JP2604361B2 - 光磁気記録媒体 - Google Patents

光磁気記録媒体

Info

Publication number
JP2604361B2
JP2604361B2 JP22905286A JP22905286A JP2604361B2 JP 2604361 B2 JP2604361 B2 JP 2604361B2 JP 22905286 A JP22905286 A JP 22905286A JP 22905286 A JP22905286 A JP 22905286A JP 2604361 B2 JP2604361 B2 JP 2604361B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magneto
protective layer
recording medium
optical recording
protective
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP22905286A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63133336A (ja
Inventor
伸一 勝田
隆幸 松本
Original Assignee
日本電気ホームエレクトロニクス株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本電気ホームエレクトロニクス株式会社 filed Critical 日本電気ホームエレクトロニクス株式会社
Priority to JP22905286A priority Critical patent/JP2604361B2/ja
Priority to EP19870104694 priority patent/EP0239974B1/en
Priority to DE8787104694T priority patent/DE3773517D1/de
Publication of JPS63133336A publication Critical patent/JPS63133336A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2604361B2 publication Critical patent/JP2604361B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、光の熱作用でキュリー点書き込みにより
磁性薄膜に情報が記録され、カー効果等の磁気光学効果
を用いた光変調の読み取りにより情報が再生される光磁
気記録媒体に関する。
従来の技術 光磁気記録媒体は、消去・書き替え可能な高密度大容
量光メモリ用記録媒体として、コンピュータ用外部メモ
リをはじめ、各種の分野で注目されており、そのための
実用化研究・開発が様々に進められている。
この光磁気記録媒体への情報の記録は、媒体に磁界を
印加しつつレーザ光を照射し、キュリー点以上に温度を
上げて磁化の向きを反転させる、いわゆるキュリー点書
き込みによって行われる。そして、情報の再生は、媒体
に照射されるレーザ光の反射光の偏光角度が異なる方向
にカー回転(磁気光学回転)される、磁気光学効果を利
用してカー回転角の変化を読み取ることによって行われ
る。
以上の如く情報の記録・再生が行われる光磁気記録媒
体は、透明基板上に垂直磁気異方性を有する光磁気記録
材料からなる磁性薄膜の層(記録層)をスパッタリン
グ、電子ビーム蒸着、イオンプレーティング法等によっ
て形成したものを基本構成とする。
磁性薄膜を形成する磁性材料としては、記録感度、再
生時の決め手となる磁気光学効果の大きさ、ノイズレベ
ルの低減等の点で、現状では希土類一遷移金属アモルフ
ァス合金が最も良いとされている。この希土類一遷移金
属アモルファス合金としてTbFeを中心に、TbFeDo、GdTb
Fe、GdTbFeDy等が種々検討されている。しかしながら、
これらの希土類一遷移金属薄膜は非常に酸化し易く、特
に湿度が高いとき酸化され易い。そのため、最近では透
明基板と記録層との間に下地保護層を形成し、更に記録
層上に保護層を形成して磁性膜をサンドウイッチ状に保
護した媒体構造が提案されている。この下地保護層およ
び保護層を形成した記録媒体は、下地層を透明基板より
も屈折率の高い材料で形成すれば、見かけ上の磁気光学
回転角(カー回転角)を高めることができ、カー効果エ
ンハンスメントによりCN比が向上し再生効率の改善に寄
与できることが知られている。そして、保護層の材料と
しては、SiO2、SiO、AlN、Si3N4等が代表的なものとし
て用いられている。これによって記録媒体の耐候性・耐
湿性を高め、信頼性を維持・確保するようにしている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような従来の媒体構造は、磁性
膜の保護の点で必ずしも十分でなく、長期にわたる温
度、湿度などの悪条件下における使用に耐えるものでは
なかった。また、記録媒体として使用したときのノイズ
レベルも十分に満足できるものではなかった。
特に、上掲のような従来用いられていた磁性膜の保護
材料は、磁性膜の保護効果に乏しく、例えば希土類のみ
が選択的に酸化する、いわゆる選択酸化による膜の組成
ずれ、界面における膜の酸化、腐食、あるいは孔食(ピ
ンホール)等が生じ、記録媒体の特性が劣化し、初期特
性は低下し維持できなくなる問題が生じていた。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、光磁気記
録媒体の耐候・耐湿性を高め長寿命化を図ると共に、ノ
イズレベルの低減を達成することを目的とする。
問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するために、本発明は、透明基板上
に下地保護層を形成し、この下地保護層を介して磁気光
学効果を有する材料からなる記録層を設け、その上に保
護層を形成した光磁気記録媒体であって、下地保護層と
保護層とをY2O3(酸化イットリウムム)で形成し、かつ
2つの保護層を屈折率が1.8以上になるように選んで成
膜した。
作用 下地保護層および保護層を形成するY2O3は、屈折率が
1.8以上であるとき、構造的に安定しており、ピンホー
ルが生じにくく、耐候性・耐湿性に優れた特性を示す。
更に、屈折率を1.8以上に選んで成膜されたY2O3は、
記録媒体のノイズレベルの低減に大きく寄与する。
実 施 例 以下、本発明の実施例について図面を参照して説明す
る。
第1図は本発明に係る光磁気記録媒体を示すもので、
この記録媒体は、分子量10,000〜20,000程度の低グレー
ドのPC(ポリカーボネート)基板からなる透明基板10上
に、下地保護層11,記録層12,保護層13をスパッタリング
によりこの順に積層・成膜して形成されている。この記
録媒体は、周知のように円盤状のディスク形状に形成さ
れ、その記録面にはディスク周方向にトラッキング溝が
形成されている(不図示)。
透明基板10の基板材料としては、PCに限らず、PMMA
(ポリ・メチル・メタクリレート),エポキシ樹脂等が
適用可能である。
下地保護層11と保護層13は、Y2O3よりなる材料で形成
される。その屈折率は、n=1.8以上であり、その中で
も特にn=1.8〜1.95の範囲に選ばれている。Y2O3は、
屈折率がn=1.8以上、中でもn=1.86〜1.95の範囲に
あるとき構造的に安定な膜構造となり、ピンホールが生
じ難く、高い耐候性を示し、記録層12の保護特性に優れ
ている。記録層12は2つの保護層11,13によって表裏か
らサンドウィッチ状に挟まれ、酸化防止、経時変化に対
する保護がなされている。
下地保護層11の膜厚dは、下地保護層11を形成するY2
O3の屈折率をn、使用レーザ波長をλとしたとき、λ/4
またはその整数倍となるように調整される。
下地保護層11の上に磁気光学効果を有する非晶質磁性
材料、例えば、希土類一遷移金属アモルファス合金薄膜
であるTbFeCo薄膜より成る記録層12が約1,000オングス
トロームの膜厚で成膜されている。この記録層12の上に
は、更にY2O3よりなる保護層13が薄膜で成膜されてい
る。下地保護層11および保護層13はAr(アルゴン)ガス
の雰囲気中で、Y2O3をターゲットとして用いてスパッタ
することにより、透明基板10および記録層12上に成膜さ
れる。記録層12も同様にスパッタリングの手法により成
膜される。このスパッタリングの時の使用アルゴンガス
圧は、1×10-2〜100Pa(パルカス)程度に設定され
る。実際には、この近辺のアルゴンガス圧でスパッタし
たとき、成膜スピードが速く、かつ高い成膜レートが得
られ、維持される。
尚、ここでもちいられるスパッタリングは、いわゆる
RFスパッタリングと称されるものである。
第2図は、上記の保護膜11,13を成膜する際のスパッ
タリングにおける使用アルゴンガス圧と成膜された保護
膜11,13の屈折率との関係を示すものである。図より明
らかなように使用アルゴンガス圧が1×10-2〜100Pa程
度のとき、保護膜として実用上、良い結果が得られる屈
折率で成膜される。その屈折率nは、n=1.8以上であ
る。その中でも、図で示した範囲にあるn=1.86〜1.95
が保護膜11,13の屈折率としても最も優れた結果をもた
らすことが確認された。
以上のようにして得られた記録媒体を光磁気評価装置
にセットし、レーザ波長λ=800mmのレーザダイオー
ド、開口数NA=0.55の対物レンズを有する光磁気ヘッド
を用い、ディスク回転数1,800r.p.mで回転させながら記
録・再生を行った。線速10m/s,レーザ光の記録パワー8.
5mW,再生パワー3mWで55dB以上(記録周波数f:1MHz,BW:3
0KHz)の高いCN比および再生振幅が得られた。また、下
地保護層11および保護層13にY2O3を用いた記録媒体は、
その保護層11,13の屈折率をn=1.86〜1.95の範囲で選
ぶことにより、SiO2,SiO,AlN等に比べて2〜5dB程度の
ノイズレベルの低減を図ることができた。更にこのよう
にして成膜された保護層11,13は以下に述べる実験例で
明らかなように高い耐候性・耐湿性を示し、優れた記録
層の保護特性が得られた。
第3図は以上のような光磁気記録媒体の耐候性試験の
結果を示すグラフ図である。この図で横軸は記録媒体の
雰囲気中への放置時間(hr)、縦軸はΔC/Nの変化量(d
B)である。また、Aは保護層の無い記録媒体、Bは保
護層としてAl2O3を用いた場合を夫々示している。更に
は保護層としてSiO2を用いた場合を符号Cで示してい
る。また、Dは保護層としてAlNを用いた例を示してい
る。そして、Eは保護層としてY2O3を用いた場合を示
し、本発明に係るものである。更に、Fはバリウム硼珪
酸ガラス7059を保護層として用いた例を示している。
以上のような記録媒体を温度60℃、湿度90%RHの雰囲
気中で放置する。すると、保護層の無い記録媒体は、放
置当初からAで示すように急激にΔC/Nが増加し、短時
間のうちに使用不能になることが判った。また、保護層
としてAl2O3を用いた記録媒体では、30時間程度放置し
た段階でΔC/N=0が維持できなくなることが判った。
また、保護層としてSiO2を用いた記録媒体では、放置時
間100時間までは良好な初期特性が維持できるが、それ
を越えると、結局はCで示すようにΔC/Nが急激に大き
くなり、ディスク媒体としては使用不能になることが理
解される。更に、保護層として比較的良い特性が得られ
るとされているAlNの場合は、300時間までは良好な初期
特性が維持できるが、それを越えると、ΔC/Nが急激に
大きくなり、もはや初期特性は維持できず、記録媒体と
しては使用できなくなることがDのグラフより理解され
よう。
第3図と同様のことは、反射率変化ΔRの面から見た
第4図で示す耐候性試験の結果についてもいえる。
第4図において、縦軸は反射率Rの変化量ΔR(%)
を表している。この図より明らかなように保護層として
最も良い特性を示すものと従来考えられていたAlNでさ
えも、300時間程度の放置時間で使用不可になった。
これに対して本発明のように、保護層としてY2O3を用
いた場合は、第3、第4図Eのグラフで示すように1000
時間経過した段階においても、ΔC/N=0,ΔR=0の状
態が維持されており、ノイズレベル、反射率の両面から
見て長期に亘って特性の劣下はなく、高温・高湿の悪い
条件下でも初期特性が長期間変動なく維持されることが
確認された。したがって、耐候性が飛躍的に向上し、耐
候・耐湿性に優れた媒体構造が得られる。この優れた結
果は、保護層としてY2O3を用い、その屈折率n=1.8以
上にしたことにより、構造的に安定した保護膜構造にな
ったことによる。その中でも、保護膜の屈折率をn=1.
86〜1.95の範囲に選んだとき、実用上最も良い結果が得
られる媒体構造となる。
尚、上記の説明では、保護層11,13をスパッタリング
の手法で成膜するようにしてあるが、これは真空蒸着の
手法でも成膜可能である。そのいずれの場合であって
も、成膜の条件により、Y2O3系保護膜の光学的屈折率は
変化する。そこで、この変化を最適制御することによ
り、優れた膜構造の保護膜が得られる。
発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、構造的に安定
した保護膜構造が得られ、通気性、通水性も無いので、
長期に亘ってピンホールなどの生じ難い耐候・耐湿性に
優れた媒体構造が得られ、光磁気記録媒体の長寿命化を
図る事ができる。同時にノイズレベルの低減も達成する
ことができ、高いC/N比の媒体構成が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る光磁気記録媒体の部分断面図、第
2図は保護膜成膜時のスパッタリングの際における使用
アルゴンガス圧と成膜された保護膜の屈折率との関係を
示すグラフ図、第3図、第4図は本発明に係る光磁気記
録媒体の耐候成試験の結果を従来の記録媒体と対比しな
がら示すグラフ図である。 10……透明基板、 11……下地保護層、 12……記録層、 13……保護層。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板上に下地保護層を形成し、この下
    地保護層を介して磁気光学効果を有する材料からなる光
    磁気記録層を設け、その上に保護層を形成した光磁気記
    録媒体において、前記下地保護層と保護層とをY203(酸
    化イットリウム)で形成し、かつ前記2つの保護層の屈
    折率が1.8以上になるように選んで成膜して成ることを
    特徴とする光磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】前記2つの保護層の屈折率を1.86〜1.95の
    範囲に選んで成膜して成ることを特徴とする特許請求の
    範囲第(1)項に記載の光磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】前記下地保護層の膜厚が使用レーザ波長λ
    のλ/4またはその整数倍であることを特徴とする特許請
    求の範囲第(1)項または第(2)項に記載の光磁気記
    録媒体。
JP22905286A 1986-03-29 1986-09-27 光磁気記録媒体 Expired - Lifetime JP2604361B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22905286A JP2604361B2 (ja) 1986-09-27 1986-09-27 光磁気記録媒体
EP19870104694 EP0239974B1 (en) 1986-03-29 1987-03-30 Magneto-optical recording medium
DE8787104694T DE3773517D1 (de) 1986-03-29 1987-03-30 Magneto-optisches aufzeichnungsmedium.

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22905286A JP2604361B2 (ja) 1986-09-27 1986-09-27 光磁気記録媒体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63133336A JPS63133336A (ja) 1988-06-06
JP2604361B2 true JP2604361B2 (ja) 1997-04-30

Family

ID=16885989

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22905286A Expired - Lifetime JP2604361B2 (ja) 1986-03-29 1986-09-27 光磁気記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2604361B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07169127A (ja) * 1993-10-01 1995-07-04 Minnesota Mining & Mfg Co <3M> 非晶質希土類酸化物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63133336A (ja) 1988-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS61196445A (ja) 光磁気デイスク
JP2604361B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPS61193886A (ja) 光記録媒体
EP0239974B1 (en) Magneto-optical recording medium
JP2001110104A (ja) 高伝導性の平滑な反射体層を備えた光磁気データ記憶ディスク
JP2921590B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPS62234251A (ja) 光磁気記録媒体
JP2507592B2 (ja) 光記録媒体
JP2829335B2 (ja) 光磁気記録媒体
JP2606729B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPS61196444A (ja) 光磁気デイスク
JPH0350343B2 (ja)
JPH04335231A (ja) 光磁気記録用単板光ディスク
JP2740814B2 (ja) 光磁記録媒体
JP2550698B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPS62192048A (ja) 光磁気記録媒体
JP2960470B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPH04232632A (ja) ジルコニウムを含有する磁気光学記録要素
JP2834846B2 (ja) 光磁気記録媒体の製造方法
JPS6168748A (ja) 光磁気記録媒体
JP2678222B2 (ja) 光磁気記録媒体
JPS6383937A (ja) 光磁気記録媒体
EP0316803A2 (en) Magneto-optical recording medium
Chen et al. Dynamic Study of Amorphous Tb-Fe Film for Magneto-Optic Memory Applications
JPH03142728A (ja) 光記録媒体