JP2921590B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

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JP2921590B2 JP16963390A JP16963390A JP2921590B2 JP 2921590 B2 JP2921590 B2 JP 2921590B2 JP 16963390 A JP16963390 A JP 16963390A JP 16963390 A JP16963390 A JP 16963390A JP 2921590 B2 JP2921590 B2 JP 2921590B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、書き換えが可能な光磁気記録媒体に関する
ものである。
〔従来の技術〕
光磁気記録媒体は垂直磁気記録と磁気光学効果(カー
効果等)を利用するもので、従来の光記録媒体と同様に
レーザー光を用いて情報の記録、再生を行うため記録容
量が大きく、その上書き換えが可能である。さらにヘッ
ドと媒体が非接触で記録再生を行うことができ、塵埃の
影響を受けないため安定性にも優れている。この光磁気
記録媒体は、現在盛んに研究されており、文書情報ファ
イル、ビデオ・静止画ファイル、コンピュータ用メモリ
等への利用あるいはフロッピーディスク、ハードディス
クの代替が期待され、一部では商品化の段階に至ってい
る。
光磁気記録媒体の層構成としては、基板上に第1の保
護層(中間層)を介して磁性層(記録層)を設けその上
に第2の保護層を設けた構成が一般的である。磁性層と
しては、遷移金属(Fe,Co)と重希土類金属(Gd,Dy,Tb
等)とを組合せた種々の非晶質(アモルファス)磁性合
金膜が提案されている。第1の保護層は磁性層の酸化に
よる磁気特性劣化の防止と、光の多重反射を利用したカ
ー効果の増大による再生特性の向上等を目的として設け
られる。この第1の保護層には、SiN、AlN等の窒化物、
SiO2、SiO等の酸化物、その他ZnS等の誘電体が用いられ
ている。また第2の保護層は磁性層の損傷防止、磁性層
の酸化による磁気特性の劣化防止等を目的として設けら
れるもので、第1の保護層と同様の材料が用いられてい
る。
また、光磁気記録媒体は上記のように磁気光学効果と
して主にカー効果を利用して信号の読み出しを行うもの
であるが、カー効果の良否はカー回転角θkで評価され
る。読み出し性能はカー回転角θkが大きい程よいた
め、カー回転角θkを増大させるべく種々の試みがなさ
れており、そのうちの1つに反射膜を設ける方法があ
る。この方法は、基板上に磁性層(記録層)及び反射膜
を設けたいわゆる反射膜タイプの媒体構成とし、基板側
からの入射光の一部は磁性層の表面で反射させ(この時
カー効果を受ける)、その残りは磁性層を通過したとこ
ろで反射膜によって反射させ(この時ファラデー効果を
受ける)、みかけのカー回転角を増大させることによ
り、読み出し性能の向上を図るものである。この反射膜
は上記のようにみかけのカー回転角を増大させる他に、
リードサイクルを何回も繰返すようなときに記録層の熱
を逃がし、記録層がレーザー光で蓄熱するのを防止する
役割も行う。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題の1つは次に示す通りである。すなわ
ち、これまで、ディスク構成要素の内、例えば保護層、
磁性層等個々の特性を改良する検討がなされ種々の提案
があるが、実際には光磁気記録媒体は多層構造であり、
それぞれの構成要素が相補的に関連しており、情報の高
速化、ハードディスク等の代替に対応していくために
は、ディスクの保存性や記録再生特性等に関し、各層単
独の検討のみならず、全体的な検討が必要となってく
る。
また、本発明の別の課題は上述したような反射膜タイ
プの光磁気記録媒体に係るものであり、以下に示す。一
般に光磁気記録媒体は比較的強いパワーのレーザー光を
用いて信号の書き込みを行い、弱いパワーのレーザー光
を用いて信号の読み出しを行うようになっている。書き
込み時に必要なレーザーパワーの強度Pはいくらでも強
くできるものではなく、汎用レーザー(LD)の最大出力
は30mWで、光学的損失によって媒体面では9mW程度の大
きさとなる。そこで反射膜タイプの光磁気記録媒体で
は、反射膜として金属等の良導体を用いるため熱拡散に
よるロスが問題となる。すなわち、熱拡散によるロスが
大きくなると書き込みに必要となるレーザーパワーPが
増大し、実使用上のLD出力では充分な再生信号が得られ
ないという問題を生じさせる。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされ
たもので、その第1の目的は、各構成要素を複合的に考
慮して長期保存性などの信頼性や記録再生特性がより優
れ、情報処理の高速化やハードディスク等の代替に十分
対応し得る光磁気記録媒体を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、記録感度を損なわずに
(書き込みレーザーパワーを増大させずに)良好な書き
込み及び読み出しを行うことのできる反射膜タイプの光
磁気記録媒体を提供することにある。
〔課題を解決するための手段及び作用〕
上記目的を達成するため、本発明によれば、プラスチ
ック又はガラス基板上に、SiZrN、SiON及びSiZrONの中
から選ばれる少なくとも一種類の材料からなり、膜厚が
600〜1200Å、光透過率が波長400〜830nmで70〜90%、
光反射率が10〜30%、かつ屈折率が2.0〜2.4である第1
の保護層と、一般式(Tb1-XDyXY(Fe1-ZCoZ1-Y〔た
だし、0.3≦X≦0.7、0.21≦Y≦0.27、0.07≦Z≦0.1
7〕で表わされ、膜厚が200〜1000Åである垂直磁気異方
性を有する非晶質磁性膜からなる記録層と、SiZrN、SiO
N及びSiZrONの中から選ばれる少なくとも一種類の材料
からなり、膜厚が300〜2000Åの第2の保護層と、硬化
性樹脂からなり、膜厚3〜100μmのカバー層を順次積
層して構成されることを特徴とする光磁気記録媒体が提
供される。
また、本発明によれば、上記構成において、第2の保
護層とカバー層との間に、熱伝導率が150〜230W/mKで膜
厚が250〜1000Åの反射膜を設けた光磁気記録媒体が提
供される。
以下本発明を図面に基づき詳細に説明する。
第1図は本発明による光磁気記録媒体の構成例を示す
断面図で、基板1上に第1の保護層2、記録層3、第2
の保護層4を設け、さらにその上にカバー層5を設けた
構造を有している。
基板1には、光透過性に優れ、耐熱性や耐候性、耐薬
品性に優れた材質が好ましい。プラスチックやガラスは
この要求を満たしており、プラスチックはトラッキング
用の案内溝やピットが2P法又は射出成形で簡単にしかも
安価に形成でき、ガラスは密着露光法のドライエッチン
グ等でトラッキング用の溝やピットを形成できる。プラ
スチックを用いる場合、特にポリカーボネートやアモル
ファスのポリオレフィン等の材質が好ましく使用され
る。
基板1上に設ける第1の保護層2は、記録層(磁性
層)3を外界の湿気(つまり水分)などによる腐食から
防止するパッシベーション効果と、記録層3の反射カー
回転角を光の多重反射により増大させるエンハンスメン
ト効果を有する。このため、第1の保護層2としては、
屈折率nを大きくでき、しかもパッシベーション効果も
十分であるSiZrN、SiON及びSiZrONが好ましく使用され
る。第1の保護層2にはこれらの材料を単独で用いても
よいし、混合して用いてもよいし、また単層としてもよ
いし、積層としてもよい。光の多重効果を利用するため
には、第1の保護層2に使用する材料の屈折率nは高い
方がよく、かつエンハンストメント効果によるカー回転
角θkの増大の点から屈折率nは2.0〜2.4の範囲である
のがよく、しかもその時の光量ロスを少なくするため
に、光透過率は波長400〜830nmで70〜90%と高い方が望
ましく、また光反射率は10〜30%が適当である。膜厚は
上記の効果を十分に発揮できるよう600〜1200Åが適当
である。
記録層の材料として従来はTbFeCo,GdFeCoが多く用い
られてきたが、本発明の記録層3にはこれら3元系の合
金材料にDy(ジスプロシウム)を添加したTbDyFeCoを用
いる。TbDyFeCoはキュリー温度(Tc)が140〜160℃と他
の材料に比べて低くすることができ、低レーザーパワー
で記録できる特徴を有している。その上、材料として低
いキュリー温度(Tc)を有していることに加えて上記の
第1の保護層2と組合わせることにより、多重反射を利
用してさらに記録感度を良くすることが可能である。し
かも、組成を下記のように選定することで、再生C/Nも
高くすることができる。
(Tb1-XDyXY(Fe1-ZCoZ1-Y 〔ただし、0.3≦X≦0.7、0.21≦Y≦0.27、0.07≦Z
≦0.17〕 また、ビット長を短くかつ形状の乱れを少なくするため
に、記録層3の膜厚は200〜1000Åが適当でである。
記録層3上にも該膜の腐食劣化を防止するためにSiZr
N、SiON、SiZrONの少なくとも一種類からなる第2の保
護層4を設ける。ここでは、パッシベーション効果が十
分大きいものが好ましく、上記の3種の材料が好適であ
る。膜厚もその効果を十分発揮させるため300〜2000Å
が適当である。
カバー層5は下層を機械的損傷から保護する効果と、
第1及び第2の保護層2,4と共に記録層3の腐食劣化を
防止する効果、及び反りを矯正し、媒体をフラットにし
高速回転時にも機械的特性を良好とする効果を有する。
このため、カバー層5には硬化性樹脂が使用され、その
膜厚は3〜100μm程度が適当である。硬化性樹脂とし
ては有機系エポキシ樹脂が好ましく使用される。この層
の形成により反りを3mrad以内に抑えることが可能とな
る。
第2図は本発明による光磁気記録媒体の別の構成例を
示す断面図である。この光磁気記録媒体は反射膜タイプ
であり、本構成例では第2の保護層4とカバー層5との
間に反射膜6が設けられている。この反射膜6は次の2
つの作用を有している。その1つは記録層3が200〜300
Åと比較的薄い場合には再生時のレーザー光は記録層3
を透過しこの反射膜6で反射される。この時、ファラデ
ー効果がカー効果と重畳し再生信号を大きくする。2番
目の効果はリードサイクルを105回繰返すようなときに
記録層3がレーザー光で蓄熱するのを防止すべく熱を逃
がすことである。この2番目の作用からすれば、熱伝導
率が大きい程良いのであるが、前述のように熱伝導率が
大きすぎると記録層3の蒿熱は防止されるものの熱拡散
によるロスが大きくなり、書き込みレーザーパワーの増
大すなわち記録感度の低下を招いてしまう。そこで本発
明者らはこの反射膜6と書き込みレーザーパワーとの関
係について検討してみたところ、書き込みレーザーパワ
ーには反射膜6の熱伝導率とともに反射膜膜厚が関わっ
てくることを見出し、そして反射膜6の熱伝導率及び膜
厚を下記のように規定したときに記録感度を低下させる
ことなく所期の目的を達し得ることがわかった。
通常、記録感度(書き込みレーザーパワー)としては
6〜9mW程度が好ましい。その理由は、9mWより大きいも
のは汎用レーザー(LD)出力の制限から得ることが困難
で、6mWより小さいと高感度すぎて媒体の保存環境温度
範囲内(〜50℃)でも長期にわたって記録が保持できな
いからである。記録感度が6〜9mWの制約条件で、反射
率と熱伝導率の好ましい範囲を考察してみると、まず、
反射膜6の膜厚が250Å未満では膜厚が薄すぎるため光
が透過してしまい、本来の反射率が得られず、一方、10
0Åより大きくなるとスパッタ成膜中に基板に熱が加わ
り、そのときの熱応力によって膜自体にクラックが発生
し、好ましくない。したがって、膜厚については250〜1
000Åが好ましい範囲である。また熱伝導率が150W/mK未
満であると記録感度の制約下限値である6mWでの記録が
できる膜厚が1000Åを越えてしまい、クラックが生じ信
頼性に乏しい。さらには9mWの上限を越えてしまう。一
方、230W/mKより大きくなると記録感度が低下し、記録
ができない状態となる。以上のことから、反射膜6の熱
伝導率を150〜230W/mKに選び、それに応じて膜厚を250
〜1000Åの範囲内で選定することにより、記録感度を所
定の最適範囲内に設定できる。
以上、本発明を第1図及び第2図に示す構成例に基づ
いて説明してきたが、本発明はこれらに限定されるもの
ではなく、種々の変形、変更が可能である。
〔実施例〕
次に実施例及び比較例をあげて本発明をさらに詳細に
説明する。
(実施例1) 基板として直径130mm、厚さ1.2mmのポリカーボネート
(PC)基板を用意した。この基板は射出成形で得られた
もので、断面が長方形でピッチが1.6μmのグルーブが
形成されており、溝部の幅は0.6〜0.7μm、ランド部の
幅は0.9〜1.0μm、溝深さは650〜750Åであった。この
基板に、あらかじめ脱水を目的にクリーンオーブン内で
95℃、2時間アニールを施した。その後、スパッタ装置
の基板セットチャンバー(ロード室)へ基板を取付け、
5×10-7Torrになるまで真空排気した。排気が完了次
第、第1の保護層の形成のために第1の保護層スパッタ
室まで搬送し、ここで第1の保護層としてSiN膜(屈折
率n=2.2)を下記のスパッタ条件で膜厚800Åに形成し
た。このとき、基板は放電中のターゲット上を通過しそ
の間に成膜が行われた。
・ ターゲット:5インチ(約12.7cm)×18インチ(約4
5.7cm)のSiターゲット ・ Ar流量:100SCCM、N2流量:10SCCM ・ スパッタ圧力:9×10-3Torr ・ 放電電圧:2KW ・ 堆積速度:400Å/min 次いで、基板を磁性層を形成するためさらに搬送し、
磁性層スパッタ室へ移動させ、ここで磁性層(記録層)
として(Tb0.5Dy0.50.24(Fe0.89Co0.110.76膜を下
記のスパッタ条件で800Åの膜厚に形成した。
・ ターゲット:5インチ(約12.7cm)×18インチ(約4
5.7cm)の(Tb0.5Dy0.50.24(Fe0.89Co0.110.76
ーゲット ・ Ar圧:3.0×10-3Torr ・ 放電電力:DC22KW ・ 堆積速度:800Å/min 磁性層の形成後、基板を次の第2の保護層スパッタ室
まで搬送し、ここで第1の保護層形成と同様にして第2
の保護層としてSiN膜(屈折率n=2.2)を膜厚800Åに
形成した。その後、第2図の構成の場合には、反射膜ス
パッタ室にて、反射膜としてAl-Si膜を磁性層形成と同
条件で膜厚500Åに形成した。そして、さらにその上に
カバー層としてエポキシ樹脂をスピナーにより30μm厚
にコーティングし、硬化させて、光磁気ディスクを得
た。
(実施例2〜8) 基板、第1の保護層、磁性層、第2の保護層、反射
膜、カバー層として表−1に示す材料を用い、実施例1
と同様にして光磁気ディスクを得た。
(比較例1) 実施例1において、磁性層としてTb0.24Fe0.68Co0.08
を形成したこと以外は同様にして光磁気ディスクを得
た。
(比較例2) 実施例2において、磁性層としてTb0.25Fe0.67Co0.08
を形成したこと以外は同様にして光磁気ディスクを得
た。
(比較例3) 実施例3において、磁性層としてTb0.23Fe0.69Co0.08
を形成したこと以外は同様にして光磁気ディスクを得
た。
(比較例4) 実施例4において、磁性層としてTb0.24Fe0.68Co0.08
を形成したこと以外は同様にして光磁気ディスクを得
た。
(比較例5) 実施例1において、第1の保護層としてSiN膜(膜厚1
000Å、屈折率n=1.9)を形成したこと以外は同様にし
て光磁気ディスクを得た。
(比較例6) 実施例1において、第1の保護層としてSiN膜(膜厚5
00Å、屈折率n=2.5)を形成したこと以外は同様にし
て光磁気ディスクを得た。
(比較例7〜9) 実施例6,7,8に対応して磁性腺をTbFeCoに変えて比較
例7,8,9の光磁気ディスクを得た。
以上のようにして作製した各光磁気ディスクについて
特性の評価を行った(動特性評価にはナカミチOMS-1000
を用いた)。その結果を以下に示す。
カー回転角θk 第1の保護層の屈折率がn=2.0〜2.4でかつ膜厚がt
=600〜1200Åである場合の効果はカー効果の増大に顕
著に現われる。表−2に実施例1〜8及び比較例5〜7
のカー回転角θk、ディスクの反射率R、及び記録した
時のキャリアレベルCを併せて示す。
表−2に示すように、屈折率nが2.0より小さいとき
にはカー回転角θkの増大効果が小さく、キャリアレベ
ルCが向上せず小さい。一方、屈折率nが2.5より大き
いときにはカー回転角θkは大きくなるもののディスク
反射率Rが8%程度と小さくなり、再生光量が少なくな
るためにやはりCは小さくなっている。これは、第1の
保護層の屈折率が2.4より大きい場合、該保護層の光透
過率が70%より小さくなり、膜の吸収が大きい為、再生
信号のCが大きくならないことが原因している。従っ
て、屈折率n=2.0〜2.4、膜厚t=600〜1200Å、光透
過率70〜90%、光反射率10〜30%の条件を第1の保護層
が満たしているときに再生信号のレベル向上が最も期待
でき、本発明の各実施例はこれを満足している。さらに
磁性膜を光が透過する膜厚にした場合の実施例6,7,8で
は、再生光がカー効果とファラデー効果が重ね合わさっ
て大きくなるので、θk,Cはさらに向上する。
記録感度 表−3に実施例1〜8と比較例1〜9の記録感度の評
価結果を示す。
表−3から明らかなように屈折率n=2.0〜2.4、膜厚
t=600〜1000Åの第1の保護層と特定の組成範囲にあ
るTbDyFeCoからなる記録層を組み合わせた実施例1〜8
の光磁気ディスクでは記録感度が4.6〜5.0mWと、記録層
にTbFeCoを使った比較例1〜9に比べて大幅に良い事が
わかる。また記録層に特定の組成範囲にあるTbDyFeCoを
用いているが第1の保護層の屈折率nが1.9となってい
る比較例5は感度が良いとはいえず、また特定の組成範
囲にあるTbDyFeCoを記録層に用いかつ第1の保護層の屈
折率nが2,5となっている比較例6は記録感度が4.0mWと
良くなっているが、表−2に示すようにキャリアレベル
Cが低下し再生時性が低下しているので、実用化には不
向きである。
機械的特性 表−4にエポキシ樹脂をカバー層として用いたディス
ク単板の反り量を、カバー層を設けないディスク単板と
比較して示す。
以上のように、ディスクの反り量はエポキシ樹脂から
なるカバー層を設けることにより小さく抑えられること
がわかった。
長期保存性 実施例1〜8の光磁気ディスクと第1及び第2の保護
層がSiO2からなる比較例A及びエポキシ樹脂のカバー層
を設けない比較例Bの光磁気ディスクについて80℃・85
%RHの環境テストを行い、欠陥率(BER)の増加を調べ
た。その結果を第3図に示す。初期値に対してBERが増
加している場合はディスクが劣化していると考えられ、
第3図より本発明の各実施例の光磁気ディスクは長期保
存性が著しく向上していることが認められた。
Al系反射膜を設けた場合の繰り返し記録特性 Al系反射膜を設けた光磁気ディスクと設けない光磁気
ディスクについても同一トラックを百万回繰り返して消
去/記録/再生を行った時に再生信号がどの程度劣化す
るかを調べた。その結果を表−5に示す。
表−7より、Al系反射膜有の場合には、再生C/Nが劣
化しておらず、繰り返し特性に優れていることがわか
る。これは、Al系反射膜が無いと繰り返しによりレーザ
ーの熱が第1及び第2の保護層と記録層に蓄熱されて記
録層の垂直磁気異方性が小さくなったり、あるいは非晶
質の記録材が結晶質へ相変化したりするが、Al系反射膜
を設けることにより、熱を逃がすことができ、その結
果、繰り返し特性が良くなったものと考えられる。従っ
て、第1図に示す媒体構成においてAl系反射膜を設ける
ことによってより一層繰り返し特性の向上が可能とな
る。
(実施例9〜15) ポリカーボネート基板上に第1の保護層としてSi34
(膜厚1000Å)、磁性層として非晶質TbDyFeCo膜(膜厚
250Å)、第2の保護層としてSi34膜(膜厚300Å)を
スパッタにより形成し、さらにその上に表−6に示す材
料からなる反射膜を同表に示す膜厚にマグネトロンスパ
ッタ法を用いて形成し、本発明の光磁気ディスクとし
た。
(比較例10〜15) 反射膜を表−6に示す材料で同表に示す膜厚に形成し
たこと以外は実施例9〜15と同様にして、比較例の光磁
気ディスクとした。
上記で得た実施例9〜15及び比較例10〜15の光磁気デ
ィスクについて、評価装置を用いて記録感度を測定し、
反射膜の熱伝導率及び膜厚との関係を調べた。記録感度
の測定結果を表−7に示す。
また、反射膜の膜厚及び熱伝導率と記録感度の関係を
第4図に示す。
表−7及び第4図から明らかなように、反射膜の膜厚
が250〜1000Åで熱伝導率が150〜230W/mKのときに所望
の良好なる記録感度を得ることができる。第4図中、斜
線で図った部分がその範囲である。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明によれば前記構成
としたので、記録感度及び再生特性が向上し、媒体の変
形が効果的に抑えられ、しかも長期安定性に優れた光磁
気記録媒体の提供が可能となる。
また、反射膜を設けることにより繰り返し特性をより
一層向上させることができ、特に反射膜の熱伝導率及び
膜厚を特定の範囲にすると記録感度の最適化が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明による光磁気記録媒体の構成
例を示す断面図、第3図は保存性テストの結果を示すグ
ラフ、第4図は反射膜の熱伝導率及び膜厚と記録感度と
の関係を示す図である。 1……基板 2……第1の保護層 3……記録層 4……第2の保護層 5……カバー層 6……反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近江 文也 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 宮本 功 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 沢田 康雄 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (72)発明者 町田 元 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコー内 (56)参考文献 特開 平2−247848(JP,A) 特開 昭62−275340(JP,A) 特開 昭62−285255(JP,A) 特開 昭60−107751(JP,A) 特開 昭60−98611(JP,A) 特開 昭63−74144(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G11B 11/10 501 G11B 11/10 521 G11B 11/10 523

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック又はガラス基板上に、 SiZrN、SiON及びSiZrONの中から選ばれる少なくとも一
    種類の材料からなり、膜厚が600〜1200Å、光透過率が
    波長400〜830nmで70〜90%、光反射率が10〜30%、かつ
    屈折率が2.0〜2.4である第1の保護層と、 一般式(Tb1-XDyXY(Fe1-ZCoZ1-Y[ただし、0.3≦
    X≦0.7、0.21≦Y≦0.27、0.07≦Z≦0.17]で表わさ
    れ、膜厚が200〜1000Åである垂直磁気異方性を有する
    非晶質磁性膜からなる記録層と、 SiZrN、SiON及びSiZrONの中から選ばれる少なくとも一
    種類の材料からなり、膜厚が300〜2000Åの第2の保護
    層と、 硬化性樹脂からなり、膜厚3〜100μmのカバー層を順
    次積層して構成されることを特徴とする光磁気記録媒
    体。
  2. 【請求項2】第2の保護層とカバー層との間に、熱伝導
    率が150〜230W/mKで膜厚が250〜1000Åの反射膜を設け
    たことを特徴とする請求項1記載の光磁気記録媒体。
JP16963390A 1989-06-30 1990-06-26 光磁気記録媒体 Expired - Fee Related JP2921590B2 (ja)

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JP1-168830 1989-06-30
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