当たり300kgであ
ったのに対して、難透水層を形成した栽培区の穀実収獲
量は潅水量が3mmであったにもかかわらず、1アール
当たり280kgと難透水層を形成させない対照区のう
ちの潅水量30mm区とほぼ同等であった。
【0043】これより、本発明方法で成層土に難透水層
を形成させると、大幅な節水が図れるとともに、良好な
栽培結果が得られ、ビニルシート等を土壌中に埋設する
方法で問題となる根腐れ等による生育障害もないことが
分った。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明により改質された農地の断面構造
【符号の説明】
1 耕起された表土 2 耕起されない土層 3 難透水層 4 岩盤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 17/42 H 17/48 H // C09K 101:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 農地の表土を少なくとも深さ5cmまで
    耕起するとともに、その前、それと同時又はその後に、
    周期表IIa族金属を含む化合物をその濃度が土壌10
    0g当り少なくとも1ミリ当量になるまで施し、次いで
    この周期表IIa族金属を含む化合物で不溶化する水溶
    性ポリマーの水溶液を散布し、土層中の表面から深さ2
    0〜150cmの位置に難透水層を形成させることを特
    徴とする農地改質方法。
  2. 【請求項2】 表土がその下の耕起しない土層よりも少
    なくとも0.02g‐乾燥土/cm3低いかさ密度にな
    るように耕起する請求項1記載の農地改質方法。
  3. 【請求項3】 周期表IIa族金属が、マグネシウム、
    カルシウム、ストロンチウム及びバリウムの中から選ば
    れた少なくとも1種である請求項1又は2記載の農地改
    質方法。
  4. 【請求項4】 周期表IIa族金属を含む化合物を粉
    体、水分散液又は水溶液として施す請求項1、2又は3
    記載の農地改質方法。
  5. 【請求項5】 周期表IIa族金属を含む化合物を表土
    100g当り少なくとも1ミリ当量の割合で施す請求項
    1、2、3又は4記載の農地改質方法。
  6. 【請求項6】 周期表IIa族金属を含む化合物で不溶
    化する水溶性ポリマーが、アクリル酸又はメタクリル酸
    の重合体若しくは共重合体あるいはそれらを主体とする
    重合体混合物である請求項1ないし5のいずれかに記載
    の農地改質方法。
  7. 【請求項7】 周期表IIa族金属を含む化合物で不溶
    化する水溶性ポリマーが重量平均分子量30,000以
    上のものである請求項6記載の農地改質方法。
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